リナリア

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1:匿名 hoge:2021/03/15(月) 18:33

リナリアの花言葉は______








この恋に気付いて

2:匿名 hoge:2021/03/15(月) 18:36

寒い寒い冬が明け、生き物たちが動きはじめ、人々も少し明るくなる春。 

学校の入学式で生まれて一度も恋をしたことがない女子生徒は






隣の席の人に恋をした。

3:匿名 hoge:2021/03/15(月) 18:44

[紹介]

「これが…恋…」

瀬野 唯花 (せの ゆいか)

春から高校生になる14歳。誕生日は4月10日。恋をしたことがなく、恋焦がれる友達を羨ましく思っている。人に尽すことが好きで、自分のことを後回しにしがちなところがある。

4:匿名 hoge:2021/03/15(月) 19:47

[第一話]  

春。少し大きい制服に袖を通し、瀬野唯花は鏡の前でくるりと一回転する。

「この学校の制服可愛いなぁ…」

唯花は胸まで伸びている髪をまとめ、これから始まる高校生活に期待を胸を弾ませながら不安を抱いていた。

校門につく。「第51回入学式」と書かれてある板の前には同じ新入生であろう、女子二人が写真を撮っていた。

正面玄関を潜り、新入生の教室へ入る。唯花が扉を開けるときに出たカラリという音がやけにうるさく響いた。

そうして数分立ったあと、ガラリと扉が開き女性が入ってきた。

「皆さん、ご入学おめでとうございます。」

ふんわりとした雰囲気の、少し茶色がかった髪色の女性。小柄で、小動物のような愛くるしさがあった。

「私は、この一年三組の担任、坂井真奈と言います。皆さんが楽しい一年になるよう、精一杯がんばります。」

坂井真奈と名乗った女性はこれから始まる入学式の説明を始めた。私が名前を読んだら返事をしてくださいだとか、姿勢を良く、堂々としましょうだとか、そんなの始まる前から知っているようなことばかりだった。

「では、体育館へ移動しましょう。」

クラスメイトたちが廊下へ移動し始めた。

5:匿名 hoge:2021/03/15(月) 19:51

[紹介] 

「皆さんが楽しい一年になるよう、精一杯がんばります。」

坂井 真奈 (さかい まな)

唯花たち一年三組の担任。担当は現代文。茶色がかった髪をしているが地毛。生徒たちを想って東奔西走している。

6:こえびてゃん hoge してみたぬき。:2021/03/15(月) 22:22

[第二話]

「これより、第51回蒼海高校入学式を執り行います。」

そう告げる男性の声が聞こえた。ついに入学式が始まる。

拍手が聞こえ始めた。それとともに、音楽が鳴り始めた。

次々と体育館へ進む。唯花の番だ。

唯花は少し胸を張り、私も今日からここの生徒だということを知らしめるように歩いた。

「続いて、新入生による抱負です。一年三組星野佑月さん」

はい、と明るい声で挨拶し、星野佑月は壇上へと上がる。

一歩前へ出て、お辞儀をする。その時だった。

唯花は口がぽかんと空いてしまった。星野佑月。一瞬で心が持っていかれた気がした。心臓が高鳴る。

佑月ははきはきと抱負を述べている。その姿は堂々としていて、緊張をしていることに間違いはないのに、そんなことを一切感じさせなかった。

すごい…唯花は心の中で思った。

7:匿名 hoge:2021/03/18(木) 19:35

今見たら、名前変わってなかった…

8:匿名 hoge:2021/03/18(木) 19:50

[第三話]

入学式も無事に終わり、自分の部屋でベッドに寝転びながら、唯花は中学時代の親友である優に連絡を取った。

「____はーい、優でーすよー」

「あ、優?急に連絡してごめんね。」

「全然へーき〜、でどーしたの〜?」

「今日ね、蒼海の入学式があったんだけど______」

今日の入学式のことをたくさん話した。外観は豪華なのに中はそうでもないこと、校門を抜けて玄関へ向かう道には、たくさんの桜が咲いていたこと、そして、星野佑月のこと。

「____へー…まさかゆいちが恋をするなんてね〜」  

「えぇっ!?」 思わず大きな声が出た。

「ちょっと〜こっちがえぇって言いたいよ〜」

これが…恋…?

9:匿名 hoge:2021/03/18(木) 19:52

[はーい、優でーすよー]

鈴木 優 (すずき ゆう)

唯花の中学時代のときの親友。おっとりしていて、マイペース。少女漫画が好きで、かなりの漫画を集めている。

10:匿名 hoge してみたぬき。:2021/04/03(土) 23:17

[第四話]

これが…恋…。確かにあんな心臓が高鳴っていた事、唯花は今まで生きていた中でなかった。

「しかもさ〜それって一目惚れでしょ〜?まさかゆいちがね〜」

「本当にね…。私もあんな感覚初めてだよ…。あの人の…星野君の、全ての仕草に見惚れちゃうっていうか…」

「ねえねえ、今度の土曜遊ぼ〜?私もホシノサンの話聞きたーい」

「そうだね。遊ぼう。じゃあね。おやすみ。」

そう言って通話を終わらせると、ちょうど母が1階からご飯だと呼びかけてくる。はーい、と返事を返し唯花はゆっくりと起き上がった。


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