完全自己満です。
主な登場人物:美月(20)
陽琉(19)
「別れよ」
20歳の春、1年付き合った彼氏と別れた。
「あき〜。別れちゃった」
私は進学のために地元を離れ、1年前に福岡に越してきた。
その学校で最初に仲良くなったのがあき。
あきは誰とでも仲良くなれる性格で、入学式に話しかけてくれたことがきっかけで仲良くなった。
同じ年と思えないくらい大人びてて、サバサバしてる。
あきは悲しそうな顔をして机に顔をうずめる私の頭を撫でた。
「泣くなよ〜、何があったの?」
「なんかね遊びたいみたい。彼女っていう存在が嫌になったんだって...」
「は?なにそれ。別れて正解だよ」
私は泣きながらあきに全部ぶちまけた。
帰る時間になると私の目は真っ赤だった。
1年早く社会人になった彼と学生の私はすれ違いが多くて、
なんとなく終わりなんだろうなって気はしてた。
でも、ちゃんと好きだったんだけどなあ。
どちらかというと周りから応援されることが少なかったけど、私は彼のことが大好きだった。
もう恋愛なんてできない。
そう思ってたのに、私は彼と出会った。
「飲むどー!」
別れたショックでやけくそになった私は幼なじみと弟を誘って居酒屋で呑んでいた。
「お姉ちゃん、飲み過ぎじゃない?」
まだ成人していない弟はオレンジジュースを片手に呆れた顔で私を見て言った。
弟の隣で黙々と、焼鳥を食べていた幼なじみはパンパンにした頬で弟に
「お前お姉ちゃんに誰かいい人紹介しろよ〜、人を忘れるには新しい出会いだろ?」
「ええ、いい人はいるけどさあ」
私を置いてそんな話が繰り広げられていた。
そんなすぐに忘れるわけないじゃん。
いつもの私だったら止めたんだろうけど、お酒が回っていた私は酔いに任せて
「いるのお!教えてよ〜!あんなやつ忘れてやる!!」