・短編小説板より(https://ha10.net/test/read.cgi/short/1672502525/l10)。構想してたら短編に収まりそうになかったため。
・小説板で進行中の小説が4つになりました。そろそろスレ乱立で規制されないか心配です。
・いつもの如く百合注意
・元々見切り発車だったためノリと雰囲気で書いてます。パラドックスやクローン関連の質問は専門家の方にお願いします。
あの後私は紅羽を自室のベッドに寝かせ、風呂に入った。······私だとはいえ、部屋に他人を寝かせるのにはやや抵抗があったが、その辺は大丈夫だった。私の倫理観もしっかりと受け継がれているらしい。というより、私が風呂から出た時点で、彼女はもう既に寝ていたのである。
「はぁ······」
時刻は午後10時。家から学校までは少し離れているため、そろそろ寝ておかないと明日に支障をきたしそうな時間帯。ソファーに予め持ってきておいた掛け布団を広げる。
とはいえ、私はまだ眠る気になれなかった。ちょっとだけ、思考を整理しておきたかったのだ。テーブルにお菓子をいくつか置き、極めつけにはペットボトルのコーヒー。我ながら肌に悪すぎると思う。
······まず、稲川さん。彼女から好意を持たれていることには全く気付かなかった。紅羽の言い方からして、もう既にヤンデレ化が始まっていそうである。私の心情は······ちょっとまだ整理できていない。
紅羽。彼女が私であるということは完全に理解できた。だが彼女のやりたい事がいまいち分からない。彼女は何がしたいのだろう。私にどうなって欲しいのだろう。······私のくせに、全部わからない。
······私は······どうするべきなのだろうか。この思考も何度目かわからない。それもこれも紅羽が現れたせいである────人に罪を押し付けるのはどうかとも思うが。
それに、死ぬと言われても、正直なところさほど感銘は受けなかった。こういうところが問題なのだろう。打っても響かない────頑固、鉄の意思、そして優柔不断。私は最後の性質だけ持ってしまったらしい。
夜は更けていく。朝7時が少しづつ近付いてくる。······結局私はコーヒーも飲まず、お菓子も食べず、布団にくるまって眠りに落ちていくのだった。