これから小説作ります!!
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私にとって、そこは真っ暗な空間だった
私はただ1人、暗闇の中を彷徨って
居場所を求めていた。
光を目指していた。
どうしてこの世界はこんなにも不公平に溢れているのだろう。
😈第一章😈
痛い程に空は晴れていた。
いっそのこと雨でも降ってくれていた方が涙を流しやすかったかもしれないのに、少しは私の心も楽になったかもしれないのに…………。
「茉里!お前は1人じゃない!大丈夫だ!ほら早く、俺の手を握れ!!」
死ぬな、そんなことするな
その時私には、そんな彼の言葉も全く耳に入ってこず
私はまるで死ぬ事を恐れていないかのように、軽く足に力を入れ地面を踏み込んで、屋上から飛び降りた。
だって私は、死ぬ事よりも生きることの方がよっぽど馬鹿らしいと思っていたから。
空中を落ちていく感覚は不思議なものだった。
景色を記憶するのは何だか嫌だったので、私は地に着くまで瞳を閉じた。
次に瞳を開けた時、私の望みは虚しく散り、そこは病院だった。
真っ白な天井。
そんな天井を見つめながら私は、自分の命がどこまでしぶといのかと不機嫌だった。
最初酸素マスクが付けられていることが分からなくて、顔に何かへばりついている感覚だった。
「茉里…………!!俺の事、わかるか?」
私は薄い視線を彼に向けた。
涙を流しながら私の手を強く握っているその人は
幼馴染の中野陸。
屋上で私が飛び降りる瞬間を目の当たりにした男だ。
私は彼に小さく頷いた。
「良かった……本当に良かった」
ごめんね、陸。
正直な所私は、生きてて良かったと貴方に思ってもらえる程、価値のある人間じゃないの。
自ら命を投げ出そうとした私を、目の前で見てたなら分かるでしょ。
後頭部が言葉に表せない程の痛みで包まれていて、私はただ天井を見つめる事しか出来なかった。
「茉里……もう2度とこんな真似するなよ」
陸の綺麗な真っ黒の瞳から一粒の涙が光り、落ちた。
私が生きている事で、こんなに涙を流してくれる人がいるの……?
私には、もう分からない。
思い出せない。
人の命を感じて泣くという事が。
私は心の中で何度も何度も陸に謝った。
強く握られた手から伝わる。
陸がどれ程私を思ってくれているのか。
私も何故か胸が苦しくて泣きたかったけれど、悲しくなるほどに涙が出なかった。
陸の手は、幼かった頃とは比べ物にならないくらい大きくて、男らしい。
そして何より暖かかった。
その手の温度から陸の気持ちが伝わって来た。
彼はただ一言私に言いたかったのだ。
逃げる事なく、迷う事なく、生きろと。
👿第二章👿
私はとにかく内気な性格で、いつも何かに怯えていた。
小学校の入学式の日。
新しい環境に戸惑いを隠せなくて、泣きそうになりながらも渋々教室に入った。
さとう まりと書かれた机を見つけて、椅子に座ったは良いものの、小さな手に震えが止まらなかった。
自分は何かの病気なんじゃないかと、何度も思った事がある。
私は人との接し方が分からなくて、自分から話しかけて友達を作る事が出来ない性格だった為、どの環境でも1人になる事が多かった。
運良く周りから話しかけられても、どう笑って良いかわからず、上手く話せない私。
そんな私の態度がたちまち沈黙を作ってしまう。
そんな私に比べて陸は活発的で、友達があっという間に出来るような子だった。
中学の時も、男女共に友達が多くて
いつも充実した学校生活を送っている様だった。
高校生になった今もそれは変わらない。
陸とはずっと同じクラスだったわけではない。
でも家が近くて、お互いの事をよく知っている為、どんなに環境が変わっても、陸だけは態度を変えず接してくれていた。