1度離れてしまったら、もう、二度と元には戻らない。
それは何か。
この問いに気付いたとき、あなたはほんの少し成長する。
それは決して、理科でもなく、数学でもなく。
日常に潜んでいる、とてもとても、大切なもの。
私はそれに、幼くして気付いてしまった。
もう、二度と元には戻らない……
これはなんなのか。
今一度、考えてみてください。
友達は皆、先へと進む。
気付いたら、私はたった一人で立っていた。
その道の真ん中で、私は一歩でも早く、一秒でも早くと。
変わり続ける時の中、毎日必死にもがき続けている。
変わりたくないのに変わっちゃう。
変わりたいのに変われない。
今日は、いつまでも昨日とは違う。
だから楽しい。
そして、少し寂しい。
10年後の未来なんてわからない。
だけど、ここにある「今」を大切に生きて行こうと、私は思う。
私は友たちと一緒に歩いてきた。
しかし、友達はみんな、1人で歩くことを覚え始め、いつしか私は独りぼっち。
私が引いてた手は、するりと離れ、それぞれの道へ進んでゆく。
そんな私にできることはただ一つ。
それは、絶対に手を引いてあげないことだ。
今ひいてしまうと、きっと私は、わがままな自分のいるところまで、みんなを引きずりおろしちゃうんだろう。
きっとみんなは、喜んで受け入れてくれるから。
だから、私は呼び止めたりしない。
それが、私にできる唯一つのこと。
いつ、どこで歩いてもいいように、頑張ろう。頑張ろう。
初雪の夜。
私は寒さにかじかんだ手をさすりながら、白く染まった夜道を歩いてく。
夜の空に、私の意気が上がったかと思えば、消えていく。
いつしか、私もあんな風に自由に飛べる日が来るのだろうか。
雪さんのポエムは不思議です
まるで今の私の心情を表してるみたいで
これからも頑張ってください
ありがとう。
返事遅れて、ごめんなさい。
ベッドに横になりながら、ふと思い出す。
前の学年でよかったこと、あのクラスに入れてうれしかったこと。
だけど、時間は不可逆。
もう、元には戻らない。
合唱コンクール、文化祭、運動会……。
頭に浮かんでは次々と消える、思い出の数々。
前の方が、良かったな。
そう思うことが、今まで何度あっただろう。
ぱちんと頬を叩いて起き上がる、周りは見ないで、自分を見据えて。
母の言葉を胸に抱きながら。
もうちょっとだけ一緒だったなら
あの時のゴメンも
あの時のありがとうも
あの時のまたねも
こんな馬鹿な私だけど
口から
ゆっくりだけど
紡ぎ出せたのかもしれない
でも
もう遅いよね
「アイタイヨ」
私の大好きな
たった一人の
たった独りの
友達へ
もしまた会えたなら
もう一度馬鹿笑いできるのかな
人間は悲しき生き物。
大切なものは、失って初めて気付く。
そして、失ったものは、もう二度と元には戻らない。
これは、揺るぎ無い人類の法則。
でも、そこから人は成長する。
踏まれても、転んでも、何度でも起き上がることができる。
だから、私もそんな強さを身に着けるために、今、ここから立ち上がるのだ―。