自己満で自分が書いた絵から文章を書きます。
こんなのでも一人でも読者がいたら感謝感激雨霰です。
【来世】
真っ黒な未来と真っ白な過去。
全ては神の気まぐれ。たった一つの手で一人の人生が決まる。
周りにいる人々は一体どんな来世が待っているのだろう?
そんな疑問も宇宙の塵になって、消える。
一度だけ、たった一度だけでいい。
自分の来世を考えてみてはどうだろう。
それだけで、神の気まぐれは良い方向へ向かうかもしれない。
【山火事】
たった独りだけでここで暮らしていた。
ひっそりと、こじんまりと。誰にも迷惑をかけず、ただただ静かに暮らしていた。
それでも余生を平和に過ごすことはできなかった。
それは私の家を包み込んだ。
それは山全体を包み込んだ。
それは景色を包み込んだ。
それは真っ赤な色をしていた。
ああ、唐突だったさ。唐突だったもの。
気がつけば私は宙に浮いていた。下半身は火の玉と化している。
どうやら私は死んでも尚、独りで生きていかなくてはならないらしい。
さて、これからなにをしようか。
【夜なべ】
母さんは俺に何も作ってくれなかった。
その代り変わらない愛情をくれた。
何一つ変わらない、歪んだ愛情。
母さんは今日も俺のために何かを作ろうと必死になっている。
一心不乱に編み物をして、それが結局何になるかは検討もつかない。
ただ一つ分かるのは、そのせいで俺がこの家にとらわれているということだ。
母さんが最後に何を作るのか気になって気になって、あの世さえも行けなくなっていた。
今日も母さんは編み物をする。
ふと俺は足に違和感を感じ、自分の足を見た。
母さんが一心不乱に編んでいた毛糸が、俺の足に巻きついていた。
【鏡】
わたしはかわいいこです。
うまれてからずーっと、まわりから「かわいいこだね」っていわれてました。
わたしはかしこいこです。
みんなよりあたまがいいです。べんきょうもできます。
わたしはいいこです。
いえにままがいなくてもひとりでおるすばんできます。
そのせいでままにころされかけました。
とてもこわかったけど、わたしはかしこいこだから、ままに『しかえし』しました。
がまんするのもてだけど、やられたらやりかえすのもひとつのしゅだんだと、せんせいがいっていました。
だからわたしはままに『しかえし』しました。
でも、やっぱりこわくて、ほうちょうをもったままそのばをはなれることができませんでした。
だいじょうぶ。わたしはかわいいこだから、なにしてもゆるされるはずなの。
そうおもったので、わたしはかがみをみにいきました。
わたしはかみをふたつにくくっています。
ちゃーむぽいんとだねって、せんせいにあたまをなでられました。
かわいいかわいいわたしのちゃーむぽいんと。
わたしはかがみのまえにたちました。
かがみにうつっていたのは、かわいいかわいいわたしじゃなくて、かいぶつでした。