猫、猫おいで。
透き通った目で一度私を見ても、
私の所には来てくれない。
みんなに愛を貰ってあなたは幸せかしら。
一度抱き上げられてまた下される。
寂しいと思わないのね。
猫はそういう奴だ。
仕方ない。
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ポツポツ思った事を書いていきます。
感想貰えたら嬉しいです。
私は知っている。
猫がとても温かい事を。
その毛がとても柔らかい事を。
優しく鳴いて寂しさにそっとその身をすり寄せて、
心に入ってくる事を。
孤独を抱えた人に寂しさを植え付けて、
依存させてしまう事を。
飽きっぽい猫は寂しい人を置いていく。
捨てられるのならば触れたく無いのに。
どうしてこんなにも触れてみたいと思うのだろう。
猫の首には首輪の跡が色濃く残っている。
猫はこんな風に縛る生き物じゃない。
ただ、行く宛など無いように愛を渡り歩く猫を
縛って閉じ込めてしまいたい。
可愛がってもどこかへ行ってしまうなら
捕まえてしまいたい。
猫がどうしても欲しかったんだ。
前の飼い主の事が忘れられない?
聞いてみたいけれど、怖くて聞けない。
聞いてもにゃあと返ってくるだけ。
私以外がこの柔らかい身体に顔を埋めたなんて。
頭がおかしくなりそうなぐらい悔しくて。
分かっていても、聞きたくなる。
可愛いくない嫉妬を、
つまらない嫉妬を、
猫はどう思うだろうか。
ねえ、猫。
数日会ってないけど、どこで何してるの?
私が寂しがってるなんて、分かりきった事でしょう。
早く帰ってこないと前の飼い主みたいに
首輪をつけるわよ。
ねえ、猫。
私の手からご飯を食べない事なんて分かってるから
せめて冷たい夜には側にいてよ。
早く帰ってこないと私が愛に凍えて
餓死するわよ。
猫、猫。隙間風を連れて帰ってきたのね。
何のきまぐれ?猫のその態度にどれだけ
私の心が動いてるか知ってますか?
きまぐれなら擦り寄ってこないで。
孤独をあたしに与えないで。
凍えていた事に気付かせないで。
いつもみたいにおやすみだけじゃなくて
喋りたいなんて。
どういう心境の変化なの?
小さな鼻をつまんでちょっと怒りたい気分。
あたしで遊ぶのはやめて。
ねえ猫、温もりは嬉しいの。
でもその歯が、爪がとても怖いの。
その時が、とても怖い。
おいでなんてあなたらしくないじゃない。
猫、猫。
気を使うなんてあなたらしくないじゃない。
猫、猫。さようなら。
首輪の要らないあなたを
縛ろうとした私が悪かった。
振り向いてさようならをありがとう。
ぬくもりを知った指先があなたを探しても
私はもう置いて行かれたって分かったから。
今でも見かけるあの猫。
路地裏を通り抜けてどこに行きたいの?
春は猫の恋。切ない声に苦しくなります。
あなたは私に面影探した?
私の向こうに誰を見てるの?
さよなら、さよなら私の猫。
何処かで見たあなたは誰かの物でした。
あなたへの好きがちゃんと溶けてなくなる前に
なんだか冷めてしまって身動きが取れない私なの。
あなたを縛ってた好きはあなたを捉える寂しいになったの。きっと全部があなたのせい