あたくしが
詩とも呼べない詩を
投げていくだけでございます。
ぱっと手を離せば君は消えてしまう
そして音もなく現れて
僕らは君に
振り回されて
夢を見て
夢を見させられて
退屈なヒーロー
全部偽物でした
あの子もあの子もあの子も
じゃなくて
自分が
自分が偽物でした
気持ちなんてどこかへぽーんって投げちゃって
坂を転がって
大海で割れて沈んだ
どれが本当か偽物かなんて分からなくて
あの子が誰のことをああだとかこうだとか
そんなの本当なのかなって
どうせ本質は
流れる川の泡沫みたいなんじゃないかって
一生抱かない気持ちなんじゃないかなって
なんのために動物として生きてるのかなって
それとそれは違うのかなって
一冊だけ持っている青春恋愛小説の背表紙を眺めた
どれが本当なの
どれが偽物なの
って足掻いたって
結局何も分からずじまいで
ただただあの人の笑顔は潰しちゃいけないなって
好きなものを好きだって思えるひとの笑顔は潰しちゃいけないなって
ただただ安上がりのレモネードの中で固く目を閉じた
どこで割れたの?
大海で、です
大海のどこ?
だから、大海なんですよ
.
「 うるせえ 」
ちょっと、傷ついた。
「 飴玉だけに話すね。あのね、実は俺、 」
ちょっと、わくわくした。
「 うわーこわいこわいこわい お母さんかよお 」
何も、感じなかった。
.
安上がりのレモネード
見かけはレモネードなのに
本質は違うはずで
でも味はそっくりだから
何が本当で何が違うのか
全くわからないの
この気持ちがどこまで本当か
クエン酸とレモンの間で混ざりこけて
さらりと喉を潤して
何もなかったみたいに
もしこれが本物のレモネードだと言うのなら
わたしは何をすればいいのだろう
知らなければ、よかったな
知らなければ、よかったのに
ほんと、自分の気持ちってわっかんないや
なんで首筋が強張るのか
なんで知りたいって思うのか
なんでキーボードを打つ手が止まるのか
なんで返事ひとつにとても時間をかけるのか
あいつのこともわっかんないし
自分のことさえわっかんないや
とりあえず推しを見ていたら
世界は平和だと思った
そうやって逃げて
いや、そもそも
本気で逃げたいのか
逃げてみたいのか
全然わっかんないや
ほんと、何もかもわっかんない
ただ、推しは本当にかわいかった
でも 何もわっかんないの
たすけてよ
一ミリくらいは分からせてよ
こんにちは!!!
ただのきもいこさーんじょうっ
なんで参上したかって、
そりゃあきみを一目見るためだよ??
わたし、すきな人のためならいくらでもきもくなるよ
それが愛情表現なんだよ、なーんてね
はいはいレモネードのんで気分変えて
暑い外ともおさらばして
せかいのはてまでぶっとぶ夢をみよう
思いなんて自己暗示してるだけだ
あの子がすきだ、ってね
おいてけぼりをくらってる。
どこでも、なんでも。
生身の人間とだって、この世界でだって、
いつも、おいてけぼりだ。
無愛想と無感情は違うの。
わたしだって愛想は良くないけど、
無愛想って程ではないよ。
でも、無感情かもしれないって思って、
ああ、なんだか手が凍ったように動かない。
おいてけぼりをくらってる。
感情から逃げてる。
本質の違うふたつの渦に飲み込まれたまま、
わたしは微温湯でまどろみ続けるのだろうか。
きっと、先輩が何でもかんでもこういうのに飛びつきたいひとだからなんだ。
「まさか、××ちゃん、もしかして、」
だから、それにちょっといらいらして、心臓がとくとくするんだ。
「ないですよ」
もう空は暗い。遠く、とおくに、うっすらとオレンジ色の光が差していた。
まだ死にたくない
夢も
欲もある
結婚もしたい
僕はまだ少年だ
今人生が始まったんだ!
ストレスからの解放は
永遠の自由
死などあまり考えるな
僕は生きてる
夢と共に
人生を満喫し
人々に勇気と幸せを
与えるんだ!