巻頭歌『夢について』
今朝夢から目覚めますと
奇妙な錯覚を覚えました
夢が、あの
夢の遠のいていく
徐々に徐々に
覚醒へと向かっていく気持ちの悪い心地が
今朝は感じられなかったのです
つまり
夢のような浮遊感の中で
夢と現実がまるで地続きであるような
これが夢の続きであるような感触を得たのです。
その不思議な感触は、
わたしに今日は私はなんでも明晰夢のようにできるだろうという勇気を与えたのでした。
目次:
1.『吉夢について』
2.『悪夢について』
3.未定
4.未定
未定
『吉夢について』
胸の中に抱いた、あの幸せな感触が
徐々に夢だったと明らかになり
手を離れていく喪失感
悔しさに唇を噛む
夢の中でわたしは
あの人と手をつなぎキスまでしたというのに
『悪夢について』
悪夢から覚めたあと人は安堵を覚えるのかもしれないが、
その日のわたしはそうではなかった
悪夢から覚めた瞬間に感じるのは
水中から息継ぎをするために顔を出して、やっと息が吸えた時の空気のおいしさではなく
もう一つの水面に顔を突っ込んだにすぎないという息の苦しさ
それゆえか
今のわたしは 今朝の夢の内容を 一縷に至るまで漏れなく 覚えていた
悪夢から覚めたあとの 夢の内容を忘却させる作用は
一切その日のわたしの脳みそには働かず
その日一日を
悪夢の続きを見ているような心地で過ごすことになるのでした
『午後に見る夢』
午後に見る夢は、休んでいるはずなのに
どっとつかれる
たくさんの情報が頭に入ってきて
でも目覚める頃には忘れて すっきりしているんだよなあ
電気をつけたまま寝た夢は
ひだまりに包まれていたなあ
『いまだに私はたくさんの夢を見る』
いまだに私はたくさんの夢を見る
あの人の隣に私が居る夢
もう会えなくなった同級生の輪の中で、
わたしとあの人もいる夢
昔の まだ仲が良かった頃の夢
あの人の知りたい知識を 教えてあげる夢
あの人の聞きたい言葉を 答えてあげる夢
あの人を正しく導いてあげる夢
あの人の生活をわたしが支える夢
わたしだったら・・
そうやってあの人を満足させてあげられたのに
全部、今日起きながらに見た夢なんだな
『夢の余韻に縋る』
夢の余韻に縋る
今朝はもう
そこにしかわたしの幸せはないから
夢の糸を離さないように
胸のなかに抱きしめて、
手の中に掬い上げて、
一滴足りとも夢の余韻を零さない。
でもぽつり、
ぽつりと糸が途切れて。
忘却の 彼方へ
気付いたのだけどわたしの詩、ラブクラフトの忘却の彼方への詩情が根底に通じてますね。
8:◆8A:2024/11/19(火) 12:26夢についての詩をシリーズ的に投稿していこうと思っていたのだけどネタが尽きたのでこの先はわたしの雑多な詩の投稿場所に変えます。
9:◆8A hoge:2024/11/20(水) 03:58 『日照権』
誰か光を照らしてください。
この部屋に光を与えてください。
その結果どんな醜いものが見えるかは知っています。
どんな自分の醜い姿が浮き彫りになるか知っています。
音のない世界に
沈黙を。
闇のない世界に
影を。
せめてそれを示して見せて。
ここにはなにもないと。
「タイトル:適当」
心がから
からからから
殻殻からの
から絡げ
こころがあな。
あなあなあなの
あなたはいますか
心が空。
心が穴。
心が空。
心が穴。
こころ厭々から絡げ。
十把背負ってから絡げ。
寄稿を負ったドレスデン。
あ、プロイツェン。月の湖面のやさしいうさぎ。
華やかなパレードの進行中。
月の真裏の珍道中。
春が過ぎた生臭さ。
かわいたバラック集落。
(言葉の並びに意味はない。)