なんかかっこつけて『Freegenre』なんてつけちゃってますけど、ちゃんと短編集ですので・・・w
とりあえず、グダグダとのんびりゆっくり書いていきます、ハイ。
+:★*ルール+:★*
*荒らしや中傷コメは絶対やめてください。
*雑談は少しくらいまでならokですが、読者様同士の深い関わりを持ちたい方は交流版へどうそ。
リクエストや感想、アドバイス等は受け付けます!
感想、アドバイスは辛口で全然okですので、作品を読んで思った事を素直に書き込んでください。
【冬の春】
*ジャンル*
恋愛
*主な登場人物*
・仲瑞 架友[ナカミズ カユ]
・椎田 尚哉[シイダ ナオヤ]
・桂島 静果[カツジマ シズカ]
おぉ!!スレ名かっけぇ!!w
楽しみにしてるよん〜!!
あゆみです。覚えていますか??
この小説も頑張ってください!ちょくちょく
コメントしようと思っています。よろしくお願いします!!
>>しょこら
ありがとう♪早速来てくれると思わなかったw
いや、日本語に直したら「フリージャンル」ってそのままジャンw
>>あゆみ様
ありがとうございます!
えっと、確か何かのスレでお話しさせていただきましたよね。
間違っていたら本当にすみません。
応援ありがとうございます!こちらこそよろしくお願いします!!
パーフェクト教室の方も読んでいただいて本当に感謝します!
吐き出した白いため息が凍りそうになりそうなほどのこの寒さ。本当にどうにかしてほしい。
今は12月7日。今日は晴天だが、昨日降った真っ白い雪が道に降り積もり、歩くたびに綺麗に足跡を残してゆく。
そんな雪道を歩きながら、私は高校を目指す。
「架友っ」
「キャアッ!」
急に後ろから抱き着かれて、近所迷惑になるほどの大きな声を上げてしまった。
ハァ、と別の意味でため息をついて後ろを振り返ると、見慣れた顔がそこに会った。
「静果―・・・。」
「ヘヘッ、ビックリした?にしても架友は朝から元気だねぇ」
「誰のせいでこんなに大きな声出すハメになったと思ってるの?」
ジト目で静果を見ると、静果は「ごめんなさぁい」とニコニコ笑顔で謝った。いや、そこはもうちょっと反省してる顔で言おうよ。
桂島静果。私の親友。
静果は明るい性格と可愛らしい顔立ちで、美少女として同級生から拝められている。自慢の親友だ。
「ところでさっ、なにか情報掴めた?」
「え?・・・あー、ハイハイ。」
私はカバンの中から一冊のノートを取り出した。静果は嬉しそうな笑顔を浮かべた。
このノートの中身は私が書いている。このノートは静果の為に作られた、私と静果だけが中身を見れるノート。
「見せて見せてっ」
「ハイハイ。」
渡すと、静果は頬を赤く染めながらノートに夢中になった。
あのノートの中身は私の幼馴染、椎田尚也に関する情報が記されたノート。
そのノートの情報収集は私の役目。静果は私が集めた情報を見て、尚也にアプローチするだけ。
そう、静果は尚也に恋をしている。それも、今年の10月から。
・・・正直に言うと、私は尚也の事が好き。ずっと前から、中学の時から尚也に恋し続けているんだ。
「すっごぉい!いっぱい情報増えてるっ!ありがとう、架友!」
「えっ、あぁ、うん。」
けれどある日、静果が私に相談してきた。「実は私、椎田君の事が好きなの」、と。
私だって、尚也の事が好きだ。けれど、静果は自分以上に大切な私の親友。
尚也だって、私なんかより静果の方がいいだろうし、私が尚也に告白したところで困られるに決まってる。
だから、自分の気持ちは永遠に抑え込むことにした。私は、静果に協力することにした。
「架友?」
ハッとして顔を上げると、静果が心配そうに私の顔を覗きこんでいた。本当に可愛いんだから。
私は静果に協力したことを後悔していない。だから、私の分まで静果には幸せになってもらわなくっちゃね。
◆ ◇ ◆
「おはよう、尚也くぅん」
教室に入って早速のアプローチ。尚也も笑ってるし、まんざらじゃなさそう。
私はお邪魔かな。私はソッと自分の席に座った。
「・・・ん?」
教材を机の中に入れようとして、私は机に入れた覚えのない紙のようなものが手に着いたのに気が付いた。
不思議に思ってその紙のようなものを引き抜いてみると、それは一通の手紙だった。
なに、これ?
「んー?」
思わず声を漏らしてしまう。後ろに静果がいたのに気付かないまま。
すると、静果が私の手からヒョイッと手紙を奪った。
「あっ!」
「なにこれ?あっ、ラブレター?」
「はぁ?そんなわけないでしょ。ていうか返してよ。中身見なきゃ意味ないじゃん。」
もう一度静果の手から手紙を奪うと、改めて中身を確認しようと思−・・・
キーンコーンカーンコーン
ハイ、保留。
「ここの問題をー・・・仲瑞!」
「わかりませーん。」
黒板を見ずに即答してやると、先生は「まぁた、お前は・・・」と、笑いながら言った。
すると、一人が笑い始め、みるみるうちに教室は笑いで包まれていった。
ちらりと尚也を盗み見ると、尚也も笑っていた。あぁ、やっぱりカッコイイなぁ。
・・・ダメダメ。もう尚也は諦めたんだから。こんな感情捨てなくっちゃ。
「もうっ、ちゃんと答えなきゃダメでしょ!?」
と、斜め後ろの静果が笑いながら言ってきた。
「じゃ、静果が代わりに答えてよ。センセー、静果が答えるってー。」
「えぇ!?」
「おぉ、じゃあ桂島、解いてみろっ!!」
「そんなぁ・・・」
とかなんとか言いながらも黒板に向かって歩いていく静果。本当に可愛いんだから、もう。
もう一度尚也を見てみると、興味なさ気にボーっと窓の外を眺めていた。せっかく静果が前に居るのに・・・。
すると、不意に尚也と視線がパッチリ合った。慌てて視線を逸らし、問題を解いている静果を見る。
「できましたっ」
「ん、正解だー。じゃぁ、席についていいぞ」
「は−い。」
なにあの可愛い生き物は。正解って言われてはにかむ天使を見ながら私は静果を見つめた。
静果は席に座ると、私に「ひどい!」と訴えてきた。私としてははにかむ静果を見れて嬉しかったんだけどね?
「ハイハイ」と適当に受け流して、授業終わりのチャイムが鳴るのを気長に待つことにした。
◆ ◇ ◆
「え?明日告んの?」
「うんっ!情報も結構集まったし、勝算があるからね!」
授業は順調に進んでゆき、放課後になった今、二人きりの教室で静果が急にそんなことを言ってきた。
「よっしゃー!」と言いながら拳を高らかに突き上げる静果を見ながら、私は自分の気持ちを処理していた。
これで、静果の恋のお手伝いも終わりってとこか。悲しい?そんなわけないよ。もう、とっくに、そんな感情持ち合わせないようにしたから。
「これでやっと静果のお守りも終了ってとこかぁ」
わざとらしく言ってやると、静香は口を尖らせた。あら可愛い。
そんなじゃれ合いをしていたら、静果が急に慌てはじめた。忙しい子だなぁ。
「ごめん、今日ピアノこのままいくからもう行くね!?」
「あー、そういやそうだったね。ん、バイバーイ」
手を振って走っていく静果を見送る。さて、私は暇だからどっか寄って帰ろうかな。そう思って私はカバンを手に取った。
その時。
ガラッ
教室のドアが開く音がした。もう下校時間ギリギリなのに、何の用があって教室にきたんだろう。
私は不審に思って、教室のドアの方に目を向けると、そこにいたのはなんと尚也だった。
「えっと、尚也?」
「尚也だけど?」
「なにしてんの?もう下校時間ギリギリだよ?」
「いや、忘れ物取りにきただけ。ていうか架友こそなにしてんだ?」
「静果としゃべってたら遅くなっちゃって。でも、静果も習い事で帰っちゃったし、私も帰ろうかなって。」
「フーン。・・・あ、そうだ。一緒に帰るか?」
「いーよ。なんか久々だね。」
「確かにな。」
もう恋愛感情は捨てたんだから一緒に帰るなんて緊張しない。それに、明日静果と両想いになるんだから関係ないよね。
私は自分にそう言い聞かせて、高ぶる気持ちを落ち着かせた。
◆ ◇ ◆
いつもの帰り道、私の横には静果とはまた別の、大切な友人がいた。
私の初恋の人で、幼馴染。そんな近くも遠くもない、いい感じの距離を今でも保ててると言う事は自分でもすごいと思う。
「にしても、尚也背伸びたねぇ。羨ましい限りで。」
「そりゃ、男だもんな」
「いいなぁ、私も男に生まれたかった。なんか尚也より背が低いって屈辱的なんだけど。」
「どーとでもほざいてろー。ぜってー俺の背は抜かせねぇからな。」
「うっわー、本当に昔っから変わってないんだから。」
「それを言えばお前もだろ?」
「まぁね。」
なんてしゃべっていたら、もう家が見えた。あぁ、なんで尚也といると時間を短く感じちゃうんだろう。
今でもそんなこと思ってるのか、と未練がましい自分を叱りながら、フッと微笑んだ。
「あ、そだ。明日良いことあるから楽しみにしてなよー」
「は?なんだ、それ。」
「じゃ、バイバーイ」
「お、おう?」
家が斜め前の尚也は不思議そうに私を見ていた。まぁ、私なんか見なくていいよ。明日には静果を見てるんだから。
なんとなく、この場を早く去りたくて、逃げる様に家に入った。
_____その時、尚也が私の背中を見つめていた事なんて私は知らなかった。
◆ ◇ ◆
自分の部屋に入った私は勉強しようとカバンを開けると、私の目に留まったのは、白い封筒だった。
・・・あ。忘れてた・・・。
迷わず封を切ると、可愛らしいピンク色の便箋が入っていた。
[ 仲瑞 架友さんへ
いきなりでごめんなさい。
実は、僕は桂島静果さんのことが好きなんです。
明日、告白しようと思うのですが、お手伝い願えないでしょうか?
3年6組 嶋田 愁汰 ]
おぉ、こんなところでも静果モテてるじゃん。すごーい!やっぱり静果はモテモテだね!
・・・さてと、この返事なんだけ・・・。「実は明日、静果に彼氏ができちゃうんですっ(ニコッ」なんて言えるわけがない・・・。
しかも3年生とか先輩だし。これはどうしようか。
◆ ◇ ◆
「静果―・・・。あのさ、お願いがあるんだけど・・・。」
「ん?言ってみ?」
次の日の朝、私は早速持ちかけてみることに決めた。
嶋田先輩、頑張って下さい。フラれるって分かってるんですけど、想いを伝える場だけは用意しますんで。
「あのね、今日の放課後の5時30分に体育倉庫裏に来てほしいの。あ、別に怪しいことするわけじゃないからね!?」
「わかってるってぇ。あ、でも告ってからでいいかなぁ?」
「うん!全然いいから!とりあえず来てね!?」
「うん!」
よかった。静果が単純で。疑われなくって心底安心したよ。
さて、次はっと・・・。
◆ ◇ ◆
う〜・・・。なんで私がこんな目に・・・。
今は3年フロア。1年はなかなか来れるようなところじゃないのに、私は来た。もちろん、嶋田先輩に会うために。
「あっ、真智ちゃん!」
「ん・・・?あ、あぁ架友じゃんか。え?なんで3年フロアにいるの?」
真智ちゃんとは私の年上の従姉妹。容姿端麗、成績優秀者。本当に自分と違繋がっているのか疑いたくなる。
で、今は万智ちゃんのことは置いておいて・・・。
「万智ちゃんって嶋田愁汰って人知ってる?」
「知ってるよー」
「ちょっと呼んできてくれないかな?実は嶋田愁汰先輩に用が合って・・・ってなんでニヤニヤしてるの?」
「いやぁ、ついに架友も愁汰に恋しちゃったかぁ、と思ってねぇ?」
「ごめん、わけわかんない。というか嶋田先輩に会ったことないし。」
「え〜?一度は名前聞いたことあるでしょ?」
「ううん。昨日初めて知った。」
「えぇ!?架友がそこまで情報に疎いと思わなかったわ・・・。ま、愁汰に用があるんでしょ?今呼んでくるから待ってて。あとで話聞かせてね!」
「え、あぁ、うん?まぁ、ありがとー」
真智ちゃんの背中を見届けて、私は溜息をついた。
嶋田先輩ってそんなに有名人なのかな?でも、聞いたことなかったし・・・。もしかしたら学校一の問題児とか!?
・・・いやいや、でもそんな人が私に手紙を書いたり協力を求めたりするはずがないし。
・・・ん?
人が近づいてくる気配がして顔を上げると、そこには言葉を失ってしまうほどの美形さんがいた。
「君、仲瑞さんだよね?」
「えっ、あ、はい。あ、もしかして嶋田先輩ですか?」
「そうそう。で、なにかな?」
「静果に放課後の5時30分に体育館裏に来るように言っておいたので、5時30分、体育館裏に行ってください。」
「本当?ありがとう、仲瑞さん。」
「いえいえ。」
「仲瑞さんに協力をお願いして正解だったよ。本当にありがとう。」
「そんなことありませんよ。頑張ってくださいね。」
「本当にありがとうー」
そんな声を背中に受けながら、階段を下りる。
・・・ていうか女性の先輩方、そんなきっつい視線送らなくてもいいじゃないですか。別に嶋田先と関係を持ってるわけじゃないんですし・・・。
◆◇◆
「さてと、帰りますかな。」
時が過ぎるのは早すぎるぐらいだった。いつの間にか放課後になっていた。
あー・・・。これで私の長かった情報収集もおしまいってことか。なんか、寂しいな。・・・なんてさ。
「あ、架友。」
「なに?しずー・・・かじゃなかった、尚也。」
「声で分からなかったのかよ」
そりゃぁ、そんなこと考えてる暇なかったし。それに、私の名を呼ぶなんて静果くらいだと思ったから。
で、用件は何だろう。そう思って私が首を傾げると、尚也は思い出したように私を見た。
「今日お前ん家泊まるから。」
「は?なんで。」
「いや、実は母さんと父さんが一泊二日の旅行行くからって架友の家に行くよう言われたんだよ。多分、お前のお母さんにも話はいってると思うぞ。」
「ん、まぁ了解。じゃ、私先帰るからねー。」
「は?お前日直だろ?」
その瞬間、私の体から血の気が引いていく気がした。どんどん体が冷たくなっていく。うわ、マジでヤバいよ。
そういえばそうだった。私、日直だった。
「手伝ってやろうか?」
「え。なにそれ。尚也にしては優しいじゃん。でも、いいや。呼び出されてんでしょ?」
「え、何で知ってんだよ。」
「呼び出したご本人から聞いたんですー。ね?良いことあるって言ったでしょ?」
おめでとー、と拍手して祝福してやると、尚也は思いっきり顔を歪めた。そして、歪めたかと思うと、次の瞬間には不機嫌そうな顔になっていた。なんで?
あぁ、そういえばなんか昔もこんなことあったな。なんか私が男子に告られた時だっけ?結局付き合って破局したんだけどね。
あー、もう、やっぱり今でも尚也の怒る地雷が分からない。
「ねぇ、尚−・・・」
「んじゃ、俺行ってくるわ。」
「はぁ?なんで怒ってるかぐらい理由言ってからにしてよ。」
「お前には関係ねぇよ。」
なにそれ。なんか私ってホントに報われないじゃん。
静果の為に私は尚也に対する恋愛感情を友愛感情に変えた。張り裂けそうな思いの中、静架に協力した。見ず知らずの先輩に協力した。しまいには尚也との喧嘩。
私の高校生活って一体なんなの?私は誰かに協力するために高校に来たの?自分の事、何もできないの?
「あっそ。じゃあサッサと行けばいいじゃん!」
思わず声を荒げる。こんな大きな声で言うつもりじゃなかったのに。
二人きりの教室に私の声が響いた。尚也も突然あらわした私の怒気に驚いているようだ。
でも、私は自分の制御ができなくなっていた。言葉は続いてゆく。
「あの子は寒い中アンタを待ってんだから!私の努力だって無駄になるのは絶対許さないから。」
「は?お前の努力?意味わかんねぇよ。」
「あんたには関係ないよ、バーカ。」
私は尚也に背を向けると、カバンを掴んで、尚也の横をスルリと通り抜けた。
その時に尚也がそんな顔をしていたかなんて、私は知らない。知りたくもなかった。