もし、過去に戻れたら?
未来にも、行けるとしたら?
それは便利だっただろう。
けれど、対価はあった。
決して帰る事は出来ないと。
そして、作った本人は過去に渡った。
実験第一号と称して。
過去に行けたことを証明するのは簡単ではなかった。
対価を求める危険なものを、誰も使おうとはしなかった。
こうして、天才の発明品は闇に葬られた。
しかし、自分の命を顧みない者にとっては、この発明は奇跡そのものだった。
幸せな未来を願おう。
変えられぬ過去を悔もう。
決して、間違いの無い人生を歩んではいけない。
私達はいつだって、間違いながら、悔みながら、笑いながら、生きるのだから。
ミラ・ルーデス
それが私の名前。
死ぬまで、ずっと変わらない。一種の呪いのようなものだ。
噂を聞いたのは、2、3日前のことだ。
【天才の発明品】【悪魔の産物】
様々なうわさがされていた。
過去に戻りたい。戻ってやり直したい。
ならば、簡単だ。
死ぬかもしれなくても・・・過去に進むしかない。