多分短編になりますのでこちらに投稿させていただきたく、スレ立てをいたしました。
はじめまして、もげこともうします。
拙い文章ですが何卒皆様、よろしくお願いします。
賛否、どちらでも評価してくださるとありがたいです。
それではごゆるりと。
の前に世界観だけ。
この小説は日本昔話の主人公達が集ってお茶したりお茶したりおちy...まあとにかくそんなお話です。
二次創作にあたるか、とも思ったのですが此方にいたしました。
苦手な方はブラウザバック推奨です、予めご了承下さい。
昔昔或る所に、かぐや姫という、それはそれは美しい女性がいらっしゃいました。
なんでも、竹取の翁と云う御方が山へと筍を取りに行った時のこと。光り輝く丈を見つけた翁が、そっと光る竹を切ったところ、その中から泣き声と共に現れたというそれは珍しい逸話をもってらっしゃるような、兎に角この世のものとは思われない程の美しい御方だったのでございます。
成長する速度も人とは違っておりまして、瞬く間に美しい女性へと成長されましたかぐや姫は、琴や歌の才にも恵まれておりまして、ある時かぐや姫のご友人の姫方お二人とアイドルユニット、その名も「平安☆愛取る《アイドル》三姉妹」という名でご結成なさり、都の人々から大変な人気を集めておりました。
さてさてお客様、この物語はかぐや姫様とよばれる世の人々に大変親しまれ、世の人々に愛される女性と、その女性を囲む仲間たちの愉快でどこか不思議なお話となっております。
さてさて観客の皆様、さあさあどうぞごゆるりと最後までおつきあいくださいませ。
Prologue
side かぐや
梅雨。
この時期は世の人に好まれないらしい。
桜の咲く暖かな春が過ぎ、季節は夏。
毎年夏の初めになると花々をしとどに濡らす色とりどりの淡い紫陽花たちは雨の中で濡れて柔らかな美しさをあくまで控えめに、しかし艶やかに視界を占領する。
それに梅雨は豊かな恵みの雨でもある。
梅雨があるおかげで夏に取れる果物や野菜、お米は美味しいものとなるのに。
おじいさまが依然、梅雨のおかげで山ひ芝刈りに行くのも精が出るのだといきいきと語っていたのを思い出し、ふと笑みが漏れた。
ここはおじいさまの屋敷の一角、人目につかないような場所にある小さな庭。
自分で言ってしまうのはとても浅はかなことかもしれないけれど、どうやら私は世の中の人からすると美しい、と区分される存在であるらしく、様々な貴族や殿方が私の姿を一目見ようと毎日のようにこの屋敷におしかけてくるのだ。世間ではそれをカメコ、と呼ぶらしい。
連日のように屋敷へと押しかけてくるその様子は見ていてあまり気持ちのいいものではなく、私へ辟易してしまっていた。
いきなり恋文が矢に結び付けられて私の部屋のふすまに刺さっていた時は本気でストーカー被害、および脅迫罪か何かで顔も知らないどこかの殿方を訴えてやろうかともおもったし、またある時親しい友人と梅の花見に行ったときは「君は梅にも劣らない美しさ。ああ、僕になんとぴったりなんだろう!」なんて葉ががちがちに浮きそうになるくらい寒いセリフを言われてしまい、いまでもその友達との間では伝説として語り継がれている。
というかからかわれている。
そんなことがしょっちゅうあるので、心身ともに疲れるのは当たり前のことなのかもしれない。
そしてとうとう引きこもり生活を送る羽目となったのだった。そらまあ、ふすまに矢が刺さっている時点でそうすべきだったのだろうけど。あの時の私はことの重大さを把握していなかったのだ。体は大人になったといっても、精神的にはまだまだ未熟。要するに体に心がついて行っていないのだ。
それはまあ、いまでもかわらないことだけれど。
まあこんな引きこもり生活を送る私が今なぜゆったりとした心境で外の景色を眺めていられるかといえば、この季節のおかげ。
雨が降り続けると人は心もふさぎ込んでしまうものらしく、そいて何より雨の中を歩き回るのは嫌だからなのだろう、ここ最近屋敷の外に人だかりを見ることはなかった。
なのでわたしは、梅雨の鬱屈とした季節が開放的で、すきだ。
朝から振り続ける絹のようなしい細やかな雨に打たれる蛙がケロリと鳴くのを眺めながら、そんなことをかんがえていた。
どこか散歩にでもでかけようか。
ふとそんな思考がよぎる。
いつも引きこもってばかりだけれど、本当は私だって外に出てあそびたい。
季節とともに変化する、色とりどりの世界をこの目でみたい。
私だってまだまだ好奇心が旺盛な子供。
それくらいは許されるのではないだろうか、、?
おじいさんやおばあさん危ないって反対するかもしれないけれど。
そうだ、二人には内緒で出かけよう。
そして暗くなる前に帰ってしまえばいいんだわ。
突発的な考えではあるが、ちょっとした冒険のようで、わたしの思考は空に浮かぶ雲のようにふふと浮き足立っていくのだった。
>>1-5
書き間違い多くてすいません(;´Д`)訂正したらいつか別なところに上げる、かも。
とはいえ、そんな空模様も今は季節柄どんよりと重い灰色を塗りかさねているわけだけれど。
「外に出ると決まればさっそく支度しちゃいましょう。おじいさまとおばあさまはお昼寝のころあいでしょうし。」
善は何とやらという言葉がある。こういうときのためにこそきっとこの言葉は存在しているのだろうだなんて都合のいいことを考えつつ、その通りに実行していく。
素早く動けるように服装は身軽に。
カメコとやらに追い掛け回されるのは手間だし、すぐ逃げるなり隠れるなりできるよう念には念をいれてだ。
小さな冒険をするのだから、けがをした時のために応急手当セットでももっていきましょうか。
少年になったような心持で準備をしていると、ふと垣の向こうから気配を感じてそちらへとめをむけたものの、視線を向けた先にはただ先ほどと同じように雨の中で繊細な色をにじませるあじさいが揺れている風景が広がっているのみ。
何か違和感を感じるものの、杞憂だろうと持ち前の大雑把さで勝手に結論付けると、手元の荷物を素早くまとめ,最後に傘を目深にかぶって鏡の前に立ち自分の格好を一通り確認すると、「よし。」と声に出してみせると頬を緩ませながら、ぬかるんだ地面へとそろりと足をおろし、この先に広がる冒険に若干の不安を胸の内に感じながらも、素直に好奇心に従い、雨の中をそっとかけだす。
そんな私を、相変わらず雨に打たれる蛙の目玉が4つ、けろりと泣きながらみおくっていた。
そろりそろりと裏口へ向かう。
雨に濡れて少々ぬかるんだ地面に、あまり使われていなかった比較的真新しい下駄が沈み込んでいく感覚がダイレクトに足の裏に伝わっていく。
その久方ぶりの感覚に頬が緩んでいくのを感じながらわたしは庭を眺めたまま眠ってしまったのであろうおばあさまの姿を視界の中に捉える。
すう、すうと規則正しく立てている寝息に緊張してか私の不規則な心拍の音がどくどくと混じっていく。
「おばあさまにはわのちょっとしたぼるいけど、、きょうだけ 、ごめんね。」
健やかな寝顔にこれからのちょっとした冒険が頭をよぎって、一瞬罪悪感が思い浮かんだものの、いつまでも籠の中の鳥でいたくはないの、と自分に言い聞かせるようにつぶやくと静かにその隣をあるいたのだった。
そしてそのまま裏口の扉へとてをかける。
緊張して手が震える自分の手を眺めながら、長年目にしていなかった外の世界へと旅立ったのだった。
そんなかぐや姫の後姿を、薄目を開けて見つめていた人物が一人。
口からはすうすうという規則正しい音を刻みながら、かぐや姫の姿をその目で追っていたのだった。
「そうか…あの子もやっと外に出てくれるようになったのね…。」
ふふ、と漏らした笑みは柔らかな雨とまどろみの中に溶けていったのだった。
さて、せっかく外の世界へと足を向けてはみたにも関わらず、朝から柔らかく街を包み込む雨のためかそこには最後に私が見た街にいた時ほどのひとの姿を確認することはできなかった。
今外の世界はどうなっているのかと街の様子を見に来た私だったが、人の姿が見られないということhそれだけ好都合ということで。
それだけ落ち着いて街の姿を見ることが出来るのでそれは好都合だと考えながらふらりと気まぐれに入ってみた茶屋で存外おいしい団子を少しづつ口の中に放り込みその甘美な味を転がしながら味わっていた。
茶屋の外には色とりどりの花のように雨の中艶やかな色彩を放つ傘がその存在を誇張していて、外に散歩n出たのは間違いじゃなかったのかもなあなんて思いながら私は平らげた団子の皿を眺め、早くも二皿目を注文すべく奥にいる団子やの年老いたご主人へと声をかけたのだった。
と、その時だった。
「あれ、君…。ひょっとして。…その、あ、の。」
不意にやや高めだが少々声量がおぼつかない、しかし年上であろう男性の声が雨の中に響くも、雨も雨でざあ
最初はその向けられている言葉なんて思わなくてのんきにお茶を嗜んでいたのだが、不意にその蚊の鳴くような高温が意味もとで鳴り響き、思わず体をのけぞらせるようにして反応してしまい、若干の視線が自分人集まってくるのを感じていた。
「あ、あの、…なにか、わたしに御用ですか?」
なるべく声は抑えて低めに。
いつでも逃げることが出来るように退路の確保は万全に。
「もしかして、貴女は…いえ、貴女様は…、、へ、平安☆愛取る三姉妹、の…三味線…担当、の、、輝夜、ちゃん…??」
出た。
そう、おれが私の屋敷の周りに人だかりまでできてしまい、それゆえに私の外出の足を完全に遠ざけてしまっている最たる所以なのだった 。
「い、いや、あの、人違い、です…!」
緊張で冷汗が出る。声が干上がって、震えてしまっているのが自分でもわかる。
けれど成業できないままでどうぢ用もない程緊迫した空気が漂ってしまって、それでも収集をつけることができないため、愛想笑いを口元に張り付けていた。
「そ、そそそんなことはないでそ…??!ぼ、ぼく、き、きみの、ファンで…!!あ、あの、たちばなし、もなんだ、し…ぼ、ぼぼくの、家に…?」
不意に強引に手を引かれて体が硬直する。
雨の中でも肌を通して伝わる汗ばんだ掌の感触が直感的に私の脳細胞に危険を知らせてくる。
「あ、あの。ごめんなさい。わたし…これから用があるんです。」
咄嗟に腕の追跡からのがれながら、口からはウソの言葉を紡ぎだしていく。
「こんな雨の日に…?こんな、ところでおおおお、お茶、してる、のにい?」
だんだんといての口調がおかしくなっていく。
こいつはやばい。
本能がそう告げていた。
何とかしてこの場を切り抜けなくては。
早くも外の世界へと足を踏み入れてしまったことを後悔しながら私は周りを見渡した。
先述したとおり、雨の日だからか人の姿はそうそう認められない。
わずかに見える人影も、なんだ痴話喧嘩かと会話の内容にまで深くは突っ込んではこないまま、店先を通り過ぎていく。
こっちに気づいてくれ、と視線で問いかけてみるも、そもそも目深にかぶった傘のせいで私の視線すら遮断されている。
まてよ。
こんな雨の日に、しかも店の中で、目深に傘をかぶっているのは目立つのではないだろうか。
いやそもそも。
なんで目の前にいる、執拗に家に来ないかと誘うこの殿方は、目深に傘をかぶっていて、まともに顔も認識できないでろう私のかををみたかのごとく『輝夜』であると断定して話してくるのだろうか。
考え始めたら相手が不気味に見えて仕方なかった。
そんなことを考えていたらいよいよ相手が私の出を握る力が強くなる。
「いっ…!!あ、貴方は、何がしたいん…です……、、え?」
思わず相手へ抗議の意を込めて飛ばした言葉と視線。
しかしその言葉を最後まで言い終えることはなく、代わりに言葉は疑問符に塗り替えられてしまっていた。
何故なら、その言葉を向けた先には一般的な人間の容姿からは外れている生物がたっていたからだ。
手はゴツゴツとした固い感触を放つ岩のよう。
目は、ぎらつく太陽のように、ことらが説かされてしましそうなほど危険な光を放っていて、つめはとても長く、なんでも切り裂いてしまう、研ぎ澄まされた包丁のようで。
極めつけは、頭の頂に二本の、赤く血塗られた骨ののようなもの。
要するに、絵本や童話などに出てくる、鬼、と形容される生物が目の前に立っていたのだった。
しかし、周りを闊歩する人間はさもそれが日常の一部に溶け込んでしまっているかのようにへいぜんと目の前を歩いていく。
これが長年引きこもっていたブランクのなせる業、要するに今や都では鬼が闊歩するのが当り前のことなのかと一瞬納得しかけたものの、ほかに鬼の姿を見受けられないことからやぱりそれはないか、と再び自問自答に陥る。
しかし、そうしている間にもいよいよ腕は限界を迎えつつあった。