ただの短編小説つめただけ。
自己満足で、思い立ったら書くだけ、だから更新はまちまち
起承転結なんて知らない、数レス続く場合もあれば、1レスで終わるものもあるかも。
しょーもないやろうけど、気が向いたら見て行って。
アドバイスとか、コメントとかリクエストとか大歓迎
不意に泣きたくなる。
それは何かを思い出してなのか、ただ単に情緒不安定なのか。
そして堪らなく逢いたくなるのだ、誰かに、彼に。
家には誰も居ない。夜だと言うのに父も母も兄すら居ない。
「おなかがすいた。」
そうポツリと零したが、目の前、いや全身を取り巻く暗闇に身動きさえ取れずにいた。
「怖い、」
膝を抱え一人小さくなっては震えだす。思い出すのは恐怖とトラウマ。
次第に強くなりつつある雨音と、ときたま部屋全体が見えるほど明るい稲妻、そのあとに鳴り響く轟音。
どれぐらい経ったのだろうか。
雨も雷も変わらず続いている。
カチャリと扉の開く音がした。
扉の外から漏れる光と共に現れたのは誰なのか、眩しくて見えなかった。
いつの間にか少々の光でも眩しいと感じるまで暗闇にいたようだ。
いつも以上に暗かったのは閉まっていた扉の所為だった。
「唯?いないの?」
いつもより、少し焦ったような声が聞こえる。
それは、私がトラウマを持っているからだろうか。それとも、私の恐怖と感じるものを知っているからだろうか。
今はどうでもいい。とにかくこの暗闇から抜け出したかった。
怖いながらも立ち上がれば、タタっと彼に駆け寄り半ばタックルのように抱き着く。
彼は少し驚いたようだけど、安心させるかのように頭を撫でてくれる。
安心したのか、恐怖に耐えてたからなのか、彼に抱き着くなり泣いてしまった。
「怖かったね。よく我慢できたね。早く気付いてあげられなくてごめんね。」
「遅いよ、ばかぁ……。おにいちゃぁん……。」
兄の胸(正確に言えばおなか)に顔をうずめ、人の温もりを欲するのか強く抱きしめては、それを返すように兄も撫でるのを止め、ぎゅっと抱きしめ返してくれた。
起きると昨日の夜が嘘なんじゃないかと疑うほど明るかった。
見覚えのない場__ではなかった。自分の部屋の自分のベットの上だった。
泣きついたことまでは覚えているのに、そのあとのことを覚えてないとなると、疲れて眠ってしまった。それを兄が運んでくれたのだろうと安易に想像できる。
時計を見ようと上半身を起すと、時計よりも先に隣で寝ている兄が目に入った。
_心配、かけてごめんね。
心の中で謝れば、起こさないように布団から抜け出し、窓の近くのソファに座る。
机の上にある小さな時計を見るのと同時に、ノックが聴こえた。