おはようございます、こんにちは、こんばんは、はじめまして。
色々混ぜた駄作者アポロです。
ろくに完結させてないのに書き始めちゃうアポロです。
これはですね、アレですよアレ。
テニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!? の別シリーズ第二弾なんです。
そのうちテニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!? とクロスリンクさせていく予定です。
御名前はもういいや!
【涼風 いおり】でいいや! 面倒臭い!
赤嶺いおちゃんと【り】の違いですけど、そこはそこですでに考えてありますので。
そして赤嶺いおちゃんは氷帝。涼風いおりちゃんは四天宝寺!
しかも男装してます、めっちゃイケメンちゃんと化します。
しかもトリップはいおちゃんの様に階段から落ちたと言う悲惨なモノではなくて、アレですよアレ。
実は、ってここは本編でいいっすよね。
そしてプロフィール!
名前:涼風 いおり(すずかぜ いおり)
性別:女 誕生日:4/9 牡羊座
学年:(前)中三・(現)中三
身長・体重 :170cm ・?kg
一人称(女時)『あたし』(男時)『俺』
喋り方:超一般的。(関西弁)
特徴:テニプリをまずなんにも知らない。聞かされるまで存在すら知らなかった。
相当の面倒臭がり。何もかもにおいて天才。成績トップオンリー。
男女どちらの時もめっちゃ美形。
近畿、兵庫県出身。なので関西弁喋れる(逆に標準語が無理)※←関西人大抵それ。
家庭的。善哉などの和菓子を好んで作ったり食べたり。しかも家が甘味処。(リアルでもテニプリワールドでも)
男子更衣室で着替えていても馴染んで違和感ナッシング☆(もちろんそんなことはしない)な子。
口癖:「俺の辞書に退屈は認めねぇ!(あたしの辞書に退屈は認めねぇ!)」
神奈川の詐欺師の様に嘘をつくのが巧い。
“爆”乳で、男装時はサラシ着用。ギリギリ誤魔化してる。でも先生達は女って知ってる、が、口止め(脅しとも言う)されてる。
次の更新でLet’s go! テニプリワールド!!
「くぁぁ……。」
あたし、涼風いおりは授業中、大きな大きなあくびをした。只今自習中。あくびするんなら、なんで寝ーへんのかって?
それはな?
寝るのが面倒やねん。あたし極度の面倒くさがりやねん。分かったってな? それがあたしやから。
学校から帰ろうと歩いていた廊下で。あたしは大勢の女の子に囲まれ「一緒に帰らん!?」「うちらええ甘味処しってんねん!」と誘われた。でも今日めっちゃ疲れてんねん。隠したらいややし、断らんとな。
「ごめんな? あたし今日なんや知らんけどめっちゃ疲れてしもて……。
なんや君らに悪いなぁ……じゃあ今度一緒に行かしてもらってええ?」
そう言えば、顔を赤くしてこくこくこくと頷く女の子達。どないしたんやろ、熱でもあるんかな?
「ごめんな?」
そういって下駄箱で靴を取って女の子達と別れた。そして帰宅路を足取り重く歩いていく。帰宅部道まっしぐらなあたし。それは親に言われてるからで。
『あなたは次の涼風組当主になるんやから! 学校いかせてあげてるだけでも有難いと思い!』
と言う訳なんです。実はあたしの家、表向きは大人気甘味処やけど、裏では世界的に有名な極道やねん。
学校ではひた隠してるけどな。ええねん、しゃあないし、あたしもそれはそれで嫌ではない。
「家に帰ったら、善哉か最中でも食べよ。」
あたしがそういって前を見た時だった。目の前に小さな真っ白の兎が!
え、何これ、持ってかえっていい?
ってそんな場合では無くて。
じっと見つめていたらこちらに気ぃついたんか知らんけど駆け出しよった。
ふざけんな! あれはあたしがショーケースに入れて一生モニュメントとして飾るやつやねん!
と全力疾走で追い掛けた。そして、Get! と捕まえた瞬間あたしの意識はシャットアウト。
ふざけるな、と言いたくなった。(オイ)
目を覚ませばそこはあたしには到底似合いそうもないカラフルかつプリティな部屋。っていうか多分やけどこんな部屋が似合う人なんて誰も居らんやろ。
そう思っていると、目の前に小さな兎が。そう、あたしが追いかけていたやつだった。
「あああ! 可愛いウサギ!」
あたしが指を指してウサギを見れば、ウサギはシリアス気な顔をして言った。
「パンパカパーンツ!! おめでとー! 君はトリップしてテニプリワールドに行ける世界でたった三人の女の子の一人だよ!」
「おい。待てコラウサギ。」
どかっとウサギを足蹴にし、ゴミムシを見る目でさげすんだあたし。っていうか最初のパンパカパーンツ!! て、下ネタやん。シリアス気な顔してなんでそんなに明るい声が出るねんマジでキモいわ。
「なんだい!? いおりちゃん!」
「これは一体どー言う事やねん。」
「あ! それね! 実は神様の間でテニプリワールドにトリップさせる人間を三人選ぼう! って事になったんだけどね。
そのうちの二人がなんと日本人!! だから最終人も日本人にしよう! って事で、偶然僕を見つけた君が最後のトリップする人になったんだ!」
「よし! トリップは分かる! テニプリになんだ!」
いやいやマジで。テニプリって何? テニプリ……テニ、テに……テニス!?
「もしかして【テニスのプリン】!?」
「違う。」
「じゃあなんなん。」
「テニスの王子様だよ! もしかして知らない!? 嘘だー、あの名作を知らないなんて。」
「……お前ボコって良い?」
「いやだめだめだめ! 僕最上級の最上階の最上ランクの神様だし!」
「あ、神様だったの? って神様? え。何それ美味しいの?」
「食べ物じゃ無いよ!」
とりあえずこの目がいたくなる部屋をどうにかしろい。
「で、どうする? トリップする?」
「する。」
「よし分かった。但し約束事があるよ。
1,自分がトリップしてきたと言わない
2,必ずキャラクターと関わること
3,テニプリが漫画だと言うことは絶対言わない。
4,困ったら僕を呼ぶこと。
良いね?」
「面倒だけど良いで。はよ行こ。」
面倒臭いから早いとこ済ませちゃってよ。
「じゃあいってらっしゃーい! あ、待って。最後に希望を聞くよ。」
「え、何それ。」
「自分がこうでありたいとか。」
「!! なら男装したい! あと家が極道じゃ無くして! 甘味処はそのままで!」
「分かった!! じゃあね!」
「おん!」
そしたらあたしの足元に急に出てきた黒い穴に落とされて、目が覚めたら。
あたしは布団で寝て今起きた所だった。
四天宝寺と書かれた制服に手をするりと通して着替える。
どうやら母と父は仕事らしい。甘味処の。
とりあえず飯食って家を出た。頭には短髪黒髪ウィッグ。顔立ち男の子みたいなあたしにはそれとサラシで充分だった。
とりあえず場所が分かんなかったから勘で歩いてたら着いた。すげぇあたし。いや、俺か。俺すげえ。
っていうか職員室どこだ。
「参ったな。」
俺がそうして困り果てていると、一人の女の子が声を掛けてきた。
「どないしはったんですか?」
そう聞かれたので、笑って返す。
「ああ、俺今日転校してきてんけどな、職員室がどこやわからへんねん。教えてもらってエエかな。」
頬を赤く染めるその子。いやいや、熱でもあるのかい? とりあえず場所を答えておくれ。
「あっ……(嘘! めちゃくちゃカッコエエ////)職員室ならあそこを曲がったら……。」
「そーか。ありがとう!」
そういって俺は走っていった。職員室に入れば、一気に煙草臭い匂いが押し寄せてきて鼻を嫌な感じにくすぐる。
「うわ……「おーぅ! 遅かったな!」誰やねん。」
俺に声を掛けてきたのはくわえ煙草にチューリップハットを被ったおっさん。多分、というか高確率で先生やろーな。職員室に居るし。
「俺はお前の行く3-8組の担当教師の渡辺オサムや! よろしくな涼風!」
「あ、はぁ……。よろしくお願いします。」
そうして教室前まで案内され、「ちょっと言うて来るから外居ってな」と言われ、大人しく外で待つ。
……遅い。
退屈や! 退屈なんて言いたくないけど退屈や!
何分待たせる気ぃやねん! 5分は待っとるわ!
なんや笑い声聞こえるし! くそっ俺も混ざりたい!
そしたら「入ってきやーー!」と言われ、待たされていた事と俺抜きで楽しそうな事をしていた怒りからドアを蹴破ってとりあえず渡辺にバックドロップかけたった。
「じ、自己、紹介し……てや涼風……。」
「黙れ。
えーと。兵庫から転校してきました〜。涼風いおりですよろし」「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
女子に言葉を遮られた。っていうかうるさっ。うんるっさっ!
「かっこええ!」
「嘘やん!」
「めっちゃイケメンやん!」
誰がだ。あた……俺は女だ! とまぁそこは置いといて。
「とりあえず涼風は今居らへん一氏と金色の後ろに座っとき。」
「はーい。」
そうして終わった今日。感想、女子うるさい。
そしてなぜ一氏とかいうのと金色とか言うのが居らへんねん。
と聞いてみれば。
「あいつら今合宿中や。多分今日にはかえって来るで。」
「あ、そ。」
と言う訳である。
そして五時間目。昼休み寝てて昼飯食い損ねた。くそぅ。
そしたら俺の前にある席に見覚えの無いバンダナ君と丸コメ君。
そして視線に気ぃついたんか知らんけど、俺の方をばっと見たバンダナ。
「……お前、誰や……!?」
「はじめまして〜。今日転校してきました。涼風いおりでーす。」
「“いお”……り? 赤嶺と知り合いか?」
「……赤嶺ってどなたや?」
「知らんならええねん。」
「じゃあ良いや。」
「ええんかい。」
「お前こそ誰だ。」
「お前に名乗る名なんて無いわ。」
「じゃあおやすみ。バンダナ。」
「バンダナちゃうわ! 俺には一氏ユウジっちゅーかっこええ名前があるねん!」
バンダナが言った時には遅かった。俺熟睡。話なんて聞いてない。ハッ!
六時間目スッ飛ばしてホームルーム。
「明日の日直は涼風と一氏や〜。まっ、よろしく頼むわぁ!」
「はーい渡辺とか言ったっけ? とりあえず先せーぃ! 一氏ってどこのどいつですかー。」
「俺や俺!」
「オレオレ詐欺には引っ掛かりません。」
「詐欺ちゃうわ!!!」
なんか周り笑い転げてるし。え、なんなの?
「あ、バンダナ君、一氏って知らない?」
「だから俺やっちゅーねん!」
「え、あー……
って嘘マジで!? ほんまに??」
「ほんまに知らんかったんかい!」
そしてここで大爆笑! あ、丸コメ君がこっち見てる。
「どーしたん?」
とりあえず聞いてみたら。
「涼風君めっちゃかっこエエわぁ」
と返された。とりあえずのとりあえずととりあえずでスルー。
「俺の小春取るなよ?」
「俺は他人のものには手を出さへん主義や!(どやぁ) それに俺は男が好きと言う変な癖は持ってへんしな!」
一氏にすごく睨まれたので、とりあえず。はっ、と嘲笑ってやったぜ!
すると担任が、(名前忘れた)声を掛けた。
「あ、せや涼風! お前部活何に入るんや?」
「……入らんとあかん?」
「あかん。」
「……じゃあテニス部。」
「よっしゃテニ「のマネージャー」は?」
「マネージャーなら部活やってやるぜ!」
と、立ち上がって机に片足乗せてがっと腕を巻くって見せた。女子卒倒。なぜだ。
「しゃあないな。マネージャーでエエか!」
『やだ!』
「どっちやねん!」
ここで教室大爆笑! 笑うの好きだなおい! やだ! って言った俺も俺だけど。
「見学ならいくで。」
「なら見学で……「やだ!」どっちやねん!」
「じゃあ見学。」
「……お前めっちゃ疲れるわ。まっ、ええか! 1コケシやろ、おぉやr「要らん! ごみを押し付けるな! 」酷い!」
そうして放課後、金色とか言うおねぇの丸コメとバンダナ&目付きが悪い一氏と一緒に部室に向かわされた。
それにしても笑ったな。おもろいわ。
ここ。
実砂side
はじめましてぇ、こんにちはぁ! テニプリ界にトリップしてきた実砂だよぉ。
いま実砂が居る学校はねぇ、四天宝寺中学なのぉ。キャー、蔵と謙也君が居るクラスに編入してきたのよぉ。
「東京都から転校してきましたぁ。加川実砂でぇす。よろしくぅ〜。」
決まったわぁ。実砂の上目使いでみーんなあたしに見とれてるのぉ。(ぶりっこがキモくて引いただけだが)
ってあれぇ? 蔵と謙也君が居ないじゃなぁい。どこに言ったのかしらぁ。
「せんせぇ〜! あたしの席の隣と前の人が居ないんですけどぉ。」
「ぁ、……ああ、白石と忍足か。今日の五時間目にはいるやろ。」
「そーですかぁ! じゃあ私席に座りますねぇ!」
「お、おう……。(引き気味) 」
すとんと席に座ったあたし。実はぁ、神様に私を世界で一番美少女にしてって言うお願いも出来たんだけどぉ、実砂はそんなことしなくてもすぅーっごく可愛いからぁ、他のみんなにも出張るところをあげたのぉ。
実砂ってばやっさしぃー!
そして五時間目になれば、蔵と謙也君が私の横と前に。
「しっ、白石……ちょっと話が。」
「おん、俺もや謙也。」
そうして前に行く二人。あっ、私の方を見てこそこそ話してるぅ。よぉーし、にっこり笑ってあげないと。
「……。(にぃっこぉり)」
「「……ひっ!(ぞぞぞっ) 」」
あーあ、二人共実砂に見とれてるぅ!(違う。キモくて硬直しただけ)
蔵と謙也君……ごめんねぇ? 実砂はみんなのものだからぁ、蔵と謙也君のものにはなれないのぉ。(勘違いも甚だしい)
部室に入れば、わいわいと賑わっていると二人に聞かされた部室があると思っていたが。
全く違うものだった。
入ればすぐ目に入ってきたのは厚化粧をした女の子。その子は一氏と金色を見つけるとたたたたたっと駆け寄りたかったんやろうけど、俺にはくねくね体をよじらせてて気持ち悪いとしか言えへん。
「はじめましてぇ。今日転校してきた加川実砂って言うのぉ。よろしくねぇ?」
その二人は硬直。キモい。けどめっちゃ面白いことになりそうな予感が!! すると、俺に気がついたのか、くねくねと体をよじらせてて駆け寄ってくる加川。
「君もはじめましてぇ。(あらぁ? テニプリにこんなキャラ居なかったわよねぇ。まぁ格好いいから良いかぁ)」
「ああ、はじめまして。君と同じく今日兵庫から転校してきた涼風いおり言うねん。よろしく。(めっちゃキモいわ……。今は男装してるけど、同じ女として恥ずかしい)」
「よろしくぅ!!(嘘、私に見とれないのぉ?)」
そういうやり取りがあったあと、明らかに部室のテンションが低いのはこいつのせいだと知った。
「あ、白石! 今日コイツ俺らのクラスに転校してきてな、テニス部の見学に来たい言うからつれてきてん。」
一氏が言えば、白石は俺を見て、あからさまにほっとした顔を見せた。加川の破壊力半端ないやん。めっちゃ可哀想、白石とか言うの。
「よろしくな。涼風君。」
「あ、よろしく白石。涼風君じゃなくていおりって呼んでくれや。」
「分かったで!! よろしくないおり!!」
「おーう!」
そうして握手をかわせば加川が会話に割り込んでくる。何コイツめちゃくちゃ鬱陶しいんやけど。
「私もぉ、今日からマネージャーをやることにしたからぁ。よろしくねぇ?」
「え……誰に許可貰ったん……加川さん。」
「誰にももらってないけどぉ、やりたいのぉ!! あと加川さんじゃなくて実砂って呼んでぇ?」
「いやあかんやろ……オサムちゃんところに言っておいでや。“加川”さん」
しゅぱっと素早くその場から離れた俺。気持ち悪そうに対応する白石に、動画を撮りたくなる。やべえ、充電ヤバいわ。他に誰か撮っとる奴は……居った! ピアス左右に数個付けとる奴! アイツとは気が合いそうや!
あと、白石……『加川』を強調したな。
渋々オサムちゃんとやらのところに行く加川。走り方すらキモいと思えてきた。
「なぁ、ひとつ聞いてエエ?」
俺が聞けば周りは俺に注目する。
「アイツ、何者……?」
「いや俺らも知らんから。」
そういったのはなんか、金髪のヒヨコ頭。いかにもヘタレそうな顔付きだ。
「……誰?」
「俺? 俺は押したり引いたり忍足謙也や! 1呼んで『浪速のスピ「あいよ。謙也ね。」最後まで言わせてや!」
「やだ!」
「酷い!」
という感じでみんなと早速すっごく仲良くなった。
千歳とか、銀とか、金ちゃんとか。
部活後。財前と馬が(めちゃくちゃ)合い、あのときの動画をスマホに送ってもらう事になって。
とりあえずメルアドと連絡先を交換した。
「光、お前ブログやってんのな。すげー。」
「いや、俺もあの加川先輩にあんな風に普通に接する事が出来るいおりさんめちゃくちゃ尊敬しますわ。」
「……え、喜んでエエの?」
「エエんとちゃいます?」
「雑いな!」
と会話をしていたら、白石と千歳が俺達のところに避難してきた。
「「コソッ))いおり! 助けてくれ!/欲しか!」」
「……え、なんなん? どないしてん。」
「加川さんがやな……」
「部室の掃除をしとっとと思っとったら逆さに……」
「散らかしてたっちゅー訳っすね。」
「あ、なるほど。」
そうして部室に戻れば、あぁ、もう酷い!
タオルは散乱、ドリンクボトルは何か黒い汚れが付いとるし……。
惨状やな。
「あっ、いおりくぅーん!」
「(いつ名前呼びになってん。)どないしたん加川さん。この『惨状』……。」
「ヤダぁ、惨状なんてじょーだんキツいわぁ〜?
私ねぇ? 頑張って掃除してたのぉ!」
えっ、ちょっと待って。何この子。多分上目使いしたいんやとは思うけど、……白目むいてるよ! キモいw
あっ、コラ光! 笑い堪えてんじゃねぇ! 顔がすごい事になってるでお前!
白石と千歳、その他もろもろは怯えすぎ!
「(とりあえず帰らそう)……そうなんか! なら後は俺らがやっとくから先帰り?」
「えぇ〜? 私まだ……」
「今日は初日やし……な?(にこっ(営業スマイル))」
「(キュン)わ、分かったわぁ! じゃあねぇ!」
よし、加川は帰っていったぞ。部室を出て完全に外からあいつの声が聞こえなくなった瞬間、ばっと白石達の方を見た。
「……大変やな、これから。」
まぁ頑張りや、と声を掛けて部室を出ようとしたとき、部長である白石が本気で真剣な顔をして俺に言った。
「テニス部……入ってくれ!」
「……えっ、え、え? 白石!? 俺、別の部に……」
「お前が居らんと俺ら確実に不登校になってまうわ、あんなん!」
「け、謙也……。」
二人に頭を下げられて、少し迷っていると。何者かが俺の制服の裾を引っ張った。
「にーちゃん頼むわぁ! テニス部入っ「よし入る。金ちゃん、俺入るよ。」
金ちゃん可愛すぎ。即決っすわ。
「いおりさん、入ってくれるんすか?」
「まぁ、不可抗力な。」
金ちゃんの可愛さゆえに即決してちゃってんけど、あれを毎日相手にすんのか。
キツいわ……まぁエエか! 退屈しなそーやし!
翌日。マネージャーとして入部した俺は部室でせっせと準備をしていた。
「ダルい……俺飽きっぽいんやけどなぁ……。」
俺がぶつぶつ言っていると、白石が制服姿で入ってきた。お気付きかな? 今日の一番乗りは俺なのだ。
「いおり、おはようさん!」
「おはよう白石!」
「白石やのうて別の呼び方にしてん? お前に言われると慣れへんねん。」
「え、あ。おん。じゃあ蔵……。」
え、何こいつ。顔思いっきりにやけてるぞ。良いことでもあったのか? 後ろから出てきた謙也。
「おはよう謙ちゃん。」
「お前“も”謙ちゃん呼びか……。」
「も?」
「おん。氷帝学園っちゅーばかでかい学校のとこのな? テニス部にマネージャーが居るねん。
そいつに謙ちゃん呼びされとる。」
「へー、頑張れ謙也。」
「なにをやねん!」
「ナイスツッコミ!」
「うざいっ!」
俺達が軽く言い争いをしていると、白石が顔を輝かせながら会話に割り込んできた。
「謙也羨ましいわ〜、謙ちゃんとかあだ名で呼んでもらえて……。」
そう一言緩みきった顔で言い、鼻唄歌いながら着替えを始める蔵。
「な、謙也。蔵どーしたん。」
「ああ。白石の奴、氷帝のマネージャーに惚れてな。昨日の夜、『赤嶺いお』っちゅーねんけど、メールで返信きたらしいねん。」
「いお……へー、俺と一文字違いか。どんな子?」
「それがなぁ」
そうしていると、蔵が目を再び輝かせながら謙也のあとを続けた。
「いおはな!! 氷帝マネージャーやねんけど、男勝りでな! 胸ぺったんこやけど可愛いねん! 髪の毛も結構長いし! シャンプーの香りがするねん!」
そこまで言うと「んん〜エクスタシー!!」と叫びながらコートに走っていった。
めっちゃ変態やけど、顔が良いから許せるわ。良かったな蔵、『顔が良くて』。
あと何げに胸ぺったんこ。って……羨ましいなぁ。
今サラシ巻いてるけど俺、100あるからなぁ。貧乳が羨ましい。動くときすごく邪魔やし。
……よし分かった。とりあえず赤嶺いおちゃんは美少女っちゅーことか! 一回会ってみたいわ!
「おら謙也!! お前もちゃっちゃと着替えんかい! とっとと練習行け!」
「分かっとるわ!」
謙也を練習に行かせ、マネージャー業再開。
ジャージにはすでに着替えてあるから問題無し。
「おはようございます、いおりさん。」
「あ、光!! おはよう!」
光が入ってきた。挨拶を交わして俺は光と共にドリンクやタオルを持ってベンチへと歩く。
ドリンクの入っている箱を担いで、タオルを持っていたら、光が。
「タオル。持ちましょか?」
と、聞いてきた。「おー、悪いな。」とタオルを渡してドリンクの入っている箱を肩から下ろす。
ベンチにズシッとドリンク箱を置くと、光が「それどんだけ重いんすか」と聞いてきた。「持ってみ?」と持ち上げて手渡しで光に渡せば瞬間彼の腕は重力に逆らうことなく地面へと向かった。
「重たっ!!!!! これ普通に俺の体重有りますよ!?」
「あ、光軽いの。」
「いおりさん。どんな腕力してるんですか。」
「さぁ? あははっ。」
そして箱をもとの場所に置き、そのとなりに座る。
ふと近くに蔵の姿が見えた。
「蔵も恋をするんやなぁ。」
目を伏せて蔵に聞こえるように言ったあとに、目ぇ開けて顔を見れば両手でフレームを抱き締めている形で顔を耳まで真っ赤にして照れとる。
……なんこの美少年。爆笑してエエかな。
主人公は『』で喋らせます。
『蔵……乙女やな。』
「っ!!」
『え、なんその胸が『きゅっ』としたような女の子の顔は。』
「うるさいわっ!」
『おわっ!!! 鼻血吹き出そ……ってちゃうわ!!
光、光!! 写メ、写メ! こんな可愛い女の子そこらに居らんって!』
「おっしゃ任しといてください。」
「誰が女の子やっ!///」
「『自分や。』」
「財前敬語!!! 敬語どこいってん!」
コントをして、加川が来たので勢いよく散らばる二人。
……押し付けられた。くそー!
「いおりくぅん! おはよぉっ!」
『ああ、おはようさん加川さん。せや! 次からもうちょっと遅くてもエエで? 俺もマネージャーやることにしたから。
こんなに朝早うからキツいやろ?(微塵も思ってねーけどな)』
「そ、そうなのぉ!?//// 嬉しいわぁ〜、いおり君と一緒にお仕事できてぇ♪」
『うん、(ガチキモいわぁ)そういうわけやから、ドリンク、洗濯、おやつ、タオル畳み、掃除その他諸々は俺がするから、タオルやドリンクを渡す役をしてくれへん?』
そういって笑うと「ウチそんなんでええのぉん?」と半目で訴えてくるので、ひきつった顔が出ないように笑って頷き彼女と別れた。
謙也の元にいくと「お前スゴいな」て言われた。
『なんでなん?』
「だってや、なんで加川なんかとあんなににこやかに話せるん? 俺やったら無理やわ。」
『ヘタレやしね。でもそれもそうやな。
多分な、とりあえず変な噂は立てられたくないし、冷たくして周りの可愛い女子に嫌われたくないし。』
「え、待って。今とんでもない女たらし発言がさらっと耳に入ってきてんけど……?」
『気のせいやろ?』
「……そーなんかいなぁ……?」
『そうやって。』
そうして朝練終わり。授業全部寝て昼休み。
『あ……忘れとった!! 光に朝の蔵の写メもらうんやった!』
そういって廊下を駆け出した俺。そしたら少女漫画の王道?(少年漫画しか読んだことない)なのか知らんけど曲がり角で誰かとぶつかった。
『おわっ……』
「キャ……っ!」
俺とぶつかったのは女の子だったらしく。俺より頭ひとつ分ぐらい身長が小さかった彼女は派手にどたんとしりもちをついた。
『あっ、悪い……。』
俺はそういって手を差し向ける。女の子は顔をあげて俺の顔を見るなり、うつむき無言で手を取った。
ギャラリー
そして周りの観衆(主に女子)がキャアアアッと黄色い声をあげた。
俺のどこが気に入らんねん。
引っ張り起こすと彼女は顔をあげてありがとう、そう一言小さく告げられた。
同い年か、可愛い。この子めっちゃ美少女や。めっちゃ可愛い。今俺が女の格好しとったら抱き付いとるわ。
そしてこういうときしみじみ思う。俺の身長、標準バリバリ無視ってる。=高過ぎ。
173cmぐらいっすよ? 高いな。俺。(遠い目)
『怪我とか無い?』
「う、うん。無いで?」
『良かった。可愛い子に怪我さしたら涼風家末代までの恥やわ。』
「やっ、やめてぇな涼風君……////」
顔を赤らめて言う彼女に笑みが溢れる。
そして疑問を問いた。
『……え、なんで名前知っとるん?』
「あっ、あのね? 涼風君すっごい有名人やねん。」
『そーやったんかぁ。ホンマごめんな。』
俺行くわ! と告げてその場をあとにした俺。
その女の子は「かぁっこえぇ……」とうっとりとし、その子の友達が「エエなぁエエなぁ」と言っていたことを俺は知らない。
あと涼風が有名人な理由、蔵に勝るかどうかぐらいのイケメン+α家柄良好容姿端麗頭脳明晰運動神経抜群、と才色兼備だから。あとテニス部マネージャーをやりはじめたと言うことから。もちろんそれも俺は知らない。
光の教室について、
「光居る?」
と聞けば、あそこに居りますよ、と女の子がもじもじしながら言ってきた。『ありがとうな』そう礼をいい「光ー!」と叫ぶ。
案の定光は昼食中でした。俺はと言うと昼飯は速攻で食べてきた。
「いおりさん?」
昼食の最後の一口を放り込んで飲み込み、首をかしげつつも駆け寄って来てくれる光に笑って話を切り出した。
『朝の蔵の写真、スマホに送ってくれん? 笑いたいから。』
「エエですよ!」
「よっしゃ!!」
そうして俺達二人は屋上へと向かった。
屋上へのドアを開け、給水タンクの上に座って会話する。
『ありがとう光。これ、蔵を脅すときに使える。』
「面白そうっすね。」
そう言って話をしていると、不意に俺は空を見上げた。[元の世界にはいつ帰れるのか][別に帰らなくても良いか]と言う類いのものなのだが。
俺が「戻ろうか」となぜか俺を見つめて呆けている光に声を掛け立ち上がったその時、俺は足を滑らせ、給水タンクから落ち掛けそうになった。
「いおりさんっ!!」
咄嗟に光が左手で腕を掴んで助けてくれたけど、そのまま体が重なるように地面に倒れた。あ、今光下敷きにしてる。やべぇ。
『うわっ、悪い!!』
「っ……。」
むくりと起き上がり、なぜか黙ってしまった光の顔を覗き込むと、小さく「……え、嘘やん」を繰り返し言いながら震える右手を見つめていた。
『ひか「いおりさん。」え、なん?』
急に真剣な顔をして俺を見る光。「いおりさん。」もう一度名前を呼ばれ、意味が分からないと思っていると。
「一旦……『学ラン』とその下に着てる『シャツ』脱いで下さい。」
!!? 何を言い出すんだ君は!! え、なんなん? どないしたん? 頭おかしなったん!?
「はよ脱いで下さい。」
『いやや。寒い。俺男やし。』
「男なら別に脱いでもええやないですか。」
『嫌や!!』
「チッ、まぁしゃーないっすわ。」
あ、諦めてくれた。と思ったのも束の間。前を開けていた学ランをはぎとられました。そして素早くシャツのボタンに手を掛ける光。
『やめやめやめやめ!!! 俺ら男同士や!』
「なんやいおりさんが時々女に見えてしゃーないんすわ。ホンマに男?」
『おっ、男や男!!!』
「嘘や。」
『嘘ちゃうわ! ってマジやめ!!!』
「嘘つかんとって下さい。さっき助けたときにいおりさんの胸に手ぇ当たったんすけど、なんや妙〜に柔らかかったんですわ。」
『気のせいや! 気にするな!』
ぎゃーーーー! シャツをはぎとられました。光は光で「!?」と予想はしていたものの、本当に見ると驚いていた。下につけていたのはサラシのみ。
「え、ちょっと待って下さい。ホンマに女やったんすね。」
『み……見るな! そーだよこれ、男装だよ! 見てわかんねぇ!?』
「逆ギレされてんけど。」
『っ!/// も、もうええやろ!』
ばっとシャツを奪い返すと一瞬のうちに着て、学ランを肩に羽織る。
『……誰にも言うなよ。』
「……無理や、言うたら?」
『ん〜、転校やな。』
「言わへん。」
『秘密やで、絶対。これ、知ってるんお前だけやねんから。』
「分かってますよって。」
光に性別がバレました。
放課後、部室で準備をしていると加川がいおり君いおり君うるさい。なんや俺はなつかれたらしい。あぁ、【鬱陶しい】。
『加川さん……悪いけど外見てきてくれへん?』
「えぇ〜? 嫌よぉ、いおり君と一緒に居たいものぉ。」
え……? ……嘘、俺好かれた!? 嫌やで俺は! こんな厚化粧半目デブ女と!(酷)
ひきつった笑顔のまま、『頼むわ!』と頼み込んだら「いおり君ったらしゃあないわぁ。良いわよぉ! 蔵や謙也君たちにも会いたいしぃ」と行ってくれた。
ふぅ、助かった。
そして部員達と自己紹介。朝練来てなかった奴も居たし、正式にって事で。
『えー、これからよろしkガフォッ!!』
最後によろしくと言おうとしたらなぜか腹にタックル喰らった。え、何? 部室に金ちゃんか銀さんか其処らの打ったテニスボールが部室に飛んできて俺の腹に食らわせたの? やだなー、やめてよそんな冗談〜……と腹を見てみたら光が腰にくっついてました。
よろよろとよろめきながらどたんと座り込んだ俺。腹のダメージパねぇ。
『……光……オ、レ……死…ぬ…』
「これからよろしゅ〜お願いしますっ、いおりさんっ!」
『……え……あ……う、ん。』
ガクッ。
気を失った俺に「うわあああっ」「いおりさん大丈夫ですか!?」「財前お前……」「財前が涼風先輩殺したー!」等と騒ぎ立てていたのを最後に聞いた。
はっと目を覚ませばソファに寝かせられていた。
キョロキョロと見回せばそこには心配そうなレギュラーの面々。
むくっと起き上がれば大丈夫か? と聞かれ『おん、気にするな』と返した。
「すんませんいおりさん……。テンション上がってもーて。」
『ええねん。いや、ええねん。でもお前そんなキャラやったか!!? クール系毒舌やったんちゃうん!!?』
「今の俺が本物です。」
「「「「『せやったん!!?』」」」」
あ、これにはみんな驚いとるわ。
設定で足し忘れ。
涼風ちゃんは男装時ショートカット外跳ねの髪を上でくくって、ぴょこんとしてる。まぁ髪の長さが短くなるだけ。あとどちらの時も左の前髪をピン止め三つ使って留めている。
そして翌日。放課後に部活は無くて、さっさと家に帰った。(加川から逃げたとも言う)
っていうかなんなの加川。いおり君いおり君うるさいねん。
そんな加川の脅威から逃れるべく俺はさっさと家に舞い戻った次第であります。
『母さん、ただいま。』
店の扉と真反対の裏口を開けて家に帰宅。顔を上げれば母さんが忙しそうに動き回っていた。
「あ、いおり!! おかえり! 悪いんやけど店手伝って? 人手が足りんねん!」
『あいよ。』
「それと元の格好に戻りなさい! そっちの方が需要があるねん!」
「……あいよ。」
渋々言うことを聞き入れてあげたあたし。
言い返さなかったあたし大人ー!(いやホントすいません御母様) 部屋に戻り、着替えて男装からもとに戻る。
Tシャツを着て、スカート履いて髪を下ろす。
下ろすっちゅーても少し長くなるだけやけど。店番やるときはピン止めをはずしてる。
まぁ万が一って事で。あたしの予感は二割当たる!(え)
「いおりー! オーダー取ってー!」
『うぃーす。』
両親が経営している甘味処、
【涼白風甘味処(すずしらかぜかんみどころ)】
は日本でもかなり有名な甘味処で、何回か特集されている。(らしい)
階段を駆け降り、エプロンを素早くつけて客の座っているところを駆け回る。
「いおりちゃん、塩饅頭二つときな粉わらびもち頼むよ!!」
「こっちはわらびもちの抹茶で!」
『分っかりましたー! ちっとばかし待たなくても良いからな!!』
「「あははははっ!!」」
店中を笑わせつつ、オーダー品を母さんに報告し、再び駆け回る。
その時、ガランと入り口のドアが開いた。
『……え。』
なんと、入ってきたのは我が四天宝寺中男子テニス部レギュラー陣。全員いるんだけど。
くっそう! なんでこんなときに来るんだ!
ぞろぞろと席に着くあいつらを見ないフリをしていると。
「おーい。そこの爆乳の店員さーん。オーダーエエかなー!」
『今爆乳っつったのはどこのどいつでしょーか、とっとと名乗りを上げろお客様。』
そこでドッ、と笑いが起き上がり、等の本人たちは光を除いて「おもろいな君!」と笑い転げている。
「注文エエですか〜、店員さ……!!?」
メニュー表から顔を上げてあたしを見た光が目を見開いた。あっ、こいつ気付きやがったな。くそう。
蔵達は硬直したあたしを見て「店員さん?」と心配気にしている。良かった、コイツらには気付かれてない。
『注文をちゃっちゃと言えよお客様。』
「お客様に対してそれなん?」
あたしの言葉に蔵が反応し、言い返して来るが、別の常連客が告げる。
「ええねん! この子がこー言う感じやからここはこんなに盛り上がっとるし笑えるんやで!!」
『有り難きお言葉っすわ。武下さん。』
「ええねんええねん! 名前覚えてくれてんねんな!」
『そりゃ毎日毎日来てたらな。』
軽く会話を弾ませ、騒がしく店内は喋り出す。
『注文を聞いてやるで。さっさと言うてここの足を堪能しろ。ここの一番は白玉ぜんざいやったかな、多分。』
「ひどい言葉なんか優しい言葉なんかよぉわからんわ!! おもろいからエエけど!! で、……俺は〜……栗もなかたのもかな。」
「俺は白玉ぜんざいでたのんます。」
蔵、光のあとに謙也や千歳が続く。そして騒がしい店内でも一際騒がしいあいつら。
『うぃーす。頼んだやつだぜ。
栗もなか二つと白玉ぜんざいと塩饅頭六つとようかんと抹茶パフェとわらびもち抹茶ときな粉。
あんみつ、イチゴ大福、あんとみたらしの団子、以上!! とっとと味わえ!!』
そういってその席をあとにしたあたし。
みんなわーわーぎゃーぎゃー言ってたけど、聞こえてくるのは旨いだとか美味しいだとか嬉しい声ばかり。
翌日! の朝! 今日は心なしかどたばたと騒がしい雰囲気だった。
『うぃーす。なんや、今日は騒がしいねんな。』
俺が部室に入りながら告げると、蔵が乙女の如くちょっと戸惑った顔をしてやって来た。
「い、いおりぃ……。」
『え、なに蔵キモい。乙女な顔やめろや。』
「俺な、俺な!!」
わたわたとした表情で俺にすがりつく蔵に正直ドン引いた。マジで。
『え、何蔵。……離れろや。光がなぜか睨んできてる。』
「……いおりぃいいいいいい!!」
『うぎゃあああああああ!!』
どったーん。訳もわからず飛び付かれ、二人して倒れた俺達。光が早足でこちらに向かってきている事は見なかった事にしよう。蔵をひっぺがして肩を掴む。
『蔵、何があった……。』
「俺な、俺な? すでに好きな人が居るのにな……?」
『……。』
「もう一人好きな人が出来てもーてん!」
『さぁ白石君、練習をとっとと始めよか。』
「いおり酷いっ!」
『光〜、ドリンク運ぶん手伝って〜。』
「いおりいいいいいいいい! 頼む!! 頼むわ! スルーはやめて!」
泣き付く蔵を横目に謙也と話をしていた光に声を掛けつつ近寄る。
「いおりさん……不潔っすわ。」
『蔵に言えや。俺に同性を好きになる趣味は無い。』
「それはつまり女を好きになる事はないっちゅー『やめんか光ううううううううううう!!!』(ニヤッ)」
あっぶねー、光に正体バラされる所だった。あっぶねー、マジあっぶねー。蔵と謙也をキョトーンとしてる。蔵と謙也がバカで良かった!(蔵と謙也は頭良いけど別の意味でバカだった!)
『……しゃーないから聞いたるわ。なんやねん。』
「二人目の好きな人が出来たんや……。」
『うわ、蔵不潔。』
「ちゃうねん! まだいおとは付き合ってもないから不潔ちゃうねん!」
「で、誰なん? 白石。」
あ、謙也が会話に入ってきた。相変わらずへらっとしててぶっ飛ばしたくなる。押さえろ、大人な俺。
「いおりは知らんと思うけど、昨日俺ら凉白風甘味処に行ってんやんか。」
ちょっと待て。なんか嫌な予感がするぞ。光怪訝な顔してるで、何でやねんこのツンデレboy。((財前の気持ちに気付いてやれ))
「そこの店員さんがな? めっっっちゃ美人でかっこよかってん。いおとは違って出るとこ出てた……っちゅーか出過ぎてたっちゅーかな? その人に惚れてもーt(ガンっ)え、なんや?」
……それ、俺じゃんよおおおおおおおおおおおお!! え、何!? 俺は素の姿でこんな変態に惚れられたん!? 嘘やん。「嘘だと言ってくれやあああああ!」(おい、進撃○巨人じゃん。)
え、なんか謙也もじもじしてんだけど。え、まさか。まさかまさかまさかまさかまさか!!
「ん? 謙也、どないしたん? ……お前まさか。」
「……そのまさかや!! くそったれっ!///」
あ、行っちゃった。流石自称でsppedstarとか言っちゃうだけあるな。
『謙也もか。』
「そーみたいっすね。(いおりさん……これから大変ですね)」
『マジかよ……。(光!! 助けろや!)』
副音声で別の会話をする二人。そしてそのあと、やって来た加川に世話を焼くのだった。
ああ、悲しいな。俺。
そして3-8教室。
『はよー。』
朝練が終わり、ドアを開ければ女子に囲まれる。ザ☆女の子って感じやね! エエね! 女の子は普通こうやんね! 俺が女として可笑しいだけなんよね! ほら! 胸とか!(←実はコンプレックス)
そんなザ☆女の子達に笑いを向けて席につく。あ、女の子倒れた。そんなに俺の微笑みがキモかったのか。ゴメン。((違う
『ユウジ、蔵に聞き忘れてたんやけどなんや朝騒がしかったな、なんかあるんか?』
隣のユウジに聞いてみれば、明日から跡部とか言う俺様君(ボンボンらしい)率いる氷帝学園が合宿をするらしく、それに我が四天宝寺も御呼ばれしたらしい。
『へー。で、他にも呼ばれてんの?』
「他は青学と立海やと。」
『ふーん。(どこの二校だ? そこ。)』
そういう感じでST開始。そして部活!
『ぶっかーつーぶっかーつーふふふんふんふーん♪』
「涼風キモい。」
『んだとこらユウジ。ただのユウジのくせして。』
「ただの俺ってなんなん!?」
ユウジを無視し、部室へ入ると加川が居た。
「いおりくぅん! ユウジくぅん! 聞いてくれなぁい? 明日から氷帝と合「『知っとるで』」あらぁ? 知ってたのぉ。
ま、良いわ。氷帝にね、可愛いマネージャーが居るらしくってぇ。
足手纏いにならなきゃ良いんだけどぉ。(氷帝にマネージャーなんて居たかしら、気に入らないわぁ)」
『大丈夫じゃないん? 蔵の好きな子らしいし。(副音声丸聞こえやねんけど、っちゅーか足手纏いはお前ちゃう?)』
「うっそぉ! 蔵って好きな子がいたのぉ? え〜。蔵って私の事が好きだったんじゃないのぉ?」
『その子の事を俺の目の前で興奮しながら熱弁しとったし。間違い無いんちゃう? あっ、ユウジ待てコラ俺を置いてくな。』
俺に加川を押し付けて逃げようったってそーはいかんぜよ(笑)お前も同類だかんな!
『な、ユウジ。蔵の事前の合宿でも見てたんやろ?(逃がすかオラ)』
「せ、せやな。もう何度断られても抱き着きに行きよったしな。(くそっ、涼風め怖いなお前!)」
ユウジのそれを聞いた瞬間加川の顔がブラックになったのは気のせいだろうか。気のせいに決まってるさ!
『じゃあ準備を始めようや、加川さん!』
「もうっ、いおり君ったら実砂で良いってばぁ!」
『全力で遠慮しまっせ。俺は女の子はみんな平等主義者やねん。』
「えぇーっ!」
あぁうざい。周りをちょんちょろ動かないでほしい。
そして翌日早朝。大きな荷物を持って俺達は氷帝が出してくれたバスに乗り込む。
鞄の中には一週間分のものしか入ってへんけど、家の甘味を持ってきた。(大量に)俺が甘いもの好きって事も有るけど、やっぱり他校にも食べてもらいたい。
凉白風甘味処で買ってきた! って言や大丈夫やろ。
「いおりさん、どこ座るんすか?」
俺の隣に光が姿を現す。
『どこにしようか。じゃあ光の横でいーや。』
「そっすか。((ガッ」
え、光? なんか俺の視界の隅で大きくガッツポーズを決めたように見えたんですけど……気のせい?
そんなことは露知らず、光は小さい声で話をし出した。
「それにしても。いおりさんのバスト、あんなにデカイとは。」
『一回死ねよ変態ツンデレ。』
「何カップっすか?」
『……露骨に聞いてんじゃねぇよ。お前今思春期かよ。』
「じゃあ触って確認しますよ?」
そう言って思春期ですが? って顔しながら首かしげつつ両手をわきゃわきゃしながらにじり寄る光に寒気が。
『やめ、それだけはやめ! 触るな!』
「じゃあ教えてくださいよ。」
『っ! ……_!//』
「え?」
『ぼそっ))……G……///「とりあえずサラシ取ってから揉んでええっすか。」やめろ光!』
何こいつ怖い。怖い怖い。にじり寄る光に後退りの俺。だんだんと下がっていくと、背中にドンと何かがぶつかる。
蔵の背中でした。振り向いた蔵に良いことを考え付いた俺。
「ん? いおr(バッ)……いおり?」
蔵の背中に隠れてやったぜ! してやったりとにやりと笑って見ると。
「にこっ))いおりさん。今日の夜、覚悟しとって下さいね?」
その瞬間俺の顔から血の気が引いたのを露骨に感じた。蔵は俺と爽やかに黒い笑顔を浮かべる光を交互に見て困惑した顔。
『蔵……俺、お前の隣に座る。』
「え……いおり?」
『なんでも良いからお前のとなr「いおりさん?」……悪い。やっぱりええ。』
もうこの後輩怖い!
強制的に光の隣に座らされ、補助席には謙也が。その奥には加川。加川の奥には蔵が。
謙ちゃん。お前が俺の最後の望みやわ。
「いおりさん、目ぇ死んでますよ?」
『誰のせいやと思ってんねnうひゃっ! ひかっ、やめ! くはっ! や、やめや! くくっ!』
こいつ、こそばしてきよったで。光めっちゃ可愛い顔して笑っとる。ぇ、何こいつ、ドS!?
「なんや!? いおりこそばし効くんか!? 俺も参加や!」
謙ちゃああああああん! 助けて! 謙ちゃん参加しんで助けて!?
「謙也さんうざい。」
「財前酷い!」
あ、光がめっちゃ謙也睨んでる。うわ怖!
「いおりーーー! なんや食いもん持っとる!?」
がふっ。金ちゃんのその笑顔に殺られました。だって前の席から顔覗かせて満面の笑みでお菓子ねだって来るんですよ!?
鞄を漁ってポテチ発見!
『金ちゃんポテチー。』
「貰ってエエんか!!?」
『それ食うて大人ししとき。』
そういうと金ちゃんはこくんと頷いた。そして袋ごと渡し、新たなお菓子を取り出してみんなでやんややんやと騒ぎました!
そんなこんなで到着! 東京!!
……でかっ。え、なんこれでかっ。
『ここが跡部っちゅーのんの用意した合宿所なん?』
「そーなんちゃう……?」
『蔵顔にやけてる。っていうかうわでけ〜。(リアルの俺ん家の半分は有るわ)』
蔵はその赤嶺さんとか言う子に会えるのが嬉しかったのか、にこにこ笑ってる。キモい。俺達が合宿所に足を踏み入れたら、氷帝らしき学校がお見えに。
「久しぶりやな跡部君。」
「白石か。そこまで久しぶりって訳でもねぇだろうがよ。」
「せやな。」
笑顔で和気藹々と話しとるとおもっとったら二人共背中に黒いオーラを発してるやん。なぜ?
『小春……なんで跡部君と蔵黒いん? 正直怖いんやけど。』
「やだ、いおり君。二人共いおちゃんが好きなのよ〜。」
『ふぅん。(にやっ)』
面白いな。これ。恋愛多角形って奴やんな? これで蔵んこと一週間は笑えるで。はははっ
「いおりさん。何一人でニヤけとんすかほんま可愛いっすわ。」
『え、そこキモいとかきしょいちゃうん? 光。』
「いおりさんが悪いんです。」
『……ハァ?』
何この子、片方の頬をぷっ、ってちょっと膨らませてるからのそっぽ向いたよ。不覚にも可愛い思た俺はアホやな。跡部に挨拶しようと近寄り自己紹介。
『俺は涼風いおりっちゅーねん。三年でマネージャーしとるから!』
「お……おう。」
『っちゅー訳で、よろしくな! あ…………あ、あ……? 名前なんやったっけ? アホ部?』
「跡部だ! 跡部景吾だ!」
『そか。悪かったな景吾。』
「いきなり呼び捨てかよ……。」
『ならお前が俺ん事『いおり』て呼べばええねん。』
「……まぁな! よろしく頼むぜいおり!」
景吾から差し出された手を握り返しおーう! と返事をすれば、一気に景吾の顔が怪訝になり、蔵がどこかに行き、周りに誰もいなくなったあと、景吾が喋り出した。
「……いおり、お前?」
『んあ? なんや?』
「女か?」
『……チャイマッセ俺ガ女トカ有リ得ン。実ハ女ヤトカチャウカラナ。実ハGカップナンテ言ワヘンカラナ。』
「暴露してるぞ。」
『あっ。』
「女か……。なら大丈夫か。」
『なんや知らんけど絶対黙っとれよ? バラしたらお前の遺体がバラされるからな?(´言` )』
「俺はそんなことはしねぇよ。(あれはマジの顔だ……)」
『マジか! 景吾お前ええ奴やな!』
そうして景吾と別れたあと、光の機嫌が超絶悪かったのは言うまでも無かった。(いや俺知らんけどな?)
「とっとと練習やれっての! 鬱陶しいんだよ! 離れろ白石てめぇ!」
何やら向こうから蔵を罵る怒声が耳に嫌でも聞こえてきたんですが。光を連れてその場に居ると、うわっ! 蔵に飛び付かれてる女の子発見。とりあえず止めな!そう思い蔵をその子から引き剥がしたら。
「誰や知らんけど邪魔しなや!」
べちっ。……? 蔵の手が俺の頭に飛んできたんですが。振り向いて誰かと顔を確認した蔵。俺の顔を見た蔵から血の気が引けていくのが分かる。
『……おいこらてめぇ、誰を殴ったんだ? あん? 言ってみれ。フルネーム……(°言°ノ)』
「……す、すすす、涼風いおりさんや!」
『おーし。肋が二三本いくと思うけど堪忍な?(爽やかにニコっ)』
「ぎゃああああっ! すまんすまん!! ほんまお前やとは知らんかってん! いやほんま!」
『なら……これに懲りたらやめること。エエな?』
「はいぃぃぃい!!」
あ、光がうわ情けな、という視線を蔵に送っているのが見えた。蔵マジ情けない。そして女の子が俺を不思議そうに見つめる。
「えー……と。誰? お前。」
『君こそ。っていうか悪いな、うちの変態が。ちゃんと躾しとくさかいに。』
「俺は犬かなんかか!!?」
『喧しい、黙って大人しくしとけ。でもって死ね。』
「いおり酷い!」
とまぁ蔵をあしらい、尻餅をついていた彼女に手を差し出す。
『大丈夫か? 怪我無いか?』
「名前を言うのが先じゃねぇの?」
『お、悪いな。俺は【涼風いおり】。あんたは?』
「【赤嶺いお】よろしく頼むぜ! 白石をどうにかしてくれ!」
『了解!!』
手を取った赤嶺さんを引き上げて立たせる。光がにやにやしているのを見たが、にこっと笑ってやったら顔が無表情に戻る。
そうして俺は【赤嶺いお】と出会った。
inホテルにて。只今は景吾・幸村さん・仁王さん・いお・蔵・俺・光・英二で共に行動中。英二とは仲が良ーなったで、なんや馬がおーた。幸村さんと仁王さんは景吾に道案内させてる。
「あ、君が涼風いおり君?」
おっと。幸村さん、女っぽい。可愛い。っていうか声かけられた。
『ん? せやで? そっちは幸村さんやった?』
「面白いね、俺のこと知らないなんて。」
『あ〜……ゴメン。俺テニスを最近まで知らんかったから。』
「そーなんだ。幸村さんじゃなくて精市でいいよ。【いおり】。」
おう! と返事をすれば光に頭はたかれた。なんやねんこの後輩。(だから気付けや)
「いおりさんアホちゃいます?」
『ってーな……少なくとも蔵よりはアホじゃないかrぐほっ』
蔵から脇腹に肘貰いましたー! 「いおりの方がアホやん。」そう返されたので言い返してやりました。
『お前、俺一応四天宝寺じゃ特待生やぞ。』
「へえ、いおりって四天宝寺じゃ特待生なのか。」
お。いおちゃん乱入。隣の蔵を押し退けて。こくんと頷くと、仁王さんが声を掛けてきた。
「ほぉ〜ぅ。おまん、なかなか面白いのぅ。男そu『仁王さんんんん!!?』((にやっ。
詐欺師の目を誤魔化そうったってそうはいかんぜよ。」
『仁王一回死ねやてめぇ。』
俺と仁王(苛ついたからさん付け取った)の会話に精市と景吾と光以外キョトンとしている。
知ってるやつが驚いてる。あ、精市気付いたの? 仁王のせいだ。
『内密にな? (バラしたら殺るぜ♪)』
「わかっとーよ。(一か八かやったんやけどのぅ)」
『もうとりあえず死ねよ仁王。(ハメたかてめぇ。)』
「そうだよ、仁王。一回死んできて。」
『「精市/幸村!!?」』
あぁ、ゆっきーは黒い人だったか。っていうか英二。いおにベタ惚れじゃん。景吾もちらちらいお見てるし。蔵嫉妬中やし。
『モテとるなぁ。』
「何がだ?」
『いお。』
「俺が? やめろよいおり〜、そんな冗談!!」
『……せやな!』
「てめぇ。」
いおから膝かっくんを喰らいました。
夕食を食べ終わり、俺の自室(景吾に一人部屋を用意された)で俺は一人でベッドに寝転んでいた。
『疲れた。っていうかテニプリってキャラクター濃いなぁ。』
「そーでしょ?」
『おー……ってうわ! ウサギ!』
「久しぶりー。」
横に座っとるのは俺をトリップさしてくれたウサギ。
『で、何しに来てん。』
「ちょっと御忠告まで。」
『なんや?』
「ひとつだからすぐ終わるけど、恋愛関係ね。
【君“は”この世界の誰かに恋をしたと“自覚”瞬間この世界で一生を暮らさなくちゃならなくなる】んだ。大丈夫?」
『おん。全然大丈夫。逆に帰りたくない。』
「あ……あはは。じゃ、困ったら呼んでね!」
『うぇーい』
「あと、トリップ者の君みたいな条件は違ってくるからそこよろしくね。例えば、君が恋を自覚したら帰れないって条件なら、他の人は付き合ったりしたら帰れなくなるって感じの」
『おん。分かったで。』
あ、ウサギ消えた。部屋から出ると、レギュラー陣達がお風呂を上がったようなので、俺は安心して女湯に入れるや。
幸村は今は倒れてない設定で。関東大会の時には倒れてます。
『くはっ。めっちゃ気持ちええわぁ。』
あー。風呂最高。今女風呂で一人やから貸し切り状態やわ〜。あー最高。
湯船に浸かって腕を広げ、そのまま縁に腕掛けてやけに高い天井一日の疲れを取っとると、浮いて来よった。
『……あたし、胸が異様にデカいん恨むわ。』
ほんま邪魔。いおみたいにちっちゃい方があたしはエエわ。貧乳? 極貧乳でもエエわ。
自暴自棄になって胸を放置して呆ける。
そのまま十分ぐらい居ると、扉がガラリと開いた。
清掃員の人かいな? そう思い振り真後ろにあるドアの方を向いて見てみると。
『……え。』
うわ。最悪。
「いおり……?」
いおや。入って来たんはいおやった。そしていおの顔がみるみるうちに赤くなっていく。あたしの顔も赤くなっていく。
「きゃああああああああああっ!」
『うわああああああああああっ!』
その叫び声を聞き付けた男共(四天宝寺(加川込み)・氷帝・幸村・仁王・青学)が閉めてあったドアを開いて入ってきた。
『「あ。」』
一同「え。」
『「ぎゃあああああああああああ!」』
いや、いおはまだええやん! タオル巻いとるし! あたし湯船に入ってるとしても全裸やで!? まぁ背中しか見えてないと思うけど!
でも、でもでも! あたしピン外して髪下ろしてるんやで!? 凉白風に来た四天レギュラーは分かってもたやろ!
「え……いおり?」
蔵があたしを見てキョトンとする。あたしには目を背ける事しか出来ない。まさか……まさかっ! まだ四月下旬やのにもうバレてもーたとか! しかも加川入れて全員に!
『……。』
あたしは背を向けた。何を言い出すか分からん。もしかすると軽蔑されたかも。……騙してたんだし。
「とりあえずここから出ろ変態共おおおおおお!」
いおが男共を風呂から追い出した。そしてあたしの隣に座って湯に浸かる。
「いおりって女の子だったんだな……。」
『悪いなぁ。……騙してて。軽蔑したやろ?』
「してねぇよ。軽蔑なんか。むしろ安心した。」
『は? 安心?』
「っ!! いや、聞き間違いだってそれ!! っていうか軽蔑なんかしねぇよ。だって、騙してたのは性別だけだろ? 一緒に居て、楽しくて笑ってた、その気持ちは嘘じゃねーんだろ?」
『……せやけど。』
「大丈夫だっての。そりゃまぁ最初見たときは俺もビビったけど、軽蔑はしなかったぜ。」
『……いおがそーやとしても光と精市と仁王と景吾を除いた蔵達がいおとおんなじように考えるか……やで?』
「……その時はその時だ。軽蔑したら俺はそいつらを軽蔑する。」
『……ありがとういお。めっちゃ感謝するわ。』
「安心しろよ。さっきいおりが言った四人は事実をしってんだろ? そんなかにゆっきーや跡部、財前が居るなら大丈夫さ。」
『……景吾と光は分かるけど、精市は何でなん?』
「ゆっきーの事知らねぇの? ゆっきーはあれだぜ? 中学テニス界最強でさ。
神の子って言われてるんだ。」
『マジか……知らんかったわ。』
そうして他愛ない会話をして。
『いおは胸ちっちゃいなぁ。ぴったんぺったんやん。』
「てめぇ……お前は出過ぎだろ。このっ。」
『うわっ。や、やめや! んっ!』
「俺はねーもん! くそがあああっ!」
『まてまてまて!! 話せば分かる! 話せば!! あたしに八つ当たりしてもいおの胸が極貧乳っちゅー事実は変わらん! っていうかええ加減触るな!』
もうやめて……あたし死ぬからマジ勘弁や。
いおとの話し合いの結果、あたしは明日の朝、性別を騙していたことを謝ろう。そう決めた。