ワールドトリガー 長編夢小説

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1:アポロ:2015/11/01(日) 00:12 ID:4/o


どうも、アポロです。
最近書きたい小説が増えてきてしまって……今回はテニスの王子様ではなくワールドトリガーです。
現在更新中の
『テニスの王子様にヒロインがトリップしちゃいましたよ!?』も『〃【2】』も書いています。よろしければどうぞ。

今回も男っぽい女の子を書いていきます。いまだに誰オチかは決めてませんが。

うだうだですが読んでやって下さい。




オリジナルキャラクター(女主)です

霧氷 伊織(muhyou iori):女

現在進行形で17歳。
大阪から引っ越して三門市に住んでいたが、第一次大規模侵攻により隣町に。そして三門市に帰ってきた。
基本クール。あと関西弁。胸は大きい。身長は165cm。
目上と喋る時は敬語混じりの関西弁。(あ、そうっすか……。とか)
年下と喋る時は関西弁。(あっそ……。とか)

帰ってきたあとボーダーに入隊。
剣道をしていた。(他にも柔道、合気道、少林寺拳法、空手、八極拳、八掛掌等々)
顔は美形。

性格は基本クール。甘いものが結構(凄い)好き。
トリオン量半端ないのに気がつかない、サイドエフェクトあるのに気がつかない鈍感。
それはまぁよく好意を持たれる。(のにも気が付いていない)
隊には所属しておらず、勧誘をよく(オペレーターの御姉様方から)受ける。
女子の癖にイケメン。ピアスは右に2つ。左に1つ。
高校で出水と同じクラスになった。
心を許せば(それなりに)優しくはなる。

でわ!

6:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/02(月) 21:37 ID:LQo

こんばんは!ヴラッディーヴィーナスです!KZノートの方では知っている方もいるかもですが...あの、お邪魔してよろしいでしょうか?

7:アポロ◆A.:2015/11/02(月) 22:29 ID:4/o

四時間目の数学の時間、あたしは熟睡しとった。やのに教師に当てられたらしーて出水に叩き起こされた。
周りがくすくすと笑うなか、教師は「寝ていたお前にこれが解けるか?」と妙に得意気で、あたしは眠たいから半目のまま問題を解いた。



「これでええやろ……。」



そうゆうてあたしは教師を見つめた。早く寝させてや、と言う意味も込めて。教師は教科書と黒板、まぁあたしの式やな、それを交互に見て「せ、正解」と呟いた。

そしてクラスメートの視線があたしに集まっとる中、せかせかと席に戻って机に伏せた。隣で出水が「お前すげえな!」と言っとったのを聞いたのが最後であたしは眠りに落ちていった。



キンコンカンコン、聞きなれたチャイムがあたしを起こした。



「おはよう霧氷。」



出水に言われて顔だけそっちに向けた。「一緒に飯食わね?」と誘われて、断るんもめんどいからとりあえず頷く。



「奢りならな。」



そう付け足して。出水は「そー言うと思った」と言って菓子パンをあたしに放り投げた。



「……意外とええやつやなお前。」

「意外とはなんだよ霧氷。」

「……霧氷呼ばれんの慣れてへんねん、いおりでええ。」

「いきなりな奴だな。」

「あたしはこー言う奴やねん……気にせん方がエエで。」

「まぁ、そー言うことなら。」



そのあと、出水と少し談笑(あたしは笑って無い)しとったら、米屋が来た。米屋とは前に知りおうて、まぁあっちはあたしをいおり、と呼ぶくらいの仲や。



「お前ら仲良く飯食ってんの? 俺も混ぜろよ!」

「あたしは知らん、出水に聞けや槍アホ。」

「「槍アホ!?」」

「悪いな、槍バカやったな。すまんすまん。」

「なお酷いな、いおりてめぇ。」



そうして米屋を含め三人で昼食をとっとると。

思いがけへん事が起きた。

8:アポロ◆A.:2015/11/02(月) 22:30 ID:4/o

はい! えーと、読んでくださる方なら大歓迎ですよ!

9:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/02(月) 22:58 ID:LQo

アポロさんの夢小説、面白いですね♪僕、12歳なんですが、タメおkですか?(女です。僕っ娘なんで、違和感あるかもです。)

10:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/02(月) 23:00 ID:LQo

名前は、友達に、「超がつくほどのドSだから」と命名してもらったあだ名です。

11:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/02(月) 23:01 ID:LQo

ヴティースと略されていますwww

12:ブラッディーヴィーナス:2015/11/02(月) 23:06 ID:LQo

夢小説もちょい×2あげていきたいです♪リクも受け付けてます♪(小6なんで、むっちゃ下手くそですが....)←でもおkな天使様は、コメお願いします♪

13:アポロ◆A.:2015/11/02(月) 23:16 ID:4/o

ごめんなさいっ! ヴラッティーヴィーナスさん! 感想をくださるのはそれはもうホントにありがたーいのですが、ここは私の小説の場ですので、感想を下さると嬉しいです。
すいません、でも、仲良くしていきましょうね!
僕っ娘でも全然構いません! リアルじゃ私は僕っ娘ですので違和感なんて微塵も有りませんよ!!
ちなみに中一の13歳、関西に住んでるんです!
頑張って更新していきますね!

14:ヴィーナス:2015/11/03(火) 02:00 ID:LQo

なんか色々すいません...以後気を付けます...(僕、書き込み系慣れてなくて)「ありゃ?」と思うことあったら、言ってください(・ω・;)お願いします!

15:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/03(火) 02:02 ID:LQo

あ、ブラッディつけ忘れました(焦)

16:アポロ◆A.:2015/11/03(火) 15:36 ID:4/o

大丈夫だよ〜。もうタメ口で行くね、よろしく!
ここから第六巻原作沿いーっ。









あたしたちに緊急招集が掛かった。



「なんや?」

「なんだ?」

「お?」


出水がエビフライを頬張り、米屋がパックの飲み物を飲みながら緊急招集で戦闘開始と言われた。

“ゲート発生ゲート発生。大規模なゲートの発生が確認されました警戒区域付近の皆様は直ちに避難してください”

そんあと直ぐに放送が鳴ってきよって、あたしたちは先生に言って駆け出した。



「ネイバーが大量発生ってな。」

「うーわむっちゃめんどいやん。」

「お前はネイバーを切ったときの爽快感を知らねーからそんなことを言ってるんだな。」

「うわホンマムカつく失せてまえ米屋。」



そうして変換体になり、あたし達は出来るだけ早く動き出した。



「なぁ、これってよぉ考えんでもヤバイよな。」

「そうだな。」

「急ぐぞ。」



しゃしゃしゃと家の屋根を駆け抜けてくあたしたち。



「ゴメン、そんな悪い状態ならあたしいっぺん本部行くわ。」

「「今からか!?」」

「悪いな。」



あたしはそういって二人と別れた。








in本部。

作戦指令室のドアをバンと開け放ち、「城戸さん!」と名前を叫んだ。いっせいにあたしを見よるボーダー幹部。

不機嫌そうに振り向いた鬼怒田さんに「なんのようだ」と聞かれてあたしは答えた。



「あたしのブラックトリガーをこの戦いが終わるまで使わせくれませんか!?」



あたしが言うと鬼怒田さんが叫ぶ。



「ふざけるな! お前はA級に上がったんだろう!? なら必要は「あのブラックトリガーを発動出来るんはいまんとこあたしだけなんすよね!」……まぁ、そうだが。」



あたしが鬼怒田さんに詰め寄っとると、城戸さんがあたしの名前を呼んだ。



「霧氷。」

「なんすか、城戸さん。」

「戦力になると思うのか?」

「思っとりますけど。」

「……なら、その戦いぶりを見せにあのブラックトリガーを使え。」

「! あざす!」



そうして根付さんに「火霧はどこっすか!?」と聞けばその場で日本刀を渡された。
あぁ、火霧を使うんは久しぶりや。



「じゃあ、期待に答えたりますよ。」



そういいあたしは作戦指令室を出た。

17:アポロ◆A.:2015/11/03(火) 15:52 ID:4/o



結構時間を食うてしもたらしーてネイバーの新型が出てきたらしい。
最初に討伐したんは嵐山隊。流石やな。

あ、新型三匹見っけ。あ、A級の女の子が取り込まれとる。
あ、B級のメガネ君が飛ばされた。ヤバいな。C級が逃げる中、一人の女の子がビビって立ち止まっとる。

おっしゃ、



「火霧、起動!!!」



そう叫んで新型があたしを見たときには遅かった。
あたしの火霧が新型の首を貫く。ずずんと倒れ込む新型に背を向けて「大丈夫なん? 怪我とかないやんな?」と聞いた。

その時、さっきのメガネ君が新型の目玉みたいな心臓部をレイガストでかっさばいた。
まだ生きとったんか、ちっ。



「悪いなそこのメガネ君、とどめを任してもーて。」



そう言えばメガネ君は「いえ」と苦笑いして「忍田本部長!」と連絡している。

あたしは「じゃあな」と声を掛けて顔見知りの出水達のところへ行くべく飛び上がった。

18:アポロ◆A.:2015/11/03(火) 18:37 ID:4/o



しばらく走っていたら、建物に隠れている出水らを見つけた。

あ、なんかちっちゃいの居る。



「お前らここでなにしとん?」



後ろから声を掛ければびくっと驚かれた。まぁしゃあないわな、いきなりやしな。



「うっおびっくりした〜。」

「あれ、いおりお前のトリガー弧月じゃなかったっけ。」

「いや、弧月やけど、城戸さんに頼み込んで今だけブラックトリガー使うとる。」

「マジか、やべぇ。」



あたしら三人が喋っとると、ちっこい子が話だした。



「ねぇいずみん先輩、よねやん先輩、その関西弁の人誰?」



と聞いてきた。



「あぁ……あたしは霧氷伊織。まあ、よろしゅう頼むわ……。」

「俺は緑川駿! よろしくっいおり先輩!」



なんや、駿君元気やな。

19:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/03(火) 23:29 ID:LQo

(タメでいかせてもらいます)うわ、続き気になるぅ!(*`∀´*)関西弁ていいよね(∀b)グッ あ、書き込みとかでは標準語だけど、リアルでは僕も関西弁だよ!

20:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/03(火) 23:34 ID:LQo

今、北海道在住だけど、生まれは神戸、育ちも神戸の生粋の神戸っ子なんだ (*´ΨΨ`*)

21:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/03(火) 23:36 ID:LQo

リクって受けてる?おkならお返事プリーズね♪

22:アポロ◆A.:2015/11/04(水) 19:50 ID:4/o

神戸!? こっちもやで! こっちも兵庫の神戸に今住んどる!
リク? リクは受け付けとるで!(なんかめっちゃ関西弁、いや……神戸弁や。)
この長編も続けとるし、リクもやっとる!

23:アポロ◆A.:2015/11/04(水) 20:19 ID:4/o

こうシーン!(実は霧氷ちゃんは大阪生まれの神戸市育ちやったりもしちゃう)



あたしらがそうやって喋っとると、角の着いたがたいの良い男が歩いていく。確か、東さん等と交戦した『ランバネイン』とか言う火力重視の銃ドンドン型の奴や。
駿達はコイツを待っとったらしい。なるほどな。



「よねやん先輩、どうすんの? 本部長は玉狛を援護しろって言ってるよ。」



駿が聞けば、「どーすっかなー、もうこっち来ちまったもんなー。」とぼやきよる米屋。
そして出水が言った。



「放っといたら玉狛のほう行くかもしんねーし、ここであいつ倒しとく方がいいだろ。」

「だよな、賛成。」

「あたしも賛成やわ。」



そうしてみんな賛成したあと、出水が柚宇ちゃんに「柚宇さん柚宇さん、ヤツの情報ちょうだい、米屋と緑川といおりの分も」と言えば。



『えっ、いおりちゃん居るの!?』



と聞こえてきた。「居るよ柚宇ちゃん」と返せば『健全のイケボだね!』と興奮気味に返ってきた。



「あれ? 柚宇さん、いおりと知り合い?」

『知り合いじゃなくて親友だよ〜、いおりちゃんイケメンだし、イケボだし格好いいし強いし、何より胸がおっきい!』



といってきよった。三人ともいっせいにあたしの胸に視線を向ける。「どんくらい?」と聞いてきたから「死んでまえ変態共、98や。」と返したった。



「で、柚宇さん、情報。」

『ほーい、東さん達の戦闘記録送るよ、詳しいことは東さん達に聞いてね。』



そうして頭に流れ込んで来た映像に溜め息を吐いた。駿は「あちゃー」米屋は「おー」と声をあげている。



「ゴツいのに意外と射撃系じゃん、いずみん先輩と同じタイプだ。」

「弾バカ族だな。」

「誰が弾バカだ槍バカ。」

「黙っとれやかましい。」

「「「はーい」」」



と三人仲良く返事をしたあと、出水が東さんに連絡して、そのあと、「火力勝負になると厳しいぞ」と返してきたら、出水が言った。



「だいじょぶです、弾避けが3個あるんで。」



それに対して「「「おいこら」」」とあたし等は返した。

24:アポロ◆A.:2015/11/04(水) 22:12 ID:4/o




そうしてランバネインとの激しい接戦が開始された。っちゅーか威力ヤバいな、当たったら即死やっちゅーねん。


そんなこんなでぼろぼろ米屋がとどめを差してランバネインのトリオン体は消えた。

一応、B級合同、A級合同で勝利や。なんやめっちゃ脱力したけどそんな暇は今んとこ無い。さっさと市街地に向かっとるトリオン兵を殺らんとな。そうしてランバネインを倒したメンバーとはあたしは別れた。

















あらかた市街地近くのトリオン兵はやっつけたと思う。あ、なんか黄緑の隊服着た女の子が向こうのトリオン兵と戦っとる。助太刀や助太刀。

流石にトリオン兵の多さにてこずっとるらしい。あ、危ない、後ろから狙われとる。出番やあたし!


そうしてその同い年ぐらいの女の子の背後に迫るトリオン兵を一刀両断、綺麗に割れたトリオン兵。米屋の言うとった『トリオン兵を切った時の爽快感』てこれか、よぉわかるわ。



「ちょっ、あんた誰よ!?」



その女の子は当たり前のリアクションを取った。まぁせやろな、いきなり飛んできてんもん。



「はじめまして、あたしはソロA級霧氷伊織、17歳や。」

「ふぅん、あたしは小南桐絵、17歳よ。」

「よろしゅうな。」

「それなりにね。で、あんた一応加勢なの?」

「せやで、臨時黒トリガー使いや。っちゅーかこんな呑気に会話しとる場合とちゃうって。はよ片付けてまおか。」

「オーケー。」



そうして桐絵ちゃんとの共闘が始まった。

25:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/05(木) 01:56 ID:LQo

わぉ(`∀´)/おもしろい☆そっかぁ神戸に住んでるのかぁ...いーなぁふるさとに帰りたいっ(´・ε・`)こっちはmjで寒いぃぃぃぃ/(^Ο^)\オワタ リク:最後の方に、三雲達を助けるシーン入れてもらえる?ヨロね♪

26:匿名さん:2015/11/05(木) 02:00 ID:LQo

僕、女子キャラでは、こなみんとちかこちゃんとしおりんが好きだから、もう大満足!!!  質問:恋愛要素はゼロにするの?

27:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/05(木) 02:01 ID:LQo

あ、なぜか匿名になっちゃった!

28:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/05(木) 02:02 ID:LQo

26は僕だよ

29:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/05(木) 19:19 ID:LQo

ごめん。親にバレて3DS禁止になっちゃった。またいつか来るから、バイバイ!

30:アポロ◆A.:2015/11/05(木) 20:38 ID:4/o

恋愛要素はこれから入れてくつもり。三雲達を助けるシーンか、いずみん達の時に入れようかな。
っていうかしばらく来れないのか、残念。




『っ!?』



いきなりあたしの鼻に感じた苦い【香り】。それは鼻の奥にまで広がり「うげ」とあたしは顔をしかめた。



「ちょっと! 余所見してる場合じゃないわよ!?」



小南がネイバーを切り裂きながらあたしに叫ぶ。しゃあないやろ、苦ぁて戦いどころや無いし、第一めっちゃ嫌な予感すんねん。



『……めっちゃ嫌な予感するわ。』

「なによそれ。」

『いやな? めっちゃ苦い匂いが漂ってくんねん、なんや誰かがピンチってるような。』

「ふぅん。なら行ってきなさいよ、ここは大丈夫なんだから。」

『でもなぁ……。』

「あたしが良いって言ってるの、とっとと行ってきなさいよ。」

『悪いな桐絵ちゃん。』



あたしはそう言うて苦い匂いのする方向へと走っていった。








そこに着けばそりゃもう新型がうじゃうじゃとC級隊員とその一人【雨取千佳】っちゅう子を狙っとる。そしてB級のメガネ君と……京介!!?



『きょおすけえええええええっ!』



あたしは叫びながら走る京介の隣に駆け寄る、もちろん走っとるけどな。京介はあたしに気付くと「いおり!?」と目を見開いた。

鳥丸京介、あたしが隣町に引っ越す前、小さい頃からずっと一緒に居った幼馴染みや、一個年は下やけどな。



「いおり? どーしたんだ? A級なのか?」

『せや、入隊六日目でA級に上がったんや、すごいやろ。』

「あーうん、すごいすごい。」

『京介なんて死んでまえ。』



そんなことを言っていると、新型の距離が近くなる。数は7体、面倒やわ。そうみんなと一緒に走っとると、空からメテオラらしき射手(シューター)の弾が降ってきて、辺りを破壊した。みんなとざわざわ言っとると、上から駿と米屋と出水が降りてきた。
米屋と駿は降りてきた勢いで新型に二人して攻撃を加えたけど、硬い腕でブロックされる。



「硬っ、何こいつ。」

「噂の新型だろ、ウジャウジャいんなー。」



駿と米屋が言えば三雲君が「緑川! 米屋先輩!」と安心したように声を発した。



「三雲先輩、おまたせっす! 遊真先輩は?」

「空閑が向こうで黒トリガーと……」

「マジか! いいなー!」



三雲君と駿と米屋が会話しているけど、空閑て誰やねん。まぁほっといてええけど。



「よー京介、先輩が助太刀してやるぜ、泣いて感謝しろよ。」



出水、お前はどんだけ先輩風吹かしとるんやてめぇ。あたしの可愛い可愛い幼馴染みに。



「泣かないすけど感謝しますよ。」



京介のアホ。何をさらっと感謝しとるんやボケ。そしてあたしの存在に気づいたA級3バカはそれぞれにあたしの名前を呼んどる。



「あっ、いおりてめっ、あのあとすぐに居なくなりやがって! っていうかお前が居んなら倒せよ新型!」

『黙れ公平。』

「名前呼び! っていうか返事しろよ!」

『京介と話とった、今から殺ろ思とったんに、お前らが飛び出してきよったからタイミング逃したんや理解しろA級3バカ。』

「「「A級3バカ!?」」」



見事にはもったなお前ら。っていうかあたしのあの時の苦い匂いはなんやったんやろか?

31:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 00:29 ID:4/o

さて、第二次大規模侵攻も終わって、翌日まぁ多分平和になったと思うわ。
思うわ、言うんはアレやアレ。三雲君が生身で攻撃受けて、只今昏睡状態。ヤバイわ、あたしがついていたにも関わらず、とりあえず……あのワープ黒トリガー斬ったら良かったんかな……((おい

まぁ今は一人でお見舞いに向かっとる途中や。

果物の入ったバスケットを持って病室を探す。あ、あった。

部屋を見つけてこんこんこん、と軽快な音、それと同時に「どうぞ」と凛とした声が扉越しに聞こえてきた。
ガラリと扉を開けて、目に入ってきた光景は、ベッドで酸素マスク付けて眠っとる三雲君と、家族らしき女の人、それと雨取ちゃんと目付きの鋭い身長の低い男の子、なんやろ、めっちゃ大人っぽいこの男。



「あなたは?」



家族らしき女の人に声を掛けられ、「ボーダーの霧氷いおりです、お見舞いに来ました」と告げた。


そして後々分かったことだが、家族らしき女の人はお母さんらしい、アホや、ウチお姉さんかとおもっとったわ。

とりあえず果物の入ったバスケットを手渡して「三雲君、御大事に」と言うと、その身長の低い大人っぽい男は一礼してあたしと共に病室を出た。



「……霧氷いおりで間違い無いな……?」



部屋を出て、扉をぴしゃりと完全に閉めたあと、身長の低い男の子が声を掛けてきた。



『せやけど……?』

「そうか。」



……なんやねん、感じ悪いわ。自分も名乗りや、あと歳も。人は見かけによらんっちゅー事を先程三雲君の御母様にて重々思い知らさせたからな。



『そっちも名乗りや。』



一言返せばソイツはずっと、先程と同じ様な無表情でゆっくりと口を開いた。



「ボーダーA級3位、風間隊隊長『風間蒼也』……歳は“21”歳だ。」



……え、21歳? うわマジで!? 年上やん! 成人しとるし、そりゃ大人っぽいどころか大人やわ!

32:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 16:53 ID:4/o



「面白いなお前。」

『へ?』



きょろきょろと辺りを見ると「お前だ」と言われた。



『なんでやねん……あたしのどこがおもろいんすか、意味分かりませんわ。』

「ふん。」



なんやめっちゃ腹立ってんけど。……いやホンマに。



風間さんは颯爽と去っていった。

かっこええ人やけど色々面倒臭い人やわ。

33:アポロ◆A.:2015/11/07(土) 17:19 ID:4/o

Noside



いおりが本部のC級ブースを歩いていれば、国近に出会った。



「いおりちゃーん、第二次大規模侵攻の通信会話ぶりー。」

『ん。』



テンションは対照的なあたしら二人がなぜこうして楽しげに話しているのか。それは第二次大規模侵攻数日前に遡る。

それはこのようにいおりがC級ブースを歩いていた時だった。

前から国近がゲーム(P○P)をプレイしながら歩いてきた。

そしてまた、いおりもゲーム(P○P)をプレイしつつ歩いていたので、もちろんの事、ぶつかった。



「いたぁ〜。」

『っ。すまん、大丈b「イケメンボイス!」え……。』



手を差し出し声を掛ければ途中で遮られ、いおりは間抜けな声が出てしまった。



「あ、ごめんね〜。私国近柚宇。A級第一位太刀川隊のオペレーターしてるの。」

『あ、あたしは霧氷伊織。A級やけど、とりあえず隊は組んで無い。』



国近はいおりの手を取り立ち上がれば、ぶつかりしりもちを着いた衝撃ですっとんだゲーム機を手に取った。
そして同じくしりもちはついていないものの、衝撃ですっとんだゲーム機を拾う。
その際国近は見た。いおりがプレイしていたRPGは自分がプレイしているものと同じと言うことを。



「いおりちゃん、『ダ○ガ○ロ○パ』シリーズしてるの!? しかも1,2も終わってる!」

『え、せやけど……。』

「奇遇〜! 私も昨日買った『ダ○ガ○ロ○パ1』今プレイしててね! すっごく面白い!」

『え、ホンマ? ヤバイ、こないなとこで同志見っけてしもた。』

「私も今すっごく嬉しい〜!」



そうして二人はゲーム機を片手に食堂へと足を運んだ。



「ねぇねぇ、私昨日からプレイしててさ、今第三の石丸君と山田君が死んじゃったやつしてて、これすっごく難しい。」

『え、昨日買ってもうそこまで進んだん!? ヤバイわ。柚宇ちゃんすげぇ。
よし、あたしも手助けしたるわ、あたしがやってもーてもおもんないやろ?』

「うん、そーしよ〜。」



こうして友情が芽生えた訳である。

34:アポロ◆A.:2015/11/08(日) 18:20 ID:4/o

国近といおりは「何か食べようか」と食券機の前に立った。時間は12時過ぎ。休日の今日は人も多いが仕方ない。



『柚宇ちゃんなに食うん?』

「あたしは〜、じゃがバター!」

『はいはい。ホンマ好きやな、じゃがバター。』

「石狩鍋も好きだよ? いおりちゃんは?」

『……ぜんざいに決まってるやろ。』

「いおりちゃんホントぜんざい好きだね。」

『……甘いもんが好きやねん。』

「女の子らしいね、いろんなところが。」

『おい。それ、どー言う意味や? ちゃんと言わんとあたし分からんで?』

「そりゃ、むne『言う思たわ。いっぺん黙りや、奢ったるから』「「やったー」」」



いおりが言うと、国近の他にも声が2つ聞こえてきた。いや奢るのは柚宇ちゃんだけなんやけど。と振り返ってみると。
見知った顔があったが、他人の様に接する事をいおりは決めた。



『……どちらさんやねん。』

「酷いな〜、学校で一緒に飯食ったじゃん。」

「柚宇さんだけじゃなく俺らにも奢れ♪」

『死んでまえ弾バカ槍バカ。』



国近の後ろにいたのは米屋と出水。いかにも奢れと言ってる様だ。



『誰があんたらなんかに「前昼飯あげたの誰でしたっけ?」ちっ、出水め。まぁしゃーないわ。』



意外にも心も胸も大きいいおり。気前よ三人+自分の分を支払った。

席に着いて四人で昼飯を食べ始める。



『あんたらもうちょっと遠慮とかそーいうん考えや。どんだけ食う気やねん。』

「「育ち盛りな男子高校生ですから」」

「でもいおりちゃんのその量も結構だと思うよ?」

『……黙っとき柚宇ちゃん。』



机の上に出水と米屋は4,5皿の料理を乗せている。国近は手にじゃがバター。いおりと面している机にはぜんざいを始め、甘いものがたくさん乗っていた。



「いやー、いおりが甘いもの好きとは。」

『出水、黙って死んでこい。』

「そーだそーだ、黙って死んでこーい!」

『そーゆー米屋も死んでこい。鬱陶しい。』



いおりの席の隣は国近、前にはバカ二人と結構な割り方なのだが、いおりは嫌悪感を隠しきれずにいた。
そして問答無用で音楽プレーヤーを取り出しイヤホン装着。外界との音をシャットダウンした。



「えー、いおり音楽聞いてんの〜。」

「いおりって結構現代っ子だよな、眼鏡してるし。」

「いおりちゃんこう見えてネット小説家なんだよ? あと自作の音楽も自分のホームーページにうPしてる。」

「そー言えば俺いおりに第二次大規模侵攻ん時『公平』って名前で呼ばれた。」

「へー、私は『柚宇ちゃん』だなぁ」

「俺は米屋としか呼ばれた事ねぇな〜。」



そこでいおりはイヤホンを外した。



『お前ら黙って会話聞いとったら色々言うてくれとるな。』



のち出水と米屋は模擬戦をして惨敗したとか。

35:アポロ◆A.:2015/11/09(月) 22:30 ID:4/o

模擬戦の部屋から出ると、待ち構えていたかのように駿が立っていた。



「いおりん先輩! ランク戦しよーよー!」

『……イヤや、遠慮するわ。』

「えー、なんでー!?」

『やってあたしボーダー入って一週間ちょっとしか経っとらんねんで?』

「その時は俺ががっつりポイント貰うから!」

『……待ちや犬コロ、それあたしに得ないやろ。』

「じゃあブースに入ってやろー!」

『……話聞いとった?』



はぁ、と溜め息をついてずれていた眼鏡を押し上げた。



ーランク戦五本勝負…始め!ー



転送位置に着いて走り出したあたし。駿は意外にも近くに居たらしく一触即発っちゅーやつ? あたし国語とか文系苦手やからよーわからん。

ここは市街地C、結構メンドイ。

駿はいきってるけど、悪いな。あたし怠いんではよ終わらせてもらうわ。

アタッカーで弧月をメインとしているけど、シューターも兼任しているあたしはトマホークをものの数秒で生成し、駿へとぶち投げた。
のち、砂煙に紛れてトリオン供給機関を破壊。

結果、あたしの圧勝だった。


悪いな駿。後輩に負けるわけにはいかんのや!

36:アポロ◆A.:2015/11/10(火) 23:09 ID:4/o



ギムレット、それはアステロイド+アステロイドで作れる合成弾。
あたしにはどうしてもそれがでかくなってしまう。

ほら見ぃや、今日の出水との(無理矢理やらされた)模擬戦で。



『げ……あかん、え、あかんあかんあかん!!』

『ちょ、いおり! そのデカさはこの市街地A吹き飛ぶって!』

『それあたしもお前も死んじゃうやつやん!』

『どーでもいいけどとっととちっさくして投げ』



そこまで言うとあたしの『トリオン量』に耐えきれなくなったキューブが爆発して、フィールドがあたしたちもろとも更地になった。
結果は引き分け。ヤバイ。



『出水……あたしヤバいわ。』

「おー、お前のトリオン量はやば『ギムレットで更地にするん死ぬほど楽しい』楽しいの!? ねぇそれ楽しいの!? っていうか死ぬほどって実際死んでるからな!?」



とかベンチの隣でぎゃいぎゃい騒ぐ出水に「じゃあな。」と声を掛けてあたしは旅立った(おい)

ブース付近の広場を歩いていると、加古さんに出会った。おん、めっちゃ美人や。



『加古さん……お久しぶりっすね。……大規模侵攻以来っすかね?』

「えぇ、久しぶりいおりちゃん。大規模侵攻以来ね。」

『ですよね。』



しばらく『大規模侵攻が』『大規模侵攻で』やら『炒飯が』『炒飯で』やら『ぜんざい炒飯が食べたいっすわ』『良いわねそれ、今度作りましょ』と会話をしていた。

すると。加古さんの後ろから駿と同い年ぐらいの目付きの鋭い美少女が加古さんに声をかけた。



「……加古さん。」

「あら、双葉。珍しいわね、ここに来るなんて。」

「今日は訓練ではなく見学に来ました。」



と会話してはる二人。加古さんいわく、加古さんの隊『加古隊』のアタッカーで、名前は<黒江双葉>。中学二年生で駿の幼馴染みやとか。可愛い。



「あ、こんにちは……。」

『うん、こんにちは、あたしは「霧氷伊織さんですよね」知ってたんか。』



……なんやろ、睨まれて怖い。可愛いけど目付き怖い。怖いで黒江ちゃん。え、なんやあたし嫌われてるん? なんやしたかいな? あ。加古さんと喋ってたからか? なんかめっちゃショック。



「あ、私ちょっと東さんに用事があったから、じゃあねいおりちゃん、双葉。」



加古さんは美人らしく颯爽と去っていきはりました。やっぱり美人は去り際も綺麗やわ。
っていうか気まずいっちゅーねん。嫌われてるかもしれない可愛い子と二人とか。



『黒江ちゃん、加古さんの隊のアタッカーなんやてな? スゴいな、まだ中学二年生やのに。』



あたしなんて高校二年生やで。とぎこちなく笑いかけた。くっそ、こんなときだけ笑うんが苦手なのを恨むわ。黒江ちゃんはあたしを見て、「そんなことないです」と律儀に返してくれた。ええ子や、この子むっちゃええ子や。



「……だって6日でA級に上がったんですよね。そんなに最速でA級に上がったの……霧氷先輩だけだと思います。」



表情を変えずに淡々と話していく黒江ちゃん。フォローなんかな?
しばらく沈黙が続いて、黒江ちゃんが沈黙を破いた。



「……私、“いおり”先輩のアタッカーでの戦い方、好きです。」



そう告げて行ってしまった。……良かった、んかな?




その頃、黒江双葉。待っていた加古望と合流。



「結構なぶっきらぼうだったわね、双葉。」

「……。」

「せっかく二人にしてあげたのに。」

「すいません。」



今になって言うことなのだが、黒江といおりを二人にしたのは加古が意図的にやったことなのだ。



「尊敬してるんでしょ? 憧れてるって事はちゃんと伝えたの?」

「……一応……。」

「ちゃんと伝えないとあのこ結構鈍感だから気がついてないかもしれないわよ?」

「……!? ……はい。ありがとうございました。」



黒江はいおりを嫌っているわけでは無かったのだ。

37:アポロ◆A.:2015/11/12(木) 23:50 ID:4/o

三輪side




『三ー輪ー。三輪、三輪、みーわぁぁあっ。』

「……。」

『三輪〜、三輪〜みわー、秀次〜。』

「名前を呼ぶな。」

『しゅーじぃー。』

「……なんなんだ一体。」

『太刀川のおっさんがしつこいんすわ。』

「知らん。」

『秀次冷たいわー。』

「鬱陶しい。」

『三輪ー。』



……霧氷は一体なんなんだ。

後ろから飛び付いてきたと思えば動く気配が無い。重い。無駄な脂肪が背中に当たって気持ちが悪い。



「離れろ鬱陶しい。気持ち悪い。」

『助けてや〜、太刀川のおっさん嫌いやねん。やから模擬戦しょーやー。』

「俺は今からミーティングがある。邪魔をするならとっとと失せろ。」

『三輪ー、ホンマ頼むってー。太刀川のおっさんしつこい〜。』

「陽介のところにいけば良いだろうが。」

『米屋陽介君は延々とやり続けたがるからいやや。』

「じゃあ出水でもいいだろ。」

『出水のあのやらしい笑い方嫌いやねん。』

「嵐山さんのところにでも」

『三輪がええねんってばー。』

「鬱陶しい。」

『三輪ー。頼むわ〜一回だけ〜。』

「……一回だけだぞ。」

『秀次やっさしー。』

「俺の鉛弾(レッドバレット)で動きを止めて千切りにしてやる。」

『その前にあたしが弧月ブン投げるわ。』

「武器を投げるとか言うやつ俺ははじめて見たぞ。」

『おん、あたしもはじめてゆーた。』

「とっととブースに入れ、離れろ。」

『うぃーす。』



……霧氷と言う女は一体なんなんだ。気持ちが悪い。

38:アポロ◆A.:2015/11/13(金) 00:04 ID:4/o

霧氷side



「頭ー沸騰させちゃー上手くー事ははーこばなーい♪」

『……。』

「いつもーのぼせーてくるほーどに気持ちをー冷まっせー♪」

『……。』

「ちゅーと半端な勝利は邪魔だっ! 甘ったるいしょおさんに、うかれていたくないーならっドゥナッディキャナン♪」

『……。』

「たーかぶる想いをーなーだめーるよーおにー、ふーかくいっきー吐ーきー、目を閉じぃろぉー♪」

『黙れ音痴弾バカでみず。』

「えー? 上手くね? 冷静と白熱。あと『出水』の読み方は『でみず』じゃなくて『いずみ』な。」

『白石君、もとい細谷さんはもっと上手いわ音痴。これ付けて聴け。』

「片耳のイヤホン? もう片方は?」

『アホ言え、あたしかて冷静と白熱聞きたいっちゅーはなしや。』

「さんきゅー。」








しばらく冷静と白熱を聞き返し、出水が口を開いた。



「……なんか、俺今考えてみたらすっげぇ下手だった気がする。」

『気ぃするちゃうねん、そうやねん。』

「フォローを入れろよ。」

『いややめんどくさい。』

「うわひでー。」

『残念やったなでみず。あたしは人の苦痛に歪んだ顔を見るんが大好きやねん。』

「趣味わりー。」

『どうとでも言いんしゃい。』

「うわじじくせー。」

『仁王君の喋り方を愚弄するんか。そー言うことは仁王君の魅力を知ったあとに言え。』

「へいへい、わるーござんした。」

『うわ、きも。』

「ちょっと。それおかしくねぇ?」

『おかしないねん、可笑しいねん。バカ公平。』

「なんで名前呼びなの? ねぇなんで名前呼びなの? 気分なの? 虐めたいの?」

『強いて言えばイジりたい。』

「コイツドSだ。」



イヤホンを片耳ずつに二人とも付けて、隣同士の椅子に座り、肩をくっつけてぎゃあぎゃあと騒ぐ二人を見て米屋は思う。

お前らはどこぞのバカップルか。

39:アポロ◆A.:2015/11/13(金) 23:21 ID:4/o



「あっ……!」

『おん……?』



ばったり。まさにばったりと曲がり角で出会いました。
木虎ちゃんと。



「い、いいいい、いおりさんっ! こ、こんにちはっ!」



ぎこちなく笑う木虎ちゃんに笑みが溢れた。『おん、こんちわ』と返せばほっとしたように笑う木虎ちゃん。可愛い。



『木虎ちゃん今から用事か?』

「それもあります、テレビの取材らしくて。」

『ほーかほーか。まぁ頑張りや、あたし見とるからな。』



そう言って去ろうとしたとき、木虎ちゃんに腕を掴まれた。なん?



「すいません、いおりさん……探してたんです。嵐山さんが『呼んできてくれ』とのことで。」

『げ、嵐山さんが……。』

「すいません、ついてきてもらえますか?」

『……エエよ、嵐山さんの頼みなら断るわけにもいかへんしな。』



そう言えば木虎ちゃんはホッとしたように笑った。




木虎ちゃんに連れられてやって来た広場。
そこには嵐山隊の面々が。



「いおり! 来てくれたんだな!」

『木虎ちゃんに言われたら断るわけにもいかへんやろアホ。』

「はははっ! お前は高校生のくせに俺より身長が1cm高いな!」

『……話聞いてはりますか……?』

「あぁ、お前を呼んだのは他でもない、今日は一緒に広報の仕事をしてもらおうと思ってな。」

『……いや、あんたホンマに話聞いてました?』

「じゃあ頼んだぞ!」

『待てやコラ嵐山。』



頭をがしっと掴んで駆けていこうとした嵐山さんを捕まえた。いや、嵐山さんとは身長の差は1cmやけど。あたしの方が高いねんけど。女子高校生のくせに。(←180cm・嵐山179cm)


半ば無理矢理押し付けられた広報のゲスト。

あたしやれるやろか。友達にも「あんたクールすぎなのよ〜」と言われるこの無愛想なあたしが。

まぁ、木虎ちゃんに免じて頑張ってはみるけどや。

40:アポロ◆A.:2015/11/13(金) 23:33 ID:4/o


始まったテレビ。言えば生放送らしい。めんど……。



『嵐山隊に直撃インタビュー!』



どうやらこれは特番らしくて、嵐山隊特集やとか。



「嵐山さん、嵐山隊は普段どのようなお仕事を?」

「そうですね、ネイバー駆除や広報ですかね。」

「そーですかー!」



とか言って、しばらく経った間にあたしにメディアの目が来てしまった。



「はじめてお目にかかるのですがあなたは!?」

『え……あ。ボーダー最速6日でA級に上がった霧氷いおり言います。よろしゅー。』



適当に手を振ってみれば、観覧に来ていたギャラリー(主に女子)が騒いだ。かっこいー! だの美人ー! だの胸がおっきいー! だの関西弁ー! だの。
あたしのこれは神戸弁やアホ。



「霧氷さんは身長がお高いですね! 大学生ですか?」

『あー……そー見えますか。あたし今17歳で高2なんすわ。身長が180cmもあるお陰でよく間違えられるんです。』

「そーだったんですかー! では、霧氷さんはやはり嵐山隊で?」

『それもハズレ。今日は嵐山さんに(無理矢理)ゲストとして呼ばれたんです。
あたしはどこの隊にも所属はしてないんで。』

「ほー。なるほどー。

さて皆様! この霧氷いおりさんに興味が湧いたと思いますが、残念ながら御時間がやって来てしまいました!
それではまたいつか! アデュー!」



終わり方がどうかと思うけど、まぁ無事終わったんで良しとしよか。

おん、そーしょー。

41:アポロ◆A.:2015/11/14(土) 00:29 ID:4/o



あれから一週間が経った。あたしは最近太刀川隊の隊室をよく出入りするようになった。

理由は。



『柚宇ゲームしよか。』

「うん!」

『何がエエ? 家にある奴30%ぐらい持ってきたで。』

「ねえ、いおりって一人暮らしだよねぇ?」

『おん。』

「30%なのになんでこんなにいっぱいあるの!? わーい!」

『ほなやろか。』



がちゃがちゃと機材をセットしいざやるで!

しばらく二人でしてたら太刀川のおっさんが入ってきた。



「おーい国近〜、ゲームもほどほどに……って霧氷も居るじゃん。」

『太刀川のおっさん、そこに餅とコロッケあるからそれ食うて大人しいしといてくれます?』

「お前の中の俺はどうなっているんだよ。」

『うーわ太刀川のおっさんホンマ鬱陶しいっすわ。しゃあないから答えたりますけどあたしの中に太刀川慶っちゅー人間は存在しないんで、そこヨロシクたのんますわ。』

「ひでぇ!」



太刀川のおっさんを放置して柚宇とゲームにのめり込む。



『……疲れた。柚宇は疲れへんのかいな。4時間ぶっ通しやで。』

「あたしも流石に疲れちゃった、アイスでも食べにいこー。」

『賛成やわ。』



そうして二人で外に出たんやけど。



「……霧氷。」

『げっ、風間さん……。』

「あー、風間さん、こんにちはー!」



途中で偶然出会った風間さんも連れてカフェへ。

今日はあたしの奢りである。風間さんはいつの間にか姿を消していた。なんなんあの人。



「ねぇねぇいおり、今思ったんだけどさ。」

『どないしなんや?』

「赤のジャージ隊服に木虎ちゃんみたいなベルト一本にミニスカートってなんか良いね、かっこいい。」

『ほか? あたしはこれが一番動きやすい。』

「うん、結構エロいかも〜。しかもニーハイソックスはやばいね。太もも出ててすごくえっちぃ。」

『こら、女の子がそないなこと言うてエエもんちゃいます。』



アイスを持っていない方の手でぺしっと柚宇の頭をはたいた。いたーいと頭をさする柚宇だが顔は笑っている。
それにあたしは困ったように笑った。



「そーいえばさぁ〜、いおりって隊に入んないの?」

『気が向いたらっちゅーはなしや。』

「おおかっこいい。」

『あたしはかっこよさなんて求めとらん。』

「ごめんごめん。ならさ、いおり、うちの隊に入ったらどう?」

『え、なんでや……?』

「ほら、隊ってさ、オペレーター入れて最低4人、最高5人でしょ? うちのところ1枠空いてるの。」

『……女子って柚宇一人なんか?』

「うん」

『入るわ。男3人の中に柚宇一人おいとかれへん。』

「やったー!」



こうしてあたしは太刀川隊へと入ったのでした。

42:アポロ◆A.:2015/11/14(土) 18:01 ID:4/o




『っちゅー訳で、今日から太刀川隊配属んなりました……。』

「いぇーいっ!」

「待て。」

『ならあたし嵐山さん呼ばれとるから、またな。』

「おい、待てって。」

「おい霧氷!」

『なんやねん。』



ここは太刀川隊隊室。そこには唖然の太刀川と出水(唯我不在)、嬉しいと言わんばかりの顔の国近、面倒そうないおりが居た。
急遽(国近に誘われ)太刀川隊に入ったいおり。
そんないおりを訳がわからんとしている太刀川と出水。



「え、お前……太刀川隊入んの?」

『実際にはもう入っとるで。忍田さんにゆうたら目ぇ輝かせて「良いぞ!」ゆーてくれたからな。』

「「もう本部公認!?」」

『うわっ、きしょっ。唾飛ばすなおっさんとちび。』

「ひでぇ! 太刀川さんがおっさんなのはわかっけど俺がちびってのが気に入らねぇ!」

「霧氷も出水も酷い!」

『お前あたしより身長低いやんけ。』

「なっ! バカ言え! 俺まだ成長期終わってねーもん!」

『ならあたしも終わってへんけどな。はん。』



鼻で笑った霧氷にぶち切れ掛けた出水。無理矢理にでも模擬戦を申し込んでやろう、と背を向けた彼女の首に手を伸ばした時だった。
いおりの視界に三輪が映った。三輪の視界にもいおりが映った。
途端に(逃げるように)駆け出す三輪。途端に(追い掛けるように)駆け出すいおり。
いおりの足の速さはどこかのテニス漫画の『浪速のスピードスター』と同格かそれ以上なので三輪はあっさり飛び付かれた。

その光景に唖然の出水、太刀川。興味ありげに笑う国近。偶然通り掛かった米屋はによによと笑う。



『みーわー、三輪ー、おーい三輪ー。
なんで逃げんねん秀次ー。』

「離せ! 俺はお前に構う暇など無い!」

『あたしはある。』

「俺は無い!」

『てめぇに拒否権はねぇんだよ、あーん。』

「……誰の真似だそれは。離れろ鬱陶しい。」

『テニプリの跡部君や。なぁ出水、似てた?』



いきなり話題を振られた出水。いきなり過ぎてどもる出水を笑う米屋。出水が米屋を後で蜂の巣にしようと考えたのは余談である。
とりあえず、いおりの跡部君は似てたと言うよりそっくりだった。



「あー……そっくり。」

『せやろ。』

「どうでも良いが俺から離れろ気持ち悪い。」

『げ……。』



三輪がそういった時だった。いおりは瞬時に顔を蒼白くした。それは三輪が言った言葉ではなく、三輪の先に居た人物を見て、だ。



『風間さんやん……。』



いおりは三輪の首に伸ばした腕の力を強めた。「うぐっ」と苦しさで顔をしかめる。
ポケットに手を突っ込んで無表情でいおりに向かって歩いていく風間。いおりは三輪を風間との間に挟んだ。



「“いおり”、嵐山が『いおりが来ないー!』と騒いでいたぞ。早く行ってやれ。」

『……うぃーす。』



そしていおりの脇を通り抜けようとしたとき、風間はいおりの腕を引っ張った。
もちろん体重はその引っ張られた法に乗るわけで、風間の方に重心が行く。
そして小さくちゅとリップ音が鳴った。いおりはすぐに怪訝な顔をして風間を見る。
そのリップ音は小さかったとしても、静まっていたその太刀川隊隊室前廊下に響くには充分だった。
唖然呆然の隊員達。してやったりな風間の顔。


「じゃあな。」



そして風間さんは颯爽と行ってしまった。←
いおりは泣くでもなく頬を赤く染めるでもなく、頭に疑問符を浮かべていた。



『何がしたかったんや、あの人。』



この程度の事でみんななんで固まっとるん? そう告げたいおりに三輪はブチ切れた。

43:アポロ◆A.:2015/11/14(土) 18:17 ID:4/o



三輪の鉛弾(レッドバレット)をひょうひょうと避けるいおり。それを遠巻きに見てる先程のメンバー。いろんな面でちゃんとしている三輪が先程のいおりの発言にキレるのも無理はなかった。



『三輪〜、おもんない。』

「死ねええええええ!」

『わー、くくくっ。』



いおりが笑うのを見て出水が呟いた。「あいつ笑ったぞ。俺あいつが笑ったとこはじめて見た。」それに「俺も」と同意する米屋。

同級生男子からいおりはどう思われているんだ。

44:アポロ◆A.:2015/11/15(日) 16:34 ID:4/o


三輪を上手いことよけて嵐山のところに行き着いたいおり。



『あ、佐鳥。』

「あり、いおりさんじゃん。どーしたんですか?」

『嵐山さんに呼ばれてん。』

「そうですか〜、嵐山さんならまだなんで、俺と一緒にお茶でm「いおりさん! 私に剣術を少し教えていただけますか!?」ちょ、木虎!? 遮んないでy『おん、エエで。木虎ちゃん飲み込み速いからな。』いおりさぁ〜ん。」



しばらく木虎に剣術を教えていると、嵐山が来た。


『嵐山さん、来たで。』

「おういおり! 今日もよろしくな!」

『帰らせていただきます。』



やはり広報目的だった嵐山。背を向けて帰ろうとしたいおりを引き留めて生放送に出演させたとかさせてないとか。

45:アポロ◆A.:2015/11/16(月) 22:54 ID:4/o




『くぁ……。』



あたしはひとつあくびを空へと放った。ただいま3時間目の古文の途中。ホンマ眠い、なんやこれは。


うつらうつらしていると、「…が起こったのはいつだ!? 霧氷! 答えてみろ!」と古文の安東に当てられた。死ね。



『えー、あ〜。』



そしてあくびをして立ち上がりそんな声を出す。



「さんびゃk『396年やろ……。』



なんや声が聞こえたけど気にしない。あくびをして目を開ける前に告げた。安東は「よし、霧氷正解」と声をあげる。周囲からは歓声が沸き上がり、隣の出水はなぜか後ろの席の米屋に肩を叩かれとった。何があったんや出水、あからさまに落ち込んどるやんけ。



休み時間、出水に理由を聞いてみた。



『出水、お前気ぃ落ちとるやん、何があってん。』

「……なんもねぇよ。」

「出水がさ〜、さっきいおり、お前当てられたじゃん? そんとき出水が答えを教えようとしたのにお前が先に答えちゃったから拗ねてるの。」

『ほぉ〜ぅ。』

「死ね米屋、いおり。」



出水の顔は赤くなってたとかなってなかったとか。

46:アポロ◆A.:2015/11/18(水) 19:51 ID:4/o

ヒロインイラストです!

https://ha10.net/up/data/img/4672.jpg

47:アポロ◆A.:2015/11/18(水) 19:54 ID:4/o

もっぺんトライ!

https://ha10.net/up/data/img/4672.jpg

48:アポロ◆A.:2015/11/18(水) 21:00 ID:4/o








『駿〜、あ……なんや居らへんのか。』



草壁隊の隊室を覗いたいおりは緑川が居ないのを確認すると、草壁隊隊室から離れていった。

ランク戦でもしたかったのだろうか。


「あ、いおり。」

『おん、なんや出水か。』



曲がり角にて鉢合わせしたのは出水公平だった。



「なぁいおりー。」

『……なんや?』

「お前ってもう太刀川隊の隊員なんだよな?」

『おん。』



廊下を二人で歩きながら会話する二人。生憎周囲には人が居らず、出水といおりの声はよく通っていた。



「なーいおりー。」

『なんや。』

「えーと、あー、うん……。」

『……なんやねん。』

「あー、うん。えぇ……あのさ。」

『やからなんやねんっちゅー話や。』

「俺さ〜。」

『おん?』

「お前の事好き。」

『おん。likeやろ?』

「おまっ、無駄に発音良いしちげぇし!」

『せやったらなんや?』

「(気付かねぇのかよ)loveの方。」

『お……ん!? ……え、あ。おん。分かった。





で?』

「ひでぇ!(わかってて言ってやがる)だから〜……そのー、付き合ってほしいっつーか。」

『ごめん。
……悪いな。あたしお前ん事よぉしらんから。』

「あー、そっか。」



案外スルッと引き下がるんやな。とか考えていたいおりは馬鹿だ。出水の次の言葉に対応出来なかったのだから。
そのわりには軽い感じの告白だった様な気もするが。



「でも諦めねーからな。」

『?……りぴーとあふたみー?』

「うっわすげぇ発音下手! っていうか諦めねーから、俺。」

『えー……。』

「お前が渋っても俺は一緒に居たいの!!! OK!?」

『え!? あ、……OK……?』

「よし。」



多少強引に話を進められた気がするのは気のせいだろうか。



「じゃあこれからは結構アタックしていくから、覚悟してろよ。」

『それを華麗に避けるあたしカッコいいわ。』

「崩す気満々だなてめぇ。」

『当たり前やろ、面倒臭いったら無いっちゅーねん。恋愛なんて。』

「じゃあ俺は恋愛を面倒臭いなんて言えねー様にしてやる。」

『ファイトぉ……。』

「よし!」

『じゃあやるで。レディ……ファイっ!!』

「え、え、えええええ!? ぐあっ!! ギブギブギブ!!」



ギリギリギリ、と後ろに回って腕で首を絞めたいおり。腕をぺしぺしと叩く出水。


その光景を見掛けた迅は微笑ましく見ていたとか。

49:アポロ◆A.:2015/11/18(水) 23:34 ID:4/o



米屋は見てしまった。出水の告白現場を。

彼は『やべぇこれおもしれぇ』とか隣の三輪の肩をばしばし叩く。
三輪は「霧氷があしらっているようににも見えるがな」と行ってしまった。

素直じゃないんだからー! とか米屋がくねくねしながら呟いていたのをいおりは見た。



『米屋陽介……てめぇなにしてるんやきしょい。ほんまきしょいっすわー。』

「敬語やめて!」

「え、なに。そこに槍バカ居んの?」



この時面倒だなぁとか米屋が思ったのは余談である。

50:アポロ◆A.:2015/11/18(水) 23:43 ID:4/o

後日、出水はいおりを本部にて探していた。もちろん宣言通り熱烈アタックをするために。
恐らく貶されさげすまれそうだが何も言うまいと経験者米屋は隣で嘆く。



「あ、いおりめっけ。」

「いおりいいいいいいいい!」



どたどたどたと勢い良く駆けていく出水に米屋はけらけらと笑う。だが次の瞬間笑顔は消え去った。



「いおんぐっ!」



出水が飛び付こうとしたまさにその時、いおりは素早く出水の頬に手を添えて唇を奪った。

しばらくリップ音が廊下に響く。のち、立っていられなくなった出水が腰砕けになれば、『♪』と鼻唄混じりに行ってしまった。



「一体なんだったんだ……おい、大丈夫か弾バ……うわ!」

「……。」



座り込んだ米屋が出水の顔を覗けばそこには頬の緩みきった出水の顔が。この瞬間米屋はドン引いた。



いおりが次に向かったのはまた先程とは別の廊下。
そこには運悪く風間が居た。

普段の彼女ならうおおおお! と逃げ出すだろうが、今回はまさかとばかりに笑顔で近寄る。



「いおりか……?」

『かっざーま、さんっ。』

「!?」



ぐいっと強引に顎を持ち上げられ、触れるだけのキス。離した後はすぐいおりは歩いていってしまった。風間は唖然、追いかけるしもしなかったと言う。

51:アポロ◆A.:2015/11/19(木) 18:32 ID:4/o


珍しく本部に居た烏丸を見付けたいおりは烏丸に駆け寄る。



『きょすけー。』

「あぁ、いおりか、どうし……うおっと危ない。」



烏丸がいおりのキスを避けた。そして頭を拳骨でぽかっと殴る。
すればどさっと倒れたいおり。駆け付けた出水や米屋、風間は何があった! と慌てる。



「あぁ、安心してください先輩達。いおりって熱出すとキス魔になるんで気を付けて。」



よいしょ、と肩にいおりを抱えて医務室へと連れていく烏丸。
三人は熱か、と納得していた。


しばらく歩けば烏丸は木虎に出会った。



「あ、烏丸先輩っ! こんにちは。いおりさんもっ……っていうか、どうしたんですか?」

「いおりが熱を出してな。気を付けろよ、コイツ熱出すとキス魔になるから。」

「き、キス魔!? ところで、なんで烏丸先輩がそんなことを知っているんですか……?」

「いおりと俺、第一次大規模侵攻が起こる前、家が隣同士の幼馴染みなんだ。」

「そうなんですか……あ、もう時間だわ。それじゃあ烏丸先輩、いおりさんに御大事にと伝えておいてください!」

「おう。」



たたた、と駆けていく木虎。烏丸はそれを最後まで見送らず、急いで医務室に向かっていおりを寝かせ、起きたときには説教をしたとか。

翌日、風間と出水に全力で謝ったいおりでした。

52:アポロ◆A.:2015/11/23(月) 04:29 ID:4/o

「ふぁぁあ……ねみぃだりぃ。意味わかんねぇ。」

『あたしの方が意味分からんわ出水公平。』



ただいま太刀川隊隊室内仮眠室ベッド。

昨晩夜遅くまでネット小説を投稿していて帰るのが遅くなったのでいおりは仮眠室を借りたのだが。

朝起きたら隣に上半身裸の出水が豪快な鼾を掻いて寝ていた。どういうことだ。



『……え、ちょ……出水公平、流石の俺様何様いおり様でも引く。』

「んあ?」



いおりはドン引き顔で出水を指差した。出水は自分を見るなりいおりの顔を見るなりしたあとに。



「うおおおおおおおおお!?」



声をあげた。

パンイチとかありえへんとかぼやくいおり。いおりの身なりだって相当だ。昨日の服のままなのだから。まずなぜ5つある仮眠ベッドをどうやって間違えれば一緒に寝ることになるのだ。確率は五分の一だぞ。



『とりあえず露出魔、お前とっとと服着ろ。』

「言われなくても! ……あれ? おいおいおい……嘘だろ……!?」

『なんやねん。』

「服がねぇ。」

『今のあんたの姿、柚宇ちゃんが見たら絶対勘違いするわな。』

「おう。」



とりあえず出水を突き落としていおりは寝た。

53:アポロ◆A.:2015/11/26(木) 23:59 ID:eG2

時間軸気にしないで下さい。



学校にて。春、新しい学年です。

高校三年生になったいおり達は三輪、出水、米屋と校門をくぐった。



『いやー、三輪見っけて良かったわ。コイツらじゃ心元ないっちゅーねん。』

「俺は全く良くない。」

「良いじゃん秀次〜、いおりのお気に入りだろ? お前。」

「俺は全く嬉しく無い。」

「まずそんなの俺が許さねぇ。」

『出水、あたしがお前にわざわざ許可取らんとあかんねん。』

「俺は良いの。」

『「「良くない。」」』

「三輪もかよ!」



ぎゃいぎゃいと騒がしくクラス表を見れば、2組にいおりと米屋。3組に三輪と出水だった。



「嘘だろ……!? いおりと離れた!?」

『米屋よろしく〜。もうめんどいから陽介でエエやんな?』

「おーよ。お好きに。」

「また今年もバカか……。」

『安心しぃ三輪。あたしが毎回顔出しにいったるわ。』

「バカが増えるだけだ……。」

「「「ひでぇ!」」」

54:ブラッディーヴィーナス:2015/11/27(金) 21:23 ID:ia.

ふぉぉぉぉぉぉ!!!!! 
ヤバイヤバイ!mjで萌えだ!
いおりちゃん、が、き、キス魔に......
(´Д`〃)こーゆーのすごくおいしい!
ごちそうさまでーーす!!!!

55:ヴラッディーヴィーナス:2015/11/27(金) 21:25 ID:ia.

あ、毎週金曜日にはこれる事があるとおもうから、よろだよ!


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