オリキャラ紹介と言っても名前だけ・・・
死神屋皐月(男・兄)
死神屋皆月(女・妹)
貴方と恋、始めました登場人物
死神屋皐月(女体化して女の子)
エイリア学園プロミネンスとダイヤモンドダストのマネージャー。
エイリアネームは二チームの中では違う。
笑顔をあまり見せないが、とっても優しい。
バーンを好きになって行く。
特徴・容姿
・エイリアネーム
プロミネンスの時、コロナ
ダイヤモンドダストの時、スノー。
・髪の毛の色は黄緑色に少し水色と赤色のが混ざっていて、腰までロングヘア。
・美人さんでウルビダと互角の胸の大きさ。
・元のチームはムーンアース(ムーンアースの場合は、アース)
バーン(本名 南雲晴矢)
プロミネンスのキャプテン。
好戦的で短気な性格。
コロナを最初は気に入っていなかったが、過ごして行く内に好きになって行く。
ガゼル(本名 涼野風介)
ダイヤモンドダストのキャプテン。
バーンとは正反対で冷静な性格でバーンとは犬猿の仲←皐月曰く
スノーの事を密かに好意を抱いている。
コスモス(本名 死神屋皆月)
ムーンアースのキャプテン。
姉のアースを誰よりも大切に思っているせいか、姉に悪戯すると烈火の如くキレる。
ガゼルとアースとバーンの恋の相談相手でもある。
グラン(本名 基山ヒロト)
ジェネシス(ガイア)のキャプテン。
何処か考えが読めないく、吉良の息子だったヒロトと瓜二つ。
本人はその事を気にしていて、皐月にだけ心を開いている。
後は・・・原作通りです、多分。
貴方と恋、始めました第1話笑わない彼女と恋、始めました(バーン視点)
俺はガゼル以上にムカつく奴がいる、そいつは俺達とガゼル達のマネージャーをしている。
そいつの名前はチームによっては違って、正直イラッて来る。
「コロナ〜!」
「あ、レアン」
俺達プロミネンスの場合はコロナって言われてる。
あんまし笑わねぇけど、レアンをはじめ俺のチームメイトは皆コロナと話す事も多い。
彼奴の本当のエイリアネームはアース、コスモスが率いるムーンアースの副キャプテンだ。
「またコロナと話さないの?バーン」
俺の幼馴染のヒートもコロナとよく話す一人だ。
「彼奴と話して何がいいんだよ?」
「最初は俺もそう思ったけど、案外良い子だよ?」
「それが嫌なんだよ!」
俺がそう言うと、ヒートはふぅ〜と小さな溜息を吐きながら肩を竦めた。
ほんと・・・何処がいいんだよ彼奴の・・・。
だけど、それが嘘の様に思えたのが今日の夜だった。
今日は午前練して昼寝しちまったせいか、眠くなかった。
(散歩するか・・・)
そう思い、ベッドから起き上がりジャージを羽織って自分の部屋を出た。
あぁ〜・・・さみぃ。
そう思うのだが、俺の足は屋上に向かう。
眠れない時は、俺はよく屋上に行く事が多い。
「やっぱさみぃ〜!「〜♪」ん?」
屋上が近くなって行くと、微かだが歌が聞こえた。
何だ?誰か歌ってんのか?俺はそう思って、屋上のドアをそっと開けて見ると、ジャージを着ているコロナが居た。
何してんだ?と思っていると、鳥の鳴き声も聞こえ、柵の方に目を向けると小鳥が何羽かコロナの近くに居た。
「・・・どうしたの?あ、バーン様」
「(こいつにバーン様って言われると、鳥肌が・・・)よお」
俺は鳥肌になった腕を擦りながら、コロナの方に近づいて行った。
月を見上げれば満月、少し雲が掛かっていた。
「何してんだ?」
「眠れないから・・・屋上で歌っていました」
「屋上つっても屋上に入れんのはキャプテンだけだぞ?」
「父さんに許可を貰っては時々・・・」
あぁ、その手があったか。
一人納得してしまう俺に恥ずかしさが込み上げる。
「それにしても、バーン様はどうして?」
「俺もたまたま眠れなかっただけだ」
「そうですか、バーン様って太陽ですね」
「はあ?」
「レアンがそう言ってました、慕われているんですね」
そりゃまあなと口にせず心の中だけで呟いた。
コロナの隣に行って、横顔をチラッと見た。
それと同時に月明かりはコロナの元に行く。
「!!」
「?どうしました」
「な・・・なんでもねぇよ!早く寝ろよ!」
やべ・・・胸がドキドキする。
月明かりに照らされたコロナの横顔はなんて言うか・・・神秘的だ。
美人だって事は分かってたが、あんな美人だなんて思わなかった・・・。
それ以来、少しだけコロナと喋って見ようと思った。
「なあ、コロナ」
「はい?」
いつもの様に練習の休憩中、コロナと喋って見た。
チームの皆にはすっげー珍しい目で見られた。
「その・・・屋上で何やってたんだ?」
「え?あぁ、眠れない時はよく歌ってるんです。部屋じゃコスモスが寝てますから」
後、こいつは同じマスターランクのムーンアースのキャプテンを務めているコスモスの姉だ。
と言うか、今日の俺はおかしいのかコロナの笑顔とか見たら胸がドキドキする。
だけど、これが恋なのだと気付くのはそう遠くないのだ。
続く
貴方と恋、始めました第2話ライバル、出来ました〜ガゼル目線〜
私は今、密かに好意を抱いている女が居る。
クララやリオーネやアイシーじゃない、私達とバーン達の前ージャーをやっている子だ。
こっちではスノーと呼んでいる。
この好意に気が付いたのは、私達ダイヤモンドダストの敵と呼べばいいムーンアースのキャプテンであるコスモスの一言だ。
「それ・・・恋じゃないの?」
コスモスは彼氏はいませんと言う風に接しているが、コスモスにはちゃんとした彼氏がいる。
それはグラン・・・ヒロトと付き合っている。
二人はお互い敵としてやっているが、周りじゃもう気付いているし、一度私はあいつらがキスしている所も見た事ある。
そのせいかコスモスは皮肉にも私の恋の先輩だ。
そして、今日も相談中だ。
「相変わらず、よく来るわね〜」
「君にしか頼れないから来ているんだ」
「グランも居るじゃん」
「グランに言えば、からかわれるのが目に見えているからだ。」
私がそう言うと、コスモスは苦笑しながら納得と言った。
「そ〜んなに気になるなら、告白しちゃえば?」
「無理だからこうやって来てるんだろ?」
「誰かに取られても知らないよ、姉さまは案外モテるから。まあ、姉さまは無自覚だけどね」
それはそれで言い返せない。
コスモスは痛い所を言うのが得意で、私とバーンの喧嘩も居たい所を衝かれ喧嘩も治まる事もある。
私がスノーを好きになった理由は、3年前の事だった、スノーはその時はまだ私達のマネージャーでもなかったし、バーン達のマネージャーではなく、ただの敵だった。
〜3年前〜
「ふぅ〜・・・、今日の書類の整理も終わったし、父さんに出しに行くか」
私はそう言い、自室を出て父さんの部屋に向かった。
スノーはその時、アースと言うエイリアネームでムーンアースと過ごしていた。
アースとはお日さま園でよく遊んでいたがエイリア学園に入ってから会話の数が減って行った。
そんな時だった、私は前を見ていなかったせいか誰かとぶつかってしまい、書類は舞い上がり、私とぶつかった相手は転んでしまった。
「いてて・・・ごめんなさい」
「私もすまなかった・・・!」
私は立ち上がって相手の顔を見ると、アースだった。
だけど、いつものロングヘアはポニテールをしていて、美人の癖に更に美人になった。
一瞬だけ息が詰まりそうになって、見惚れてしまっていた。
「あ、ガゼル様。ごめんなさい」
「!いや、私こそすまなかったな。余所見をしていた」
「いえ、では失礼しますね」
その日からアースの事が気になりだした。
そして、アースがマネージャーになると言う話を聞くのは恋をした数日後だった。
〜回想終了〜
「そう言えば、ヒートとネッパーからさっき来たんだよね〜」
「何でだ?」
「それがさ、こいつら恋でもしたのかと思ったんだけど、よくよく考えればあの二人付き合ってたってね」
「それはいい」
こいつは何処から情報を貰っているんだ。
あ、女子からかと妙に納得した。
コスモスの話は未だに続いていた。
「で、どうしたのか聞くとさ、最近バーンの様子がおかしいんだって」
「バーンはいつもおかしいだろ?」
「それ、プロミネンスの皆に言えば殺されるよ?まあ、いいや。バーンってほら、姉さまがマネージャーになった事嫌がってたでしょ?」
そう言えば、そうだ。
その話を聞いた時、真っ先に反対したのはバーンだ。
理由を聞けば、気に食わないと言う、まあくだらない理由だった。
「そのバーンが最近姉さまと話してるんだって、どうしたのかしら?」
「さあな」
「まさか、恋でもしちゃったのかな?」
その言葉にピクッと耳が反応する。
あのバーンがスノーに恋?そうだとすれば、恋愛面でもライバルとなる。
その考えがコスモスは察したのか、悪戯の笑みを浮かべてこう言った。
「早く告白しないと、バーンに取られちゃうわよ?」
「!」
その日から、私はバーンをジェネシスの座としても恋愛面でも“敵”と見なした。
続く
貴方と恋、始めました第3話嫉妬、しました〜レアン視点〜
「最近、バーン様よくコロナと話してるね〜」
「そうね」
バーラとボニトナの声に私はチラッと後ろを見た。
私の目線の先には楽しそうに会話をしているバーン様とコロナが居た。
コロナは美人だし話も面白い、コロナとよく喋っている私だから分かる事。
「どうしたの?レアン」
「え!」
「私達が話してるのに、貴方、ボーっと二人の事見てたのよ?」
ボニトナに言われ、私は二人に謝った。
私はバーン様が好きだ、そのせいかその気持ちを隠す為いつもバーン様と口喧嘩する事もある。
コロナはあまり誰とも口喧嘩しないし、あんまり笑わないけど、敵の私達でも優しく接してくれている。
モテるのも何となく分かる。
「レアン、様子おかしいよ?」
「え!?そう?」
「えぇ、目に涙溜まってるし・・・」
ボニトナに言われ、私は目元を拭いた。
確かに生暖かい水滴が手に付いていた。
あぁ、バカみたいと自嘲してしまう。
「あはは、目にゴミが入っただけだよ!」
「そう?急に泣くからびっくりした」
私は精一杯誤魔化した。
バーラは安堵の溜息を出して、すぐにボンバの所に行ってしまった。
バーラとボンバはDF同士で仲もいい、今も楽しそうに話している。
すると、バーン様の声が専用のグラウンドに響き渡る。
「おっしゃ!お前ら〜、練習の続きだ!」
「「「「はい!!!!」」」」
私も皆と同じように返事して、グラウンドに走る。
コロナを見ると、今度はダイヤモンドダストの所に行くのか急いでいた。
少しだけ安心したのは何でだろう?友達なのに・・・。
〜ダイヤモンドダスト専用のグラウンド(クララ視点)〜
前半の練習が終わり、私達はベンチでガゼル様のアドバイスを受けていると、いつもの様にスノーがやって来た。
ガゼル様を見ると冷たそうな表情をしながら遅いと注意をしていたが、言葉が嬉しそうだった。
ガゼル様がスノーが好きだって分かったのは、言葉が嬉しそうな事といつもスノーの見る目が恋をしている目だから。
「クララ、はい」
「ありがとう」
私は嫉妬を出さない様にスノーからドリンクを受け取る。
私はガゼル様が好きだ、チームのキャプテンとしてもあるが一人の男の子として好きだ。
だけど、どんなに話し掛けても、ガゼル様の目にはスノーしか映らない。
それが羨ましくて私がスノーだったらと考えてしまう。
「スノー、次の練習の時にデータを取ってほしいんだが・・・」
「分かりました」
スノーが見せる笑顔はとても上品だ。
だから、他の子にも信頼されているのかもしれない。
敵なのにと毒を吐いてしまう事もある。
↑の続き
「クララ、君の番だぞ」
ガゼル様に呼ばれ、私は我に返った。
次を見れば、アイキューが私の事を見ていた。
私は急いでガゼル様に言われたポジションに急ぐ。
どうして、ガゼル様は私の事を見てくれないの?どうして、スノーなの?そう言う考えが頭の中に巡る。
「クララのデータ、書き終わりました」
「あぁ、ありがとう」
私はガゼル様とスノーを見て、胸がチクッとした。
ガゼル様じゃなくてあいつにしとけばいいのにと思った、あいつと言うのはプロミネンスのキャプテンだ。
だけど、あんな奴でも私みたいに恋をしている子がいる。
レアンだ、だから、こんな事望んではいけない。
「スノー、これが終わったら少し話したい事があるんだが」
「いいですよ」
あぁ、今日も悲しい夜が来そうだな・・・。
続く
貴方と恋、始めました第4話恋だと、知りました〜ネッパー視点〜
「よお、コロナ!」
「あ、ネッパー」
今日の練習が終わって、いつもの様にヒートと話していると、前方にコロナが居た。
コロナは俺達プロミネンスとガゼル様のダイヤモンドダストのマネージャーで、ムーンアースの副キャプテンだ。
服を見ると、ムーンアースのユニフォームを着ている所から、今から練習なのだろう。
しんどいだろうな・・・・。
「どうしたの?ヒートも一緒なんだね」
「今から部屋に帰る所なんだ、コロナは練習?」
「うん」
疲れを感じさせない笑顔に驚いてしまう。
コロナは大半の男子に人気で、プロミネンスの一人として居れたら多分一番だ。
まあ、ぶっちゃけ美人だし話すと楽しいからな・・・。
そして、俺の隣に居るヒートもコロナが好きな一人だ。
「しんどくねぇのか?」
「・・・全然」
俺が聞くと、コロナは考え込むような顔をして、全然と言い放った。
いやいや、あんなに動いて全然って・・・。
「あ、練習遅れちゃう!じゃあ、またね」
コロナは急ぎ足で廊下の向こうへと行ってしまった。
そう言えば、コスモス様ってデザームより時間に厳しいんだっけ?一回、バーン様が会議に遅れそうな時に文句を言われたってバーン様が愚痴ってたけど・・・。
「・・・そう言えばさ、ヒートってコロナの事いつから好きなんだよ?」
「え?ん〜〜、お日さま園の頃からかな?」
案外長かった。
「何でだよ?」
「何か・・・ね。ほら、俺よく風邪になったでしょ?コロナがよく看病してきたから、最初は友達として見てたけど、いつの間にかね」
今じゃお前は病弱じゃねぇもんな。
まあ、それでバーン様がすっごい騒いでた事もあったな。
今じゃあんま心配されてねぇけど・・・。
「ネッパーはどうなの?」
「はあ?俺?」
「そうそう」
「何で?」
「だって、いつもコロナと話してる時、すっごい喜んでるよ?気づかなかったの!?」
酷く驚かれた。
そこまで驚かなくてもいいじゃねぇか。
と言っても、確かにコロナと話していたら、自然に笑顔がこぼれてる時もある。
話が合うからと言う事もあるかもしれないが、何故だが目が離せない存在だ。
他の人と喋っていると、嫌にムカムカするしバーン様でもそうなる。
「まあ、目は離せねぇし・・・他の奴と喋ってたらムカって来る時もあるけど・・・」
「それって俺の時でも?」
ヒートに尋ねられ、先程の会話を思い出した。
ムカムカしてきた・・・。
「まあ、うん」
「それってさ、ネッパー・・・コロナが好きって事だよ!“恋愛的な意味”でね」
「そうかそうか・・・って!はああああ!?」
自分で納得しながらの驚きだ。
「まあ、もう一回聞くけど、それってボニトナやバーラやレアンの時もでしょ?」
女子だぞ・・・。
まあ、そこはツッコまないでおこう。
「するけど・・・」
「それはヤキモチだよ、ネッパーもコロナが好きなんだね〜」
「う・・・うるせぇよ!別に好きじゃ・・・」
自分で好きじゃないと言おうとした時、無意識に顔が赤くなって行く。
自分らしくないと思う、うん、思うな。
「顔・・・赤くなってますよ〜」
「わ・・・分かってる!」
「あ、怒った?ごめんって」
ぜってー謝る気ないだろ?こいつ。
だけど、ヒートにからかわれて分かったが、ヒートと会話していたコロナの笑顔・・・。
あんなの独り占めしたいとか・・・どうかしてるって!!
続く
貴方と恋、始めましたのこれまでの人物紹介
レアン(本名 蓮池杏)
プロミネンスのMF。
コロナとは親友でバーンの事が好き。
バーンとは口喧嘩が多い。
ボニトナ(本名 仁藤穂香)
プロミネンスのMF。
レアンとは仲が良く、よくからかっている。
コスモスとは呼び捨てで呼び合える仲。
バーラ(本名 薔薇園華)
プロミネンスのDF。
レアンとボニトナとは仲が良い。
同じDFであるボンバとは何でも話せる仲。
クララ(本名 倉掛クララ)
ダイヤモンドダストのDF。
スノーとは親友で、ガゼルが好き。
儚げな笑顔できつい事を言う。
ヒート(本名 厚石茂人)
プロミネンスのMF。
バーンとは幼馴染で、昔は病弱だった。
コロナの事が好きな一人。
ネッパー(本名 熱波夏彦)
プロミネンスのFW。
バーンを慕っている為、ダイヤモンドダストの喧嘩となると真っ先に参戦する。
無自覚でコロナが好きな一人。
貴方と恋、始めました第5話友達が恋、しました〜グラン目線〜
最近やけにバーンの様子がおかしい・・・、なんて言うか練習時間を毎週入れるようになった。
それはチームの皆にも嬉しいことかもしれない、なんせ俺は今仮だけどジェネシスに就いているから。
だけど、練習時間になるとバーンは前みたいに嫌な顔はせず、逆に言うと嬉しそうな顔をしているのだ。
とうとう、頭がおかしくなったのか・・・・と思ってしまった、最初はね!
「ん〜・・・何が原因だろう?「あ、グラン」アース、ダイヤモンドダストの練習見終わったの?」
「うん、グランは今から?」
「俺の所は今日はないんだよ」
アースは俺にとって唯一の心の理解者で唯一心が開ける大切な友達。
アースも俺と居る時だけよく笑顔を見せる。
「コスモスの所に行くの?」
「よく分かったね」
「だって、コスモスの彼氏だもんね。幸せにしないと私が怒るからね」
「そうするよ、アースは何処に行くの?」
「さっき父さんに屋上に行く許可貰ったから、屋上に行くんだ〜」
そう、アースがエイリア学園で一番気に入っている場所は屋上だ。
なんでも歌っていたら鳥がよく来てくれて、遊んでくれるらしい。
俺はよく知らないけど、キャプテンだけしか行けない場所も父さんに許可を貰えば大丈夫だ。
「あのさ、グラン」
「何?」
「確か、グランからコスモスに告白したんだよね?」
「そうだけど?」
ん?どうしたんだろう?いつもならこんな事質問しないのに・・・。
俺が疑問に思っていると、アースの質問がまだ続いていた。
まさかと思い、俺は聞いてみた。
「アース・・・まさか誰かを好きになったの?」
「え!?まあ、多分」
「じゃあ、俺からはその人の事どう思うの?」
「えっと・・・何て言うか喋って居たら楽しくて、目が離せなくて・・・」
「それが恋だよ、誰の事好きになったの?」
「え・・・それは秘密!」
あら?顔がリンゴみたいになった。
まあ、これ以上しつこく聞いたらコスモスに怒られるからやめておこう。
だけど、この時にはアースに魔の手が忍び寄っていた。
それはエイリア学園の皆、誰も気づかないくらい魔の手はアースを狙っていたのだ。
続く
貴方と恋、始めました第6話悲しむ顔は、見たくない〜アース視点〜
嘘だろ・・・・?!俺が、バーン様に恋してんのか!?いやいや、バーン様は俺の事、嫌いだろうし・・・。
いつから好きになったんだろう?あの時?俺の言うあの時は、エイリア学園で初めて会話を交わした満月の夜だった、月明かりに照らされたバーン様の横顔は凛々しくていつもふざけているのが嘘みたいに見えた。
その翌日に喋ろうかなと考えていたら、バーン様から話し掛けられた。
「正直・・・あそこで好きになったのかな?」
お日さま園の頃は、バーン様と関わりはなかった。
何と言うか妹のコスモスとバーン様はよく遊んでたけど、俺は違った。
俺はグランと同様に父さんに特別可愛がられた、そのせいかガゼル様にもバーン様にも敵対の目を向けられた事も憶えている。
だから、お日さま園で会話した事なんて一切ない。
あの時が初めてだと言える・・・。
「・・・「姉さま!」コスモス」
「どうしたの?顔・・・暗いよ?」
「何にも無いよ」
俺は暗い表情をせず、精一杯の笑顔でそう言った。
そう言えば、父さんの話じゃ・・・ジェミニストーム、レーゼ達は追放部屋なんだよね・・・。
確か、雷門とか言ってたっけ?姉さんが率いる。
「そうそう、姉さま。さっき、父様が呼んでたよ?」
「え!そうなの!?」
俺はコスモスからそう聞くと、急いで父さんの部屋に向かった。
何とか父さんの部屋に着くと、俺は父さんの部屋の前で正座して来た事を話した。
え?何で一人称が俺だって?この時は人間だった時の性格が滲み出てるのだ。
あ、でも、父さんの前とかコスモスとグラン以外は私って突き通してるからね!
「入りなさい、アース」
「はい、失礼します」
俺は襖を開け、一歩父さんの部屋に入ると襖を閉めた。
そして、俺は父さんの目を見る。
「ジェミニストームが追放された事は知っていますね?」
「はい」
「そこで貴方に一つ・・・お願いがあるのです。受けてくれますか?」
俺に断る義務があるのだろうか?いや、この人の為ならば断わる理由もない。
俺は頷くと、父さんは満足そうな笑みを浮かべて、その願いを言った。
それは___________。
〜話を聞き終え〜
「レーゼ、皆、ご飯」
此処は追放部屋、表向きの化学が嘘みたいに此処は西洋の牢屋と思えた。
レーゼ達は俺の声に反応すると、虚ろな目で俺を見た。
俺はニコッと優しく微笑んであげると、レーゼの瞳から少し光が見えた気がした。
「すいません・・・」
「いいよ、お腹・・・空いてるでしょ?」
本当ならば、追放者にはこんな量のご飯を用意をしてはいけないのだが、俺はそれが可哀想でこうやって誰も来ない時間帯に内緒で自分で作って持って来てるのだ。
「寒くない?」
「いえ、大丈夫です」
レーゼはおにぎりを片手にそう言った。
そうだ、先にレーゼ達に教えた方が良いかな?父さんに言われた願いを・・・。
「ねえ、レーゼ」
「はい?」
「私さ、明日・・・雷門のスパイとしてエイリア学園一時抜けちゃうんだ。」
俺がそう言うと、レーゼ達は目を丸くして動かしていた口は止まっていた。
こんな反応になるよね?普通・・・。
コスモスに頼んで、レーゼ達の料理をお願いしよう。
「そうですか・・・、あの」
「ん?」
「アース様はどうして追放者の俺達にこんな事を?バレたら、同じようになるかもしれないのに・・・」
ディアムがそう言った、確かにそうかもしれない。
これは一種の拷問だ、だから、元々用意された餌に新しく与えると言うのは拷問ではない。
でも、それじゃあレーゼ達が死んじゃうから・・・、それが嫌だから・・・。
「皆が死んじゃうのは・・・嫌だから」
「「「アース様」」」
「此処じゃ、本名で呼んでもいいよ。皆」
少しでもいい、皆の傷が癒えるなら・・・。
俺は涙を見せない、誰にも絶対に・・・。
涙はあそこに置いて来たから、俺の思い出の場所・・・お日さま園に。
雷門にはどんな子が居るのかな・・・・?
続く
貴方と恋、始めました第7話冷たい彼奴が、ライバルでした〜バーン視点〜
「あんたは何で私の部屋にいるのよ!」
コスモスの怒鳴り声に俺は片耳を塞いだ。
こいつの怒鳴り声はくそうるせぇから、こうしないと耳がキンキンする。
何で、俺が居るかって?んなの簡単だ、今日ヒートにコロナが雷門に行く事を聞いて、コスモスに詳しく聞こうと思い、今居るのだ。
「だーかーら!さっき言ったろ!」
「姉さまの事?会議にも話したわよ、グランが」
「?そうなのか」
その時に寝てたから、分かんなかったぜ。
コスモスの目線からこいつ寝てたなという訴えが聞こえて来た。
俺がうんざりしていると、失礼するぞと聞き覚えのある声が聞こえた。
「あら?ガゼル。相談なら、後でね」
「ふむ、どうせそこのバカがまた何か仕出かしたんだな」
「そうそう「ちっがーう!」分かってるわよ、冗談に決まってるじゃない」
「で、君は何でコスモスの部屋に居るんだい?」
それはこっちのセリフだってんの!俺は二人に見えない様に拳を握りしめた。
殴りたい衝動を抑えながら俺はガゼルの姿を目で追った。
ガゼルは戸棚に置いてあったパイプ椅子に座ると、コスモスを見た。
「質問をもう一度言うが、君は何でここに居るんだ?」
「それは・・・コロナが雷門に行くとは知らなくてさ」
「君・・・朝の会議で何を聞いていたんだ?私が聞いてやろう、言ってみろ」
「え”!?えっと・・・「どうせ、聞いてないわよ。寝てるんだから」おっしゃる通りです」
俺がガックリと肩を落としていると、二人の溜息が聞こえた。
出さなくてもいいじゃん!俺がむくれていると、ガゼルが全部教えてくれた。
コロナは雷門に行くが雷門が分かって来たら帰ると言う事・・・。
俺はホッと胸を撫で下ろし、ふと疑問に思った。
「ガゼル、あんた何の相談なんだよ?」
「!き・・・貴様に関係ないだろ!」
ありゃ顔が真っ赤。
これはからかい甲斐があるな〜。
「で、ガゼル。教えてあげたら?」
「君まで!?まあ、君には関係ない話かもね、多分」
「?」
「その・・・君の言うコロナの事さ。恋愛的の事で相談してるんだ」
俺はそれを聞いて、とんでもないモヤモヤ感に襲われた。
“恋愛的”と言う事は、ガゼルはコロナが好きっていう事だ。
何だ?このモヤモヤ感・・・?俺が不思議の思っていると、コスモスが俺の名前を呼んでいるのに気が付いた。
「あんた・・・どうしたの?ボーっとして」
「別に!」
「そうだ!あんたも聞いて行きなよ!ねえ?ガゼル」
「私は別にいいが・・・」
そして、半ば無理矢理に相談に乗ってやった。
正直に言えば、この場から抜け出して部屋に閉じこもりたい。
何だよ・・・この胸の痛みは・・・。
「へえ〜・・・ガゼルってら、少しは大胆になったわね。昔は声すらかけれなかったのに」
「う・・・うるさい!これでも私は頑張ったんだぞ!」
「で、そのまま告白しちゃえば?誰かに取られても本当に知らないよ?ねえ、バーンってあんたどうしたの?」
「何が?」
「君・・・泣いてるぞ。私の相談にそんな感動する場所など無かったが」
ガゼルに言われ、目元を拭いた。
何泣いてんだよ・・・俺・・・。
コスモスとガゼルの顔を見れば、心配そうな顔をしていた。
「わりぃ・・・ほこりが目に入っただけだ!」
「そうか、後で目は洗った方が良いぞ」
「おう!(何か・・・ガゼルが優しいと気味がわりぃよ)」
俺はそう言いながら、最後に泣いたのはいつだったか考えた。
最後に泣いたのは・・・あの時か。
俺の言うあの時は、親に川に投げ捨てられた時だ。
そう言えば、意識が途切れる寸前誰かの声がしたような気がするんだよな〜。
「そう言えば、バーンって恋してる?」
「ぶほぉ!何聞いてんだ?!」
「いや、聞いただけだし。ガゼルも知りたいよね?」
「あぁ」
俺の好きな人・・・。
頭の中には真っ先にコロナが思い浮かぶ。
まさか・・・マジで恋したのかよ・・・あいつに。
そう感じた時、目の前にいるガゼルは俺の恋のライバルなのだと理解した。
続く
貴方と恋、始めました第8話俺の過去は酷く、思い出したくありません〜バーン視点で過去編〜
昔、俺の両親は病気でなんでも俺に八つ当たりをしてきた。
母親は薬物中毒、父親はアルコール中毒。
朝はまだ大丈夫の方だけど、夜になればもうそこは地獄だった。
だけど、そんなある日・・・俺は聞いてしまったのだ、母親の言葉を。
「こんな子・・・産んだつもりはない」
それは人形みたいに従えと言っているのかどうか小さい頃の俺は分からなかった。
その言葉を聞いた瞬間から俺はあいつらから逆らう事を決めた。
そんな事を続いた日々に終わりを告げる時がやって来た。
俺はいつもの様に夜眠っていると、父親が部屋に入って来た。
その事はよく覚えてないが、冷たい感触が肌に当たった事で俺は目を覚ました。
「んー!(何だよこれ!)」
冷たい感触の正体は河川敷の川だった、口を開こうにもガムテープで不可能だった。
意識が薄れてくる、息が出来ない、溢れてくる涙は川によってかき消される。
捨てられたんだな・・・何処かホッとして何処か悲しかった。
「あ!ちょ!君、大丈夫!!?」
意識が無くなる寸前に声が聞こえた。
声のした方を見れば、服はボロボロだった。
顔ははっきりと分からなかったけど、誰かの腕の中で眠っていたのは確かだった。
「!」
目を覚ました時には、ベッドの上だった。
部屋の中を見渡せば俺の部屋じゃなく、何処か落ち着けるそんな感じが出た部屋だった。
俺が起き上がった瞬間、部屋の外からギャーギャーと騒ぐ声が聞こえた。
「皆、静かにしなさい。」
ドアが開き、その場所を見れば女の人と俺と同い年の子達が沢山居た。
ポカーンとしていると女の人は俺に近づいてこう言った。
「ごめんなさいね、貴方・・・お名前は?」
「な・・・南雲・・・晴矢」
「南雲晴矢ね、私は瞳子。後ろにいる子達は、貴方と同じ親に捨てられた子達よ」
瞳子さんが後ろを見た、俺もドアの方を見れば色んな子達が俺の事を見ていた。
中には恥ずかしいのか誰かの後ろに隠れて、俺を見ている子も居た。
「確か・・・茂人が居たわね」
「茂人なら気分悪くなったから寝てる〜!」
茂人と聞いて、俺は跳ね起きた。
「あら?知り合い?ちょっと待っててね」
瞳子さんはそう言って俺の部屋から出て、何処かに行ってしまった。
他の子達も瞳子さんに続いて、何処かに行ってしまった。
ただ一人だけ俺の事をジッと見ていたが、ニコッと笑い何処かへ行ってしまった。
(何だ?あいつ)
俺が疑問に思ったその時、晴矢ー!と俺の呼ぶ声が聞こえた。
俺がドアを向こうとするのが遅かったのかそのままぶつかった。
痛ぇ〜〜!!と俺も叫び、当たった奴を見た瞬間、怒る気もどっかへ行った。
「茂人!」
「晴矢!晴矢もここに来たんだね、あれ?でも、お父さんとお母さん居なかったっけ?」
茂人は俺の幼馴染で最近家にいないと思ったら、ここに居たのか。
と言うより、さっきの質問は返そうにも俺も川に捨てられる前の記憶がなかった。
茂人が不思議そうな顔をしていると、女の子が一人近づいてきた。
「茂人、気分悪いんだから走っちゃ駄目よ。」
「あはは・・・ごめん」
「あ、あたし八神玲名だよ。よろしくね」
俺は急な事によりただ頷くしかなかった。
「そう言えば、俺・・・何で」
川に捨てられてそれで、誰かに助けて貰って・・・そこからの記憶は寝ていたから分からなかった。
八神さんに教えて貰うと、俺を見つけたのは瞳子さんでその時の姿と言えば口に張り付けられていたガムテープは外され、縄で縛られていた両腕も縄は外されていた。
誰が外したのかは分からないけど、助かった事は事実だ。
「でも、晴矢に逢えて良かったよ。ズズー」
「ほら、鼻水垂れてるよ。茂人君はゆっくり寝ないと」
「茂人また熱か?」
「うん、よく分かったね」
幼馴染ですからね。
でも、一体誰が助けてくれたんだろう?そんな疑問を持ちながら、俺はお日さま園で暮らす事にした。
続く
貴方と恋、始めました第9話私の過去は寂しく、悲しい物でした〜ガゼル視点で過去編〜
私は親と普通に暮らしていたが、学校が嫌いだった。
私は元々感情表現も苦手で、睨んだりしていた。
そのせいか、イジメも凄くて先生に相談しても先生も愛想を尽かすだけだった。
だから、親以外はすべて敵だと思った。
だけど、そんなある日だった。
「それじゃあ、風介。私達は仕事に行って来るわね」
「いい子にしてるんだぞ〜」
「うん!」
これが最後の会話になるとは誰も思っていなかった。
学校から帰ると、家には沢山の段ボールと知らない黒い服を着た男達が居た。
しばらく呆然としていると、奥からおじいちゃんとおばあちゃんの声が聞こえた。
このありさまは何だと聞くと、おじいちゃんがこう言った。
「風介・・・よく聞け。お前の母さんと父さんは死んでしまった」
突然聞かされた両親の死に私は納得がいかなかった。
朝はあんなに会話をして笑顔も見せてくれた。
どうして亡くなったか聞くと、働いている会社に爆破事件が起きて、それに巻き込まれたのだと言う。
涙が出なかった、約束を破られた気分になった。
気が付けば私は一人、家を出て、走っていた。
「いたっ!おい、ガキ!!」
誰かに当たり、振り返れば胸倉を掴まれた。
ヤバい奴に当たってしまった私の頭の中から早く逃げろと警告音が鳴る。
ジタバタと暴れるが、所詮は大人。
力は子供の時より強い、殴られると思ったその時だ。
「おじさん・・・邪魔」
「んだと!?カハッ!」
急に隣にいた男が倒れた。
攻撃したであろう子を見れば、私は目を見開いた。
服はボロボロだが、完全に私と同い年の子だ。
隣には同じように服がボロボロで攻撃をした子の後ろに隠れていた。
「てめー!何しやがる!!」
「邪魔だから蹴っただけ、でも、ここで煙草を吸って前を見てなかったおじさん達も悪いよ」
その子はそう言って、私を掴んでいる男の方に来て蹴り上げた。
私は離されると女の子が私を受け止めてくれた。
「くッ!「兄貴!あの二人、この町で有名の鬼殺しです!!」何だと!!覚えてろよ!!」
男たちはそう言って、その場に去って行った。
「あ・・・ありがとう」
「いいよ、今度から気を付けてね」
その子にそう言われ、私は此処が何処なのか聞いた。
その子の代わりに女の子が此処は商店街と教えてくれた。
「さっすが!嬢ちゃんだな〜、ほれ!サービスだ」
「いえ、ただ邪魔だっただけで・・・」
「何言ってるの!貴方のおかげで最近暴力団も減って来ているのよ、はい、お礼にパンあげるわね」
商店街の大人達も本当に嬉しそうな顔をしながら、暴力団を追っ払った二人に色々とあげていた。
その後、少しだけこの二人と一緒に歩いていた。
「それより、君、どうしたの?ここ、すっごい遠いのに」
「・・・親が死んで、いつの間にかここに来てた」
「そっか、なら、早く帰った方が良いよ。後ろ」
その子は色々抱えながら後ろを振り向けと言った。
後ろを振り向くと、おばあちゃんとおじいちゃんが走ってここに来ていた。
私は呆然としていると、肩を叩かれた。
「これ・・・」
「あげる。そんないっぱい俺達も食えない」
「ありがとう」
私が頭を下げてお礼を言って、頭を上げた時にはその子達はもう居なかった。
たった数秒目を離した隙に、居なくなって行ったことに驚いたが、私の手の中にあるお菓子は確かにあの二人が居た事を証明していた。
そして、おばあちゃんとおじいちゃんの命もそう長くない事を告げられ、私は仕方なく孤児院に入る事になった。
それが、お日さま園だった。
「それじゃあ、お願いします」
「えぇ」
私はお日さま園に預けられると、ポケットの中に入れて置いたお菓子に手を触れた。
あの二人が一体何者だったか私には分からない、けど、私は初めてまた会いたいと思った。
続く
貴方と恋、始めました第10話私は、必要ない〜アース視点〜
俺は今、雷門の所にいる。
ちゃんとスパイとしてね、え?いつ入ったのって?それは昨日の事だ。
漫遊寺中を後にしようとしていた雷門イレブンの前に俺は現れた。
「お前・・・誰だ?」
「死神屋皐月って言うの、私、エイリア学園の事知ってるんだ」
もちろん情報は少しだけ与えてやれと父さんに言われた。
その言葉を真に受けた雷門イレブンは俺の乗車をすぐに許してくれた。
姉さんは、俺の事を疑心しながら見てるけど雷門にはそんな奴一人も居なかった。
「そう言えば、皐月ってサッカーやってるのか?」
「うん」
俺は作り笑いを浮かべながら、監督である姉さんを見た。
すると、急に姉さんは愛媛に行くと言いだして愛媛に向かう。
急にどうしてと思ったが、あまり気にしない様子で外の景色を眺めた。
一瞬だけ川が見えて、昔の事が頭に過った。
俺は自分を落ち着かせるために誰にも見えない様エイリア石が埋め込まれているヘアピンを触った。
「此処で休憩よ・・・死神屋さん、貴方はちょっと残ってくれるかしら?」
姉さんに言われ、俺はまたもや作り笑いで分かったと言った。
そして、全員が居なくなると俺はやっとアースとしての本性をさらけ出した。
「一体どういうつもり!!」
「このつもり、俺は父さんに頼まれてやって来ただけだもん」
「父さんは一体何を考えているの・・・」
「俺が分かる訳ないじゃん」
俺は一つ欠伸をした。
姉さんの顔を見れば、悔しそうに顔が歪められていた。
俺は不敵な笑みを浮かべた時、姉さんは急に外に出た。
何だろうと思い、俺も後を追うとモヒカン頭の奴がそこに居た。
まあ、俺の事は気づいていないからそこはいいとしようかな・・・バレたらバレたでめんどくさいし・・・。
「真・帝国学園か・・・」
俺は皆の後姿を見ながらボソリと呟く。
何処にあるのだろう?俺はキャラバンに乗りながらそう思う。
そして、辿り着いた場所は・・・海。
海・・・川・・・水、嫌な記憶が頭の中を蝕んで行く。
そして、海が膨れ上がったと思ったら、その中から現れたのは大きな潜水艦!!驚く事ばかりだな〜。
「久しぶりだな、鬼道。そして、エイリア学園の姫」
エイリア学園の姫と言われ、俺は我に返った。
そこには影山の姿があった、たっく、父さんの力で何しようとしてんだ?
〜試合を抜かし試合終了後〜
「おい、総帥がお呼びだ」
モヒカン頭じゃなくて不動がそう言った。
俺は急いで影山のいる部屋に向かった、何ともまあお金の無駄遣い。
影山の部屋に入ると、影山はワザとらしい礼を一つした。
「何の用?」
「いえいえ、用とはなにも・・・。ただ、貴方には此処で死んでもらいますよ」
「は?」
冗談じゃない。
「冗談じゃ・・・冷た!これは・・・海水!!」
「貴方の情報は私も知っているんだね、このまま負けたと言う報告はしてほしくない物で」
これだら、大人は・・・?!!俺は唇を噛み締めた。
俺が顔を上げた時、影山の顔は目の前にあった。
「貴様はエイリア学園での人形でしかない、失態を犯せばいつかは捨てられる。その前に私が捨ててやろう。お前の大好きな水でな」
水・・・。
影山はそう言い残して、奥に消えて行った。
そうだ、俺は所詮エイリア学園での人形でしかない・・・失態を犯せばいつかはボロ人形のように捨てられるに決まってる。
「俺は必要ないんだ・・・」
俺がそう呟いた時には、水は俺の首辺りにまで来ていた。
ごめんね・・・。
俺の意識が持って行かれそうな時、誰かに腕を掴まれた。
「皐月!!」
そんな悲痛な叫び声も聞こえた俺の耳の中に入って来た。
続く
貴方と恋、始めました第11話笑わない彼女の過去、知りました〜バーン視点〜
俺は妙な胸騒ぎに悩まされていた。
練習が終わり、いつもコロナが居た場所を見ればコロナは居ない。
つまんねぇな・・・。
ちょっと様子見に行こうっと・・・。
「っと、愛媛に出るとは・・・。ん?何だよ、これ?」
俺は黒いボールで愛媛に出た。
だけど、俺の眼下には爆発が起きている潜水艦があった。
高い場所から見て分かったが、これは影山の真・帝国学園じゃん。
何でここに?と思ったが、俺は無意識に違う部屋にいた。
「何だ・・・これ?水?」
部屋の中は水浸し・・・。
水と聞いてゾッとしたが、ごめんねと小さい声が聞こえた。
俺はその声の方に振り向くと、コロナが座り込んでいた。
首まで浸かってんじゃねぇか!泳ぐのは苦手じゃねぇが、水と言う単語を聞くと足が動かない。
だけど・・・大切な奴が死ぬのは見たくない・・・。
「皐月!!」
俺はコロナの腕を掴んだ。
コロナの方を見れば、気を失っているのか眠っていた。
早く出ねぇと俺まで溺れちまう・・・!俺があたふたとしていると、バーン!と俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「やっぱり・・・、バーン。早く運ぼう」
「俺・・・黒いボールどっか行っちまってよ・・・。」
「俺のがある。早く!」
グランはそう言って、俺に付いて来るように言った。
いつもの俺ならこいつの命令なんて聞かねぇと思うけど、今は大切な奴の命も関わってる。
グランの後を追うと、まだ水浸しじゃない所に辿り着いた。
俺達は急いで黒いボールで遠くの場所へやって来た。
「一体どうなってんだ?」
「影山の仕業さ、真・帝国学園が負けて言われると思われたんだね。」
「どうすんだよ?死んでねぇよ・・・?」
「大丈夫、ちょっと水を吸い込み過ぎただけだよ・・・。それより、雷門に見つかると色々と煩いからね。俺がアースを運んで帰るから、バーンは先に帰りなよ」
「分かった、頼みぜ」
俺はコロナをグランに預けて、グランの黒いボールで帰って行った。
後で探しに行くか、俺の黒いボール・・・あれないと、何かと不便だし。
〜エイリア学園〜
「あれ?バーンって!!あんた、何でそんなびしょ濡れなの?!」
「何がだって・・・一体どうしたんだい?」
ガゼルとコスモスの驚いた声にプロミネンスの皆も俺の有様を見て、目を見開いていた。
そりゃそうだよな、全身びしょ濡れだもんな。
「大丈夫ですか?」
「あぁ、わりぃな・・・。」
「君がそんなびしょ濡れに帰って来るとは、何かあったのかい?」
ガゼルの問いに俺は今まで何があったのかを話した。
そして、一番に反応したのがコスモスだ。
もう、俺が殺されるんじゃないのかと言う黒い笑顔をしながら話を聞いていた。
「こ・・・コスモス様、お気持ちは分かりますが・・・顔が怖いです」
「大丈夫大丈夫・・・」
「だが、引っ掛かる点は一つあるな。何故スノーは、逃げ出さなかったんだ?あいつには、エイリア石が埋め込まれいるヘアピンをしている筈だが・・・」
「あの・・・まさかと思いますけど、それって過去に関係してるんじゃないですか?」
ドロルの言葉に全員の目が一斉にコスモスの方に向く。
コスモスはその目を逃げる様に目を逸らしていた。
「コスモス・・・話した方が良いよ」
「グラン・・・そうね」
そして、コスモスの口から語り出されたのはとんでもない過去だった。
続く
貴方と恋、始めました第12話私の過去は醜く、恐怖そのものでした〜アース視点〜
「!ここは・・・」
俺は目を覚ました。
中を見れば、水の中でも天国でも地獄でもなかった。
雷門が乗っているキャラバンだった。
あれ?でも、何で?俺は重たい体を起こして周りを見た。
誰も・・・居ない。
「目が覚めたのね、皐月」
「姉さん・・・俺、何で?」
「さっき、ヒロトが運んで来てくれたわ。助けたのは晴矢みたいだけどね」
「ヒロトと晴矢が・・・」
じゃあ、あの時腕を掴んでくれたのは・・・晴矢だったのか。
やば・・・頭が痛い。
何処まで記憶があるかもわからないよ。
「皐月、無理だけはしないで」
「分かってるよ、姉さん。」
エイリア学園でもそれだけは忘れていない。
『無理はいけませんよ』
父さんが言ってくれたこの言葉を・・・。
〜回想(アース視点)〜
私達は天涯孤独だった。
名前もない誰から生まれたのかも分からない。
まだ名前もなかったコスモスにいつも迷惑を掛けていた。
水が大嫌いになったのは自分がコスモスを守れなかったから。
だから、水とか見たら足が竦んで動かなくなってしまう。
そんなある日だった。
「お姉ちゃん、あれ!」
「・・・!え!」
俺は妹の指差した方を見て目を丸くした。
何と男の子一人が口にガムテープ両手両足に縄で川に居た。
子供一人でそんな事出来ないから、まさか親か。
大人と来たらどいつもこいつも・・・・!そう言えば、この先って・・・。
「この先って流れが急じゃなかったか?」
「うん」
怖がってる場合じゃないじゃん!俺は急いであの子の元に向かう。
「あ!ちょ!君、大丈夫!?」
俺は何とかその子を背負って川を出た。
妹と一緒に縄やらガムテープを外して、近くに人が居ないか確認した。
すると、ちょうど暗闇の中だが大人の人が通っていた。
このままは可哀想だから俺は葉っぱを掛けてあげて妹にあの大人の人を呼ぶように言った。
「息は・・・弱いな。温かい布団とかあったら・・・あ、来た」
俺は近くの茂みに隠れ、妹は大人の人を連れて来て俺と同じように茂みに隠れた。
大人の人はその子の現状を知ると慌ててその子を背負い、何処かへ行ってしまった。
これで大丈夫だと思うんだけど・・・。
それから、俺達は旅人みたいに色んな所に行った。
時には親が死んでしまい逃げて来た子や孤児になってしまった子達を見て来た。
そんな事をして、俺が5歳、妹が4歳だったある日だ。
「寒い・・・」
「ごめんな、今布団もないから・・・。」
今日は雨、ボロボロの服じゃ寒いに決まっている。
布団があったら少しは楽かもしれない。
ボーっと河川敷の橋を見ていると、急に俺の周りが暗くなった。
「大丈夫ですか?」
声を掛けて来てくれたのは父さん・・・吉良星二郎だった。
その横には姉さん・・・吉良瞳子が居た。
「大丈夫じゃない」
俺一言つぶやきながら、二人を睨んだ。
すると、何かしら暖かい物が俺の頭と妹の頭に被さった。
取れば、タオルだ。
俺は何のつもりだと思い、二人を見ると父さんはこう言った。
「一緒に来ませんか?」
〜回想終了(エイリア学園に戻る、バーン視点)〜
「と言う事よ」
コスモスが語り終えた時、俺を助けてくれたのはコロナなのだと分かった。
「じゃあ、あの時川で助けてくれたのは・・・コロナだったのか?」
「川?まさか、バーンがあの時の・・・。あ、じゃあ・・・あの時ヤクザに絡まれた男の子ってガゼル?」
ヤクザ?俺は不思議に思い、ガゼルを見ると顔が真っ赤。
そりゃ女子に助けられたのが恥ずかしいもんな。
「まあ、水相手に逃げるって選択肢はなかったのかな?帰って来た時に聞こうっと」
コスモスはそう言って、俺のジャージを投げ渡した。
そういや濡れてること忘れてた・・・。
続く
貴方と恋、始めました第13話カオス、結成されました〜コスモス視点〜
姉さまが沖縄から帰って来て、イプシロンは用済みとされ追放部屋に居る。
そして、挙句の果てにはガゼルは勝てると自信満々に言い切ったものの雷門とは引き分け。
ダイヤモンドダストも用済みとされ、追放部屋に行くと言う事は確定した。
「はあ〜」
ダイヤモンドダストが追放と決まった事を私は姉さまに伝えると、酷く悲しんだ。
そりゃマネージャーとしてやって来たもんね・・・、その姿を見たバーンもグランもあまり声を掛けなかったし、姉さまと言えばボケッとしている事が日に日に多くなってきている。
そんな中だ、ムーンアース、プロミネンスもお払い箱もとなった。
それには私も怒りを覚えた・・・。
そして、ガゼルもバーンもそれには納得していなかった。
「「「ネオジェネシス計画をここに発動する!!」」」
父様を見返す為、グランを見返す為に私達が計画した『ネオジェネシス計画』。
だけど、此処で問題が起こった。
メンバーなのだ、私とバーンとガゼルはそれぞれチームの皆と話し合って、決めることにした。
〜ムーンアース専用会議室〜
「と言う事よ、こっちではカオスのメンバーとして行くのは二人。一人は私でいいかしら?」
私がチームの皆に言うと、皆当たり前の様に頷いた。
「そして、後一人・・・。皆の推薦で決めようと思うの、皆がカオスのメンバーとして相応しいと思う子は私に言ってくれないかしら?」
私が聞くと、一人また一人と手を挙げた。
私は司令塔であるエクリプティクを指名した。
「俺からは・・・アースが良いと思います。」
「何故?」
「アースは俺達より実力もあります、それに、本気を出せばジェネシスをも超える力を持っていると思えるんです。だから、俺はアースをカオスのメンバーとして推薦します」
「他の子達は?」
私は皆を見渡すと、皆はアースを推薦しますと言っていた。
私は姉さまを見た。
「アース・・・皆の期待に答えられるならカオスの話・・・受けてくれるかしら?」
「・・・うん、カオスの皆が納得してくれるかどうか分からないけど・・・皆の思いに答えてアース・・・カオスのメンバーとしてやります!」
姉さまがあんな生き生きしてるの・・・久しぶりに見た。
私は姉さまと一緒にバーンとガゼルが居るプロミネンス専用のグラウンドに向かう。
ユニフォームはその場で配られるってバーンが言ってたわね。
「姉さま・・・この計画は誰にも話しちゃいけないよ?グランにも・・・父様にも・・・」
「分かってるよ」
そして、ようやくプロミネンス専用のグラウンドにやって来た。
「遅れたわ」
「おう・・・!へえ〜、ムーンアースでカオスのメンバーはコロナか・・・。あぁ、そうだ。はい、ユニフォーム。」
あらあら、恋の相手が来た事で顔赤くしたわね・・・、バーンとガゼル。
姉さまはカオスとしてのエイリアネームはアースでお願いした、二人の承諾を得て、それぞれのポジションを考えた。
私とバーンとガゼルは、FW。
MFはリオーネ、ネッパー、ヒート、ドロル。
DFはゴッカ、ボンバ、クララ、バーラ。
姉さまはベンチでいいと自分から言い出して、それにはバーンとガゼルも少し考え分かったと言った。
あ、姉さまのポジションはMFだ。
「じゃあ、早速練習を開始する。」
ガゼルの一言に私達はグラウンドに走った。
だけど、練習で分かった事がある。
それはダイヤモンドダスト、プロミネンスの双方の関係だ。
ガゼルとバーンが犬猿の仲だと言うのが原因の一つだったのか、チームメイト達はギクシャクとしている。
「コスモス、気づいてる?」
「姉さまも?」
「うん、バーン様もガゼル様も気にしてる様子だし」
「あの二人を信じて見ようよ、きっと大丈夫」
そうだ、何処か仲が良いあの二人だ。
きっと大丈夫だよね。
続く
貴方と恋、始めました第14話フラれた者同士、約束しました〜ガゼル視点〜
エイリア学園としての活動が終わり、私達は今居るのは樹海の奥。
宇宙人のフリも終わって、それぞれ自分達の名前で呼ぶが、時々エイリアネームで呼ぶ事もあった。
私は洞窟の岩に腰を掛けて、今までにやって来た事を振り返って見た。
私達がやって来た事は、罪を償わないと行けない物だ・・・。
「考え事?」
「コス「コスモスじゃないって」そうだったな、皆月」
「で、何の考え事?」
「あぁ、私達がやって来た事さ。ガゼルだった頃の私は、父さんが居て罪の意識も考えていなかった。だが、今考えれば私達のやって来た事は罪でしかない」
「それは皆思ってる、私達がやって来た事は罪でしかないって」
皆月はそう言って私の隣に腰を掛けて来た。
「まあ、私が心配なのはバーンとガゼルがいつ姉さまに告白するか何だけど」
「う”・・・」
皆月のジトッとした目に私は目を逸らした。
隣から大きな溜息が聞こえるが、聞こえないフリを決め込む。
「そう言えば、皆には話してないけど風介には教えてあげる」
「何がだ?」
「こう見えて私、グランと別れてるの」
皆月の言葉に私は目を点にした。
グランと別れた?あの仲良さげだった二人が?私が混乱していると、皆月は悪戯に似た笑みでこう返した。
「びっくりしたでしょ?まあ、皆から見たら別れてる風には見せてなかったし」
「・・・悲しくはなかったのか?」
「ん〜〜、正直に言えば悲しかったかな?でも、しょうがないって思えるかな。」
「と言って、瞳は泣いてるぞ」
私がそう言うと、皆月はうるさいと私の足を蹴り込んでそう言った。
時々思うが、何故こいつの回し蹴りや蹴りがこんなに痛いんだ?私は、皆月を睨んでいると、洞窟の外から楽しそうな声が聞こえて来た。
そう言えば、普通のサッカーボールをエイリア学園から盗んで来て暇潰しにサッカーをやっている。
「今日もバーンのアイディアか」
「その通り、今日はダイヤモンドダストとムーンアースとプロミネンスを混成させたんだって」
「だからか、アイシーがキャプテンを務めているのは」
「そう、相手方のキャプテンが姉さま」
確かにいつも皆月がしていたキャプテンマークは皐月の腕に付けられていた。
アイシーのキャプテンマークは私のだが、私のはアイキューに預けていた筈だ。
まあ、妹のアイシーにせがまれて渡してしまったと言う所か。
「で、話に戻すけど・・・風介君は何時告白するのかな?」
「君はそういう事になったら、目が輝くね」
「そう?自分じゃよくわかなんないけど」
「それはそうだ、それにお前も知っているだろう?君の姉が誰が好きかなんて」
私がそう言うと、皆月はもちろんと言い放った。
こいつ絶対私の心の傷をえぐりに来たのか!?私は皆月を少し睨むと、皆月は私から目を逸らしていた。
「でも、それじゃあ風介らしくないでしょ。いつもの貴方なら誰であろうと諦めなかったのに」
「それは・・・」
「あ、まさか・・・もう負けたって認めてんの?」
ピキッと頭の何処かでそんな音が聞こえた。
「ふん、そんな訳ないだろ」
「じゃあ、出来るわよね?」
皆月の悪戯に似た笑みに私はやってやるさと言い放った。
皆月はやっとかと言いたそうな顔で溜息を吐いた。
「なら、フラれたら何かしてあげる」
「なら、一緒に泣け」
「はいはい」
指切りげんまんと小さな声が聞こえた。
皆月を見やれば、ニコッと可愛らしい笑みを浮かべていた。
きっとこれは本当になる、フラれた者同士の約束なんだから・・・。
続く
貴方と恋、始めました第15話君なら、大丈夫〜コスモス視点(少しだけ)〜
「姉さま〜!」
私はちょうど試合が終わったので、姉さまに飛びついた。
姉さまは驚いて、私を見た。
「どうしたの?皆月」
「あのさ、さっき風介が呼んでたよ」
姉さまは何だろうと言いながら首を傾げた。
私は風介が居る場所を教えると、姉さまは不思議そうにしながら風介が居る場所に向かって行った。
いや〜・・・良い事した!と一人満足していると、肩を叩かれた。
「お前・・・何してんだ?」
「何が?」
「風介の事だよ、どうせ告白の手伝いか何かだろ?」
晴矢は何故こういう事には勘が鋭いのだろう・・・。
「だって〜、誰かさんも告白しないんだもん。風介とはちょっと約束したしね」
「んな!!悪かったな、告白しなくて!」
私は晴矢の顔を見ながらクスクス笑った。
だって、こっちが嫉妬しちゃうぐらい顔が真っ赤だもん。
〜ガゼル視点〜
ヤバイ・・・緊張してきた。
皆月が皐月を呼ぶに来てくれるが、いざ告白となると緊張してきた。
「どうしたの?風介」
「あ!え、えっと・・・」
後ろから声を掛けられ、後ろを振り向いた。
皐月が不思議そうな顔をしながら私を見ていた。
「?」
「あ・・・えっと・・・」
上手く言葉が出て来ない・・・。
すると、私の頭の中から皆月の言葉が流れ出す。
『緊張した時は誰かがそばにいるって思ったらいいよ』
私の隣には皆月が居る。
大丈夫、大丈夫、私は一人そう言い聞かせて皐月を見た。
「皐月・・・聞いて欲しいんだ」
「うん」
「その・・・びっくりすると思うが、私は君の事が好きだ。一人の女の子として・・・」
私がそう言うと、皐月の顔は真っ赤に染まって行く。
恥ずかしい・・・私のかも真っ赤だろうな、このまま皆月が居たら顔が真っ赤だって笑われそうだ。
「風介・・・その、ごめ「分かってるよ」え?」
「君の好きな人ぐらい、早く伝えてきなよ。彼もきっと待ってるよ」
少しは手助けをしてやろうかな。
彼奴もちゃんと好きだと伝えられたらいいな・・・。
だって、私の恋のライバルなんだからさ・・・。
皐月は私にお礼を言って、その人の元に行った。
「フラれたの?」
「あぁ、見事にね」
「涙が溜まってるよ」
「分かってるよ、約束は守って貰うからな」
私がそう言うと、皆月ははいはいとニコッと笑い、私を抱きしめてくれた。
その温もりに私は、溜まっていた涙が溢れては零れ落ちて行った。
でも、告白できてよかったと心の底から思えた。
そして、皆月の言葉が耳元で聞こえた。
「よく頑張ったね」
続く
貴方と恋、始めました第16話好きだと、伝えられました〜バーン視点〜
「はあ〜」
俺は今、大きな溜息を吐いていた。
これで何回目だ?自分でも数え切れないくらいだ。
「はあ〜」
「これで何回目だ?茂人」
「これで20回目」
茂人は数えていた。
これで20回目、結構すっげー溜息吐いてた事に俺は内心驚く。
すると、おーい!と聞き覚えのある声に恐る恐る顔を上げると、皐月が一人こっちに駆け寄って来た。
あれ?皆月は?あいつ、風介が気になるとか言ってダッシュでどっか行ったのに・・・。
と言うか、風介は!?俺は混乱していると、誰かに手を掴まれた。
「!?」
「ちょっと・・・話があるんだけど・・・」
何で、皐月は顔が真っ赤なの!?まあ、俺も手を掴まれて顔が真っ赤だろうけど・・・。
俺は皐月の後に付いて行くと、すれ違いに風介と皆月が一緒に帰って来た。
さっき、口パクしてたよな?口の動きを思い出す。
『君の勝ちだよ・・・』
?マークが俺の頭の上で踊る。
勝ちって俺何で勝ったんだよ?俺は首を傾げながら、皐月の後を追った。
やっと人が居ない場所に辿り着くと、皐月はこちらに振り返った。
顔は未だに真っ赤だった。
「どうしたんだ?」
「えっと・・・、晴矢って・・・好きな人とか居るの?」
「え!?」
それを聞いて顔が更に赤くなる俺、聞いた本人も顔が俺に負けないくらい顔が真っ赤。
それはお前だなんて告白じみた事が、本人の目の前で言える訳ない。
俺は好きな奴は居るとだけ言うと、皐月は一瞬だけ暗い顔をした。
「そのさ・・・もし、私の・・・俺の好きな人が晴矢って言ったら、驚く?」
そりゃ驚きますよ!?本命の人が俺の事好きだって言ったら、驚くに決まっている。
ん・・・待てよ・・・まさか・・・。
「お前・・・俺の事好きなの?」
「/////」
・・・・はあ!?ちょっと待て、俺の思考回路が追いついてねぇ!!俺は少し深呼吸して、皐月を見た。
皐月は恥ずかしいと小さく呟いて、顔を隠していた。
「じゃあさ・・・もし、俺の好きな人が皐月って言ったら、驚く?」
「お・・・驚くよ!」
「その通りだぜ、お前の事・・・好きだよ。最初はよく分かんなかったし気に入らなかったけど・・・初めてエイリア学園で喋った時にお前の事がさ、目が離せない存在になって・・・その時から、ずっと好きだったんだ」
「俺も・・・晴矢と初めて喋った時、好きになったんだ。いつも、練習が終わった時が晴矢と喋れてたから嬉しかった・・・。しっかりしてないけど、俺と付き合って下さい」
「それは俺のセリフだってんの!」
俺は皐月の額に軽いキスを送った。
もちろん、皆の所に帰った時、付き合ったと報告したら風介と皆月以外すっげー驚いていた。
あれから何ヶ月経ったのだろうか、貴方と恋を始めてさ・・・。
終わり(番外編も作るよ)
貴方と恋、始めました番外編登場人物
死神屋皆月(高校1年生)
皐月の妹で姉思い。
風介の家で住む事になった。
ヒロトとは元カレで今では普通に接している。
風介に恋をする。
容姿・特徴
・金髪のセミロングで前髪に黒いピンをしている。
・目は良かったが、高校に上がった時に目が悪くなり、黒縁眼鏡をしている。
・姉と同じく美人で胸は少し小さい。
・風介と同じ高校。
涼野風介(高校2年生)
冷たいが優しい少年。
急に住む事になった皆月に嫌がるものの追い出さない。
皐月は初恋の相手。
皆月に恋をする。
南雲晴矢(高校2年生)
風介の友達でありライバル。
皐月の彼氏で朝に弱い、風介と皐月とは同じクラス。
一緒に暮らしている皐月に迷惑掛けまいと只今早起きを頑張っている。
好戦的な性格で口の悪さは少しばかり控えめになった。
死神屋皐月(高校2年生)
風介の友達。
晴矢の彼女で朝には強い、晴矢と風介とは同じクラス。
料理が大の苦手で只今一生懸命に料理を覚えているが、今の所効果はない。
妹思いで皆月の恋を応援する。
お日さま園の子達は少しばかり出て来るよ、今回のお話は風介と皆月が主人公です。
貴方と恋、始めました番外編1話高校に、入って・・・〜風介視点〜
エイリア学園騒動が無くなって、何年経ったのだろう?エイリア学園が終わった後は、世界大会だのと忙しかったのに、今じゃ私は高校生になっている。
月日も早い物だと感じてしまう、そろそろあいつらの迎えも来る頃だろうな・・・。
私は制服のボタンを留め終わり食パンを口に運ぼうとした時、ピンポーンと言う音が部屋に鳴り響く。
やけに早い・・・、そう思いながら玄関のドアを開けると見覚えのある少女が立っていた。
「おはよう、風介」
「あぁ、おはよう。」
今返事をしてたのは私の初恋の相手、死神屋皐月だ。
フラれて今は恋なんてしていない、時々だが皐月と付き合っている奴が羨ましと思う。
「晴矢はどうしたんだ?」
「え?後ろに・・・居ない!?」
どうやら後ろに居たと思っていたのだろう、外に出て晴矢を待っていると、息を乱した晴矢が走ってこっちに来た。
こいつは南雲晴矢、皐月と私と同じようにお日さま園に住んでいてクラスも同じという腐れ縁みたいな奴だ。
小学校、中学校でクラスが離れた事なんてない。
離れた時と言えば、エイリア学園ぐらいしか思い当たらない。
そして、皐月の彼氏である。
「おはよう、晴矢」
「お・・・おう!」
私と皐月と晴矢は一人暮らしの家も近くこうやって一緒に登校している事が多い。
それにしても今日は新入生の入学式、修児から聞いたが、愛と皆月が私達の高校に入学するらしい。
皐月に聞けば、愛は偏差値は余裕だったが皆月はギリギリだったと聞くが・・・入れたんだな。
「そう言えば、皆月ってお日さま園で暮らすのか?」
「ううん、誰かと同居するとは聞いたけど・・・誰なんだろう?」
「・・・・・・「風介、どうした?顔がもの凄い暗ぇぞ」
「まさか・・・その同居者って・・・」
「あぁ、私だよ」
思い出したくなかった・・・。
そう、皆月が私の家に同居する事になったのだ。
最初は嫌だと私は言ったが、よくよく思い出せばあいつには世話を掛けっぱなしで恩返しみたいな事はしていない、しょうがなく同居する事を許したのだ。
条件付きだが・・・。
「ごめん、皆月が・・・」
「いや、いいよ。条件付きで暮らす事は許したから」
「条件って何出したんだよ?」
「あんまり私の物は荒らすなとご飯は皆月が作ると言う条件」
晴矢と皐月曰く私は料理と相性は最悪らしく、いつも食パンかコンビニ弁当を買っては食べていた。
まあ、皆月が料理している所は私は見た事ないが・・・。
「先は遠いけどさ、皐月って生徒会長選出んの?」
「え?」
「あぁ、1年の頃から噂になっていたな」
皐月は今、私達の高校の生徒会副会長だ。
1年の頃から晴矢とは全くの正反対で真面目であり勉強は修児に次ぎ学年2位だ。
完璧とはこの事を言うのだろう、1年の頃から生徒会長になるのではと言う噂は耳にしていた。
「ん〜〜、家の事もあるし部活の事もあるから」
「皐月の部活は・・・吹奏楽部だったな」
「そう、部活説明会の時、部長が居ないから私が代わりにやる事になって・・・、溜息が出そう」
「もう出てるぞ」
そんな会話をしていると、高校に着いた。
門を潜れば朝の眠気を覚ますにはバッチリであろう男子女子の黄色い声が響く。
う・・・うるさい・・・。
耳を塞ぎたいのを我慢し、私と晴矢と風介は下駄箱にやって来た。
「うるさかったね」
「あぁ、耳がキンキンするぜ」
「私もだ、眠気が吹っ飛んだよ」
続く
貴方と恋、始めました番外編2話皆月と、過ごします〜風介視点〜
入学生の教室案内やら入学式で使った道具の片づけが終わり、私と晴矢と皐月はクタクタになりながら生徒会室に入った。
今から生徒会の仕事があると思うと、地獄だ。
生徒会室のドアを開けると、書記の修児と会計係の玲名が居た。
「「「遅れました〜〜〜」」」
「三人揃ってクタクタだな、早く座れ」
あ、ちなみに私と晴矢も生徒会の一人である。
皐月は生徒会長の横に座り、私と晴矢は空いている席に座る。
そして、半ば聞いていない状態で生徒会の仕事は終わった。
やっと帰れる・・・。
「皐月〜〜」
「どうしたの?晴矢・・・。」
「疲れた」
「分かったから、急に抱き着くな!」
・・・あそこはほっておこう・・・。
私はそう思い、生徒会室を出て行った。
多分だが、一緒に出て来た修児も玲名も同じ気持ちだろう。
えっと・・・私の仕事はこれで終わりだったな。
私は学校を出て、自分の家に向かう。
(そう言えば、今日から皆月が来るんだったな・・・。)
疲れているのに更に疲れた気持ちになる。
家にやっと着き、大きな溜息をした後、見覚えのない靴が綺麗に並んでいた。
もう居るのか・・・。
「あ、お帰り〜」
「お帰り〜じゃない。帰って来てるなら、連絡やらしてくれ」
「え?あぁ、ごめん。忘れてた!」
笑顔で答えるんじゃない!言葉にするより私は鞄の中にあったノートで皆月の頭を叩いておいた。
皆月からの文句が聞こえるが、私はその文句を受け流しながら冷蔵庫にあるアイスを取りにキッチンに向かった。
キッチンを見れば真新しい物だが、私が使って無いだけだ。
それより、アイス・・・。
「何だ・・・この量」
「え?忘れた?自分が出した条件なのに!?」
「いやいやそっちじゃなくて、何だこの量の野菜やら魚やら肉は」
「いや、帰る途中に特売だったから買っただけ」
笑顔で答えるな!アイスが何処にあるか分からないじゃないか。
私はその量の中に手を突っ込み、アイスを取り出し、リビングに行く。
リビングには制服姿の皆月が机で何かの勉強をしていた。
「何してるんだ?」
「姉さまのメールで、風介の家で学校に行く前の帰った後は勉強はしとけって約束したから」
「それは偏差値ギリギリの君にはピッタリだろ?」
「んな!悪かったわね、愛と違ってバカで!!」
「それに、そこは間違ってる」
私はアイスを食べながら、間違った問題を指差して言ってやると、皆月の落胆した声が耳に入った。
バカなのは分かっていたが・・・ここまでとはな。
「そう言えば、何故皐月の家に同居しなかったんだ?」
「姉さまの家、時々晴矢が来るからイチャイチャした現場は見たくないだけ」
「あぁ・・・分かる気がする」
それは嫌だな。
だから、私の家に来たのか。
間違った問題をやり直す皆月を見るのは、久しぶりな気がするな。
お日さま園の時はいつも勝負を挑まれては、テストの結果はボロ負けで問題をやり直していた。
サッカーや舞踊と言った技術的な物には天才肌だが、勉強もちゃんとすれば皐月と同じように賢い。
だけど、正解な問題でも同じようにやると言うのは努力家だ。
「・・・・「何だ?」何、人の顔見て笑ってんのさ」
無意識に笑っていた事に不機嫌な様子だ。
「笑った事は謝るが、全然手が動いてないぞ。」
「う”」
「私が教えてやろうか?」
「お・・・お願いします」
この時まではこいつの事を好きになるとは思っていなかった・・・。
そう、この時までは・・・。
続く
貴方と恋、始めました番外編3話漫画のモテてるキャラに、同情します〜風介視点〜
次の日の朝、皆月に叩き起こされた。
大きな欠伸を一つして、自分のクローゼットから制服を取り出す。
眠い・・・、いつもはこんな時間に起きないから、凄く眠い。
「風介〜」
「分かってるよ」
私なりに大きな声は出したつもりだ、制服に着替え終ると階段を降りて行くといい匂いがしてきた。
リビングを見れば、テーブルに食パンと目玉焼きとサラダが置いてあった。
ボケッとしていると、食べないのかと食パンを食べている皆月が居た。
「いや、食べるが・・・」
「じゃあ、早くしなよ。姉さま達が迎えに来るよ?」
「あ・・・あぁ」
私は戸惑いながらも空いている席に着き、目玉焼きを食べた。
あ、美味い。
皆月ってこんな料理が上手かったか?私は疑心しながらサラダを食べている皆月を見た。
やっと食べ終わると、ピンポーンと部屋にインターホンの音が鳴り響く。
誰なのか玄関のドアを開けると、見覚えのある少女が居た。
「あ、風介さん!おはようございます」
「あぁ、おはよう。どうしたんだ?」
凍地愛、皆月とは仲が良い女の子だ。
兄の修児と同じように頭が良い、皆月を迎えに来たのだろうか?そう思った直後、リビングのドアから皆月が顔を出した。
「あ!おっ〜はよう!愛!」
「うん、おはよう!早くしなよ」
「分かってるって!」
あぁ、やっぱり。
そう思っていると、風介!と私の呼ぶ声が聞こえた。
皐月と晴矢も来たようだった。
「おはよう、皐月。」
「おはよう」
「俺は無視か!?」
晴矢のツッコミは置いておくとして、私も鞄を持って玄関に急ぐ。
「じゃあ、私は先に行って来るが・・・ドアは閉めろ」
「分かってるって!」
((((心配にしかならない/ならねぇ))))
きっと全員が思った事だ。
私は家を後にして、いつもの様に晴矢と皐月と喋っていた。
皐月の会話の内容は、ヒロトの事だ。
ヒロトとは違う学校で時々だが会ってはサッカーをしている。
晴矢の会話の内容は、茂人の事だ。
茂人とも違う学校であるが、皐月のケータイには昼には必ず茂人のメールが入って居るらしい。
「今日は1年が部活見学だろ?皆月何見に来るんだろうな?」
「さあな」
「愛からのメールじゃ先に吹奏楽部見るって書いてあったけど・・・皆月のメールにはなかったからな〜」
「お前のケータイにはどんだけお日さま園の奴らのアドレス知ってるんだ?」
「ほぼ全員」
皐月の情報網が気になって来た。
晴矢を見れば、晴矢も思っていたらしく皐月からケータイを貸して貰い、メールボックスを開いていた。
そして、門を潜れば朝の目覚めピッタリの黄色い声が所々から聞こえてくる。
玲名と修児の話じゃ、私と晴矢と皐月は学校内じゃファンクラブが出来る程らしい。
もちろんそんな物はいらない為、ファンクラブみたいな子からのプレゼントはほぼ全部断っている。
と言うか、そう気遣いすらもいらない。
「「「うわ」」」
同時に下駄箱を見れば、大量の手紙。
世に言うラブレターだが、晴矢と皐月は丁重にお断りしている。
付き合っているからという理由だ。
私も断っているが、日に日に減っていない。
むしろ、増えている。
「またかよ・・・」
「鞄の中もう入らないよ・・・」
「同じく」
漫画の中に居るモテている奴もこんな思いをしているのだろうか?そう考えながら、落ちてしまっている手紙を拾い集める。
鞄の中身は・・・教科書で場所を取っている。
だからと言って、授業が終わるまで部室や下駄箱に入れて置く訳には行かない。
しょうがなく教科書の場所に隙間を作って大量の手紙を入れた。
続く
貴方と恋、始めました番外編4話密室での、キスでした
全ての授業も終わり、生徒会の仕事も終わった。
それにしても、なんて量の書類だ・・・。
全く、生徒会の女子(皐月と玲名を抜いて)は私に仕事を押し付けて、先に家に帰って・・・。
文句を心の中で言って、窓に目を向けると夕日が傾いて来ている。
晴矢と皐月は・・・先に仕事を終えて帰ってしまった、と言うより、手伝ってやろうかと言って来てくれたが私は大丈夫だと答えたのが悪い。
「早く片付けて、帰ろう」
私は書類を箱の中に入れて、鞄を持とうとした時、ガラガラと誰かが入って来た。
「失礼しま・・・あれ?風介?」
「皆月か・・・何してるんだ?」
「何ってここ職員室じゃないの?」
「違う」
初日に説明したと思ったのだが・・・。
「ここは生徒会室だ、で、職員室に何の用だ?」
「え?あぁ、クラスの皆の作文」
皆月はそう言ってズカズカと生徒会室に入って来た。
「何故入って来た・・・」
「ちょっと肩痛めてさ〜」
話を詳しく聞けば、私達と同級生の女達がサッカー部を見ていたらしく(多分、ファンクラブだろう)私と晴矢と修児に話し掛けて来た愛と皆月に暴言に似た注意をされ、挙句の果てには愛を庇って肩を痛めたらしい。
その様子を見つけた皐月が厳しく言い、保健医の先生に手当てして貰ったばかりなのだと言う。
「そう言えば、愛はどうしたんだ?」
「あぁ、私が怪我した理由が自分にあるって大泣きして修児と一緒に帰ったよ」
今頃の修児は愛を慰めている事だろう。
まあ、根本的に悪いのは私にもある。
「はあ〜」
皆月が溜息を吐いた時だ、ピシャと何か閉まる音がした。
まさか・・・と思い、皆月と一緒に後ろを振り返ると生徒会室のドアが閉まっているのだ。
ドアの取っ手に手を掛け開けようとするが、ガチャガチャとしか言わない。
完全に閉じ込められた・・・。
「どうしよう・・・」
「一体誰が・・・!?ケータイで皐月を呼んでみる」
私は鞄からケータイを取り出し電話をするが、出ない・・・。
メールでもしておこう・・・。
皆月を見れば、薄らと涙を貯めながらオロオロしていた。
夕日が沈みそうで、窓を開け、辺りを見れば空は暗くなってきている。
「ごめん・・・何か巻き込んで・・・」
「いや、大丈夫か?」
「何が?」
「泣いていたから・・・」
「だ・・・大丈夫」
苦笑いしながら目元を拭く皆月を見るのは久しぶりだ。
泣いていると分かれば、苦笑いしながら目元を拭くのがこいつの癖だ。
「ん〜、暗いね。それにしても・・・」
「あぁ、ちょっと待ってろ。灯りを点ける」
「うん」
暗いから全然分からん。
そう思った時、足が何かに引っ掛かった。
「うわあ!」
「え?わあぁ!」
皆月をも巻き込み、倒れ伏した。
いたた・・・、ん?それにしても何か・・・口に柔らかい物が・・・。
まさか!!私はソーッと皆月の方を見れば、皆月の顔は目の前にある。
この柔らかい物はまさか・・・。
(皆月にキスしたのかーーーーーー!!!!)
続く
貴方と恋、始めました番外編5話恋に落ちる音が、しました〜風介視点〜
(・・・寝にくいな・・・。)
何故か?簡単な話だ、事故とは言えキスをした人物が隣の部屋で寝ているのだから。
後言っておくが、今私達は無事に生徒会室を抜け、自分の家に居る。
皐月と晴矢には感謝しなくてはならないし、晴矢に何か何か奢れと言われた。
仕方ないとは言えるが・・・やはり、寝にくい・・・。
「はあ〜・・・」
宿題も終わらせてしまったし、何もする事がないな。
安眠できそうなものも・・・ない。
(どうしたものか・・・)
悩んでいると、隣から歌声が聞こえた。
この歌声・・・初めてエイリア学園に来た時も聞いた事がある。
私はベッドから起き上がり、隣の部屋に行く。
ドアを開けると、寝間着姿の皆月が窓を開けて歌っていた。
「あ、風介」
「何してるんだい?」
「寝れなかったから、よく姉さまが歌ってた曲歌ってた」
「そうか・・・。」
謝った方が・・・いいな。
「その・・・今日は事故とはいえ、悪かったな」
「いいよ、周りは暗かったしさ。仕方ないって」
暗くて見えなかったが、きっと皆月は苦笑して言っているのだろう。
「隣・・・いいかい?」
「うん、いいよ」
部屋に入って皆月の隣に腰を掛けた。
「さっきの歌・・・歌ってくれないか?」
「え?さっきの歌?別にいいけど・・・」
そう言って、皆月の声は歌声へと変わっていった。
エイリア学園に初めて来た時、私はまだ小学生でキャプテンとしての責任とかも分からなかった。
ただ分かった事は、父さんに“いつか捨てられるかもしれない”と言う事だけだった。
そんな不安がいっぱいな時だった、夜も眠れなくなって来た時にこの歌を聞いた。
綺麗な歌で心を奪われそうにもなった。
今もこの歌声に心を奪われそうだ。
「♪・・・。どうかな?」
「いい歌だったよ、この歌は久しぶりに聞いたよ」
「そっか、この歌はね、姉さまが私に作ってくれた子守唄なんだよ。」
「そうなのか?」
「うん、エイリア学園に初めて来てキャプテンになって、不安になった時によく歌ってくれたんだ」
フワッと風が部屋に入り込む。
カーテンが一気に捲れあがり、私と皆月を隠す。
風が一時治まると、今度は部屋に月の光が皆月を照らし出す。
その姿は、現代のかぐや姫と言えばいい程に皆月が美しかった。
「すっごい風だったね」
「!あ・・・あぁ」
未だに月の光で照らし出される皆月に、何故かドキドキした。
そして、恋に落ちる音が再び聞こえて来た。
続く
貴方と恋、始めました番外編6話好きだなんて、言えない〜風介視点〜
皆月に恋して何日経っただろう?考えるだけでも、顔が赤くなりそうで無性に皆月に逢いたくなる。
同じ学校だが会えないと言う訳ではないが、学年が違うのだ。
そう簡単に会えるものでもない。
「・・介!風介!」
「!」
「どうしたの?風介がボーっとするなんて・・・」
晴矢に名前を呼ばれ、我に返ると、皐月と晴矢が不思議そうな顔をしながら私を見ていた。
晴矢と皐月が嫌いな数学の時間が終わり、今は休み時間なのだ。
時間が少ないと言う事なのかクラスの何人かは誰かと喋っていた。
「いや・・・次の時間の教科は何だったか思い出していただけだ」
「え?次の時間って、英語だよ?」
「風介が忘れるなんて、世の中珍しい事もあるんだな」
皐月は許せるが、晴矢を後で殴ろうと決めた。
全く、人の事を珍しいとは何だ!私は文句を心の中で零しながら、窓に目を向けた。
そう言えば、意外にも皆月とはエイリア学園でも仲が良いと言えた存在だった。
愛達もエイリア学園の時は、晴矢達のプロミネンスじゃなくて皆月にだけ敵としてじゃなく友達として接していた。
(それに・・・ガゼルの時も何気に皆月とよく行動していたな・・・)
ガゼルの時は、こいつは何で私ばっかりに構うのかと何度も思った。
それでも、皐月に恋した時に相談に乗ってくれた時も何かと心の拠り所みたいになっていた。
皆月に言えば、おかしな話だと笑い飛ばされそうだ。
そんな事を思い出や思いにひたっていると、キーンコーンカーンコーンと予鈴の音が鳴り響く。
その予鈴の音と同時に教師が怠そうに教室に入って来た。
「起立!」
皐月がそう言うと、クラス全員は立ち、礼と言われると軽く礼をした。
「着席!」
そして、英語の時間が始まる。
〜皆月のクラス(皆月視点)〜
ヤバイ・・・すっごいつまらない・・・。
私達のクラスの授業は、数学。
元々、数学が嫌いな私にはつまらない物にしかならない。
(あれ?此処って確か・・・風介と勉強したとこ・・・)
ボケッとその例題を見ていると、先生とばちっと目が合った。
え?最悪・・・。
「死神屋!問題は解けたのか?」
「え”!?」
私は急いで自分のノートを見てみると、既に解けていた。
え?いつの間にと自分でも思う程、無意識に解いていたのだ。
風介のおかげ・・・かな・・・。
「と・・・解けました!」
「よぉーし、なら、答えを書いてくれ」
そう言われ、私は渋々黒板の所まで行き、ノートに書いてあった式と答えを書いた。
すっごいスラスラと解けるんですけど!?驚愕しながら、答えを書き終わると、先生は正解だと言った。
あ〜、怒られずに済んだよ。
「次は・・・」
先生の話を聞きながら、私は2年生が居る東棟の校舎を見た。
エイリア学園の時は、私は姉さまの次に仲が良い奴と言えばガゼル・・・風介だった。
ガゼルには何で私に構うんだって怒られた事もあった。
クスッと今なら笑えてしまう、辛い事も姉さまにあまり話さなかったし、ガゼルによく辛い事も話してたっけ?ガゼルは嫌な顔をしながらも話を聞いてくれた。
(風介って・・・小さい頃から素直じゃなかったからな〜)
ヒロトもそれが分かってか、私と付き合うのをやめて、今は玲名と付き合っている。
私もヒロトをきっぱり諦めて、今の日常を迎えている。
ヒロトと会えば少し気まずいが、今では気まずさも無くなっている。
〜作者目線〜
(でも、今更・・・)
皆月は思い・・・。
(君の事が好きなんて・・・)
風介も思う・・・。
((言えないよね??))
続く
貴方と恋、始めました番外編7話昔の君と、今の君〜風介視点〜
全ての授業が終わり今日も生徒会長に呼ばれ、生徒会の仕事。
部活も最近は忙しくなって来ていて、疲れもあまり取れない。
うちの会長はなんて言えばいいか、此処の学校理事長の息子でその権限で生徒会長になったと先輩の人に聞いた。
まあ印象から言えば、チャラい。
生徒会長選数日に急に立候補したと思えば、自分は理事長の息子だと言い張ったそうだ。
後、何故皐月が副会長になったかというと会長が気に入ったのだと言う。
(彼奴と晴矢が皐月と付き合うなら・・・晴矢の方がマシか)
理事長の息子と言う事もあったのだろう、生徒の大半はそいつに票を入れたのだ。
そして、仕事も終わり帰ろうとした時だ。
「涼野」
「はい?」
うわ、噂をしたらこの会長だ。
手には書類・・・まさか。
「これやってくんね?」
「あ、いや、その「すいません、涼野君はこれから急用で家に急いで帰らないといけないんですよ」
ドアから声が聞こえたと思ったら、皆月が不機嫌そうに生徒会長に詰め寄った。
それには修児、玲名、皐月、晴矢、私が驚き皆月の言動を見守っていた。
会長と言えば、そうなのかと言いたそうな顔で私を見ていた。
「それに、先輩方から聞きましたけど・・・生徒会長ならば、そう言う仕事はキチンとやるものでは?そんなもん出来ないんじゃ、生徒会長として失格ですよ」
皆月と言えば、多分生徒会全員が言いたい事をズバッと生徒会長に言った。
時々思うが、皆月って凄い・・・。
「それじゃあ、後輩の私は此処で失礼しますね」
皆月は可愛らしい笑顔だがこっちから見れば悪魔の様な笑顔で手を振り、生徒会室を後にした。
「そういう事ですので、会長これもよろしくお願いします」
玲名は皆月が去ったのを見計らうように大量の書類を会長に渡した。
笑顔が皆月より怖い・・・。
私達は哀れみな目をしながら、生徒会室を後にした。
校門に行くと、愛と楽しく会話をしている皆月を見つけた。
「あ、皆月!」
「ん?姉さま!!」
「皆月ってすっげーな。あの会長にあんな事言えるなんてな・・・。退学になったらどうすんだ?」
晴矢がそう聞くと、皆月は不思議そうな顔をした。
「大丈夫だよ」
皆月の意味深な笑顔をした時、愛が小声でこう言った。
「皆月、今日のお昼に理事長さんを見つけて、今の生徒会長の事を話したんですよ。先輩方から聞いた事を全部ぶちまけて」
皆月・・・恐ろしい子だな。
明日の会長の顔が楽しみだと思ってしまう私が居る。
私も結構な悪だな。
そして、今日は久しぶりに皆で帰り色んな事を話した。
玲名は最近お日さま園に行き、姉さんの手伝いをしているのだと言う。
姉さんにも久しぶりに会いたいな、治さんもそうだがな。
「じゃあ、俺と皐月と玲名はこっちだな。」
「私とお兄ちゃんはこっちだね」
「私と風介はあっち!皆、またね〜!」
皆に皆月は手を振りながら、私の隣を歩いた。
影が二つ、こうやって一緒に歩くのは小さい頃以来だ。
小さい頃は泣き虫だった皆月を私が手を引いて歩いてあげたっけ?思い出すと、少しだけ笑えてくる。
「どうしたの?風介?」
「フフ・・・別に」
「えぇ〜、嘘〜!絶対私の事で笑ったでしょ!?」
明るい笑顔に何故か胸がトクンと鳴った。
「今日の晩御飯何がいい?」
「そうだね・・・魚が良い」
「魚か・・・じゃあ、鮭でいっか」
夕焼けに照らされた影は二つ・・・。
いつか一つになれたらいいな・・・。
続く
貴方と恋、始めました番外編8話
「ねえ、風介!久しぶりにお日さま園行かない?」
皆月と一緒によるご飯を食べている時だ。
皆月が突然そう言い出した、突然どうしたのか聞くと、夏休みにはお日さま園に居た子達は殆ど部活で来れなくなるかもしれないと言う事で行きたいのだと言う。
まあ、久しぶりに姉さんの顔を見るのもいいかもしれない。
「あぁ、いいぞ。」
「やった!」
誰が来るのか聞くと、玲名とヒロトと茂人と夏彦と皐月と晴矢が来るのだと言う。
大勢来るのだなと苦笑いしながら、ふとヒロトと皆月の今の関係が気になった。
もう別れて何年経ったのか今も気まずいかもしれないと言う不安もあり、逆に一度味わった嫉妬と言う物が心の奥底にあった。
皆月はそんな私と反対にお日さま園に行くのが楽しみなのかワクワクとした表情でご飯を口に運んでいた。
(行きたくないなんて・・・今更言える訳ない・・・)
あんな嬉しそうな顔をした皆月の悲しい顔は見たくない。
そう複雑な思いを持ちながら、一夜を過ごした。
〜翌日〜
「お日さま園・・・久しぶりだ」
玲名の一言に私も同意の頷きを見せる。
ヒロトや皐月はお手伝いとして姉さんが帰って来るまでお日さま園の手伝いをしていたと聞いた。
ボケッとしておくのも迷惑なのでヒロトがお日さま園のインターホンを鳴らすと、ドタバタと大勢の足音が外から出も聞こえて来た。
「は〜い!って、ヒロト兄ちゃんに皐月姉ちゃん!」
「久しぶりだね」
「皆は元気だね〜」
ヒロトと皐月は半ば強引に新しく入って来ている子供達に手を引かれながら、お日さま園の中に入って行った。
私達もその後に続くと、広間にやって来た。
変わらない懐かしい匂いに此処は変わってないのだと思えてくる。
「あ、瞳子姉さん!」
「あら?玲名達じゃない。久しぶりね」
優しい所も変わっていない。
皆月はすぐに姉さんの所に行き、高校生活の事を楽しそうに話していた。
姉さんも嬉しそうにその話を聞きながら、広間に向かった。
「じゃあ、俺達も行こうぜ」
「晴矢の場合は、皐月が取られないかの心配だよね」
「皐月は美人っすからね〜」
「う・・・うるせぇ!!」
図星の様だ。
晴矢をからかうように見ている茂人と夏彦、それに顔を真っ赤にする晴矢も広間に向かった。
茂人・・・性格が変わったな・・・。
「風介、どうしたんだ?」
「いや、何もない。ただお日さま園は変わっていないと感じていただけだ」
私がそう言うと、玲名は周りを見渡して小さな笑みを浮かべてそうだなと言った。
「しかし、風介が自分から行くとは思わなかったぞ。晴矢か皐月が無理矢理でも連れて行くかと思った」
「いや、皆月に誘われて来ただけだ・・・何だ?」
「風介・・・まさかと思うが、皆月に恋したのか?」
玲名の勘が鋭いとさえ思えてしまう。
返す言葉が見つからない私は口を閉じていると、玲名はフフと笑った。
「どうやら、本当らしいな」
「なら、何が悪い?」
「いや、皆月もああやって明るく周囲に接しているが・・・本当は悲しいのだろうな。ヒロトの事が好きだと言う気持ちはきっと何処かにあるが・・・皆月が風介を誘うとはな・・・。」
玲名と皆月の関係はとても親しい関係だ。
皆月にとってはお日さま園のお姉さんみたいなものだ。
玲名にとってはお日さま園の妹のような存在だ。
だからか、お互いが何を隠して何を思っているのかが分かるのは・・・。
「好きだと言う気持ちはきっと何処かにある・・・か・・・。」
そう思っているのだろうか?玲名みたいに少しでも分かればと考えを過らせながら、皆月の元へ行った。
続く
殺してもいいよね?登場人物
裏の皐月
グラン達の目の前に現れた皐月の裏の存在。
皐月の憎しみ、悲しみ、恨みと言った負の感情の塊。
皐月の事を誰よりも理解し、支えている。
皐月を悲しませたグラン達を許さない。
グラン(本名・・・基山 ヒロト)
マスターランクチーム「ガイア」のキャプテン。
皐月が小さい頃裏切ったと思っており、皐月を嫌っている。
それが仇となり、裏の皐月に恨まれる。
ガゼル(本名・・・涼野風介)
マスターランクチーム「ダイヤモンドダスト」のキャプテンであり、カオスの一員。
カオス戦で皐月の様子がおかしい事に真っ先に気づいた一人。
皐月を今でも大切に思っている。
バーン(本名・・・南雲晴矢)
マスターランクチーム「プロミネンス」のキャプテンであり、カオスのキャプテン。
カオス戦で皐月の様子がおかしい事に真っ先に気づいた一人。
皐月を半分嫌い、半分好きと言う曖昧な気持ちを持っている。
コスモス(本名・・・死神屋皆月)
マスターランクチーム「ムーンアース」のキャプテン。
カオスの試合観戦で自分の兄である皐月のプレーがおかしい事に気が付く。
皐月を嫌っており、裏の皐月から非難される。
急に思いついたので小説に書きたいと思います!多分・・・シリーズになりそうです。
さて、まず登場人物紹介から!(恋愛ものになる可能性もあるよ!)
死神屋 皐月(しにがみや さつき)女・中学2年生/(エイリアネーム)ファラ
プロミネンスの副キャプテンで誰もが認めるドS。
実力は本物で何をやっても完璧に出来る天才肌、だけど努力は怠らない。
妹のコスモスとは違うチームだが、よくお茶会もしている程姉妹仲は良好。
バーンとヒートとは幼馴染でバーンをよく弄っている、ファラ曰く弄り易いのだと言う。
容姿・特徴
・黄緑色の髪の毛でポニテールをしている、髪の毛をおろしている所はコスモス曰くレアもの。
・ツリ目で瞳の色は金色。
・誰とも話せる気さくな性格だが、苦手な物を見ると泣き出してしまう。
・苦手な物はお化けと蛙、好きな物は犬や猫、妹のコスモス。
・口調や言動から男の子と勘違いされることが多い。
・一人称は「俺」で二人称は殆ど呼び捨て。
死神屋 皆月(しにがみや みなづき)女・中学1年生/(エイリアネーム)コスモス
ダイヤモンドダストの副キャプテンで姉思いで優しい。
実力は本物で天才肌である姉のファラを尊敬して、日々努力をしている。
ファラとは違うチームだが、よくお茶会をもしている程姉妹仲は良好。
プロミネンスに居るバーラとチームメイトであるアイシーとは大親友。
容姿・特徴
・金髪のセミロングでファラから貰った黒のシュシュを手首にしている。
・パッチリ目で瞳の色は黄緑色。
・ファラとは性格と正反対で人見知りだが、苦手な物を見ても泣き出しはしない。
・苦手な物は喧嘩とホラーゲーム、好きな物は怖い話や肝試し、姉のファラ。
・怒らせるとファラも驚く程のSっ気を出す。
・一人称は「私」で二人称は呼び捨て
第1話寝不足〜作者目線〜
「おっはようー!皆」
黄緑色のポニテールを揺らしながら現れたのはプロミネンスの副キャプテンのファラだ、プロミネンス専用の会議室では殆どの子が集まっていた。
「遅いぞ、ファラ」
「グレントの説教は後で聞くって、ありゃ?チビバーンとヒートとバクレーは?」
ファラがそう聞くと、おは〜!と気楽な声が会議室に響く。
「おっはようー!バクレー」
「おっ!いつもは毒舌吐くファラも来てるじゃん」
「毒舌吐きで悪かったな!で、後はチビバーンとヒートだけだね」
ファラがそう言うと、バクレーは珍しいと声を上げた。
「バーン様はいつもの事だけどね・・・」
「キャプテンの自覚を持ってほしい物だ、ファラも副キャプテンの自覚を持って遅れないように来てほしいが・・・」
グレントが言葉を濁すとファラはグレントの足を踏んづけながら、誰か二人を呼んで来てほしいと言った。
グレントはとんでもない悲鳴を上げながら、ファラに踏んづけられた足を擦っていた。
ファラと言えば、何事も無い様な笑顔でグレントを見ていた。
「さすがドSね。」
「レアン・・・同じ目に遭いたい?「遠慮しとくわ・・・」
「じゃあ、僕が呼んでくるよ!」
「あ、俺も!」
バクレーとネッパーが出入り口のドアを開けると、ドアの前にムスッとした顔をしたヒートとキャプテンであるバーンが居た、バクレーはこれは何かあったなと思いながら何やってんの?と二人に問うた。
二人はハッと我に返り、不機嫌なご様子で先に入れと言っていた。
そして、会議室に入ったものの二人の雰囲気にプロミネンスの子達は何があったんだと口々に言っていた。
「何があったの?バーンが不機嫌なのはガゼル関連かもしんないけど・・・」
「ファラでも分からないの?ヒートが不機嫌な理由」
「ヒートが怒る事って滅多にないからな〜、ヒートが怒る時って何かとバーンが絡んでるし」
「じゃあ・・・今回ヒートが機嫌悪いのって・・・」
「バーンじゃない?バーンも何で怒ってるか知らないけど、まあ、早く会議終わらせてガゼルに昨日喧嘩したか聞いとこ。」
ファラはそう言い、不機嫌な二人に会議をする事を言った。
会議中でも二人が会話することなど無かった。
〜ダイヤモンドダストの階〜
「おっはようー!ガゼル」
「ん?ファラか、今日も元気だな」
ダイヤモンドダストのキャプテンであるガゼルは、今日も元気であるファラに挨拶をして、どうしてここに居るかと聞いた。
ファラは今日の朝の出来事をガゼルに事細かく話すと、ガゼルは考える様な顔をしながら昨日はバーンやヒートとも喧嘩はしてないと言った。
「えぇ〜、じゃああの二人・・・何で喧嘩してんだろ?」
「ヒートとバーンがか?珍しい事もあるもんだな、そう言えば・・・」
「どうしたの?」
「昨日の喧嘩なら・・・多分だが、コスモスかアイシーが見たと思うぞ。二人共、ヒートが怖かったと言っていたからな」
ガゼルの言葉にファラは分かった!と大きく頷き、ガゼルに手を振りながらコスモスとアイシーの元へ行った。
「あ、コスモス!」
「ん?お姉ちゃん、どうしたの?」
アイキューと何かの話をしていたコスモスを見つけたファラは声を掛けると、二人はファラの存在に気づき、どうしてここに居るかを聞いた。
ファラはバーンとヒートの機嫌が悪い事を話すと、アイキューは珍しいと言い、コスモスは何か思い当たる節があるのかやっぱり・・・と小さく言った。
「何かあったの?」
「実は・・・」
続く
恋話ねえ?こんな彼は嫌いですか?それとも好きですか?(茂人×皐月【女】)〜皐月視点〜
「で、茂人さんや」
「はい・・・」
「何だこのテストの点数!?平均ギリギリじゃん!」
俺、死神屋皐月。
何処にでもいる普通の女だと言いたいが、俺には二つ普通ではない事がある。
一つは中学生の頃にエイリア学園と言う悪さをしていた事、あと一つは両親が居ない事。
そして、俺の目の前で正座をさせているのは俺の彼氏である厚石茂人だ、同じ高校に受かったはいい物の1学期の中間テストは俺より低く、平均をギリギリ合格した物。
「この点数・・・あんたテストの間何してた!?」
「ん?殆ど皐月と一緒に居たね、それとバイトかな?」
「ちょい待ち!俺がほぼ悪いみたいな言い方じゃん!俺もバイトやらあったけど、こんな点数は取ってないぞ!」
一応、点数発表すると俺は90点で茂人は52点。
今回の平均点は50点だがこれがもし40点代だと色々とヤバい。
そう言えば、晴矢も平均以下だった・・・。
これ、晴矢の彼女情報ね。
「分かった・・・、今度の学期末テストでこんな点とったら1年間バイトも禁止、俺にも触れちゃダメ!」
「えぇ〜、それただの拷問じゃん!」
「拷問もくそもないよ!現にこのテストで1年過ごして見な!あんた落第点になるよ?俺もこんな点とったらバイトも禁止するし茂人にも触れないから」
「うぇ〜〜!それだけはヤダ〜〜!!」
俺だってやだよ。
と言う事次の学期末まで俺は茂人にみっちり勉強を教えた。
「てな訳、風の彼氏の晴矢さんもどうよ?」
「まあまあの出来だ、皐月も大変だな」
「そうなのよ!たっく、離れたくないから一緒の高校にしてやったのに・・・」
俺の愚痴を聞いているのは晴矢の彼女である涼野風。
こいつも普通の女の子ではなく、俺と同じようにエイリア学園ダイヤモンドダストのキャプテンで親も居ないのだ、俺の所属チームは茂人と同じプロミネンス。
そのプロミネンスの元キャプテンが南雲晴矢、風の彼氏だ。
こいつも親が居ない。
「あ、晴矢寝てるぞ」
「おい、起きろ。チューリップ、別れるぞ?」
「うわぁ!!」
早ッ・・・!さすが風だ。
茂人も寝たらこの方法を使おう。
「と言っても、風は晴矢に夢中だからね〜」
「んな!皐月、それ以上言ったら茂人にあの時の話をするぞ!!」
「あはは・・・それはご勘弁くださいよ〜、風姉さん〜!」
風はこのクラスの中でも学力や容姿はダントツ1位だ、俺は聞けば2位くらいなのだと言う。
まあ、風は美人だし頭いいし憧れる所は山程ある。
晴矢と風はエイリア学園でも犬猿の仲だけどもいい好敵手として、お互い認め合っていた。
そして、カオスまで組んだ仲なのである。
俺も茂人もカオスの一員として二人の様子を見ていた、あ、後この二人が付き合い出したのはエイリア学園から追放されてすぐだ、早いよ。
「お互い苦労するね〜」
「あぁ、だがまだ茂人の方がマシだぞ?このチューリップなんぞ平均以下だ」
「あはは・・・でも、茂人も危ない点数だったんだよ?」
「まあ、学期末で平均以下なら私は本気で別れるぞ。分かったな?」
半ば脅しですぜ、風姉さんよ。
続く
↑の登場人物紹介
死神屋 皐月(しにがみや さつき)高校1年・女
元・エイリア学園プロミネンスの副キャプテンで現在は茂人の彼女。
中学の出身はエイリア学園から雷門に、皆月とは仲良しで皆月の彼氏である徹を彼氏として認めている。
口は悪いがそれがいいと学校では評判で男子から密かにモテている。
風とはエイリア学園の時から仲良しでお互いの愚痴も言い合える程。
容姿&特徴
・黄緑色のサイドポニテールをしていて少しだけ髪の毛を出している。
・目は悪くなってしまってメガネをしている、目の色は金色で目の形はアーモンド形。
・一人称は「俺」で二人称は呼び捨て
・所属する部活はサッカー部で風と同じマネージャー。
・頭は良くクラスで2位。
涼野 風(すずの ふう)高校1年・女←※風介が女体化
元・エイリア学園ダイヤモンドダストキャプテン兼カオスの副キャプテンで現在は晴矢の彼女。
出身の中学はエイリア学園をやめて(と言うか、潰れて)皐月とは違う中学校に行った。
容姿端麗で頭が良くクールな所が良いと言う事でモテているが、本人は自分は可愛くもないと言っている。
皐月とはエイリア学園の時から仲良しでお互いの愚痴が言い合える程。
容姿&特徴
・銀髪のロングヘアで所々髪の毛がはねている、晴矢から貰ったカチューシャをいつもしている。
・目の色は青色で目の形は二重。
・一人称は「私」で二人称は親しい子達には呼び捨てで晴矢には「チューリップ」や「貴様」と言ったり時々呼び捨て。
・所属する部活はサッカー部でマネージャーをやっている。
・頭や容姿は良くクラスで1位、本人はどうでもいい順位だと言っている。
厚石 茂人(あつせき しげと)高校1年・男
元・エイリア学園プロミネンスの1人でカオスの1人でもあった、現在は皐月の彼女。
中学の出身はエイリア学園をやめて(と言うか、潰れて)違う中学校に行った。
皐月が大好きで皐月からどれだけキスすれば気が済むと言うぐらいキスをすることが多い。
晴矢とは幼馴染で風に晴矢の事を任せている、頭は良いが皐月にくっついてばかりなので点数が悪い。
容姿&特徴
・白髪の髪の毛で頬に切り傷がある。
・目の色は緑色で目の形はパッチリ。
・一人称は「俺」で二人称は呼び捨て。
・所属する部活はサッカー部でMFを務めている。
・皐月を困惑する程皐月が好き。
・頭は良いがテストの点数は悪い。
南雲 晴矢(なぐも はるや)高校1年・男
元・エイリア学園プロミネンスのキャプテン兼カオスのキャプテンで、現在は風の彼氏。
中学の出身はエイリア学園をやめて(と言うか、潰れて)違う中学校に行った。
風の事が大切で傷つける奴は病院送りにしたと言う噂もあるが、そんな噂はデタラメらしい。
茂人とは幼馴染で皐月に茂人を任せている、頭はそこそこ良いがテストの点数は凄い酷い。
容姿&特徴
・赤色の髪の毛で風にはチューリップと呼ばれている(その理由はアニメとかで・・・)。
・目の色は金色で少しツリ目。
・一人称は「俺」で二人称は呼び捨て。
・所属する部活はサッカー部でFWを務めていて、1年生ながらもエースストライカーを務める。
・風が大切で風に暴言や暴力を振る奴は本気で許さないらしい。
・頭はそこそこ良いが、テストは幻滅的にやばい。