この小説の主人公は緑川リュウジだよ、それではオリキャラ紹介。
喜怒(きど)女
妖怪相談屋を営んでいる店長。
種族妖怪は感情を操る妖怪である、名前の通り喜びと怒りを操る。
従業員で緑川をスカウトした人物で謎が多いとされている。
自由気ままで気分次第で妖怪退治をする事も。
容姿
・黒髪のロングヘアで巫女服を着ている。
武器:術全般で愛用の厄払い棒
・目の色は赤と黒のオッドアイで赤色の瞳を見れば未来を黒色の瞳を見れば過去が見れる。
・一人称は「俺」か「うち」
・年齢は秘密
哀楽(あいらく)男
妖怪相談屋の副店長。
妖怪種族は名前の通り哀しみと楽しみを操る感情妖怪で喜怒の弟。
殆どの従業員は哀楽がスカウトしている、緑川に興味津々。
姉とは真逆の性格で無表情でクールだが妖怪退治になると・・・。
容姿
・濃い青色のショートヘアで狩衣を着ている。
武器:刀技全般で愛用の名刀『髭切り』と『膝切り』を持っている。
・目の色は青と黒のオッドアイで、青色の瞳を見れば災いをお越し黒色の瞳を見れば幸運が来る。
・一人称『僕』か『哀楽』
・年齢は秘密。
プロローグ〜???視点〜
此処は誰も通らない小さな路地裏、そこを突き抜ければ古い古い一軒家がある。
其処の家に掲げられている看板に書かれているのは『妖怪相談屋』、それでは少し覗いて見よう。
「ただいま・・・姉さん・・・」
「お帰り〜、哀楽。うわ〜、今日もまた派手に傷いっぱい作っちゃって」
1人の黒髪の少女が少年に近づいて、傷が出来てしまった頬をそっと触る。
すると、不思議な事に傷が出来ていた頬は見る見るうちに治って行くではないか。
「哀楽・・・、今日は寝る」
「分かった、今日はゆっくり休みなさい。お姉ちゃんはちょっと調べ物して来るから」
「うん・・・」
少女は少年にそう言うと、少年はスーッと奥の扉の方に消えて行った。
少女は座っていた場所にもう一度座りこう呟いた。
「最近の不祥事が多い理由は・・・瘴気か・・・。これはまた、まずいかも」
プロローグ終了
第1話謎の少女と少年〜緑川視点〜
真夏日に近い今日この頃、俺『緑川リュウジ』は友達の風丸と一緒に遊びに行っていた。
今日もまた黒い曇りが多い、此処最近そんな曇りの日が続いている。
「今日もだな・・・」
「そうだね〜、いつまで続くんだが」
その黒い曇りが現れたのは最近の事、今日でもう1週間は経った。
それに学校に行っては黒い曇りが出来てから気分が悪く鳴った子も増えて何処からも学級閉鎖になる位大変な事態になっている。
俺と風丸のクラスももうすぐで学級閉鎖になるのではと言う程、休んでいる子が沢山居る。
俺が大きな溜息を吐き、空を見上げた時だった。
「え?」
俺が見たのは、屋上から屋上を飛び移って行く少女と少年の姿あった。
「どうした?緑川」
「え?何もないよ!今何時だろ?」
「んっとな・・・やべ!俺今日はもう帰るわ!じゃあな!」
風丸が慌てる時間か・・・、俺はまた空に目を向けたその時何かが俺の目の前に落ちて来た。
凄い暴風に俺は顔を覆い隠した、爆風が治まって顔を上げるとそこには刀を両手に持った男の子と厄払い棒を持った女の子が立っていた。
え?此処日本だよね?刀なんで持ってんの?何で空から来たの?俺が混乱していると、男の子が俺に気が付いた。
「姉さん・・・人間に俺達が見えてる」
「え?冗談・・・え!?嘘!?」
男の子の言葉に女の子は俺を見てびっくりした様子だ、まるで目から鱗。
俺は男の子と女の子の間から見える物を目を凝らしながら見た、そこには血塗れの物体がアスファルトに叩き付けられていた。
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「え?あぁ〜、これか。大丈夫、一種の瘴気にまみれた妖怪だから」
妖怪・・・?いやいやそんなの迷信でしょ?俺がそう納得しようとした時、男の子は俺の後ろを指差した。
「え?」
何と、通り過ぎる人は女の子にも男の子にも血塗れの物体にも目もくれず歩いていた。
「分かった?この血塗れの物は妖怪だって、まあ、俺達も妖怪だけど。さて、封印させていただくよ」
「君・・・退いてた方が良いよ」
「あ、うん」
俺は男の子に言わるがままに少し離れていると、女の子はブツブツと何か言っていた。
「五行の上に汝を封印する、“五行封印”!!」
『ギョェェェェェ!!』
血塗れの物体は醜い悲痛な叫び声をあげて消えて行った、俺はポカーンとしていると男の子と女の子は誰も通れないような細い路地に消えて行った、俺も急いでその子達を後を追う。
「狭ッ!」
うん、見ての通り狭い。
やっと路地から抜けたと思ったらそこには古い古い一軒家がポツーンと立っていた。
俺は傍まで寄ってくると家に掲げられている看板が目に留まる。
そこに書かれていたのは・・・『妖怪相談屋』と書かれた看板だった。
あの女の子と男の子に出会った時、俺の運命の歯車は変わって行く。
そう・・・まさか、『妖怪退治をやれ』なんて言われるとはこの時の俺には分からなかった。
続く
妖怪相談屋の従業員紹介
店長・・・喜怒
副店長・・・哀楽
〜従業員紹介〜
基山ヒロト(通称:ヒロトかグラン)男
妖怪相談屋の従業員。
種族妖怪は九尾で妖力は1級品。
何処か掴みにくいが相談屋の中でも哀楽と同じ常識人。
妖怪退治専門で哀楽とはライバル関係。
武器:妖術か槍術
涼野風介(通称:風介かガゼル)男
妖怪相談屋の従業員。
種族妖怪は雪女に位置するが、れっきとした男である。
冷たく冷静だが怒ると我を忘れてしまう。
妖怪退治と相談を両方を受け持っている、ヒロトとは知り合い。
武器:氷を使った術か刀技
南雲晴矢(通称:晴矢かバーン)男
妖怪相談屋の従業員。
種族妖怪は火車に位置するが、死体運びには興味がない。
風介とは真反対の性格で好戦的で短気だが風介の事を理解している。
妖怪退治と相談を受け持っている、ヒロトと風介とは知り合い。
武器:斧技か炎を使った術
八神玲名(通称:玲名かウルビダ)女
妖怪相談屋の従業員。
種族妖怪は天狗だが、格は高い。
従業員の中でも真面目で仕事も早い。
相談を受け持っている、ヒロトと風介と晴矢とは知り合い。
現状はこの子達だけ、これからもよろしくです
第2話意味深な言葉〜緑川視点〜
俺は学校の帰り道に昨日通った道を歩いていた、ふと昨日あった路地がまた目に入った。
そう言えば・・・昨日の子達、何処行ったんだろう?俺は路地をじーっと見ながら通ろうか通らないか考えたが、興味本位とは恐ろしい物だ。
俺は興味本位で路地に通る事にした。
「やっぱ狭!!よく、昨日の子達も此処に通れたな」
俺は文句を零しながら路地を出ると、やっぱり古い古い一軒家がポツーンと立っていた。
目の前に来れば、妖怪相談屋と書かれている。
入ればいいのかな?俺はドアに手を掛けると、青髪の女の子が出て来た。
「貴様・・・何者だ?」
「え?あ、いや・・・、緑川リュウジです」
威圧感が凄い・・・。
「ウルビダ〜、どうしたの?」
「喜怒か、人間が来た。お前が言っていた妖怪が見える子供か?」
喜怒?俺が首を傾げていると、青髪の女の子の後ろから見た事ある子が出て来た。
そう、昨日の巫女服の女の子だ。
「あぁ、そうそう!この子だよ、この子!」
「そうか、すまなかった。さあ、入れ」
青髪の女の子に言われ、俺はオズオズと一軒家の中に入って行く。
家の中に入れば、外見とは違い落ち着き感がある家の中だった、俺が案内されたのはいかにも相談室っぽい所だった。
俺はソファーに座ると、喜怒と言われた女の子がお茶を出しながら俺に話し掛けて来た。
「昨日は驚かせちゃったね。俺の名前は喜怒、此処妖怪退治屋の店長で君たち人間の怒りと喜びを操る感情妖怪さ。んで、昨日刀を持ってた子が俺の弟の哀楽」
「あ、うん」
「そして、昨日俺が封印したのは妖怪。迷信でもなんでもないよ。で、君に頼みがあるんだけど・・・」
「何?」
「君はいつからこの場所知ってた?」
「それは昨日知ったばかり・・・」
俺がそう言うと、喜怒さんはやっぱりと小さく呟いて俺をじーっと見た。
俺はビクッとしながら喜怒さんを見る。
「君って、この相談屋で働かない!」
「え”!」
無理です、俺は一言そう言いたいが喜怒さんは入れる気満々だった。
「え・・・でも、俺・・・中学生ですし・・・」
「大丈夫だって!ねえ!!「姉さん・・・嫌がってる」あ、哀楽」
喜怒さんの目線の先には背中に二本の刀を背負っている男の子が居た。
「ごめん、僕の姉さんが・・・」
「あ、いえ」
「姉さん・・・玲名、呼んでた」
哀楽さんがそう言うと、喜怒さんは忘れてたと言う様な顔で急いで何処かへ行ってしまった。
「さあ、早く帰りなよ。姉さんには僕から言っておく」
「あ、ありがとうございます」
「後、何か異変があれば此処に来てね。特に・・・周りが最近病に降りかかって居たら・・・」
哀楽さんは最後意味深な言葉を言いながら見送ってくれた。
俺は不思議に思った、だって、哀楽さんはまるで何かを知ってるような言い方だった。
俺は路地裏を抜ければ、空はもう真っ黒だった。
早く帰ろう・・・どうせ、父さんも母さんも仕事だし・・・。
〜妖怪相談屋(作者視点)〜
「あれ?あの子は?」
喜怒はキョロキョロと緑川の姿を探すが、何処にも居ない。
「帰したよ、もう空は暗かったし」
「そう・・・それにしても、この町の瘴気は他の町と違って異常だね」
「やっぱり・・・、ヒロトも言っていたよ」
哀楽はそう言うと、自分の刀の手入れに移った。
喜怒も未だに空を黒く覆い隠している雲を睨みつけていた。
続く
第3話依頼〜緑川視点〜
翌日、学校に行くと教室には数人しか居なかった。
俺は窓辺側の席に座って、窓に映る黒い雲を見る、最近本当に多いな。
久しぶりに太陽が見たい、そう思える程太陽に会いたいと思っている。
前の席を見れば、風丸の姿はなかった。
(風丸・・・遅いな〜。そろそろ学校が始まるのに・・・)
いつもなら俺より先に来る風丸の姿もない、そしてとうとう最初の授業が始まった。
周りを見れば片手で数えるぐらいの人しか居なかった、でも、その人達も咳をし始めていた。
先生もその一人だ、席をしていないのは俺一人ぐらいだ。
(おかしい・・・おかし過ぎるよ・・・)
そして、とうとう先生や俺を抜いた皆も倒れてしまい俺は怖くなってきた。
授業は続行できないそう判断されて俺は早足で学校を出る、ふと、昨日哀楽さんが言った言葉を思い出す。
『後、何か異変があれば此処に来てね。特に・・・周りが病に降りかかって居たら・・・』
異変・・・病・・・、俺は自分の家のドアの前で立ち止まりながらそんな事がループした。
家の中に入って、風丸の家に連絡をしてみる。
「もしもし、緑川ですけど・・・」
『緑川か?ゴホッ、ゴホッ、ケホッ』
「ど・・・どうしたんだよ!!」
『昨日から具合が悪くてさ、今日熱を測ったら40℃近くあって・・・』
「そうか?無理すんなよ・・・」
俺はそう言って、電話を切り自分の部屋に駆け込み小遣いを確かめる。
そして、俺が向かう先は・・・。
〜妖怪相談屋〜
「は〜いって、緑川君?」
妖怪相談屋だ、他にこんな店があるなら他を当たっていたがそんな店は絶対に存在しない。
だから、此処に来た・・・。
「はぁ・・・はぁ・・・、お願い・・・が・・・あります」
「・・・分かった、只事じゃ無い様だね。哀楽、ヒロト達全員集めて」
喜怒さんはそう言うと、俺を中に入れてくれた。
相談室っぽい部屋に行けば、そこには見慣れない人たちが何人か居たがそんなの気にも留めない。
「で、緑川リュウジさん。あんたの依頼は?」
「その・・・学校の皆を助けてください!うまく言えませんけど、最近皆苦しそうにしたり病気になったりしてて・・・それで今日尋ねてきました」
「ふむ、ヒロトその妖怪調べて来て」
「了解、店長」
ヒロト言われた男の子はまるで風の様にその場に居なくなった。
「さて、此処での説明をしてなかってね。此処での依頼は対価が必要なんだ」
「お金なら・・・少ないですけど・・・」
「俺達はお金が無くても住めるからいいさ、君の依頼の対価は妖怪の強さで決まる」
喜怒さんがそう言った時、ヒロトさんが戻って来て、喜怒さんに何か耳打ちしていた。
喜怒さんは話の内容が分かると、俺にこう言った。
「君の支払う対価は少し大きいかな?命を貰うって奴じゃなくてよかったね」
「それで妖怪なんですか?それ・・・」
「あぁ、正体は土蜘蛛。病を振りかけるのも容易い」
喜怒さんはそう言うと、俺の手を引いた。
辿り着いたのは何もない場所だった、やっと喜怒さんは俺の手を離すと指に灯っていた火をフーっと吹くと火は転々と移動した。
そして、そこに映るのは不気味な程の体だった。
「世の中も末さ。これは人間が考えた物、本来の土蜘蛛は大人しい。まあ、この町の瘴気が原因だ」
「瘴気・・・?」
「黒い雲があるだろ?あれが瘴気の塊だ」
喜怒さんはそう言い、また壁画に目を移した。
「喜怒、どうする?今回は・・・」
「土蜘蛛は元々火が弱い、俺とヒロト晴矢で行こう」
晴矢と言われたその人は了解と言うと、ヒロトさんと同じように風の様に消えた。
「あいつは南雲晴矢、俺はバーンって呼んでるんだ。詳しい紹介はあいつがしてくれる」
「そうなんですか・・・、それで俺の対価は?」
「な〜に、簡単な話。此処で働く気はない?それが今回の対価」
続く