どうも!キャンディです!
今回はアメリカのアニメ「サウスパーク」の
ほのぼの小説を書いていこうと思います!
私の友達の皆さんも、ぜひ書きに来てくださいね!
それでは、よろしくお願いします!
そして夜中。ステラと本家スタンが寝ると、スタンはこっそりと家を出た。
ウキウキしながら、走って公園へ向かっていく。
スタン「どんな幽霊なんだ?本当かはどうかわからないけど、楽しみだぜ!」
公園に着くと、辺りをキョロキョロ見回した。
よく見ると、ベンチには誰かが座っている。
スタン「へい!お前がウワサの幽霊か?」
スタンは走って相手に近づくと、元気よく声をかけた。
ベンチに座っているのは、スタンと同じく8歳ぐらいの少年だった。
少年は下を向いて泣いている。スタンは優しい口調で聞いた。
スタン「どうしたんだ?」
???「みんな、僕を怖がるなんてひどいよ…。なにもしてないのに…。」
スタン「どうしてこんな時間にいるんだ?」
???「僕の思い出の場所だから。…君は、僕の事を覚えてる?」
少年は顔を上げてスタンを見た。
スタン「えっ…?えっと…。」
スタンは必死に思い出そうとするが、なかなか思い出せない。
???「君は確か、スタンくんだよね。」
スタン「ああ、そうだが…。なんで知っているんだ?」
???「小さい頃、よく遊んでいたじゃん。」
スタン「小さい頃…?……あっ!」
スタンは目を見開くと、両手をポンッとたたいた。
スタン「お前、もしかして…!カルロスか!?」
カルロス「そう!」
彼の名はカルロス・ホイットフィールド。スタンの幼馴染なのである。
スタン「うわ~!久しぶりだな!」
カルロス「うん!僕もずっと会いたかったよ!」
2人は嬉し泣きをし、抱き合った。
スタン「お前、引っ越したハズだろ?遊びに来てくれたのか?」
カルロス「うん、そうだよ!」
カルロスは明るくうなずいた。
スタン「でも、なんで幽霊扱いされているんだ?」
カルロス「あぁ、それはね……。」
スタンはベンチに座り、カルロスの隣で話を聞く事にした。
カルロスは悲しそうに話す。
カルロス「引越し先で病気になっちゃったからなんだ…。」
スタン「病気?」
カルロス「うん。入院したんだけど、治らなくて…。」
スタン「それってつまり、まさか…!」
スタンは驚くと、カルロスは黙ってうなずいた。
実はカルロスは、病気で亡くなってしまっていたのである。
スタン「ウソだろ…!?」
カルロス「ごめんね、急にそんな事を言っちゃって…。」
スタンは泣きそうになった。カルロスも悲しそうに謝る。
スタン「大丈夫だ。俺こそ、気づいてあげられなくてごめんな…。」
カルロス「ううん。引っ越しちゃったから、仕方ないよ。」
スタン「そうか…。」
スタンは何回もうなずいた。
しばらくすると、スタンは両手をポンッとたたき、昼の出来事を話した。
スタン「あ~そうだ!俺さ、昼にアルバム見たんだけどよ~…!」
カルロス「あ~!確かに見てたよね!ステラちゃんと一緒に…。」
スタンが「小さい頃に撮った、俺とお前の写真があったぜ!」と言おうとすると、
カルロスはすぐに反応をした。
スタン「知っているのか?」
カルロス「うん。見えなかったかもしれないけど、ちゃんと空から見ていたよ!」
よく言うでしょ?見えぬけれどもあるんだよって…。」
カルロスは、「星とたんぽぽ」という詩の一部を言った。
スタン「ああ、確かに聞くな!昼のお星は目に見えぬ…ってやつだろ?」
カルロス「そうそう、それそれ!最近、僕はこの詩が好きになったんだ!」
スタン「へ~!確かにお前らしい詩だよな!」
スタンは笑顔でうなずくと、カルロスの表情は明るくなった。
カルロス「ありがとう!その詩の通り、僕の姿は見れなくなっちゃうと思うけど、ちゃんといるからね!」
スタン「ああ!ずっと一緒だぞ!」
スタンは両手を差し出し、カルロスの片手をにぎった。
心の中で「スタン・スマイリー・レインボー!」と、笑顔の魔法を唱える。
カルロス「魔法だ…!ありがとう…!」
スタンの魔法がカルロスに伝わると、カルロスは優しく微笑んで立ち去った。
スタン「えっ!?ちょっ…!」
スタンは片手を伸ばし、どこに行くのか聞こうとした…その時!
カルロス「本当にありがとう、スタンくん…!」
スタン「…!!」
なんと、空からカルロスの声が聞こえてきたのである。
スタンは、満天の星が輝いている夜空を見上げ、微笑むのであった。
~スタンと少年 その後~
スタンとカルロスが別れて数時間後、夜が明けた。
夜中に外を出たスタンは、家で私服のまま寝過ごしていた。
スタンの家の前では、カイルとピップとクレイグが待っている。
カイルはドアをノックしていたが、昨日のように慌ててはいなかった。優しくドアをたたいていたのである。
カイル「スタン、起きてる?」
声とノックに気づいた本家スタンは、スタンを起こした。
本家スタン「兄ちゃん、カイルが来てるよ。」
スタン「う~ん…スタこま…。」
スタンは口癖である「スタこま」を使い、横ピースをした。
眠い目をこすりながら、ドアを開ける。
スタン「へいカイル~、おはようだぜ…。」
カイル「おはよう、昨日はどうだった?」
ピップ「幽霊の話が聞きたいんです!」
クレイグ「本当にいたのか…?」
カイルは冷静に、ピップは興味津々に、クレイグは半信半疑でスタンを見ていた。
スタン「いたぜ…。」
ピップ「やっぱりいたんですね!」
スタンは悲しそうに下を向いた。
ピップは「いた」と聞いた瞬間に笑い、スタンの様子を気にしなかった。
スタン「いたけど…その…。」
カイル「スタン、どうしたの?」
スタン「実はな…。」
スタンは昨日の出来事を全て話した。
カイル「ええっ!?そうだったの!?」
クレイグ「カルロス…ウソだろ…?」
ピップ「ごめんなさい、カルロスくん…。」
カイルたちは泣きそうになった。
小さい頃、スタンたちとカルロスの5人で遊ぶ事が多かったからである。
スタン「ちょっとカルロスからも話を聞いてみるか?」
カイルたちは黙ってうなずいた。
スタンは魔法でカルロスの姿を映す。カルロスも悲しそうな顔をしていた。
カルロス「僕だって、まだまだ遊びたかったよ…。」
カイル「そうだろうね…。病気にかかったって気持ちよくないし…。」
スタン「俺がお前のそばにいたら、お前の病気を治せたのによ…!」
スタンは泣き出した。スタンが泣くと雷が落ちるので、ゴロゴロという音が空に響いた。
ピップはスタンの背中をさすりながら、カルロスに聞いた。
ピップ「もし、ここに戻って来れたら、また僕らと遊びたいですか?」
カルロス「うん…、戻れたら嬉しいのに、無理なんだよね…。」
ピップ「いいえ、僕があなたを復活させてみます!」
スタンたち「ええっ!?」
ピップは強く首を横に振って、本気そうな顔で言った。
つまり、ふざけではなさそうだったのである。
スタン「マ、マジで言ってんのか!?」
カイル「ピップ、なに言ってんの!?」
クレイグ「どうやって復活させるんだ!?」
カルロス「本当に…!?」
スタンたちは驚いていた。
いつも明るいボケ役であるスタンも驚くほど、衝撃的な発言だったのであろう…。
ピップ「では、行きますよ……!ピップ・リザレクション!!」
ピップは大きく息を吸うと、大声で魔法を唱えた。
彼は光属性なのだが、回復や復活の魔法も使えるのである。
カルロスは両手を広げ、自分のお腹の辺りを見た。
カルロス「これで…戻れたの…?」
ピップ「はい、僕の手を触ってみてください!」
ピップは片手の手の平をカルロスに向けた。
カルロスも片手をピップの手に近づけていく。
すると、カルロスはピップの手に触れる事ができた。
カルロス「本当だ…!僕、生きてる…!ありがとう、ピップくん!」
ピップ「いえいえ、ジェントルマンとして当然ですよ!」
カイル「ジェントルマンってそんな事するの?」
クレイグ「ま、これで解決できたというわけか。」
クレイグは腕組みをしてうなずいた。
スタン「これからもよろしくな、カルロス!」
カルロス「うん!」
クレイグ「待てよ、家とかはどうするんだ?」
スタン「俺が魔法で建てるから大丈夫だぜ!ピロリ~ンってな!」
カイル「ピロリ~ンってなに!?なんの効果音!?」
みんな「アハハハハ!」
こうしてカルロスは、再びサウスパークに戻る事ができたのであった。
新キャラ紹介
☆ステラ・マーシュ
サウスパークのオリキャラ。スタンの実の妹。
7歳なので、スタン3兄妹の末っ子となる。2人の兄(Wスタン)の事が好き。
一人称は「ステラ」。二人称は「あなた」、「~くん」、「~ちゃん」、「~さん」。
☆カルロス・ホイットフィールド
サウスパークのオリキャラ。スタンの幼馴染の男の子で、おとなしい性格。
小さい頃はスタンたちとよく遊んでいたが、途中で引っ越してしまった。
実は引越し先で病死してしまった事が判明されたが、ピップの魔法によって復活できた。
一人称は「僕」。二人称は「君」、「~くん」「~ちゃん」「~さん」。
☆クライド・ドノヴァン
マイペースな男の子。泣き虫な所がある。
名前がクレイグと似ているので、ピップに「クレイグくん」と間違われてしまう事がある。
だが、クライドはボケ役なので気にしていない。
実はスタンに憧れていて、「魔法が使えたらな~…。」といつも思っている。
一人称は「俺」。二人称は「君」、呼び捨て、「~さん」。
☆ベーベ・スティーヴンス
優しい女の子。ウェンディが冷たい態度を取ると注意するしっかり者。
面倒見がよく、小さい子と遊ぶ事が大好きなので、本家スタンやステラと仲がよい。
一人称は「私」。二人称は「あなた」、呼び捨て、「~さん」。
☆本家スタン
スタンの弟。本家サウスパークの世界からやってきた。
最初は兄のテンションについて行けなかったが、今はお兄ちゃん大好きっ子となっている。
スタンの事を「兄ちゃん」と呼んでいて、スタンとステラ以外のみんなからは「弟くん」と呼ばれている。
一人称は「俺」。二人称は「お前」、「君」、呼び捨て。
~Let's Go、ミラクルタウン!~
スマイルタウンに続いて、また別の町からスタンの友達がやって来た。
フレッシュワールドに住む宮花(みやはな)いちごと、まったり村に住む悪咲(あくさき)ほのあである。
いちご「ヤッホ~、スタン!遊びに来たよ~!」
ほのあ「ここがサウスパークっていう所なんだね~!」
スタン「そうさ!来てくれてサンキュー!」
らら、るる、りりの3人も、スタンたちの所へ近寄っていった。
ららとるるは嬉しそうにしている。
らら「ふぉおおおお!!いちごちゃんとほのあちゃんだ~~!!」
るる「しかもスタンもいる~~!!会えて嬉しい~~!!」
りり「うるさいわよ!!スタンくんはここの住人だから会えてあたりまえよ!
いちごちゃん、ほのあちゃん、こいつらが口悪くてごめんなさい…。」
りりは頭を下げた。スタンの名前を出さないのは、
スタンがららとるるの騒ぎに慣れているからである。
いちご「大丈夫だよ!私も会えて嬉しいから!」
ほのあ「ららたちも来ていたんだね!」
いちごとほのあは微笑んだ。
るる「あったりまえじゃん!!スタンたちと遊びたいんだもん!!」
るるは明るい笑顔と大声で答えた。
いちご「私も、もっとスタンたちと遊びたいな!」
スタン「センキュー!みんなで遊ぶと楽しいからな!騒ごうぜ~!」
りり「あ、遊ぶのはいいんだけど、騒ぐのはちょっと…。」
クールな常識人のりりは、騒ぐ事がないのである。
騒ぐ事が大好きなスタンとは性格が正反対なのだ。
ららは両手をポンッとたたいた。
らら「思ったんだけどさ、みんなで同じ町に住めたら楽しくない?」
みんなは何回も激しくうなずいた。
ほのあ「いいね、楽しそう!」
いちご「うんうん!にぎやかで楽しい町になると思う!」
るる「さんせ~い!住みた~い!」
るるは片手を挙げた。
らら「だよね~!住めたらいいのに~!」
りり「なに言っているの!?みんな、それぞれ住むところがあるじゃない!」
スタンは反対しているりりを見ると、こう言った。
スタン「大丈夫さ!いい所があるぜ!」
いちご&ほのあ&らら&るる&りり「本当!?」
スタン「ああ!」
スタンはチラシを取り出した。
いちご「なになに?『ミラクルタウン、住人募集中』…?」
ほのあ「『世界観が違う所から来た者でも、気軽に住む事ができます。』」
らら「『さぁ、あなたもコラボの世界を楽しんでみませんか?』」
いちごたちがチラシに書いてある文を読むと、
るるはりりの片手を両手でにぎり、激しく揺さぶった。
るる「…だってさ!だから行こうよ、りり!」
りり「わかったわよ!わかったから離してちょうだい!」
るる「は~い!」
るるは手を離した。
りり「はぁ…全くもう…。」
いちご「楽しそうな町だね!みんなで行きたいな~!」
ほのあ「私も私も~!まったり村の住人以外の子にも、ほのあんぱんをふるまいたい!」
らら「教えてくれてありがとう、スタン!」
スタンの見せたチラシは大好評だった。賛成が多かったからである。
スタン「いえいえだぜ!早速行くぞ!」
みんな「お~~っ!!」
みんなはグーにした片手を上に挙げると、サウスパークの駅から電車に乗る事になった。
しばらく乗っていると、アナウンスが流れた。
アナウンス「まもなく、ミラクルタウン、ミラクルタウン。」
スタン「よし、降りるぞ!」
いちご「もう着いたの?」
ほのあ「う~ん…寝ちゃった…。」
ほのあはららに体を揺すられると、目をこすってイスから降りた。
電車から降りると、広い町へ出た。
みんな「わ~~!!キレ~~イ!!」
いちご「素敵~!こんな町があったなんて…!」
ほのあ「こんなに大きい所へ住んじゃっていいの!?」
らら「まるで夢みたい…!ぜいたくな気分だよ…!」
辺りを見回して、景色にうっとりしていた…その時!
???A & ???B「ようこそ、ミラクルタウンへ!」
男の子と女の子が、スタンたちのいる所へやって来たのだ。
スタン「な、なんだ?」
アレン「俺はアレン!ウワサが好きな、ミラクルタウンの情報屋さ!」
リリアン「案内人のリリアンと申します!」
みんな「よろしくお願いしま~す!」
みんなは頭を下げた。
リリアン「今日は来てくれてありがとうございます!」
スタン「いえいえだぜ!住人を募集していると聞いたんだが…。」
アレン「もちろんしているぞ!住みに来たのか?」
スタンたち「はい!(ああ!)」
アレンは笑顔で聞くと、みんなは一斉にうなずいた。
リリアン「ありがとうございます!とっても嬉しいですよ!」
アレン「家はいっぱい建っているから、好きなのを選んでくれよな!」
スタンたちが、アレンの「家はいっぱい建っている」という言葉を聞くと、スタンは言った。
スタン「家がすでにあるって事は…もう住んでるやつがいるのか?」
リリアン「いいえ、最近できた町なので、あなたたちが1番目の住人なんですよ!」
りり「だから、こんなにキレイなのね!」
るる「イエスイエスエ~~ス!!るるたちが第1号の住人なのだ~~!!」
「イエスエスエ~~ス!!」は、るるの口癖である。
いちご「私の友達も誘いたいな~!」
リリアン「もちろんいいですよ!人数は問いませんので!」
ほのあ「やった~!まったり村のみんなも連れてこよ~っと!」
らら「うん!にぎやかな方がいいもんね!」
元の町の住人たちを誘う事にすると、スタンは言った。
スタン「ああ!…というわけで、ここに住む事にけって~いだぜ!」
みんな「けって~い!!」
こうして、スタンたちの新たな物語が始まったのであった。
(ここから先はミラクル☆コラボの小説となりますが、
スタンが主人公である事は変わりませんので、よろしくお願いします!)
ミラクル☆コラボの作品まとめ
☆自作品
・コメットタウン
・ハピネスタウン
・ハピネス小学校
・ピースタウン
・メグ松ちゃん
☆親友の作品
・フレッシュワールド
・フラワータウン
・ふんわりカフェ
・レインボータウン
・ムーンライトシティ
・魔法の世界
・ハッピータウン
・Sweet Shop
・Mermaid Memory
・プリュムシティ
・スタードリームプリキュア
・まったり村
・スマイルタウン
・フューチャーシティ
・フェロータウン
☆二次創作作品
・キャンディ版サウスパーク
・午後夏
・マイリトルポニー
・リセス
・キルミーベイベー
・おそ松さん
・ドラえもん
☆その他
(マリオやソニックなど主人公のみのキャラや、ミラクル☆コラボのオリキャラなど)
~世界一の魔法使いが登場!?~
スタンたちがミラクルタウンに住んでから数日後、
さまざまな世界からやって来たキャラクターたちが新しい住人となった。
とても仲良しな2人、スタンとるるはその事について話していた。
るる「ミラクルタウンがにぎやかになってきたね!」
スタン「ああ、そうだな!」
るる「オススメしてくれたスタンのおかげだよ!」
スタン「そうか~?そう言ってくれると照れちまうぜ~!」
スタンは頬を染めた。るるもニコニコ笑っている。
だが、見知らぬ少年が、2人の様子を後ろから見ていた事に気づかなかった。
???「あいつがミラクルタウンの人気者、スタン・マーシュか…。」
るると別れたスタンは、鼻歌を歌いながら歩いていた。
先ほどの少年は、スタンの後ろから声をかける。
???「おい、ミラクルタウンの人気者はお前だよな?」
スタンは振り向いた。
スタン「誰だ、お前は?」
ジャック「俺の名はジャック・ナイトリング。世界一の魔法使いさ!」
ジャックと名乗った少年は、スタンと同じく魔法が使えるのである。
スタン「ジャックって言うんだな!俺はスタン・マーシュ!
服は青いけど魔法は黄色い、雷の魔法使いさ!」
スタンは元気よく自己紹介をし、人差し指をビシッと立てた。
ジャック「やっぱりお前がスタン・マーシュなんだな。」
ジャックは腕組みをし、スタンはキョトンとした。
スタン「どういう事だ?」
ジャック「俺の方が魔法上手なのに、どうして好かれているんだ。」
スタン「急にそう聞かれてもな…。」
スタンは困ってしまい、すぐに答える事はできなかった。
しばらくすると、スタンは明るい笑顔で答えた。
スタン「まぁ俺は、サウスパークで一番の天才最強魔法使いスタン様だからな!」
ジャックは腹を立てた。
ジャック「なんだと!?じゃあ、なんで世界一の俺は好かれないんだよ!」
スタン「知らねぇよ!!俺の方が世界一なんだぞ!?」
スタンも腹が立ったので、ケンカになってしまった。
ジャックは、人気者であるスタンに嫉妬していたのである。
ジャック「そこまで言うのなら…俺と勝負だ!!」
スタン「ああ、望むところだ!絶対に負けないぞ!」
2人は、どっちが強いか対決をする事になった。
やった競技は腕相撲である。勝った者はジャックだった。
ジャック「ハハハ、どうだ!これで俺が強いって事がわかっただろ?」
ジャックは腰に手を当てて笑った。スタンはくやしそうに地面をふむ。
スタン「ちくしょう!!…まだだ、まだ諦めないぞ!」
次に行われた競技は徒競走だった。
スタンは足が速いのだが、ジャックはソニック並みの速さでスタンを追い抜いた。
つまり、2回連続でジャックが勝ったのである。
スタン「くそっ!!なんでだよ…!」
スタンは両手と両膝を地面につけ、こぶしで地面をたたきつけた。
ジャック「これで俺は人気者となるのさ…。負けたお前はかっこ悪いと言われるがいい!」
ジャックは笑いながら去って行った。
スタンは立ち上がり、ブツブツ言いながら歩いた。
スタン「なんだよ…。ただ強い事を自慢したいだけだろうが…。
なんで会ったばかりなのにケンカしないといけないんだよ…。」
だが、しばらくするとスタンは立ち止まった。罪悪感を感じたのである。
スタン「…俺も言いすぎたかもしれねぇな。
いや、一番悪いのはケンカを売ったあいつだ!あんなやつはほっとけばいいさ!」
首を横に振り、俺は悪くないと自分に言い聞かせたが、モヤモヤした気持ちになっていた。
スタン「とりあえず…ジャックの話を聞きに行こう…。」
スタンはほうきにまたがって空を飛び、大声でジャックを呼んだ。
地上を見回しながら、飛び回っている。
スタン「ジャック~!どこだ~!」
一方、ジャックは木の枝に座っていた。
スタンの呼び声に気づいた…その時!
ジャック「ス、スタ…うわぁ~っ!!」
なんと、驚きすぎて尻がすべり、木の近くにある川へ落ちてしまったのである。
深い川なので、はい上がる事もできず、おぼれてしまった。
ジャック「た、助けてくれ~!」
スタン「ジャック!今、助けてやるからな!」
スタンは地面へ下降してほうきから降り、
ほうきの掃く部分をつかんで、棒の部分をジャックに近づけた。
ジャックは両手で棒をつかみ、スタンはほうきを引っ張っていった。
おかげでジャックは川から出る事ができた。
ジャック「ありがとうな!でも、どうして助けるんだ…?さっきケンカしたっていうのによ…。」
スタン「あたりまえだろ?いくらケンカしても、人を助ける事は大切だからさ!」
スタンは笑顔で答え、こぶしを胸に「ドン!」と当てた。
ジャック「そうだよな!…さっきはごめんな。」
スタン「大丈夫さ!ケンカしたって会いたくなる…それが人間なんだからよ!」
ジャック「スタン…!(そうか!スタンは優しいから好かれるんだ!)」
ジャックは、スタンが好かれる理由がわかった。
だが、もう人気については気にしていない。
スタン「勝負の時はかっこよかったぜ!どうしたらあんな風に強くなれるんだ?」
ジャック「えっ…!?あ、あれは…。」
ジャックは驚き、戸惑ってしまった。
実は、魔法で体力を強くしていたのである。
スタンは笑顔で首をかしげた。
スタン「どうしたんだ?」
ジャックは思い切って言う事にした。
スタンは優しいから大丈夫だろうと思ったからである。
ジャック「あれは…魔法を使っていたんだ…。」
スタン「マジかよ!?」
ジャック「ズルしてごめんな…。俺、本当は運動が苦手なんだ…。
特に、泳ぐ事ができなくてよ…。あのおぼれた姿が本当の俺なのさ…。」
スタンはジャックの背中をポンッとたたき、なぐさめた。
スタン「大丈夫さ!俺だって魔法で頭をよくして、勉強をする時があるしよ!
俺とお前って、なんか似てるかもしれないな!」
ジャック「言われてみればそうかもな!改めてよろしくな、スタン!」
スタン「ああ!こちらこそよろしくな、ジャック!」
こうして、2人は仲良くする事ができたのであった。
お知らせいろいろ
・ジャックはキャンディ版サウスパークの新キャラになります!
・ミラクル☆コラボの主人公はスタンだって前に言いましたが、
ヒロインはスマイルタウンのるるちゃんになりました!
・ミラクル☆コラボの作品に「アニマルワールド(親友の作品)」と
「パワーパフガールズ(二次創作作品)」を追加します!これからも増えていくかもしれません!
~スタンとのび太の入れ替わり大作戦!~
ジャイアン「のび太、このあと野球するから来いよ!」
スネ夫「今日も負けたらタダじゃおかないぞ!」
ジャイアンとスネ夫がのび太にそう伝えると、すぐに去って行った。
のび太は悲しそうに下を向き、ため息をつく。
のび太「はぁ…どうしよう…。また負けて殴られちゃうんだ…。」
すると、スタンが走ってやって来た。
スタン「どうしたんだ?なんだか元気がないぞ?」
のび太「あ、スタンくん…。さっきジャイアンとスネ夫に野球を誘われちゃって…。」
のび太は体をスタンがいる方向に向けたが、顔は下を向けたままだった。
すると、スタンは笑顔で優しく答えた。
スタン「お前は野球苦手なんだよな…?俺は好きだから、代わりに出てやろうか?」
のび太「えっ、本当?」
のび太は顔を上げ、スタンを見た。
スタン「ああ!俺たちが入れ替わるのはどうだ?
つまり俺がのび太になって、のび太が俺になるのさ!」
のび太「それいいね!なんだか、ドラえもんの身代わりバーみたい!」
のび太の表情も明るい笑顔に変わっていった。
スタン「確かにそうだな!じゃあ行くぞ~!…ほいっ!」
スタンは人差し指を立てた手を横に振り、魔法をかけた。
のび太は光に包まれ、姿が変わっていく。
光が消えると、のび太はスタンの姿になっていた。
のび太(スタン)「わぁっ、スタンくんになれた~!」
のび太は自分の体を見て喜んだ。スタンもその様子を嬉しそうに微笑んでいる。
スタンは人差し指を立てた手を上に伸ばし、指を1回転させた。
光に包まれ、のび太の姿に変わっていった。
スタン(のび太)「どうだ?すごいだろ?」
のび太(スタン)「うん!すごいすご~い!」
スタン(のび太)「じゃあ俺、行ってくるからな!お前は俺の家に入っててもいいぞ!」
のび太(スタン)「うん!ありがと~~!!」
スタンはのび太に背中を向けて去って行った。
のび太は笑顔で大きく手を振った。
グラウンドに着くと、ジャイアンやスネ夫、野球のメンバーたちがすでに待っていた。
ジャイアン「遅かったな!」
スタン(のび太)「すまね…いや、ごめんごめん!
つい道に迷っちゃって~…!ミラクルタウンは広いからさ~!」
スタンはてへぺろをした。
スネ夫「全く、なにしてんのさ…。ま、とにかく始めようか!」
ジャイアン「そうだな!やるぞ、のび太!」
スタン(のび太)「ああ!」
バッターはスタンがやる事になった。自信満々にバットを構えている。
のび太はグラウンドの遠くから、様子を見ていた。
スタン(のび太)「よし、来い!」
のび太(スタン)「大丈夫かな…?」
スタンが飛んできたボールを打つと、
「カーン!」という音が響き、ボールが遠くに飛んでいった。
つまり、ホームランだったのである。
スタン(のび太)「やったぜ!」
のび太(スタン)「すご~い!ホームランだ~!」
相手チームのターンになっても、相手は1点を取る事はできなかった。
足の速いスタンが、飛んで行ったボールに向かって走り、キャッチしたからである。
スタン(のび太)「アウト~だぜ!」
ジャイアン「すっげ~な、のび太!」
スネ夫「今日は調子がいいね!」
のび太(スタン)「スタンくん…かっこいい~!」
ジャイアンとスネ夫はスタンに感心した。のび太も目を輝かせてスタンを見ている。
これなら勝てると安心したのび太は、スタンの家へ向かって行った。
のび太(スタン)「えっと…僕は今スタンくんだから…ただいまって言えばいいんだね!」
家に着いてドアを開けると、本家スタンとステラが玄関へ出迎えた。
のび太(スタン)「ただいま~!」
本家スタン「兄ちゃん、お帰り~!」
ステラ「お兄ちゃんだ~!」
のび太(スタン)「へ~!この2人がスタンくんの弟と妹か~!可愛いなぁ~!」
のび太が笑顔になりながら頬を染めると、
本家スタンとステラはのび太の顔を見て不思議そうに思った。
本家スタン「兄ちゃん、どうしたの?」
のび太(スタン)「ああ、いや、なんでもないぞ~!相変わらず2人とも可愛いな~って!」
のび太は慌てて、前に出した両手を振った。
ステラ「ありがとう!お兄ちゃんもかっこいいよ!」
本家スタン「あ、そうだ!ちょっと待ってて!」
本家スタンはなにかを思い出したように、部屋へ入っていった。
本家スタン「はい!これ兄ちゃんにあげる!」
本家スタンは部屋から出ると、のび太に1枚の紙を見せた。
紙にはスタンの似顔絵と、「兄ちゃんへ 大好きだよ」という字が書かれている。
のび太(スタン)「えっ、僕…いや、俺に?」
本家スタンは笑顔でうなずいた。
ステラ「お兄ちゃん(本家スタン)は昨日頑張って描いたんだよね!」
のび太(スタン)「ああ、ありがとうな!(弟くんって優しいんだね!)」
のび太は微笑んで紙をもらうと、スタンに伝えておこうと考えた。
一方、スタンは野球の試合を終え、のび太がいる所へ行こうとしていた。
野球で勝てた事を伝えるためである。
すると、途中でスタンの後ろから声が聞こえてきた。
しずか「のび太さ~ん!」
スタン(のび太)「しずか…ちゃん?」
声の主はしずかだった。スタンはしずかがいる方向へ振り向いた。
しずかはピンクの箱を持っている。
しずか「クッキー焼いたの!どう?」
スタン(のび太)「えっ、いいの?」
しずか「うん!のび太さんのために作ったの!」
スタン(のび太)「ありがとう!嬉しいな!」
スタンは箱をもらうと、中を開けた。
中には何枚かのクッキーが入っている。スタンは1枚食べた。
スタン(のび太)「うん、とってもおいしいよ!」
しずか「よかった~!」
スタン(のび太)「やっぱりしずか…ちゃんはお菓子作りが上手だね!」
スタンは普通、相手の事は呼び捨てなので、急な「ちゃん」付けには慣れなかった。
だが、今はのび太として過ごしているので、のび太のキャラを崩さない事を心がけていた。
野球の試合中に少し「だぜ」と言ってしまったが、少しずつ改善されていっている。
しずか「わぁ~、ありがとう!そう言ってくれて嬉しいわ~!」
しずかは頬を染めて喜んだ。
スタン(のび太)「これからも頑張って作ってね!期待してるよ!」
しずか「うん!今度はもっとおいしいの作るわね!」
スタンはのび太のためにクッキーを残してあげるようにし、立ち去った。
スタンの家の前に着くと、ドアをノックした。
のび太はドアを開け、外に出た。
スタン(のび太)「野球は終わったぜ!入れ替わって楽しかったか?」
のび太(スタン)「もちろんだよ!スタンくん、かっこよかった!」
スタン(のび太)「センキュー!じゃあ、元に戻すぞ!」
のび太(スタン)「うん!」
スタンはパチンと指を鳴らし、2人の変身を解除した。
光に包まれ、姿が戻っていく。
のび太「そうだ!僕、スタンくんに渡したいものが…!」
スタン「俺ものび太宛てのがあるぜ!」
2人は紙と箱を交換した。
スタンは本家スタンからのもらい物を見て泣き出した。のび太もおいしそうにクッキーを食べる。
スタン「お、弟よ…!」
のび太「おいし~い!ありがとう、しずかちゃん!」
スタン「なぁ、これまだ残ってるから一緒に食おうぜ!」
のび太「いいね!食べよう食べよう!」
2人はクッキーを食べあう事にした。
こうして、スタンとのび太は楽しい時間を過ごす事ができたのであった。
~るるのリボンを探せ!シャーロック・クレイグ誕生!~
ミラクルタウンに朝が来た。
るるはベッドから起き上がり、朝ご飯を食べにリビングへ向かっていく。
食卓につくと、バターが塗ってあるトーストをおいしそうに食べた。
るる「おいし~い!やっぱり朝はパンだよね~!」
食べ終わると部屋に戻ってタンスを開け、着る服を出していった…その時!
るる「あ、あれ?」
るるは途中でなにかに気づき、慌ててタンスの中をあさり始めたのである。
るる「どうしよう…!るるのリボンがない…!」
るるがなくしたのは、いつも頭につけているピンクのリボンであった。
しょんぼりしながら外に出ると、スタンが元気よく駆けてきた。
スタン「へいるる、おはようだぜ!」
るる「あ、スタン…。おはよう…。」
るるの様子を見て、スタンは変に思った。
いつものるるはスタンのように元気なのである。
スタン「どうしたんだ?」
るる「るるのリボンがなくなっちゃったの…。」
スタン「あっ、言われてみればつけてないな…。」
スタンはなにもついていないるるの頭を見て納得した。
すると、クレイグが2人の元へやって来た。るるの話を聞きつけたからである。
クレイグ「昨日まではあったのか?」
るる「うん…。」
クレイグ「なら、外のどこかで落としたのかもな…。」
るる「そんな…。」
そんな話をしていると、スタンはクレイグを見て笑い出した。
スタン「お前、なんか探偵みたいだな!」
クレイグ「そうか?」
スタン「ああ!だからお前は、今からシャーロック・クレイグだ!」
スタンはクレイグに「ビシッ!」と人差し指を向けた。
さっきまで落ち込んでいたるるも、明るい笑顔で拍手をしている。
クレイグ「はぁ!?なんだよそれは!変な名前つけてんじゃねぇよ!」
るる「シャーロック・クレイグってかっこいい~!リボンを探してもらってもいい~?」
クレイグ「うるせぇ!…でも、なくしたままにするわけにはいかないな…。
だから、探すのを手伝ってやるよ。」
るる「ありがと~!じゃあ推理もお願いね~!」
クレイグ「だからそれはやめろっつってんだろ!!」
クレイグは頬を染めて叫んだ。シャーロック・クレイグの推理が、今始まる。
クレイグ「昨日はなにしてたんだ?」
るるはグーにした片手をあごに添え、あいまいそうに答えた。
るる「う~ん…ららとリボンの取りかえっこをしてたなぁ…。」
スタン「じゃあ、ららに聞いてみようぜ!」
3人はららの家に向かった。
るるはドアをノックし、リボンをどこにやったのか聞き出す。
らら「ええっ?遊び終わったあと、お互いに返したハズだけど…。」
るる「そうだった…!」
スタン&クレイグ「マジ!?」
返し合ったのに、どうしてなくなったのだろうか。
しばらくすると、るるは帰っている途中での出来事を思い出した。
るる「あっ…!帰りながらつけようとした時、鳥に持って行かれちゃったんだっけ…!」
クレイグ「今もその鳥が持ったままか、どこかに落としたかのどっちかになるな…。」
るるのリボンが町内にある事は確かだが、ミラクルタウンは広いので探すのに時間がかかってしまう。
木の上に落ちたか、鳥の巣の中にある可能性が高いので、空の上で探し回る事にした。
スタンとクレイグは取りだしたほうきに乗り、るるはスタンの後ろに乗った。
しばらく飛び回っていると、スタンがなにかを思い出した。
スタン「あっ…そうだ…!」
るる「スタン、どうしたの?」
スタン「ちょっと、るるの家に行っていいか?」
スタンは後ろを向いてるるを見た。
るるがうなずくと、スタンはるるの家に向かって飛んで行った。クレイグもあとをついて行く。
たどり着くと、3人はほうきから降り、スタンはるるの家のポストを開けた。
中にはなぜか、るるのリボンと1枚の手紙が入っている。
スタン「やっぱりな…。」
るる&クレイグ「なんで!?」
スタン「実はな、俺…。」
スタンは昨日の出来事を話し始めた。
~回想~
スタンは空を飛んでいると、るるのリボンを足でつかんでいる鳥を見かけた。
スタン「あっ、あれは…!おい、これはるるのだぞ!返せよ!」
スタンは鳥を追いかけた。
鳥は木の上にリボンを落とし、まっすぐに飛んで行ってしまう。
でも、リボンを返してくれたので、木の上から取る事ができた。
スタンはるるの家に向かい、リボンをポストの中に入れた。
ついでに「落ちてたぞ。」と手紙を書く。
そして、飛び去って行ったのであった。
~回想終了~
クレイグ「なるほどな…って、結局犯人はお前かよ!」
るる「でも、見つかってよかった!スタンもクレイグもありがとう!」
スタン「いえいえだぜ!事件解決したな、シャーロック・クレイグ!」
クレイグ「だから、その名で呼ぶなっつってんだろ!」
スタン&るる「アハハハハ!」
こうして、るるのリボンがなくなった事件は解決できたのであった。
~戦え、スタン!おそ松がまさかの悪者に!?~
松野家の六つ子たちが外を歩いていると、知らない男が話しかけてきた。
???「なぁ、お前たちは俺の仲間になりたいか…?」
怪しい笑顔を浮かべている。おそ松たちはキョトンとした。
六つ子たち「えっ…?」
チョロ松「そんな事、急に聞かれても困るよ…。」
おそ松「一緒にパチンコ行くならいいよ!」
十四松「やきう?やきうするの?」
チョロ松「おい!!…すみません、遠慮しておきます。」
チョロ松は申し訳なさそうに、男に頭を下げた。
???「なに言っているんだよ。パチンコも野球もつけてやるからな。」
おそ松&十四松「本当!?やった~!」
トド松「も~う!おそ松兄さんと十四松兄さんだけズルいよ~!」
チョロ松「お前ら!知らない人にはついて行かないって、子どもの時に教わらなかったのか!?」
さすがチョロ松だ。これが小学生ぐらいの時に聞く、「いかのおすし」である。
???「あ~、だったらこれもつけてやるぜ!」
男はにゃーちゃんのグッズの入った紙袋を見せた。
紙袋にも、にゃーちゃんの顔が描かれている。
チョロ松「にゃ、にゃーちゃん!」
???「フフフ、よろしい…。」
チョロ松はにゃーちゃんで反応してしまった。
さっき自分で言った事を忘れてしまったのだろう。
常識人だけど、おっちょこちょいなところもある…それがチョロ松なのである。
おそ松「ま、ちょうどヒマだったから付き合ってやるか!」
???「よし、俺について来い!」
おそ松がニッと笑うと六つ子たちはみな、男について行く事にした。
その頃、るるは家に入り、買ってきたミルフィーユを箱から取り出していた。
ミルフィーユはるるの大好物なのである。
るる「ついに食べる時がやってきたよ~!早く食べたいな~!」
ワクワクしながらミルフィーユをテーブルへ運び、イスに座る。
るる「じゃあ早速、いっただっきま~す!」
両手を合わせて食べようとした…その時!
おそ松「いただき~!」
なんと、おそ松が窓の外から手を伸ばしてミルフィーユを取ってしまったのである。
るる「あっ…!るるのミルフィーユが…!返してよ!」
イスから下りて窓から顔を出したが、おそ松はすでに遠くへ走っていっていた。
それでもるるは諦めず、外に出ておそ松を追いかけた。
おそ松「大成功大成功~♪」
トド松「おそ松兄さん、ナイス!」
おそ松はミルフィーユを弟たちに見せた。るるは走って六つ子たちに近寄る。
るる「ねぇ、それ返してよ!るるのだから!」
おそ松「うるさいな!これはもう俺のものだ!」
カラ松「スイーツぐらいで大げさだな、ガールよ…。」
チョロ松「そうだよ、新しいの買ってくればいいじゃん!」
るる「そんな…!」
るるは泣きそうになった。六つ子たちはまるで人が変わったようになっていた。
十四松「うっま~!食べてみ、兄さん!」
一松「あんま~!こんな洋菓子初めてやで~!」
るる「あっ…!」
るるが涙をこらえようとしていると、
十四松と一松がミルフィーユを一口食べてしまっていた。
十四松「洋菓子ちゃうがな~!今日日、スイーツやがな~!」
一松「ススススイーツ~?」
おそ松「またそのネタかよ~!」
六つ子たち「アッハッハッハッハ!」
楽しそうなやり取りをしている六つ子たちを見て、ショックを受けたるるの目から涙が溢れてくる。
我慢ができず、ついに地面に両膝をついて大泣きをしてしまった。
るる「そ、そんな…!うわぁ~~ん!!」
すると、突然空から一筋の雷が「ドカーン!!」と音を立てて、
るるたちがいる場所の近くへ落ちてきた。
るる「えっ…!?」
六つ子たち「なんだ…!?」
るるが顔を上げると、目の前にはスタンがいた。
スタンは下を向いて片膝を地面につけている。雷とともに空から下りてきたのである。
スタン「……よう。」
るる「スタン…!」
スタンは顔を上げて六つ子たちをにらんだ。
おそ松はスタンを指さして大笑いしている。腹を立てたスタンは立ち上がった。
おそ松「出た~!ヒーロー気取ってるやつ~!」
スタン「てめぇら、るるのミルフィーユを返せ!!」
チョロ松「もう無駄だよ、十四松が全部食べちゃったから!」
るるは口の中をモグモグしている十四松を見て、さらに泣きそうになった。
スタンはるるの背中をさすりながら十四松に怒鳴る。
スタン「のんきに人のを食ってねぇで、新しいのを買ってこい!!」
おそ松「うるせぇやつだな…。お前ら、やっちまえ~!」
カラ松たち「うお~~っ!!」
六つ子たちは走ってスタンに襲い掛かった。
るる「スタン、危ないよ!」
スタン「大丈夫さ、俺に任せろ!るるは離れていてくれ!」
るる「う、うん!」
るるは、スタンと六つ子たちより少し離れたところに座った。
6対1の戦いが、今始まる。
最初にスタンを攻撃しようとしたのは、おそ松だ。
パンチをしようと手を構え、スタンの目の前へ走ってくる。
おそ松「はぁ~っ!」
スタン「ふっ!はぁっ!」
しかし手を出した瞬間、スタンは驚きもせずに地面へ片膝をつき、両手から雷を放った。
おそ松は雷でしびれ、その場で倒れる。
おそ松「うわぁっ!!」
カラ松「おそ松!」
チョロ松たち「おそ松兄さん!」
次にスタンの相手をしたのは、トド松だ。
スタンの後ろからパンチをしようと手を構える。
トド松「この~…!」
スタンは「はっ!」と振り向き、トド松のところへ体を向け、なぜか横ピースをする。
スタン「スタこまビーム!!」
トド松「うわぁっ!!」
横ピースをし、両目から黄色い光線を放つ。これが「スタこまビーム」だ。
もちろんトド松も攻撃に当たり、その場で倒れる。
しかし、戦いは終わらない。
十四松がバットでスタンの後ろからスタンの頭を殴ったからである。
十四松「とおっ!」
スタン「いっつ…!」
スタンが自分の頭をさすっていると、目の前に猫が飛び込んできた。
猫はスタンの顔をひっかく。一松が猫に攻撃をさせていたのである。
スタン「いってぇ!!」
チョロ松「よし、今だよ!」
スタンが傷のついた頬をなでていると、六つ子たちは輪になってスタンを囲んだ。
その輪の中には、先ほどスタンの攻撃に当たったおそ松とトド松もいる。
六つ子たち「このガキが…!」
6人でスタンを殴ろうと、片手を上に伸ばした。
これでスタンを倒すことはできるのだろうか。いや、そんなことはできない。
スタン「はぁ~~…っ!!」
スタンは両手の平を向き合わせ、両手の間で雷のエネルギー波を溜めた。
目を丸くした六つ子たちは片手を伸ばしたまま、動きが止まっている。
六つ子たち「えっ…!?」
るる「な、なにあれ…!?」
近くで戦いを見ていたるるも口を開いた。
いくらスタンのガールフレンドでも、スタンがエネルギー波を使っているところは
今まで見たことがないのである。
スタンは一気に両手の間を大きく開け、エネルギー波を横に伸ばした。
細長く伸びたエネルギー波は、剣へと変わっていった。
その剣は雷でできており、金色の刃がビリビリと鳴っている。
持つところは銀色に輝いており、鍔の真ん中には青い宝石が埋め込まれている。まさに本物の剣だ。
スタンは右手で剣をパッと取り、全面に構えた。
るる「す、すごい!」
六つ子たち「な、なんだと!?」
エネルギー波が本格的な剣に変わることは信じられない光景なので、驚くのは当然だろう。
スタンは雷の剣を前に突き出しながら、その場で一回転した。剣からは電撃が出ている。
スタン「お前らは…ボッチが向いてるぜ!!」
六つ子たち「うわぁ~~っ!!」
六つ子たちは剣の電撃でしびれ、あおむけに倒れた。
輪になったまま倒れたのだから、まるで花びらが外側へ
大きく広がっているかのようになったのである。
スタンはおそ松とカラ松の間を通り、るるのところへ駆け寄った。親指を立ててウインクする。
スタン「勝ったぜ!」
るる「ありがとう!かっこよかったよ!」
るるは笑顔で拍手をした。スタンは頭のうしろをなでながら頬を染める。
その時、六つ子たちがゆっくりと目を開けた。
おそ松「う~ん…。」
チョロ松「あれ、僕らはいったいなにを…?」
スタン&るる「!!」
スタンとるるはチョロ松の声で振り向いた。
カラ松「すまない…スタン、るる…。どうやら悪魔が俺たちの心を真っ黒に染めていたようでな…。」
チョロ松「ここで痛い発言すんなよ!!ごめんね、2人とも…。」
六つ子たちはゆっくりと立ち上がり、頭を下げた。
その時、男が六つ子たちのところへ歩いてきた。
???「やられちゃダメじゃないか。」
チョロ松「あっ!お前は…さっきの…!」
そう、彼は先ほど六つ子たちに話しかけた男である。
六つ子たちもスタンもるるも、体を男に向ける。
???「俺はさっき、なにかものを奪ってこいって言っただろう?なんかもらえたか?」
十四松「うん、るるちゃんのミルフィーユ食べちゃった!」
十四松はいつもの笑顔で答えるが、チラッと横眼でスタンとるるを見て、
「でも…!」と顔を下に向けた。その様子は、笑顔の中のどこかでしゅんと悲しんでいるようだった。
トド松「どうして僕たちにあんなことをさせたの?」
???「仲間を増やしたかったからだよ。6人もいれば使えるなって思ったからね。」
男はフフッと怪しそうに笑った。
おそ松「使える?俺たちはオモチャじゃないんだぞ?」
チョロ松「あーはいはい。あれでしょ?1人じゃなにもできないタイプでしょ?」
おそ松は呆れて腰に両手を当てた。チョロ松はふざけて男をからかう。
六つ子たちが元の性格に戻ってしまったことに腹を立てた男は、走り去っていった。
チョロ松「あーあ、行っちゃった。なにも言えないってことは、やっぱりそんなタイプなんだね~。」
チョロ松は肩をすくめた。るるは悲しそうに下を向く。
十四松は申し訳なさそうにるるの頭をなでた。
十四松「ごめんね、るるちゃん…。僕がミルフィーユ食べちゃったからだよね…。」
るる「わざとじゃないってわかったから…別に平気だよ…。」
るるは無理やり笑顔を作りながら顔を上げた。
スタンは無言でるるの横顔を見る。すると、笑顔でるるに言った。
スタン「ミルフィーユならいいところがあるぜ!」
るる「えっ、どこどこ?」
るるは本当の笑顔になり、スタンを見た。
スタンはるるたちを連れて、歩いていく。
スタン「ここだぜ!」
スタンは1つの店を見上げた。そこには「Wふんわりレストラン」と書いてある。
Wふんわりレストランというのは、プリティタウンにある「ふんわりカフェ」から
やってきた店員たちと、いろいろな世界からやってきた各作品の主人公男子が集まっている店である。
スタンはそこの店長を務めているのだ。
スタンの大好物のオムライスも、ふんわりカフェも名前の通り、
雰囲気がふんわりしていることから「Wふんわりレストラン」の「W」がついたのである。
スタンがレストランのドアを開けた瞬間に、声が聞こえてきた。
???「だからよこせって言ってるだろ!!」
みるく「お客様、困ります!」
スタン「なんだなんだ?」
スタンたちが店に入ると、困っている店員たちに近寄った。
店員たちの前にいた客を見て、六つ子たちは大声をそろえる。
六つ子たち「またお前か!!」
店で騒いでいた客は、例の男だった。偶然に同じ店へ入っていたのである。
シュガー「知ってる人なの?」
おそ松「こいつは俺たちを利用して、悪さを代わりにやらせたんだぞ!」
???「そうさ。1人じゃなにもできないだろと言われたから、俺は今1人でやっているのさ。
この店を俺の手で潰すことをな!だからここのメニューを全部よこせ!」
ティー・ジェイ「メニュー表は食べられないよ!」
ティー・ジェイは男をからかっている。
彼は主人公男子組、メビウスブライトの盛り上げ役であるのだ。
???「メニュー表じゃねぇ!ここの料理全部よこせっつってんの!!」
ソニック「全部食うと腹壊すぜ~?」
ソニックも笑いながら肩をすくめた。男の機嫌がどんどん悪くなっていく。
???「ふざけてんのか!?俺は強盗なんだぞ!?」
ティー・ジェイ「え?後藤…さん?」
ティー・ジェイは目を点にしながら「さん?」で首をかしげた。
男以外のみんなは大笑いしている。
スタンも笑いながら男にズンズン近づき、近くのテーブルを「バン!」とたたいた。
スタン「なんだお前!名字は後藤だったのか!おい!」
後藤「ちげぇよ!!誰だよ!!」
のび太「アハハッ、似合わな~い!」
のび太は後藤を指さして大笑いした。
スタン「全く、しょっぱなから笑わせやがって…。
だけど、いきなりメニューを全部要求するなんてどうかしてるぞ。」
スタンは「ふう…。」と落ち着き、笑うのをやめた。
しかし、後藤の暴走は止まらない。
後藤「ここ店なんだろ!?さっさとよこせよ!」
ソニック「全部食いたいほど腹減ってるんだな?わかるぜ、その気持ち!」
ソニックは「へへっ!」と笑いながら、歩いて後藤に近寄った。
ソニック「腹が減ってはいくさはできぬっていうもんな!」
後藤は無言でソニックを見つめる。ソニックは「そうだろ?」と親指を立ててウインクした。
後藤「くっ、仕方ねぇな…。早く作れよ?」
スタン「よっしゃ~!早速作ろうぜ~!」
店員たち「お~っ!」
店員たちはグーにした片手を天井に向けて伸ばすと、キッチンに入って行った。
後藤は近くの席を見つけ、どっかりとイスに座る。
店員たちは明るいメンバーで構成されているため、キッチンがにぎわっている。
スタン「いいことを思いついたぜ!」
シュガー「えっ、なになに?」
スタンはニッと笑うと、シュガーはスタンのところへ顔を近づけた。興味津々なのである。
他の店員たちも、スタンに耳を傾ける。
スタンは「それはだな…!」と小声で作戦を語り始めた。
なにか言うたびに、店員たちは「うんうん!」とうなずいていく。
語りが終わると、「おぉ~!」と声をそろえ、目を丸くした。
ソニック「すっげぇな!おい、早く作ろうぜ!」
スタン「そうだな!卵とミルクを用意しろ~!」
みるく「かしこまりました!」
店員たちは料理に取り掛かった。
一方、後藤は退屈そうに店の掛け時計を見ている。
後藤「おっせぇな~…。なにやってんだよ…。」
るると六つ子は後藤を無視して、楽しそうにおしゃべりをしていた。
1つの席には2人座れる長いイスが1つずつ、つまり、4人までの席なのだ。
なので、2つの席で4人と3人に分けられていた。
4人というのはおそ松、十四松、トド松、るるのことで、
3人の方はカラ松、チョロ松、一松のことである。そう、後藤は1人で座っているのだ。
おそ松がいる席は明るい客が多いため、話が盛り上がっていた。
たまにふざけた話をするため、チョロ松が4人のところへ顔を向けてツッコミを入れていた。
そして30分後、店員たちがキッチンから出てきた。
みるくがミルフィーユを乗せたお盆を運んでいる。
みるく「お待たせしました。ミルフィーユでございます!」
笑顔でミルフィーユを後藤がいる席のテーブルに置いた。
るる「ね~え、るるのは~?」
シュガー「もうちょっと待っててね!」
後藤は「いただきます」を言わずに食べ始めた。
ミルフィーユが運ばれて最初に発した言葉は、「遅いんだよ…。」だった。
後藤はフォークでミルフィーユを一口切り取り、口の中へ運んでいく。
口を閉じた瞬間、なぜか一瞬動きが止まり、痛そうに手で口をおさえた。
後藤「!?…な、なんだこいつは…!しびれっ…!」
六つ子とるるはポカーンと後藤を見つめる。
店員たちがニッと口角を上げているのが、後藤とるるたちには見えなかった。
スタン「よくわかったな!その名も…。」
スタン&ソニック「ライトニングミルフィーユ!」
後藤が食べたミルフィーユの名前は「ライトニングミルフィーユ」といって、
食べると口の中がしびれるミルフィーユなのだ。
実はスタンが考えた作戦は、「材料に雷を加えること」だったのである。
普通にミルフィーユを作るついでに、スタンが材料に魔法をかけておいたのだ。
後藤「ライト…ング…!?ふざけっ…!」
後藤は口の中がしびれているため、しゃべることができない。
スタン「どうだ?これで満足しただろう?ミルフィーユが食えたことにな!」
後藤「くっ…!」
スタンは自信満々に腕組みをすると、後藤は店を出て行った。店員も客も大喜び。
みんな「やった~!(よっしゃ~!)」
るる「スタンかっこいい~!」
レッド「作戦成功だな!」
スタン「センキュー!るるたちには普通のをあげるぜ!」
店員たちは雷のないただのミルフィーユを、るるたちがいる席のテーブルに置いた。
るる「やった~!やっと食べれるんだ~!」
るる&六つ子「いっただっきま~す!」
るるたちはミルフィーユをおいしそうにほおばる。店員たちもその様子を見て微笑んでいる。
るる「おいし~い!スタンの洋菓子は初めてやで~!」
十四松「洋菓子ちゃうがな~!今日日スイーツやがな~!」
るるはフォークを持っていない方の片手で頬をおさえ、一松の真似をした。
十四松はフォークを持った手を天井に向けて、ニッコリ笑っている。
チョロ松「ま~たそれやってるの?全く、元気があっていいねぇ…。」
チョロ松は苦笑しながらミルフィーユをフォークで切り取った。
悪者のいなくなった店は平和になり、店中に楽しそうな笑いが響いたのであった。
~次回予告~
スタン「みんな~!演劇やってみないか?」
るる「楽しそ~う!やりたいやりた~い!」
スタン「センキュー!脚本と配役はもう決まってるからな!」
ソニック「主人公はスタンか?」
スタン「違うぜ、お前さ!ほいっ!」
ソニック「マジカルソニカル…って、なんじゃこりゃ~~!!」
スタン「次回、ミラクル☆コラボは『主役はソニック!?ミラクル☆コラボ演劇発表会』!」
るる「みんなもおいでよ、ミラクルタウンへ!」
~主役はソニック!?ミラクル☆コラボ演劇発表会~
住人たちがミラクルタウンの広場で遊んでいると、スタンが笑顔で走ってきた。
「へいお前ら!」と元気よく呼び掛けたのは言うまでもないが、今日の彼は1冊のノートを持っている。
いち早くスタンに気づいたるるは、スタンのノートを指さした。
るる「やっほ~、スタン!なに持ってるの?」
スタン「ふふふ、こいつはな…俺が作った台本なんだぜ!」
スタンが大声で言うと、るるは「おぉ~!」と目を輝かせた。もちろん、周りにいるみんなもである。
ソニック「面白そうじゃねぇか!ちょっと見せてみろよ!」
ソニックがスタンに近寄ると、スタンはノートを広げた。
周りのみんなもノートを見ようとしている。
スタン、るる、ソニックの後ろでは「見えないよ~。」やら「なになに?」やらの声でザワついていた。
1ページ目には、「とーじょー人物 ヒロイン、ワルもの、住人」と書かれている。
スタンはまだ8歳なので、簡単な漢字とひらがなでしか書けないのだ。
ソニック「ヒロインってことは、主人公か?誰がやるんだ?…って…。」
スタンはソニックの肩に手をポンと置いた。キョトンとしているソニックを笑顔で見つめている。
ソニック「えっと…俺…?」
ソニックは震える人差し指で自分を指した。スタンは笑顔でうなずく。
ソニック「ちょ、待てよ!なんで俺なんだよ!」
ソニックは慌ててスタンの手をつかんで肩から離し、一歩下がった。
スタンはなにかを企んでいるように、怪しい笑みを浮かべている。
スタン「ふっふっふ…見ればわかるさ…。ほいっ!」
スタンは人差し指を顔の前で
素早く横に振ると、ソニックはピンク色の光に包まれた。
周りのみんなは「うわっ!」と腕で目を覆う。
光が消えると、目を覆っていた住人たちは
ソニックを見ようと、ゆっくりと腕の位置を下げた。
住人たちの目の前には、いつもと違うソニックが立っていた。
そのソニックの左耳にピンク色のリボンがついており、
ピンク色のワンピースを着ている。
それに、魔法のステッキを持っているのだから、
まさに魔法少女という感じの格好だった。
ソニック「マジカルソニカルソニソニソニ~ック!み~んな可愛くなっちまえ~!」
ソニックはキャピキャピと女の子のようにはしゃぎ、その場でクルクルとバレリーナのように回った。
そして止まったかと思いきや、「ソニぺろ♪」と、てへぺろをし出した。
スタン以外の住人たちは、ポカンとソニックを見つめていた。
スタン「アッハッハッハッハ!」
ソニック「?…って、いきなりなにやらせるんだよ!!」
スタンが大笑いすると、ソニックは我に返り、顔を真っ赤にしてステッキを地面に投げつけた。
それでもスタンは笑顔のままだ。
スタン「まぁまぁ、似合うぞ!あとは悪役と住人だな!」
るる「るるも出れるの~?」
スタンがビシッと人差し指を立てると、るるは笑顔で首を傾げた。
スタンは笑顔でうなずく。
スタン「ああ、もちろんさ!るるも出ることになってるぜ!」
るる「ホント?やった~!」
るるは嬉しそうにバンザイをし、手を下ろすとニヤニヤし出した。
るる「たまには悪役もやってみたいかも…。悪さに目覚める時間だね…。」
りり「いきなり中二病になってんじゃないわよ!!」
今まで周りの住人たちの中に紛れていたりりが、るるの隣へ近づいた。
彼女も、スタンの後ろでノートを見ようとしていた住人の1人なのである。
るる「え~、なんで~!?ただ、悪役になって
悪魔のハートはどんなものなのか知りたかっただけだよ~!」
りり「それを中二病っていうのよ!」
そんな2人のやり取りで、ところどころから小さな笑い声が聞こえてきていた。
スタン「確かに悪魔のるるも可愛いだろうな!
俺的には住人が似合うだろうと思っていたのだが、るるはどう思うか?」
るる「るるは劇に出れていればなんでもいいよ~!でも木だけはイヤだなぁ…なんて…!」
るるは「劇に出れていればなんの役でもよい」の部分は笑顔で答えたが、
「木はイヤだ」のところで苦笑した。
スタンは親指を立ててウインクする。
スタン「安心しろよ、俺は木の役なんて作らないからな!」
るる「わ~い!スタン優しい~!」
るるはまたまたバンザイをした。照れたスタンは頭の後ろをさする。
スタン「へへっ…。住人は1人じゃねぇから、あと2、3人ぐらい決めたいぜ!
個人的に、いいなと思ったのは…。」
スタンのこの発言で、住人たちは無言になり始めた。
誰が選ばれたのか、心をドキドキと鳴らしているのである。
スタンは周りの住人たちを見回すと、目的の住人を指さした。
スタン「いちごとミーナだ!」
住人たち「おぉ~!いいかも!」
いちごとミーナは、嬉しそうに頬を染めた。
いちご&ミーナ「いいの…?こんな私が…!?」
スタン「もちろんだぜ!お前らも劇にふさわしいと思ったからよ!」
スタンがウインクすると、ソニックは片手をあごに添え、少し下を向いた。
ソニック「あとは悪役だな…。」
スタン「そこが問題なんだよな…。これだけ決まらなくてよ…。」
るる「後藤がやったら、会場をめちゃくちゃにするだけだもんね…。」
るるの発言で、住人たちも「う~ん…。」とソニックと同じ仕草をした。
住人役が選ばれる時のように、また無言の時間が訪れる。
しばらくすると、ソニックは人差し指を立てて明るい表情を見せた。
ソニック「悪役ならいいやつがいるぜ!」
ソニックはそう言うと、得意の音速で遠くへ走っていった。