書きたい作品絞れないので
1つに詰め込みます。
*そうしそうあい
*working!
*腐男子高校生活
*diaborik lovers
など。
※多分増えます
[そうしそうあい]
「あ……また失敗ー!?」
みきちゃんの悲鳴を聞くのは
これで四回目。
ふちを握りしめたボウルを
横から覗いてみると、悲惨な程ボロボロになった、チョコレートの残骸が
そこにあった。
「あちゃあ、またお水入った?」
「うん、まじどうしよう…橘にチョコ貰って欲しいのに、これじゃ…」
みきちゃんがしゅん、と項垂れる。
……どうしよう。
まさかみきちゃんが、ここまで不器用だなんて…。
お菓子作りに誘ったのは私だった。
去年のバレンタインは市販だったけど
思いの外若松くんが喜んでくれて……
ふと、思ったのだ。
「……ねぇ菊地くん」
「ん?どしたのめぐみちゃん」
「若松くん、私がチョコ手作りしたら…食べてくれると思う?」
「あー……」
答えあぐねている菊地くん。
あ、やっぱり私の読み、ハズレ?
「めぐみちゃんの手作りとか、そうし
ゴミまみれでも食うんじゃね?」
「え」
「バッ、おま、言うな!!!」
口を挟んできたのは川崎くん。
うん、正直私もそんな気がしてる。
「なんだよひちひろー。なんで言ったらダメなわけ」
「……わかんねぇ?」
「わかんねぇ」
私もわからないので、菊地くんの
言葉を待つ。
何か理由があるならやめるけど…
「そうしのテンションがメーター振り切れるから止めて欲しい」
「私やるよ!!」
「流石めぐみちゃん」
というやりとりの末、私は今年の
バレンタインチョコを手作りすることに決めた。
「……って事だから、みきちゃんも
一緒に作らない?」
「え、でもみきは相手が」
「橘くんでしょ?」
「えっ………あ、や、そのっ」
放課後、思いきってみきちゃんを
チョコ作りに誘ってみた。
橘くんの名前を出すだけで
真っ赤になるみきちゃんは、やっぱり可愛いなぁ。
「去年も渡したんでしょ?
むしろ今年ないほうが不自然だし…
それに」
「それに?」
「お友逹とチョコ、作ってみたいな」
ごめん、ズルした。
多分こう言えば一緒に作ってくれる
だろうなって思ったの。
案の定みきちゃんは
『つくる!めぐみとチョコ、作ってみたい!!』
と言ってくれた。
そして……冒頭に戻る。
>>2の続き
みきちゃんは想像以上に不器用で、
何度も、何度も、チョコをだめにしてしまった。
まず湯煎ができない。
「みきちゃん、こう、ゆっくり混ぜていくの…お水入ると分離するから」
「う、うん………あっ」
何度やっても水が入り、チョコが
ボロボロになってしまう。
「これを丸めて作るチョコも、ある
にはあるよ?」
「……………やだ」
それでもみきちゃんは諦めない。
珈琲風味のガトーショコラを渡したい
んだって。
「ほらっ、みきの事みてないで
めぐみも作りなよ!!」
「あ、私はもうできたから…」
驚愕に染まるみきちゃんの瞳。
その視線が、私の持つお皿に乗る
ブラウニーで止まる。
「……………」
「えっと……………」
みきちゃんは諦めない…多分。