名探偵コナンの二次創作です。
下手くそですが、荒らし厳禁‼主が落ち込みます。
アドバイス?とかは基本的に無しで。
作品の感想はいつでも待ってます。
※注意※
耳が聴こえないという設定です!
苦手な方は見ないで下さい!
こんな設定ですが、厳しめではありません。
*プロローグ*
―オレは工藤新一の姿に、戻る事が出来た。
ただし、全ての“音“と引き換えに…
オレは耳が聴こえなくなってしまった。
―APTX4869の副作用で。灰原は泣きながら必死に謝った。
声は聴こえなかったが、灰原のその必死さが伝わってきた。
その場に泣き崩れる灰原にオレは、咄嗟にその辺にあったペンとノートで「それ以上泣くなよ、灰原。オレの事は心配すんな!」と書き、灰原に見せた。
―それからオレは、筆談という選択を取った。
警察による、殺人事件の捜査も参加していた。音声等は、後で目暮警部や高木刑事が教えてくれた。音を亡くし、小さな“音“という証拠では犯人を特定する事が出来なくなった。
だが、持ち前の推理力で小さな手掛かりから容疑者を特定する事が出来た。―それがマスコミに知られると「音を失った天才高校生探偵 再び日本警察の救世主に」という主旨で、新聞の一面を飾る事も少なくなかった。
すごい、ね
5:紅葉@新一 ◆H3Y (ノ>_<)ノ ≡:2019/01/06(日) 20:00 ID:E2g >>4
えっと、どういう意味、かな?
見てくれてありがとう‼
オレに浴びせられる称賛の数々。それは、きちんとオレに対しての称賛の筈なのに、オレは自分に対する事だと思えなかった。
それが何故かは、自分で分かるようで分からなかった。
―オレは音を失ったが、高校は変えずにそのまま通っていた。蘭や園子、中道のサポート・教師による配慮の為に、スムーズに高校に通う事が出来ていた。―休憩時間の度に蘭は、オレの机の近くに自分の椅子を持っていき、筆談で授業の細かい説明をしてくれた。少し見上げると蘭は、ニコリと微笑みかけてくれた。―それが何だか、オレには惨めったらしく思えてしまった。かつては、恋人だったオレと蘭。今は、その関係は跡形もなく消えていた。
初めまして。突然お邪魔します!
私、コナン大好きなんです!!この設定も好きです!続き楽しみにしてます!
>>7
そう言っていただき、嬉しいです。
ありがとうございます。ゆっくりですが、必ず更新していくのでまた見てくれれば、と思います。
意味もなく蘭を見つめていると、蘭がいきなりペンでノートに何か書いていた。それは、想像を絶する内容だった。
『―私、新一の事まだ好きだよ。私たち、やり直せないかな?』
蘭…そりゃ、オレだって蘭への恋心が消えたと言えば嘘になる。
―だけど、オレたちは一緒になってはいけない。
『悪いな、蘭。それは無理だ。今のオレは耳が聴こえない、昔のオレとは違うんだ…』
蘭を振るみたいになってしまい、胸が痛んだが仕方ない。
―これも、…これも蘭の為なんだ。許せ、蘭。
『じゃあ、新一は私の事嫌い?私は違うよ。だって、耳が聴こえようと、そうじゃ無かろうと新一は新一だから。私、間違った事言ってるかな?』
蘭…そういうお前だから、オレは好きになったんだ。
誰にでも優しくて、明るく女性らしい。
―だけど。いや、だからこそ。
『無理だ。また恋人になって付き合ったとしても、オレは耳が聴こえない。つまり、普通に話せないって事だ。そんなの付き合ってると言えるか?』
『何よそれ…耳が聴こえない事って、そんなに駄目な事?!新一の言ってる事、無茶苦茶よ!私は、正義感が強くて、格好良くて、優しくて、己の信念を貫き通す。そんな新一が好きなの‼そんな、言い訳ばっかの新一なんて、新一らしくないわ!』
―そんな返事が、返ってきた。見上げると、泣きそうな蘭。
確かに、そうかもしれない。
泣きそうな蘭を心配したのか、園子が近付いて来た。
「ど、どうしたの蘭?!」
言葉は聴こえないが、唇の動きでなんとなく分かる。
どうやら、蘭を心配しているらしい。
―蘭は、ついに泣き出してしまった。
慌てる園子。ざわめく教室。慌てる園子に、オレは今の情況を説明するために、ノートに書きなぐる。
『わかんねぇけど、オレが泣かしたっぽい』
それを見た園子は「はぁ⁉何よそれ?!」という顔をしていた。
そりゃ、そっか。耳の聴こえない奴に泣かされたとか、意味わかんねぇよな。
―それでもオレは、そんな園子を無視して再びノートに“ある事“を書く。というか、手が勝手に動いていると言った方が早いのかもしれない。
この続きは明日になります!
でも必ず更新します★
応援コメ、作品の感想はいつでも待ってます!
めっちゃいい!
ガンバレ!
『さっきはゴメン。本当はオレも蘭とやり直したい』
―そう書いて、蘭に見せた。ビックリしたような顔をしている。
(う、嘘…?)
て、オレ何書いてんだよ?と思ったが仕方ない。
手が勝手に動いたんだから。
『本当に?』
―やっぱりな。コイツなら言い兼ねないと思っていたが、本当に言うとはな。あーあ、こんな事書かなきゃ良かったぜ。
でも、もう…後戻りは出来ない。
『バーロ。こんな時に嘘つく奴が居るかよ?本当の事に決まってるだろ?』
>>12
ありがとう♥
……照れた顔で、考え込む蘭。
その後、蘭はノートにこう書いた。
『じゃあ、やり直そうよ!私、新一の傍に居たい。耳が聴こえないとか、関係ないわ』
―蘭。そうだよな、これ以上蘭の涙は見たくない。
それに、思わせぶりな事を言ったんだ。蘭を振る事なんて出来ない。
蘭がノートに書いてくれた言葉が、ふと浮かぶ。
『私は、正義感が強くて、格好良くて、優しくて、己の信念を貫き通す。そんな新一が好きなの‼そんな、言い訳ばっかりの新一なんて、新一らしくないわ!』
―確かに、そうかもしれない。オレはオレらしく。
耳が聴こえないとか、聴こえるとか関係ない。それを蘭が教えてくれた。
『そう言ってくれてありがとな!蘭のお陰で気付けた。耳が聴こえないとか、聞こえるとか関係ねぇ‼オレはオレだ!』
そうノートに書き、蘭に見せると顔を赤らめ、信じられないといった表情をしている。隣に居る園子は、
「ちょっとあんた達、また恋人に戻るなんて!流石、愛の力は偉大だわ〜♥」と言っていた。勿論、声は聴こえなかったが唇の動きで分かる。
―ったく、園子の奴、何言ってやがる。
でもまぁ、園子って意外と友達思いだよな…
**
〜阿笠邸にて〜
―阿笠博士は、地下室のドアの前に立ち、恐らく研究に没頭しているであろう、灰原に声をかける。
「―哀君、夕食が出来たぞ」
その返事は、博士が思っていた通りの物だった。
「…要らないわ」
博士は溜め息をつきながらも、諦めずに声をかける。
「じゃが哀君、今日の昼食も食べとらんかったろう」
「一食二食、抜いたところで死にゃしないわ」
―こうしていると、灰原が阿笠邸に来たばかりの頃を思い出す。灰原が阿笠邸に来たばかりの頃も、このような事が多かった。
―最近は少年探偵団のお陰もあってか、明るくなり料理も手伝ってくれる事も多かったのだが…
「入るぞ、哀君」
博士は灰原の居る地下室のドアを開け、中へと入った。
中には疲れて、やつれた顔の灰原が居た。目の下にはクマまで出来ていた。
「哀君、少し寝た方が…」
言いかけた博士を灰原の声が遮った。
「余計なお節介は要らないわ‼私の事は構わないで…この地下室からも、出てってちょうだい!」
灰原は大声を上げ、立ち上がった。
ポカンとした顔の博士を見て、我に返ったのか再び座り直す。
「―哀君、まだ“あの薬“の研究を続けておるのか?」
「当たり前でしょ?これ以上、彼の人生を台無しにしたくないもの…」
そう言って灰原は、博士が持って来た水を飲み目を閉じた。
「じ、じゃが哀君…本当に出来るのか?新一の耳を治す薬なんて…」博士は心配そうに灰原を見つめながら、そう言った。
「出来るに決まってるじゃない‼」
灰原はまたも大声を出した。
―どうやら、灰原は本気らしかった。
疲れている灰原を、博士は止める術もなかった。
その後、博士は灰原をそっと見つめる事しか出来ないと悟り、黙ってそっと地下室を後にした。