【名探偵コナン】10年後の世界〜夢見た未来の現実〜

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1:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/07(日) 09:09 ID:apk

こんにちは。名探偵コナンが大好きなのでこんな
小説(創作)スレ建てました。
**
これは10年後のお話です。しかもバットエンドっぽい
感じです(汗)10年後なのでコナンは17歳、蘭や園子は
27歳ですね。
**
※こういう設定が苦手な人は観覧しないことをお勧め
します!※
荒らし、下手くそ等のコメントは主が傷つくので
止めてね。応援コメ・感想はいつでもお待ちしてます!

2:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/07(日) 09:21 ID:apk

プロローグ
*夢見た未来のその先*
―もしも工藤新一に戻れたら、身体が元に戻れたら。
オレは蘭にプロポーズするつもりだった。
―だがしかし…。
「工藤君、ごめんなさい…あの薬を完成させる事は出来ないわ。最善は尽くしたのだけど…もう元の身体に戻る事は二度と…」
涙声で灰原が告げた、オレの運命。
オレは一瞬、頭が真っ白になり、何を言われているのか
分からなくなった。もう元の身体に戻れない、だと…?
しかも、二度と。嘘、だろ?
「なぁ灰原、冗談だよな…?本当はもう、完成してんだろ?なぁ、冗談だって言ってくれよ、灰原‼」オレは我を忘れて灰原の腕を
掴み、混乱した様子で言った。
―嘘だと言ってほしかった。そして一刻も早く、元の姿に戻り、
蘭にプロポーズしたかった。
だが。「いいえ、嘘じゃないわ。ごめんなさい、工藤君…」
その瞬間、工藤新一は死んだ。

3:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/07(日) 09:35 ID:apk

夢見た未来。それは、蘭と結婚して幸せな家庭を築きたいという
ものだった。そういうと、少女趣味で「〇〇クンのお嫁さんになりたい♥」と言っている小学校低学年の女の子と大差ないように
思えるが、やはり好きな娘と結婚というのは男の夢だろうと
思った。―だが、それももう叶わない。
工藤新一にもう二度と、戻れないのだから。
「こんな筈じゃ、無かったんだけどな…」自虐的に微笑み、
いつぶりかの涙が流れるのを待ってみたが、涙が流れる事は
無かった。灰原を責める気も、勿論無い。
涙こそながれないが、不安でいっぱいだった。
―これから先、オレはどうすれば良いのか。
考えても分からなかった。

4:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/07(日) 09:56 ID:apk

第一章(ここから10年後設定)
*灰原の告白、蘭の婚約*
―工藤新一に戻れなくなって、10年という月日が流れた。
穏やかな風が吹く春の日。オレはかつて工藤新一として
通っていた高校に高校2年になり、再び通っている。
**
―そんなある日の事。
「工藤君、話があるの。教室に来てくれる?」
淡々とした口調で灰原が言った。髪が肩まで伸びたせいもあってか、灰原が何故か凄く大人っぽく見える。
―でも、話って何なんだ?しかも、教室でって。
「なぁ灰原、その話って博士ん家じゃ駄目なのか?」
そう。話があるなら、博士の家でも問題はない筈だ。
なのにわざわざ教室でなんて。
「…いいからついてきなさい」有無を言わさぬ灰原の口調に妙な緊張を覚えた。教室に着き、無防備に開いたドアから教室に入る。
「話ってなんだ?」オレはゆっくりと、口を開いた。

「話っていうのは――…」

5:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/07(日) 10:11 ID:apk

灰原はゆっくりと口を開きかけ、何を思ったのか
途中で止めた。「…?話ってなんだ?焦らすなよ」
灰原はずっと止まったまま、口を一向に開かない。
なので仕方なくオレの方から、先を急かす事にした。
「―ねぇ、工藤君?貴方、何故探偵を辞めてしまったの…?」いきなりそんな、すっとんきょうな事を言い始めた。
どういう事だ?確かにオレは、探偵を辞めた。
その理由は…
「灰原?どういう事だよ?いきなり何でそんな事…」
オレは焦った。何だか灰原の様子がおかしい。
「―いいから早く、答えなさいよ!何で貴方は探偵を辞めてしまったの…?」同じ事を繰り返す灰原にオレは不安を覚えた。
「そんなのオレの勝手だろ!?辞めたらいけないのかよ!?」
焦りを必死に隠して、オレはそう言った。
「だいいち、オレが探偵を辞めた事なんて、お前に関係ないだろ?!」そう。オレが探偵を辞めた事は灰原には関係がない。
―なのに灰原は…。
「関係あるわよ‼好きだったんだから!謎を解く貴方が!私に勇気をくれた貴方が!あの時の工藤君は、ヒーローみたいだったわ。そんな貴方を不覚にも、好きになってしまった…でもそれも、仕方ないわよね。私と正反対、何もかもが、真逆だったんだから。光と陰。貴方が太陽なら、私は月。貴方がいたから、私は輝けた。…なのにどうしてよ、貴方はどうして…探偵を辞めたのよ?」そこまで言って、灰原はついに泣き出してしまった。
―それよりも、灰原は今なんて?オレの事を…好きって…

6:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/07(日) 10:16 ID:apk

混乱する思考回路に、再び灰原の声がした。
「お願い、もう一度探偵に戻って。そして私をまた、輝かせてちょうだいよ‼私は…謎を解く貴方が好きだったんだから!」
―泣きながら、オレの腕を掴んで、そんな事を言う灰原。
「もし探偵を辞めた理由があるんなら、教えてよ!今度は私が貴方に勇気を与えるから…だから、お願い!」
灰原…。「オレが探偵を辞めた理由は…―」

7:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/07(日) 10:27 ID:apk

「オレが探偵を辞めた理由は…―」
オレはゆっくりと口を開いた。そしてあの日を、10年前の
゛アイツ ゛の笑顔を思いだしながら。
「もう居ないからだよ。探偵として、事件を解決しても、゛凄いね! ゛って目を輝かせてくれる人も。オレの活躍を喜んでくれる人も…」そう言ってオレは、遠い昔を思いだした。
**
〜回想〜
「また君の力を借りてしまったな、工藤君!」
**
「また難事件があれば、この名探偵工藤新一にご依頼を!」
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「わぁ…!凄いね新一、また事件解決したの!?」
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「訳なんて…いるのかよ?」
**
「なりたいんだ、平成のシャーロックホームズにな‼」
**
「私ね、好きなの。新一の、事件を解決して喜ぶ、その顔が…」
**
「新一!」「新一君!」「工藤君!」「工藤!」
**
〜回想終り〜

8:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/07(日) 10:44 ID:apk

「そんな理由で、貴方は探偵を辞めたっていうの?!貴方が探偵を続けて、あの頃みたいに新聞に載ったりしたら、あの娘だって…あの娘だって何処かで、貴方を活躍を知って、喜んでくれるかもしれないじゃない!それに貴方、なりたいじゃなかったの?!平成のシャーロックホームズに…!」
―そうだ、オレは…
「なりたいだ、平成のシャーロックホームズにな‼」
あの時の気持ちが、平成のシャーロックホームズになりたいとキラキラした目で夢を語っていた、あの時の気持ちが…
戻ってきたような気がした。
「ボクは、大きくなったら、ホームズみたいな名探偵になりたいです」20年前、作文で将来の夢は゛ホームズみたいな名探偵 ゛になりたいと言っていた事も―同時に思いだした。
―だったら。
「なってやろうじゃないか、゛ホームズみたいな名探偵 ゛に!平成のシャーロックホームズに!日本警察の救世主に!」
オレはもう一度、高校生探偵になってやろうじゃないか。
今度こそ本当に、平成のシャーロックホームズになって
蘭に、オレの活躍をもう一度、喜んでもらうんだ。
「フフッ。それでこそ、私の知ってる工藤君ね。やっと帰ってきたわね、私の知ってる推理フェチさんが」
そう言ってニヤニヤ笑う灰原。この10年で灰原は、かなり表情豊かになった気がする。
―そんな事より。「お前の知ってる゛推理フェチさん゛が戻ってきたのはお前のお陰だよ。ありがとな、灰原…」
オレはそう言って、灰原の頭を撫でた。
「そのキラキラした蒼い瞳は、やっぱりそうでなきゃね。この10年間ずっと、腐ってたもの」
相変わらず可愛くない奴。それに…
「何なんだよ、腐ってたって!」
「あら、そのままの意味だけど?」

今日、再び工藤新一が戻ってきた。
―いや、違う。江戸川コナンとして、新しくなったのだ。

9:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/08(月) 20:30 ID:Z6U

―その数日後。オレは10年ぶりに、事件現場に
立っていた。隣には灰原も。
胸がドクンと高鳴るのを感じた。―そう、これだ。
10年前の感覚が戻ってきたように思えた。
意気揚々と、事件に臨むオレを灰原がニコリと笑って
見ているのに、オレは気付かなかった。
**
―そして事件は無事に解決した。別に難事件でも
怪奇連続殺人事件でも無かったが、久しぶりの
事件解決は凄く楽しかった。―オレにはやっぱり
探偵が合っている。「お疲れ様、名探偵さん」
灰原がそう言って、冷たいスポーツドリンクを手渡す。
「サンキュ」オレは受け取った。
―そこに目暮警部が現れた。「いやーコナン君、凄いじゃないか!まるで、工藤君を見ているようだったよ!」
感動した様子で、目暮警部がそう言った。
まぁ、ご本人様だからな。苦笑いを堪え、オレは
こう言った。まるで、10年前のように。
「また難事件があれば、この名探偵工藤新一…じゃなかった、江戸川コナンにご依頼を‼」と。

10:彩葉@雷葉 ◆Vg:2019/04/10(水) 20:04 ID:T.I

~蘭side~
―新一が居なくなってから、ううん、亡くなってから
10年が経った。新一のお葬式、私は泣く事が
出来なかった。―ついこの間まで、一緒に居たのに。
トロピカルランドへ行ったあの日から、新一の運命が
私達の運命が、狂ってしまった―。そう感じて。
泣く事すら出来なかったの。悲しい気持ちは勿論
あったけれど、何だか新一が、まだ生きてる気がして―。
私は新一が亡くなってからもずっと、新一の家の掃除を
していた。そして―彼氏さえも作ってこなかった。
告白される事はあったけれど、ずっと断り続けてきた。
そんな私を心配して、園子は「蘭…こんな事言うのもアレだけどさ…彼氏、作った方が良いと思うよ。あたし、知ってんだからね?告られる度に、断ってんの。このままじゃ、結婚出来ないまま、オバサンになっちゃうわよ?!」と言ってくれた。
そんな園子に私は、「―ゴメンね園子、心配かけて。でも私、まだ…まだ新一が何処かで…何処かで生きてる…そんな気がしちゃうの。あの葬式は何かの間違いだって…そんな気が」と
答えてきた。
**
―そんな10年前を思い出しながら、私は゛ある人 ゛が
この喫茶店「ポアロ」に来るのを待っていた―。


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