注意:この作品はUndertaleの二次創作作品「Undertoad」という作品の二次創作です。
題名通りMario自身の視点によるお話です。
また、終盤に入るまでオリ展開がダラダラと続きます。短めにまとめるつもりではありますが……
駄文、キャラ崩壊などが嫌な方は閲覧をご遠慮ください。
キノコ王国。
数々の国の中でも呆れるほど平穏な国として有名だ。
とはいえ何かが起きないわけでもない。
この国の王女、ピーチ姫はよく何処かに行ってしまうことで有名だが、「何処かに行っている」というのは表向き。
隣国のクッパ帝国の支配者、クッパ大魔王にピーチ姫は攫われる。それも頻繁に。
そんな時に必ず現れるヒーロー……
そう、マリオブラザーズだ。
マリオはヒーローとしてこの国全ての住人から慕われている。
誰にも負けないジャンプ力がマリオ最大の自慢だ。
キノピオを3人上に重ねても飛び越えるほどのジャンプは、クッパ帝国までの厳しい仕掛けや道のりを軽やかに飛び越えていく。
そしてクッパ大魔王を打ち倒し、ピーチ姫を救出し帰ってくる。
だが、突然彼はヒーローをやめた。
キノピオ達は困惑した。
ピーチ姫をさらったクッパも、いつまでたっても自分のもとにやってこないマリオにしびれを切らし、自らマリオの家に赴くも…
それでもマリオは動こうとはしなかった。
呆れ返ったクッパは、半ば習慣化していたピーチ誘拐をやめ、キノコ王国との和平を結んだ。
なぜ彼がヒーローをやめたのかはわからない。だが、結果的にはクッパと争う必要がなくなったのでキノピオ達はマリオのことを気にかけながらも喜んだ。
マリオはヒーローをやめた。もうその足で軽やかなジャンプをすることはない。二度と彼はジャンプすることはない。
彼の陽気で優しい性格こそ変わらなかったが、マリオは大きく変わってしまったのだった。
今日は素晴らしい日だ。
ぷくぷくが泳ぎ、ファイアーフラワーが咲き誇っている。
マリオは丘の木の根元でゴロンと寝転がりながら眼下に広がる色鮮やかな花畑を眺めていた。
彼はかつてのオーバーオールは身につけていない。赤いパーカーを着て、茶色のズボンを履いている。
だが、彼のトレードマークとも言える「M」の文字が入った赤の帽子だけはかぶっていた。
彼は気になることがあった。
1人のキノピオの存在がやけに気にかかっていた。
マリオはヒーローこそやめたものの、彼の冒険譚は弟のルイージが執筆したベストセラー「スーパーマリオブラザーズ」という本に事細やかに書き込まれていたので子供キノピオ達の尊敬を集めていた。
昨日の昼間に子供キノピオ達の相手をしていると、少し離れたところからなんとも言えない視線を送るキノピオがいた。
キノピオにしては珍しく青い斑点をしていたそのキノピオは、どことなく近寄りがたい雰囲気を醸し出していた。
ジロジロと見られることに慣れているマリオは彼のことをさして気に留めなかったが、それでも多少の不安を抱いていた。
何に対し不安を感じたのか、それはわからないが。
丁度その頃、不気味な事件が国を震え上がらせていた。
その事件とは、キノピオの殺害事件だ。
凶器はナイフとみられ、ナイフでひと突き。
これだけだが、事件らしい事件が起きることもないキノコ王国の住人達は恐ろしさで夜も眠れなかった。
王家側もこの事件を重く見ていたが犯人を特定する方法がない以上どうすることもできない。
マリオはこのことを王家以上に重く見ていた。
なぜなら、殺害してしまえば「EXP」が手に入ってしまう。
「EXP」がたまれば、「LV」が上がってしまう。
このことを知っている者は王家の中でもとくに上位の者で、かつ完全に信頼が置ける者にしか知らないものだ。
そしてなんと一夜にして数人ものキノピオが犠牲となってしまった。まずどの生き物もLVは「1」から始まる。
そして普通なら1からLVが上がることはない。
だが、この事件の犯人のLVは1ではない。もうLV3までには行ってしまっているだろう。
誰かを苦しませただけLVは上がる。
LVを上げれば上げるほど自分を切り離しやすくなる。
このまま犯人がこの凶行を続けるのなら、彼はさらに自分を切り離して凶行を続けることになる。抵抗もなくなり、心無いロボット同然になってしまうだろう。
訂正:キノピオの斑点の色ですが青色ではなく紫色でした、すいません。なんでこんなミスしたんやろ…
画像|お絵かき|長文/一行モード|自動更新