⎯⎯ すみっこ達は、暖かくて、優しくて、ちっちゃくて、みんな可愛くて。
☆第1章☆1.転校生 *+しろくま(女の子)version✴
キーンコーンカーンコーン。
「早くはやく。移動教室だよ‼」
私達、女子仲良し四人組のリーダーでもあるとんかげ(とんちゃんって呼んでます)が、声を掛けてきた。
早く行こう、といっせーのーせで駆けていく。
「どーしたの?」
「なんだろー」
すると理科室の目の前で人だかりができていた。
「えーん!」
「女子みたーい!」
「泣いてるー!」
この声で喧嘩のように思ったけど…。泣いてるこが気になるなーなんて思いながら中心にいくと、そこでは、
とんかつが泣いているのだった。
とんかつ(男の子)は、私の友達でもあり、頼れる存在だ。
そのとんかつを囲っていたのは、同じく友達のペンギン?、とかげ、おこめくんだった。
私は少し怒りながらとんかつに声を掛けた。
「授業始まるよ?どうしたの?」
喧嘩(?)と分かっているけど、何があったのかまだ知らない。
とんかつはしぶしぶ理科ノートを見せた。
「これ…」
「あっ!」
思わず叫んでしまう。でも、それは…
「破られた…」
そう、破られたノート。
私は余計腹が立ってきた。
「誰に?」
私はそう聞いてみる。私になにかできる訳じゃない、けど…
とんかつは、つらそうに、「ん!」と言いながら指を指した。
その先にいたのは、ペンギン?、とかげ、おこめくんだった。
3人は、ヤバい状況に気がついて、そろって
「ごめん!」
といった。私は、とんかつが許すかが不安でたまらなかった。
おそるおそるとんかつの方を見る。考え込んでいるようだ。
「もう、いいよ!」
とんかつは前触れもなくそう言ったから、少しびっくりしたけど、安心した。
その時、担任の先生が近づいてきた。
そして、こう叫んだのだった。
「てんこうせーい!」
みんなびっくり仰天。でも、転校生が見えた瞬間、雰囲気が変わった。
転校生が超美人だったのだ。おこめくんは、さっきの出来事を忘れたかのように、「びじん!」と叫んだ。
私は友達になりたいな…と思いながら理科室に入った。
☆第1章☆2.さばねこちゃん*+ねこ(女の子)version✴
理科の授業の直前、転校生が来た。理科室に入ってから、名前が紹介された。
"さばねこちゃん"だ。私と同じねこ(私は三毛)だったけど、すごくかわいいんだ。
でも私には、放課後の忘れられない"りすちゃん"(女子仲良し四人組グループの一員)の言葉を思い出した。
⎯⎯「さばねこちゃん…うちらのグループに入れようよ!」
私はなぜか、その意見に反対だった。
心では「賛成」って言いたいんだけど、「え…」と言ってしまい、反対と言う誤解を招いてしまった。
⎯⎯ 何で?どうして?たった4文字なのに…
ずっと自分に問う。ひたすら、問う。でも、答えは出なかった。
⎯⎯ もしかしたら、さばねこちゃんに妬いていたのかもしれない。
そう思ったけど、何で妬くんだろう?と言う別の問題が出てくる。
結局、
⎯⎯ 私、恥ずかしがりやだし目立ちたくないからかな。
と言うことにしておいた。
☆第1章☆3.親友しばけん!*+しろくま(小4)version✴
ペコッ。何が起きたかわからないのに、お辞儀された。
この子は、しばけん。転校生だ。一度、みんなの前で
「これからよろしくお願いします!」
と言いながらお辞儀していたのに、休み時間、私の前でもう一度お辞儀をしたのだ。
実は、それにはこんな理由があった。
⎯⎯ 「売れっ子のいねちゃん知ってる?」
しばけんは、いねちゃんのことを知らなかった。そこで、「ううん」と答える。
「え〜!時代遅れ〜!」そう言って、笑われた。そのときだ。近くにいた女の子二人が全く同じ会話をしていた。
「え〜!時代遅れ!」まで同じだった。しかし、そのあとの女の子の態度がしばけんと違った。
「そうでしょう?私遅れてる〜!」と笑って話を続けていた。しばけんは、その女の子に憧れを持った。
それが、私だと言うのだ。確かに、そんな会話をりすちゃんとしたような気がするが、よく覚えていない。
でも、どんな理由であれ、私は友達になりたいと思っていた。
「しばって呼んでいい?」
と思わず言ってしまった。でも、首を縦に振って、
「いいよ!私もしろくまでいい?」
と言ってくれた。私はなんども頷いた。
⎯⎯ そして、2年の月日が経った。
私にとってしばは、親友と言う存在だ。
「中学一緒?」
「うん、すみ中!」
「やった!でもしろくま頭よさそーなのに!」
「私漢字ダメだもん」
「プッは!」
よくこんな会話をする。その時が、すごくすごく楽しいんだ。
☆第1章☆4.やっとまとまる5人組!*+しろくまversion✴
私はいつものように、しばと話していた。
「私、友達もーっと欲しい!」
「絶対できる!しばなんて私にお辞儀したでしょう?」
「もう、あのお辞儀は忘れて!」
「えー。忘れるわけないよ!」
あのお辞儀を忘れるわけがない。私と友達になりたいからって大げさで驚いたしばの行動だ。(詳しくは3.親友しばけん!)
「忘れろ、わすれろ、ワスレロ〜!」
「う"っ!」
どんどん片仮名に…こわっ
*+りすversion✴
「だから、答えは10になるのね。しろくまさん、ありがとう!」
うぐっ。もう、早く〜!こんなつまらない算数をやるよりも!放課後になれ!
キーンコーンカーンコーン。
「チャイムが鳴ったわね。また明日は、5年生の復習ですよ!」
今日は、すごく外で遊びたい気分なんだ。
廊下を走っちゃいけないっていうのはわかってるんだけど、私は運動場に超特急。
「ドンッ」
と言う音も気にせず。しかし、どんなこが当たったのか一瞬見えていた。
中間休みも終わり、さっきぶつかったこが私に近づいてきた。
怒られてる、かな。
「さっきはごめん…」
私はしっかり謝った。ぶつかったこは、
「ううん」
と笑顔で答えてくれる。良かった、と私は思う。
⎯⎯ 続く⎯⎯
☆第1章☆4.やっとまとまる5人組!*+りすversion✴
「お友達に、なりたいな…」
私は半分本音、半分冗談で言ってみた。
しかし、ぶつかったこは、
「うん、嬉しい!私、私しばけん!しばって呼ばれてるよ!」
と言ったのだ。
「え…私、りす」
真に受けてくれると思わなかった。でも、友達になれて良かった!
そして、放課後になった。私はしばと、いろんな話をした。
仲良し四人組でいるときみたいに楽しい。
私はしばと友達になれて、最高の気分だった。
なんたってしばは人気者。私は目立ちたくないけど、しばと一緒なら許せる。
☆第1章☆4.やっとまとまる5人組!*+しろくまversion✴
私達、りすちゃんを抜く四人組は、りすちゃんを探すため、校舎内をうろうろしていた。
すると、
「メアド交換しよう!」
と言う声が聞こえてきた。うん、間違いなくりすちゃんだ。
「いたよ!」
と、私はとんちゃん、ねこに伝える。そして、二人して壁の向こうを覗いた。
「声掛けようか」
「だね」
「おっけ」
と言うことで、「おーい!」とそろえて叫ぶ。と同時にりすちゃんが逃げた。
わーい!『逃走中』だー!←
と言うわけだけど、りすちゃんと一緒にいた人に事情聴取しようか。
って言うか、あのこ!
「しば⁉」
「しろくまちゃん!」
なんと、私の親友、しばだったのだ。こうなったら早速聞いてみるしかない。
「しば、何か分かる?」
しばは、うーんと考え込んでいるようだ。後ろでは、ねこととんちゃんが見守っている。
「わからない…さっきまで普通に…」
え…?嫌われたとか?
とにかく探すぞー!と言うとき、りすちゃんが戻ってきた。
ねこと私は、そろえて言った。
「一緒に帰ろう!」
って。一方、とんちゃんは、
「裏切るな!」
と付け足した。しかし、りすちゃんは「でも…」と言っている。
「しろくま達しばちゃんのこと知らないんじゃ…」
……⁉私としばの関係をなんだと思っているの!
「親友!」
声をそろえてそう叫ぶ。決まった!と思ったけどとんちゃんが
「知り合い?」
なんて付け足してしまった。
「親友だって!」
そう何度も主張した。そして、とんちゃんはもういいよ…と呆れていった。
きれいな夕日を背に、私達は歩いていた。
「仲良し5人組だね!」
誰がそう言ったかわからない。
でも、みんながそのとうりだ!と頷いた。
⎯⎯☆第1章☆完⎯⎯
☆第2章☆1.おいわいしよう*+しろくまversion✴
「ねえねえ!3日の修学旅行楽しみ!」
放課後、私はしばと一緒に帰っていた。
私はもちろん、「うん!」と頷く。
「しばって何班?」
「4班だよ」
「わあ!私5班!一緒だよ!」
私は結構嬉しかった。2つの班が合体して動くことが多いんだ。
そこで、1・6、2・3、4・5に分かれる。
すごくラッキー!
「そういえば、しろくまちゃんってすみっとめんばーでしょ?」
「うん!」
説明しよう、って言うのはおかしいけど、すみっとめんばーは、私を含む4人のグループ。
仲良しグループみたいなので、とんかつ、ねこ、ぺんぎん?、私のメンバーなんだ。
「だったらもう1年じゃない?」
あ!ほんとだ!多分…
「家のすみノートで確認するね」
すみノートは、私がすみっとめんばーが決定してから書いてる日記みたいなもの。
決定の日も書いているはずなんだ。
☆第2章☆1.おいわいしよう*+しろくまversion✴
私は家に帰ると一直線ですみノートを開く。
今日は、9月13日だよね。一番最初のページの日付は……?
「去年の9月13日⁉」
びっくりして声に出してしまった。
にしても、しばすごいな。当てちゃうなんて。
「多分、私しか知らないはず!」
すみノートを持っているのは私だけ。つまり、知っているのは私だけ!
翌日の朝、すみっとめんばーは、1組の前で集合した。
あの後、私はケータイを持っていないからねこに電話して、みんなに伝えてもらった。
ちなみに言うと、すみっとめんばーでケータイを持っていないのは私だけ。
そこが一番辛いんだけど、なかなか買ってくれないんだよね。
「みんな、このグループ始まって今日でだいたい……」
私がみんなそろったことを確認して、そう言った。
すると、みんなは唾を飲み込んだ。
いい反応だ。やっぱり私しか知らないんだ。
「……わかる?」
私は結局そう言った。みんなはズッコケそうになっていた。
そりゃそうだよね。だいたいで終わったらなにか言うのが普通だもの。
と言うことで、気を取り直して。
「1年だよ!」
「えっ⁉」
「知らなかった‼」
そこへ、りすちゃんが不思議そうに見ているのに気がついた。
りすちゃんはまた別のグループだから、知らないからだと思うけど。
「おいわい……」
りすちゃんも去っていったところへ、とんかつが呟く。
確かに、おいわいしたいな。本当は1年1日なんだけど。
「本当のところは何日なの?」
出ました‼ねこの本当にこだわる謎の性格!
私はすぐに約何々にしちゃっている。といっても普通そうだよね。
なのにねこは本当のところを知りたがる。本当に謎。
「1年1日」
「じゃあ1年1日おいわいだね」
ねこにしては自信がありそうに言った。
私はすかさず、
「んもー!だいたい1年!でいいじゃない‼」
と突っ込む。私はいつもだいたいで生きている。もちろん、器用だし、大胆にいきたくないんだけど。
「ね、おいわい……」
すると、再びとんかつが呟く。もしかしたら、聞こえてないって思ったのかな。
私はしっかり聞こえてたよ。
「「「うん!しよう!」」」
私が返事をすると、3人で声がハモった。
なんかすごい。やっぱり相性抜群だね!
「どこでする?」
そこへ、ぺんぎん?がいい質問をする。
それも決めないとね。
「じゃあ家(うち)でしよう!」
みんな喜んでいたからか、私も含め、誰が言い出したのか分からない。
キーンコーンカーンコーン。
と、そこへチャイムが鳴った。
こんなタイミングなのに。
「私!」
今度はしっかり聞き取れた。ねこだ。
ねこの家、すみっこが工夫されていて楽しいんだよな……
やばい、すごいほのぼのする小説だ…
(コメダメだったらゴメンm(_ _)m)
これからも読み続けるぞ若桜っち…(*≧∀≦*)
コメオッケーだよ〜‼
ありがとう美桜…w
☆第2章☆1.おいわいしよう*+しろくま✴
一時間目は、私の苦手な漢字復習。
今、ねこが指名されて黒板に書いている。
一方のねこは、漢字大得意。
漢検3級くらいまで受けたらしい。(受かったか知らないけど)
『さか』っていう漢字なんだけど、私全然分かんないや。
ヤバい、と自分で思いつつねこの答えを見た。
『坂』と書かれている。
それを見た先生は、こくっと頷いて、
「正解ですね。6年生なんだから、これくらい分かるよね」
確か、この漢字3〜4年くらいの時習った……‼
ねこは、正解を確認して席に戻った。
すると、隣の席のぺんぎん?が、怪しげな顔をしていた。
「ねこってさ、算数苦手なのに偉そう〜‼」
ひどっ!別に偉そうなことはないと思うけど。
「次の問題簡単ですよ!んー、しろくまさん」
えっ?私なんだ。問題は、『あめ』
あめはあめでも雨雲から降るあめ。
1年生の漢字だったはず。
私は、雨の``の所を反対で書いてしまった。
「こうですよ!」
私が書き終わったとたん、先生が叫ぶ。
ついでに
「おぼえーてーねー」
と歌っていた。それが思いの外ウケたらしくて、みんなクスクス笑っている
「しろくま、大丈夫」
席に戻り、有一そう言ってくれたのはねこ。
「ねこ……」
私がそう言うのと同時に、ねこが吹き出した。
ねこも笑うの⁉