「え…今、なんて言った?……灰原…。」
俺は灰原から言われた衝撃の事実が頭の中を飛び回って、言われている意味がわからなかった。
「ごめんなさい…工藤くん。あなたの体はもう、元の工藤新一には戻れないの。」
戻れない…?嘘だろ…。解毒剤完成が出来なかったのか?
「なんで…なんでだよ。もう、元の姿で蘭や園子たちに会えねえってのか?」
「新一、落ち着いてよく聞くのじゃ。新一が最初に元の姿に戻ったのは、あの服部くんが持ってきた白乾児酒を飲んだからじゃろ?あれからどんどん体に抗体ができていたんじゃ。それに哀くんの試作品の解毒剤もたくさん使ってきたからあの解毒剤の抗体も出来上がっていたんじゃ。つまり…その、もうどんな方法を用いても元には戻れんと言うことじゃ。」
博士の言葉を聞いて、俺は体が重くなって座り込んでしまった。これじゃー、黒ずくめの奴らも捕まえられねーじゃねーか!それに、蘭…。あいつは今も俺があいつの元へ戻ると信じて、待っているって言うのに…。どうしてだよ…!俺は今まで蘭のこと、何も分かってやれてなかった。だけど日に日にあいつのそばにいることで、分かった気がする。だから元の姿で俺の思いを伝えたい…のに、このザマだ。
こんなことになったのも、俺が蘭を置いて奴らに首を突っ込んだから…。バカだな、俺。名探偵名探偵って言われて、浮かれて…体を縮められて…。くそっ!クソクソクソクソクソクソォ!
その瞬間、目から何かが溢れ出た。止めようと思っても止められない。
その日の夜は…、一睡もできなかった。
「いや、ダメだ…。おめーらには手に負えねえ事だ。」
「でもぉ…」
「でもじゃねえ!一人にしてくれ!」
3人は驚いた表情でこちらを見つめ、自分の席へ戻っていった。
「んだよ俺らが心配してやってんのによー、今日はうな重やけ食いだ!」
(オメーはいつも爆食いだろーが)
「お前…、ホンマに戻れんのか?」
俺は服部を呼び出して、話し相手になってもらった。
「…そか、それでこれからどーすんねん。このまま江戸川コナンで人生終わらすか、あのねーちゃんだけに正体バラして暮らしてくか…。俺はあくまでも他人やし、お前の人生にとやかくいう筋合いはない。けど友達やから、…な?」
ふっ、いつもバカ見てーなことしか考えてねーと思ってたが…。ここまで親身になってくれるとはな…。
「そいで、まだ理解が追いつかんのやがお前をこんなちっちゃーくした、黒ずくめの組織っちゅーの情報は?あのちっちゃいねーちゃんから聞けるやろ。」
「あいつもずっと徹夜して薬を作ってやがる。今日で3日目だな。だからあいつらのことを考えてる暇はなさそうだ。」
ー博士の研究室ー
深夜3時…
「哀くん、いい加減に休むんじゃ!もう、3日も寝てないんじゃぞ!このままでは君の体が壊れる。もう彼の体は戻らないんじゃ!」
「戻らないんじゃないの、戻すの!工藤くんの体を小さくしたのは私なの、元に戻す薬だって作れるわ!」
「なぜそこまでして戻したがる!」
「彼女が可哀想なの!ら、蘭さんが可哀想なの…。彼女が愛してる彼に一生会えないなんて可哀想じゃない!工藤くんのためにも、蘭さんのためにも、工藤くんの体を戻さなきゃいけないの。」
「し、しかし…!」
「邪魔だからどいて!」
「あ、哀くん!」
ー学校ー
「灰原さん…、今日で四日目の欠席ですね…。どうしたんでしょうか?」