永沢「藤木くん、君は本当に卑怯だね。」
藤木「…。」
永沢「ふん、図星だから声が出なくなったみたいだね。」
藤木「う、うるさいよ!毎日毎日、僕を卑怯って言うなよ!」
永沢「卑怯って言われたくないのなら、卑怯って言われないようにしろよ。」
まる子「永沢、今日も藤木に卑怯卑怯言ってるね。毎日言って飽きないのかね。」
たまちゃん「うん、そうだよね。藤木が卑怯っていうのはもう分かりきったことなのに、卑怯だって言い続けて攻撃してる感じだよね。」
大野「そうなんだよなー、あいつは『正直に言ってるだけさ』なーんて言ってるけどさ。」
杉山「正直に言うことが全てじゃないよな。」
前田「それは違うわよ!」
まる子(ま、前田さん…。今日もすごい目つきだね…。)
前田「永沢の言い方ぐらいじゃないと、藤木だって直す気にならないでしょ!」
大野「でもさ、いつもいつもおんなじこと言われても俺だったら直す気にならないぜ?」
杉山「おう、俺も!」
前田「うーん、私もそうかも。」
まる子(前田さんが珍しく人の意見に耳を傾けた!)
大野「やっぱり、卑怯でも注意の仕方は考えねーとだめだぜ?」
まる子「そうだねー、あたしだってお母さんに宿題やりなさい!っておんなじことを毎日言われると憂鬱だもんね。」
それはまる子が悪い。
永沢「やっぱり、君みたいな卑怯者の友達でいると疲れるね。」
藤木「う、うう…!永沢くん!僕からも言わせてもらうけど、君だって僕と同じくらい、いやそれ以上卑怯さ!」
永沢「なんだって!僕のどこが卑怯だっていうのさ!」
藤木「ベルマークのお菓子を買ったときも、君は僕が君たちのお菓子にベルマークがついていないことを知っていて、わざと教えなかったって決めつけてたじゃないか!僕は違うって何度も言ったのに、君だって人を貶めるタイプの卑怯者さ!」
永沢「たった一回だけじゃないか!たった一回で、僕を卑怯なんて言うなよ!」
野口「クックック…、永沢。一回だけじゃないよ。永沢は、自分が責められて不利になると、黙っているのは卑怯だって言って、藤木を巻きこんでいるよ。クックック…。」
大野「いいぞ、野口!その通りだ!」
前田「永沢、あんたも卑怯者じゃもう藤木に卑怯だって言えないね!」
永沢「ぐっ…、君たちだって大勢でよってたかって僕を責めるなんて卑怯さ!」
まる子「全然卑怯じゃないよ!あたしらはね、あんたのその憎まれ口に腹が煮えたくってるんだよ!」
はまじ「あー疲れたな。」
ブー太郎「みんなそんなに怒ってどうしたんたブー?」
関口「喧嘩か何かやってるのか?」
まる子「もうみんな、藤木に向かって卑怯だ卑怯だって言い続ける永沢に腹が立ってるんだよ。」
はまじ「まあ、そうかもな。永沢、お前ちょっと言い方がきつ過ぎるんだよ。」
ブー太郎「そうだブー、藤木だって直そうとしてるのは俺達だってわかるブー。」
関口「俺もみんなと同じ気持ちだな。」
永沢「ふん、直そうとしてるのはいいけど、でもそれが結果として表れてなかったら無意味じゃないか。」
野口「私には、永沢は藤木を卑怯だって言って、言葉のサンドバッグにしているように見えるね。ストレスを発散させるために。クックック…。」
先生「みなさんどうしましたか?授業はもう始まっていますよ?」
大野「先生、俺達永沢の憎まれ口に腹が立っているんです!」
杉山「永沢は、藤木を卑怯だって言ってバカにしているんです。」
先生「本当ですか、永沢くん?」
永沢「違います、僕は藤木くんをバカにしてないです!」
まる子「嘘をつくんじゃあないよ!いっつもニヤニヤして嫌なこと言ってるじゃん、あればバカにしていると言えるね!」
前田「そうだよ!永沢、あんたは藤木を卑怯卑怯いって虐めてる加害者だよ!」
ブー太郎「卑怯を直さない藤木も悪いけど、永沢の方がもっと悪いブー!」
はまじ「かーえーれ!かーえーれ!」
関口「かーえーれ!かーえーれ!」
ブー太郎「かえるブー!かえるブー!」
前田「かーえーれ!かーえーれ!」
永沢「ぐっ!〜〜〜っ!!!うるさい!」
クラス全員「シーン…」
永沢「大体、僕に卑怯って言われたくないのなら、卑怯だと言われるようなことをしなきゃいい話じゃないか!藤木くん、こうなったのは全部君のせいなんだからな!」
杉山「バカヤロー!」ボカッ!
みんな「杉山くん!」
永沢「痛え!」ドサッ
先生「杉山くん、落ち着いてください!」
永沢「何をするんだ!僕を殴るなんて、君こそ僕をいじめてるじゃないか!」
杉山「これはいじめじゃねー!お前のその言葉にはもう限界が来たんだ!卑怯はそう簡単に直らねーだろ!だから卑怯を直せるように頑張ることが大切じゃないか!」
大野「いいぞ、杉山!お前は悪くない!」
みんな「杉山!杉山!杉山!杉山!」(杉山コール)
永沢「くそっ!」(頭を抱え、悔しそうに)
まる子「あんたより悔しい思いをしてるのは藤木なんだよ!」
大野「藤木をバカにするな!ホントに帰っちまえ!」
みんな「そうだー!そうだー!」
永沢「くっ、分かったよ!帰ってやる!帰ってやればいいんだろ!帰れば!」たったったっ
シーン
城ヶ崎「いい気味ね、永沢なんてもう2度と学校に来なけりゃいいのに。」
花輪「それは無理だね、永沢くんにも義務教育というものが…」
城ヶ崎「花輪くんは黙ってて。」(恐怖の笑顔で)
花輪「分かったよベイビー、今日は機嫌が悪いみたいだね…。」
杉山(いくらイライラしてても…、殴るのは良くなかったかな。)
大野「どうした、杉山。」
杉山「いや、永沢をぶん殴ってよかったのかなって…。」
大野「何言ってんだ!あんな嫌な奴、1発や2発ぶん殴ってやんねーとわかんねーんだよ。」
まる子「そうだよ杉山くん、気にすることなんてないよ。」
先生(…永沢くんを連れ戻さなくてはいけませんね。)
先生「みなさん!」(手を叩き、みんなの視線を集めながら)
先生「これから自習です、先生は用事があるのでしっかり勉強してくださいね。」
カララララ…パタン
丸尾「さあさあみなさん!張り切って勉強を…!」
前田「今それどころじゃないのくらい、学級委員のくせにわかんないわけ!」
丸尾「ひいっ!すみません…。」
杉山「やっぱり殴るのは良くなかったな…。」
大野「だから!気にすることねえよ!」
野口「今は永沢の事より、藤木を気にしたほうがいいんじゃない?クックック…。」
まる子「藤木?」
藤木「…ハァ。」
まる子「藤木ー、あんなやつの事なんて考えないでいいよ。」
大野「そうだよ、お前が卑怯じゃないときも永沢のやつ、卑怯卑怯って言うから腹立つよな。」
杉山「俺たちにできることがあれば、何でも言えよ!」
藤木「じゃあ、クラス全員に手伝ってほしいことがあるんだ。」
まる子「クラス全員!?」
藤木「うん…。永沢くん、いつもみんなに嫌な事言うだろ?」
まる子「うん言うねー、あたしだって何回永沢に怒ったことか…。」(ヤレヤレ)
大野「直接言われたわけじゃねーけどみんなが嫌味言われてるの見ると、俺も腹が立ってくるんだ。」
杉山「俺も!」
城ヶ崎「私も!」
笹山「私も…かな。」
藤木「だから明日から、永沢くんに嫌味を言い返したり、無視したりしてほしいんだ。」
相手にするのかしないのかどっちだ
まる子「あんたも卑怯だね〜、でもそのアイデアはいいじゃーん。」
大野「いいかもな、永沢に俺たちの気持ちを分からせてやるんだ!そういうことだな、藤木。」
藤木「うん、そうだよ。」
杉山「俺も協力するぜ!」
城ヶ崎「私も!」
前田「私も!」
大野「前田はいつもより多くメンチ切ってくれ。」
藤木「メンチって、カツのメンツかい?あんなもの切ってどうやって永沢くんに僕らの気持ちをわからせるつもりだい?」
大野「え…お前メンチ切るって意味知らないのか?」
杉山「相手を思いっきり睨みつけることさ。」
藤木「なるほどー。」
前田「永沢を睨みつければいいんだね?私もやる!」
まる子(前田さんも、永沢と似たようなもんだけどね…。)
藤木「じゃあ明日からやろう!」
みんな「おーっ!」
永沢「おはよう…。」
みんな「ガヤガヤ!………。ガヤガヤ!」(永沢を睨んでまた騒いで)
永沢(ん?…今僕は無視されたのか?藤木くんなら返してくれるはずだ。)
永沢「藤木くん、おはよう。」
藤木「……。みんな、おはよう。」
みんな「藤木!おはようっ!」
永沢(っ…!みんな藤木くんだけに挨拶して…、僕にはしてくれないのか。)
関口「おっはよー!うわっ!」(永沢の足にわざと引っかかって)
関口「いってー!」
永沢「は?今君がぶつかって来て…!」
関口「いてててて!永沢に転ばされた!」
大野「大丈夫か?関口。」
関口「いてー!」
大野「永沢最低だな…、行こうぜ。」ギロッ
関口「チッ!」ギロッ
永沢(な、なんなんだこいつら!僕は何もしてないぞ?)
まる子「足引っ掛けるなんて卑怯だね〜。」
たまちゃん「そうだね…。」
杉山「よし、山田。行ってこい!」
山田「? わかったじょー!」
永沢「…関口くんのせいで服が汚れちゃった、ったく。」パンパン
山田「あはははははは!」ドッシーン
永沢「うわぁっ!」ずでっ
山田「あ、永沢くんだ〜。 あははははは、変な顔〜。」
みんな「あはははははは!」
永沢「なんで笑うんだ!そんなに人の不幸が面白いのかい?」
みんな「あはははははは!」
永沢「笑うの、やめろよ!」
みんな「あはははははは!」
永沢「…っ!」
藤木「永沢くん、少しずつだけどメンタル削られていってるね。」
城ヶ崎「いいことじゃない、これで永沢も思い知るでしょう。」
まる子「ねね、そろそろ前田さんとはまじの出番だよ。みてみよーよ!」
藤木「うん!」
城ヶ崎「ええ!」
永沢(なんだ?みんな昨日とは全然態度が違うな…。)
前田「なにこれ?消しゴムのカス?こんなの持って何になんの?」ぽいっ
永沢(僕の練り消しが…!)
前田「あーっ!永沢、漫画持ってる!」ギロッ
永沢「僕は知らないぞ!」
はまじ「漫画は持ってきちゃいけねーのにな。」(ホントは俺のだよwこっそり入れといたんだ。)
前田「私が預かっとこ。」
永沢「僕は何も知らないぞ!」
前田「きーめた!帰りの会で話題にしよっと!」
永沢(やめろ!僕は何も知らないんだ!)
山根「藤木くん。」
藤木「なんだい?山根くん。」
山根「永沢くんは友達だろ?もうやめなよ、こんなこと。」
藤木「ふん、何も知らない君が、勝手に正義を語らないでほしいね。」
前田「そうだよ山根!藤木はねぇ、卑怯って言われるのは仕方ないかもしんないけど、だからって嫌味を言われる筋合いはないでしょ!だから私らも永沢に同じことしてやって、藤木と私らの気持ちを分からせてやんのよ!バーカ!」
藤木「言い方はきついけど、前田が正しいよ。」
前田「へへ、またなんか言われたら私に言いな。」
藤木「ありがとう、前田。」(前田はいつも威張ってるけど…、こういう時は頼りになるな。)
まる子「前田さん、いつも気が強いからこーゆーときはすごいね!」
関口「なんか少し、前田を見直したぜ。」
はまじ「もうすぐ授業なのに、先生はどこいったんだ?」
野口「私、見たんだよ…。先生と永沢が、二人で別室で話してるのをね…。クックック…。」
大野「何話してたんだ?」
野口「やっぱり、私達のことを話してたよ。」
杉山「平気だよ、先生は気が小せえから。」
城ヶ崎「そうね、私達が束になったら、最強ね。」
まる子「あっ、永沢と先生だ!みんな席について!」
みんな「はーい!」
ドタドタ
先生「3時間目は道徳の時間とします。永沢くんのことで話が…。みなさん、先生はがっかりです。みなさんで永沢くんを虐めていたそうですね。」
大野「はあ!?なんでいじめなんて言うんですか!」
杉山「俺たちはただ、永沢の憎まれ口に腹が立っているんです!」
永沢「うそさ!今朝だって関口くんが僕に転ばされたフリをしたじゃないか!」
先生「本当ですか、関口くん!」
関口「違います、ほんとに転ばされたんだ!足を擦りむいたんです。」
大野「関口がほんとに転ばされたフリをしたならこんな怪我しなくないか?」
先生「た、確かに…。」
まる子「永沢〜、あんたも卑怯じゃん。人のこと言えないね!」
はまじ「…それは流石に引くな。」
ブー太郎「そうだなブー。」
藤木「卑怯!卑怯!卑怯!卑怯!」
みんな「卑怯!卑怯!卑怯!卑怯!」
城ヶ崎「思い知りなさい!みんなあんたに頭に来てんのよ!」(卑怯コールに乗っかって)
前田「そうだよ!あんたなんて藤木の何百倍も卑怯だね!」
関口「しかも、俺らがいじめの加害者だとー!ふざけんな!」
関口の言葉でみんなに火がついて、みんなはものを投げ、ブーイングを大きくした。
先生「わ、分かりました。一応みなさんを信じます。なので落ち着いて…。」
大野「そうだな、熱くなりすぎてたな。みんな落ち着け!」
みんな「シーン…。」
永沢(なんで僕が悪者になるんだ!…ん?山田くんは単純だから、これがどういうことか教えてもらえるかも知れない!…でも、あいつ嫌いなんだよな…。いや、背に腹は変えられないな!)
永沢「なあ山田くん。」
山田「あ、永沢くん!おでに何の用だい?」
永沢「みんな昨日からなにか変だろ?君なら何か知ってるかい?」
山田「うん、おで知ってるじょー!藤木くんがボスなんだじょー。」
永沢(なるほど、藤木くん、僕に卑怯って言われて復讐してるのか!)
永沢「教えてくれてありがとう、山田くん。」
山田「うん!また話そうね、永沢くん!」
小杉「てなことがあってさー。」
藤木「それは凄いじゃないか!小杉くんならでは、だね!」
永沢「藤木くん!」(睨み)
藤木「僕はね、昨日…、」
永沢「無視するなよ!」
小杉「ホントかい?」
藤木「うん、あのときはほんとにひやひやしたよ。」
永沢「君がボスなのは知ってるんだ!今すぐやめるんだ!」
藤木「ボス?なにそれ?」
小杉「そんなことより、早く俺の家行こうぜ!」
藤木「またあとでゲーム持ってくるよ。」
永沢(小杉くんの家でゲームか。これに混ざって、藤木くんに問い詰めてやる!」
永沢「僕もゲームソフト持ってくよ。」
藤木「ゲームソフトだけ君の家にあるから、ゲーム機さえ持ってくればいいね。」
小杉「うん!待ってるよ。」
永沢「なあ、僕も君たちとゲームを…!」
小杉「君はいいや、僕らがやるのは二人用だから。」
永沢「なら交代しあって…。」
藤木「なんで僕のゲーム機を、君に貸さなくちゃいけないんだい?」
永沢(藤木くん…、前より少し強くなったな…。」うまく混ざれない…。)
藤木「あ、そういえばゲーム機3つあったんだった!」
永沢(なら僕も混ざれるな。)
永沢「藤木くん、僕も…。」
藤木「浜崎くん、小杉くんの家でゲームをやらないかい?」
はまじ「ゲーム!分かった、すぐ行くぜ!」
永沢(くそっ、なんでなんだ!)
前田「邪魔!」ドンッ
永沢「うわっ!」(よろけて倒れて)
前田「こんな道の真ん中にいるんじゃないわよ!バーカ!」
永沢「ぶつかって来た君がいけないんだろ!」
まる子「いや、永沢がどけばよかったんだよ。前田さんは足音大きいからすぐ気づくじゃん。」
たまちゃん「確かにね…、前田さんがきたならすぐ分かるよね。」
永沢「だからって、僕を突き飛ばすことないじゃないか!」
前田「もー、細かいことでうるさいねぇ!」
永沢「くっ…!」
永沢「藤木君、僕が悪かった。仲直りしよう♪」 藤木「するわけねぇだろタマネギ、焼け氏ね」 ボォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ 永沢「あづいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」キートン山田「当然の報いである」
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