※既存の登場人物は黄泉しか出ません
「皆さんこんにちは 絶叫学級の時間です」
そう言って微笑んだのは黒髪にセーラー服を着た少女の霊、黄泉だ。着席しているが、よく見ると下半身がない。
「それでは授業を始めます」
開いた窓から吹く風が少女の黒髪を揺らした。
1限:やらかし
「EASTBOYデビュー!?」
そう言って表情を輝かせたのは高校1年生の須藤夢李(すどう ゆり)。人気アイドルグループのはにわ男子の大ファンである。その歴は1年。
高校受験でうんざりしている時、勉強をサボってたまたま歌番組を見て目に付いたのがこのグループだった。まだデビューしていなかったので、先輩グループのバックダンサーとして踊っていた。
「かっこいー…」
夢李は元々アイドルなどに興味はなかったがたまたま目についた栗山照史に目が釘付けになった。
地黒な肌にくりっとした目、ひょうきんな振る舞い。夢李にとって何もかもがタイプだった。
「かっこいいか?」
1つ年上の姉の芽唯(めゆ)が馬鹿にしたようにそのアイドルに毒づいたので、夢李はムカッとする。
いつも自分の好きな物を侮辱してくる芽唯のことが嫌いだった。
「こっちの人のが顔整ってね?」
さもおかしそうに笑いながら栗山と同じグループの高身長のメンバーを指さす。芽唯は高身長好きの面食いだ。理想が高すぎてなかなか彼氏ができない。
「うっせー黙れ」
夢李は口汚く反論した。姉はつまらなさそうな顔をしてスマホを弄り始めた。
ーそうだ。
夢李もスマホを取り出し、ミシッターを開く。そこには歌番組の実況のタグが付けられている。
そしてようやくそのアイドルの名が栗山照史だと知ることができた。
早速デビューのお祝いをミシッターに書く。
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EASTBOYデビューおめでとう💞🎀
Easterのふぉろわ~これからもよろしくね(* ॑꒳ ॑* )⋆*
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胸の鼓動が治まらない。
最初は全然人気が出なくてたくさんたくさん苦労してきただろう。
―本当に本当に、よかったね。
涙が溢れてきた。これからもっとたくさんテレビで見れる。
それが本当に嬉しかった。