(昔書いて、失踪した作品の完全リメイクです。ストーリーに関しても全て変更予定。)
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何かと努力家で、新しいもの好きな、
普通の魔法使いこと霧雨魔理沙。
全ての常識が科学で通用する現代の未来世界へと飛ばされてしまい、、そこで待ち受ける物語とは。
※原作、東方Projectの二次創作です。原作基準ではありませんのでご了承願います。
「昨日辺りから博麗大結界が不安定化してきているのよ。それもただの不安定化じゃないの、外部からのアクセスの影響よ。」
外部からのアクセス、そう聞いて思わず魔理沙はきょとんとした。
そんな魔理沙を見て霊夢が助け舟を出す。
「つまり、大結界の術式が何者かによって書き換えられそうってことよ」
それを聞いた魔理沙はハッとした。これは前代未聞の“異変”であると。
「ということは、いつものアレか」
また毎度のことのように異変の黒幕を倒す。今度こそ霊夢より先に。
「それが、そう簡単な話でもないのよ」
困った表情で紫がそう言った。
「本来異変の発生には、“幻想郷内部”にいる人妖、主に妖怪が引き起こすのだけれど、今回の黒幕は幻想郷内部にもいない“未知の存在”なのよ。恐らくは別の次元の……」
紫は腕と足を組み、スキマの狭間に腰掛ける。
(幻想郷内にいないのであれば、黒幕も倒しようがない、ってことか)
「その“外部からのアクセス”を無効化、あるいは弾く道具が歴代の博麗の巫女の道具の中にあるはずなのだけれど……」
紫は霊夢の方をじろりと見た。
「わ、わかったわよ。もう一度探すわ」
そう言うと霊夢は外に出ていった。
「で、もしもこれでその道具が見つからなかったらどうするんだ?」
それを聞いた紫は少し考える様子を見せると、言った。
「その時は、、貴方に行ってもらおうかしらねぇ」
途端に魔理沙の頭の上にははてなマークが浮かぶ。どこに行くのかと、黒幕の居場所がわかっているのかと。
「そんな顔しなくても大丈夫よ、アクセスの反応が強い境界を見つけたわ。ただそのアクセスが外の世界から来ているものなのか、全く別の世界から来ているものなのかは、わからないけどね」
最後に不気味な笑みを見せると、「それでは待ったね〜♪」と言いスキマを開く。
「おい!ちょっと待てよ!なんで私に……」
(スキマが閉じる音)
ブゥゥン
こうして紫は深くを語らずに、魔理沙の前から姿を消した。
0,プロローグ「奇想天外」
《完》
1,「常識と非常識」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
あれから次の日、、
〜紅魔館(大図書館)〜
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紫はパチュリーに魔理沙の転移をさせる陣の作成、次に見送りを任せた。
「どこに出るかはわからない。スキマ妖怪の提示場所だからね」
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パチュリーがそう言うと魔理沙の足元の術式が陣を描き始めた。
「紫の差金で紅魔館に来たが、まさかお前が私を見送ることになるなんてな」
結局あの後巫女の道具も見つからず、紫も姿を現さなかった。
霊夢もだ。見送りくらい来てくれてもいいだろと思う。二人共結界の管理で忙しいのだろうか。
「そんなんじゃないわよ。別の場所に転移させる魔法なら取り組んだことはあるけど、別の空間に飛ばす魔法なんてそうそうやる機会もないからね」
口元をニヤリとさせ、そうパチュリーは言う。
ここまで来ると知らない魔法なんて無いのではないかと思わせる程の立ちふるまいである。
「そりゃあご苦労なこった、私は実験体ってことか」
そう言いながら苦笑いした。
足元の術式は陣の形に変化し、光り輝き始める。
「そろそろね、準備はいいかしら」
いよいよ黒幕のいる世界に移動だというのに、とてもワクワクしていた。
「…頼む」
(効果音)
キュゥィィン
「さっさと倒してきてちょうだい」
そのパチュリーの声を最後に、辺りは光に包まれた。
キィーーーン
強烈な耳鳴りで目を覚ます、どうやら転移される際の強い魔素にあてられて気を失っていたようだ。
〜???〜
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「ここは一体、、?」
見渡す限りの異空間、まさか転移に失敗したのかと魔理沙は焦る。
しかし、少し離れたところから一筋の光が差し込んでいた。それに気がつくと、持参したほうきにまたがりそこを目指して一直線に飛ぶ。
長い道中にはゴミのような物が浮遊していた。
(河童のところで目にしたものと似てるな…)
道行く末に、まさか河童のたくさんいる世界なのか?とちょっとした冗談を自分に言ってみる。
数分飛んでいると、ふと、帽子のつばの内側に光が入り込んできた。
(青空?)
"穴"が空いていた。
それを見るなり鼓動が早くなるのを感じ、何も考えず夢中になって穴を目指す。不安四分好奇心六分と言ったところだろうか。
(風の当たる音)
ビュゴォォオ
異空間から飛び出すと、風が一気に拭き付き髪や服をなびかせる。そして眼の前に広がっていた情景に魔理沙は思わず言葉を失った。
あちこちを飛び交う鉄の塊や、それに乗る人々の姿。空中に映し出される大きな映像。それら全てが新鮮に写る。既に不安を完全に忘れて目の前の光景に見惚れていた。
そうしてしばらく空中で止まっていたのだが、いきなり辺りが薄暗くなる。反射的にスッと空を見上げると……
(効果音)
『ゴミヲホウリュウシマス ゴチュウイクダサイ』
「、、なんだ?」
そう塊から音が発せられた途端、塊の姿が変形しだす。
(効果音)
ウィィィィン
よく見ると、後ろには異空間中に漂っていたゴミがたくさんに積まれていた。
そして、そう考える間も少ない内にそのゴミが後ろの異空間への穴に向けて降り注いできた。
いきなりの事だったので、魔理沙は間一髪でそのゴミを交わす。
「なんだなんだ!?」
そんな魔理沙の驚きの声に見向きもせず、その塊はさっさと別方向へと体を向け、去っていった。