題名の通りの温かいスレにしたいです♬
33:雪りんご◆:2020/04/07(火) 16:10 ID:BnA 「ふざけるな、コラー」
通常ならば主の高笑いで騒がしい薄暗い部屋は
主のいない今、弾丸の音が耳障りだ
足を踏み入れた不気味な赤黒い影を数百発もの弾丸が一斉に襲っているのだ。
同じ制服を着こなし、同じ冷ややかな美貌を持ち、
魅力的ながら機械的な同じ声をした少年たちが同じ動きで銃を打ったのだ。同じ標的に向かって容赦なく。
彼らの名はクローン男子高校生。巨人族の伯爵階級の大貴族にして狂気の科学者でもあるだいだらぼっち卿が「私(わたくし)の最後の領域にして最高の楽園なる研究室に来られ、私とフェンシングでもして遊ばれるには余りに貧弱な雑魚の方々に消えていただく」ために造り出した"高性能戦闘用人造生命体"である。
35:雪りんご◆:2020/04/07(火) 16:13 ID:BnAそんな彼らをいともかんたんに蹴散らした標的は……人造生命体特有の緑色の返り血を浴びながら……謎の機械に手を伸ばした
36:雪りんご◆:2020/04/07(火) 16:16 ID:BnA そして"標的"……赤黒い影……血塗れの復讐者は謎の機械のスイッチを押すと憎悪に満ちた声で言った
「安倍晴明軍団め
私の存在しない並行世界へと逃れ罪の無い人達をおとしいれようとはな……
だが、あなた達が世界の果てに逃れようと
時空の狭間に逃れようと
並行世界へと逃れようと
全くの無意味だ
あなた達が何処にいようと私はあなた達を倒しあなた方のために曇ってしまった笑顔を再び復活させ、愛する人の仇を打たせてもらう
例えそれが私自身の不幸をまねこうとな……」
ビアンカの瞳が死神の鎌の様に冷酷に光った
「男子、倒すべし!」
「ふんふんふーん♪ お客さーんが笑顔になりますように♪」
沈みいる夕焼けが街をオレンジ色に照らす
そんな絶景をバックに可愛らしい声で鼻歌を歌っているのは赤い髪のサイドテールがよく似合う十七、八歳くらいの少女るりぃだ
無論彼女のような美少女がただの女の子なはずはない。
るりぃは彼女の通っている学校中の……いや、世界中の人を歌やダンスで幸せにする大きな夢を掲げた本物のアイドルよりも歌やダンス……そしてファンを愛する一般人の女子高生たちによる校内アイドル"スクールアイドル"なのだ
39:雪りんご◆:2020/04/07(火) 16:28 ID:BnA 「僕たち「男子」でもないにみんなを平和にする英雄となろうなどと考える不愉快なお嬢さんはお前で間違いないようだな……。スクールアイドル、るりぃ。光栄に思え。僕、三千世界統べしお方観音菩薩の怒りの影が、お前の相手だ」
敵意のある口調で言い捨てた何者かは17メートルはある大木の上からるりぃを見下ろした。
そして彼は消えた。
さて、帰り道、るりぃの家がすぐそこに見えるような場所で
ガツンという擬音がした。るりぃは誰かにぶつかったのだ……
突然目の前に現れたゾットするような美貌のスラリとした青い髪の青年に
「ご、ごめんなさい。私ったらドジであなたにぶつかっちゃいました。もうっ! 私のバカバカバカ!お怪我はないですか……」
るりぃはぶつかった相手を見てちょっぴり赤くなりながらも、
申し訳なさから涙声で謝る
青年は優しく言った
「るびぃちゃん。ちゃんと謝れるなんて凄いじゃないか。子供のように純粋な心を持っているね。でも、僕は例え君がちゃんと謝れない女の子でも許してあげるよ
君が優しい子だって君の瞳を見ただけ僕にはわかるから。どうしてかって?
何故なら……僕はこれから君を始末するからさ」
いきなり恐ろしいことをいった青年の姿はみるみる変わった……
服を着替えたのではない。服が勝手に変わっていったのだ。
美しい口元は隠され青い髪は頭巾で覆われたその姿はまるで忍者だ……そして忍者は異様なまでの黒いオーラのような物を纏いこちらを見ている。
この異様な雰囲気から、相手が本物の人間ではなく、忍者の姿をした何かであると察したるりぃを恐怖が襲う。名前をルヴィと間違えられたことさえ、指摘できないほどの恐怖だ……。
「フフフ……。驚いたか……お嬢さん。
僕の名前はサイゾウ・クモガクレ
美しき男の姿を持つ偉大なる魔物「男子」の一族に生まれ、血を愛する崇高なる暗殺者だ。今日は君を始末するように言われている。よろしくな。世界は僕たち男子のような強者が手に入れる。君たち人間の女のような弱者は皆例外なく男や僕たちの奴隷になれそうすれば僕たちはあらゆる敵から君たちを守り平和を与える。そうだ、この世に平和や笑顔をもたらすモノは僕たち男子でなければならん。だが君はくだらん歌やダンスで僕たち「男子」になり変わろうとしただろう。故に生かしてはおかん。」