泣き虫弱虫諸葛孔明 第二部より
(長坂坡 部分部分間違ってるかも)
孔明は部屋に入るなり
「水」
と言った。すかさず劉備が
「魚!」
と言う。
「さすがは殿。ノリの良さについては、曹操の及ぶところではないでしょう」
孔明は微笑した。
「そんなことより先生!」
「分かっております。この孔明、三日見晩屋敷に引き籠り、血反吐を吐きながら七転八倒し、苦しみに苦しみ抜いた末に(多分嘘)ようやく策らしきものがなりましたぞ」
劉備はくわっと目を見開いた。
「して、それは如何なる?」
>>81の続き
孔明は言う。
「曹操の大軍の前に立ち塞がったかのように人の耳には聞こえ、命よりも名を惜しんで華々しく一戦した感じが漂い、惨敗して逃げているにも関わらず何となく勝ったふうに見え、なおかつ民衆からの人望も失わず、希望の新天地に思いを馳せる…といったような、普通の軍師なら誰しも思わずふざけるなと言いたくなるに違いない、話がうま過ぎる条件のもと、我が殿のわがまま過ぎる要求も全て満たした恐るべき秘策が、我が方寸にございます」
「まさか!このわしですらもう諦めて、そんな都合の良い話はなく、うまい汁は吸えないと反省しておったのに。こんな痴人の妄想が叶うとおっしゃるのか、先生!」