君は呟いた。 「もしこれが僕なら、君はどう思うかな」 そりゃ嫌だ、だってこの時間帯にしか現れない、誰にも表す事の出来ない「芸術」なのだから。 「…そっか。……じゃあ、僕は誰にも表せない、芸術なのかなあ」 そう言った途端、君の身体は透け出して。行かないで、と手を伸ばしても、君の身体を貫通するだけ。 君は笑顔で、口を噤み。また会えるからと、何処かで声が響いた気がした。 >>1-2