>>1000
–––– 青に溺れる ––––
思い出したくもない視界が眩む様な
夏の日のこと。どこまでも広がる
水平線が、あの青が、憎かった。
また、筆を手に取り青を
キャンバスいっぱいに青を描く。
ふとペンだこに気づく。
魚の目になっていて、
あの日を思い出した。
変えようのない事実を、
捻じ曲げたのは僕だった。
本当に憎むべきは
自分自身だという事。
あの日、君を裏切ったのは
僕ということ。
溺れていく君を見捨て陸へ急ぐ。
その時のこと。
君はその澄んだ青い瞳で僕を睨んだ
それを思い出した瞬間、
罪悪感と背徳感が一気に襲った。
あれは事故だった。
そう自分に言い聞かせ色を重ねた。
けれど、どうしようもない
この気持ちがブルーなる前に、
僕は
青に溺れる。
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