左手の魚の目が僕を睨む -14- 

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1000:翡翠◆S4v.:2020/05/13(水) 04:22

>>1000

   –––– 青に溺れる ––––

 思い出したくもない視界が眩む様な
 夏の日のこと。どこまでも広がる
 水平線が、あの青が、憎かった。
 また、筆を手に取り青を
 キャンバスいっぱいに青を描く。
 ふとペンだこに気づく。
 魚の目になっていて、
 あの日を思い出した。
 変えようのない事実を、
 捻じ曲げたのは僕だった。
 本当に憎むべきは
 自分自身だという事。
 あの日、君を裏切ったのは
 僕ということ。

 溺れていく君を見捨て陸へ急ぐ。
 その時のこと。
 君はその澄んだ青い瞳で僕を睨んだ
 それを思い出した瞬間、
 罪悪感と背徳感が一気に襲った。
 
 あれは事故だった。
 そう自分に言い聞かせ色を重ねた。
 
 けれど、どうしようもない
 この気持ちがブルーなる前に、
 僕は

      青に溺れる。
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