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The world situation（世界状況）
―時は２０××年×月×日。この時既に彼らの棲む世界に悲劇は起きていた。
何者かがばら蒔いたウイルスによって支配され、植物は勿論、虫や動物と言ったこの世界に生を持ってして生まれた様々な者達が病気に掛かったのだった。
それは…『人型自律性行動型ウイルス』。
その名の通り、このウイルスに掛かった者は全て、人間と同じ様に心を持って行動する様になるのだ。
一見掛かった者の一部によっては喜ばしい物の様に思えるが、そうは言えない。何故なら此れに掛かった者は自我を持つ為、抵抗する力を覚えるのだ。
変な話、我々人間は意思を持たぬ者や疎通をはからぬ者…植物や動物の意思等は余り尊重しない。
だが、この『人型自律性行動型ウイルス』に掛かる事によって、その者達意思を無視出来なくなったのだ。…これを、私達は『動植物の凶暴化』と呼ぶ。
だがそれだけではない。
『動植物の凶暴化』だけには被害は及ばず、この『人型自律性行動型ウイルス』は人間にも掛かるのだ。
『人型自律性行動型ウイルス』は元々意思が備わっていた人間に掛かれば、理性を失い、凶暴化する。
その結果、ある者は家族を失い、またある者は友人らを自らの手で……と言った事例が発生している。
―この世界に残された時間は、前の人々が作り出したり保管していた残り僅かな人工的に作られた食料と、運良くウイルスに感染せずに生き延びる事が出来た数名のみ。
……さあ、残された者達よ。我が身を護り、愛する者達を護るが為に戦い生き延びるのだ…。
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