【 物語. 】
※完全オリジナルのストーリーです。
※屯所が西/本/願/寺の辺り。知識が薄いのはご了承下さい…。
からからに晴れたとある日。
屯所の入口に3人の男女の影が現れる。
一人は小柄な少女、二人目は黒髪黒目の青年、三人目はつんとした表情の少年。
訝しげに思った平隊士を見て黒髪黒目の青年は言い放った。
『 貴方達を護る為に来ました。 』
直ぐ様幹部が集められ、話し合いの場が設けられた。
聞けば人では無いものを斬る者達らしく、当然頭に浮かぶのは 鬼 。
でも、元来自分達は鬼を守護する者で仇なすものではない、と。
『 但し、紛いものは遠慮なく斬りますよ。 』
そう呟いた少女に殺気が部屋を満たすも何処吹く風。涼し気な瞳を向け、やや伏せる。
羅刹の存在を知っている青年達を見て、当然「殺っちゃいます?」と沖田 総司。
しかし、突然部屋に入ってきた三ツ目の腐臭漂う狼に場に緊張が走る。
千鶴を見て襲い掛かる三ツ目の狼__妖に傍に居た藤堂 平助が抜刀し斬りかかるも妖は悲鳴を上げるだけ。それよりも幹部や千鶴を驚かせたのは腐り始めた様な身体なのに平助が斬った箇所が生々しい音を立てて塞がる図。
千鶴は有り得ない様に最早涙を流し口元を抑えている。自身も治癒力は高いがこの絵図は直視出来るものではない。
そんな時、小柄な少年が少女を見た。
『 __、やれよ。雑魚に時間は取るな。 』
『 了解…。__は人遣い荒いんですよ。 』
少女は抜刀するやいなや腕に少し深めの切り傷を作る。
『 後で弁償します。 』
その言葉と共に床の血だまりに刀の先をトン、と置けば。みるみるうちに血が刀に吸い込まれていく。
紅に染まった刀を振れば狼の喉元を一突き。刹那、灰と化し跡形も無く消えた。
『 私達の仕事はああいったものを斬る、それだけ。出来るだけ貴方達には干渉しません、ここで、貴方達を護らせて下さい。 』
それを見ていた黒髪黒目の青年は真面目な表情で新選組を見た。
副長は山南 敬助や近藤 勇と顔を見合わせ渋々、といった表情で頷く。
『 邪魔したり危険だと思った場合は斬る 』
そう言って。
実は3人は九尾狐、烏天狗、犬神という妖であり、幼馴染み。そして妖を統べる一族(鬼除く)
本来は鬼の小間使い兼鬼を護るもので、烏天狗は雪村家に遣えていた。
しかし、千鶴と薫以外の雪村が居なくなった際、雪村の鬼を護ろうと九尾狐や犬神も呼ばれたが最後は重傷を負い。気付けば千姫達の屋敷に居たという状態だった。
3人は剣術を磨き、文献を見て自分達3家の血が三ツ目の狼の様な妖を斬る為には必要だと知り、今の戦い方を身に着けた。
九尾家の蔵にあった妖刀 曼珠沙華は九尾狐に、妖刀 黒橡は烏天狗、妖刀 紅椿は犬神に。
千鶴の生存や記憶を無くしたことを知り、新選組に来た。