…ふぅん
(普通なら圧倒されるはずの場面だが、圧倒されるどころかさらに話しかける)
命と友達があったら強くなれないなんてあんたの偏見よ。
本当の苦しみ?そんなもん一つよ。
“自分の命と引き換えでも守りたい人、ものを守れなかった時”
…過ちを改めないことが本当の過ちよ。そう、今の貴方みたい。
確かに時には辛さが成長させてくれるときもある。
だけど、嬉しさ、幸福、笑顔…これらだってときには人を救う!
あんたの2000年はなんだったの?
本当の世界を見てみなさい!私も孤独が力になると思っていた…
でも今と昔ではもう世界が違う!
あんたの昔に何があったのか知らないけど、
2000年の間に導き出したんじゃない…あんたの強さは昔に考えただけでしょ?
現代(いま)を見なさい!昔とは違うのよ!
手を取り合うから強くなれる。頑張りたいと思える!
あんたには心どころか、目もついていないの?
友達がいるから競い合える。心があるから勝ちたいと思える!
それを捨てたあんたに負けないと、私は言っているの!
怒りだけで行動してるあんたにはわからないでしょうね。
嬉しさがどれほど力をくれるか、友達の存在がどれほど心強いか!
【ありがとうございます〜】
「捨て…た…………だと…………?」
彼女の言葉に、ソレは言葉を詰まらせた。
どうやら、ソレに対する彼女の言葉には、
ソレへの認識に対する誤解があった様で、
それは内にある更なる逆鱗に触れていた。
「やはりそうだ……やはり、貴様は未熟者だ。
私には初めから何̀も̀有りはしない、何もだッ!
有るとするならば、人間に対する『憎悪』だッ!!
友情?幸福だとッ?ふざけるんじゃあ無い!!!
この私が、ただ戦い無慈悲に人を殺める為に、
この力を行使していると思っていたのかァァッ!!!
私が過ちを犯しているだとッ!?ふざけるなッ!!!
間違っているのは、人間の自己保守の精神、
そして思い込みによる先入観だ、違うかッ!?
本当の苦しみとは、孤独の中で生まれ育ち、
幸福に飢え、尚も虚無に生かされ、救い無く、
底の無い絶望と失意の中で死する事だ、違うかッ!?」
その言葉の示す様に、彼は知らないのだ。
幸福や友情、それがどういう物なのかを───。
>>葡萄、(イリア)
【(`・ω・´)ゞビシッ】