>>169
剣と槍がその身体を貫かんとした瞬間、
[……ッビタァッ!!!]───止まった。
その剣を止めたのは、直前に放たれた、
吸血鬼の女性の軽々しい態度の言葉だった。
ソレはその眼光をそちらへ向け、言い放つ。
「貴様も……貴様もか……吸血鬼……ッ。
よもや貴様まで私を愚弄し、蔑むか……ッ!!!」
そう言うと、先程の相手に半ば乱暴に槍を振る。
すると切り口から徐々に、身体は鏡と化していく。
段々と、それは広がって動きが制限されて行き、
恐らくは、やがて動けない鏡の彫像と化すだろう。
それを忠告するでもなく、ソレは向きを変え、
吸血鬼の女性の元へと少しずつ歩みを進める。
心無しか、槍の本数が増えている気がする───。
>>イリア、(葡萄)
【絵を見ました。設定に合ってて良いですね。】