自分を囲む魔方陣に戸惑うも、ふっと気が付き
「…貴女とは何処迄も気が合わない様だわ。儚いものに価値があるとは思えない。
…だけど貴女には何かがある気がする。貴女への一生の忠誠を誓うわ。」
「…は?」
顔が隠れているとはいえ、見てわかるほど驚きつつ、超嫌そうな顔をした。
しかしそれは1秒もなく、すぐに無表情となる。
(せっかくこれが使えると思ったのに…)
本を見、パタリと閉じる。すると魔法陣は消えた。
ふぅ、とため息をつき、色々言いたいことがあるが、まず一つの言葉をぶつける。
「…それ…今言う⁉」
何よりも先に言いたかった。
忠誠を誓うことよりもまず、言いたかった。
「…まぁいい。で、急にどした…。さっきまで敵対してたのに…。急すぎて結構混乱してるんだけど。…えっと?とりあえず、忠誠を誓う…ってことで良いのか?」
いつもは頭の回転が速い彼女ですらやはり今の状況が掴めていない。
でも、かなりの強さを持っているイリアを仲間にできると言うなら、
心強いというものだ。