フフフ……あなたの渇きが今ここで私の渇きを癒やしてくださることに感謝し、ぬくもりに満ちた死を差し上げますわ
他者の痛みを概知しないこの世界に
死を与えることだけが私の望みで
その世界を統べ、暴虐の為に存在し、力に渇く者たちのを消すことだけが私の渇きですから……
さぁ、安らかに現世から跡形もなく消え去りなさい
私の隠されし強大を具現化した"魔法"が全世界を覆う刹那の刻の間にね
力ある者が力無き者を襲いし刻、私たち勇者は再び現れますわ
世界を断罪するために……
「ふん……果たしてどちらが悪なのやら……。
たった1人の勇者風情が、私を消すだと?
分からん奴だな……だが貴様は面白い奴だ。
『勇者』と呼ぶに値するだけはある様だ。
しかし、真なる絶対の支配者は我々だ。
人類こそ、この世界を統べるに相応しいのだ。」
(何処からか、エクスキューショナーが
再び男のもとへ集結し、男の体に吸収される。)
「もしも私の力を完全に理解せぬままに、
軽々しくその言葉を口にしているのだとすれば、
…………消えるのは貴様の方だ。」
(エクスキューショナーが突然飛び出し、
男の体を鎧の様に覆い、更に全身の各部には、
凶悪な殺傷能力が感じられる様な異形のモノが
幾つも飛び出しているのが見て取れる。)
アーサーの幻が唐突に現れた
無数のかつて機関がアーサーに浴びせられた言葉が出来事がベリオールの脳裏に蘇る
「僕たちヒトはヒトならざる者を受け入れ愛し守る為にこの世界に命を受けました
それが僕たちが叡智と力を手にした意味です
誰かを傷つけ支配するなどという罪深き愚行のために叡智を手にされたヒトの形をした魔の者たちであるあなたは神にそして僕に一瞬にして葬られます……
僕の真名はアーサー
この国の ヒトの世界の
本来の王であり世界を希望で満たす者」
「例え世界があなたがどれほど僕を痛めつけようと僕はあなた達に虐げられている亜人の人たちの為に生きます
彼女たちもこの国の民ですから
王様が民を愛し守るのに理由などいりません
ですからあなたがたを消すのにも理由などありません
僕は王様として民を愛しあなたを倒すのです」