紫
「……若いわね?
天の采配に異議を唱えたところでそれが変わることはない、人は運命を変えられるとのたまうのだけれど、それさえも運命の輪の内側で行われる所為に過ぎない……貴方も何時かはそれを理解できる時が来ると思うわよ?」
運命とは、定めとは、どれだけの力を持っていようと、どれだけ永く生きようと変えられるものではない、運命を変えたその先にあるのはまた別の運命……幾ら足掻けど、逆らえど、運命を覆す事など出来ない。
執着を捨てて実現までの道のりを天の采配に任せる。それこそが紫のように途方もない年月を活きる者達の共通した認識であり、霊夢もまた、それを知らないが故に運命に抗うと考えているのだと紫は判断し、そう呟く。
紫
「あら、思ったよりも聡明ね。
今はまだ人間の方も妖怪の方も、それ以外でも目立ったは動きは見られないのだけれど、何時爆発しても可笑しくはない爆弾は幾つもある。それが爆発した時こそ貴方の活躍を見せるチャンス。それまで変に気張らずに羽根を休めておいた方が良いと思うわよ?」
異変が何時起こっても可笑しくはない状況にあるものの、それが何時、何をきっかけに起こるのかは紫でさえも把握しきれていない。異変の火種について一つ一つ細かく教えるには、人間の寿命はあまりにも短すぎる。
そのため、後手に回る事になるものの、水面下にある異変の種が表にまで浮かび上がって来るまで休んでいた方がいざと言う時の対応がしやすくなるとアドバイスを送る。
アンタとは分かり合えそうにないわね・・・・・まぁ、分かり合いたいとも思わないけど・・・・・
(どんなに抗おうと、運命とは最初から決まっており、運命に逆らうことは自由だが、変えることは決してできないと思っている紫の考え方に、霊夢は機嫌を悪くしたのか、相手を少し睨みながら分かり合えそうにない、分かり合いたいとも思わないけどと呟く・・・・・
人間という生き物は変えることの出来ない運命に抗おうとする、それが人間の強みなのかもしれないが、紫のように永い刻を生きる者からすれば、それも無意味であり、人間の強みとは思い込みや無意味なことへの抗いという、霊夢と紫の考え方は見事なまでに対比となっている・・・・・)
それじゃあ、私は出向かなきゃいけないその時まで眠らせてもらうわ・・・・・アンタ達妖怪と違って、人間は休む時に休まないと体がもたないから・・・・・
(巫女になりたての霊夢は、人間は妖怪と違い弱い生き物だから、休める時に休まないと体がもたないと言う・・・・・この考え方は、これから幻想郷を守るという立場の自分なら尚のこと万が一に備えて休まなければならない、という考え方なのかもしれないが、同時に妖怪は人間とは違い寿命も長く強いのだから、休まなくても多少は平気だろうという考え方も含まれていて、妖怪のことはあまり快く思っていないようにも思える・・・・・)
【新キャラ追加しても宜しいでしょうか?紫の協力者的立ち位置の妖怪を構想していまして・・・・・】