幻想郷の守護者『博麗霊夢』
これはそんな彼女が博麗の巫女となり、数多の異変を解決する以前に、始めて訪れた邪悪な妖との戦いの物語。
>>1 世界観と注意
>>2 異変キャラについて
【世界観】
物語の舞台となる幻想郷は霊夢が博麗の巫女になってすぐのものであるため、紅魔郷以前のものとなっています。
オリジナル要素が強めになると思いますので、東方projectについて知らない方でも参加しやすくなっていると思います!
【注意】
1.本編キャラでの顔文字の使用禁止
2.本体同士の会話は【】などで囲って下さい
3.チートレベル(紫や霊夢以上の強さ)のオリキャラは禁止
4.ロルは二行以上お願いします
5.アンカーを付けて下さい
6.管理できるなら何役でも使用可
7.死ネタあり
【早速来ました!霊夢役で参加希望です!】
4:◆3.:2020/06/25(木) 18:31 参加ありがとうございます!!
ちょっと今は異変キャラについて考えていましたが、異変キャラは後程登場させようかなと思います!
私は紫をやりますね!
6:優曇華院・鈴仙・イナバ:2020/06/25(木) 18:42【優曇華院にて参加希望です!】
7:◆3.:2020/06/25(木) 19:09 >>6
参加希望ありがとうございます!
はい!勿論大歓迎ですよ!!
【こちらこそありがとうございます!
了解しました!】
では、早速初回を投稿しても宜しいでしょうか?
(*´∀`)ノ
【いつでもOKです!準備万端です!】
11:幻想郷◆3.:2020/06/26(金) 20:17 ありがとうございます!!
では、初回は博麗神社からにしようかなと思います!
【博麗神社 境内】
紫
「貴方が新しく博麗の巫女となる"博麗霊夢"ね?」
博麗の巫女として迎え入れられたのは、霊夢の前に突如として空間が横に裂け、無数の目がギョロギョロと周囲を見渡す異様な空間が開かれ、その空間の中から現れた金髪長髪の紫色のドレスを着た得体の知れない雰囲気を纏った女性が現れる。
彼女の名前は"八雲紫"
この幻想郷の創設者であり、統治者の一人。
【了解しました!】
そ、そうだけど・・・・・
《な、なんか不気味・・・・・不気味な空間に不気味な目が沢山浮かんでいる・・・・・》
(博麗の巫女という、幻想郷を守る上では欠かせない存在として今から生きていくことになる少女・・・・・
彼女の名前は「博麗霊夢」・・・・・
これから様々な悪事をする妖怪や、幻想郷に訪れる異変を解決しなければならない大役を任される存在になるわけだが、紫のスキマを見ただけで、不気味なものを見るかのように表情を歪める・・・・・)
【そう言えば、アンカーってどうやって付けるのでしょうか?無知ですみません!】
【博麗神社 境内】
紫
「私はこの幻想郷を管理する者であり、妖怪の賢者の一人……言うなれば貴方"を"手助けする者であり貴方を支える者、そして貴方"が"手助けし、支える者よ。」
異様な空間より境内に降り立った紫は少し大袈裟なまでに芝居のかかったお辞儀をして本心がまるで読めない笑顔をしたまま、霊夢に対して自己紹介と共に真意が測り知れない言葉を囁く。
>>13
【上の>>の後に宛先の番号を入れるみたいな感じですね!】
・・・・・私が・・・・・?一体何を言って・・・・・
(人間である自分を、妖怪である紫が手助けをするのはまだわかる・・・・・人間は妖怪よりも弱く、そして生きる時間も短い・・・・・例え100歳を超える長寿でも、目の前に入る紫からすれば、赤子のようなものだろう・・・・・
そんな妖怪が、人間の自分に対し手助けや支えを求めるのはおかしいと、この頃の霊夢は考えていた・・・・・
まだ、博麗の巫女という素質があるだけの人間、無知だった・・・・・)
>>14
【ありがとうございます!これでできていなかったらすみません!】
【博麗神社 境内】
紫
「何をすれば良いのか、何故自分なのかがわからないと困惑するのもわかるわ。けれど、これは貴方にしか出来ない事……何をするべきなのかは私が教えるわ。」
紫は"かつての災厄"によって数少なくなった博麗の血筋であり、更に幻想郷を紫レベルもの妖怪が持つ妖力でさえも維持するのは困難である事から、それらに長けているであると思われる霊夢にしか、この幻想郷と言う世界一つの監視や総括が出来ない、彼女にしか成せない事があるのだが、その事についてまだ知らない霊夢には困惑するだけであると言うことから、順序だてて説明するべく、そう応える。
>>15
【おお!しっかりと出来ていますよ!】
・・・・・人間なら他にもいるのに・・・・・そもそも、先代のことだってあまり知らないのに、私に何をどうしろと・・・・・
(人間なんて姿が違うだけでみんな同じようなものだと思っているのか、人間という弱い生き物の内の一人である自分に、博麗の巫女などという大役をこなせる自信が無いのか、相手の貴方にしか出来ないという言葉が、いまいち信用できない様子らしく・・・・・)
>>16
【ありがとうございます!】
【博麗神社 境内】
紫
「確かに人間ならこの幻想郷内に沢山いる、外の世界にはもっと沢山いるでしょう。先代についても、その役割として成すべき事もわからない不安もあるでしょう……」
右も左もわからない、博麗の巫女と言っても、祭神や神代さえも不明瞭である事から、漠然とした状況を前に混乱を隠せない霊夢に寄り添うように言葉を紡ぐ。
紫
「もう少し間を開けて話すべきかとも思ったのだけれど、変に回りくどいことは言い方は辞めましょう。貴方にはこれからこの幻想郷を維持している結界……博麗大結界の維持と、幻想郷内で起こる異変の解決。それと………いえ、これはまだ言う必要は無いわね。」
下手に遠回しに話して混乱を深めるよりも、簡単に成すべき事について話すべきであると判断した紫はその博麗の巫女が成すべき事について語り、それらについて彼女がどう思っているのか、どう考えているのか、その反応を伺い、それからこれから自分が説明すべき事、伝えるべき事を変えようと考えている。
>>17
【いえいえ!アンカーを付けて下さりありがとうございます!カキコの時は結構使っていたのですが、それから暫く使っていなかったので、少しやり辛いかもですね……(;・ω・)
あまり人が来なかったらアンカー無しにしても良いかも……?】
・・・・・よくわからないけど、要は幻想郷守れって言いたいんでしょ?さっきからどうも言い方が回りくどいのね、おばさん・・・・・
(霊夢に悪気はない、悪気はないが、要するに幻想郷を守れという意味合いの話をさっきから回りくどく話している紫の話し方が嫌なのか、不機嫌そうな顔をしながら、この話についての答えを早くも求め始めているのがわかる・・・・・
素質はあれど、博麗の巫女らしからぬ態度であることは間違いないだろう・・・・・)
>>18
【いえいえ、付け方を教えてくれてありがとうございます!覚えたことで使いやすくなりました!】
【博麗神社 境内】
紫
「そう、横枝を断ち、本筋だけをかいつまんで端的に言うとそうなるわね。」
開かれた紫色のおどろおどろしい異空間に通じるスキマに腰掛け、スキマの中から取り出した日傘を差し、日光を遮りながら、"幻想郷を守る"と言う本筋について理解した霊夢に対して肯定を示す。
紫
「その傍若無人な態度、大妖怪を前にしても腰の引けている態度も無く、自分の意見を言える、文句なしの合格ね。貴方になら"それ"も果たせると考えているわ。」
博麗の巫女とは、永遠なる中立を維持しなければならない、それはつまり、いかなる勢力や存在からの威圧にも決して屈してはならず、自らの信念や意思を曲げない者でなければならない。その事から、霊夢の挑発するような言葉に対しても飄々と返し、寧ろその様子で良いとまで告げる。
>>19
【ありがとうございます!!】
だってアンタ、どうみても大妖怪って感じじゃないもの・・・・・どっかって言うとアンタが出てきたその空間の方が、大妖怪って感じがするし、アンタはそう強そうにも見えない・・・・・
(そう言うと「で、博麗の巫女は異変がどうとか、なんちゃら結界がどうとか、妖怪がどうとか特に何も起きていない時はどうすればいいの?」と、後の霊夢とは対照的に、ただただ博麗の巫女という肩書きの何も知らない人間の少女、と言った感じで紫に向ける視線もどこか反抗期の娘が母親に向ける視線のように冷めている・・・・・)
>>20
【こちらこそ、ありがとうございます!】
【博麗神社 境内】
紫
「……………!あらあら、これまで何人もの博麗の巫女を見てきたけれど、そんな事を言われたのは始めてだわ。」
これまで63人(表向きには霊夢で14人目)もの博麗の巫女を見て、今回と同様に接して来たのだが、"大妖怪らしくない"、"強そうにも見えない"と言う言葉を言われたのは後にも先にも始めてであり、ますます楽しそうに微笑む。
紫
「特に何も起きていない時はこの神社内かその周辺にいる限り、自由にしていても良いわ。真に在るべきモノは在るべき場所に存在しているだけで均衡を成す。貴方の存在そのものが結界の軸となる。」
博麗の巫女としての役割は大きく分けて結界維持と異変解決であるため、それらが特に必要とされない場合は、何時でも結界に異変が起こっても対応できように神社周辺にいる限り、好きなようにしていても構わないと応える。
神社であるにも関わらず、神の説明や信仰を集めるように言わないのは、また別の理由があるのだが、それはまだ必要ではないと考えている。
>>21
自由って言われても・・・・・常に自由を奪われているようでなんだか不自由に感じるわ・・・・・
(そう言うと「で、今日は私が解決しなきゃいけないようなことは起きているの?それとも起きていないの?」と、まだ異変などについてもほぼほぼわかっていない霊夢は、特に自分が出向かなければならないようなことが起きていないのであれば寝ていたいとでも言いたげに眠そうな表情をしていて)
>>22
紫
「人も妖も、神々でさえも、生まれ落ちたその瞬間から定められた宿命に沿って生きている。自由についての解釈は明言化されているか否かの違いでしかない。無知は宿命に気付かぬ事を自由と誤認させる……それだけよ。」
紫はスキマの縁に腰をかけ、誰しもが運命の輪の中で生きており、それらの存在理由は生まれる以前から全て決まっており、それを知らずにいる状態を"自由"と呼んでいるだけに過ぎないと呟く。
紫
「"まだ"何も異変は起こっていないわ、この神社の間取や雰囲気に馴染むためにも暫くは好きにしていても良いわ、必要な物があれば私に言ってくれれば可能な限りは揃えてあげる。」
加えて、今はまだ早急に対応しなければならないような異変も騒動も事件も起こっていないため、この神社に少しでも馴染めるように見て回ると良いと応え、更に必要なものがあれば揃えるとも告げる。
>>23
・・・・・やっぱり妖怪ね、運命ってのは決められているものじゃなくて作っていくものよ、決められた運命なんてまっぴらごめんよ・・・・・
(妖怪とは異なり、人間は100年生きれば長い人生だが、それでも妖怪からすればまだまだ短い人生に過ぎない・・・・・そんな短い人生の中で生きるからこそ、運命に抗い、運命を切り開こうとする・・・・・
対照的に、長い時間を生きる妖怪は、悟りでも開いたかのように運命とは既に決まっているものだと決めつける、霊夢はそれが気に入らないのか、反論すると・・・・・)
・・・・・なんか引っかかる言い方ね、言っておくけど、異変が起きるってことをわかってるんだったら未然に防ぎたいんだけど・・・・・
(紫のまるで異変がいつ起きるかわかっているような言い方に、起きるとわかっているのであれば異変が起きる前に未然に防いで大事にならないように予めしておきたいと言う・・・・・
しかし、博麗の巫女になりたての霊夢には異変を解決するという経験をさせなければならない以上、それはできないだろう・・・・・)
>>24
紫
「……若いわね?
天の采配に異議を唱えたところでそれが変わることはない、人は運命を変えられるとのたまうのだけれど、それさえも運命の輪の内側で行われる所為に過ぎない……貴方も何時かはそれを理解できる時が来ると思うわよ?」
運命とは、定めとは、どれだけの力を持っていようと、どれだけ永く生きようと変えられるものではない、運命を変えたその先にあるのはまた別の運命……幾ら足掻けど、逆らえど、運命を覆す事など出来ない。
執着を捨てて実現までの道のりを天の采配に任せる。それこそが紫のように途方もない年月を活きる者達の共通した認識であり、霊夢もまた、それを知らないが故に運命に抗うと考えているのだと紫は判断し、そう呟く。
紫
「あら、思ったよりも聡明ね。
今はまだ人間の方も妖怪の方も、それ以外でも目立ったは動きは見られないのだけれど、何時爆発しても可笑しくはない爆弾は幾つもある。それが爆発した時こそ貴方の活躍を見せるチャンス。それまで変に気張らずに羽根を休めておいた方が良いと思うわよ?」
異変が何時起こっても可笑しくはない状況にあるものの、それが何時、何をきっかけに起こるのかは紫でさえも把握しきれていない。異変の火種について一つ一つ細かく教えるには、人間の寿命はあまりにも短すぎる。
そのため、後手に回る事になるものの、水面下にある異変の種が表にまで浮かび上がって来るまで休んでいた方がいざと言う時の対応がしやすくなるとアドバイスを送る。
アンタとは分かり合えそうにないわね・・・・・まぁ、分かり合いたいとも思わないけど・・・・・
(どんなに抗おうと、運命とは最初から決まっており、運命に逆らうことは自由だが、変えることは決してできないと思っている紫の考え方に、霊夢は機嫌を悪くしたのか、相手を少し睨みながら分かり合えそうにない、分かり合いたいとも思わないけどと呟く・・・・・
人間という生き物は変えることの出来ない運命に抗おうとする、それが人間の強みなのかもしれないが、紫のように永い刻を生きる者からすれば、それも無意味であり、人間の強みとは思い込みや無意味なことへの抗いという、霊夢と紫の考え方は見事なまでに対比となっている・・・・・)
それじゃあ、私は出向かなきゃいけないその時まで眠らせてもらうわ・・・・・アンタ達妖怪と違って、人間は休む時に休まないと体がもたないから・・・・・
(巫女になりたての霊夢は、人間は妖怪と違い弱い生き物だから、休める時に休まないと体がもたないと言う・・・・・この考え方は、これから幻想郷を守るという立場の自分なら尚のこと万が一に備えて休まなければならない、という考え方なのかもしれないが、同時に妖怪は人間とは違い寿命も長く強いのだから、休まなくても多少は平気だろうという考え方も含まれていて、妖怪のことはあまり快く思っていないようにも思える・・・・・)
>>26
【新キャラ追加しても宜しいでしょうか?紫の協力者的立ち位置の妖怪を構想していまして・・・・・】
紫
「ええ、それで構わないわ。幻想郷は異なる意思や考えさえも受け入れるのだから……」
紫は霊夢の言葉に対して、否定も肯定もせず、それもまた一つの考えであり、それについて自分から言及するつもりも考えを改めるように言うつもりも無いと示す。
紫
「ええ、休める間に休んでいた方が賢明よ。
新たなる博麗の巫女の活躍を幻想郷を代表して期待しているわ。」
霊夢はまだ若く、未来が見えていない。
かく言う自分もそうだった、何も知らなかった頃は遮二無二全てを得ようと、全てを保護しようと知恵を集め、術を磨き、力を高めていた……
だが、自分の広げた手から守るべきモノがこぼれ落ちた時、己の力だけでは乗り越えられない壁にぶつかった時、自分の限界を知った時、決して抗えぬ運命について理解することが出来るようになる。
千の言葉を投げ掛けて万の事象を伝えるのは容易い。
だが、かつての自分と同じように抗えぬ定めを理解するその時まで待とうと紫は考え、自分が現れたスキマの中へ身を投じ、霊夢の前から去って行く。
>>27
【勿論良いですよ〜。紫の協力者と言うと、藍様とか妖怪の賢者みたいな感じでかな?(*´∀`)ノ】
・・・・・これから上手くやっていけるのか、あまり自信が無いわね・・・・・
ごろんっ・・・・・
(これから博麗の巫女として生きていく自分が、博麗の巫女としての役目をきちんと果たせるかどうか、正直自信が無い・・・・・
紫とも上手くやっていける自信が無い、だが、距離を縮めようとも、親交を深めようとも特に思わない・・・・・
長い時間を生きる妖怪なんて、どうせすぐに人間のことを忘れる、そう思っていた・・・・・
霊夢は、殺風景な神社の畳の上に横になり、目を閉じる・・・・・)
>>28
【ありがとうございます!そうですね、そんな感じです!一応ヴァルター戦も知っている設定でいこうかと思います!】
>>29
【了解しました!それでは投稿を待っていますね!
それと、異変キャラについても完成したので、もう少ししましたら乗せますね!】
名前/豺狼
読み/さいろう
年齢/不明(百年以上生きている)
性別/男
種族/人喰い妖怪(元妖獣)
性格/残忍にして狡猾極まりない性格をしており、人喰い妖怪らしく、妖怪の負の側面を体現したような存在であり、里の人々にとっての恐怖の象徴として君臨して来たが、博麗の巫女の血肉を喰らう事で自らの力を飛躍的に向上させ、より強靭な存在になれると知ってから博麗の巫女を執拗に狙うようになった。
道徳や倫理に反するような卑劣な策略や手段を駆使し、相手をジワジワと弱らせ、弱りきったところを襲うと言う卑怯な戦法を好む。
紫による監視からも悉くすり抜け、逃げ隠れしながら、まだ力が完全に覚醒していない博麗の巫女を狙う最低最悪の外道妖怪。
容姿/画像参照
https://i.imgur.com/L2acl3b.jpg
能力/『命を貪り喰らう程度の能力』
その名の通り、他者の命を貪り喰らう事で自分の命や力に変換し、回復&強化する能力。体内にストックしていた場合、絶命したり瀕死になったとしてもその命を消費する事で復活する事が出来る。
備考/元々はまともな自我や理性も無い野犬から妖獣に転じた下等妖怪であったものの、他の妖怪との死闘の果てに弱りきった博麗の巫女に不意討ちをしてその血肉を喰らった事で高い知能と妖力を得た成り上がりの妖怪。
【ありがとうございます!もう少しでキャラ設定が完成しますので少々お待ちを!】
【おお!性格とは裏腹にかっこいいですね!】
>>32
【ありがとうございます!!
多分、この姿ではあまり登場しないかもですがwww
そう言えば、鬼形獣では多数の狼が所属する"勁牙組"と言う地獄の組織が出ましたね!討伐されたらこの豺狼も早鬼さんの部下みたいになるのかもwww】
【あ、1日だけ進めても大丈夫でしょうか?】
35:博麗霊夢◆gI:2020/06/30(火) 19:31 【命を貪り喰って他人の命を奪うことで生き永らえたり、博麗の巫女を喰らうことで更に高みへと目指そうとするという、自分自身の向上の為ならば手段を選ばないという外道なら、誰かの部下になるということになってもすぐに裏切りそうですねWWW
一日進めるの了解です!】
【そして、プロフィールです!】
名前 凜筑我蔵蜜 (りんちくが くらみつ)
年齢 1000歳以上
性別 女
性格 男勝りな性格で、口調もかなり強い上に怒ると口調が更に強くなる、しかし根は優しく、母性に溢れている部分もある、どんな手段を使ってでも大切なモノは守ろうとする
容姿 上から見ると六角形の形をした天辺に菊の花を模したオレンジ色の装飾品が付いた黒い帽子を被っている、右目が青、左目が黄色のオッドアイで、腰までのオレンジ色寄りの茶色の髪に秋田犬のような耳を生やしている、服装は真ん中が赤でそこにお札に書かれているような謎の文字が書かれた黒い服を着ていて、背丈は霊夢より少し上くらい、狐のような尻尾が生えている
種族 犬神
能力 幻覚を現実にする程度の能力(相手に見せたいと思った幻覚を見せた上で5秒間だけ現実のものにする、例えば獅子を幻影として現したなら現実に、剣を幻影として表したなら現実になる、ただし5秒間だけ)
備考 紫とは旧知の仲であり、ヴァルターとの戦いも知っている、博麗の巫女を何代も前から見てきた(直接関わったことはあまりない)という、紫が表の権力者ならば、蔵蜜は陰の権力者といった立ち位置であり、幻想郷でも妖怪の間では広く知られている、どんな手段を使ってでも大切なモノを守るというのは、豺狼との対比である
【翌日の博麗神社】
紫
「新しい博麗の巫女さんはまだ生きているかしら?」
博麗の巫女となった霊夢と別れた紫は翌日の昼頃に再び何も無い筈の空間を引き裂き、紫色の禍々しい空間(スキマ)を背に現れ、一見すると優しげだが、その実、感情がまるで読めない笑みを浮かべて縁起でも無い物騒なことを挨拶代わりにかけて見る。
>>35
【まさにそんなイメージですね!
しかも、豺狼は過去に複数人もの博麗の巫女(まだ博麗の力を使いこなせない状態)を喰らう事で力を蓄えているため、霊夢の始めて倒す有力な妖怪にしてはかなりの強敵になると思います……!
この豺狼が畜生道に落とされ、早鬼姐さんに性根を叩き直された結果、鬼形獣においてサポートキャラのオオカミ霊になるかもwwww】
【キャラシ確認しました!
不備はありませんのでどうぞ!!】
生きているわよ、真っ昼間から喧嘩売ってんの?
(いきなり出てきて早々物騒なことを言ってくる紫の方を睨みながら喧嘩を売っているのかと聞く・・・・・
相変わらず何を考えているのかわからない紫の表情に不気味さと鬱陶しさを感じながら「何しに来たのよ?ただ来ただけなら即帰ってもらいたいんだけど・・・・・?」と言い)
>>36
【初めての敵にして、博麗の巫女からすれば因縁の相手ということですね!
プロフィール確認ありがとうございます!】
【名前ミスりました!すみません!】
40:八雲 紫◆3.:2020/07/01(水) 07:47 紫
「あら、十二分に元気そうで安心したわ。どうやらまだ"アイツ"には気付かれていないみたいね?」
昨日から続いて不機嫌そうにしている霊夢の前でも飄々とした様子で言葉を呟く。昨日の巫女としての三つ目の役割と合わせても"何か"を知っているにも関わらず、状況が揃い、必要な状況になるまで教えず、伝えない……そんな胡散臭い言動ばかりを紫は取り続けている。
>>38-39
【はい!そんな感じですね!!
お気になさらず〜。(*´∀`)ノ】
アイツ・・・・・?
(紫が何を言っているのかさっぱりな様子で状況が未だわからない・・・・・
そして次に霊夢は「そういえばアンタ、昨日運命は変えられないとかどうとか言ってたけど、アンタ未来が見える能力でも持ってんの?」と、)昨日の話を持ち込んでくる・・・・・
紫の考え方から、未来を見る能力があるのかと聞き・・・・・)
>>40
【豺狼といい、ヴァルター様といい、戦いを挑む相手が悪すぎるWWW
ありがとうございます!】
紫
「私は運命を視るだなんて高尚な能力、持ち合わせていないわ。けれど、過去と現在における正しい情報さえ持ち合わせていれば、それらの共通点から未来、引いては運命について推測する事さえ容易い。」
紫はスキマの縁に両腕を置いて少し手を組み、組んだ両腕の上に胸を乗せて少しだけ前屈みになると、自分は運命を予知出来るような"能力"は持っていないものの、過去と現在における正確な情報さえあれば、そこから未来(運命)を計算する事が出来るのだと言う。
紫
「ああ、私の方の事だから気にしなくても良いわよ?それよりも、この神社にある倉庫の方は見た?」
紫はふと、話の話題を逸らすように、霊夢に倉庫については見たかどうかを問いかけてみる。やはり紫は何かを知っていて、その上で隠し、一人で納得し、理解すると言うことを繰り返しているように見える。
>>41
【ですねwwww
どちらも目的のためなら手段を選ばない連中だったのでwww】
そう・・・・・運命が変わることはないって推測で決めるのね、大した妖怪さんだこと・・・・・
(長い時間を生きているなら、運命を変えようとする時間なんて人間よりもよっぽど多い筈なのに、行動を起こさない紫に対して霊夢はますます紫に対してあまりいいイメージを抱かなくなる・・・・・
そして、倉庫について聞かれると「倉庫・・・・・?何よそれ・・・・・ってか、アンタ何隠してんのよ・・・・・?」と、紫がまだなりたてとは言え、博麗の巫女である自分にすら言わない何かを隠していることに気づき・・・・)
>>42
【悪役としての格が全然違うのに、やっていることに大差ないのが面白いですねW
自身の勝利という結果を追い求めて滅んでゆくという・・・・・W】
紫
「目的も無く旅に出た放浪人も最後には己の辿り着く場所を悟るのと同様に、知識により導きだされる道は即ち運命……そう私は考えていますわ。」
運命とは即ち、その者の人生そのものだ。
運命とは未来と同じく、まだ定まっていない不確定的な要素であり、漠然とした考えを持つ者が多い中、紫は観測により導き出された達成と過程において通らざるを得ない道と目的の集大成を"運命"と呼んで定義付けており、知識と経験によって観測された、意思の介在する予知がない、決して抗いようのないものであると説く。
紫
「あら、それじゃあ先ずは倉庫に行きましょうか?続きはそこで話しましょう。」
まだ倉庫の中を見ていない霊夢に対して、先ずは倉庫へ移動してから、話の続きをしようと一方的に告げると、スキマの中を通じて倉庫前にまで移動していく。
>>43
【考え方に違いがあっても、どちらも目的の達成のために更なる力を必要としているので、手段も似てくるのかもwww】
・・・・・やっぱり隠していたのね・・・・・隠していること全部、包み隠さずに話してもらうわよ・・・・
(移動しながら、知っていることは包み隠さずに全部話してもらうと言う・・・・・
運命についての考え方の違いについては、霊夢はもうこれ以上話しても恐らくは紫の考え方も変わらなければ、この論争については何も進展はしないと考え、あえて触れるのをやめる・・・・・
そして「言っておくけど、私は博麗の巫女である以上、幻想郷を守らなきゃいけない立場なんだから、私に隠し事をするということは自分を不利に陥れると考えた方がいいわよ・・・・・?」と忠告し)
>>44
【似て非なる似た者同士・・・・・W】
紫
「全てを話すかどうかは……貴方の資質にかかっているわ。まだ貴方に巫女としての適正があるのかどうかがわからないから……ね?」
倉庫に辿り着き、あまり隠し事をしていると連携が取り辛くなると言う趣旨の発言に対して、紫は思考する必要すら無く、霊夢に巫女としての資質があるかどうかを見極めてから、話すかどうかを決めると応える。
今では数が少なく、世界中に散らばってしまっていた博麗の血筋とは言え、彼女には真に巫女としての適正があるのかを見極める必要がある。
最悪、彼女が巫女としての適正が無い場合、その記憶をリセットして元の場所へ戻さなければならず、その後に万が一にも幻想郷についての知識が復活した際に悪用されないように、教える情報も選定しておく必要がある……
錠前が付けられていない蔵の扉を手でゆっくりと押すと、その蔵の中には所狭しと無数の宝具や対魔道具が積み重ねられており、向き合っているだけでも身が引き締まるような雰囲気が感じられる。
紫
「さて、と……取り敢えず、これで良いかしら?」
紫は無数の宝具が詰め込まれた中、右手の人差し指の先を蔵の奥に向けて指すと、そこから彼女の持つ妖力を用いる事で触れずして物体を動かす力、念動力のような力を使用し、蔵の奥から紅白の陰陽玉を取り出し、それを手元まで引き寄せる。
紫であっても直接この陰陽玉に触れる事は出来ないため、陰陽玉は紫の手元で浮遊した状態になっている。
これを使って霊夢に巫女としての資質があるのかを試すつもりなのか、陰陽玉から霊夢へと視線を移す。
>>45
【そしてここでサラッと博麗神社最大の秘宝を取り出すwww】
適性があるかどうかってのは、こういう場合先に試しておくもんじゃないの・・・・・?何する気よ・・・・・?
(何を考えているのかわからない紫と、得体の知れない陰陽玉・・・・・
紫が自分に何をするつもりなのかは全然想像出来ないものの、もし何か変なことをしようものならば対処せねばならないと考え、そっと身構えて・・・・・)
>>46
【本当にサラッと出しますねWWW】
紫
「あら、貴方は覚えていないかもしれないけれど、最初に貴方を見付けた時は確かめておけるような余裕なんて無かったのよ。」
霊夢を始め、幻想郷に連れて来られた博麗の巫女やその候補達は記憶リセットされてしまうため、霊夢の脳内にはこれまでの経緯は無くなってしまっているだろう。用意周到な紫の事だ、此処に来る前に予め適正があるかどうかを確かめると言う方法も、そのための試験のようなものもあったのだろう。
だが、霊夢を最初に見付けた時にはそれをやる余裕が無かったのだと応える。
紫
「さ、先ずはこの陰陽玉を持ってみてくれるかしら?」
紫は試験を開始する前に、手元で浮遊している紅白の陰陽玉を霊夢の前にまで移動させ、取り敢えずまずはこの陰陽玉を手に持ってみてもらえるかと言う。紫は最初に顔を合わせた時と同じ、腹の底で何を考えているのかわからない笑みを浮かべ続けており、言動から内心を読み取る事は難しい……
持つ?これを?まぁ・・・・・いいけど・・・・・
すっ・・・・・
(恐る恐る手を伸ばし、陰陽玉を手に取り持ってみる・・・・・
「ほら、持ってみたわよ、これで何がわかるっていうの?」
と、持ってみたはいいものの、この行動に一体何の意味があるのか、わけがわからないと言った様子で・・・・・)
>>48
紫
「…………!?」
紫はこれまでの経験上、陰陽玉に触れたものはは多かれ少なかれ反発される。
特に、今霊夢の手に渡したものは初代博麗の巫女が自身の力を引き出すための媒体として作り、使っていたためであり、適正が無ければその力を使うことが出来ず、あの先代巫女でさえもあまり使えなかった……
だが、霊夢は陰陽玉を手にしても一切反発も弾かれもせず、平然と手に持っている事を見て思わず紫の表情に驚愕が見えるようになる。
ちょ、ちょっと・・・・・何よいきなり表情変えたりして・・・・・一体何だっていうのよ・・・・・?
(今までずっと表情を変えずにいた紫が、明らかに動揺・・・・・いや、それ以上の反応をしたことで、陰陽玉を持っているのがなんだか怖くなってきたらしく、そのまま「何だかよくわからないけど、これ返すわ・・・・・」と言い、そのまま紫に陰陽玉をゆっくりと差し出して・・・・・)
>>50
紫
「い、いえ……なんでもないわ。それよりも、次はこれとかも持ってもらえるかしら?」
紫はまさか初代博麗の巫女が作り出し、初代とほんの一握りの巫女しか使えなかった陰陽玉を難なく手にした霊夢
反発や弾かれる程度によって霊力の質や、力の適正を測ろうとしたのだが、一切弾かれる事も無く触れる事が出来ていた事から考えを変える必要が出てきた。
見た目だけではなく、彼女の使う力もまた、初代に近いのかもしれない……その事から、今度は歴代の博麗の巫女達が使って来た品物……大幣、対魔針、御札等を次々と蔵の中から取り出し、それらを持ってみて欲しいと言う。
もし、これら全てに一切拒絶されずに持てるのであれば、霊夢は博麗の巫女……引いては博麗の血筋の中でも最強の存在になれる可能性があると考えられる。
【そう言えば、格ゲー版では、霊夢がスキマのようなものを使えるようにもなっていましたね!】
べ、別にいいけど・・・・・
(とりあえず、持たなければこの意味のわからない時間は終わらないだろうと考えてか、霊夢は次々と紫が持つように言ってきた品物を、難無く普通に持っていく・・・・・
どれもこれも、微塵ほどの反発や拒絶も起きずに持てていて・・・・・)
>>52
【スキマのおすそわけW】
紫
「うそ……でしょ……?」
次々と霊夢の前に取り出した品々を微塵の抵抗もなく、まるで最初からその品々を使っていたかのように馴染ませている霊夢を見て圧巻すら覚える。
そして、紫は確信する……
霊夢であれば、歴代最強の巫女になり、この幻想郷を守っていけると……
紫
「これ以上試験をする必要は無さそうね?その道具達も貴方を主と認めているのだから………さ、それじゃあ特別に貴方の質問に一つだけ"正直に"応えてあげるわ。」
最後に渡した幣を霊夢が返すと、紫は数々の疑問を抱える霊夢に対して、一つの質問だけ包み隠す事無く、素直に応えると言う。
【もしかしたら、霊夢の紫化(妖怪化)と言うのが起こっているのかも……?】
それじゃあ聞くわ・・・・・私に隠していることで「一番私に話したくないこと」を包み隠さずに正直に話してちょうだい・・・・・
(霊夢は紫が隠していることで「一番自分に話したくないこと」を包み隠さずに正直に話すように言う・・・・・
霊夢の選んだ質問内容の先に待ち受けている回答とは、果たしてどんな内容なのか・・・・・
紫の表情の変化などの真意もわからないまま、質問の回答を待ち・・・・・)
>>54
【あってもおかしくなさそうですからねぇ・・・・・W】
紫
「それを聞くとは……いえ、その"聞き方"をするとはまた面白い。」
紫は霊夢がいきなり核心を付くような言葉で問うて来た事に対して驚く様子は無く、むしろその霊夢の機転の良さと、敢えて伏せていた核心部分をピンポイントで付く問いを思い付いた彼女を褒めるように呟く。
紫
「………良いわ、杯から地へ溢れ落ちた酒が二度と杯に戻れないのと同じように、一度口にした言葉を撤回するつもりも無い。教えてあげるわ。……貴方は表向きには貴方は14代目の博麗の巫女よ……けれど、真実を言うと貴方は"63代目"の博麗の巫女なのよ……」
ならば……50人の巫女達はどうなったのか……何故、表向きの代数に数えられることなく闇へ葬られてしまったのか……その真実について紫は口にし始める。
……当代の巫女になら……真実を話しても良いのかもしれない。
無知なままであれば幻想郷を維持するシステムの一部として何もせずとも、何も考えられなくても生きていられただろう。そうなるようなシステムも既に完成させていた。
だが、知恵の実を喰らい楽園を追放され、苦悩と苦痛に満ちた世界へと堕とされたアダムとイヴのように、知恵を得て破滅に繋がる羨道を歩む事になっても……この巫女なら破滅の闇も、絶望の禍も払い除けて新たなる幻想郷の未来を掴めるのかもしれない……
>>55
随分本来の人数と差があるじゃない・・・・・で?他の巫女達はどうして数えられないの・・・・・?
(数え間違いや人数が不確かなどではく、本来の人数を知っておきながら隠蔽されるように表向きからは闇に葬られた博麗の巫女達の存在・・・・・
何故そうなったのか、霊夢は真実を知るためにさらに踏み込む・・・・・)
>>56
紫
「博麗の巫女と言う幻想郷の核となるものが何度も代替わりを短期間に繰り返していてはこの幻想郷に住まう者達に不必要な警戒と不安を抱かせてしまう……」
これまでの博麗の巫女達は一人で居る事が多く、そのため人々の前に姿を現さなくても誰にも気付かれる事は無かった。
博麗の巫女は強い存在であると思われている方が幻想郷に住まう者達に安心感を与える事から紫は敢えて人目に触れることなく死亡した巫女を、表向きには語られる巫女の数から除いていたと言う。
紫
「表向きに語られる13人の巫女達はそれぞれが十年以上生きられた者達で、残る50人は皆、巫女になって数週間から数ヵ月で"殺害"されたからよ……」
紫は50人もの巫女達が人目に付くことも無く"殺害"されてしまっていた事を教える。つまり、博麗の巫女はその立場から長く生き続けられる者は少なく、その大半が巫女となって早々に経験を詰む前に殺害されてしまっていたのだと言う。
・・・・・は・・・・・?殺された・・・・・?何よそれ・・・・・誰がやったのよ・・・・・
(紫の言葉を聞き、霊夢は目を大きく見開いて驚く・・・・・
数十名もの表向きには明かされない博麗の巫女が、何者かに殺害されたことも衝撃だが、そもそも誰が一体何の目的で博麗の巫女にそこまでのことをするのかが一番肝心で・・・・・)
>>58
紫
「誰……と言うよりも、博麗の血筋は総じて生まれつき高い霊力があり、通常の人間はおろか、仙人や天人を喰らうよりもずっと強くなる事が出来ると言う性質から自身の力を上げる事を企む複数の妖魔達が狙い、襲って来たのだから……」
霊夢は自分の血肉がどれだけの力と影響力を持っているのかを知らずにいたようだが、紫は歴代の巫女達の多くが、その血肉に宿る博麗の力を求める妖魔達によって貪り喰われてしまって来たのだと言う。
紫
「その中でも、"豺狼"と言う狼男はその危険性や狂暴性から一番警戒した方が良い。彼は120年前……つまり、博麗大結界が展開されて十年後にこの幻想郷に流れ込んで来た存在でありながら、12人もの博麗の巫女を喰らった最悪の妖怪よ。」
これまで複数の妖魔が博麗の巫女を喰らって来たのだが、その中でも12人もの博麗の巫女を喰らった"豺狼"と呼ばれる化物の存在について話す。
【実際に霊夢は何代目なのか不明だそうです!なので、この設定を見た時からこんな感じなのかもしれない……!と思っていました!】
・・・・・ちょっと待ちなさいよ・・・・・その豺狼とかいう奴が今の時点でどれだけ警戒しないといけないかは断片的にわかったけど・・・・・博麗の巫女は、要は昔からそれほどの力を宿した強力な人間ってことでしょ・・・・・?今の力がどうであれ、12人も殺害して食べる前の妖怪一匹相手に博麗の巫女が苦戦したの・・・・・?それとも、その豺狼って奴が元々強かったの・・・・・?
(紫が話せば話すほど、霊夢は話のより一層核に近い部分へと踏み込もうとする・・・・・
しかも、博麗の巫女を殺害して食べたということは、今もその豺狼はこの幻想郷のどこかに身を潜めている、ということで、しかも過12人という数と最悪という紫の言葉から察するに、博麗の巫女12人分の力を宿していると言ってもいいほどの恐ろしい実力を持っているのだろう・・・・・)
>>60
【結構気になる設定が公式で明かされていないと、想像して物語を作りやすいのでいいですよね!】
紫
「いえ、元々はただの長生きして妖怪化した野犬の一匹に過ぎなかったわ。けれど、ある時、異変解決をしたものの、それによって瀕死になっていた巫女を喰らい、強い力を得たのが始まりだと思われるわ。」
紫は12代目の巫女(先々代の巫女)が失踪したタイミングと豺狼が現れ、どこの水力や組織にも属さないにも関わらず、強い力を振るい始めたタイミングから推測した事を話す。
紫
「アイツは狡猾で油断なら無い獣よ、けれどこの幻想郷は人間の畏れによって成り立っている部分もあり、その点で言えばアイツほどこの幻想郷に」
皮肉にも、幻想郷における恐怖の象徴として豺狼は君臨しているため、彼を迂闊に消せば人々の妖への恐怖が薄れてしまうのでは無いかと危惧している。
紫は幻想郷の維持を第一に考えなければならない立場であるがあまり、紫自身は豺狼の排除を行えない……
だが……もし、幻想郷の守護者である巫女が豺狼を排除すべき悪として退治した場合ならば巫女としての役割を果たしただけに過ぎないため、豺狼による影響力を巫女の役割によって上書きする事が出来る。
そのため、紫は敢えて先日から思わせ振りな言葉を列挙していたのは霊夢にそれを伝えるためだったのかもしれない……
・・・・・アンタは巫女が食われた時、近くにいたの・・・・・?
(霊夢は豺狼が最初に博麗の巫女を食べた時に、紫は近くにいたのかどうかを聞く・・・・・
博麗の巫女が瀕死の状態だったなら、しかも、異変解決直後なら、誰かが駆けつけてもおかしくはないだろう・・・・・
そして、もしその時に紫が近くにいたのだとした、助けられる状況だったのか、それとも助けられない状況だったのか、霊夢はそこが気になっているのだろう・・・・・)
>>62
紫
「……私が来た時には彼女の血溜まりと僅かな肉片しか残っていなかったわ。」
紫は表情には出していないものの、その声はほんの僅かにだが声が落ち込んでいる。紫でさえもこの幻想郷内における全てに手が届ききる事が出来ないことがあるのだと彼女の言葉からわかる。
それもそうだ、紫一人では手が足りないが故に博麗の巫女が必要となっているのだから……だが、その手が届かない事を利用する悪もこの幻想郷には確かに存在している……
・・・・・本当は、運命がどうとかって助からない運命だと決めつけて助けなかったんじゃないの・・・・・?
(まだ紫にあまりいいイメージを抱いていない霊夢は、本当はわかっていて助けなかったんじゃないのかと酷いことを言ってしまう・・・・・
が、霊夢には酷いことを言ってしまったという自覚なんてなかった・・・・・)
>>64
紫
「……否定はしないわ、生ある者は等しく何らかの役割を持っている。殺された巫女は豺狼によって殺されたのであれば、それもまた運命……」
紫は目を閉じて霊夢の言葉を聞いていざとなれば自分が助けることも出来たにも関わらず、それをせずに見殺しにした事に対して否定せず、巫女の死も豺狼の強化も運命(想定された未来)によるものだと応える。
紫
「けれど……後悔はしていないわ。彼女の犠牲のおかげで、幻想郷は人喰い妖怪に対する強い恐怖の柱が作る事ができた……それに私には豺狼を潰す力はあれど、その役割は無い……これもまた、"運命"よ。」
紫は自分の感情よりも、幻想郷の存続や、それがどのように幻想郷に影響を与えるのかについてを重視する。例え望まぬ死であっても、それにより得られる成果が大きいのならば、未来への糧として犠牲にする事も厭わない……いや、躊躇ってはならない……
紫
「……個人の想いや一時の感情よりも幻想郷の存続を考えるべきよ。大を救うために小を切り捨てなければならないような選択が迫られたのなら……例え小の中に"何が含まれていようと"迷わずに切り捨てなさい?」
加えて、紫は霊夢に巫女としての役割と責務について話す。
紫は全てを守る事、救うことなど出来ない、自分の感情や意思をも消して幻想郷を守り、維持するシステムの一つになるべきだと教える……
ふざけんじゃないわよ・・・・・
ガッ・・・・・!
(霊夢は紫の胸ぐらを掴み「アンタは助けられなかったんじゃなく、助けなかったんでもない、運命のせいにして逃げただけよ・・・・・変えられるかもしれないのに逃げてばかりの臆病者、よく覚えておきなさい・・・・・アンタの言う大は小にずっと守られてきた、人間にずっと守られてきた、私達人間は・・・・・博麗の巫女は、アンタの道具なんかじゃない・・・・・」と、物凄く睨みつけながら言う・・・・・)
>>66
紫
「…………………。」
紫は霊夢が自分の胸ぐらを掴み、怒りを露にしながら大は小に守られて生きてきた、自分達は道具などではない、"運命"と呼んで逃げる臆病者と言う言葉を聞いて、言葉を返そうと口を開けるものの、言葉を発する前に口をつぐみ、何処か物悲しげな笑みをして敢えて反論せずに黙り込む……
言葉を返さないのではない。
どの言葉を口にしたところで、運命に抗う事を諦め、自らを滅し、押し込めることでしか幻想郷のために力を出せない自分では、どんな言葉を口にしたところで何も成らないだろう……
霊夢の顔を見ていると、遠い昔に失った過去の自分を見ているかのような、懐かしいような寂しいような感覚に襲われる……
【ちなみに、私の個人的なイメージとして、紫=メリー説を秘かに押しているため、それが随所に出るかも……?あ、それと二人だけならアンカー無しにしても良いですよ〜。
(*´∀`)ノ】
・・・っ・・・・・何笑ってんのよ・・・・・
バッ・・・・・!
(霊夢は紫を投げ飛ばすようにして放し、そのまま睨み続ける・・・・・
正義がどうとかの感情ではない、ただただ紫に対する怒りの感情が顕になっている・・・・・
そして「アンタのツラなんて見たくないわ、消え失せなさい・・・・・」と、突き放し始める・・・・・)
【了解しました!】
紫
「……そうね……私が言わなくとも、貴方もわかる時が来るわ……」
霊夢が投げ飛ばすようにして放すと、紫の後ろにスキマが開かれ、その中に入り紫の姿が消え、少し言葉を呟いた後、その気配さえも消える。
紫は、霊夢はまだ何も失っていない、自分なら何でも出来るし、運命でさえも変えられる。自分には限界が無い……そう信じているのだろう。
だが……人生とはそんな簡単なものではない。
どれだけの力があっても、才能や智力、財力、権力があろうとも、何も失わずに進める者は存在しない。
紫は長い年月の中で数多の選択肢を前にし、その中でも 多くのものを失って来た……失ったものは二度とは戻らないが、せめてその失ったものに意味を見出だそうと、知恵を振り絞った結果が、運命の定理を定め、それを理解する事で最悪は無いが最善でもない、最良の結果のみを得られるようにした。
霊夢もまた、自分と同じ境遇に陥った時、そうせざるを得なくなってしまうのだろうと紫は考えている……
・・・・・本当に嫌な奴ね・・・・・
(霊夢は少々やり過ぎただろうかと思いながら、何とも言えない複雑な気持ちを胸に神社へと戻ってゆく・・・・・
紫には紫なりに運命は変えられないということを肯定する理由があるのだろうが、霊夢はその考えが納得出来ない・・・・・
何も行動を起こさずに運命は変えられないという紫の考え方が何が何でも納得出来ない・・・・・)
《ザアァァァァァァァ……》
紫が去り、相反する運命についての考え方について思考する霊夢の近く、神社の周りの草木の茂みの奥から突如、血の臭いと共に刺すような視線が霊夢の背後から感じられる。
紫が居なくなるのを待っていたかのようなタイミングで感じられる視線である事から、先程の話にあった"豺狼"の存在を想起出来るだろう……
ゾワッ・・・・・
霊夢「・・・・・」
(背後から突き刺さるように鋭い視線を感じては、先程の話が脳裏によぎる・・・・・
もし、紫の話に出てきた豺狼とかいう奴だったとしたら・・・・・
不安と恐怖が募る中、ゆっくりと後ろへ振り返る・・・・・)
【所変わって別の場所】
蔵蜜「先程、影から見させてもらったが・・・・・今回の博麗の巫女、昔のお前そっくりじゃあないか・・・・・」
(出会ったばかりで早速ギクシャクしていて、考え方も異なる紫と霊夢・・・・・
そんな二人を、蔵蜜はそっくりだと言いながら面白おかしく微笑む・・・・・
この先が思いやられるが、きっと何とかなるという考えもあって・・・・・)
野犬
『ガルルルル……』
強い殺意が込められた視線を感じた背後の茂みに目をやった霊夢の直ぐ傍、蔵の影に潜んで近付いて来たのか、強い殺意を抱いた餓えた野犬が勢いよく飛び出し、霊夢の頸を喰い千切ろうとする……
殺意の視線の持ち主とこの野犬は異なるものの、今脅威として牙を剥いているのはこの野犬であり、対処が出来なければ喉元を喰い千切られて殺されてしまうだろう……
>>霊夢
【スキマ空間】
紫
「クスクス…そうかしら?まあ、彼女は何だか停滞していたこの幻想郷に新しい風をもたらしてくれる……そんな予感がするわ。」
スキマの空間に入った紫は一連の様子を見ていた蔵蜜に視線を移し、本心が伺い知れない笑みを浮かべながら、霊夢と直接言葉を交わした事で霊夢であれば、ずっと停滞していたこの幻想郷に新しい変化を起こしてくれるかもしれないと、何処か俯瞰的な見方をしている紫にしては珍しく、期待の言葉を口にする。
蔵蜜の言うとおり、過去の自分と似ているからだろうか……?それとも、これまで誰一人成せなかった、全ての宝具に主として認められたその力を評価してだろうか……?
紫
「……貴方も気付いていたでしょう?神社の近くにまで豺狼が迫っていた事に……さあ、当代の巫女は無事に生き残る事が出来るかしら……?」
紫は豺狼が神社の近くにまで迫っていた事には気付いていた。
だが、敢えて忠告や警戒をする事はなかった……もし、ここで死んでしまうようであれば、そこまで。
自分の過大評価に過ぎなかったのだと考える。
だが……もし、幻想郷に新しい時代をもたらす素質があるのならば、豺狼がもたらす忌まわしい呪縛を他ならぬ霊夢自身が絶ち斬ってくれるかもしれない……
>>蔵蜜
なっ・・・・・!?
バッ・・・・・!
(いきなり飛びかかってきた野犬に瞬時に反応して避ける・・・・・
そして、紫から聞いていた話を思い出し、一瞬目の前の野犬が豺狼かとも思うものの、もしそうだとしたらもっと違う襲い方をするだろうと思い、豺狼とは違うと判断し・・・・・)
>>野犬
・・・・・あの巫女、ヴァルターって奴と戦った巫女と同じ眼をしていたな・・・・・お前の期待はそこからも来ているのか・・・・・?
(蔵蜜は、紫が珍しく期待していることに気づくと、ヴァルターと戦った先代巫女のことを思い出し、霊夢の眼は先代巫女と同じ眼をしていたと言い、紫の期待はそこからも来ているのかと言う・・・・・
そして「期待するのはいいが、お前は失い過ぎたことで感覚が狂っている・・・・・」と忠告をして)
>>紫
野犬
『ガアッ!!!』
飛び掛かりが避けられると、直ぐ様再び霊夢の方を振り返り、今度は霊夢の右足に噛み付こうと襲い掛かる。茂みの奥からはまだ異様な視線を感じるものの、まるで偵察しているかのようであり、攻撃してくる気配はない。
>>霊夢
紫
「……どうして私が彼女を選んだのか知っている?」
紫はスキマを漂う通行禁止の道路標識の看板部分に腰をかけ、霊夢に対して期待している、性格や価値観さえ変わってしまうほど数多くのものを失い過ぎた事に対する指摘をする蔵蜜に対して、その二つの答えに繋がる問いかけをする……
博麗の血筋そのものが少なかったから?
先代巫女を連想させたから?
過去の自分に似ていたから?
比類なき適正を見せたから?
……いいや、違う。
博麗の血筋そのものが少なくなっているのであれば、霊夢個人に期待など見せることはない。
先代の巫女や過去の自分を連想したり、宝具の適正からにしては、この幻想郷に連れて来るまではまともに言葉を交わすことも無かったため、わからない筈だ。
>>蔵蜜
くっ・・・・・!
バッ・・・・・!
《避けるのぐらい容易いけど・・・・・さっきから感じるこの嫌な視線は何・・・・・?攻撃を避ければ避けるほど、私自身の瞬発力とかを観察されているような気がして、どうも落ち着かないわ・・・・・
まさか・・・・・豺狼が見張っているの・・・・・》
(何かを探られているような嫌な視線と、本能で察知する違和感・・・・・
確信ではない、だが、観察されているかいないかなら、100パーセント中80パーセント観察されていると断言できるほど、視線を感じるがそっちがその気ならこっちだって、いつ、どのタイミングで出てくるか観察してやろうと意気込み)
>>野犬、視線を向ける者
ん・・・?あの巫女に期待したから、とかじゃないのか・・・・・?
(期待なくして選ぶことはないだろうが、紫の心の底に秘めたる想いは蔵蜜の言っていることよりも、もっと深いことなのだろう・・・・・
そう簡単に当てられるようなありふれた感情で博麗の巫女を選んだりはしないというのは蔵蜜自信もわかってはいるが、これといった答えは見つからない・・・・・)
>>紫
野犬
「」
野犬はまるで勢いを落とすことなく幾度となく霊夢の手足や腕とその体の部位であればどこにでも噛み付こうと猛り狂ったように牙を剥いて飛び掛かり続ける。
霊夢も人間である以上、その体力には限界が来るだろう。
それに対して野犬が妖獣化していた場合、消耗戦を挑むのは悪手だろう。もし、消耗しきったところを襲うつもりならば、何時までも野犬一匹を相手に回避し続けるのはかえって自滅行為となってしまうだろう……
しかし、幸いにもここは蔵の中であり、周りには攻撃に使えそうな道具は幾らでもある。
>>霊夢
紫
「……彼女は初代博麗の巫女と瓜二つなのよ。私も驚いたわ、けれど、もし……もしも彼女が初代博麗の巫女の生まれ変わりなら……私は彼女に………………なければならない……」
霊夢は初代博麗の巫女と瓜二つの顔をしていたのだと応え、同時に紫は少し顔を蔵蜜から反らし、小さく抑えた声で自分がしなければならない事を呟く。
紫が霊夢に期待したのも、その伏せた言葉の内容を果たすため……一種の悔いを果たすためであると言う。
初代博麗の巫女は今の幻想郷の基礎を作り上げ、人と妖の調和をもたらし、異界より押し寄せる数多の巨悪達を滅し、幻想郷を守り続けた英雄でありながら、突如として失踪した謎多き人物だ。
その事を記した書物でさえこの世には残されておらず、それどころか彼女の存在を知る者も紫や極一部の賢者達しか知らない……
>>蔵蜜
《道具はいくらでもここにはある・・・・・でも、こいつをこれらの道具で攻撃したら・・・・・》
(霊夢は迷っていた・・・・・
自分は今確かに殺されそうになっているものの、これらの道具を使って攻撃するにしても、もしこの野犬が操られているだけだったら、命令に従うしかない状態だったら、本当にそれでいいのか、と悩み始める・・・・・
博麗の巫女として、まだ甘い考え方を持っているのか、人間としての当たり前の感情か、霊夢自身もわからなくなってくる・・・・・)
>>野犬
・・・・・つくづくお前はおかしな奴だな、そこまで思い詰めているのなら、豺狼があの場所にいたのを教えてやればあの巫女だって戦いやすいだろうに・・・・・
(過去の運命に囚われ続けている紫を見ては、あの場にもう既に豺狼がいたということを教えてやればよかったのにと呟く・・・・・
紫の言動は、どこかズレている・・・・・
今こうしてあの巫女のことを考えながらも、敢えて豺狼がいたことは教えないのは、やはり運命がどうとかいう考え方なのか・・・・・それとも・・・・・)
>>紫
野犬は霊夢の葛藤について知らずに霊夢に向かって唸り声をあげながら、殺意を込めて牙を剥き続けている。この場において、状況を打破する方法は大きく二つある。
野犬を攻撃するか、それともそれを操っていると思われる視線の持ち主に攻撃をするか……
>>霊夢
紫
「どの道、豺狼は私では倒せない……いえ、倒してはいけないのよ。貴方もそれは知っているでしょう?豺狼は幻想郷を脅かしている訳じゃない……上手く幻想郷のシステムに取り入り、欠かせないシステムの一つになっているのだから……」
紫は巫女になったばかりの霊夢に対してあまりにも過酷な状況であると思われるものの、先代巫女もその前の巫女も、豺狼を撃退し、自らの命を守った。これで豺狼によって殺されるのならばそこまでだったのだろう。どの道、一筋縄ではいかない人外が犇めくこの幻想郷で長くは生きられないだろう……
紫
「彼が幻想郷のシステムを利用しているのなら、此方もまた彼を利用する。この試練を乗り越えられないようであれば、私の過大評価に過ぎなかったのだと言わざるを得ないわ。」
これはある意味"試練"だ。
個人の感情としては霊夢に味方をしたい。だが、それをしてしまえば、霊夢は自分の手が届かない予測困難な場所からの攻撃や存在を前にした時、耐性無く瞬く間に潰されてしまうだろう。
そうなれば、何が起こるのかわからない異変解決など出来ない。先々まで見据えているからこそ、豺狼をある意味で利用している。
>>蔵蜜
・・・・・何をさっきから様子を伺っているの・・・・・?力に自信が無いなら無闇に戦いの種は撒かない方が身の為ということを知らないの・・・・・?
(霊夢は野犬よりも、野犬を操っている黒幕を何とかするべきだと考え、視線は野犬に向けながらも、言葉は黒幕へと向けて放つ・・・・・
こそこそ隠れながらこんな野犬までよこして攻めるくらいなら、無闇に戦いの種は撒かない方が身の為であると背を向けたまま告げる・・・・・)
>>黒幕
勿論知っているさ・・・・・奴はこの幻想郷には欠かせない博麗の巫女の因縁の敵であり天敵でありながら、この幻想郷に陰と陽の如く、上手く取り入っていやがる・・・・・私達はサポートに回ることしか出来ない、陰を倒せるのは陽しかないからな・・・・・
(悔しいが、豺狼は博麗の巫女が倒さなければならない陰の存在・・・・・
我々が下手に介入すれば、どんな結果になるかもわからない・・・・・
だからこそ、サポートに回ることしか出来ない、霊夢に全てを委ねるしかないのだ・・・・・)
>>紫
《ザシュ》
視線の主は何も返事を返さない。
加えて霊夢が接近しようとすればそれに合わせて森の奥へ奥へと下がり、常に一定の距離を維持している。加えて、豺狼へ意識が向いた事で野犬の牙が霊夢の右腕を掠り、霊夢の巫女服の袖が一部千切られる。
時間がかかればかかる程に有利になるのは豺狼側だ。それを知っているからこそ、敢えて様子見しつつ、回避しやすい距離を維持し続けている……
>>霊夢
【そう言えば最近ロストワードをインストールしました!(*´∀`)ノ】
紫
「単純に力の強い私達が消してそれで解決する程単純なものじゃない……私や、他の賢者達さえも手を出せない事がわかったでしょう?」
豺狼は自身が妖怪の負の側面を全面的に背負うことで里の人々に恐怖を抱かせ、妖怪が存続しているために不可欠な"恐怖"を体現している。
勿論、豺狼が汚れ役を引き受けているのではなく、彼の純然たる獣性が自然と幻想郷存続に貢献する結果になっているが故に紫や他の賢者達でさえも黙認せざるを得ない状況になっている……
先代や先々代は豺狼を撃退していたため、適正があれば生き残れると言う事も、紫や賢者達が傍観している理由の一つとなっている。
>>蔵蜜
《このままじゃこっちがやられる・・・・・どうやら、私から声をかけても無視を貫き通したり、徐々に下がっている辺り、最初から大体のことは想定しているみたいね・・・・・それならば・・・・・》
いいわ、かかってきなさい・・・・・相手をしてあげる・・・・・
(このまま黒幕へ話しかけても、自分が追い詰められて不利になるだけ・・・・・
ならばいっそのこと、野犬と戦って勝利し、一時的に敵側には撤退してもらうという道しかない・・・・・
もし黒幕が豺狼ならば、いずれまた対峙することになるとわかっている・・・・・)
>>野犬、豺狼
・・・・・幻想郷の何者も拒まないシステムが逆に仇となった、か・・・・・人間が妖怪に対して抱く感情が恐怖なのもまた、一因なのかもしれないが・・・・・
(幻想郷という場所の特性を最大限に活かして過去に博麗の巫女を喰らってきた豺狼・・・・・
そして、その特性があって敵側が陰と陽の陰の立ち位置であり、必要不可欠な存在となってしまっても立ち向かう博麗の巫女、博麗霊夢・・・・・
傍観者という立場はこういう時、どうも歯がゆい思いで・・・・・)
>>紫
【お返事遅れてしまってすみませんでした!
最近CMもやっているあのロストワードですね!】
野犬
「ガアッ!!」
《ダッ》
豺狼に対する追求を止め、野犬を倒すことを選択したところ、野犬は再度霊夢の頸目掛けて飛び掛かり、今度こそ霊夢を仕留めようと襲い掛かる。
>>霊夢
紫
「それは少し語弊があるわね?
人は妖怪を恐れ、妖怪が人を襲う……これが本来在るべき形よ?妖怪が人を襲わなければ、人々は妖怪を恐れなくなり、妖怪の力も失われ、やがて外の世界と同じように人々の心から忘れ去られてしまう事になるのだから……」
紫
「妖怪が人を襲わなくなっている現状、豺狼と言う明確な脅威としての存在はこの幻想郷を維持するためには不可欠な要素になっているわ。」
紫はこの人と妖怪の双方が持つ影響やその仕組みについて語る。人と妖怪が歪ながらも共存するこの幻想郷において、妖怪が人を襲い、人が妖怪を恐れると言うのは妖怪の存続に関わる大原則なのだとも口にする。
>>蔵蜜
【お気になさらず〜。(*´∀`)ノ
はい、CMで流れているあれですね!】
《とは言っても・・・・・この蔵の中にある道具についてはさっき少し持っただけだし・・・・・もうやけくそでやるしかないわね!》
(そう言うと、蔵の中を攻撃を避け続けている内にお札を手に取る・・・・・
が、お札というのは大体貼らねばその力を発揮しない・・・・・
近づかなくてはと思いながらも、下手に手に取ってしまったことを後悔しつつ・・・・・)
>>野犬
それはそうだが・・・・・私からすれば妖怪は恐れられてこそ存在できるのが納得出来んな・・・・・
(蔵蜜は豺狼が自分達妖怪の存在を保ち続ける上に欠かせない存在になっているという、なんとも皮肉な現状を半ば認めつつも、自分達は簡単に言えば人間達から嫌われることで存在できる、という点が納得出来ないらしい・・・・・
蔵蜜自身は人間が嫌いではない為、複雑な気持ちなのだろう・・・・・)
>>紫
【ありがとうございます!
ロストワード、友達がやっていましたW】
《コォォォォォォォォォ……》
霊夢が蔵の中で重ねるようにして置かれた札の一枚を手にした途端、札が蔵の暗闇を照らすように微かに金色の光を放ち、幻想郷に来る前までは使ったことも意識したことも無かったであろう霊力の流れが漠然とだが感じられるようになる。
そして、直感的にこれを投げれば野犬に"必ず"命中し、野犬を操っている邪気を打ち消すことが出来るのだと言うこともわかる。
>>霊夢
【マジですか!ちなみに、アリアさんはやらない感じですか?
他にハマっているゲームもアプリも特に無いのと、ソシャゲなので盆栽みたいにコツコツ育てて行こうかなと思いますwww】
《何これ・・・・・今まで感じたことない・・・・・言葉じゃ表しづらい何かを感じる・・・・・》
(霊力の流れというものをまだ全然知らない霊夢は、言葉でなんと表せばいいのかわからないと思いながらも、この戦いに早い内に終止符を打った方がいいと考え、札を野犬へと投げつける・・・・・
正直、よくわかっていない状態で、勘に頼っているような感じで投げたものの、同時に博麗の巫女としての本能も感じていた・・・・・)
>>野犬
【私はゲームあまり得意じゃないんですW
プレイ動画とかを見ていて、客観的にスリルを味わうのが好きになったというのもありますがW】
野犬
「ギャン!!?
ガ…ガルルル………」
野犬は御札を受けると、野犬の体を傷付けることなく野犬を凶暴化させていた邪気を浄化し、みるみるうちに消え、邪気を取り除かれた野犬は意識を失い、そのまま蔵の中に倒れ、野犬が倒れると、茂みの奥から感じていた視線と気配が消えて無くなる。
>>霊夢
【あ、私も結構それがありますwww特にストーリー系の実況を見ていますwww】
・・・・・
(野犬が倒れると、すぐに駆け寄って触れて、生きているかどうかを確かめる・・・・・
そして、意識を失い倒れただけだとわかると、視線が来ていた方へと振り返って
「・・・・・視線が消えた・・・・・」
と言い)
>>野犬
【実況プレイは実況者さんのリアクションも含めて楽しめるので、自分でプレイしたら味わえない感覚もありますよねW】
紫
「始めて使うであろう物の筈なのに、それの扱い方を瞬時に把握し、"攻撃"ではなく"浄化"に回した……もし、これで野犬に攻撃していたり、視線の感じた方向へ攻撃していた場合、貴方はこの蔵ごと破壊されていたでしょうね?」
蔵の中で倒れた野犬の安否を確認し、更に気配と視線が消えている事を確認している霊夢の前に蔵の奥にいつの間にか現れたのか、紫が木箱に悠然と腰掛け、先程までの態度や様子とはうって変わって最初の飄々とした態度に戻った状態で話す。
紫
「奴は気配や邪気を野犬に与え、自分自身は限りなく気配と邪気を抑え込む事で精巧な偽物を作り、相手に攻撃を誘発させて、攻撃と攻撃の間の瞬間……言うなれば"隙"を作る作戦を好むのだから……」
紫の手には、先程豺狼のものと思われていた野犬が意識を失った状態で抱えられている。もし、あの時に霊夢が茂みへ攻撃をしたり、襲い来る野犬に気を取られ過ぎていた場合、全く予期せぬ死角からの不意討ちを受けてしまっていたであろう事を呟く。
【私もあまりゲームそのものはやらない(あまり上手くない)方なのですが、確かに動画投稿者のリアクションも面白いですよね!個人的にはわい◯いさんの動画とか結構好きwww】
・・・・・まるで私を試していたかのような口ぶりね・・・・・まさかアンタ、豺狼とかいうのがいるのもわかっていたの・・・・・?
(紫の発言がまるで自分を博麗の巫女として試していたように聞こえて、豺狼がいることもわかっていたのかどうかを聞く・・・・・
紫が何を考えているかは知らないが、霊夢の紫に対する視線は、より一層鋭く、強くなる・・・・・
霊夢と紫、お互いの溝が深くなる一方で・・・・・)
>>紫
【特に先の展開をわかっているゲームとかだと、視聴者側である自分達はもう慣れていても実況者さんが慣れていなかったりするのでリアクションした瞬間ニヤニヤが止まらないですW】
紫
「あら、襲撃主が豺狼であるとわかったの?博麗の巫女は何時如何なる時にその命を脅かされるかわからない……他者に頼らずに常に警戒する必要がある。」
紫の手には、霊夢が豺狼であると思って見ていた茂みの中に潜んでいた豺狼から囮の妖力を与えられていた野犬の首を掴んでおり、霊夢が彼女に向かって襲い掛かった野犬を浄化した際にタイミングを見て豺狼が囮にしていた野犬を抑えたのだと思われる。
紫
「それに……臆病な豺狼の事よ、確実な勝算を得られるまではその姿を見せることさえせず、遠巻きに攻撃を仕掛けてくる、その攻撃に対応できないようなら他の野良妖怪に襲われた時に勝つことなど出来ない……そうでしょう?」
紫は左手で掴んでいた野犬から、豺狼の与えた妖力と邪気を抜き取り、消滅させながら、霊夢の実力を測るために敢えて豺狼の襲撃を教えたり、加勢する事無く傍観していたのだと答えると、正気に戻った野犬を森へ返す。
命をかけた戦いをさせる事さえも厭わないのは、これまで何人もの巫女候補が豺狼を始めとした妖怪による襲撃を受けて殺害された事から来るのだろう……
紫は非情なまでに個の感情よりも結果を優先する。
故に気にかけている霊夢にさえも、命がけの過酷な戦いを強いるのだろう。
【あるあるですね!wwww】
・・・・・力に自惚れたわけじゃないけど、幻想郷を守らなければならない博麗の巫女が、そこまで臆病な下等妖怪一匹が送り込む野良妖怪の一匹屋に引きに立ち向かえないようじゃあ、この役目は果たせないと自覚しているわ・・・・・これが、私の「運命」だから・・・・・こればっかりは変えることのできない運命とわかっている・・・・・
(そう語る霊夢の姿が、先代巫女と重なる・・・・・
紫の言葉に影響されたわけではない、この運命は変えられないと分かった上の発言だ・・・・・
この程度の戦いなんて、これから当たり前になる・・・・・そう思っていた・・・・・)
>>紫
【はいWWW】
紫
「あら、随分と物分かりが良いのね?てっきりあらゆる運命や未来に抗い続ける反逆主義」
扇子で口許を隠しながら昨日まで変えられると否定していた"変えることの出来ない運命"を口にしたのを聞いて、てっきり自分を責めるのかと思いきや、肯定するように言った事をからかうように指摘する。
>>霊夢
・・・・・これは、運命と偽られた使命なんだから、仕方ないのよ・・・・・
#(そう言うと「・・・・・で、豺狼とかいう奴は普段は特に人間を襲ったりとか、大胆なことはしないの・・・・・?ハッキリ言って豺狼が今どこにいるかは私にはわからないし、かと言って誰かを襲い始めてから動き出すなんていう歯がゆいのはまっぴらごめんよ、把握しているなら、奴の行動をわかっている範囲で教えなさいよ・・・・・」と言い)
>>紫
紫
「豺狼は基本的に他の人喰い妖怪と同じように外来人を襲っていて、時折里の郊外に出た里の人間を襲っていると言う行動を取っているわ。」
多数の人間を無差別に襲うのではなく、外来人や郊外に住む人間をメインに時折襲うと言うスタンスをしているため、幻想郷の人間を全て狩尽くそうとしている訳ではない。
この辺りもまた、幻想郷の人妖のバランスが崩れて紫達が動かさざるを得なくなるような状況に陥らないようにしているのだろう。
紫
「けれど……これまでの傾向から、巫女の実力を測った後、博麗の巫女を直接襲う前に力を蓄えるべく、里の郊外にある小さな集落を狙うでしょうね……」
豺狼の狙うターゲット層を教えた上で、これまでの経験から里の郊外にある小さな集落を襲って自分の妖力を蓄えようとするのだと言うことも教える。里の外には幾つも村とも呼べないような小さな集落があるのだが、その何処が襲われるのは、霊夢の勘が教えてくれるだろう。
本当に小物ね・・・・・こっちの状況をコソコソと伺いながら、戦う時までは決して安易に姿は見せない・・・・・臆病者の証だわ・・・・・
(博麗の巫女という、幻想郷には絶対に欠かせない存在をを何人も喰らってきた極悪妖怪ではあるものの、そのコソコソとした卑怯極まりないやり方と、戦う時までは他者を利用して自分は力を蓄えながら決して安易に姿を見せることは無いその思考が、完全に臆病者のソレだと霊夢は評価する・・・・・)
>>紫
紫
「本当に厄介なのはコソコソ逃げ隠れしたり、ルールの裏から出ようとしない臆病者なのかもしれないわね?」
自分の力に自信を持ち、堂々と悪行を行い、討伐のための大義名分を得られやすい悪よりも、豺狼のように勝利や栄光よりも、自らの保身のみを念頭に置いて行動している豺狼の方が厄介なのかもしれないと呟く。
その言葉の裏にあるのは、臆病なまでに警戒心や注意力の強い豺狼の厄介さと、自分のような幻想郷の秩序を守る事を第一とする者では手出しのしようがない場面へ逃れる豺狼への微かな苛立ちが感じられる。
いずれにしても、厄介か厄介じゃないかじゃない、悪は問答無用で滅するべきということ・・・・・
(豺狼は幻想郷を蝕むばい菌でありながら、妖怪と人間との距離感を保っているような立場になっていることが何とも言えない・・・・・
博麗の巫女を喰らうことで力を蓄えるという、臆病者のクセしてやることは本当に汚いのもまた、怒りを通り越して殺意を抱く・・・・・)
>>紫
紫
「怒りは良いわよ、許せないと言う強く純粋な怒りは限界を超える力を与えてくれる。」
豺狼のあまりにも卑怯な手段や、まだ満足に戦えずに弱い状態の者を狙うその性質を知って怒りと殺意を抱く霊夢を見て、スキマの縁に腰をかけたまま言う。
紫
「けれど……その怒りに欲望と願望が混ざれば憎悪となる。憎悪は怒りと似て非なるもの……貴方が抱くのは怒りのままでいられるかしら?それとも憎悪へと変貌してしまうか……」
だが、その怒りと殺意の混ざった状態を見て、紫は憎悪へと変貌してしまえばそれは即ち破滅へ通じる事になるのだと警告する。怒りに呑まれ、憎悪に心満たされた存在の末路は幾つも見てきたが故に、紫は霊夢にはそうならないように、そうなって欲しくはないと考えている。
紫
「………何にせよ、私からはこれ以上干渉する事は難しい……この件については先代と先々代と同じように、巫女である貴方に任せるわ。」
最後に紫は豺狼について、このまま里の外れの集落を襲うであろう豺狼の行動を先回りして阻止するも良し、神社に結界を張って二度と襲撃してこなくしても良し、もしくは豺狼を確実に仕留めるために動き出すも良し、後の行動について紫から指示したり束縛するのではなく、霊夢の意思に任せると言う。
【本来であれば到底力及ばぬ博麗の巫女を、まだ弱い雛の状態で喰らうべく執拗に狙う狼……それが豺狼です……!!】
・・・・・憎悪・・・・・?アンタ、私が欲望や願望を抱いて今に至っていると思っているの・・・・・?アンタは手を出せないにしても、何代も前から博麗の巫女がただただそいつの力の糧にされ続けているのが悔しくないの・・・・・!?
(霊夢には、霊夢なりの怒りがあるのだろう・・・・・
いや、だからこそ紫は忠告するのだろうか・・・・・
怒りの感情なんて、違うもので、そして怒りは時に、破滅へと繋がるのだから・・・・・)
【どう足掻いても漂ってしまう悲しき小物感・・・・・】
紫
「悔しい……?」
霊夢がこれまで我欲を持って来たと思っていたのかと言う問いに応える前に、何人もの巫女が僅か数ヶ月足らずで殺され、その力の糧とされて来た事が悔しくないのかと問う霊夢の言葉にキョトンとした表情で反芻するように同じ言葉を呟く。その様子はまるで悔しいと思ったことが無いかのように見える。
・・・・・アンタは、心ってもんがないのね・・・・・もういいわ・・・・・
(そう言うと、霊夢はそのままその場を後にする・・・・・
一番博麗の巫女と関わってきていながら、何もわかっていないじゃないかと、より一層悔しさが増す・・・・・
紫はただの傍観者であり理解者ではない、霊夢はそう判断した・・・・・)
紫
「……悔しい……ね、久し振りに聞いた言葉だったわ……」
幻想郷において、ある程度の換えを用意していたため、例えば霊夢が命を落としたところで新しい候補者を紫は複数考えていた……
悠久の時を生きている中で時間感覚も倫理観もまた、人間のそれとはかけ離れてしまっているのか、一人が死んでもまた新しい博麗の血筋を呼んでそれを代わりにすればいい。何人かは殺されるものの、先代や先々代のようにそれを撃退する才がある者も確かに存在する。その確率について、紫は二人の前例を元に計算した結果考え付いたものであり、巫女の生存率や生存期間、それぞれの感情については微塵の考慮もされていない……
心や感情について抑え込んでいる内に、紫自身も元々持っていた感情が圧殺されてしまっているからか、幻想郷の維持が出来るのならば、命さえも消耗品として見なしてしまう冷徹かつ非情、機械的なまでに無慈悲な思考に至ってしまっている……
【現状では、幻想郷の維持のためなら巫女の命さえも短期間限りの消耗品としか考えていない紫と、用意周到になるがあまり、登場前であるにも関わらず小物化している豺狼wwww
紫はこれから少しずつ変わっていくかも……?】
蔵蜜「・・・・・あの巫女の言う通りだ・・・・・幻想郷のこともわかるが、お前は代わりがいるからと博麗の巫女が命を落とすことさえもあまり大事として考えていない・・・・・」
(紫が幻想郷を想う気持ちもわかるものの、それでも博麗の巫女の命を軽視し過ぎだと忠告をする・・・・・
いくら代わりがいるとしても、命は無限に生まれる都合のいい道具ではない・・・・・
紫の今の考え方には、蔵蜜もかなりモヤモヤしていた・・・・・)
【豺狼さんの言われっぷりがどんどん酷くなってゆく・・・・・WWW】
紫
「………そうね、猛省するわ。」
軽口を言う霊夢をからかうようにして発した言葉だったのだが、確かに当事者の前で命を軽視した発言は些か不用意だったかと考える。
かつては紫もまた、少し変わっているだけの人間でありながら、途方もない年月の中を妖怪で居た事で内面的にも人間からかけ離れてしまっている事を自覚し、目を閉じるとそのままスキマを閉じて自身の屋敷へと帰って行く。
霊夢がこのまま豺狼による集落の襲撃に向かうか……それとも、神社の守りを固めて迎撃に専念するか……二つの道がある。
・・・・・紫の奴は、時々空気が読めないというか、何というか・・・・・
(やれやれどうしたものかと思いながら、上記を言えば、自身も森へと戻ってゆく・・・・・
そして、蔵蜜も単独で豺狼について調査を始める気でいた・・・・・
いくら力が強くても、妖怪との戦い方をまだ把握しきれていない霊夢は力的には見込みはあれど、このまま戦えば過去の悲劇を繰り返すだけだと思ったようだ・・・・・)
【博麗神社内】
・・・・・私は、間違っていないわ・・・・・
(紫の言葉についカッとなってしまうことや何とも言えない怒りを覚えてしまう・・・・・
が、間違っているのは紫だ、自分は間違っていない、そう思うことで幾分か気を紛らわすことが出来た・・・・・
が、時々、紫も沢山辛い思いをしてきて今のような性格になったのではないかと思えてくる・・・・・)
【返信送れてすみません!】
【誤字していました、遅れて、です、すみません!】
114:八雲 紫◆3.:2020/07/17(金) 18:36 【大丈夫ですよ〜、お気になさらず〜
この後里郊外に移動しますか?それとも神社でもう少し居ますか?】
【ありがとうございます!
里郊外でお願いします!】
魔理沙
「はあ…はあ……くッ!次から次へと沸いて来やがって……!倒しても倒してもキリがない……!!」
人間の里の郊外にある小さな集落では、霊夢が到着する少し前に豺狼の操る瘴気によって凶暴化した野犬の群れが襲撃しており、集落の戦える男衆と共に金髪の、魔法使いを連想するような白黒の服装をした少女……魔理沙が手にした緑色の液体が入った爆発性のある瓶を手に野犬と応戦している。
しかし、多勢に無勢、元々数人しかまともに戦える集落の男がいなかったのに対して相手は百にも及ぶ圧倒的なまでの野犬の大群であり、一人、また一人と倒れ、魔理沙もまた、服のところどころが野犬の爪や牙によって引き裂かれてしまっていて、その下には幾つもの傷口が作られてしまっている。
>>霊夢
【了解しました!!】
・・・・・何か嫌な予感がするわね・・・・・
(博麗の巫女のとしての直感か、霊夢は里の方で今正に凄まじい戦いが起きていることなど知らないものの、嫌な予感がすると呟く・・・・・
自分でも何故いきなりそう感じたのかは定かではないものの、確信とも言えるほどの自身が不思議とあった・・・・・
霊夢は、急いで里へと向かい始める・・・・・)
>>魔理沙
豺狼
『ククク……お前は確か魔法使いの成り損ないだったなァ?お前を喰らえば魔力とやらもこの俺様のモノに出来るだろう。詰まらねぇ肉塊共よりも前にお前をこの俺様の糧にしてやるよ!!』
魔理沙
「く……そ……ッ!
ここまで……か……。」
魔理沙もまた、集落を守るためにまだ未完成な魔法技術を用いて応戦していたものの、最大魔力量も人並みしか無く、会得出来た魔法もほんの初歩の基礎魔法を数個だけであり、戦い始めて直ぐに魔力が底を付いてしまう……
眼前には体長3mにも及ぶ見上げるように巨大な二足歩行をする狼の頭蓋骨を被り、赤黒い刺が身体中から生え、禍々しい異様な姿をした巨大な怪物……豺狼が抵抗する集落の人々をその爪の一振りでバラバラにしながら迫って来る。
そして、手の届く距離にまで豺狼が近付き、数多の命を奪って来た巨大な鉤爪を振り上げた時、既に両足も動かせないほどに消耗してしまった事から回避さえも出来なくなった現状から、自身の死をも悟り、目を瞑る……
目を瞑った魔理沙の脳裏には勘当され、あれほど憎んでいた筈の父親と母親の顔が脳裏を過る……あの二人の事だ、一人娘だった自分を勘当したところで、もう新しい養子を迎え入れている事だろう……
里の大人達からも魔法を使うために魔法の森に住むようになった狂人奇人と蔑まれて来た……だが、死が目前に迫った時、ふと瞼の裏に思い浮かぶのは嫌っていた筈の両親と里の光景だ……
立派な魔法使いになりたかった。
何でも守れる偉大な魔法使いになりたかった。
最後に両親の顔を見たかった……
もはや叶わない数多の願いを抱きながら目を瞑る魔理沙の頭上には、振り下ろされた豺狼の鉤爪が空を切り裂きながら迫る………
>>霊夢
随分やってくれたじゃない、下等小物妖怪・・・・・
ビシイィッ・・・・・!
(魔理沙に振り下ろされる鉤爪が迫る中、豺狼の背後から「下等小物妖怪」という言葉が聞こえる・・・・・
そして、豺狼の背中に何かが貼りつくような違和感が走る・・・・・
気配などなかった、突然背後に現れた・・・・・
そうとしか言えないほど、いきなりの出来事だった・・・・・)
>>豺狼、魔理沙
豺狼
『ぐ……!なんだ……!?』
魔理沙
「誰だか知らないが助かった!!」
《ドゴオォォォォォォォォォォッ》
目を閉じ、来るべき死痛に備えていた中、豺狼が背中に違和感を感じた事で振り下ろされた鉤爪が寸前のところで止まり、豺狼の唸り声が聞こえたところで、目を開けた魔理沙はそのまま両手を豺狼に向け、その掌から残っていたありったけの魔力を光の波動に変えてぶつけ、豺狼の巨体を吹き飛ばし、直ぐ様立ち上がる。
>>霊夢
・・・・・どうやらこのお札、相当効くみたいね・・・・・
(先ほど操られていた野犬にも効いたお札を何枚か持ってきていた為、それを使ってなんとか豺狼の動きを封じてみせると、このお札は相当効くみたいだと呟く・・・・・
そして、魔理沙のところまで行くと「アンタこんなところで何してるの?死にたいの?」と言い・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
魔理沙
「おい!後ろ!!」
豺狼
『ガアァァァァァァァァッ!!!』
《ゴオッ》
魔理沙は側に近付いた霊夢を見て言葉を返そうとするが、豺狼が御札による邪気払いを受けながらも動き、その巨大な鉤爪を振るうのを見て、霊夢に飛び付いて地面に倒れ伏すようにして豺狼の爪から一緒に逃れようとする。
野犬であれば御札一枚でその邪気を全て払えていたものの、その根元たる豺狼が持つ邪気は操られていただけの野犬とは比ではなく、加えてこれまで喰らった博麗の巫女の宿していた霊力をも取り込んでいるため、動きを一時的に鈍感させるぐらいにまで軽減されている……
>>霊夢
っ・・・・・!あ、危なかった・・・・・こんなのに巻き込まれたら、一溜りもないわね・・・・・
(魔理沙が飛び付いて助けてくれたおかげで、間一髪でなんとかなった・・・・・
しかし、こうして忠告や避難をさせる間も与えず、即座に攻撃を仕掛けてくるとは・・・・・
小物の割にはやることはかなり大胆と見た・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
豺狼
『この目障りな力は……博麗の巫女か。また新しい巫女(エサ)を持ってきたようだが、わざわざこの俺様の前に出すとはとうとう気でも狂ったか賢者共!!』
その気になれば、本来であれば巫女になる以前の記憶がない霊夢どころか、まだ魔法使いとしても魔女としても経験の浅い魔理沙でさえも反応できない速度で豺狼は攻撃出来ていたにも関わらず、魔理沙が霊夢と共に回避出来た事から御札の力で自分の動きが大幅に鈍化している事を知り、その苛立ちを吐き捨てるように霊夢を見下ろしながら言う。
豺狼
『だが……この俺様がわざわざ戦うまでもねぇ!テメェら!コイツらをまとめて八つ裂きにしろ!!』
豺狼は御札によって体の動きが鈍っている事から、豺狼は後方へ飛び退いて距離を取ると同時に、万が一を考慮して周囲にいる百匹前後いる野犬の大群に攻撃命令を下す。
すると、野犬の大群はジリジリと霊夢と魔理沙の二人を包囲するように動きながら少しずつ距離を詰め、隙があれば即座に飛びかかろうとする。
【見下している相手に対しても、自分では直接戦わずに幾らでも替えの効く手下を使って様子見をする卑怯者スタイル……!】
>>霊夢
【あ、雑談や相談用の場所を建てましたので、もし宜しければどうぞ!
http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1595239279/l2】
わざわざ戦うまでもない・・・・・?本当は自分で戦うのが怖いんでしょ・・・・・?
(豺狼を煽りながら、野犬達に攻撃されないように、札を構えながは魔理沙を庇うようにして警戒する・・・・・
そして、野犬達の能力的には、さっき戦った野犬達と同じくらいなのか、それとも)
わざわざ戦うまでもない・・・・・?本当は自分で戦うのが怖いんでしょ・・・・・?
(豺狼を煽りながら、野犬達に攻撃されないように、札を構えながは魔理沙を庇うようにして警戒する・・・・・
そして、野犬達の能力的には、さっき戦った野犬達と同じくらいなのか、それともまた違った感じなのか・・・・・
札にも限りがある、慎重に戦わなければと思いながら・・・・・)
【途中送信すみません!
豺狼の小物感がどんどん増していく・・・・・もはや小物とかいうレベルに収まり切るのかどうか・・・・・W
雑談所了解しました!】
>>魔理沙、豺狼
魔理沙
「博麗の"巫女様"が来たのなら心強い、パーッとコイツらを蹴散らしてくれ!」
魔理沙は懐から傷や失った魔力の一部を回復する事が出来る特製のポーションの入った小さな瓶を取り出しながら、霊夢に蹴散らして欲しいと頼む。
豺狼の言葉が本当なら、彼女はあの博麗の巫女であるため、野犬の百や二百なら簡単に蹴散らせるだろうと思い、豺狼の追撃に備えて回復に専念しようとしている。
だが、幾ら才能があるとは言え、霊夢は巫女になって二日目であり、まだ博麗の巫女としての力を充分に引き出すのは難しいだろう……
【いえいえ、お気になさらず〜。
雑談所の方もありがとうございます!
豺狼の小物ウェーブが止まらないwwww】
>>霊夢
・・・・・随分簡単に言ってくれるわよね・・・・・
バッ・・・・・!
(霊夢は素早い動きで野犬達に次から次へと札を投げつけてゆく・・・・・
野犬達に効いたとしても、豺狼に対しては一時的に動きを鈍らせるほどの効果しか得られない・・・・・
となれば、豺狼を一時的だとしてもどうにかして里から遠のかせなければならない・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【ありがとうございます!
豺狼が可哀想になってきた・・・・・W(哀れみ)】
魔理沙
「よっし!魔力もだいぶ回復できた……って、なんだなんだ?"巫女様"ならもっと派手なやつで一掃すると思ったんだが……」
ポーションを一息で飲み干し、自分の右手を見ながら開閉し、失われた魔力が回復して来た事を実感しながら、ふと視線を戻すと、霊夢が回避をしながら札を野犬に貼り、少しずつ野犬達を浄化して回っているのを見て、博麗の巫女であれば強力かつド派手な範囲技で一掃すると思っていた魔理沙は驚きのあまり目を丸くする。
野犬達は魔理沙など目に入っていないかのように霊夢にだけ幾度となく飛び掛かかり、牙や爪を振るっている。それもその筈だ、魔力も体力も尽きかけの魔理沙よりも、どんな技や力を使うのか未だに未知数の霊夢を警戒するのは当然だろうか……
>>霊夢
【しかも、地獄に堕ちても畜生界で早鬼さんにボコられると言うwwww】
アンタ何してんのよ!喋っている余裕があるならすぐに逃げなさい!!!
(今相手にしているのは豺狼ではなく、豺狼の手下の野犬達だ・・・・・
つまり、今この時、豺狼本人を相手にできるほどの余裕は、霊夢にはない・・・・・
回復した上での見知らぬ魔法使いの少女の実力がいかほどのものなのかは知らないものの、喋っている余裕があるなら今すぐこの場からできるだけ遠くに逃げるように声を荒らげて忠告する・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【小物道を突き進む、正に小物の鑑ですねW】
魔理沙
「おっと、この大魔法使い魔理沙様の噂を知らないのか?そろなら、山をも焼き尽くすこの私の力を見せてやる!」
魔理沙は右手を挙げて指を鳴らす。すると、魔理沙の周囲に薄緑色の魔法陣が四つ展開され、そこから魔法陣と同じ緑色に発光する多数の光弾が一斉に解き放たれ、
霊夢が点で攻撃するのに対して、魔理沙は面による同時攻撃を行う事で、生き残っていた集落の人々に襲いかかろうとしていた野犬も撃破し、守ることに成功する。
最も得意としている一点集中攻撃では無いため、その魔力の消耗が激しく、一発一発の威力も落ち、建物を破壊しないように注意や意識を分散させているが、それでも複数発光当たれば野犬を戦闘不能に出来るだけの威力がある。
集落の守護をしていた時は消耗を抑えて戦っていたが、博麗の巫女である霊夢が到着した事で、最悪敵の親玉である豺狼は霊夢に任せれば良いと思い、攻撃に専念する事が出来るようになる。
>>霊夢
【ですwwwww】
アンタ・・・・・いくら魔法使いだからって、私は立場上一般人を戦いに巻き込んじゃいけないのよ!援護は嬉しいけど、早く逃げなさい!
(いくら魔法使いでも相手は一般人、博麗の巫女である以上、一般人を戦いに巻き込んでしまったら元も子もない・・・・・
援護は助かるものの、過去に博麗の巫女を何人も喰らってきた凶悪妖怪が目の前にいる以上、非常に危険な状況であることに変わりはない・・・・・
霊夢は再び魔理沙に忠告をする・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【断末魔とかも小物っぽくないそう・・・・・W】
魔理沙
「はッ!私を舐めるなよ!このくらい直ぐに片付けてやる!」
魔理沙は辺り一面にいた野犬を一掃すると、近くに落ちていた箒を自分の手元へ引き寄せてそれに乗り、箒の上でバランスを取りながら立ち上がり、そのまま勢いよく空中を飛び回り、手にした八卦炉から金色の光弾を放って霊夢による野犬退治の手助けをしていく。
そんな中、魔理沙に気を取られている霊夢に向けて四匹の野犬が正面から飛び掛かり、霊夢の体を引き裂こうとする。
>>霊夢
【断末魔ってwwwwww】
《まさかここまでの実力とは・・・・・》
(魔理沙がここまでの実力を持っているとは思わなかったのか、言葉には出さないものの、表情には驚きを隠せずに表れている・・・・・
そして、魔理沙の戦い方に気を取られていたものの、瞬時に「邪魔よっ!!!!!」と言い、札を投げつけて対応する・・・・・)
>>魔理沙、豺狼
【悪役は断末魔で全てが決まる(嘘)】
豺狼
『……ちッ!思った以上に厄介だな……此処は一旦雑魚を喰って力を蓄え直すか……!!』
霊夢と魔理沙の二人が数の差をものともせずに百にも及ぶ獰猛な野犬の大群による攻撃を避けながら反撃し、撃破して行っているのを見て、このまま二人まとめて相手にするよりも、怪我を負った集落の人々を喰らって力を底上げした方が良いと考え、勢いよく地を蹴り、近場の民家に突っ込み、中にいる人間の親子を喰らおうとする。
魔理沙は迫り来る野犬の大群に対処するので手一杯であり、とても民家や豺狼への警戒や注意が出来ずにいるため、防げないだろう……
>>霊夢
【グ…ズ…ギュアアアアアムッ!とかどうですかね(ネタが古い&マイナー過ぎる)wwww】
【あ、それと向こうの方にもちょっと質問を投稿しておきました!】
138:博麗の巫女◆gI:2020/07/23(木) 20:48 アンタ、博麗の巫女の前で堂々と里の人間喰らおうとするなんて、小物の雑魚にしては随分いい度胸してるじゃない・・・・?
ドゴォッ!!!!!
(霊夢は片手に札を構えたままの状態で、豺狼の顎を思いっきり殴り飛ばし、そのまま札を貼り付け、そして
「死にたくなかったら早く逃げなさい!!!!!」
と、親子を避難させようとする・・・・・)
>>豺狼、魔理沙
【独特過ぎるW 人間じゃなさそう・・・・・W】
【了解です!】
豺狼
『ゲヘェッ!!?』
《バキバキバキバキバキッ》
民家の壁を破壊して巨大な口を開けて怯える齢5歳ほどの小さな子供と、その子供を守ろうと抱き締めていた母親をまとめて喰らおうとしている中、豺狼の顎に直撃した霊夢の一撃によって豺狼の巨体が民家の内壁へ殴り倒される。
母親
「ありがとうございます、巫女様!このご恩は忘れません……!」
豺狼
『グググ……クソッ!!たかだか人間(エサ)ごときが図に乗るなァ!!』
《ギュオッ》
霊夢に頭を下げて急ぎ足で豺狼のいる民家から外へ逃げ出し、そのまま里に向かって娘を抱いて走って行く。
外では魔理沙が野犬達を引き付けているため、追撃の心配も無いだろう。
だが、立ち上がった豺狼は殺意を隠す事すらしなくなり、憎悪と憤懣を露にし、罵声と共に右腕の爪を振るい、霊夢の体を引き裂こうとする。霊夢の御札による浄化によってダメージを受けてその力も抑えられているにも関わらず、その爪は人体を引き裂くには十分すぎる程の威力がある。
>>霊夢
【はい、人間じゃない&ラスボスの断末魔ですwwww
FFだったかなwww
なんだか面白そうなので、人助けをしたり、幻想郷にとってプラスになる事をした場合、今後の展開や、後の物語にも関係してくるようにしようかなと思います!
(*´ω`*)】
《これで巻き込まずに済むわね・・・・・さて・・・・・》
そっちこそ・・・・・小物ごときが図に乗るんじゃあないわよっ・・・・・!!!!!
ボチュッ!!!!!
(霊夢は豺狼の次の攻撃を大体予想できていたのか、瞬時に豺狼の動きに対応して攻撃を避けると、そのまま高く飛んで豺狼の右目をさっき顎を殴り飛ばした時と同じ威力で殴り飛ばす・・・・・
眼球に拳がめり込む音が、実に生々しくて気持ち悪い・・・・・)
>>豺狼、魔理沙
【どのような感じで関係してくるのか、期待ですね・・・・・】
豺狼
『グ……オォォォォォォォッ!!?』
右目の視界が漆黒に変わると同時に脳を駆け巡る激痛により、豺狼が凄まじい咆哮を上げて華奢な霊夢の体を吹き飛ばし、右手で右目を押さえ、少し後ろに後退る。
豺狼
『ツッッッ……!!クソッ……クソッ!クソガアァァァァァァッ!!!』
【「暴魔の一撃」】
《ゴアッ》
霊夢によって潰された右目からは血が滴り、豺狼は殺意と憎悪に満ち、血走った目で霊夢を睨み付けると、右腕にこれまでの歴代の巫女達から奪い、蓄積して来た莫大な力の一端を破壊エネルギーの塊として地面に叩き付けると、地面には直径10mのクレーターが形成され、さらにクレーターを中心に周囲の地面に無数の亀裂が地面には刻まれ、集落の建物の一部が倒壊し、辺り一帯が土埃で満たされてしまう……
魔理沙
「しまった……!!?」
豺狼
『ある程度の力があったら大人しく下がってやろうと思っていたが止めだ!お前は必ずこの俺様の手で引き裂いてその臓物を貪り尽くしてくれる!!!』
立ち込める土埃の中、豺狼は呪詛のような言葉を口にすると、豺狼の気配が消え、何処かへ去って行く……
だが、豺狼が残したクレーターと亀裂によって倒壊した民家の中にはまだ多数の集落の人々が取り残されており、大勢の人々が倒壊した建物の下敷きになったり、脚が瓦礫によって潰され、動けなくなった人々の悲鳴と助けを求める声が聞こえてくる……
豺狼はこうして広範囲に被害を与えることで霊夢と魔理沙が追えないようにする事で、逃亡するための時間を稼ぐことを考えているようだ……
豺狼にとって、人々の命など自分の逃走手段に使える多数ある手段の一つにしか考えていない事がわかる……
>>霊夢
【お試しとして、最初の選択肢!
→豺狼を追わずに集落の人々助ける
→豺狼を追って集落の人々を見殺しにする】
やれるものならやってみなさいよ!!!!!アンタみたいな小物の相手ならいつでもなってやるわ!!!!!
(そう言うと、)
【途中送信すみません!選択肢は前者の方でお願い致します!】
やれるものならやってみなさいよ!!!!!アンタみたいな小物の相手ならいつでもなってやるわ!!!!!
(そう言うと、霊夢は崩れた建物の下敷きになっている里の住人達を必死になって救おうと、瓦礫をどかし始める・・・・・
そして「アンタも手伝って!あんな小物今じゃなくても倒せるから!!!!!」と、魔理沙にも手助けを求める・・・・・
思いっきり吹き飛ばされようが、逃げられようが、今は里の人間達の救出が第一だと判断して)
>>魔理沙
魔理沙
「ああ、わかった!」
豺狼の撤退と共に生き残っていた野犬や、魔理沙に倒されたものの、意識を取り戻した野犬達も撤退し、逃げて行く。
霊夢が豺狼への追撃ではなく、集落の人々の救出を選び、自分に助力を求めたのとわかると、急いで霊夢と一緒に崩れた建物の瓦礫除去を手伝う。
集落の住人
「ありがとうございます、巫女様……!」
辛うじて野犬と戦いながらも生き残っていた集落の男衆も共に瓦礫の撤去を手伝い始め、次々と瓦礫の下で身動きが取れなくなっていた人々を助ける事に成功する。
だが……中には瓦礫の下敷きになり、押し潰されて死亡している人々もいた……
とは言え、霊夢が救出を選んだ事で、数多くの人々がその命を救われ、霊夢への感謝の言葉を口にしていく。
>>霊夢
【いえいえ、お気になさらず〜。
(*´∀`)ノ
はい!了解しました!!】
・・・・・当然のことをしたまでよ・・・・・
(そう言うと、崩れた建物に押し潰されて命を落とした住人達を見ては、霊夢は複雑な表情になる・・・・・
自分は命を救うことが出来たが、同時に救えなかった命もある・・・・・
それなのに「ありがとうございます」と感謝されるとは・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
【ありがとうございます!】
魔理沙
「私達だけじゃとても手が足りない……里の方からも人を呼んでくるからちょっと待っててくれ!」
魔理沙は自分や霊夢のように細い腕、大人の男に比べて非常に少ない筋肉しか無い事から瓦礫が重すぎるあまり持ち上げられないものもあるとわかると、箒にまたがりながら霊夢に里からの応援を呼んでくると告げ、応答を待たずにそのまま里の方へ向かって飛んで行く。
救えた命と救えなかった命……
この二つを前にした時、紫の言葉が幾つか蘇る……
"全ての者を救うことはできない"
この非情な現実がまざまざと霊夢の前に立ちはだかってしまう……
>>霊夢
《運命は変えられない・・・・・‐》
(あの時の紫の言葉が脳裏に蘇る・・・・・
もしこれも運命だったとしたのなら、最初から既に決まっていた結末だったとしたのなら・・・・・
自分は今、変えられなかった運命を目の当たりにしているということになる・・・・・)
・・・・・
(無言で瓦礫に手をかけたまま俯き、冷や汗を流す・・・・・
これが変えられない運命というものなのか・・・・・
違う、変えられるはずの運命を変えるのに間に合わなかっただけだ・・・・・きっとそうに違いないと、霊夢は思うしかなかった・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
運命とは何だろうか。
紫の言う決められた道筋……未来なのか。
それとも人が生まれながらにして背負う業なのか……
その答えは神ですら知らないのかもしれない……
ほどなくして人間の里から多数の男衆を率いた魔理沙が駆け付けた事でこれまで女手だけでは重くて持ち上がらなかった瓦礫や残骸を退ける事にも成功し、倒壊した民家の下敷きになっていた集落の人々の半数が救われ、家を失った人々は改めて人間の里へ移り住むようになった。
だが……残る半数の人々は瓦礫に押し潰された事で死亡しており、その中にはまだ幼い子供の骸もあった……
豺狼が襲撃しなければ、最初に神社に豺狼が斥候と共に霊夢の実力を測るために訪れた時に倒せていれば、こんな悲劇は起こらなかったのかもしれない……
>>霊夢
【これで豺狼を打ち倒す理由ができましたね……!
殺された巫女の仇、集落の人々の仇……!!】
・・・・ぁ・・・・・ぁあ・・・・・
《どうして・・・・・?あいつをどうしてあの時私は倒さなかったの・・・・・?あの時倒していれば・・・・・どんなに自分が傷ついてもあの時に倒していれば・・・・・どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして》
(子供の亡骸を見た途端、両手で頭を抱え、怯えるようにガタガタと震えながら何故野犬が神社を襲撃したあの時に豺狼も倒しておかなかったのかと自分を責め始める・・・・・
心が今にも砕け散りそうなほどに・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
【小物なのに割とやることがかなり凶悪な豺狼さんWWW】
151:運命◆3.:2020/07/24(金) 20:08 魔理沙
「……?おいおい、博麗の巫女と言うことだからとんでもない力を持った超人だとばかり思っていたんだが、普通の人間とそんなに変わらないんだな?」
霊夢が自責の念と後悔に押し潰されそうになっている中で、この幻想郷において博麗の巫女は悩まず、迷わず、悔いず、超然とした人間でありながら神や妖を超えた超人だと思っていたため、いざ目の前にすると博麗の巫女も大したことがないんだなとからかうように言う。
>>霊夢
【これが我が逃走経路だァーーーーッ!!!】
・・・・・は・・・・・?目の前で救えたはずの命が救えなかったのよ・・・・・?何で平気でいられるの・・・・・?
(霊夢は里に出向いて博麗の巫女としての任務を行うのは、今回が初めてだったこと、そして、初めての任務でいきなり何人もの命を救えなかったこと、まだ幼い子供まで巻き添えになってしまったこと・・・・・
霊夢はもうこの時点で心が追い込まれていた・・・・・)
>>魔理沙、里の住人達
【逃げるんだよォーーーーーッ!!!!!】
魔理沙
「そうか、お前は責任感が強いんだな……」
魔理沙は帽子の縁を右手で摘まみ、箒から地上に降りると、摘まんだ帽子の縁で目元を隠しながら霊夢の前にまで歩きながら呟く。
魔理沙
「だけどな……責任感だけじゃ何も守れないし救えない。守れなかった命について考えるのは良い、私だってこれまで何度もそうして来たし、今だって忘れたわけじゃない……」
魔理沙は巫女になる以前の記憶がない霊夢と違い、この幻想郷で生まれ育った記憶もしっかりとある。この集落も、人間の里に居られなくなった自分を受け入れてくれていたため、その命を賭けてまで守ろうとしていた。
多くの命が失われたこの結果を見て、最も傷付いているのは、この集落に対する恩があった魔理沙だろう……
魔理沙
「だけどな、そうやって失われた命について考え続けて足を止めて後ろを振り返るよりも、前に突き進み、今目の前にある命を守るべきだろう!?お前が博麗の巫女かどうかなんて関係無い!現在(いま)を見て未来(まえ)を歩き続ける。それこそが生き延びた私達のやるべき使命であり、失われた命達への弔いだろ!!」
魔理沙は愚直なまでに前を見ている。
帽子の縁を摘まんでいた右手で今度は博麗の巫女である霊夢の胸ぐらを掴んで引き寄せ、罪悪感と後悔に苛まれつつある霊夢に対して、真っ直ぐに目を見ながら、彼女自身の意思を伝える。
命を落とした者に明日は訪れない……
だが、生きている者は未来に向かって歩いて行ける。
だからこそ、過去に捕らわれること無く未来に向けて歩き続ける。これこそが弔いなのだと言う。
そして……未来に向かって歩くためには、失われた命の無念を晴らすためには、豺狼を退治し、未来において新たなる被害者が生まれないようにするしかない。
>>霊夢
【過去に捕らわれずに前を向いて歩き続ける……!】
・・・・・そうね・・・・・その通り・・・・・アンタの言う通りだわ・・・・・でも・・・・・
(そう言うと「私はアンタと違って、まだ心の整理がつかないみたい・・・・・」と言う・・・・・
魔理沙と霊夢とでは境遇が違いすぎるからか、前を向き未来へ進むことが弔いだという魔理沙の考え方を霊夢は肯定するものの、博麗の巫女としての初めての出動でこれは流石にキツ過ぎたのか、目に光がない、虚ろである・・・・・)
>>魔理沙
【というのは、霊夢もよくわかってはいるはず・・・・・】
魔理沙
「……それが出来ないのなら、大人しく里の守りに専念していればいい。私がこの襲撃主を潰して里の人間を守る。」
魔理沙は掴んでいた霊夢の襟を突き放すようにして離すと、再び箒に乗り、風で帽子が飛ばされないように押さえながら人間の里とは対照的に、豺狼が野犬の大群を率いて来た方向に向かい、飛んで行く……日は既に傾いており、東の空は夕闇が迫って来ており、夜の到来を告げている……
夜は妖怪の天下。
幾ら野犬の大群を食い止めていた魔理沙でもたった一人で集落をほんの一撃で崩壊させる程の力を持ち、夜闇を味方にした豺狼には敵わないだろう……
>>霊夢
・・・・・+
(魔法を使って戦ったとしても、豺狼相手には倒すにまでは至らないだろう・・・・・
自身も向かう気ではいるが、ここでまた脳裏を過ぎるのは、紫が言っていた「運命は変えられない」ということ・・・・・
戦いに向かった矢先に待ち受けているのは、もう既に決まっている恐ろしい結末なのではないのかと思うと、戦うことが、敵と対峙することが怖くなってくる・・・・・)
>>魔理沙
霊夢が未来への恐怖のあまり立ち止まっている中でも、集落では駆け付けた里の人々による決死の救出作業が続いており、瓦礫の撤去作業も行われている。
霊夢が足を止めている間も世界は進み続けている。
時の流れは時として非情なまでに平等だ。
このまま豺狼に挑まずに魔理沙の言うとおり、神社に戻って結界術を学んで守りを固めているのも良いかもしれない。それをしたところで、紫は何も文句など言わないだろう……先代も先々代もそうして来たのだから……
【選択肢(2)
→豺狼に挑む
→神社に戻る】
>>霊夢
・・・・・あの娘だって、馬鹿じゃあない・・・・・適わないと判断すれば引き返すはず・・・・・
(多くの人間が納得するであろう死者に対する弔いについての自論を語れるような魔理沙のことだ、適わないと早々に判断して引き返すだろうと思うと、霊夢は神社へと戻る・・・・・
倉庫にあった道具の使い方も学んでおかなければと思っていて)
>>魔理沙
【後者の方でお願いいたします!】
【→博麗神社 境内】
《ザッ》
既に傾いた日が完全に沈み、夜闇が辺りを包んでおり、神社周辺の木々の枝葉が風に揺られて擦れ合い、ザワザワと静かに音を立てている……
>>霊夢
【了解しました!】
・・・・・不気味ね・・・・・
(幻想郷という場所だからこそ、幽霊や妖怪などといった存在に対しては恐怖という感情はあまりない・・・・・
が、人間特有の感情なのか、非常に物静かな場所でザワザワと音がするのは、人間の本能が恐怖を感じさせるのだろうか・・・・・
いずれにせよ、どこかから何かが現れる可能性はあるので、気は緩められない・・・・・)
>>暗闇
紫
「……………。」
境内は入ると、辺りは夜闇に包まれている中で紫が霊夢に背を向け、本堂の前で佇んでいる。
何を目的としているのかはわからないが、暗闇の中でもハッキリとその色彩と輪郭が見え、妖怪特有の異様な存在感と雰囲気が感じられる……
>>霊夢
・・・・・何しに来たのよ?また運命は変えられないとかどうとか話しに来たの・・・・・?
(またさっきのように野犬を利用して豺狼が攻めてくるのかと思いきや、現れたのは紫だった為、上記を言う・・・・・
こんなことを言って表面上は鬱陶しがっていても、豺狼ではなかったことにどこか安心しているというのもまた事実・・・・・
そんな自分に納得出来ない・・・・・)
>>紫
紫
「……運命が変えられるのかどうかは、予めその運命を知っている……つまり予知していなければならない……それで、貴方は運命を変えられたかしら……?」
紫はゆっくりと霊夢の方へ振り返ると、鬱陶しがっている霊夢を見ながら感情の読めない笑みを浮かべて霊夢に対して運命を変えられたのかと問いかける。
紫は意味もなく現れたりはしない。必ず何らかの物事を伝えたり、教えるためにその姿を現す……加えて、豺狼の襲撃があった後でその姿を現したと言うことはつまり、紫は霊夢に対して豺狼についての情報をまた一つ教える気になったのだと思われる。
>>霊夢
・・・・・私が運命を変えた結果があれなのか、運命が変えられなくてああなったのか、全然わからないのよ・・・・・
(霊夢自身には、ついさっきの里での悲しい出来事が自身が運命を変えた結果なのか、元々決まっていた運命があれなのか、霊夢自身にはどっちなのかすらもわからない・・・・・
あの状況では戦わずにはいられなかった、だが自分が戦ったことで運命が変わって命が失われるという結果になってしまったのであれば、心が耐えられない・・・・・)
>>紫
紫
「集落が壊滅したのは別に構わないわ。寧ろこれでまた一つ里との統合が完了したのだから……」
紫は集落が壊滅したにも関わらず、それを行幸とでも言いたいように、里への人間の集落統合が成功した事を口にする。
紫は幻想郷と言うシステムが維持されたり、より良い段階へと昇華出来るのなら例えそこに住んでいる者が苦痛と恐怖の中で命を落とそうともまるで気にしていないような言動が伺える……
命を救いたい、守りたいと考える霊夢と、幻想郷が存続していられるのなら誰が苦しもうと、悲しもうとまるで気にしているような様子が見えず、思考があまりにも対照的に見える。
>>霊夢
【紫が守るのは住人達じゃなくて"幻想郷"と言う空間や状態……そこに住んでいる者が幾ら命を落とそうと意にも介さない……】
っ・・・!!!!!
ガッ・・・・!
アンタ・・・・・それ、本気で言ってるの・・・・・?
(紫の言葉を聞き、とうとう我慢も限界を迎えたのか、紫に掴みかかって物凄く睨みながら上記を言う・・・・・・・・・・・・・・・
一体どれだけ里の住人達が辛い思いをしたか・・・・・下敷きになって暗く苦しい中、死んでいった幼い子供や、家族を失った者達・・・・・
里で何が起きたのか知っていながら何故そんなことが言えるのかまったく理解出来ずに・・・・・)
>>紫
【紫さんの黒い部分が・・・・・】
紫
「……言ったでしょう?大を守るためなら"いかなるもの"が含まれていようと小を切り捨てるように……と。」
霊夢が肩を覆う紫のドレスの布を掴んでそのあまりにも個人の命や幸福を軽んじる言葉に対して怒りを露にした霊夢を見て紫は何処までも淡々とした感情の込められていない口調でそう応える……
紫
「私にはこの幻想郷を守る義務と責任がある……私は自分の命だって喜んで差し出すわ。民の命を捨て駒と思っているのならそれでも良い、けれど……そこに例外なんて無い。」
紫は幻想郷の維持のためなら、民の命どころか、自分の命でさえ何の執着も持っていないと言う……永く生きるにつれて生命に対する考えが軽くなると言うのはよくある話だが、紫の場合は幻想郷の維持は生命の尊重よりも遥かに優先度が高いと言うある種の狂気すら孕んでいる……
>>霊夢
【ダークネス・ユカリ……!!】
パァンッ・・・・・!
・・・・・
(二人の会話を切り裂く破裂音のような音・・・・・否、霊夢が紫の頬をひっぱたいた音である・・・・・
たとえどんなに下級の妖怪相手でも、人間の平手打ちなどほんのちょっとのダメージにすらならない・・・・・
これも同じだろう、たとえ博麗の巫女だとしても、殺めるほどの力を込めていない平手打ちならば、妖怪からすれば頬にてが少し当たった程度にしかならないのは明白・・・・・
簡単に言えば、体は傷つかない攻撃なのだ・・・・・)
>>紫
【略してダリ!】
紫
「……………!」
紫は霊夢による平手打ちを受けると、思わず唖然とした様子で霊夢を見る。まさか人間の、それも巫女に叩かれるとは考えていなかったからだ……だがその唖然とした表情も直ぐに戻る。その紫の顔には怒りも憎しみも無い……
紫
「……これで気は済んだかしら?私を幾ら叩いたところで何も変わらない。何かを変えられるとすればそれは純然たる個の力だけよ。」
まさか博麗の巫女から平手打ちを受けるとは予想もしなかったものの、この行動は怒りによるものだろうと言うことは容易に想像がつく……だが、人間性の多くを切り捨ててしまった紫には霊夢のその本心までは読み取り理解することが出来なかった……
だが、、己の無力感を感じている霊夢に対し、その力を引き上げるための算段があるような言葉を口にしている。
人間性を捨てた自分には人間の感情を完全に理解することは出来ないが、それでも霊夢の抱く願いを知った紫は他ならぬ霊夢自身でその願いを叶えられるようにしようとする……
>>霊夢
【ダユとも言えるかもwww】
・・・・・何も変わらないのはわかっているわ・・・・・わかった上で叩いたのよ・・・・・
(霊夢からすれば、こいつは一発・・・・・いや、何発でもひっぱたかなければならないと思ったのだろうか、まだ拳を強く握りしめている・・・・・
そして、霊夢は紫を睨んだまま「命を何とも思わないようなら、アンタは豺狼と同じよ・・・・・」と罵倒する・・・・・)
>>霊夢
【紫、亜種W】
紫
「あら、随分なお言葉ね?あんな壊して奪うことしか出来ない小物と同じにされるだなんて……」
人間は喜怒哀楽がある。
だが、人ならざるモノである紫には、哀怒の感情を持っていないかのように、ついぞ怒りの感情を見せることなく、飄々とした様子で扇子を口許に当てて微笑みながら、豺狼と同じにされるだなんて心外だと口にする。
紫
「まあ、そんな事は些末な事、今は貴方に眠る力を解放する手助けをしに来たのよ。貴方も力が欲しいでしょう?」
紫はそのまま本題である霊夢の力の覚醒について話す。
紫としては幻想郷の守護者である霊夢が強くなれば代えの巫女を探す手間も省け、異変解決もより容易なものにしてくれる。
霊夢もまた、巫女としての本来の力を引き出せるようになれば、豺狼を前にした事で感じた無力感を満たす事も出来るだろうと双方にとって得になるだろうと考えている。
>>
【亜種wwwww
もしかしたら、希少種かもwww】
アンタは大を守るためなら小を何とも思わないんでしょう・・・・・?自分というものを守る為なら誰がどうなっても構わない豺狼と同じじゃない・・・・・違うなら反論してみなさいよ・・・・・
(霊夢は今、紫が話す力どうこうよりも、自身の怒りに震えていた・・・・・
そりゃあ力は欲しい、誰にも負けない、みんなを守れる力が欲しい・・・・・
だがその力を持ちたい気持ちと同時に脳裏を過ぎるのは、紫が言っていた「運命は変えられない」ということ・・・・・
この先どんなに力をつけても戦いの結末がもし決まっているとしたら・・・・・運命がもう決まっているとしたら・・・・・
霊夢は不安で押し潰されそうになっていた・・・・・)
>>紫
【紫属紫目紫科W】
紫
「あら、何かを得るためには何かを失わなければならない……等価交換の原則は世の常よ?何も失わずして何かを得るなんて事は出来ない……」
紫の思考を構築する要素の一つとして等価交換の原則を口にし、何かを得るためには何かを失わなければならないと告げる。
それは暗に自ら以外の全てを切り捨てることを選択した豺狼と、幻想郷の存続以外の全てを切り捨てることを選択した紫は霊夢の言うように似通っているのかもしれないとその部分においては肯定する。
>>霊夢
【個人的には"辿異種"とかも語呂が良くて好きwww】
・・・・・そうね・・・・・等価交換はいつの時代だって原則としてあり続けてきた・・・・・例えそれが「人命」であったとしても、等価交換はあり続けてきた・・・・・
(今回も現に、冴奈を一時的にではあるが遠退ける為に犠牲者を出してしまった・・・・・
霊夢としては犠牲者は絶対に出したくなかった、今でもずっと思っている、最初に神社に野犬を操って隠れながらこちらの様子を伺っていたあの時、何故もっと対処して置かなかったのか、と・・・・・
等価交換の原則は認める、だがその原則に人命を関与させるなど言語道断、何かを得るために失っていい命など微塵もない・・・・・
もしあるとするならば、それは「幻想郷と幻想郷に住まう者達の安全の為に危険の種をばら蒔く豺狼のようなクズの命」だと思っている・・・・・)
>>紫
【お返事遅くなってしまいすみません!
もしかしたら突然変異種かもしれませんよ?W
それと、豺狼と紫さんの思考は、見事に対になっているように思えました!】
紫
「人身御供、人柱……例を挙げようとすればキリが無い。
違うとすればそれは神や妖"に"捧げているか、神や妖"が"捧げているかの違いでしかない……」
紫は目を閉じ、命さえも消費される供物として使わざるをえない状況に陥った例を一部だけ口にする。僅かな命で多くの命が、国や文化と言ったコミュニティが存続できるのならばそれを使わないと言う手は無かった……
例え誰が犠牲になろうとも、幻想郷を維持させなければならない。紫は非情とも言えるその選択を何度もしてきた……
霊夢との思考の違いも、その経験によるものなのだろう。
紫
「貴方のこれまでの言動からして、大人しく運命と言う波に身を任せ、不条理に命を弄ばれるのは嫌なのでしょう……?それなら、その不条理や不合理を打ち砕けるだけの"力"を手に入れば良い……」
紫は目を開いて改めて霊夢を見据えると、ゆっくりと右手を差し出して彼女自身の思念や理想を形にするためにも、霊夢に巫女としての力を引き出すための手助けをしようと告げる。
自分にはこうして来る以外の選択肢は無かった……非情に成らざるを得なかった……だが……もし、霊夢が大のために小を見捨て、その命さえも幻想郷維持のために消耗され、人と妖が恐怖以外で繋がれる、そんな可能性を持っているのならそれに賭けてみたい。
そう紫は考えている……
【お気になさらず〜。
(*´∀`)ノ
ヴァルター
「呼んだ?(^w^)ニコォ」
確かに似て非なる感じになっていますね……!!】
・・・・・じゃあその力をよこしなさいよ・・・・・
(霊夢は今回の人里襲撃事件の経験からか、誰かを巻き込みたくない、失いたくないという気持ちが強くなり、力をよこせと焦りが見え始めている・・・・・
だが、それ相応の力を手に入れるには、そう簡単には事は上手く進まないだろう・・・・・)
>>紫
【ありがとうございます!
ヴァルター様・・・・・無間地獄に落とされたはずじゃ・・・・・W】
紫
「その答えを聞いて安心したわ?」
《パンッ》
紫は笑みを浮かべたまま、両手を合掌するようにして合わせると、霊夢の足元の空間が引き裂かれ、そのまま霊夢を無数の目玉がギョロギョロと霊夢を見上げる紫色の異様な空間へ落とそうとする……
【ヴァルター
「私は不死身だあーーーッ!!」
щ(゜▽゜щ)】
なっ・・・・・!?
(突然の出来事に理解が追いつかないまま、ただただ不気味な空間へとその身を落としてゆく・・・・・
時の流れに見を任せるというのは、こういうことなのだろうか・・・・・
恐らくは抵抗もここでは意味をなさない、そう直感していて・・・・・)
>>紫
【不死身が仇になったんだよなぁ・・・・・W】
【???】
紫によって引きずり込まれた空間の先……
そこは紫のいた場所と同じく無数の目玉があり、紫の空が何処までも広がっている事を除けば、博麗神社とその周辺と、地面に生えた草花まで瓜二つに模倣したような世界が広がっている。
この空間において、ふと本堂に目を向けると、賽銭箱の隣に一体の石像が正座するように置かれている。その石像の顔は掠れてしまっていてよく見えないものの、何処か悲しんでいるような顔をしているような、不思議な感覚を覚える……
>>霊夢
【確かにwwwwwww】
・・・・・何よこれ・・・・・
(さっきまでいた幻想郷とは異なるもう一つの幻想郷とでも言えるような空間にて、霊夢は不気味な空と辺りの通常の幻想郷と瓜二つの光景を見て、上記を呟く・・・・・
そして、賽銭箱の横に置かれた石像を見れば「・・・・・石像?」と言いゆっくりと近づく・・・・・)
>>紫、謎の空間
【不死身キャラは敵側だと大抵最後が悲惨説】
紫
「此処は私の博麗神社の記憶を元に構築した疑似空間。ここでなら生半可な攻撃や技ではビクともしないし、破損した場合でも幾らでも直せる、力の解放にはピッタリの場所よ。」
霊夢が近付くと、その石像は巫女服を着ているようにも見える。だが、作られてから途方もない年月が経っているからか、所々が掠れていてその詳細については憶測しか出来ない。
そんな中、霊夢の背後に紫が上下逆さまで浮遊し、話しかける。その姿はまるで重力が働いていないかのように紫の髪も服も翻っていない。
>>霊夢
【無限地獄への入り口になってしまいますからねwww】
なるほど・・・・・あの目はそういうこと・・・・・
(空に広がる不気味な無数の目についてやっと納得し、上記を呟く・・・・・
そして、次に「この石像は何なのよ?元いた神社の方にはこんなのはなかったと思うけど・・・・・」と言い、紫の記憶を元にしたのなら、元々は石像があったのだろうかとも思いながら)
>>紫
【返信遅れてすみません!
死ぬのを何回も繰り返したりしている悪役もいるぐらいなので、まだマシなのかも・・・・・W】
紫
「ああ……それは気にしなくても良いわよ?私の記憶の残滓なのだけれど、貴方に害を及ぼしたり、妨害することは無いわ。」
紫は石像を見て、霊夢の問いかけに対して、記憶から生み出された空間であるため、無意識の内に空間を形成する際に記憶の残滓の一端がこうして形になって現れただけに過ぎないと応えると、上下逆さまのまま、紫はゆっくりと両腕を広げる。
すると、紫の周辺に複数の小さな空間の裂け目(スキマ)を形成し、その中から蔵の中にあった無数の宝具が出て来る。
紫
「この空間では外の時間の一分が十時間になる。
つまり、この世界で14400時間が600時間……
つまり25日間になると言う修行にはもってこいの場所よ。」
紫はスキマから取り出した複数の宝具を浮遊させながら感情の読めない笑顔をしたまま、この空間に飛ばした理由について話す。
>>霊夢
【死ぬと言うことはつまり、まだ刺激があると言うこと……何も無い空間では死や痛みと言う刺激しか無く、抵抗する事さえも出来ないと言うことですね……
地獄の中でも無間地獄が一番キツいのも、それが理由にありますので、一概にどっちがマシなのかは難しいです……!】
・・・・・で、修行相手とかはいるの・・・・・?さすがに張り合う相手がいない一人きりの修行っていうのは、力の向上が見込める気がしないんだけど・・・・・
(この空間の時間の流れが外の世界とは違うということはわかったものの、道具を使いこなせるかどうかだったり、相手がいない一人きりの修行では、豺狼と対峙した時に完全に倒せる確信がないらしい・・・・・
が、裏を返せば、霊夢は豺狼を倒す気満々であるということでもある・・・・・)
>>紫
【痛みがある死に続け地獄、何も無い無間地獄・・・・・
ディアボロとカーズ・・・・・W】
紫
「あら、相手ならすぐ目の前に居るじゃないの?」
紫は広げていた右手をゆっくりと動かして笑みを浮かべたまま、対戦相手は自分だと指し示す。ある意味どれだけの攻撃を受けても平気そうな紫であれば修行相手としても不足は無いだろう。
>>霊夢
【苦痛も幸福も死も生も自由さえ無い地獄ですね……!
悲惨な最期を遂げたお二方www】
へぇ・・・・・そう・・・・・言っておくけど、手加減は必要ないわよ・・・・・?
(紫が対戦相手を示すと、霊夢は手加減は必要ないと言葉を返す・・・・・
霊夢は内心、紫をボコボコにできるという喜びもあったのか、どこか嬉しそうにしていた・・・・・
霊夢自身も、手加減する気は毛頭ない・・・・・)
>>紫
【カーズ様→太陽に落ちて死ぬかもしれない
ディアボロ→ジョルノが死んだら解除されるかもしれない
やっぱりヴァルター様の地獄が一番やばい・・・・・】
紫
「ふふふ、先ずはこの宝具を使いこなせるようにならないとそれ以前の問題になるわよ?」
紫は手加減はしないと言う霊夢に対して自分の口許に右手を当ててクスクスと微笑みながら、宝具を完璧に使いこなせるようにならなければ自分と戦う以前の問題になると応える。
幾ら全ての宝具と高い適正を示したとは言え、豺狼との戦いを見る限り、その使い方や効力を引き出せている訳ではなかった。
紫
「さあ、先ずはこれを手にとってみて頂戴?」
そのため、先ずは始めに宝具の中でも最も古くからあった紅白の陰陽玉を浮遊させながら霊夢の元へと移動させてこれを手に取るように言う。
>>霊夢
【ただ………そんな彼とほぼ同格の存在があと六人もいると言うwww(^q^)】
またなの・・・・・?まぁいいけど・・・・・
(手に取ってみるように言われ、さっきと同じようにまた手に取ってみる・・・・・
そして手に取ると「で?これはどんな風に使う道具なのよ・・・・・?」と、宝具の使い方についてはまだ全然な霊夢は、紫の方を向いて上記を言い)
>>紫
【ただ、あとの6人はヴァルター様ほど悲惨な最期は迎えないでしょうねW】
紫
「それは陰陽玉。初代の頃から使われていたもので、博麗の巫女の大半が使えていた宝具よ。」
紫
「先ず……自分の体の中に血液のように充満し、流れているエネルギーを想像し、その体の中に流れるエネルギーの奔流を手に取った陰陽玉と合わせ、体内にあるエネルギーを陰陽玉に宿すと言った事をしてもらえるかしら?」
紫は漠然としたイメージについて話す。
大雑把な説明だが、核心に迫るものは全て含めてあるため、より分かりやすく、詳細なところまで話すことも可能だが、霊夢の中にある才がどの程度のものなのかをこれで見極めようと考え、敢えて漠然とした説明をしてみる。
>>霊夢
【実は……もっと壮絶な最期も幾つか考えてあったりしますwww】
アンタ・・・・・本当に私にこれを使いこなさせるつもりあるの・・・・・?
(ここまでざっくりとした説明をされると、本当に自分を博麗の巫女としてこの宝具を使わせるつもりはあるのかどうか、かなり疑問に思えてくる・・・・・
が、ここで何もしないでいるのもそれはそれで何の進展もない為、早速実行しようとする・・・・・)
>>紫
【お返事遅れてしまってすみません!
あれ以上に壮絶な最後って一体・・・・・】
紫
「あら、歴代の巫女達は皆、手にした瞬間に私からの説明が無くとも使いこなせるようになっていたわよ?」
紫は霊夢を驚かせようと上下逆さまになっていたものの、何のリアクションも無かったため、普通に地面に降り立ち、霊夢を見ながら歴代の巫女達は自分からの説明がなくとも使えていたと挑発するように言う。
だが、実際には、62人いた歴代の巫女の中でも、説明がなくとも使いこなせるようになっていた者は僅か8人だけであり、更に使えた宝具も一つから二つ、多くても三つだったのだが、霊夢のように全ての宝具を使える才覚があれば、その少数の中にも入れるのではないかと思い、敢えて挑発するような言葉を言う。
>>霊夢
【他の人から見ると、死に続けたり、無間地獄に落とされる方がキツいと思うかもですが、当事者からして見ればそれらを凌ぐ地獄……と言うような感じになりますねwww】
歴代の巫女達がそうであったとしても、私がそうだとは限らないっていう話よ・・・・・
(とは言いつつも、陰陽玉を手に取って目を閉じ、紫が言っていたエネルギーを想像し、陰陽玉へと流し始めようと試みる・・・・・
すると、霊夢は目を閉じている上にまだ巫女になりたてだからか気づいている様子はないものの、陰陽玉が耐え切れるかどうかわからないほどの力が宿り始める・・・・・)
>>紫
【おっそろしい・・・・・悪いことをするとこうなるという教訓ですね・・・・・W】
紫
「(やっぱり……私の思った通り……間違いない。彼女は歴代の中でも最強の巫女に……いえ、博麗の血筋の中でも最強の存在になる素質がある……)」
紫は表情には出さないものの、内心では霊夢が陰陽玉に込めた陰陽玉の許容量限界にまである莫大な霊力を感じ取り、霊夢が巫女としてだけでなく、博麗の巫女の中でも歴代最強の存在になれると確信する。
紫
「……まずまずね。感覚派だからかしら?初見でもある程度形には出来ているけれど、それ以上じゃない。今度はこの針にも同じく力を宿してそこの木に投げてみてくれるかしら?」
過ぎたる力は身を慢心と過信を生み、己をも滅ぼす。
その事を紫は経験上熟知しているため、『まずまず』と形容すると、今度は霊夢の手元へ退魔針を一本移動させると、80mも離れた場所から生えた木を指してあそこに向けて投げてみて欲しいと言う。
>>霊夢
【究極の因果応報ですwwww】
針・・・・・?まぁよくわかんないけど、やってみるわ・・・・・
(そう言うと針を持って、陰陽玉に力を宿した時と同じように力を退魔針に宿し始める・・・・・
そして、ある程度力を宿したら紫が指した木の方へと体を向け、そのまま退魔針を投げる・・・・・
すると・・・・・)
ボゴォオッ・・・・・!!!!!
(木は根元近くの幹を残して完全に跡形もなく消し飛ぶ・・・・・
退魔針は木に当たって威力を徐々に軽減させたのか、地面に何事も無かったかのように落ちている・・・・・
残った幹の部分は、何かしらの爆発にでも巻き込まれたように悲惨なことになっていて・・・・・)
>>紫
【悪人だから仕方が無いですねW】
紫
「(ただ霊力を集めたり、宿すだけじゃなくて、それを維持したまま射出し、更に追尾性を持たせておくことである程度の軌道修正も出来ている……どれも本人に自覚は無いようだけれど、実践可能なレベルに出来ているのなら、もう針や札の投げ方や力の込め方を教えなくても良さそうね……)」
この空間は紫が生み出した世界であるため、そのどれもが高密度の妖力で形成されているため、木が霊夢の力に耐えきれなくなり、破裂したのを見て、豺狼との戦いの際には札を使っていた事もあって、これだけ投擲道具を使いこなせているのなら、より容易な近接道具も手にしただけで使いこなせるようになっているだろうと思考する。
紫
「期待した通りの成果ね。これなら早速実戦に移っても良さそうね?」
破裂した木から霊夢へ視線を戻すと、お陰で基礎訓練やテストを省くことが出来た事から、訓練はこれで終わりにして早速実戦に入ろうろうかと問いかける。
>>霊夢
【ですですwwww】
私は構わないわよ、あのクソったれ下等妖怪を早くぶっ飛ばしたいから体を戦いに慣らしたいし・・・・・
(そう言うと、首をコキコキ鳴らしながら戦闘の構えに入る・・・・・
自身の力に絶対的な自信があるわけではない、だが負ける気もしない・・・・・
霊夢の感情は、一刻も早く豺狼をぶっ飛ばしたい、ただそれだけだった・・・・・)
>>紫
紫
「ふふふ……頼もしい限りだわ。それなら相手を合わせましょうか?」
《パチンッ》
橙
「はいはーい、お呼びでしょうか、紫様!……って、あれ?あっちに居るのは博麗の巫女??」
紫は軽く指を鳴らすと、紫の右隣にスキマが開き、その中から二つの猫の尻尾と耳を生やした茶髪で霊夢よりも更に小柄な少女が陽気に飛び出して来る。
彼女は自分を呼んだ紫と、霊夢の顔を交互に見て今がどういう状況がわからずに困惑する。
紫
「橙、いきなりで悪いのだけれど、少し巫女の相手をしてくれないかしら?」
橙
「えええ!?そんな、直ぐに退治されてしまいますよ!」
紫
「大丈夫よ、"まだ"貴方でも普通に戦えるぐらいの強さしか無いから安心して戦いなさいな?」
橙
「あ、と言うことは先任の巫女はまた……
………はい!それなら安心しました!博麗の巫女!えーっと、名前も状況も何だか知らないけど、私と勝負だッ!!」
橙は紫の説明と命令を聞くと、困惑した様子が無くなり、久し振りに戦えると言う事で、新しい玩具を与えられた子供のようにワクワクと楽しそう無くなり笑顔をして霊夢に向かって勝負を挑む。
橙から感じられる妖力は豺狼にも匹敵する程である上に、その耳や尻尾から、豺狼と似たような戦闘方法をする。可能性が高く、豺狼との再戦や決着を望む霊夢にとって、最良の対戦相手と言えるだろう。
>>霊夢
【唐突ですが、練習戦第一段!
vs橙】
・・・・・アンタふざけてんの?いくら妖怪だからって、こんな小さい子を戦わせる気・・・・・?
(紫の方を見て上記を言う・・・・・どうやら、橙の幼い容姿から流石に妖怪でもこれでは戦いにすらならないと判断したのか、戦闘の構えをやめてしまう・・・・・
そして「私は真剣にやりたいのよ?」と紫に忠告する・・・・・)
>>紫、橙
橙
「むむむ……何だか馬鹿にされているような気がする……
こう見えても人間の貴方よりもずっと長生きだよ!」
橙は二つある尻尾と猫耳をピンと立てて"小さい子"と言う言葉から、霊夢が自分を侮っているのだと思い怒りを露にして抗議する。
>>霊夢
黙れチビ・・・・・私は真剣なのよ・・・・・
(橙の両肩に手を置いて、鬼の形相で上記を言う・・・・・
全てはあの豺狼を倒す為という決意の元ではあるのだが、その形相と禍々しいオーラは、正直妖怪よりも数百倍は恐ろしい・・・・・
もはや橙よりも妖怪らしいと言っても過言ではない・・・・・)
>>橙
橙
「ぐぬぬぅ……そんな怖い顔をして睨んでも効かないよ!」
霊夢の怒気と殺気が込められた威圧を前にした場合、普通の人間であれば猛り狂った大男であっても即座に戦意を失ってしまうほどであるのだが、
今、鬼の形相となった霊夢を目前にしているモノ、橙の中にあるのはまごうことなき鬼の神、鬼神だ。
霊夢の怒りや威圧を前にして怯えるどころか、ますます反発して不快感を露にして言う。
紫
「(なるほど……ね、彼女の感情の根底にある最も強い感情は"怒り"……それも憎しみに繋がりやすい負の怒り……この感情か彼女の本来の力を打ち消してしまっている……)」
紫は霊夢と橙のやり取りを見ながら、鬼の形相になっている霊夢の顔を見て、この霊夢の感情の根底にあるのは憎しみに近い怒りの感情であり、それが彼女の中に流れる霊力を淀ませ、本来の力を引き出せないようにしている事まで推察する。
紫
「橙、手加減はしなくても良いわ。"切り刻むつもり"で行きなさいな。」
橙
「はい!わかりました、紫様!」
にこやかな笑顔で紫に返事をした橙は霊夢に向き直る。
すると一瞬だが橙の瞳が猫のように縦長に伸び、それと同時に赤く伸ばされた爪を持った右腕を霊夢に向けて振るう。
すると、その爪からオレンジ色の爪型の斬撃が放たれ、至近距離にいる霊夢の体を引き裂こうとする。
>>霊夢
っ・・・・・!?
バッ・・・・・
(ギリギリで攻撃を避けはしたものの、これから繰り出されるであろう全てを避けきることは恐らく難しい、いや、無理だろう・・・・・
そう思うと「なるほど・・・・・どうやら実力は本物のようね・・・・・」と言い・・・・・)
>>橙、紫
紫
「油断していると簡単に逝ってしまうわよ?」
紫は二人から少し離れた場所で開かれたスキマに腰かけて二人の戦っている様子を見て、扇子で口許を隠して俯瞰している。どうやらここで霊夢の力の底について測ろうとしているようだ。
橙
「まだまだ行くよー!」
橙は声高らかにそう宣言すると、両腕を素早く振るって霊夢に向けて数十もの爪斬撃を繰り出し、霊夢を圧倒しようとする。橙に勝てなければより狡猾かつ同等の力を持つ豺狼には敵わないだろう……
>>霊夢
くっ・・・・・!?
ズッ・・・・・!
ちょっとアンタ!これはさっきの道具とか使うのはありなの!?
(離れた場所で戦いを見ている紫に対して、この戦いでさっきのように博麗の巫女が使う道具を用いるのはありなのかと聞く・・・・・
このままでは流石にヤバイと霊夢も判断したらしく、かなり切羽詰った様子で紫に道具を用いていいのかと聞いている当たり、一早く橙のヤバさを察知したようだ・・・・・)
>>紫、橙
紫
「ええ、勿論良いわよ?貴方の近くに浮いているその紅白の陰陽玉があるでしょう?貴方なら私からの説明がなくともそれを使って退魔針や御札、幣等を取り出せる筈よ。」
霊夢はこれまでの一連の動作から、直感的に道具や技、術の使い方を瞬時に把握する事が出来ると言うことがわかっているため、簡潔にそう応える。
橙
「ほらほらぁ!油断していたら一瞬で終わっちゃうよッ!!」
無数に放たれたオレンジ色の斬撃の嵐の中、一瞬にして霊夢の目の前に移動した橙が霊夢の喉元に向けてまるでナイフのように鋭く長い赤い爪を伸ばして突き刺そうとする。
紫の命令通り、橙は油断も慢心も、手加減をする様子さえもまるで無く襲い掛かっている。それはもはやスパルタ教育さえも超えた死と隣り合わせの猛特訓になっている……
>>霊夢
【いきなりルナティックモードwwww】
そう・・・・・だったら・・・・・
バッ・・・・・!
(陰陽玉を手に取りお札を取り出す・・・・・そして、橙の攻撃が当たる寸前で橙の顔にお札を貼り付け、そのまま背後に回って背中に肘鉄を入れる・・・・・
霊夢は大体さっきので道具の使い方のコツを掴んだらしく、もうこの時点でかなり使いこなせている・・・・・)
>>紫、橙
【サイヤ人の修行風景】
橙
「……!」
霊夢が反撃として橙顔に御札を貼った事で伸ばされた爪は霊夢に直撃せずに少し掠るだけで済み、更に御札を引き剥がすまでの間にかかった隙を付くように背後に回り込むのを阻止できずに肘打ちを受けてよろめく。
正面から地面に倒れると思いきや、両手を地面に付いて前回りをするようにして前方に飛び出し、空中で半回転すると、背後にいる霊夢と再び向き合う。
橙は妖獣から派生した存在であるためか、精神体を核とする純粋な妖怪よりも肉体的な繋がりが強いため、目隠し以上の、大きな影響は見えない。おそらく、あの豺狼も霊夢の御札を受けながらも動けていたのはそのせいだろう。
>>霊夢
見た目とは裏腹に、随分手ごわいじゃない・・・・・
(橙を評価するつもりは無いものの、見た目からは想像もつかないほどに手強いと言う・・・・・
そして、次に「大抵お札ってもんは妖怪には効くものだと思っていたけど、どうやらそう単純でもないようね・・・・・」と、霊夢の中でのお札=妖怪に効くという考え方が変わる・・・・・)
>>橙
橙
「何だか、まだ馬鹿にされているような気がする……?」
橙は霊夢が自分を見下しているような態度に苛立ちながら、両腕を大きく横に広げるようにして振るい、両手の指先からそれぞれ一つずつ、計十もの横凪ぎに連なる斬撃を放って切り裂こうとする。
>>霊夢
オリキャラで参加よろしいでしょうか
212:八雲 紫&橙◆3.:2020/08/08(土) 20:14 >>211
参加希望ありがとうございます!
>>2にルールや注意書きがあるので、それらが大丈夫ならOKですよ〜。
>>212
了解しました、キャラシ少々お待ちください
https://i.imgur.com/yAa3TIo.jpg
右のキャラについて
名前:博雨綾音(はくさめあやね)
性別:女
性格:表は優しくて仲間思いだけど裏は怖くてサイコパス
種族:人間と人外のハーフ
詳細:フィルムスターの管理者で超能力者、過去に住んでた星では戦争があったため、ほとんど人口はいないが、親は無事である、このことからサイコパスになったらしいが・・・普通に接していればそんなことは無いらしい
左は禍綾音(まがあやね)ですが同じなので書きません、とりあえず過去で綾音が恐怖等に震えて出来たということぐらいですかね
しっつこいわね・・・・・!でも・・・・・アンタの戦い方は大体読めてきたわよ・・・・・!
ダッ・・・・・!
(霊夢は戦っていく内に橙の戦い方をやめるようになったのか、繰り出される斬撃の間を凄まじい瞬発力で掻い潜りながら、橙との距離を詰めてゆく・・・・・
手には次に、さっき使った退魔針を持っていて、力を流し込み始めている・・・・・)
>>橙
橙
「あはは!戦い方がわかったところで何も変わらないよ!!」
橙は広げた両手を霊夢に向けて合掌するようにして合わせる。すると、霊夢を左右から今度は挟み込むようにして右からは赤い斬撃が、左からは青い斬撃がそれぞれ現れ、退魔針を手にした霊夢に迫る。
>>霊夢
【能力が記載に無いのですが無能力(超能力はどんな事が出来るのでしょうか?)で宜しいでしょうか?また、種族に人外とありますが、こちらもどの妖怪とのハーフなのか明記をお願いします。それと、"フィルムスター"とは何でしょうか?異世界から訪れたのであれば、その理由や経緯などもお願いします!
ちょっと口うるさいかもしれませんが、なるべく不明瞭な点は無くしておいて、わかりやすくして欲しいなと思いまして……
f(^_^;】
>>綾音様
>>216
能力はまずチート部分があるのと別作品のやつが載っているので・・・基本的には狐なんですが・・・色々あるのでとりあえずここでは狐で フィルムスターは綾音の住んでいる星と共に管理している星でして・・・・・・・・・能力関係もあるので・・・(別作品のキャラも住民設定)とりあえずオリキャラ達が暮らす優しい世界として考えでもいいかもです・・・分かりづらくてすみません
>>217 追記
チート部分は制限かけるのと別作品系あってもいいなら・・・やります
>>217-218
【では、人間と妖狐のハーフと言うことで宜しいでしょうか?うーん……ここはオリジナル&東方の場所なので別作品はちょっと……
チートは本編におけるパワーバランスや世界観の崩壊に繋がり、本編が進めにくくなってしまうので無しでお願いします!それらを踏まえた上で能力の詳細や限界等を明記した上で再度キャラシを投稿して頂いても宜しいでしょうか?
それと、本体同士の会話は【】や(/)等で区切った方が本編との区別が出来てわかりやすいですよ〜。】
全方向に集中力を高めるのは戦いの中での勝利への近道よ!アンタこそ変わってないんじゃないかしらねぇっ!!!!!
ドォッ!!!!!
(霊夢は全方向、あらゆる角度から攻撃が来てもいいように構えていたのか、橙の攻撃を間一髪で避けると、間髪入れずに力を込めた退魔針を容赦無くそのまま橙へと向けて放つ・・・・・
凄まじいスピードで向かってくる退魔針は、とどまることを知らない勢いで・・・・・)
>>橙
【ネームはミスですすみません!】
222:八雲 紫&橙◆3.:2020/08/09(日) 17:02 橙
「………!!」
左右からの挟撃。
加えて相手はこちらに突っ込んで来ており、人間の身体能力であれば飛び越える事もそのまま突っ切る事や後方に跳んで逃れることも出来ずに当たると確信していたためか、橙は反応が遅れ、霊夢の放った退魔針が回避が遅れた橙の左肩に突き刺さる。
紫
「………あの回避技術……いえ、集中力を高める事で一時的に透過する事が出来る……?」
紫は霊夢がすり抜けるようにして橙の挟撃を避けて反撃した様子を見て紫は微かに目を開いて驚く。
斬撃の間の隙間はとても人間が通り抜けられるようなサイズでは無かった……にも、関わらず回避する事が出来ていた事から、霊夢は集中力を高める事で一時的に相手の攻撃を透過するのだと言うことを見抜く。
>>霊夢
【お気になさらず〜。
】
>>219
まぁ別作品と言ってもそんな使わないので・・・多分
とりあえずチートでは無いものを厳選しておいて、再度やりますね
https://i.imgur.com/yAa3TIo.jpg
右のキャラについて
名前:博雨綾音(はくさめあやね)
性別:女
性格:表は優しくて仲間思いだけど裏は怖くてサイコパス
種族:人間と狐のハーフ
能力:仮面ライダーとスーパー戦隊とカービィの力を扱う程度の能力(あまり使わないらしい・・・武器を使う以外、力が劣る時もある)魔法等や武器を扱う程度の能力
詳細:フィルムスターの管理者で超能力者、過去に住んでた星では戦争があったため、ほとんど人口はいないが、親は無事である、このことからサイコパスになったらしいが・・・普通に接していればそんなことは無いらしい
左は禍綾音(まがあやね)ですが同じなので書きません、とりあえず過去で綾音が恐怖等に震えて出来たということぐらいですかね
・・・厳選すると言っても思いつくのがこれぐらいでした、ちなみに吸い込みとかコピー能力はしないので(星から能力を使う感じです)
そして霊力、魔力、妖力共に使えます、まぁ霊夢や紫の劣化版って考えでもいいかもです
>>224
【すみません、他作品についての名前をキャラシに書き込むと、東方でもオリジナルでもなくなってしまうので、具体的なものを一つ上げる程度にして頂いても宜しいでしょうか?
それと、"妖狐"と書かないと、人間と狐(動物)の子供みたいになってしまいますよwww
それと、"フィルムスター"についての説明もお願いします。これは結構重要な要素でして、東方原作の地名に関係無いどころか、別世界のようなものなので、これについての説明を省いてしまうと、わけがわかなくなる上に、東方の世界観から大きく外れてしまうので……】
【質疑応答等がしやすいように
http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1595239279/l2
へ移動して、そこでちょっと相談して頂いても宜しいでしょうか?】
>>225
あっはい・・・(実際疲れ気味です)
あっ好き嫌いも書いておきますね
https://i.imgur.com/yAa3TIo.jpg
右のキャラについて
名前:博雨綾音(はくさめあやね)
性別:女
性格:表は優しくて仲間思いだけど裏は怖くてサイコパス
種族:人間と妖狐のハーフ
能力:ある3つの力を扱う程度の能力、魔法等や武器を扱う程度の能力
詳細:フィルムスターの管理者で超能力者、過去に住んでた星では戦争があったため、ほとんど人口はいないが、親は無事である、このことからサイコパスになったらしいが・・・普通に接していればそんなことは無いらしい
好き:魔法石(宝石)仲間等害がないもの(?)
嫌い:迷惑行為をする人(敵含む)
左は禍綾音(まがあやね)ですが同じなので書きません、とりあえず過去で綾音が恐怖等に震えて出来たということぐらいですかね
・・・厳選すると言っても思いつくのがこれぐらいでした
フィルムスターについて
フィルムスターは2人の住んでいる星と共に綾音が管理している星でして・・・・・・・・・とりあえずオリキャラ達が暮らす優しい世界として考えでもいいかもです・・・分かりづらくてすみません・・・(そしてめっちゃ簡単説明)
・・・さすがに限界が来そうです・・・もう少し頑張りますが
>>227-228
【あのー……すみません、此方は本編でして、本体会話だけ進めてしまうと肝心の本編内容が埋没してしまう原因になってしまいます。
それを避けるために移動をお願いしたので、彼方に投稿をお願いします。】
了解しました
231:綾音:2020/08/09(日) 19:44・・・あの・・・参加するのやっぱ辞めます・・・なんか・・・変な感じしてきたので
232:博麗の巫女◆gI:2020/08/10(月) 15:59 勝負あったみたいね・・・・・それともまだやる・・・・・?
(霊夢は攻撃が当たるのを見て、これ以上続けたら橙の身が危険かもしれないと思ってか、勝負あったようねと言う・・・・・
まだ戦えるとしても、悪ではない相手を戦いに体を慣らすために蹴散らすのはどうも気分がよくない・・・・・
霊夢は戦いを終わらせようとしているが・・・・・)
>>橙、紫
橙
「なにをー!まだまだ新米の巫女に負けるもん……か!」
《カランッ》
紫
「…………………。」
橙は直ぐ様肩に刺さった退魔針を引き抜き、地面に捨てるが、精神体だけでなく、肉体にまで目に見えてダメージが入ったのがわかる。
でも、八雲の一員になる者として新米の巫女に負けて恥ずかしいところを紫様達に見せるわけにはいかない。と言う一念から継戦の意を示し、更に全身に強い妖力を流し、瞳が本物の猫のように縦に伸び、両手の爪もより鋭利なものとなり、彼女本来の戦闘スタイルである四足歩行のような姿勢となり、ピンと尻尾を立てて本気を出そうとする。
紫は二人の戦いを見て、霊夢の実力の底について測りながら、何かを待っているかのように橙を制止せずにじっと霊夢を見ている。
>>霊夢
【良かったです!!】
妖怪だからって、意地は張らない方がいいわよ・・・・・?
(言葉は橙へ向けているが、視線は若干紫に向いている・・・・・
どうやら紫が戦いをただ見ているのではなく、自分に対して視線を集中させていることに気がついたらしいが、霊夢自身は紫の意図は把握しきれていないようだ・・・・・)
>>紫、橙
橙
「意地なんかじゃない……よ!!」
霊夢の言葉に反発した橙は数秒間残像が残る程のスピードで霊夢に向けて飛び出して今度は針による投擲を封じる意味も込めて接近戦に持ち込もうとする。
本来の走行手段に近い四足移動をしている事でその速度が大きく跳ね上がっており、その様子はまるで放たれた弾丸のようであり、右手の赤い爪を霊夢に向けて突き出し、更に左腕で霊夢の喉と心臓部と言う人体の急所を狙って猛攻を仕掛けようとする。
>>霊夢
【純粋な戦闘力で言うと、本気の橙と豺狼はほぼ互角の強さがあると言う……しかも、豺狼の場合は橙と違って狡猾な性格をしているため、何をしでかすかわからない、初見潰しの敵……!】
ビシャッ・・・・・
そう・・・・・まだ続けるのね・・・・・?
(霊夢は間一髪で避けるものの、右腕を橙の爪がかすり、かすった所が切り裂かれ、そこからポタポタと鮮血が滴り落ち始める・・・・・
橙はさっきと比べると力は上がっているものの、動揺し始めているようにも見え、そして明らかに意地を張って戦いを継続しているようにも思える・・・・・)
>>橙
【今までのボスの中では一番まだ優しい方なのは一目瞭然・・・・・W】
橙
「まだまだ行くよ!!」
橙は回避する霊夢の姿をその視線で追い、そこから立て続けに霊夢に向けて両手を突き出し、空を裂く鋭い音をさせながら五連撃を繰り出す。
>>霊夢
【ですねwww
あ、そう言えば上記では左腕による攻撃は避けていない感じでしたかね……?】
後悔するわよ・・・・・
(霊夢は一応の念押しとして、橙にこれ以上の戦いの継続は後悔すると予め告げておく・・・・・
攻撃を間一髪で避けながらも、避け続けているだけで霊夢に橙を攻撃できる、もしくは倒せる力があるのかどうか、そもそも霊夢には策があるのだろうか・・・・・)
>>橙
【そうですね、右腕に爪が当たって切り裂かれています!】
橙
「(おかしい……まだ来て日が浅いって紫様が言っていたのに……少し前まで普通の人間だったのに、こんなに攻撃を避けられるものなの……?)」
橙は霊夢の警告に対して何も返さずにそのまま両手を高速で幾度となく突き出し、或いは横に振り回す事で爪による一撃を霊夢に当てようとするが、掠ったり、腕に爪が当たりはするものの、致命傷となるものはまるで受けていない事に婚約している。
普通の人間なら腕が切られればその痛みで動きが鈍る筈。それはまだ自分が里で悪事を働く化猫だった時から知っていた確かな経験だった……にも関わらず、巧みに避け続ける霊夢に対して橙は焦り始めて冷静さを欠こうとしている。
>>霊夢
【了解しました!そろそろ橙戦も決着が付きそうですね!】
攻撃の手段が極端に少ないわね・・・・・_
241:博麗の巫女◆gI:2020/08/13(木) 06:07 攻撃の手段が極端に少ないわね・・・・・私の場合はまだ会得できる時間があるけど、アンタはどうなのかしら・・・・・?
(霊夢は橙の攻撃を避けていく中で慣れ始めたのか、先程よりもさらに簡単に橙の猛攻を避けながら距離を詰めていく・・・・・
人間でありながら、人間を超越した成長力をこの僅かな時間の中で遂げ始めており、その表情には余裕すら感じられるほどになっている・・・・・)
>>橙
【途中送信すみません!
橙がかなり焦り始めているの見ると、もっと追い詰めたくなりますねW】
橙
「あた……れ!!」
橙は霊夢の言葉に対して無視をしている訳じゃなく、純粋に目の前にいる霊夢に対して攻撃をする。その一心のみに専念するあまり、化猫だった頃に習得した多数の妖術を使おうと言う発想にならずに、がむしゃらに妖獣の身体能力を前面に出した力任せの戦闘方法を取っている。
小細工も陽動も無い、純粋かつ単純な貫手による連続した刺突を繰り出し、霊夢を引き裂こうと猛攻を繰り出していく。
だが、豺狼の時の教訓として、下手に消耗戦を繰り広げていれば、人間よりも遥かに高い体力、持久力を持つ妖怪に分がある。
集中も注意も無限ではないため、今は回避できているものの、霊夢の注意がここからほんの少しでも薄れればその瞬間に橙の手刀が貫く事になってしまうだろう……
決着を付ける方法はただ一つ。何か強力な一撃によって一発で戦闘不能な状態に陥らせるというもの。
>>霊夢
【藍「ちぇえええん!!」
(´;ω;`)】
はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・
(博麗の巫女と言えど、霊夢もまた人間・・・・・戦い慣れはしても、まだ大して技も覚えていない状態での実戦訓練は早計だったとも言えるが、博麗の巫女として幻想郷を守るには、休んでいる時間などない・・・・・
霊夢は頭をフル回転させながら、この戦いに終止符を打つ術を考え始める・・・・・)
>>橙
【橙、可哀想に・・・・・W】
橙
「そ……こだ!!!」
《シャッ》
一分一秒、ほんの瞬きをする瞬間でも気を抜けば攻撃を受ける上に、右腕を始め、体の至るところが橙の爪を受けて激痛が走る中、橙は素早く貫手を霊夢の上半身、胴や首を狙って突き出し続けている。
発想の転換。霊夢は紫から体内のエネルギー……つまり、霊力の流れを掴み、それを"宿す"ようにと言われていたのだが、もしそれを"宿す"のではなく、"放つ"ようにした場合はどうなるのだろう?
だが、目の前にいる橙からの猛攻を避けながら体内の霊力の流れを操作すると言うのは余程戦いに慣れない限り非常に難解だ……だか、それは"非凡"や並みの天才や才覚の者に限られる。
>>霊夢
【夢の支配者
「可哀想に…強く生きて…!」】
《わかった・・・・・!突破口は・・・・・》
これならどうよっ・・・・・!!!!!
(霊夢はさっき宝具にエネルギーを流した時とは別のやり方で、エネルギーを手中に集め始める・・・・・
そして、迷わず橙へとめがけてそのまま宝具に流していたあの膨大なエネルギーを、そのまま何の容赦も躊躇いも無く腕を突きだして放つ・・・・・)
>>橙
橙
「!!?」
霊夢が莫大な霊力の塊を躊躇なく放ち、至近距離から自分を消し飛ばそうとしているのを見ると、これは避けられないと悟り、固く目を閉じる……
《バチィッ》
藍
「そこまでだ、橙、博麗の巫女。」
橙に霊夢が放った霊力の塊が直撃すると思われた次の瞬間、激しい閃光と衝撃の後、霊夢の放った霊力塊がほんの一瞬にして打ち消され、その代わりに二人の間には金色の九本の尾を持った妖怪が目を閉じて両手を組んで静かに佇んでいる。
>>霊夢
・・・・・っ!?
(いきなり現れた九尾を持つ妖怪に驚き、動きがそのまま静止する・・・・・
理解が追いつかないというのはまさにこのことだが、一番驚いたのは、まだ巫女になりたてではあるものの自分でもどれほど大きいかはわかるほどの膨大なあのエネルギーを一瞬にして打ち消したことだ・・・・・)
>>橙、籃
紫
「(針を取り出して投げる隙を与えずに猛攻を繰り広げていたから、持久戦の末に橙が勝つと思っていたのだけれど、すかさず自らの中に流れる霊力を攻撃用の技として放てるだけの霊力操作技術を私が教えずして会得している……まだ巫女になってから三日も経っていないにも関わらず、ここまで成長出来た血筋は見たことがない。戦闘における才覚は十二分にあるのだとすると……残る問題は彼女の中にある感情のコントロール方法についてだけ……)」
紫は霊力操作を早くも会得すると言う前例の無い霊夢の凄まじい成長速度を目の当たりにし、扇子で口許を隠しながら静かに考える。
紫
「……少し、お話ししましょうか?」
紫は刹那の瞬間、予想以上の速度で成長する霊夢に対する後々の導くための方針や向かうべき方向について思考を張り巡らせると、口許を隠していた扇子をパチンと音をたてて閉じ、霊夢に微笑みかけながら少し話をしようかと問いかける。
>>霊夢
【ニコォ(^w^)】
・・・・・話・・・・・?何よいきなり・・・・・?戦いはもういいの・・・・・?
(紫の感情が掴めない不気味な笑み、そして言葉を聞けば戦いが止められたこともそうだが、このまま戦いは終わりにして次はいきなり紫との話という話という、紫が何を考えているかが全くわからずに困惑する・・・・・
戦い方に問題があったのか、それとも橙を痛めつけ過ぎてしまったことによる説教でも始まるのだろうか・・・・・)
>>紫
【すみません、具合が悪くてダウンしていて返信が遅れてしまいました・・・・・
かなり楽になったので、遅ればせながら返信させて頂きたいと思います】
紫
「貴方には戦いに関しての才能は私から教えなくとも天賦の才があると言うことがわかった。あと数年もすれば藍さえも超える事が出来るでしょうね。」
紫は九尾の大妖をも僅か数年で超えられるほどの力を得ることが出来るだろうと告げる。元々強力な力を持つ大妖であった上に、式神となる事で紫の力も分け与えられているため、その力は凄まじく、藍を超える力を持つ存在はこの幻想郷内において数えられる程しか居ない程だ。
現に不完全とは言え、霊夢の放った大量の霊力の塊をほんの一瞬で跡形もなく消し去れた程の力があった。紫の言う"天賦の才"と言うのも強ち間違いではないと言うことが霊夢自身にもわかるだろう……
紫
「改めて幻想郷について説明するわ。
この幻想郷は忘れ去られたモノが流れて来る世界、忘れ去られたモノの最後の楽園。妖怪は人間を襲い、人間は妖怪を恐れて妖怪の存在維持に貢献する……これが幻想郷の根幹にある。」
藍
「(……紫様は変わってしまわれた……)」
紫はこの幻想郷の仕組みについておおまかにだが説明をする。妖怪は人間を襲い、人間は妖怪を恐れる……
それはまるで、里は人間牧場であり、幻想郷そのものが妖怪や神の延命装置として使われる箱庭がごとき構造になっているのだと言うことを口にする……
だが……永く紫の傍にいた藍は知っていた……
かつての紫は今とは大きく異なる世界を思い描いていた。
そこは人間牧場でも、虚しい延命装置でも、歪な箱庭でも無い、人間も、妖怪も、それ以外も、互いが互いに認め合い、手を取り、協力して生きて行ける世界だった。
それは霊夢の望む世界に近かった……だが、紫は数多の挫折や後悔、失敗の果てに何時しか多くのモノを切り捨て、歴代の巫女達からも託された"幻想郷を護る"と言う使命と責任に押し潰されているかのようになってしまっている……
>>霊夢
【大変でしたね……
コロナが緊急事態宣言前よりも広がってしまっているそうなので、気を付けて下さいね……
(´;ω;`)】
・・・・・人里でアイツと戦った時わかった・・・・・もしあの時、さっきみたいに力を放出したとしても、勝てたとは限らない・・・・・戦いというものは、力があるかどうかじゃない、知恵をいかに状況に応じて活かせるかどうかよ・・・・・奴は見事あの時私から逃げた・・・・・私は力ばかり使おうとして、知恵を使っていなかった・・・・・
(霊夢はもし自分が里で豺狼と戦った時にさっきみたいに力を放出させたとしても、悪賢い奴ほど知恵がよく活かせる・・・・・
何も守るモノがなく、自身の保身しか考えていないから、知恵が回るのだ・・・・・
だからこそ、霊夢は力があっても知恵も同時に戦闘で活かせなければ、息詰まるだけだと言い・・・・・)
>>紫
【ありがとうございます・・・・・
スレ主様も、お気を付けて・・・・・】
【コロナは軽くトラウマが出来ましたからね……
(´;ω;`)
あ、ちなみに幻想郷説明のところはまだ返事が無かったのですがどうしますかね?】
【幻想郷の部分の返信はミスで欠如していました!付け足しても大丈夫ですかね?】
254:八雲一家◆3.:2020/08/19(水) 07:15【大丈夫ですよ〜】
255:狂い出す日常◆gI:2020/08/19(水) 16:29 ・・・・・人間が妖怪を恐れるのはわかるわ、人間は弱くて脆い、自分よりも強い力を持った存在、未知の存在には恐怖心を抱くのが人間の性・・・・・
(霊夢は人間は弱くて脆い生き物だからこそ、人間よりも遥かに強い存在である妖怪を恐れるのだと言うが、そのまま納得出来ないような表情に変わると「でもだからと言って、妖怪が人間を襲うのはおかしいわ・・・・・私は博麗の巫女を己の義務として果たす意思がある・・・・・でも、妖怪が人間を襲うのは、博麗の巫女のように義務付けられたことじゃあないでしょう・・・・・?」と言い)
>>紫
紫
「その点なら安心しても良いと思うわ。貴方には才と運がある。経験の差を埋める"博麗の才"と実力の差を埋める"天性の運"が……
それに貴方には……いえ、これは私から話さずとも自ずと気付くことが出来るでしょうね。」
紫は犲狼や橙と戦う霊夢の姿を見て、此方から最低限の霊力操作についてや道具について教えただけでそれらをモノにし、更に体外へ針や御札等の媒体を使わずに攻撃として放出すると言った事を行えた事から霊夢の才を、その卓越した敵からの攻撃を初見であるにも関わらず大半を避ける勘と、それを生み出す運を持ち合わせていることから、後に博麗の巫女の最大最強の技である"夢想封印"さえも自ら会得する事が出来るだろうと考えている。
紫
「……残念だけどそんな単純な話じゃないのよ……妖怪は恐れられ、神は奉られなければその存在を維持できない。神も妖も人間の思念によって成される存在、だからこそ、それを生み出すために人間が必要になる。」
そして、紫は人間と妖怪、神とのそれぞれの繋がりについて語る……それは歪ながらも、互いを支え合う構造になっている……
恐怖や信仰と言う人間が持つ思念で繋がり、形成されている関係上、もはやこの関係を覆すことは出来ないだろう……
>>霊夢
【非常な現実……】
・・・・・才能や運なんかよりも、人間と妖怪の関係を改善しなきゃ何も解決しない・・・・・支え合っているだなんて言い方は都合のいいように言っているだけじゃない・・・・・
(霊夢は自身の才能や運というものよりも、妖怪と人間、互いの関係を改めなければ何も解決はしない、博麗の巫女が幻想郷を守るだけでは何も進展はしないと反論する・・・・・
紫は自分よりも遥かに長い時間を生きているからこそ、今のこの関係が一番であるという考えなのもわかる分にはわかる、だがそれに賛成するわけではない、もっと何か他の方法があるのではないかと思っている・・・・・)
>>紫
【解決の道は遠い・・・・・】
紫
「あら?私が思った以上に軟弱な考えをしているのね?支え合うとは少し違う。どちらかと言うと妖や神が己の存在を維持するために利用している……片利共生に近いわ。」
妖、神はそれぞれ人間からの恐怖や畏怖によってその存在を維持し続ける。或いは、妖や神をただの現象としてその存在を否定し、外の世界と同じように消滅へ向かうか……その二つの選択肢しか無い……
紫
「古来よりこの関係は続いて来た……今更変わることなんて無い。共生と共存は出来るけれど、互いに手を取り合って分かり合う事なんて出来ないのよ……?」
互いに存在を維持するために導き出されたこの法則は覆しようがないものであると紫は確信し、これを推進するために活動をしていた。紫が霊夢に死と隣合わせの過酷な戦いや、犲狼の放置、運命は覆せないと言う言動は全て、この一つの考えに帰結している。
だが、もし……人間と妖、神が恐怖や畏怖と言う一方的な認識ではなく、互いの種や存在を理解した上でも種族の垣根を超え、共に生きるような事が出来れば……また別の道が作れるのかもしれない。
>>霊夢
じゃあ私が変えてやるわ・・・・・何が何でも・・・・・
(霊夢の意思は固い・・・・・だが、意思だけでは何も変わらないというのもまた事実・・・・・
幻想郷という場所は、人間と妖怪、神々が永らく今のこの在り方を保って生きてきた、たった一人の人間の小娘がどうにかできるほどの簡単な問題ではないことくらい、霊夢自身だって分かってはいる・・・・・
分かった上で霊夢は言っているのだ・・・・・)
>>紫
紫
「それなら、なおのこと私達を超えるほど強くなってもらわないといけないわね?」
クスクスと楽しそうに微笑み、その笑みは無謀な事に挑戦する者を嗤う笑みか、それとも霊夢に対してその思念が確かなものである事を確信した事から来る安堵の笑みなのか……それは紫の言動からだけでは読めない……
すると、霊夢が決意を表明した後、顔もよくわからない程経年劣化している筈の巫女の石像が微笑んだ……そんなように感じられる。
これまで何百年、いや何千年、何万年と止まっていた決して動くことの無かった歯車が……霊夢と共に動き始める。
>>霊夢
【永遠に変わる事の無い筈だった世界の歯車が静かに……だが確実に動き始める……】
・・・・・私は決めたからには成し遂げるわ・・・・・絶対に・・・・・
(人間であるが故の決意の固さか、それとも諦めの悪さか・・・・・
妖怪と人間、同じところを挙げるとするならば「力を持つ者は往生際が悪い」というところだろうか・・・・・
豺狼も、今まで博麗の巫女を食しては力を上げてきたものの、自分ではなくとも、先代の誰かが倒せた可能性もあるかもしれないが、往生際の悪さ、生への執着が豺狼を人間と妖怪の関係を色濃く強調する存在になったとも思える・・・・・)
>>紫
【ゆっくりと変わり始める今まで当たり前だった関係・・・・・】
紫
「人間の生きられる時間は短い。貴方がどこまで変えられるのか……少しだけ楽しみだわ。」
紫は右手を霊夢にかざし、妖でありながら妖術だけでなく、魔法をも使用する事が出来るのか、指先で空をなぞるように動かすと霊夢と橙に回復魔法がかけられ、二人の傷や消耗した霊力、妖力が少しずつ回復していく。
紫
「貴方には特別な修行や稽古を付けなくても、自ずと戦いの中で成長していける。そう確信したわ。貴方の心が折れない限り、貴方に敗北は無い。」
紫は橙との戦いを見ている中、犲狼に対抗しうるだけの力と、歴代の巫女達をも凌ぐ才と勘を持っている事を告げると、指先をゆっくりと下へ振るい、元の神社へ戻るための道を作る。
橙を制止しながら、静かに隣で聞いていた藍も霊夢の戦いの様子を見ていたため、その決定に反論はせず、ただ静かに見守っている。
>>霊夢
【これは本当に思い付きに過ぎないのですが、様々な幻想郷や世界を渡り歩いて行く感じもやってみたいなと思いましたwww】
アンタ達が長過ぎるのよ・・・・・
(人間の寿命の長さは妖怪からすれば短くとも、人間からすれば普通なのか、霊夢はアンタ達が長過ぎると言う・・・・・
そして、紫に「今こうしている間にも、奴はどこで何をしでかすかわかったもんじゃないわ・・・・・戦いの中で成長できるのなら、今すぐにでも奴を討伐しなければならない・・・・・」と、危惧して)
>>紫
【お返事遅れてしまいすみません!
色々な幻想郷や世界、面白そうですね!やりますか?】
紫
「あら、貴方達人間も犬や猫から見れば充分に長命でしょう?」
短命な者と長命な者の価値観は違う。
なにもしなくとも異様なまでに長く生きられる者は内面的な成長や変化に乏しく、百年、二百年を何も意識せずに生きている。
その点で言えば、力を渇望し、悟りを開いたり、俯瞰するつもりの無い犲狼は野心に燃える人間に近いのかもしれない。
>>霊夢
【まだ東京ではコロナ感染者が200人以上出ているので、本当に気をつけて下さいね……
( ;∀;)
やりましょう!
……と言いたいのですが、全体的なストーリーや大筋がまだ決まっていないと言うwww】
それもそうね・・・・・それでもアンタ達は長過ぎるのよ・・・・・
(そう言うと「そういえば、アイツはまるで私が巫女になったこの時を狙ったかのように犬を操って差し向けたり、人里を襲ったりした・・・・・しかも犬を操っていた時はすぐ近くにいた・・・・・奴には何かしらの察知能力でもあるの・・・・・?」と、感じた疑問をぶつける・・・・・)
>>紫
【ご心配おかけしてしまいすみません・・・・・!ありがとうございます・・・・・!
ストーリー・・・・・敵キャラとかはいる感じですかね?】
紫
「元は狗の獣だったようだから嗅覚は優れているだろうけれど……特殊な感知能力は持っていない筈よ?」
紫は確かにタイミングを見計らったように現れた犲狼の刺客を思い浮かべながら呟く。だが確かに先代巫女が死亡して代わりの巫女が入って来るのを待っていたとしても、あまりにもタイミングが良すぎる。
それとも……誰か協力者でも居るのか……その答えはまだわからない。
>>霊夢
【一応幾つかは考えてはありますが、基本はその平行世界の世界観や状況に合わせた敵にしようかなと思っていますね!】
・・・・・まさかとは思うけど、博麗の巫女を過去に何人も食らって、何人もの博麗の血を取り込んだことによって、こっちの動きが察知できるようになった・・・・・とかじゃあないでしょうね・・・・・?
(今まで幻想郷を襲った敵は数多くいるだろうが、豺狼はその中でも特異と言っても過言ではないような存在である・・・・・
博麗の巫女を何人も食らったことで、博麗の血がこっちの動きを知らせてしまっているということなのではないかと憶測を述べる・・・・・)
>>紫
【了解しました!平行世界同士を行き来したりする敵とか出てきそう・・・・・】
紫
「いえ、それは考えられないわ。魂と記憶の吸収なんて芸当は神レベルじゃないと出来ない。幾ら鬼神にも並ぶ力を持ったとは言え、一介の妖獣にそんな事は出来ない……」
紫はふと右手を自身の顎に当てて考える。
食らった対象の魂と記憶の同化、及び吸収など神であれば"習合"によって実際に他の神を取り込む事が出来ると言う例があるものの、一介の妖獣にそれだけの力は無い筈だと言う結論に至る。
紫
「……だけど、記憶や魂を取り込む術を得たにせよ、何らかの協力者が背後にいるにせよ、先ずは犲狼を捕らえなければならない……これは貴方に任せても良いかしら?」
だが、それもまた可能性は零では無いため、その確認のためにも霊夢に犲狼の撃破を頼む。先述した通り、自分では手を出すことが出来ないため、妖怪退治を使命とし、更に犲狼との因縁が出来た霊夢にこれを任せようとする。
>>霊夢
【それどころか、主人公側も複数の世界を渡り歩く事になるので、そのスケールも凄いことになりそうwwwあ、ちなみにその複数の世界を渡り歩るくのは原作キャラが良いでしょうか?それともオリの方が良いでしょうか?】
任せるも何も、私以外にこの役目を果たせる者はいないでしょう・・・・・?それに、奴には因縁があるわ・・・・・
(霊夢はわかっている・・・・・例えどんなに力が強い妖怪であれど、これは人間であり、そして博麗の巫女であり、そして豺狼との因縁もある自分でなければ、豺狼撃破の役目は果たせないということを・・・・・
博麗の巫女という立場だからこそ、先代達の想いも背負ってこの因縁に終止符を打たなければならないことを、霊夢は一番痛感していた・・・・・)
>>紫
【複数の世界渡り歩き可能キャラに関しては、個人的にはオリキャラがいいですかね!】
紫
「貴方からそう言ってくれると思っていたわ。基本的な戦い方はもうわかっていたようだから、これ以上の訓練も修行も必要ない、後は貴方自身に任せるわ。」
覚悟を決めた霊夢の言葉を聞いて、右手を自身の顎から離し、指をパチンと鳴らす。すると、博麗神社へ繋がるスキマの行き先が変わり、何処かの森の奥地へと切り替わる。
紫
「さあ……そこのスキマを潜り抜ければ犲狼がいる場所にまで出られるわ。」
紫は霊夢の向かうべき道を作る。これが今の紫が出来る最後の手助けであり、紫から今の霊夢なら犲狼をも打ち倒せると言う信頼の現れでもある。
>>霊夢
【なるほど!了解しました!!では、どんな感じのキャラにされますか?此方の世界では、ヴァイスリゾームとの対決がメインみたいになりそうですね!】
・・・・・この先に、アイツが・・・・・
(霊夢はこのスキマを出た先に、あの豺狼がいるということを知らされると、様々な感情が入り乱れる・・・・・
今度こそは絶対に倒さなければならないという感情、また逃げられてしまうかもしれないという感情・・・・・
これから先、博麗の巫女という立場上、様々な妖怪と対峙しなければならない場面は必ず来るだろう・・・・・だが、今を上回る感情を抱くことはそうそうないと思われる・・・・・)
>>紫
【一応オリキャラでも、原作キャラと関わりを持つキャラにしようかと思っています!】
紫
「これを通じて貴方の覚悟を……意思を……見せてもらうわ。」
紫は様々な思念や考えが脳裏を過っている霊夢を見て、彼女を送り出す言葉を口にして、静かに後ろに下がる。後の決断や判断をするのは霊夢自身だ、此処から自分ができるのは霊夢を信じて送り出すことだけ……
>>霊夢
【なるほど!しかし原作キャラとの関係となると、イロイロト矛盾が出たりしないように考える必要があるのでちょっと大変かも…?
あ、ちなみに第二案として、多種族が住む完全なオリジナルの世界も考えています!そこではあらゆる願いを叶える力を持つと言われる宝珠の破片を求めて様々な国家や組織が対立する感じにしたいなと思っています!】
・・・・・ないとは思うけど、戦いの最中、何があろうと割り込んだりしないでよね・・・・・?
(霊夢は一応念の為に、予め紫に何があろうと戦いへの介入はしないようにと告げておく・・・・・
これは自分と豺狼との戦いであり、他の者は例え仲間であろうと部外者となる・・・・・
これは、霊夢からすればケジメなのだ・・・・・)
>>紫
【関わりと言っても、そこまで深い関わりではないようにしようと思っていますW
オリジナルなりきり了解しました!その物語の世界に出すキャラも考えておきます!】
紫
「……ええ、勿論よ。例えこれで貴方が命を落とす事になっても……それが貴方の選んだ運命なのだから……」
紫は霊夢の口調から彼女が何をしようとしているのかを少しだけ推察した上で霊夢の望み通り、犲狼との戦いの際には何があっても割り込まないと応える。
>>霊夢
【ありがとうございます!了解です!!
(^^ゞ】
・・・・・
(霊夢は紫の言葉を聞くと、そのままスキマの外へと出る・・・・・
振り向くことも、言葉を返すこともなく、因縁に終止符を打つ為に戦地へと向かう・・・・・
その背中は、在りし日の先代達と通ずるものがあった・・・・・)
【スキマの外】
・・・・・ほら、出てきなさいよ・・・・・いるんでしょ?それとも、また私から逃げる・・・・・?人間のこの私から・・・・・
(霊夢はスキマの外へ出るやいなや、姿は視界に入っていなくとも、近くにいるであろう豺狼に対して上記を言う・・・・・
人間と妖怪、普通であれば戦わずとも力の差は歴然だが、博麗の巫女の立場である霊夢が戦うということ、そして、人間の方からわざわざ戦いの場に来てやったぞという霊夢の豺狼に対する煽り文句が詰まっている・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「たかだか巫女風情が生意気な……!いいだろう、そんなに無惨な最期を遂げたいのなら手伝ってやるよ!!」
犲狼は森の木々の影が作り出す暗闇の中から霊夢に右目を潰された犲狼が全身から身震いしたくなるような凄まじい殺気から成る重圧を伴い、霊夢の前にその姿を現す……
辺りには無差別に喰い散らかされた動物達の肉片が散らばっており、犲狼の口元と両手には鮮血が滴っている事から霊夢達との戦いで消耗した体力と妖力を動物の命を貪ることで回復させようとしていた事が推測できる。
だが、犲狼が喰らった動物の中には、里の郊外を襲撃した際に使役していた野犬の骸が幾つも見える事から、犲狼にとって手下の野犬など幾らでも代えの効く駒でしか無いのだろう……
>>275
どこまでも下衆な屑野郎ね・・・・・最期を遂げる手伝いなら私がしてやるわ、無論、アンタの最期だけどね・・・・・
(霊夢は豺狼のどこまでも救いようのない下衆な性格に、呆れた様子で上記を言う・・・・・
右目を潰されたまま回復できていないところを見ると、力自体は回復できても潰された目は回復できない、つまり、再起不能なほどの傷を負わせれば回復は不可能だろうと考える・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「減らず口もそこまでだ!!博麗の巫女とは言え、所詮はただの人間!この俺様のスピードにはついてこれまい!!!」
犲狼は激高し、夜闇に包まれた辺りに響き渡るような怒鳴り声と共に弾かれたようにして霊夢へ向けて飛び掛かり、そのまま勢いに任せて両腕の爪を振るって霊夢の体を引き裂こうとする。
だが、その犲狼よりも更に俊敏な橙との戦いを行い、橙のスピードに慣れた霊夢にとって、犲狼の動きはまるでスローモーションか何かのようにゆっくりと遅れて見える。
>>霊夢
【犲狼はパワーでなら橙に勝っていますが、スピードでは負けている感じです……!】
遅いわね・・・・・橙の方が、よっぽど早いわ・・・・・
(飛びかかってきた豺狼の攻撃をいとも簡単に避けて、そのまま豺狼のスピードを更に上回るスピードで豺狼の頭上へと移動し、そのまま踵落としを豺狼の脳天目掛けてお見舞いする・・・・・
何の躊躇いもなく、容赦もせずに攻撃を繰り出すのは、霊夢の怒りの表れにも見える・・・・・)
>>278 豺狼
【了解しました!】
犲狼
「ガッ!?ちょこまかと……!!」
この時から後に瞬間移動、スキマ移動をほぼ無意識に繰り出せるようになる片鱗として、犲狼のスピードを凌ぐ速度で移動し、、繰り出された踵落としが狼の頭蓋骨を被ったような頭部に直撃する。
だが、見た目の通り、耐久力、肉体的な硬度も高いのか、怯むことなくそのまま右腕を大きく振り上げて霊夢に対するカウンターを仕掛けようとする。
>>霊夢
だから、遅いっつってんのよ・・・・・
ドゴォッ・・・・・!!!!!
(豺狼が振り上げた右腕を思いっきり骨を砕く勢いで蹴り飛ばし、更に腹部へと一発強烈なパンチをお見舞いする・・・・・
霊夢の瞳から感じられるのは、豺狼に対する強い怒り、豺狼の身勝手な行動によって命を落とした里の住人達の仇討ち・・・・・
豺狼に対する情けなど、微塵もない・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「ククク……どうした?それがお前の全力か?」
《ヒュオッ》
犲狼に向けて繰り出した蹴りと殴打が直撃する……だが、犲狼にはまるでダメージが通っているような様子は見えず、逆に腹部に当たった霊夢の腕を掴んでそのまま近くの木へと叩き付けようとする。
スピードで霊夢が優位に立っていても受け身となり、攻撃直後を狙ったカウンター方式であれば速度の優位性は意味を成さない。
犲狼からは先程までは感じられなかった"魔力"が感じられるようになっており、それを用いて魔力により不可視の防御層を形成する事で外部からの衝撃を打ち消して大幅にその威力を落としているようだ。
霊夢は侮っていた……
力を渇望する獣の果てすら無い野心を、生存本能を満たすためにはあまりにも過剰すぎる力への欲望を……
>>霊夢
がっ・・・・・!?
(一撃目の踵落としが効いたことから、自身の力に自信を持ったわけではないが、これなら倒せるという状況的な自信はあったのか、豺狼に掴まれてからの反応が遅れ、そのまま木に叩きつけられてしまう・・・・・
霊夢は豺狼のような野獣に宿る欲望を、まだ甘く見ていたのかもしれない・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「俺様は新しく"魔力"を手に入れた!俺様が元々持っていた妖力と博麗の霊力に加えて"魔法使い"の魔力も手に入れた!これで俺様は無敵だ!!」
犲狼は自身の両手足に魔力を宿して部分的に筋力を強化した事で俊敏性と、元々高い攻撃力を数段強化した上で霊夢に向けて再度迫る……
対する霊夢は木と激突した際のダメージがあり、満足には動けないだろう……
犲狼の台詞と、叩き付けられた霊夢の傍にボロボロになった白いリボンが付いた黒の帽子が転がっている事から、先に戦っていたであろうあの白黒の魔法使いが殺され、その魔力を奪われたものだと考えられる………
>>霊夢
【重なる絶望、悪化し続ける現状……】
げほっ・・・!げほっ・・・・・!
(フラフラと立ち上がり、血が混じった咳をする・・・・・
そして、次の瞬間見つけたのは、見覚えのある帽子・・・・・あの魔法使いが被っていた帽子だ・・・・・
霊夢は再び自責の念に囚われる・・・・・もっと早く来ていれば、もっと力があれば、と・・・・・
大きく見開かれたその瞳には、絶望が宿りつつあった・・・・・)
>>豺狼
【深淵の始まり・・・・・】
《ギュオッ》
絶望、後悔、罪悪感により蝕まれつつも立ち上がった霊夢に迫る犲狼の振るった右腕による一撃が無慈悲にも迫り、その一撃をもって霊夢を弾き飛ばそうとする……
>>霊夢
ぐっ・・・・・!
ダッ・・・・・!
(霊夢は攻撃を放つよりも、攻撃をまずはかわさねばならないと判断して、体中に激痛が走る中、何とか攻撃を避ける・・・・・
が、このまま避け続けていたとしても、この戦いは終わらない・・・・・
終わるとすれば、それは自身の命が尽きる時だろうと悟る・・・・・)
>>豺狼
犲狼
「所詮この世は弱肉強食!強い奴が生き、弱い奴は喰われる!それが絶対不変の真理だ!俺より弱い奴は全部俺に喰われてりゃいい!!」
霊夢がほんの数秒前までいた場所が犲狼の腕によって薙ぎ払われ、樹が叩き割られ、バラバラになった木片が周囲に飛散する……
犲狼はその弱肉強食についてのあまりにも独善的かつ自己中心的な考えを口走ると、避けた霊夢へ追撃をしかけるべく再び飛び掛かる。
>>霊夢
【犲狼の残忍性や非常性はこの考えから来ているのかも……】
《このままじゃヤバイ・・・・・この戦いをあまり長引かせるわけにはいかない・・・・・!》
(霊夢は豺狼の攻撃を避けていく中で、こっそりと先ほど使った退魔針を取り出し使おうとする・・・・・
が、同時に視界がぼやけ始める・・・・・
いくら博麗の巫女と言えども、人間の身・・・・・妖怪の、それも欲の深い傲慢な妖怪に木に叩きつけられれば、それ相応のダメージが体に行き渡るのは当たり前である・・・・・)
>>豺狼
【志々雄様と仲良くなれそう・・・・・】
犲狼
「お前も俺様の糧にしてやる!!!」
犲狼は霊夢によって潰され、狼の頭蓋骨のような右眼孔部が崩れ、眼孔内にあった赤く小さい光が消え、その機能を失っていることがわかる。
手足や頭等は魔力による防御層を展開して防ぐ事が出来ると思われるが、常時魔力装甲を展開している様子が無いことから既にダメージを受け、機能を失っている箇所であれば、魔力層による防御が行われるよりも先にダメージを与えられるかもしれない。
まさに針の穴を通すようなものであり、下手な距離から針を投げては避けられたり、防がれる可能性が高い上に、もしこの攻撃が失敗した場合、迫り来る犲狼の巨腕から逃れる事は出来なくなってしまうだろう……
安定のために回避をするか、それとも失敗すれば一気に形勢が不利になり、最悪そのまま惨殺されものの、成功すれば逆転の可能性がある反撃を仕掛けるか……
>>霊夢
【大金をはたいて作った船を手榴弾で爆発させられた可愛そうな人……www】
《・・・・・イチかバチか、賭けるしかないわね・・・・・》
(霊夢は薄れゆく意識の中、自身の保身よりも、何とかして豺狼への攻撃を最優先し、命中させる為、逆転の可能性へ全力で賭けることにする・・・・・
ここまで来れば、もう後には引けない・・・・・平和を掴み取るべく、ただただ突き進むのみ・・・・・)
>>豺狼
【ま、まぁ・・・・・主人公との戦いで勝ち逃げできたので・・・・・】
犲狼
「散れ!弱者がァ!!!」
もはや回避や防御は間に合わない。
再考の余地も無く、眼前に迫った犲狼はその鋭利な爪を振るい、霊夢の体を引き裂こうとする。
少しでも対応が遅れれば反撃すら叶わなくなる、少しでも臆すればその先にあるのは確実なる苦痛に満ちた死……
【確かにwwwww
でもあの船は確か全財産の五分の三を注ぎ込んだんだったかなwww
ちなみに、信念の強さが実力に現れる展開が好き私のキャラは、それぞれの戦う信念や意志に対して論破したり、その本質を見抜く等をすると、弱体化バフをかけて弱点や対応がしやすくなります!】
っ・・・・・!!!!!
ドォッ・・・・・!
(霊夢に考えていられる余裕などない・・・・・
イチかバチか、霊夢は豺狼の機能を失った右眼孔部へと退魔針を放つ・・・・・
もしこれが当たれば少しでも希望の道は開ける、外れればただ惨めに殺される・・・・・
博麗の巫女という立場である以上、もしここで死ぬとすれば、それもまた運命なのかもしれない・・・・・)
>>豺狼
【つまり、正論を言われると無理矢理にでも言い返すのではなく、言い返せない系の敵ってことですねW】
犲狼
「……つッ!?グギャアァァァァァァッ!!!?」
人体を引き裂ける巨大な犲狼の爪が迫る中、霊夢の投げた退魔針がまるで追尾するかのようにして向かい、犲狼の右目に突き刺ささると、犲狼の体勢が大きく崩れ、両手で右目の辺りを抑えて絶叫する。犲狼の体を守っていた魔力装甲も集中力が途切れた事で消えており、攻撃する最大のチャンスが訪れる。
>>霊夢
【だいたいそんな感じですね!ただ、厄介な敵ほど言い返して来ますがwww】
や・・・やった・・・・・
ヨロ・・・・・
(霊夢は自身がこんな不利な状態で攻撃が当たっただけでも奇跡的だと思いながら、更に攻撃を仕掛けるために立ち上がるも、体が思うように動かない・・・・・
いくら力があっても、人間という種族の体の脆さを克服することは出来ない・・・・・)
>>豺狼
【もはや言い返さないと気が済まないレベルW】
犲狼
「グウゥゥゥ……二度も俺様の目を!!!」
犲狼は霊夢によって二度も攻撃を受けた右目を右手で抑えながら左腕を振り上げ、それを勢い良く地面に叩き付け、地面に巨大なクレーターが生じるほどの強烈な衝撃波を解き放ち、体の自由が効かなくなりつつある霊夢へ反撃を仕掛けようとする。
>>霊夢
グォオオッ・・・・・!
ガッ・・・・!
ぅぐっ・・・・・!?
(まともに体が動かない中での、豺狼の更なる追い討ちをかける衝撃波に、霊夢はそのまま体を飛ばされ岩盤へと体を思い切り叩き付けられる・・・・・
復讐と欲望に満ちた野獣の邪悪な猛攻は、人間の命なんて簡単に奪える・・・・・
それは、博麗の巫女と言えども、例外ではないのかもしれない・・・・・)
>>豺狼
>>アリアさん
【相談場所の方に文を投稿しておくので確認しておいて頂けると幸いです。】
【お返事遅れてすみません!雑談所の確認も最近出来ていませんでした・・・・・本当にすみません!】
300:殺意の獣◆3.:2020/10/09(金) 23:17 犲狼
「グワハハハハッ!!
博麗の巫女から奪った霊力!魔女から奪った魔力!そしてこの俺様が下僕の妖獣から奪った妖力!!この三つを兼ね備えたこの俺様こそこの幻想郷に相応しい!!」
犲狼は弾き飛ばされて勢い良く地面に叩き付けられた事で、もはや虫の息になっているであろう霊夢を、この幻想郷に住まう全ての者を冒涜するかのように嘲笑う犲狼……
彼は他者から奪った力を、まるで自分のモノであるかのように言っており、彼の強さは彼自身のものではなく、他者から奪う事でしか強くなれない、そんな虚しい姿を示しているにさえ見える……
犲狼
「テメェもそう思う……だろ!?」
《バリバリバリバリバリッ》
犲狼はこの戦いを終えた暁には、蓄えたこの力を使って幻想郷中に存在する妖狼達を使役し、幻想郷中に攻撃を加え、幻想郷の賢者達に戦いを挑み、その座を奪い、幻想郷の王になるつもりだと宣告すると、右腕を霊夢に向け、右腕から霊力、魔力、妖力の三つが混ざりあったエネルギーを強烈な紫色の電撃のようにして解き放ち、霊夢にトドメを刺そうとする。
・・・・・ハ・・・・・ハハハハハ・・・・・アハハハハハハハハハ・・・・・!!!!!
(豺狼にトドメを刺されそうになっている中、霊夢は突然高笑いをし始める・・・・・
その高笑いは、これから訪れる死に対する恐怖からくるものなのか、それともこの現状を打破する何かしらの策を思いついたことからくるものなのか・・・・・
いずれにしても、この状況は、霊夢の立場からすれば、とても笑えるような状況ではないことは確かなのだが・・・・・)
《ガガガガガガガガガガガガガッ》
犲狼の放った三種の力が合わさり、雷撃の如く放たれたエネルギー波が高笑いするだけで何の回避も防御もする様子の見えない霊夢に向かい、本物の落雷が直撃したかのように激しい轟音と周囲へ迸る火花と閃光により、霊夢がいた場所の付近の地面が大きく抉れ、周囲にはあった草木が綺麗に消し飛ばされてしまう……
これだけの威力の技が直撃した場合、並みの人妖はおろか、大妖怪クラスでさえ、無傷で助かることはないだろう……
カッ・・・・・
ドォォォオオオオオオオオオオオオォォオオオッ!!!!!
・・・・・
(霊夢がいた場所に豺狼のエネルギー波が直撃し、霊夢は邪悪な光の中へと消える・・・・・
エネルギー波が直撃した場所が爆風と砂埃によって何も見えなくなるものの、砂埃が晴れると、そこには霊夢が付けていたリボンが、ボロボロになった状態で無残に地面に落ちていた・・・・・)
犲狼
「ふん、跡形もなく消し飛んだか。
あの博麗の巫女とは言え、所詮は成り立ての人間の女に過ぎないと言う事だな!血肉と力を喰えなかったのは残念だったが、この程度の奴なら喰っても大した足しにはならなかっただろうなァ!」
霊夢の付けていたリボンがボロボロになって地面に落ちているのを見て、霊夢が跡形もなく消滅したのだと判断すると、首をマヨイガと博麗神社の方に向け、頭骨の眼孔にある不気味な赤い光が強い悪意を帯びた輝きを放つ……
犲狼
「さぁて、次は俺様の下僕共を使って先ずはあのスキマの隠れ家、マヨイガを潰し、次いでに博麗神社も占領してやる!!!」
霊夢を仕留めたと考え、増長した犲狼は、次はマヨイガと博麗神社の双方を占領する事で幻想郷における優位な地位の獲得を狙うと言うように、いよいよその野心を隠す素振りすら無くなっている。
犲狼の操る妖狼達は犲狼の妖力によって操られているだけの野犬の群れ、つまりは使い捨ての駒だ。幾ら消耗しようと幾らでも代えの効く雑兵軍団に過ぎない……
跡形もなく消し飛ぶのはアンタの方よ・・・・・
(豺狼の背後から、あの忌々しい巫女の声が聞こえてくる・・・・・
その声は勝ち誇った気でいる豺狼にのみ聞こえる幻聴か・・・・・
それとも、確かな現実か・・・・・)
犲狼
「おいおい、生命力だけはゴキブリ並みじゃねぇ……か!!」
《ヒュッ》
犲狼は背後から霊夢の声が聞こえると、先ずは目線だけを少し動かして霊夢の位置を推測すると、振り向き際に霊力を纏わせた右腕の爪を振るってそのまま引き裂こうとする。
幻聴にせよ何にせよ先ずは確認してみるべきだろう。何せ、自分には他者を殺害する事に対する良心の呵責から来る幻覚も、過剰な警戒心や恐怖心の現れとしての幻影も見ることが無いため、幻ではなく、本当に背後にいると推測している。
・・・・・
(豺狼の爪には何も当たらず、やはりさっきのは聞き間違いか何かだったのかと思わせたつぎの瞬間・・・・・)
他人の力に頼ることでしか戦えない臆病者は、どこの誰かしら・・・・・?
(再び豺狼の背後から声が聞こえてくる・・・・・
聞き間違いではない、間違いなく霊夢はそこにいる・・・・・
豺狼の推測は当たっていた、だからこそ避けた、それだけの話ではあると思うが、一回目の爪を振るった攻撃は空振りに終わった・・・・・
二回目は、果たして・・・・・)
犲狼
「ふん、お前は馬鹿か?どの道雑魚が持っていても仕方のねぇだろ?
それなら俺様の野望の糧になれた方が良いに決まってんだろ?」
犲狼にとって他者は己の力の糧か葬るべき敵対者のどちらかでしか無い……故に他者の力を使うことへの躊躇いも罪悪感や後悔すら抱いていない彼にとって霊夢の言葉はまるで通じていない。
爪による一撃を避けたのを見ると、今度は口内に魔力と妖力を混合させて具現化させた赤黒い炎を口内に集束させ始める。
何も霊夢が避けると言うのならばそれでも構わない。
集落襲撃の時のような轍はもう踏まない、すばしっこい巫女を潰すのならば、受けざるを得ない状況や、足を止めなければならない状況を作ってしまえばいいだけの事だ。
犲狼の狙いはこの辺り一帯の森そのもの。
自然ならざる炎は何処までも延焼していくだろう、そうなればこの辺りにいる妖怪も動物も絶命する上に、その炎は人間の里にまで及んでしまう。
一度放たれてしまえばその最悪の予想は的中してしまう事になるだろう……
そこまで言うならアンタも、幻想郷の未来の為の糧になりなさい・・・・・
ドォッ・・・・・!!!!!
(今までは霊夢の声だけしていたが、とうとうその声が堅実のものであるという確かな証拠が出てくる・・・・・
豺狼の右腹部を、何かが貫いてそのまま風穴を開ける・・・・・
豺狼が他者の力を己の強さの糧にするのであれば、霊夢もまた、どうしようもない悪を幻想郷の未来の糧にする為に倒す、似たようで真逆の構図が出来上がっている・・・・・)
犲狼
「ふん、俺様が糧になるだと?ふざけた事をぬかすな!俺様は"特別"だ。俺様こそが人間も妖怪も、神々をも支配する王に相応しい!!そんな俺様のためにシねるのだから寧ろ光栄に思いやがれ!!!」
犲狼の体を守るエネルギー体による防御装甲……
"フォースシールド"とも言うべきものにより、霊夢の攻撃が阻まれてしまう……歴代の巫女の中でも最高の才を持つものの、巫女となってもまだ数日しか経っていない霊夢では、その経験や知識は歴代の巫女の足元にも及ばず、犲狼の防御を崩す事は困難だろう……
黒白の魔女
「ふ……ざけんなぁ!!!」
犲狼
「ご……がッ!!?」
犲狼の腹部を狙った攻撃が防がれると、口内に集束された魔炎が解き放たれようとした矢先、帽子が無くなり、ボロボロになった状態ではあるものの、辛うじて生きていた魔理沙が奪われずに残った魔力と、ポーションによって回復させた魔力の大半を身に纏い、箒に乗ると犲狼の顔に向かって激突し、犲狼の口内で集束させていた魔炎が大爆発を起こし、自滅させる事に成功する。
・・・・・っ!!!!!・・・・・アンタ・・・・・
(あの魔女が生きていたことを知ると、驚きと理解の追いつけないのが同時に訪れるものの、まずは何よりも、相手が生きていたという嬉しさの方が勝っていた・・・・・
そして、相手に近づくと「よかったわ、生きていたのね・・・・・」と呟き)
黒白の魔女
「油断するな!アイツは……この程度じゃ倒せない!!」
黒白の魔女は犲狼が吹き飛んだ方向を見て、立ち込める爆煙の中でその姿は見えないものの、この程度で倒せるほど弱い敵ではなく、油断せずに警戒しているようにと伝える。
不意打ちが成功したとは言え、アイツは何処までも得体の知れない奴だ。この程度で倒せるのなら苦労はしない。
私から魔力を奪い、その魔力を自分の力にして使っている……色んな魔物や怪物を書物を通じて知っていたが、こんな奴は見たことも聞いたこともない。アイツの言葉の中にもあった"特別"と言う単語から、何かしらの特異体質を持っているのだろう。
自分の魔力も底を尽きかけている。大技を使えるとしてもあと二回が限界だ……巫女の様子を見る限り、まともにやりあっても勝ち目は無いだろう……
魔理沙は犲狼に対抗するための策について考えながら、自身も魔力を練り、作戦に備え始める。
わかってるわ・・・・・アイツは他人の力を奪うことでしかその真の恐ろしさを発揮できない反面、奪った力をとことん私利私欲のために使っている・・・・・
(二人とももう既に体はガタガタの状態だ、この戦いで終止符を打つことができるかどうかも、正直怪しくなってきた・・・・・
だが、幻想郷に害を及ぼす悪は野放しにはできない、やるなら今この戦いで、終わらせるしかない・・・・・
そして、この魔女も護らなくてはならない・・・・・)
犲狼
「この俺様に不意打ちとはやってくれるじゃねぇかァァァァ!!!」
激しい怒気が込められた咆哮のような怒鳴り声と共に爆煙を引き裂いて犲狼がその姿を露にする。だが、
元々魔理沙の魔力であった事や、魔力を使った事が無いためその支配(コントロール)が完全ではなかったようで本来の持ち主である魔理沙とぶつかった影響により、犲狼を守る防御装甲に歪みが生じ始めている。
黒白の魔女
「……なあ、まだまだ力は残っているか?」
魔理沙はその魔力の揺らぎを見て、突破出来るかもしれない策が一つだけ思い付き、霊夢にまだ力が残っているかどうか問う。だが、この策は自分一人の力だけでは実現させる事は出来ず、失敗すればかえって犲狼を強化してしまうことになる……
だが、このままではどれだけ上手く立ち回ってもフォースシールドがある限り、ジリ貧を強いられ、最終的には二人とも倒されてしまうだろう……
【今のところ、犲狼の言葉を一つも論破出来ていませんね……
(;・ω・)】
あるように見える・・・・・?
(とは言いつつも、霊夢は何とかしようと、わずかにまだ残っている力を絞り出そうと集中し始める・・・・・
二人の力を合わせても、正直勝てる確率よりも、負ける確率の方が高いだろう・・・・・
しかし、やらなければやられる、この二人でやらなければ誰がやる、ボロボロで今にも手当を受けなければならないほど痛手を負わされている今、もはや体が勝手に動いているような感覚だった・・・・・)
【ここだけの話、論破系はほんの少しだけ苦手です・・・・・W】
魔理沙
「なら、コイツをやる。元々自由に作り出せるエネルギーならコイツである程度回復出来る筈だ!」
魔理沙は手元に簡易的な転移魔法を展開するとそこから緑色の液体が入った小さな瓶(ポーション)を取り出し、視線を犲狼に向けて警戒したまま霊夢に投げ渡し、それを飲んで力を回復させるように言う。
失われた力だけでなく、傷もある程度は治すことが出来る。これがあったからこそ、一度犲狼に負けた際にも逃げ切ることが出来た。
……だが、このポーションで回復できる量はせいぜい大技三回分だけだ。使うタイミングをミスしたり、小技を繰り出して消耗してしまえば、それが命の危機へと直結してしまうだろう……
【マジですかwwwこれはもしかしたら、今後、敵対者の持つ思考や思想を崩して弱体化させる必要がある時や、説得や交渉をする時など、かなり苦戦するかも…?】
魔女っていうのはなんでもありなのね・・・・・ありがたく貰うわ・・・・・
(歪みぼやける視界、震える手でなんとかポーションを受け取る・・・・・
そして、ポーションを飲み干し、徐々に体力は回復し始めるものの、問題はここから・・・・・
大技のタイミングが、この幻想郷の未来を、運命を左右することとなる・・・・・)
【でもまぁ、ヴァルター様と戦った時と比べたら、論破方法を考える方がまだ全然マシかもですW】
魔理沙
「褒め言葉、と捉えておくぜ。さあ……行くぞ!!」
犲狼
「俺様が一番強い!スキマ妖怪や後ろ戸の神、鬼や天魔共ならまだしも、テメェらごとき人間がこの俺様に勝てると思うなよ!!!」
《ズガガガガガガガガガガガッ》
犲狼は雄叫びと共に右腕を勢い良く二人に向けて突き出す……
すると、先程霊夢に大ダメージを与えた魔力、霊力、妖力の三つが無秩序に混合された強烈なエネルギー波をまるで電撃のようにして解き放ち、二人を纏めて消し飛ばそうとする。
これが後に、霊夢と魔理沙が本格的に共闘する最初の出来事となる………
そして……この構図は"来るべき決戦"にも繋がる……
よくわかってるじゃない!!!!!人間如きが怖いからこうもムキになって攻撃するんでしょうがっ!!!!!
ググッ・・・・・!!!!!
(霊夢はここで攻撃を避けるか、攻撃をぶつけて相殺させ、その間に豺狼に更なる追撃をするかを強いられるが、いつでも攻撃を放てるようにと準備はしてある・・・・・
体力が回復したとはいえ、限度がある、その限度の中で豺狼を倒すには、肝心のタイミングを見極めるのはまさに至難の技とも言える・・・・・)
犲狼
「ガハハハハッ!違うなァ、鬱陶しい奴らがいたら普通叩き潰すだろ?」
黒白の魔女
「ああ、その通りだな、それじゃあとっとと退場してくれるとありがたい……な!!」
犲狼の放った強烈な一撃に対し、魔理沙は上空へ飛ぶことで逃れつつ、左手で自分の右手首を掴み、無数の黄色の光弾を放ち、牽制として犲狼に攻撃を加えることで犲狼を守るフォースシールドを少しでも削ろうと反撃し始める。
・・・・・アンタ、そのまま攻撃を続けられる・・・・・?
(霊夢は何か策を思いついたのか、相手にそのまま攻撃は続けられるかと聞く・・・・・
しかし相手も豺狼に一度負けた状態、ポーションの効き目にも限界がある、このまま攻撃を続けることは力の消耗に繋がる・・・・・
だが、それをわかった上の策であるのもまた事実・・・・・)
魔理沙
「……!お前も何か策があるのか?いいぞ、その策に乗ってやるよ!」
魔理沙は大技を一つ放つための力を全て光弾に変えて放ち、更にわざと犲狼の足元に光弾を当てて爆破させ、足場を崩すと同時に土誇りで犲狼視界と動きを制限させていく。
犲狼はその間、苛立ちのこもった唸り声をあげるが、視界も足場も悪い状況では自慢のパワーも精度が落ち、放たれた魔力波も簡単に避けれらるものになっている。
これは賭けよ・・・・・失敗する確率も大きい、けどアイツが今まで卑怯な手を使ってきたように、こちら側も卑怯な手を使わせてもらうわ・・・・・
グォオッ!!!!!
(霊夢は霊力を集中させ、それを魔理沙が放っているように光弾に変えて豺狼がいると思われる場所めがけて、多くではなく、数こそ少ないものの連続で撃ち始めるが、これだと効果があったとしても勝ち目は無いのは目に見えている・・・・・
一体何をするつもりなのだろうか・・・・・)
犲狼
「ガアァァァァァッ!!邪魔だァ!!!」
犲狼は魔理沙が巻き上げた土埃を切り裂くようにして右腕を勢い良く振るいながら、激情に任せて怒鳴り声をあげて残る土埃をまとめて吹き飛ばす。
犲狼
「ククク、この俺様にそんなチンケな技が通用するかぁ!!!」
《ゴオッ》
そんな中、霊夢の放った質を重視した光弾が犲狼に次々と着弾していくものの、多少揺らいでいるとは言え、犲狼を守るフォースシールドは依然として強固であり、これだけではまともなダメージにはなっていない。
【雑単の方でもちょくちょく文を投稿していると言うwww】
引っかかったわね!!!!!
ドォオオッ!!!!!
(霊夢はこの時を待っていたと言わんばかりに、豺狼が土埃をまとめて消し飛ばしてくれたおかげで、豺狼の正確な位置がわかるようになり、霊夢は特大の霊力弾を豺狼が今光弾に気を取られている隙を狙って、咄嗟に防御に回ることは難しいであろう背後から豺狼の体を貫く勢いで放つ・・・・・)
【すみません!すぐ行きます!】
犲狼
「………!!?」
黒白の魔女
「やったか!?」
魔理沙が巻き上げていた土埃によって二人の位置を把握できずに犲狼もまた攻撃の精度が下がっていた中、土埃を払った瞬間に背後に回り込んだ霊夢の放った光弾が炸裂すると凄まじい轟音と衝撃、そして青白い電撃が辺りを走り回る。
その様子を見た魔理沙は遂に倒したのかと思い、電撃による閃光で犲狼の姿は見えないものの、倒せたのかと言う。
気を抜かないで!奴はこの程度じゃ簡単にはくたばらない・・・・・!奴は隙を突いてくる・・・・・!
(霊夢は豺狼この程度で倒せるとは限らないことを考え、相手に気を抜かないようにと忠告をする・・・・・
一瞬でも気を抜けば、豺狼はその瞬間を突いて攻撃してくる・・・・・
もし今、どちらか一人が欠ければ勝機は無くなる・・・・・)
犲狼
「ハハハッ!そう言うことだ!!」
魔理沙
「!?
……くッ!!」
完全に不意を突いて霊夢の妖怪に対して絶大な効果を持った霊力の塊が直撃したことで倒したかと思いきや、今の犲狼が纏っているのは魔力や妖力だけでなく、本来ならば妖の天敵である筈の霊力も込められていた。
そのため、霊夢の一撃も大幅にその威力を軽減されてしまっており、青白い電撃を突き破るようにして現れた犲狼が箒にのって上空を飛ぶ魔理沙に向かって飛び掛かる。
辛くも魔理沙は小技を放つための力を全て防御壁の展開に回すことで防ぐことに成功するが、即席の防御では強度が低く、無数の亀裂が生じてしまう……
この卑怯者!!!!!アンタの狙いはこの私でしょうが!!!!!
(そう言うと、今度は霊夢の方から豺狼めがけて飛び掛ってくる・・・・・
霊夢の長所であり、短所でもある、誰かが危機にさらされるとカッとなって考えるよりも先に勝手に体が動いてしまうのが、吉と出るか凶と出るか・・・・・)
犲狼
「ククク、馬鹿め!まんまと来やがって!このまま始末してや……」
魔理沙
「させるか……よ!!!」
犲狼は先程の里郊外の集落を襲った時に霊夢の性格については大方知っていた。だからこそ、敢えて魔理沙を狙っており、それに釣られて此方に向かって来る霊夢を見て、回避困難な速度で魔力と霊力、妖力を混合させた破壊エネルギーの塊をぶつけようとする……
だが、それに気付いた魔理沙は即座に防御魔法陣を拘束魔法に切り替え、渾身の力を込めて犲狼の動きを止め、霊夢が攻撃するためのチャンスを作ろうとする。
感謝するわ・・・・・!できる限りそのまま頼むわよ・・・・・!
(霊夢は必死に豺狼の動きを止めてくれる魔理沙に上記を叫ぶと、そのまま豺狼の心臓部めがけてさっき豺狼に背後から不意打ちを仕掛けたのと同じように、光弾を放つ・・・・・
ポーションによる回復の限界も近い、早急にこの戦いには終止符を打たなければ、未来はない・・・・・)
犲狼
「ぐ……おォォォ……!!」
魔理沙
「今だ!畳み掛けろ!!!」
霊夢の放った光弾が犲狼に激突すると、身に纏ったフォースシールドによってその威力を軽減されているもののの、彼の巨体を弾き飛ばし、その体勢を崩すことに成功すると、魔理沙はその隙を見逃さずに両手に魔力を宿して反撃の準備を整えながら霊夢にも畳み掛けるように言う。
わかったわ・・・・・!!!!!
(光弾を心臓部へと、真近で更に力を込めて放つ・・・・・
豺狼が防御や抵抗はできないほどにスピードと威力を増した光弾が、豺狼の胸へと激突し、そのまま押し上げるようにして体を貫こうとする・・・・・)
犲狼
「ぐ……おォ……!!餌ごとき……が……調子に乗るな……よ……!!」
犲狼は霊夢の放つ光弾が直撃し、みるみる内にフォースシールドが削られていく中、魔理沙の拘束魔法がかかっているにも関わらず、強引に腕を動かし、胸部を貫こうとしている霊夢の頭を掴んで握り潰そうとする。
更に、残ったフォースシールドの大半を胸部に集めているため、その硬度は非常に高くなっており、これが犲狼が反撃するための時間稼ぎに使われている。
っ・・・!!!!!ぁぁあああああぁああああああああぁぁぁあああぁあああぁぁぁぁ・・・・・!!!!!
(頭を掴まれ、いつグチャグチャに握り潰されてもおかしくはない状況になり、霊夢は聞くに耐えない悲惨な叫び声を上げる・・・・・
博麗の巫女と言えど人間、という覆ることは無い種族という壁が、霊夢を苦しめる・・・・・
今ここでやられるわけにはいかない、しかし抵抗すらまともにできない、にっちもさっちといかない絶望的な状況とはまさにこのことか・・・・・)
魔理沙
「………ッ!!」
犲狼に頭を掴まれ、握り潰されようとしているのを見るが、これで拘束魔法を解いてしまえばその瞬間に二人とも切り刻まれしまうだろう事が推測できたため、魔理沙は霊夢を助けには向かえない……
霊夢の光弾は依然としてフォースシールドが集中されている腹部には届いておらず、逆に犲狼は更に力を込めてギリギリと万力のようにして霊夢の頭を握り潰そうとする……
あ・・・・・ぁ・・・・・
(視界がぼやけ、意識が遠のき始める・・・・・
ここまでしてもまだ勝てないというのか・・・・・ここで諦めるわけにはいかないのはわかっているが、もう手足に力が入らない・・・・・
痛みも段々感じなくなってきた・・・・・)
【数刻前…】
紫
「………蔵蜜、そこにいるかしら?」
犲狼との死闘が始まる前、丁度霊夢が犲狼を退治するためにスキマを通ってから直ぐに紫は死地へ赴く霊夢の後ろ姿を見ながらスキマを閉じた時、紫は視線を動かさないまま、蔵蜜がまだいるかどうかを問いかける。
あぁ、いるが・・・・・
(そう言うと、蔵蜜は紫の前に姿を現す・・・・・
そして「あの巫女、私が思うに、先代にどんどん近づいていってる気がする・・・・・」と、蔵蜜には霊夢と先代巫女の姿が重なって見え始める・・・・・
これは、蔵蜜なりの忠告だ、紫はこのまま霊夢が死んでしまってもいいのかどうかという忠告だ・・・・・)
紫
「……貴方はまだ知らないとは思うのだけれど、初代の巫女と瓜二つの姿もしているわ。先代の巫女と初代の巫女、この二つの性質を兼ね備えているのかもしれないわね。」
紫は記憶の奥底に眠る初代と、かつての吸血鬼異変の時に命を落とした先代の巫女の二つに似ているのだと静かに語る……
確かに彼の言うとおり、現代の巫女はその才能だけじゃない……かつての博麗の巫女の才の化身なのかもしれない、ならば彼女が生まれた理由、存在する理由はもしや………
紫
「だからこそ、こうして目をかけたくなるのかしら……ね?」
紫は右手の指先に部分的に妖怪でも持てるように紫の妖力が纏われたお祓い棒をスキマから取り出すと、それを手に懐かしげに眺め、かつてこれを手に数多の妖怪を屠った初代の巫女の姿を想起しながら呟く。
だったらもっと気にかけたらどうだ?あのままじゃあいつ、本当に早死にするぞ・・・・・?
(紫はそこまで似ていると思っていながら、気にもとめないようにただただ見守るようにしている辺り、言っていることとやっていることが矛盾しているように感じる・・・・・
このままじゃ霊夢も同じように早死にする運命を辿るという嫌な予感がする・・・・・)
紫
「……ここまで言えば私が何を考えているのか……わかるでしょう?」
紫は微かに微笑みながら霊夢に助け船を出すことを求めている蔵蜜に対して、お祓い棒を手にしたまま自分が何を考えているのかもうわかっただろうと問いかける。
・・・・・やれやれ、付き合いが長いっていうのも考えものだな・・・・・
(言葉を交わさずとも、大体のことがわかるほどに付き合いが長いのも、時と場合には考えものだと蔵蜜は呟く・・・・・
そして「お前はいつの間にか、昔と変わってしまったな・・・・・博麗の巫女は、いつの世代でも大体共通して似通った部分があるというのに・・・・・」と、紫と旧知の仲であるからか呟いて)
紫
「あら、言葉が無くとも通じ合えるだなんて素敵なことだとは思わない?それに、私は変わってなんていないわ、今も昔も幻想郷の存続を何よりも重視している事に変わりは無いのだから……」
紫は相も変わらずに微笑んだまま、今も昔も幻想郷の存続を何よりも重視していると言う根幹部分に変わりは無いと答えると、紫が持っていたお祓い棒をゆっくりと蔵蜜に向けて差し出す。
妖怪が触れても大丈夫なように紫がお祓い棒の持ち手に一時的に妖力を纏わせておくことで妖怪でも手に出きるようにしてある。
紫
「あのまま戦えば今の巫女はこれまでの巫女と同じように喰われてしまうでしょうね……だからこそ、貴方には彼女"達"を助けに行って欲しいの。」
紫が蔵蜜に頼みたいこと……それは霊夢達の補助であり、犲狼討伐のための手助けだ。
紫の言葉の中には、霊夢の他にも共に戦うであろう者(魔理沙)の姿も含まれており、更に霊夢達の力だけでは犲狼を倒す事が困難である事もわかっている。
ならば……蔵蜜が霊夢達に助力し、博麗の巫女の宝具の一つであるこのお祓い棒(大幤)を渡すことで、新たなる攻撃手段……それも紫が見て犲狼に対して最も効果を発揮するであろうと先々まで見据えている。
・・・・・どうやら、私も間違ってたみたいだな・・・・・お前は確かに変わっていないよ、何一つとしてな・・・・・
(そう言うと、蔵蜜はお祓い棒を受け取り、そして「にしても、私にわざわざ行かせるぐらいなら、最初からあの巫女に渡しておけばいいものを・・・・・お前はそういうところも変わらないんだな・・・・・」と、このお祓い棒を最初から渡しておけば、豺狼との戦いは霊夢達がもう少し有利になっていたのではないかとも思えてくる・・・・・)
紫
「ええ、宜しく頼むわ。貴方の力が必ず必要になるでしょうから……」
紫は指先を右手の横を横へゆっくりと振ると、まるで空間を引き裂いているかのように空中にスキマが開かれ、蔵蜜も犲狼の元へ行けるようにする。
本当ならば自分が助けに向かいたいのだが、犲狼は先述の通り、良くも悪くも幻想郷維持のためのシステムの一つのようになっているため、不用意に自分が手を出せば逆に幻想郷の寿命を削ることになってしまうのだとわかっている。
紫
「それは御札や針と違ってテストをしていないものだったから、使える確証が無かったのよ。現にこれまでの巫女の中でもこれを使える者は三人しか居なかったのだから……」
この大幤はあくまでも保険のようなもの、万が一にも霊夢が使えなかった場合の切り札のようなものだ。例え自分の読みが外れ、大幤の力を満足に使えなかった時でも蔵蜜の保護の下でなら練習も行えるだろうと考え、蔵蜜に託している。
・・・・・そうか・・・・・わかった・・・・・
(紫の・・・・・いや、お互いをよく知った旧知の親友の言葉を聞けば、わかったと呟き、スキマが開かれ外へ繋がっている出口まで歩を進め、紫に背を向ける・・・・・
そして「・・・・・なぁ、紫・・・・・」と、今正に戦地へ赴くという時に、今度はこちらから口を開いて、背を向けたまま何かを言おうとする・・・・・)
紫
「あら、どうしたのかしら?」
これで犲狼を打ち倒す事が出来る筈だ、そう考えながら蔵蜜を見送る中、犲狼と霊夢達のいる場所へ繋がる開かれたスキマの中に入って行く直前で足を止め、こちらに何かを話そうとしている蔵蜜の言葉を聞いてどうしたのかと聞いてみる。
・・・・・その・・・・・あぁ、何だか長い付き合いであるお前にこれを言うのが、ちょっと恥ずかしいし気が引けるな・・・・・
(そう言うと「・・・・・もし、私が死んだら・・・・・骨を拾ってもらいたい・・・・・いや、もしかしたら骨なんて一欠片も、粉塵すら残らないかもしれない・・・・・でもお願いだ、もし私が死んだ時は・・・・・私のことを、忘れないでもらいたいんだ・・・・・私は、誰かに忘れ去られて、本当に死んでしまうのが怖いんだよ・・・・・紫・・・・・」と、背を向けたまま、少しだけ顔を紫の方に振り返るようにして、縁起でもないことを言い・・・・・)
紫
「………?
ええ、わかったわ……
先代の霊夢に似た事を言うのね……?」
犲狼の実力についてはまだ未知数ではあるものの、その元々のスペックから彼ほどの実力者であればさほど危険を伴わずに勝てるだろうと考えていることもあり、その言葉の真意について知らずに不思議そうに首を傾げながらも忘れないで欲しいと言うその言葉を受け入れる……
私もまた、どこか似通った部分があるのかもしれないな・・・・・
(上記を述べると、そのまま蔵蜜はスキマから外へ出る・・・・・
紫は言葉の真意を理解していないようだったが、寧ろ蔵蜜自身からすれば察してもらわない方が救いがあるのかもしれない・・・・・
スキマから出る際の蔵蜜の背中は、先代巫女と非常によく似ていた・・・・・)
犲狼
「ハハハハッ!弱い奴は犬コロのように惨めに絶える。お前もその弱者だったようだなァ!!」
紫は蔵蜜を無言で見送る中、開かれたスキマの先では犲狼が霊夢の頭を握り潰そうとする手に力を加え続け、意識さえも朦朧としている霊夢にトドメを刺そうとしている……
弱っちい犬っコロはお前だろう?
(霊夢が今正にトドメを刺されようとしている中、突如として豺狼の聞き覚えのない声が聞こえてくる・・・・・
しかも短い言葉の中には豺狼をとことん見下している感情が詰まっており、挑発や煽りというよりかは、思ったことをそのまま豺狼に吐き出した感じであり・・・・・)
犲狼
「(新手……か、この魔女のせいで動きが鈍くなっているが、先にこの巫女を握り潰してから対応するか)」
犲狼
「グハハハハッ!群れるところが尚更犬コロらしいなァ!!」
犲狼は声が聞こえた次の瞬間、即座に周囲を警戒しながら、その狡猾な頭脳によってまだ姿も見えず、声からしてもまだ距離がある新手に備えるよりも前に、迅速に霊夢を握り潰してから対応しようと考え、そのまま霊夢の頭を掴む手の力を更に込め、一気に頭蓋骨を握り潰そうとする。
博麗の巫女を優先するか・・・・・そうかそうかそうだよなぁ!!!!!雑魚下等妖怪の犬っコロからすれば、こんなに弱っていても博麗の巫女は怖いもんなぁ!!!!!
(このままでは渡すに渡せない・・・・・それに、攻撃を仕掛けるなら不意打ちの方が効くだろう・・・・・そう思った蔵蜜は、霊夢から自身へと対象を移させるべく、罵詈雑言を浴びせ始める・・・・・
どんなに力があろうと、借り物の力・・・・・所詮下等妖怪は下等妖怪、博麗の巫女がこんなに弱っていても優先して排除しようとするのは、結局は怖いからそうするのだろうと言い)
犲狼
「テメェ……!!
……って、その手には乗らねぇぜ?俺を挑発させてこの巫女から注意を逸らさせようって魂胆だろう?いきなり煽り始めた事からわかるぞ。」
犲狼は生まれつき力の強い妖怪だった訳じゃない。
元々は人間の買う犬の一匹に過ぎなかった。だが、そんな彼が人間に捨てられ、他の兄弟や母のように惨めに命尽きること無く、地獄のような環境を生き残る事が出来たのは、小動物のような警戒心の高さがあったからこそだ。
犲狼は始めて聞く声の主が罵倒し、挑発し始めた事を冷静に考察し、現状と照らし合わせた結果、霊夢から注意を逸らして救出しようとしているのだと見抜く……
これで彼が姿を見せて不意打ちをしていれば、そのまま隙を突くようにして霊夢を助けられたのだが、そのチャンスも無くなってしまう……
魔理沙
「こうなったら一か八かだ……!
誰だか知らないが、後は頼んだぞ!!!」
《ドゴオォォォォォォォォォォォッ》
霊夢の頭蓋骨に亀裂が生じる寸前、これまで犲狼の動きを拘束魔法で鈍らせていた魔理沙が蔵蜜に希望を託すと、手元に箒を引き寄せ、残った大技一回分の力を全てを込めて犲狼の腹部に向けて叩き付ける。
すると、犲狼の体が大きく弾き飛ばされ、霊夢もまた解放される。
だが、その代償として魔理沙は全ての魔力を使いきり、戦線離脱を余儀なくされてしまう。
・・・っ・・・・・!感謝するぞ・・・・・!!!!!
(戦線離脱を余儀なくされた魔理沙に聞こえているかどうかはともかく、感謝の言葉を述べると蔵蜜は開放された霊夢が地面へ落ちて叩きつけられる前に瞬時に飛んでいってキャッチする・・・・・
「博麗の巫女!!聞こえるか!?助けに来たぞ・・・・・!!!」と、必死に声をかける・・・・・)
・・・・・ぅ・・・・・うぐ・・・・・ぁ・・・・・
(最悪の事態は免れたものの、霊夢はやっと声を出せる程度にまで弱っていた・・・・・
あの巨体、あの力で頭部を握り潰されそうになっていたのだから、何ら不思議ではない・・・・・
豺狼の凶悪さを改めて認識する・・・・・)
犲狼
「どこまでも……どこまでも足掻くか、人間!!!」
魔理沙の全魔力が宿り、金色の彗星のように放たれた箒が激突した事で犲狼を守るフォースシールドの一部、魔理沙から奪った魔力が大きく消耗されており、その防壁の硬度が著しく低下しながら、弾き飛ばされた犲狼が立ち上がり、憎悪と怒りを込めた眼光で霊夢達を睨み付ける……
くそっ・・・!もう起き上がってきやがった・・・・・!
(豺狼が立ち上がると、蔵蜜は焦りを見せ始める・・・・・
魔理沙は霊夢救出のために力を使い戦線離脱、霊夢は豺狼に掴まれていたことで既に瀕死の状態・・・・・
この状況で有利なのは豺狼のみと言ってもおかしくはない状況になっている・・・・・)
犲狼
「邪魔するってんなら誰だろうと容赦しねぇ……テメェら全員犬死にだァ!!」
犲狼もまた、魔力の大半を失ってしまったものの、まだ犲狼自身の妖力と博麗の巫女候補達から奪った霊力が残っている事に加えて、戦力的にも自分の優位性がまだある事を知っているため、蔵蜜の登場に対してもさほど動揺はしておらず、獣の瞬発力を活かして蔵蜜目掛けて飛び掛かり、その実力や能力を測ろうとする。
犬だけにか!?随分洒落たことを言うじゃないか!!!!!
ドォッ・・・・・!!!!!
(自分へ飛びかかってきた豺狼の腕へめがけてまずは全力の打撃を入れる・・・・・
何としてでもここで少しは豺狼へダメージを与えなければならない・・・・・
だが、自分の力で少しでも食い止めができるかどうか、という不安も混在していた・・・・・)
犲狼
「グワハハハハッ!そんな細い腕でこの俺様の一撃が止められるかよ!!」
犲狼はその明らかに人間のサイズを超えた巨体を活かした圧倒的な体重と筋力を乗せた右腕の一撃が蔵蜜の繰り出した拳と激突する。
犲狼を守る三つの力の内の一つである魔力が大きく削れているため、犲狼の腕を通じて少なからず犲狼にもダメージが及んではいるものの、選局を左右する程のものでは無いようで、続けて犲狼は左腕を横に凪払うようにして振るい、追撃を仕掛けようとする。
幸いにも犲狼は魔力が大きく削られ、その防御力が落ちている事にはまだ気付いていないのか、補充する様子も見られない。
弱い犬程よく吠えるじゃあないか!!!!!試してみるかゴルァアアアアッ!!!!!
(豺狼の追撃を先読みし、そのまま避けると頭上へ高く飛び自分の妖力を光弾へと変化させて豺狼の脳天めがけて放つ・・・・・
この戦いで・・・・・博麗の巫女が戦う前で、少しでも豺狼の力を大幅に削ることが出来れば・・・・・
その気持ちでいっぱいだった・・・・・)
犲狼
「グワハハハッ!!その様子、まさに負け犬の遠吠えって奴だな!!」
頭上へ飛び上がり、放たれた反撃の光弾が犲狼の頭部に直撃すると、更に犲狼を守る妖力と霊力の防壁が削れ、僅かにだがダメージが通る。
だが、犲狼もまたただで防御を削られるのではなく、反撃として犲狼もまた飛び上がり、右腕を振り下ろす事で地上へ叩き落とそうと迫る。
くっ・・・・・!?
ブォッ・・・・・!!!!!
(本当にギリギリ、間一髪のところでなんとか避ける・・・・・
腕を振り下ろされた際の風力で飛ばされそうになるものの、なんとか持ちこたえてみせるが・・・・・)
ごぶっ・・・・・!?
ビチャッ・・・・・
(突然、蔵蜜は口を手で押さえて咳き込む・・・・・
すると、蔵蜜の口から真っ赤な鮮血が出てきては地面へと落ち、血痕を作る・・・・・
しかし、豺狼の攻撃は当たっておらず、風力でこうなったとも考えづらい・・・・・)
《ギュオッ》
血を吐く蔵蜜に対し、犲狼が空振りしたものの、腕を振り下ろした勢いを活かして空中で前転するようにして鞭のように長大な尻尾を振り下ろして地上へ叩き落とすための追撃を仕掛けようとする。
くそぉっ・・・・・!!!!!
グォッ・・・・・!
(追撃を受けるわけにはいかない一心で口から血を吐きながらも、必死に追撃をギリギリでかわすと、再び妖力を光弾に変えて今度は連続で発射し始める・・・・・
しかし、威力やスピードが先ほどとは違い、明らかに落ち始めているのが目に見える形でもわかるようになり始めていて・・・・・)
犲狼
「どうしたァ?随分と鈍いじゃねぇ……か!!」
犲狼は蔵蜜の放った弾幕が正面から当たり、防壁が更に削れて行くものの、あまり妖力や霊力のコントロール能力が無いからか、その変化に気付いておらず、そのまま蔵蜜の前にまで迫り、そのまま叩き落とそうと右腕を振り上げる……
・・・っ・・・・・!!!!!________
【回想、数ヶ月前・・・・・】
げほっ・・・・・!げほっ・・・・・!
(森の奥・・・・・吐血混じりの咳をしながら、歩みを進める・・・・・
少ししてから、立ち止まると「ついて来てるのはわかってる・・・・・いい加減、こそこそするのはやめたらどうだ?橙、藍・・・・・」と言い・・・・・)
藍
「……なんだ、気付いていましたか。」
両腕を袖の中には隠すようにして腕を組ながら自信と橙にかけていた気配と姿、音の三つを消す隠密行動術式を解除した藍が姿を現すと、その藍の後ろで藍の尻尾で隠れるように後にいた橙が顔を覗かせている。
私だってそれぐらいは気づく・・・・・
(そう言うと、袖で口元の血をぐしっと拭き取り、そのまま振り向いて「で、何の用だ・・・・・?何も用がなくてついてきた、というわけではないだろう・・・・・?まぁ、この先に用がある、というなら私の早とちりなだけだが・・・・・」と、二人が自分をつけてきた理由を聞こうとするも、この先に用があるのであれば自分がただ勘違いしていただけだと思って上記を言い)
藍
「いや、私達の要件は蔵蜜殿に関係しているものだよ。
……紫様から伝言を預かっている。
『その状態を改善する策はこの幻想郷内にも存在しない』
だそうだ……」
藍は自分のかけた隠密術式に対して、彼の持ち前の嗅覚を活かして自分達の存在を察知できたのだろうと理解をすると、彼の血を吐く様子を前々から知っていた紫が様々な策を講したものの、彼の体調を回復させる手段は見付からなかったと教える……
残酷な現実だが、嘘をつき、何時までも煙に巻き続け、下手に希望を抱かないようにした方が良いと思い、紫が伝えたのだろう……だが、良い報せを持ってくる事が出来なかった事、みすみす彼が衰弱していく様を見ていることしか出来ない自分達の現状に悔しさと苛立ちさえ感じている藍は少し俯く……
紫は知っているのか!?一生懸命隠し続けてきたつもりでいたが・・・・・
(寧ろ、紫側が知っていたということを知らなかった自分の方が無知であり、紫の方が隠し事上手だと思い知らされる・・・・・
「そうか・・・・・あの不老不死の医者のところへ行けば、何とかなるとは思っていたんだがな・・・・・げほっ・・・・・!?」
言葉の後に咳き込むと、再び口から大量の血を吐き両手で口を押さえてしゃがみ込む・・・・・)
【あ、ちなみに八雲一家側のロル内で「彼」になっていますが、蔵蜜は女性ですW】
藍
「紫様は貴女の生命力が日に日に弱まっている事を知ると、スキマを通じてその原因を探っていました……これまで監視をしていた事を許してほしい。」
藍は袖の中で両腕を組みながら頭を下げ、これまで監視していた事、勝手に動いていた事に対して主である紫の代わりに謝罪する……
そして再び血を吐く彼女の姿を見て、心配そうに声をかけようとする橙の頭を優しく撫でる。
それはまるで、最早自分達には彼女を治す方法が無いと言うことを優しく教えるよう……
・・・・・いや、いいんだ・・・・・長い付き合いであるが故に伝えるのが辛くて、最初に隠そうとしたのは私なんだ・・・・・文句は言えないさ・・・・・
(そう言うと「不老不死の医者が言うには、抗体を打つ度に病原菌が対応して変化する、とか言っていた・・・・・現状では打つ手はないが、何とかするとも言ってくれたんだがな・・・・・正直、諦めてるよ・・・・・」と言う・・・・・
森の中、舞い落ちる木の葉は蔵蜜のじわじわと減り続ける散りゆく命を表しているようにも見える・・・・・)
藍
「元来、我々妖はそもそもの体構造が違う。心臓も、血液も、脳も全ては存在に付与したものに過ぎない。だから病も毒も効果は無い筈なんだ。例えそれが元獣や人であろうと同じだ。我々にとって心臓や脳の代わりを成しているのが魂であり精神だ。故に我ら妖は肉体よりも精神が重要なものとなっている。」
妖怪とはそもそも、一部の例外を除いて、既存の生命体のように心臓や脳が生命活動の維持に不可欠なものではなく、脳や心臓を始めから持っていない者さえ存在しているぐらいだ。妖怪の天敵は怨霊、これがその理由ともなっている。
藍
「……にも関わらず、貴女の体には病のような異常が見られた……この時点で紫様はただの病や毒によるものではないと気付いていました。おそらく、竹林の医師もそれを知っていたのだろう……」
肉体的な要因よりも精神的な要因が中核を成す妖にとって、病や毒など大した害にはならない筈であるにも関わらず、蔵蜜を蝕んでいる事から、精神や魂に影響を成している事が容易に想像が出きる。
紫も永琳も、彼女がただの病ではなく、"呪い"に準ずる影響を受けているのだと知った事で、手の施しようが無くなってしまっていた……
紫が幾ら外の世界の医療技術を試そうとしても、永琳が幾ら薬を作り出そうと、精神を蝕むものを除くことは出来ない……紫の能力で病と彼女を切り離す事も可能かもしれないが、そうなれば蝕まれた精神は永遠に欠落してしまうだろう……
・・・・・私は情けないな、無理なものは無理、それを理解出来ずにただただ医者に頼んで紫には隠そうとして・・・・・
(そう言うと、顔を上げて二人を見ながら「・・・・・あの医者が言うには、幸いこれは他者に伝染することはないそうだ・・・・・」と言い、藍と橙を抱きしめながら・・・・・
「・・・・・すまない、少しの間、こうさせてくれ・・・・・」
と言った・・・・・
その声は、今にも消えてしまいそうなほど小さく、震えていた・・・・・)
藍
「……私は構わないよ……」
藍は今にも消え入りそうな彼女を抱き止めたまま、彼女がこのまま消えてしまわないように優しく言葉を返す。例え伝染する病であったとしても藍は迷わずこうしただろう。
自分はどうしたら良いのかわからない橙はとりあえず藍と蔵蜜の二人を小柄なりに抱き付く。
紫は昔から多くの友や仲間、志を同じくした同胞がいた……
だが、一人、また一人と理解者と呼べるべき友を失って来た……
主の紫はまた一人、親しい友を失うのかと思うと、藍の中で更に悲痛な思いが強くなっていく……
ありがとう・・・・・本当に・・・・・すまない・・・・・
(受け入れてくれる藍と橙の二人に感謝を述べながら、力がこもっているかもわからないような腕力で抱きしめる・・・・・
腕力が低下しているのではなく、声が弱々しいのと同様、込めるに込められないのだろう・・・・・
すると少しして、腕がだらんと下がり、蔵蜜の息も少し乱れ始め、呼吸が不規則になっている・・・・・)
藍
「…………!?
どうしました?大丈夫ですか?」
藍は抗えぬ運命を前に無力を感じる中、抱き締めていた蔵蜜から力が抜け、呼吸が不規則になり始めると急いで彼女の様子を、体調を伺う。
・・・・・あ、あぁ・・・・・大丈夫・・・・・だ・・・・・最近はよくあることなんだ・・・・・
(そう言うと「紫の前とかだと必死になって隠していたんだがな・・・・・今じゃやっと隠すことさえ叶わない・・・・・」そう言うと、二人に「・・・・・私がいつの間にか何日も姿を現さなくなったら、その時はもう私はいないと思ってくれ・・・・・」と、最期の時を一人で迎えるつもりであることを明かして・・・・・)
橙
「よくある……?それってまさか……」
藍
「………………わかりました。」
橙も蔵蜜に残された時間が少ないのだと言うことを悟ると、それを言葉にしようとするものの、それを藍が寸前で口許に手を当てて首を左右に振って制止させると、悲しそうな、寂しそうな目をしたまま静かに彼の望みを承諾する……
ありがとう・・・・・
(正直、こんなことを言うのは心が痛むが、自分の最期を見て誰かが悲しむのであれば、まだ一人で逝く方がマシだと考えていた・・・・・)
_________
ゴォッ・・・・・!
・・・・・
(豺狼の容赦ない邪悪な一撃が、蔵蜜の体中の骨にヒビを入れ、そのまま地面へと叩きつける・・・・・
蔵蜜の、せめてこんな自分でも力になれればという想いが、いとも簡単に踏みにじられる・・・・・)
犲狼
「グハハハハハッ!!!やはり俺様が一番強い!力のある奴が一番正しい!力の無い奴や弱い奴は悪だ!!」
犲狼はその巨大な腕を幾度と無く振るい、残された時間の少ない蔵蜜の体へ無慈悲な一撃を幾度と無く繰り返していく……
二人とも元は同じく犬であったにも関わらず、蔵蜜は守り、助ける事を選び、犲狼は奪い、脅かす事を選んだ……その結果がこれであると言うのならば、この世界には最早人間が思い描く救いの神と呼ぶべき存在などもういないのかもしれない……
《・・・・・》
(蔵蜜は、心の中でですら、もう無言になっていた・・・・・が、ここで決心をする・・・・・)
《・・・・・じゃあな、紫・・・・・》
グォオッ・・・・・!
ガァアアアアァアアアアァァァァアアアァアアアアアァァアアッッッッッ!!!!!
ドッ!!!!!
(蔵蜜は残った力と命の全てを振り絞り、全身が銀と黒の毛で覆われた巨大な犬の化物へと変貌を遂げる・・・・・
しかし、理性は保てているのか、変貌を遂げると、迷いなく豺狼を睨みつけながらうなり声を上げ、そのまま飛びかかって豺狼の体のあちこちを食いちぎろうとする・・・・・)
犲狼
「………!!?」
犲狼は勝ちを確信していた。
彼女の体格、感じられる妖気、耐久力から攻撃力の全てから考えても、もはや策を練らなくとも力押しだけでも充分に勝てると……
だからこそ、巨大な犬のように変化した蔵蜜への反応が大きく遅れ、不意を突かれるようにして蔵蜜の飛び掛かりを受け、犲狼の体には幾度と無く蔵蜜の噛撃を受け、犲狼を守る防御が大きく削れ、犲狼が歴代の巫女達から奪った霊力が消耗されて行く……
犲狼
「こ……の野郎……!!!」
だが、犲狼もまた、一筋縄では行かない……
犲狼を守るバリアが削れ、犲狼の力が大きく削れて行ったものの、犲狼が身体中から生えた無数の赤黒い棘を伸ばして蔵蜜の体を突き刺し、更に犲狼の妖力から生み出した毒によって彼女の命を削ろうとする。
ガアアァアアッ・・・!!!!!ガアァァァアアアアアアァアアアアアアアァァァアアアァアアッ・・・・・!!!!!
(豺狼の無慈悲な棘が、蔵蜜の全てを貪り始める・・・・・
棘が突き刺さった部分は血が滲み出ながら赤紫色に変色し腐ってゆく・・・・・
が、状況とは対照的に、棘によって自由に身動きもできないばかりか、動けば動くほど棘が更に突き刺さるのは明白であるのに、蔵蜜は再び豺狼に噛みつこうと棘を振り切ろうとしながら暴れる・・・・・
彼女の面影は、もはや誰かの為に尽くすという性格の部分しか残っていないほど、見るも無残に変わり果ててしまっている・・・・・)
犲狼
「グハハハハハッ!馬鹿め!足掻けば足掻くほどにお前がダメージを受けるだけだ!そんな状態では攻撃どころか回避も防御も出来ねぇぞ!!そのまま犬死にしろやァ!!!」
犲狼は吠えるように蔵蜜が暴れれば暴れる程に犲狼が突き刺した無数の棘が体に食い込み、傷口が広がり、体力の消耗と共にダメージを蓄積をさせているものの、自身を守る霊力で形成された防御が大きく削られている事に気付くと、もし己のダメージを省みずにこのまま攻撃を続けられた場合、自分が滅ぼされると言う鬼気迫るものを感じ、それを振り払うべく巨大な口を開けて今度は犲狼から蔵蜜の喉元に噛み付いて食い千切ろうとする。
グルルルルルァァァアアアアアアアアッ・・・・・!!!!!
(喉元に噛み付かれ、血を吹き出しながら聞くに耐えない声を上げる・・・・・
死というものが、まさに今見える形で目前に迫っているような、地獄絵図とも言える状況であると同時に、蔵蜜の抵抗も徐々に弱まってゆく・・・・・)
犲狼
「(グハハハハハッ!やはり馬鹿だな、奴の体には俺様の伸ばした棘が刺さり、更に喉元を噛み付かれている以上、下手に暴れれば暴れるほどに傷が悪化していく!それに対して俺様は防壁が削られるだけで損傷を抑えられるだろう。これまで俺様が苦労して集めてきた巫女や妖怪の力が無くなっていくのは痛いが……奴らを喰らって力を回復させればいいだけの話だ!!!)」
犲狼にはまだ余裕があった……
どれだけ蔵蜜に噛み付かれようと、爪で切り付けられようと、自身を守るフォースシールドの強度を前に、そのいずれの攻撃もシールドを削るだけで致命傷になることは無いと言うことから、犲狼には焦りが見られず、対照的に死へと落ちて行く蔵蜜の様子を見て喜んでさえいる……
だが、蔵蜜の奮闘により、魔理沙によってあと二回は大技が放てるだけの力が回復している霊夢であれば犲狼の守りを打ち砕ける程に防御が衰えている事に犲狼は気付いていない。
グル・・・・・ルルルゥ・・・・・ガァアアアァアアァァァァアア・・・・・!
(徐々に抵抗力が弱まっていき、そして、とうとう動かなくなる・・・・・
棘が刺さった部分は未だに痛々しく、腐食がどんどん進んでいて、首からは血が流れ出続けている・・・・・
あれだけの抵抗も虚しく、最後なんてあっけないものなのかもしれない・・・・・)
犲狼
「ふん、手こずらせやがって!だがこれであとはボロボロになった博麗の巫女だけだな!」
蔵蜜はそのまま顎と頚の力を用いて蔵蜜の体を押し退けて立ち上がろうとしながら、目線を霊夢を探すべく周囲へと動かし、彼女の姿を探し出そうとする。
もはや蔵蜜に対する警戒や注意は薄れ、次の敵対者である霊夢への警戒を行い始めている。
・・・・・
(豺狼がその場から動き出そうとする前、まだ近くにいて攻撃がしやすい状況、蔵蜜は豺狼へと再び視線を向けると「お前の負けだよ」と言わんばかりの目つきで思いっきり起き上がり・・・・・)
ガルルルアアアアァァァアアアアアアアァァアアアァアアアアアアアアアァァァアァアアァァッ!!!!!
ズッ・・・・・!!!!!
(蔵蜜は残った力の、本能に絞りカスほどにしか残っていない力を使って、豺狼に思いっきり飛びかかりそのまま豺狼のシールドを全て削る勢いで噛み付き、棘の毒によってもうほぼ腐っている両腕の内片腕を豺狼の心臓付近へと突っ込んで体に風穴をあける・・・・・
もはや火事場の馬鹿力とも言えるような、どこにこんな力が残っていたのかと言わんばかりの強い力で蔵蜜が死んだと勝手に思い込み油断した豺狼へと攻撃を続ける・・・・・)
犲狼
「!!?」
犲狼
「ちッ!まだ生きていやがったか!!!」
犲狼は先程の霊夢との戦いの時に執拗に心臓を狙う霊夢に警戒してフォースシールドの多くを胸部に集中させていた。
そのため、蔵蜜の攻撃によってフォースシールドの多くが薄れ、削られたものの、特に防御を集中させていた胸部にはまだ高い防御力を有していたため、霊夢と同じように蔵蜜による心臓を狙った一撃も意図せずして防ぎきる事に成功する。
これにより、胸部に集中させていたフォースシールドも大きく削り取られ、犲狼の守りがより薄れるものの、その代償として犲狼は反撃として右腕に奪った霊力を集中させ、威力を増大させた一撃を彼女の頭目掛けて振り下ろす。
その威力は集落を壊滅させたあの途方もない破壊力を秘めたものとほぼ同等の威力が込められている……
・・・・・!!!!!
_____________
幻想郷の住人となる前、蔵蜜は行く宛もない野良犬だった・・・・・
毎日毎日、その日一日を生き抜くのがやっとの日々・・・・・
蔵蜜自身、人間によって親や兄弟を殺され、一匹生き残った・・・・・いや、生き残ってしまった宿命か、人間を強く恨む怨念を背負って生きていた・・・・・
《ドゴオォォォォォォォォォォォォォォォォッ》
耳をつんざくような、大気と大地を震わすような壮絶な轟音と共に犲狼が振り下ろした右腕が回避も防御も行えていない蔵蜜の頭に直撃し、辺りの地面には無数の亀裂が生じ、その凄まじい破壊力を物語る……
犲狼もまた、霊夢との戦闘時にもあったように、蔵蜜と同じ名も無い野犬の一匹であり、外の世界にて、他ならぬ人間の手によって捨てられ、親兄弟を殺され、激しい怨念と憎悪が渦巻く中でこう悟った……
"弱い奴は何も守れない、強くなければ何も得られない、何かを守ることも、自分の命すら守れない。"
"この世はどこも弱肉強食だ、どれだけ綺麗言を並べようと、弱い奴は屑だ、強くなければ意味がない"
"俺様が誰よりも強くなって弱肉強食の世界を支配してやればいい、そこで俺様の親兄弟を殺した人間を絶滅させ、この俺様の考えが正しかったのだと証明する"
"そのためには誰がどれだけ苦しもうと、息絶えようと関係無い、弱いのが悪いのだ、強さだけが正義だ、強さこそが真理だ。"
こうして強さに執着し、破壊と殺戮を求める犲狼(ケダモノ)が生まれてしまった……
グチャッ・・・・・
・・・・・
《お前は、私と同じだ・・・・・あの時の私と・・・・・
人間を恨み、ただただいつか力を持って復讐してやるということだけを目標にして生きていた、あの時の私と同じだ・・・・・》
(豺狼の一撃が直撃し、右目が抉られ宙を舞い、脳の一部は弾け飛んでゆく・・・・・
蔵蜜は今度こそ本当に動かなくなった体が地面へと倒れゆく中、実際はあっという間の時間だが、倒れゆく蔵蜜自身は走馬灯が見えるほどに長く感じた・・・・・
そして蔵蜜は、今目の前にいる豺狼を、かつての自分と重ねて見る・・・・・)
犲狼
「しぶとい奴だったが、頭を潰されて生きられる奴なんざいねぇ、これで完全に終わったな!!」
仕留めたと思いきや、立ち上がって反撃をしてきた事には驚いた……
そのせいで自身を守る防御の大半が失われた。
だが、能力の結集である鉄壁に近い防御壁が失われようと、もはや残る敵対者は霊夢だけであり、その霊夢もボロボロだ、もはや自分が負ける事はないと考えると、霊夢の方向に向かって歩き始める。
・・・・・ぅ・・・・・ぁ・・・・・
ガシッ・・・・・
(辛うじてまだ生きている蔵蜜は、生きている内にできるだけ豺狼を食い止めようと、豺狼の足を掴む・・・・・
もう力は残っていない・・・・・豺狼が言う、所謂「弱い奴」の部類になった蔵蜜は、それでも強い相手に反旗を翻す・・・・・
借り物の力で戦う卑怯者の豺狼と、最後まで自身の力で戦い、死が近くてもまだ仲間の為に抗う蔵蜜・・・・・
似たような人生を歩んできた二人の決定的な違いはここだろう・・・・・)
犲狼
「……!!?」
《ゾワッ》
犲狼は蔵蜜の残骸は後で喰らえば良いと考えており、一歩、また一歩と霊夢に向けて近付く中、頭の大半が消し飛ばされていながらも、自分の足を掴んで引き留めようとする蔵蜜の姿を見て、本来ならばとうに事切れている筈のダメージを受けながらも自分を止めようとしている彼女に恐怖さえ感じるようになる。
犲狼
「なんだ…なんなんだお前は!?何故まだ生きている!?」
激しく動揺しながらも、自分の脚を掴む蔵蜜目掛けて、残った魔力を自分の尾に集中させ、まるで刃のように変えると、そのまま彼女の腕に目掛けて振り下ろし、腕ごと切断して引き剥がそうとする……
ぐ・・・・・が・・・・・
ガシッ・・・・・
(腕を切断されれば、もう片方の手で掴む・・・・・
死の寸前であるはずなのに、どこまでも抗おうとする執念深さは狂気の域に達しているのかもしれない・・・・・
意地でも霊夢のもとへは行かせないつもりらしい・・・・・)
犲狼
「ちッ!往生際が悪いぞ!!さっさとくたばりやがれ!!!」
犲狼は得たいの知れない恐怖を感じたまま、今度は刃のように変えた尾ではなく、彼女の方へ振り返り(霊夢には背を向ける形となる)、右腕を大きく挙げ、今度は二度と邪魔が出来ないようにその体を跡形もなく消し飛ばそうと右腕に妖力を集束させ始める。
だが、これによって霊夢が反撃を……魔理沙の授けたポーションによって回復し、残された大技を放つための最大のチャンスが出来る……
・・・・・
(霊夢は回復し意識を取り戻すと、すぐ様状況を理解する・・・・・
蔵蜜に気を取られ、豺狼がこちらに気づいていないということは、今この時こそ、全てを終わらせるべき最大のチャンスであると・・・・・
霊夢は気付かれないようにゆっくりと立ち上がる・・・・・)
があ・・・・・ぁ・・・・・
(蔵蜜は回復した霊夢がゆっくりと立ち上がるのを見て、もう少し自分へと気を引かせようと左腕に噛み付く・・・・・)
犲狼
「目障りだ、消えろ!!!」
犲狼は振り上げ、妖力を集中させていた右腕を勢い良く振り下ろし、その圧倒的な妖力の塊を叩き付ける事で既に瀕死に追い詰められていた蔵蜜に対して過剰なまでに強大な威力を持った一撃を繰り出し、バラバラに消し飛ばそうとする……これを受けてしまえばもはや原型すら留めることは困難であると思われる……
その時・・・・・
消えるのはアンタでしょ・・・・・?
ゴオオォォォオオオオオオ・・・・・!
(お祓い棒、大幤を持った霊夢は、次は仕留めるという勢いで全力の一撃を豺狼の背後から豺狼の心臓部辺りへと放ち、豺狼の体を、今まで守られていた体をその一撃によって貫いて外側からも内部からも焼き尽くす勢いで豺狼の体へ大ダメージを与える・・・・・
豺狼が蔵蜜へ気を取られていたこともあり、防御しようにも防御へ回れる隙すら与えない、正に豺狼との因縁に終止符を打つ、最後の一撃・・・・・)
犲狼
「!!?
ぐ……おォォォォォォォ……!?」
勝敗は喫した、もはやこの場には瀕死の巫女と犬神しかいない。
どれだけ反撃を仕掛けようと、この状態であればまともな反撃は出来ないだろう。
そんな考えの下で油断し、更に眼下の蔵蜜一人に意識を集中させていた事もあり、背後にいる霊夢の攻撃に気付けずに攻撃が直撃すると、犲狼は青白い炎に包まれて大ダメージを受ける。
もう終わりよ、その底無しの強欲と共に焼き尽くされなさい・・・・・
(青白い炎に包まれゆく豺狼の目の前には、散々見下し、今まで何人も食らってきた博麗の巫女・・・・・
己の力の足しとしてしか見ていなかった博麗の巫女の力に全身を焼き尽くされるという、何とも皮肉な状況が豺狼を襲う・・・・・
豺狼がもがけばもがくほど、炎をより一層強まり豺狼の全身を包んでゆく・・・・・)
犲狼
「く……そ……!!!」
犲狼
「こんなところで……消えてやるものか……!!どうせ……お前も俺様を他の奴らと同じ弱者だと、ただの犬コロだと思っているだろう!?俺様は強い!!俺様はこんなところで敗れ消える事はない!!」
青白い炎に包まれ、体が霊夢の放った霊力を受けて浄化されつつある中でも、自身の能力を用いてこれまで取り込んだ命を消費する事でダメージや損傷を回復し、蘇生と回復によって青白い炎を相殺しつつ、憎悪と執念に燃える目で霊夢を見る……
犲狼
「お前らのように……俺様を見下し、馬鹿にする者が居なくなるまで……俺様は死なん!!!」
犲狼は右腕を大きく振り上げ、それを横に薙ぎ払うようにして振るう事で地を割る衝撃波を放ち、霊夢を弾き飛ばそうとする……
妖怪の核は精神であり、その精神が……犲狼の場合は復讐と憎悪によって歪んだ弱肉強食の理念が犲狼の力の源となっており、霊夢もまた自分を馬鹿にしている、取るに足らない弱者なのだと見下しているのだと感じ、それが犲狼の生を支えている……
犲狼は強さだけを望み、強さ以外に何も持っていない。
蔵蜜のように誰かを守るために振るうことが出来ず、改心する機会にさえ恵まれず、修羅の世界を歩むしか無かった犲狼のもたらす暴力を前に霊夢は何を思うのか……
力を奪い続けて、他人のふんどしで相撲をとってきたアンタ自身が見下されるようなことをしているんでしょう・・・・・?どんな理由があれどアンタみたいに他人の命を弄んで己の力の足しになるか否かしか考えられないような屑は、正直死すらも生ぬるいと私は思うわ・・・・・
(弱さが仇となって力を求めるまではまだわかる、問題はその先、己の力の足しになるか否かでしか他人を見れない上に命を弄び続けるなんて言語道断だと、死でさえもまだ生ぬるいと霊夢は言い放つ・・・・・
結局はその力も、自分が弱いと一番分かっているからこそ他者から奪い続けてきた力なのに、あたかも自分の力のように言っているのが納得出来ない・・・・・)
犲狼
「ふん、強くなればそんな事は関係無い……!!強さこそが正義!強さこそが真理!強さだけが……絶対だ!!!」
《バキバキバキバキバキバキバキ……》
犲狼は霊夢の言葉を聞いてもその思念が揺らがない。
否定されると言うことは予めわかっていた。否定や拒絶されるだけで犲狼は止まれるほど楽な世界に生きてきてはいない。
犲狼は自らの強者だけが全てを得られると言う理念の下、これまで取り込んだ命達を純然たる身体能力に変え、更に溢れ出す妖力と霊力によってこれまでよりも更に強固なフォースシールドを纏い始め、死にかけていた犲狼は完全に勢いを取り戻すと、その勢いのまま、完全に青白い炎を消し去ってしまう……
そして……犲狼は次第に筋骨隆々な体へと変化し、踏み込んだだけでも地面が砕けるほどのパワーとスピードを獲得し、そのまま霊夢の体を殴り飛ばそうと飛び掛かる……
なっ・・・・・!?
(あの炎に包まれて、もう回復なんて絶望的な状況にまで追い込んだはず・・・・・
気を抜いていたわけではないものの、流石にこれは予想外と言わんばかりの表情をしながら、突然の事態に咄嗟に対処して間一髪のところで豺狼の猛攻を避ける・・・・・
が、フォースシールドも強固になり、豺狼は怒りと力に身を任せる形でより一層凶悪になってしまった・・・・・)
犲狼
「もうテメェらに勝ち目はねぇ……後の事なんざ知ったことか!!失った霊力や妖力はまた奪えばいい!!俺様は誰よりも強い!俺様はもうただの犬コロじゃねぇ!!!」
霊夢に向けて繰り出した拳が凄まじい轟音をたてて地を揺るがし、辺りの地面を砕き、余波だけでも吹き飛ばす程の尋常ならざる破壊力を発揮する……
犲狼の信念の核となっている弱肉強食の理論に対して何らかの反論をするか、その考えを理解するかなどを行い、その激情を抑え込む事が出来れば、犲狼を弱体化させられるかもしれないが、下手を打てば、後先について考えなくなった犲狼による壮絶な暴虐の嵐に呑み込まれてしまうことになってしまうだろう……
・・・・・力に執着するのは、弱者の証拠なのがわからないのかしらね・・・・・
ドォオッ!!!!!
(霊夢は全身にできる限り霊力を集中させて纏い、そのまま豺狼の放った攻撃の余波の中を泳ぐようにして豺狼へと急接近する・・・・・
こうなったら自分の体がどんなに傷つこうが体の一部が抉られようが、力と力のぶつけ合い、でも出来る限り周りへの被害は押さえつつ豺狼を食い止めるしかない・・・・)
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犲狼
「人間ごときが……!この俺様の力に対抗できるとでも思ったか!!!」
犲狼は再び拳を突き出す。
それも、今度は霊夢が避けられないように狙い済ました上の殴打。
犲狼の放った一撃に対してまともに受けてしまえば人間の体では魔術を用いたとしても再生や回復が困難なまでのダメージを受けてしまうだろう……
がっ・・・・・!?
(霊夢は再び避けようとするも、今度は完全に避け切ることは出来ずに右腕に受けてしまう・・・・・
戦闘を行う上で腕を負傷するということは、それすなわちこの先の戦いにおいて不利になるということを表す・・・・・
さっきの青白い炎に包んだ時から一転して、再び追い込まれる・・・・・)
犲狼
「既に瀕死のお前に何が出来る!!体力も霊力も突きかけの状態で倒せるほど俺様は弱くはない!!!俺様こそが"最強"だ!!!」
右腕に犲狼の爪が当たった事で腕がまるごと切り裂かれた霊夢に視界が不明瞭になり、立っていることすら困難になるほどの凄まじい激痛が走る……
更に、犲狼の爪によって付けられた傷は深く、骨をも裂いている程であり、自然に止血する事は出来ずないため、適切かつ迅速な対応を行わなければ、例え犲狼の攻撃を全て避けきったとしても、ものの数分で失血死してしまうだろう……
【記憶の断片】
妖犬
「おい、コイツ知能も力も無いくせに狼妖になったらしいぞ」
妖犬
「偶然弱っていた博麗の巫女を喰ったんだとよ、運のいいやつめ!」
妖犬
「エサもろくに取れないノロマのくせに生意気な、妖獣の恥晒しが!」
妖犬
「お前の居場所なんか無いんだよ!!」
幻想郷に訪れ、犲狼と共に妖獣となった妖犬達であったものの、博麗の巫女を喰らった事で力のある妖になった犲狼に対する妬みや僻みから、犲狼は群れから追われ、独り生きることを強いられた……
強い力と引き換えに友を、仲間を失った……
犲狼
「……俺はまだまだ強くならないといけない。誰もが認めるぐらいに強い奴に……最強の妖獣に……!!」
仲間などいらない、友などいらない、絆などいらない。俺様が手に入れるべきは"強さ"それだけだ。
お前らとは力を求める強さが違う、信念の強さが違う。漠然とした大義のみを盲目的に正義とするお前らに俺様が負けることはない。
俺様は強くなる……いや、強くならなければいけない!!こんなところで立ち止まっている気などさらさら無い!!
例え何をどれだけ犠牲にしようと、最強の存在になれればそれでいい。力こそが……強さこそが全てだ!!!
もはや引き返すことなど出来ない。
最強の妖となって自分を弱者とした人間、自分を蔑み追放した同族達を、獣と見下す妖怪を……その全てに復讐するまで犲狼は止まれない……
あぁぁああああああぁああああぁああぁぁぁあぁぁぁぁあぁあああぁっ!!!!!
(意識を保っていられるのもやっと・・・・・いや、そのやっとも駄目かもしれないほどの激痛・・・・・
負傷した右腕を、反射的に左腕で押さえて目を見開きながらしゃがみ込む・・・・・
左掌を見てみると、右腕から出た血で染まっていた・・・・・
死というものが迫っている証拠が、確かに目の前に、掌にあった・・・・・)
犲狼
「無様だなァ!卑しく地を這う走狗が!!そのまま潰れていけ!!!」
犲狼はその巨大な腕を振るい、霊夢に対してトドメを刺そうとする……
犲狼の弱点や弱さは既に公になっている。その強さの源である思念の源泉についても直感の鋭い霊夢であれば既に把握できているだろう……
活路があるとすれば、そこを突くしかない……
或いは……このまま犲狼に殺害され、受け継がれてきた想いが絶え、終わり無き闇によって世界が閉ざされ、死と絶望が支配する永遠に続く夜闇の世界となってしまうか………
【選択の時まで……残り"4"】
・・・・・ッ_________
(豺狼の動きがゆっくりに見える・・・・・が、それは霊夢自身が豺狼を超えるスピードを得た、というわけではなく、死を感じた瞬間は見える光景がゆっくりに見えるというものであり、霊夢が有利になったというわけでもなければ、寧ろ今正に死が直前にまで迫っている状況である・・・・・
霊夢の脳内では様々な思考が交差する・・・・・
人間である以上、自分が立ち向かえるのはここまでなのか、幻想郷の為に役に立つことがほとんどできなかった、など霊夢は絶望に呑まれそうになっていた・・・・・)
《ドゴオォォォォォォォォォォォォッ》
犲狼の振り下ろした爪が激突すると二人のいる森から離れた場所からも目視出来る程の土埃と爆発が巻き起こり、その凄まじい破壊力を物語る……
全てのチャンスを失った霊夢を待ち受けるのは絶望に満ちた死か、起死回生の策による生存か……
【残り"3"】
・・・・・なん・・・・・で・・・・・?
(爆煙が晴れると、辺りの木々は薙ぎ倒され、殺風景な景色へと変貌を遂げる・・・・・
が、霊夢は辛うじて無事であり、そして声を震わせる・・・・・)
・・・・・
(霊夢を守ったのは、蔵蜜だった・・・・・
蔵蜜は最後に何としてでもここで博麗の巫女の血を絶やすわけにはいかないと正真正銘最後の力を振り絞り霊夢を守った・・・・・
蔵蜜の背中は骨や内蔵が剥き出しの状態になり、蔵蜜は息絶えた・・・・・)
犲狼
「ちッ!どこまでもしぶとい奴だったな!!だが、しぶといだけじゃあ、何も残せねぇし、何も守れやしない!!それを示しただけだったなァ!!」
犲狼は蔵蜜が半ばゾンビのようになりながらも、まだ動けた事に驚きくものの、結局は力の弱い者では何も何も残せない、何も守れないのだと非常な言葉を告げる……
犲狼の言う弱肉強食こそが世界の真理であり、力の無い者は泣き寝入りし、搾取され、蹂躙されるしか無いのだろうか……
【残り"2"】
・・・・・アンタ、本当に馬鹿ね・・・・・今現に私は・・・・・あんたの「最大の敵」である博麗の巫女は・・・・・こうして守られたのよ・・・・・もう本来は動かないはずの体を必至に動かして・・・・・アンタみたいな他人の力を奪って命を弄ぶことしかできないような何もかもが弱っちい犬を倒すことも出来ない私みたいな役たたずを守って・・・・・それが弱い・・・・・?
(霊夢は切り裂かれた腕を押さえながらゆっくりと立ち上がると・・・・・
「ふざけるな、このクソ犬が・・・・・」
と、豺狼を睨みつける・・・・・
その眼はまるで夜叉のように・・・・・)
犲狼
「"最大の敵"だぁ?何を言っていやがる?博麗の巫女なんぞ所詮はこの俺様の餌でしかねぇ!!それに命を弄ぶだぁ?テメェら人間は肉を喰わねぇのか?野菜を喰わねぇのか?魚を喰わねぇのか?お前ら人間は平気で他の動植物を虐げ、居場所を奪い、ペットや家畜としてその自由さえ奪う。」
犲狼は霊夢と対峙したまま、人間の業について語る。
犲狼の考えはより直接的になれど、それは人間がもたらす独善的な活動から成る、人間を頂点とした生態系、歪な弱肉強食と共生関係について話す。
犲狼
「弱い奴は強い奴の糧でしかない、これはテメェらが教えたことだぜ!!!」
《ゴオッ》
犲狼は霊夢の言葉に正面から反発すると、再度地を蹴ってその巨大な腕を振り上げ、何時出血死してもおかしくない霊夢に向かって飛び掛かる……
ゴガッ・・・・・
(豺狼の無慈悲な襲撃は地面にヒビを入れ、人間が受ければ一溜りもないような恐ろしい威力を発揮する・・・・・
そして、もしこの一撃を霊夢が受けていれば、たとえ博麗の巫女だとしてもその体はいとも簡単にバラバラに切り裂かれていてしまってもおかしくはないのだが・・・・・)
犲狼
「ふん、所詮はそれが人間の限界だ。力のみを求めて生き続け、弱肉強食のみを正義として突き進んで来たこの俺様に、たかだか人間の、それも小娘一匹が勝てるわけが無いだろうが!!」
犲狼は自らが力のみを求めて生きて来た、それ以外の全てを切り捨てて百年もの時を突き進んできた自分に人間の霊夢が勝てるわけがないだろうと言い放つと、土埃が舞い上がる中、霊夢のいた場所から拳を引き抜いて、その場を立ち去ろうとする……
・・・・・捕った
ガッ・・・・・!!!!!
(豺狼がここで土埃が晴れてからちゃんと確認すればよかったものの、自身の絶対的な力を信じて疑わなかったからなのか、豺狼が背を向けたと同時に豺狼の頭部へ何かが激突し、焼けるような激痛が豺狼の全身に走る・・・・・
そしてその痛みが走る直前に聞こえたのは、間違いなくあの巫女の声・・・・・)
犲狼
「ふん、まだわからねぇのかァ?この俺様は常に全身に力の鎧を纏っている。人間ごときの攻撃でどうこう出来るもんじゃねぇよ!!!」
犲狼の後頭部に向けられた一撃は犲狼を守り、先程犲狼の弱肉強食の理念に対して何も応えることが出来なかったため、蔵蜜がその命を削って破壊したものよりも数段強化されたフォースシールドを身に纏っており、容易く防がれてしまう……
そして、当初からずっと展開していた犲狼の唯一にして最強の防御策であるこのフォースシールドを知らずに不意討ちを仕掛けて来る霊夢を見て、所詮は弱い人間、背後からの奇襲や不意討ちに頼らなければまともに反撃すら出来ないのだと少しの失望を抱きながら、右腕を振るい、霊夢の体を引き裂こうとする………
【スキマ空間】
紫
「………当代の巫女は何をしているの……?」
紫は漸く此方で同時進行で行っていた事柄を済ませ、作ることが出来た時間を用いて霊夢と犲狼の戦いを見る……
だが、紫はここで一つ疑問を抱く。
何故、不意討ちをしているのだろうか、何故宝具を使わないのだろうか、何故能力を使わないのだろうか、何故明らかに身体能力で勝る相手に対して素手での戦闘を持ちかけているのか。
やはり、この巫女でも……この霊夢でも幻想郷を守れるだけの実力が……機転が……能力が無いのだと言わざるを得なくなってしまう……
どうやら、早速この完成した策の一つを試してみる機会が来たようだ。
自身の背後に立ち、何も言わずに静かに犲狼と霊夢の戦いを見ている紅白の巫女を見て、そう考える。
ビンゴ・・・・・
ゴォッ!!!!!
(紫が策の一つを試そうとしたその時、霊夢は豺狼が再び自分へ攻撃を仕掛けてきた瞬間、豺狼の腕が目の前に迫ったその瞬間にさっきのように宝具を使って再び豺狼へと強力な一撃を放つ・・・・・
どうやら豺狼が絶対的な力に自信を持って至近距離で攻撃してくるのを待っていたらしく、霊夢はビンゴと呟く・・・・・)
犲狼
「………!!ふん、そんな棒切れごときでこの俺様を倒せるとでも思ったか!!!」
《ゴオッ》
霊夢の振るった宝具、大幣を見ると、後方へと飛び退くことで寸前で回避をする事で避けるものの、これまでどの攻撃も正面から防いでいたにも関わらず、わざわざ避けた事から、防御することが困難、或いは直撃すると何らかの不味い状況になるのだと思われる。
加えて、犲狼は近接攻撃をするのではなく、右腕を霊夢に向けてその掌から強力な妖力の塊をエネルギー波として解き放ち、距離を取りながら反撃を行おうとする。
ヒュォッ・・・・・!
いい加減に気づきなさい、アンタは他人の力にしがみついて自分が強くなったと思い込んでいるだけのただの薄汚い化け物・・・・・強さと傲慢は違うということすらもわからない奴に、強さを語る資格も、力を手に入れる資格もない・・・・・
(霊夢はエネルギー波の攻撃を高く飛んで避けると、豺狼を見下しながら上記を言う・・・・・
自分の力に絶対的な自信があり、自分を最強と信じて疑わない豺狼が持つ過去が過去だからこそ、一番力に自信がある分豺狼のコンプレックスを的確に突く・・・・・)
犲狼
「黙れ!俺様は強くなれるのなら誰であろうと潰す!強い奴しか価値など無いのだからな!!」
犲狼の放ったエネルギー波を避けた事で、霊夢の居た場所で大爆発が巻き起こる……爆炎に照らされるようにして犲狼を見下ろすように上昇し、力の執着について突く霊夢の言葉を聞いて、自分は強くなれるのなら誰であろうと襲うと応える……
その言葉の中には、強さしか見えておらず、それ以外の他者を守る心や、自分以外の誰かの為に力を振るえる真の強さを持った蔵蜜については見えていないことがわかる。
犲狼
「直ぐに叩き潰してや……
……………!!?」
犲狼もまた、霊夢に続いて飛び上がろうとした矢先、犲狼の体に激痛が走る……それは蔵蜜が生前に犲狼との戦いのなかで与えたダメージの蓄積であり、それが急激な覚醒の負荷と共に犲狼に重くのし掛かり、犲狼の動きが一時的に封じられる。
チャンスは今しかない、霊夢が残った渾身の力を大幣に込めて振るえば犲狼を打ち倒すことも出来るだろう!
これで終わりよ・・・・・バカ犬が・・・・・!!!!!
ゴォォッ・・・・・!!!!!
グォッ!!!!!
(動きが一時的であれ封じられたこの瞬間、全てを終わらせるには今しかないと霊夢は動きが止まっている豺狼へ猛スピードで近づくと、至近距離から大弊を使って三度目の正直と言わんばかりに再び強力な一撃を・・・・・残った力の全てを宿した正真正銘全身全霊、全力の最後の一撃を放つ・・・・・
満足に動く事も出来なければ、蔵蜜との戦いで全身にダメージが蓄積された状態ならば、この一撃は更に豺狼へとダメージを与えることだろう・・・・・)
犲狼
「!!?」
霊夢が振り下ろした全身全霊の力が込められた大幣は犲狼の体を頭から体を両断するようにして犲狼の巨体を、フォースシールドをもまとめて切り裂き、真っ二つになった犲狼の体は地面に倒れる。
犲狼
「く……そ……!!何故だ!?何故この俺様が負ける!?俺様の方が力があった筈だ!!!」
犲狼は体が両断され、塵となって肉体が消え始めても尚、その敗北が認められず、霊夢に対して何故自分が倒されているのか、何故自分が負けるのかを怒鳴るようにして問う……
結局最後の最後までそんな簡単なこともわからないなんて、可哀想ね・・・・・
(真っ二つになった豺狼を哀れむように見下しながら上記を言うと、そのまま「己の弱さを一番理解しているが故に力に執着し、強い力が全て、力が弱いものは生きる価値が無い、そんな考え方しかできない奴が本当の強さなんて得られるわけないでしょう・・・・・?アンタの理論で言うならば、アンタはとっくの昔、力を手に入れる前に殺されているはずじゃない・・・・・結局アンタのそんな浅はかな考えは、アンタの言う「弱いもの」の考え方なのよ・・・・・」と言う・・・・・
霊夢は守りたいモノがあるから力を求める、豺狼は力が全て、弱いものは消し去る為に力を求める・・・・・
真の力の差というものは、ここなのだろう・・・・・)
犲狼
「……なら……俺はどうすればよかったんだ!!弱い奴は何も残せない、何も出来ない!!俺は……俺様は……強者になって俺を馬鹿にした奴らを……俺の親兄弟を虫けらのように潰した人間共を殲滅しないといけなかった!!それが……それこそが俺様の全てだった……!!!」
両断され、地に倒れた犲狼の両手首と足首、尻尾や身体中に生えていた棘が消える中、歯軋りをしながら、自分の強さを求めた理由を、その信念を語り、自分はどうすれば良かったのかと、強い怒りがこもった左目で霊夢を睨む……
・・・・・
(霊夢の心境は複雑だった・・・・・
豺狼もまた、悲惨な過去を持っているが故に、人間へ復讐したいという気持ちが芽生えるのもわからなくはない・・・・・自分だってもし家族がいて全員が殺されたら、我を忘れて復讐の鬼と化すかもしれない・・・・・
この問いに必要なのは、誰もが納得するような正しい答えではなく、豺狼が納得する答え・・・・・
それが正しいかはわからないし、霊夢もその答えが何なのかは断言するには難しい・・・・・)
犲狼
「強さだけが正しい!強ければ……弱い奴らをねじ伏せてどんな事だって正義に出来る……!俺様はそれになりたかった……!!!」
犲狼の体の手首や尻尾等の末端部分が塵となると、今度は両手足が消滅し始め、両断された内、霊夢によって右目を潰された右半身はその大半が消える中、犲狼は呪いのようにその無念を語り続ける。
人間への復讐とそれを行うための強さへの渇望のみが犲狼の活動源となっていた……何が正しいのか、それは誰にもわからない。だが、霊夢の望む正義や理想はどのようなものであるのだろうか……
それじゃあアンタがまだただの犬だった頃、ただの犬からすれば強い奴らになる人間に家族を滅ぼされた時・・・・・アンタが言う強さこそが全てで正義であるならば、 アンタの親兄弟を葬った人間の行いも正義になるわね・・・・・?
(豺狼の言葉を聞き、霊夢は導き出した一つの答えを提示する・・・・・
生き物それぞれに正義があり、その正義は時に誰かの悪になる、正しい正義なんてものは、存在しないのかもしれない・・・・・
消えゆく豺狼に提示するに相応しい答えなのか、霊夢にはわからない・・・・・)
犲狼
「そうだ、俺様はそれを人間共から教わった……だから今度は俺様自身が更に強くなって奴らを根絶やしにしようと思ったまでだ……!!」
両手足と切断された右半身が跡形もなく消滅するものの、自分はそうやってかつて弱かった時に全てを奪われ、今の弱肉強食の思考に目覚めた事で犲狼は自分が強くなって復讐を成し、それを正義であると示そうとしていたのだと応える。
・・・・・正しい正義なんてものはわからないけど、少なくとも力と復讐心に取り憑かれたアンタは、正義なんかじゃない・・・・・
(霊夢はここで言わなければ豺狼は誤った認識のまま逝ってしまうと思ったからか、豺狼が完全に消滅してしまう前に、豺狼の考え方を正しい正義とは何なのかはわからない霊夢は、少なくともそんなものは正義とは言えないと、豺狼の今までを全否定する・・・・・
親兄弟、全てを奪われた哀しみはわかるものの、それを理由に他者の命を弄んでいいということには決してならない・・・・・)
犲狼
「だったら……俺はどうすればよかったんだ!!?大人しく屠られていろとでも言いたいのか!?」
遂に消滅は犲狼の胴体にまで及び始め、下腹部が消滅していくものの、犲狼はその強い執念だけで消滅を送らせ、少しでも多くの言葉を霊夢に向け、その考えを否定しようとしている……
・・・・・
(消滅してゆく豺狼を見て、答えを見つけ出そうとするも、豺狼も豺狼でかなり頑固な部分があり、納得するような答えが見つからない・・・・・
こればかりは、豺狼にもわからない以上、他人の霊夢も答えに困る・・・・・)
犲狼
「くそ……!!俺様は……こんな……こんな自分の正義すらも無い奴に負けるのか……!?ちくしょう!ちくしょう!!ちくしょ……う……!!!」
《ザアァァァァァァァァァァ……》
犲狼の問いに対して霊夢は何の応えも……いや、何の正義や信念も示さなかった……示したのは拒絶と否定のみ……それが犲狼にとって激しい苛立ちと無念となり、完全に全身が消滅していく中でも恨みの言葉を呟きながら消えていく……
・・・・・もう遅いけど、強いて言うならば、復讐心は仇となる・・・・・長い年月をかけてやっとわかったでしょ?その身をもって・・・・・
(復讐心は何も生み出さない・・・・・己の仇となってやがて返ってくる・・・・・
それを豺狼はその身をもって経験することとなった、長い年月をかけて復讐心を原動力に多くの命を奪ってきた孤独な妖怪の哀れな最後は、復讐心の果てに破滅という答えに辿りついたのだ・・・・・)
紫
「……おめでとう。貴方は無事に犲狼を打ち倒すことが出来た……これで誰かも文句無しに巫女としての適正がある事が証明されたわね?」
塵となって消えていく犲狼に対して言葉を返した霊夢の前に、スキマが開かれ、その奥から嬉しそうに微笑んだ紫が拍手をしながらゆっくりと歩いてくる……
・・・・・おかげでボロッボロよ・・・・・身体的にも、精神的にも・・・・・
(フラフラしながら、紫に上記を述べる・・・・・
正直、なんで今現在もこうして立っていられるかが自分でも不思議で仕方が無い・・・・・
豺狼との戦いでは力だけではなく、精神も削られた気がする・・・・・)
紫
「妖との戦いは心身を共に消費する、始めての戦いでありながらあれだけ渡り合えたのだから上々よ。」
紫は開かれたスキマを跨いで地上に降り立つと、心身共に大きく削られた霊夢を見て、霊夢が独力ではなく、魔理沙や蔵蜜の協力があってようやく犲狼を打ち倒せたのだが、それを言及する様子はなく、ただ微笑みを浮かべたままそう告げる。
・・・・・違うでしょ!?アンタが今するべきことは私を褒め称えることでも、妖怪との戦いは心身ともに疲労困憊することを説明することじゃない!!!!!この戦いで命を落とした者がいるんだから手を合わせるくらいしなさいよ!!!!!
(霊夢は紫の態度が気に入らなかった・・・・・
この戦いは勝ち負けがどうとかの問題ではない、家族を失い、元々力は無かったものの妖怪に成り果てた豺狼、そして蔵蜜・・・・・
同じ境遇なのに真逆とも言える道を歩んだ二人、この決定的な違いがあるとしたら何なのかはハッキリとはわからないが、豺狼のような妖怪が今後生まれないことを祈るしかないこともあるが、今は紫が蔵蜜の遺体の前で手を合わせるのが最優先だと激昂する・・・・・)
紫
「……彼女の事は残念だったわ……彼女とは昔から共に同じ志を持った……"親友"だった。けれど、争いの絶えないこの世界で一つの理想を追求すればこうなるのは自明の理。」
紫は最早肉片のようになってしまった蔵蜜を見て、少しの沈黙の後に霊夢の言葉に対して、何時かはこうなると言うことはわかっていたと応える。その声は少し弱まってはいるものの、涙が流れることは無かった……
紫
「………ありがとう、貴方の事は忘れないわ……」
もはや原型すら留めていない蔵蜜を見て、確かに彼女であると確信し、目を閉じて感謝の言葉を呟く……
親しい者との別れを馴れたいだなんて思った事は一度も無かったのだが、こうして友を失うことに対する抵抗や後悔すら薄れて行っている事が自分でもわかる……
だが、これも全てはより良き幻想郷のため……
・・・・・
(蔵蜜の残骸が、豺狼との激闘を物語っている・・・・・
正直、元々そこまでの力もないが、病気で弱ってゆく中豺狼をあそこまで攻撃できたのは、火事場の馬鹿力にも似た、必死の抵抗だったのかもしれない・・・・・)
紫
「……"無限の幻想世界"でまた会いましょう……」
紫は蔵蜜の亡骸を見て、彼女の死は無駄にはしない。
永劫普遍の幻想世界……完全なる幻想郷の最終到達点、そこに至った時にまた会おうと、その真意が伺い知れない言葉を呟くと、霊夢へと振り返り、一言だけ言葉を口にする。
紫
「帰りましょうか、私達の神社へ……」
紫が通って来た異様な紫色の空間に無数の目玉がギョロギョロとせわしなく周囲を見渡しているスキマ空間から、博麗神社へと切り替わる。
死闘が終わりを迎えた……だが、この事が後世に語られる事はない……
紫によって失われた過去の一つとなる……
・・・・・
バタン・・・・・
(戦いの疲れとダメージもあり、神社へ着くなり倒れて眠りにつく・・・・・
巫女になって初めての戦いにしては、なかなかかなりヘビーな戦いではあったものの、これで幻想郷を守ってゆく者としての自覚は持てたはずだ・・・・・)
紫
「お疲れ様、博麗のみ……いえ、霊夢。」
紫は神社に付くなり布団も敷かずに畳の上に倒れ込んだ霊夢を見て、何も言わずに右手を霊夢に向けて差し出して霊夢が受けたダメージや外傷を治癒しながら、左手で優しく彼女の頭を撫でてお疲れ様と労う。
始めての戦いの中で、これまでの人生の中でも味わった事がないであろう緊張や怒り、悲しみと様々な感情が起こっただろう……幻想郷に巣食う悪の因子が一つ除かれたものの、その代償として尊い命が奪われた……
これから博麗の巫女として活動していれば今回のような事が何度も起こってしまうだろう……だが、今は、今だけは彼女が休めるよう、敢えて役職ではなく、彼女の名前を呼ぶ。
・・・・・
(霊夢はどこか安心したような表情で、紫が治癒してゆく中、眠りについている・・・・・
初めての戦いにして博麗の巫女の因縁の敵を倒さなければならないというのをいきなり任され、戦い方に関してもまだ未熟な彼女からすれば、正に疲労困憊という戦いだった・・・・・)
【二日後】
魔理沙
「おーい、霊夢ー!」
犲狼との死闘から二日の時が流れた。
今でこそ恒例になっているものの、当時はまだ霊夢について知っている者は極僅かであり、宴会が開かれることも無かった。
青空が広がり、平穏な空気に満ちた博麗神社に底抜けに明るい魔理沙の声が響く。
んん〜・・・・・?
(霊夢は昼寝をしていたらしく、魔理沙の声が聞こえれば目をこすりながらゆっくりと体を起こす・・・・・
また妖怪が現れたのだろうかと思いながら、豺狼の時のようにかなり苦戦するような妖怪がまた相手だったら嫌だなぁと内心思いながら・・・・・)
魔理沙
「噂で聞いたぞ?あの百年の間、人里を脅かしていた妖獣の頭目をぶっ倒したんだってな?おかげで激レアのポーションが全部無くなっちまったが、倒せたんならいい!」
魔理沙は箒に乗って境内に降り立つと、箒から降り、右手で器用にクルクルと箒を回して持ち直すと、一度犲狼に敗れ、二回目の霊夢と共に戦った時も途中から戦力外になって撤収したものの、あの犲狼を倒せたのであればそれで満足だと言う。
魔理沙
「あれ?そういやあの犬みたいな神様は此処には居ないんだな?」
ふと、辺りの様子を見て、戦線離脱した自分と入れ替わるようにして犲狼と交戦した蔵蜜の姿が無いことに対して少し不思議そうに問いかけてみる。
・・・・・戦死したわ、私を庇ってね・・・・・
(魔理沙が蔵蜜に関して聞いてくると、霊夢は自分を庇って戦死したということを明かす・・・・・
庇ってもらった結果、今こうして生きていられるというのもまた事実ではあるものの、霊夢本人からすれば、とても複雑な心境であるというのもまた事実・・・・・)
魔理沙
「………!!?」
魔理沙
「そう…だったのか……
悪いな……嫌なことを思い出させて……」
特に深い意味もなく聞いてみたのだが、まさかあの助っ人が殺害されてしまったとは思わず、蔵蜜が戦死したと知り、左手で目元を隠すように帽子で持つと、静かに謝る。
・・・・・知らなかったんでしょ?仕方ないわ・・・・・
(そう言うと「・・・・・正直、あの豺狼相手に手負いの状態であそこまで立ち向かえた彼女は、私よりも戦いに貢献したと思っているわ・・・・・正義感においても、精神力においても、とてもじゃないけど適わない・・・・・」と、話したりすることは殆どなかったものの、それでもどれほどその正義感が大きかったのかを理解していて・・・・・)
魔理沙
「……………………。」
返す言葉も無い。
自分は戦いの途中、二度も犲狼から逃げた。
村の集落で霊夢と共に戦った時は集落を守れず、逃げた犲狼を追って森の中で戦うも、蓄えた魔法道具の大半が破壊され、それどころか逆に犲狼に魔力を奪われ、リベンジとして霊夢と共に挑んだ戦いにおいても、頼みの綱であったポーションを全て使いきり、何も戦いに貢献できなかった……
その自分が自らの死をも覚悟して戦った犲狼や、死闘の末に犲狼を打ち倒した霊夢について何を言えるのだろうか……
・・・・・なんて顔してんのよ、気にすることないわ・・・・・あれだけ激しい戦いだったんだもの、負傷して離脱するのは仕方が無いことよ・・・・・
(戦いに貢献することが出来なかったことを気にしている様子の魔理沙に、霊夢は気にすることはないと励ますように言う・・・・・
豺狼の力は、魔女である魔理沙は勿論のこと、博麗の巫女である自分や同じ妖怪である蔵蜜をも圧倒的に上回るほどの驚異的なパワーだった・・・・・
いくら常人とは桁違いの力を持っていても、魔女も博麗の巫女もやはり人間、今回の戦いは勝てたのが奇跡だったのかもしれない・・・・・)
魔理沙
「……ああ……そう……だな………」
魔理沙
「空気を切り換えるために自己紹介でもしておくか!
私の名前は霧雨魔理沙!普通の魔法使いだ!」
明るい様子に戻り、悲しい雰囲気になっていたところを一転させようと、これで三度目の顔合わせになるものの、まだ自己紹介もしていなかった事から、取り敢えず自分の名前について先に話し始める。
私は博麗霊夢、博麗の巫女よ・・・・・
(そう言うと「そう言えばまだだったから言っておくわ、一緒に戦ってくれてありがとう・・・・・」と、豺狼との戦いはいつ〇されてもおかしくはないほどの死闘だったのに、一緒に戦ってくれたことに対して感謝の言葉を述べる・・・・・
蔵蜜が豺狼の力を削ってくれたこともあるが、魔理沙の助けがなければ、正直豺狼に負けていただろうと霊夢は思っていて)
魔理沙
「それじゃあ、これから宜しくな、霊夢!」
"霧雨"と言えば人間の里において屈指の規模を誇る大手道具店であり、幻想郷内にて揃わぬ物無しと言われ、里の物流の一角を担っているほどの知名度を誇る"霧雨道具店"の経営一族の名前だ。
そんな名家の令嬢が魔法使いのような格好をしていたり、お供も無しで外を出歩いていたり、霧雨道具店では取り扱っていない魔法道具を使っているのか等、様々な疑問を抱く機会があるものの、霊夢は巫女になる以前の記憶が無く、その疑問にも気付かないのだろう。
魔理沙
「おっと、そういや此処に来た目的を言い忘れていたな。」
肩に箒を乗せて先程までの悲しい雰囲気を吹き飛ばすように屈託の無い心の底から楽しそうな満面の笑みで此処に来た目的について話そうとする。
えぇ、よろしく・・・・・
(まだ少しだけ眠そうな表情をしながら言うと、魔理沙の言葉を聞き「目的・・・・・?言っておくけど、この神社には賽銭なんて全然ないわよ・・・・・?」と、魔理沙の目的はひょっとしてお小遣い要求とかなのではと思い、この博麗神社には賽銭は全然ないということを告げ・・・・・)
魔理沙
「私が目的にしているのはこの神社じゃない。霊夢!この私と決闘をしろ!!」
魔理沙は左手を振り上げ、勢いを付けるようにして振り下ろした左手の人差し指で霊夢を指差すと、自分の目的は賽銭でも感謝の言葉でも無く、霊夢との決闘であると告げる。
・・・・・はぁ?
(魔理沙の目的が予想外過ぎて、思わずはぁ?と反応する・・・・・
そして「私寝起きだから、アンタの思うような力出せないと思うんだけど・・・・・」と、戦ったとしても寝起きの自分と戦う場合は魔理沙の納得できるような状態でもなければ結果にもならないはずだと助言する・・・・・)
魔理沙
「おいおい、博麗の巫女ともあろう者が随分とずぼらな生活をしているんだなぁ。」
魔理沙は霊夢が寝起きだとわかると、指差した左手をゆっくりと降ろし、ため息を一つつくと、自分は"遅寝早起き"を徹底していて早朝である今の時刻でも平気で活動出来ている(道具店の令嬢だった頃に身に付いた習慣の一つ)のに対し、ずぼらに見えてしまう。
魔理沙
「仕方がない、この私が朝御飯の用意をしてやるから、先ずは顔を洗ってこいよ。」
そのまま決闘に持ち込もうとしたものの、寝起きの状態で勝っても意味はない。万全の状態の博麗の巫女に勝ってこそ、自分の努力が報われる。
家を勘当され、居場所の無くなった自分が両親や里の連中を見返す唯一の方法だ。幻想郷の守護者にして最強の人間と言われる博麗の巫女(霊夢が数日前に巫女になったばかりとは知らない)を倒すことで自分の力を証明できる。
そのためにも、自分が神社にある食材を使って何か適当に朝御飯を作っておくから、霊夢は眠気覚ましのために顔を洗って来るようにと言う。
はーい・・・・・
(そう言うと立ち上がり、寝癖で乱れた髪、そして背中をポリポリとかきながら顔を洗いに行く・・・・・
ここまでずぼらな感じだと、あの豺狼と激闘を繰り広げた博麗の巫女と同一人物過度か疑わしくなるほどではあるが、霊夢は霊夢で今回の戦いでは心に傷を負ってしまった為、こうして気持ちの切り替え及び普通の日常生活を送ることで霊夢なりに心のケアを自己的に行っているのだ・・・・・
どんなに強い者でも、傷ついた心を修復するのは難しい・・・・・)
魔理沙
「さて、と。それじゃあ早速作るか!」
手にしていた箒を縁側近くの壁に立て掛け、顔を洗いに洗面所に向かう霊夢を見送ると、裾を肘上にまで捲って台所に向かい、食材を確認すると脳裏にこれから作れる簡単な料理を思い浮かべると、元々勘当されてから独り暮らしをしていた事からテキパキと米を研ぎ、白米を炊き魚が焼けるまでの間の時間を使って白菜や大根等の野菜を小さく切り、着々と朝飯を作っていく。
・・・・・
(顔を洗っている最中、頭の中で浮かぶのは、何気ないこういう日常が幸せというものなのだということの再認識・・・・・
そして、いきなり押しかけてきて勝負しろという魔理沙の謎の要求の真意は何なのか、ということ・・・・・
自分よりも強い相手なら、妖怪などの人外にはなるものの多くいるのにと思いながら・・・・・)
魔理沙
「よし!われながら良くできたな!」
ちゃぶ台の上には茶碗一杯分の白米と、白菜の味噌汁、鯖の焼魚と典型的ながらも比較的簡単に用意できる朝御飯を用意しており、それを綺麗に並べ、箸も一膳添えてその出来具合に対して自分でも上手く出来たと喜びながら、霊夢が戻ってくるのを待つ。
・・・・・私よりも料理が上手い・・・・・
(寝起きで結構モタモタしていたのと、魔理沙の目的の真意を考えていたからか、戻ってきた時にはもう朝ごはんが用意されていることと、自分よりも料理が上手いことに、食べる前からもう驚いている・・・・・
自然と腹の虫も鳴り始める・・・・・)
魔理沙
「…!そうだろそうだろ?何と言ってもこの私が作ったんだからな!」
物をあまり整理整頓するような几帳面な性格ではないものの、炊事選択などの最低限の家事スキルは独り暮らしをしていれば自然と身に付いて来る。
ある種当たり前に行っていた事であったものの、それを認めてもらうのは心地よく嬉しい、思わずその感情が満面の笑顔となって現れる。
いただきまーす!
(魔理沙の自慢気な言葉そっちのけな勢いで目の前の料理のいい匂いに我慢出来なくなり、物凄い勢いで食べ始める・・・・・
「うまあああぁぁぁあああーーーーーーーーーーーーーーい!!!!!」と言いながら物凄い勢いで料理が減ってゆく・・・・・
こういうありふれた日本の朝ごはんという感じの食事は身に染みると同時に「アンタの勝ちよ魔理沙、これは私じゃあ作れないわ!」と、無理矢理勝負の方に決着をつけさせようとする・・・・・)
魔理沙
「ははは!そんなに褒めても何も出ないぞ?」
みるみる内に料理が減っていくのを目の当たりにして、大食い選手権を開けば確実に優勝できるだろうスピードに驚くが、こうして美味しそうに食べているから作ったかいがある。
魔理沙
「おいおい、何を言っているんだ?まだ勝負は始まってもいないだろ?」
自分の勝ちだと言う霊夢の言葉を聞くと、満面の笑みをしたまままだ勝負は始まってすらいないだろうと応え、これはこれ、それはそれと少し分けたように応える。
て言ってもねぇ・・・・・勝負したいって言われても、私と勝負をしてどうしたいのよ?
(いつの間にか料理は全て霊夢の胃袋へと入っており、食べ終わった霊夢は自分と勝負をして一体どうしたいのか、と聞く・・・・・
目標はもちろん勝つことだという大体の予想はできるものの、何故自分に勝ちたいのか、その後どうしたいのかというのは全然わからずに・・・・・)
魔理沙
「………純粋に力を比べをしてみたいだけだよ。それとも、私に負けるのが怖いのか?」
「もう食べ終わったのか!?」と思わず呟くと、その後に自分に向けた問いを聞いて魔理沙は微笑んだままそう、少し挑発するように応える。だが、その笑みは何処か誤魔化そうとしているようにも見える。
・・・・・納得出来ないわね・・・・・アンタ、嘘つくの下手ね・・・・・?
(霊夢は魔理沙の誤魔化しに気づいていたらしく、嘘が下手だと呟く・・・・・
そして「ハッキリと言ったらどう・・・・・?本当は何が目的なの・・・・・?」と、魔理沙の本当の目的を聞き出そうとし始める・・・・・)
魔理沙
「……なに、本当に大した事じゃないさ。それに、それを知ったところで何も変わらない。」
これまで、他者だけでなく、自分自身さえ偽っていた、誤魔化すような笑みや言葉さえを"嘘"であると見抜かれると、ほんの少しの間だけ帽子のつばを掴んで目元を隠して黙るものの、直ぐに笑顔に戻り、自分の目的なんて大した事じゃない、霊夢が知ったところで意味の無い事だと応える。そう話す魔理沙の顔は明るい笑顔に混ざって深い悲しみが潜んでいる……
魔理沙
「食べ終わったのなら、食後の運動がてら、かるーく手合わせしようぜ!ほら、早く来いよ!」
催促するように魔理沙は縁側にかけていた箒を手に、境内に出ると、待ちきれないのか、右手を振って早く手合わせをしようと誘う。
・・・・・わかったわ、本当にちょっとした手合わせ程度よ・・・・・?
(深く探るべきか否か、相手の真意を知りたい気持ちもあるが、不必要に探ることで相手を傷つけてしまうということも十分にありえる・・・・・
霊夢はそう判断すると、本当にちょっとした手合わせ程度だと念を押す・・・・・)
【返信遅れてすみません!】
魔理沙
「ああ、勿論だ。何も命をかけた戦いをやりたい訳じゃない、どっちの方が強いのかを測るためだからな!」
手にした箒をクルクルと回して左手から右手へ持ち変え、左手のポケットから緑色の魔力が込められた小さく長方形の瓶を複数個取り出し、何時でも戦闘が可能であることと、此方から戦いを挑んだため、少しでも対等になるように先手を譲ると言う事を示す。
言っておくけど、本当にちょっとだけだからね?
(そう言うと、早速魔理沙の目の前まで瞬時に飛んでいき、霊夢の移動の勢いで起きた風が魔理沙の髪をなびかせる・・・・・
霊夢は食事直後なので、あまり激しい運動をしたくない為これでもかなり手加減はしている方ではあるが、それでもやはりかなり勢いが強い・・・・・)
魔理沙
「そらッ!」
霊夢が自分の目の前にまで移動すると、此方に向かってくる相手を正面から打ち倒そうと、右手に握る箒を霊夢に向けて薙ぎ払うようにして左から右へと振るい、迎撃しようとする。
おっととと・・・・・!
(攻撃を危うく受ける寸前で回避すると、そのまま相手の背後に回り、体当たりをする・・・・・
元々手加減前提のちょっとした手合せとしての勝負ではあるものの、霊夢は食事直後ということもあって満腹な為、思っているように動こうとしても少し難しい状況ではある・・・・・)
魔理沙
「……………?」
背後に回り込もうとする霊夢を視界に捉えると、即座に前転して相手との距離を取ると同時に左手に持っていた魔法薬の入った瓶を投げ、空中で爆発させると、その瓶の中に内包されていた魔法薬が爆煙となって広がっていく。
この爆発や爆煙そのものには大した効果は無く、殺傷力や毒性もなく、吸引しても無害だ。だが、この爆発の目的はこれじゃない。この煙は光を複雑に拡散させる効果を持たせてある。
前転から起き上がると、指先から金色に輝く魔光弾を放ち、それが緑の煙幕の中で無数に拡散し、その煙幕の中にいるであろう霊夢にとって回避困難な全方位からの同時攻撃となって襲い掛かる。
あわわわわわっ!?!?!?タ、タンマタンマ!!!!!
(そう言うと、煙の中からゲホゲホと咳き込みながらよろよろと出てくる・・・・・
攻撃は恐らく全部当たったのか、髪も乱れ服も少し敗れる程度だが、霊夢はかなり焦ったらしく、魔理沙に近付いて「豺狼との戦いじゃあ本気出せた・・・・・というか、不思議と本気が自然と出たけど、ちょっとした手合わせじゃあこれは予想外よ・・・・・大体私は博麗の巫女になってまだ日が浅いから戦いのプロじゃあないし・・・・・」と言い・・・・・)
魔理沙
「確かに、あの狼みたいな化物との戦いの時よりも格段に動きが鈍っているな。しょうがない、それじゃあ"今回は"私の勝ちだと言うことだな!」
魔理沙にとって、いやスペルカードルールの無い今の幻想郷において、手合わせとは互いに致命傷にならない程度の攻撃の応酬を行い、相手を降伏させるものとなっており、そのためならどんな手段も使っても良い。そのため今回は自分の勝利だなと嬉しそうに微笑みながら宣言する。
魔理沙
「しっかし、お前は巫女になったばかりなのか?
……うーん?そういや、前の巫女ってどんな奴だったかな……知ってるか?」
魔理沙は霊夢が巫女になったばかりだと知ると、そう言えば、霊夢の前の巫女がどんな人物だったのかを上手く思い出せず、霊夢は前任の巫女について何か知っているかと問いかける。
今回はって・・・・・
(多分この1回限りじゃあなく、これから定期的にこうした手合わせをすることになるのだろうと悟ると、次に魔理沙の言葉に対して「私も残念ながらそのあたりのことはあまり詳しくないのよねぇ・・・・・紫なら全部知っているとは思うんだけど・・・・・」と言い・・・・・)
魔理沙
「当たり前だ!私は全力のお前を倒したいんだからな!
しかも、私も魔法使いの道を歩き始めたばかりの駆け出しだからまだまだ強くなるぞ!!」
魔理沙は目を輝かせて必ず霊夢を超えてみせると宣言する。
最初こそ、自分がどれだけ手を尽くしても倒せなかった犲狼を蔵蜜の犠牲がありながらも、打ち倒した霊夢の実力を知りたい、あわよくば名を上げたいと考えていたのだが、
魔理沙もまた、魔法使いになったばかりであり、霊夢と殆ど同じ駆け出しの見習いだ。だからこそ歳も近く、同じく経験の浅い霊夢をライバルのように考え、自分の目標として、必ず全力を出した霊夢をも超えてみせると言う。
全力でなんてやったら被害が及ぶからあまり乗り気にはなれないけど・・・・・
(もしいつか全力で手合わせする形になったとしたら、周辺への戦いによる被害が気になるためからか、あまり乗り気にはなれないと言葉を漏らすも、恐らく魔理沙を説得しても聞き入れないだろうと判断し、もしいつか全力でやる場合は周りに建物や人がいない場所でやろうと心の中で思いながら)
魔理沙
「その点なら心配しなくてもいいぜ?なんてったって、被害が出る前に私が決着をつけてやるんだからな!」
魔理沙は自分の力に自信があるのと、自分は何処までも、誰よりも強くなれると信じているため、いざ本気で戦ったとしても周りに被害が出る前に霊夢を倒すと言う。
霊夢は自分と同じ駆け出しだ。
どちらがより強くなれるのか、自分の限界を試してみたい。
あの博麗の巫女と肩を並べて戦えるようになれば、自分を追い出した糞親父達もきっと見返せる。そんな期待と自信を胸に宿している。
随分な自身ね・・・・・それじゃあ、本気の手合わせの時はマジでやらせてもらおうかしら・・・・・?
(魔理沙が本気で言っているのは霊夢もわかってはいるが、霊夢は冗談交じりに上記を言う・・・・・
やはり、どんなに魔理沙が強くなろうと、幻想郷に害を及ぼす邪悪な妖怪などの討伐しなければならない相手ではない限り、霊夢は本気を出すのは博麗の巫女としてまだ完全に力は開花してはいないものの、本能が危険信号を灯しているのかもしれない・・・・・)
魔理沙
「おう、勿論だ!まあ、それでも勝つのは私だけどな!」
自分が自分であるためにも、冗談交じりに応える霊夢に対して魔理沙は例え霊夢が本気を出したとしても自分が必ず勝つと強調するように言う。負けず嫌いの自信家である彼女にとって、今回の戦いにおける勝利はその闘志を燃やす糧になっている。
魔理沙
「でもそうだな……確かに周りへの被害を抑えつつ、勝敗を決められるような決闘ルールが欲しいな。」
魔理沙は後にスペルカードルールの根底部分になるであろう箇所について、特に深い意図も無しに口にする。現在の幻想郷にはスペルカードルールは存在せず、犲狼との戦いのように命を賭けた戦いになってしまっている……
ルールねぇ・・・・・まぁ基本、ルールなんてものがないような戦いはこの前みたいな妖怪退治だけな気がするけど・・・・・
(幻想郷では様々な種族が暮らしている・・・・・それこそ、今の自分たちのようにちょっとした力比べの為に手合わせをする妖怪もいるだろう・・・・・
しかし、そんな妖怪達でも豺狼のように人里への被害を出したりなどはせずに、極力周りへの被害は出さない程度に力は抑えているはず、つまりルールがない戦いというのはこの前の豺狼との戦いのようなことを言う・・・・・
今の自分達も、どこか意図せずしてルールを設けているような気もしなくはない気がするが・・・・・)
魔理沙
「ま、今日のところは私も要件が済んだからこれで帰るとするか。
明日また手合わせをしよう!明日ならもっと力を出せるようになっているかもしれないからな!」
少し新しい決闘ルールについて考えてみるものの、先述した以上のものが考え付かず、今日のところはもう自分も要件が済んだからこれで帰ると言うと、霊夢に向けて右手で指を指してまた明日決闘を行おうと誘ってみる。
明日って・・・・・思ったよりも近々だったわ・・・・・
(戦い以外では基本のんびり過ごしたい霊夢はまた明日やろうという魔理沙の言葉を聞き、思っていたよりも近々にやるという事実に思わずもう疲れたような表情を見せる・・・・・
しかし、霊夢もルールを設けなければならないという話は真剣に考えていて)
紫
「はぁ〜い、ごきげんよう霊夢。
……って、あら?考え事をしていたのかしら?」
魔理沙はそのまま全力を引き出せていない霊夢に対してであったものの、博麗の巫女に勝ったと言うことから上機嫌になり、そのまま鼻歌を歌いながら箒にまたがって魔法の森の方向に向かって飛んで去っていくと、それを待っていたかのように霊夢の隣に縦に線が生じ、その線が開くと、中から紫は右手をヒラヒラと振りながら現れる。
タイミングを狙っていたかのような登場の仕方ね・・・・・見ていたの・・・・・?
(紫がまるで今までの魔理沙と自分のやり取りを見ていたかのように、魔理沙が去った後すぐにやってくるのを見れば、今までの会話を見ていたのかどうか聞く・・・・・
そして「そりゃあ考え事ぐらい、私だってするわよ・・・・・明日も手合わせなんて、このペースでやっていたら疲労困憊しそうだわ・・・・・」と言い)
紫
「さあ?何のことかしら?私は何も見ていないし、聞いてもいないわよ?」
紫はあくまでも知らないと言うスタンスを取り、自分は何も見ていないし聞いていないから特に自分について気にする必要は無いと答える。だが
その胡散臭い様子からして、見ていたのは確定的だろう。
紫
「あら、丁度いい練習相手が出来て良かったじゃない?」
紫は魔理沙を丁度いい練習相手になると言う。
霊夢は努力や研鑽を重ねて強くなるのではなく、戦いを通して戦場に適応し、自然と強くなっていく感覚タイプである事を紫は見抜いており、その意味も含んでいる。
丁度いいって・・・・・同じ立場になったらそうそう簡単に他人事として言えないと思うわよ・・・・・?
(霊夢は紫と違い、自分が戦場に適応しながら強くなっていくタイプの人間であるということは知らずに、いざ自分の立場になれば他人事には言えないと反論する・・・・・
そして「で、何をしに来たのかしら?」と、紫が何をしにここへ来たのかを問う)
紫
「あら、心外ですわ。私は何時でも博麗の巫女を案じているのよ?」
紫は微笑みながら飄々とした態度で言葉を返して、まるで掴み所の無い煙のようにあくまでも自分は霊夢の事を何時でも心配していて、その上で魔理沙という好敵手の出現を喜んでいる。
紫
「要件については簡単なことよ。此方に来てもらえるかしら?上白沢さん?」
そして、本題について聞かれると、紫がスキマの奥の方へ声をかけると、スキマ空間の奥から困惑や心配といった様々な感情が混ざりあった複雑な表情をした半人半妖の人里の守護者、慧音が現れる。
・・・・・何かワケアリのようね・・・・・
(慧音の表情を見て、その表情から何かワケアリなのだということに気づいて上記を述べる・・・・・
そして「何があったの・・・・・?妖怪絡み・・・・・?」と、妖怪が暴れ回っているのであれば退治しなければならないが、豺狼の件からまだ間もない為か、豺狼戦を思い出す度に心臓がバクバクしてくる・・・・・)
紫
「そう身構える必要はないわ。ただ……今回の件と私について忘れてもらうだけよ。」
紫は微笑んだまま、サラりと今回の一件と自分について忘れてもらうつもりだと言うと、それを合図に慧音が両手を合わせて一拍すると、霊夢の頭の中が薄れ始めてしまう……
今回の戦いにおいて身に付いた技術や才覚、魔理沙についてはそのままだが、紫や犲狼、蔵蜜についての記憶だけが消失する事になる。
え・・・・・?何言って・・・・・
ドサッ・・・・・
・・・・・
(霊夢は紫の言っていることが理解出来ずに何を言っているのと言おうとした瞬間、頭の中が薄れ、ボーッとしたと思えば意識が遠のき、そしてそのまま倒れてしまう・・・・・
目覚めた時には紫とは再び初対面という関係になり、霊夢は過去に紫と関わったことに気づけなくなるという、何とも哀しい現実が生まれることになる・・・・・)
慧音
「……本当にこれでよかったのか?」
紫
「ええ……彼女が次に目を覚ました時には悲しい記憶も全て消えている。博麗の巫女が憂いを抱えているようでは、守護者としての示しが付かないのだから……蔵蜜の事も私が覚えておくわ……彼女もそう願う筈……」
紫は倒れた霊夢を抱え、式の藍と橙に布団を敷かせる中、複雑な表情をした慧音は本当にこれで良かったのかと問うと、紫もまた先程までのような笑みが無くなり、蔵蜜の事も、全て自分が抱えておく、霊夢には何も抱える事無く未来に進んで欲しいと願っているのだと応える……
こうして……次に二人が再開するのは春雪異変の時となってしまう……
_________
・・・・・んん・・・・・ん・・・・・あれ・・・・・?いつの間に私寝ちゃっていたのかしら・・・・・
(霊夢は起きると、ちゃんと布団に入った状態で寝ていたのはわかったものの、一体いつ布団を敷いていつ眠りについたのかが全く思い出せずに、頭がボーッとする・・・・・
が、特に深く考えなくてもいいことだろうと判断し、二度寝する・・・・・)
紫
「……私はあくまでも管理者。助け、守る者じゃない……必要ならば現れ、必要でなければ存在すら知らせない……"私達"はそうあるべき。」
紫は博神社の本堂の屋根の上から霊夢が目覚めたのを見届けると、日が沈み、辺りを夕闇が包み込む中、沈み行く夕陽を背に、日傘を差したまま視線を霊夢がいる方向から地平線の彼方から広がってくる夜闇を見てそう呟く。
紫
「けれども貴方が巫女としての力に目覚めた時……いえ、博麗の矜持を得た時……また会いましょう。」
紫は今後の霊夢の成長に期待をしながら、完全に夕陽が沈むと、背後にスキマを展開し、まるで沈んだ夕陽を追いかけるようにしてスキマの中に入り、何処かへと去って行く……
次に二人が邂逅するのは暫く先の春雪異変になるのだが、この時はまだ誰も知るよしもない………
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『相変わらずだな・・・・・紫らしい・・・・・』
(紫が立ち去る直前、どこからともなく蔵蜜の声が聞こえてくる・・・・・
紫と博麗の巫女、霊夢の新たな出発を見ての感想か・・・・・
それとも、ただの空耳か・・・・・)
紫
「………!?」
スキマに入り、誰にも見送られること無く自身の拠点に帰ろうとした最中、ふと何処からか聞き覚えのある声……蔵蜜の声が聞こえてくると思わず足を止め、辺りを見回してみる……
紫
「…………気のせい……かしらね……」
だが、声の主は何処にも見えない。
それもその筈で、犲狼によって彼女は惨殺されてしまった……もう時を戻すことは出来ない。認められぬ過去に対する未練が幻聴となって聴こえてきたのだろうと考え、自分自身に対する落胆のため息を一つ突くと、開かれたスキマの中へ入り、消えていく……
【始霊伝 完結】