その店にはチーズを使ったお菓子が
沢山売られていますから
他のも味わってみてはいかがでしょう?
(こちらですよ、と歩を進めて相手を案内しつつも
城の兵士達も先程の話や彼女の頭脳明晰さを
知っているからこそ余計な口出しは避けて
静かに目線だけで彼女を見送り
彼女の方も「察しがよくて助かるわ」と思いながら
その店には他にも美味しいお菓子があると伝えて
その話も偽りはないが少しでも相手が
こちらにとって有利になる存在になってもらわなくてはという
彼女の計算で、そんなことも微塵も思ってない相手に
「私の手のひらで踊らされているのにも気づかないなんて
余程純粋なのかしら」と先ほどまで腹黒い考えをしていたが
やはり純粋に楽しんでいる人物を騙すことには
罪悪感を覚えて、せめてその店の味が相手の口に合うことを願い
>>111 毒林檎さん