>>283
氷華
「……人は失ってからでなければ気付けないにも関わらず……平気でそれを奪い続ける……どれだけ言葉で解決しようとしても無駄……屑(悪)は何処まで行っても屑(悪)……」
氷華の瞳の奥にはかつて自分から全てを奪った者達に対する激しい憎悪と憤怒が渦巻いており、それが氷華の心を蝕んで行く……これまで氷華の対峙して来た悪は総じて改心の余地も無い極悪人ばかりだった事もあり、悪人=憎悪の対象となってしまっている……
幸いにも夕渚には背を向けているため、見るもの全てを呪うようなその眼を彼女に見せずに済んだものの、怒りのあまり感情を抑えきれず、声が微かに震えてしまっている。