物語の舞台は現代日本
1万人に1人の割合で異能力者が生まれる世界
ある者は正義のために異能を使い
ある者は私欲のために異能を使う
異なる二つの信念が交錯する時、善悪をも超えた死闘が始まる
冷酷なまでに正義のために日夜犯罪者の粛清を繰り返す
日本の極秘特殊機関"八咫烏"と日本中の犯罪者達の死闘を描いた物語
>>2 ハウスルールと募集枠について
>>3 八咫烏について
>>4 キャラシートの作成例
>>5以降から募集開始&本編開始となります!
【ハウスルール】
1.背後様同士の喧嘩は御法度
2.台詞やロルでの顔文字の使用禁止
3.1日に1回は返信可能
4.死ネタやグロ描写あり
5.ロルは30文字以上お願いします
6.管理できる範囲なら何役でも可
7.モブの使用可能
8.代償無しのチート禁止
9.裏切り有り
【募集枠】
《八咫烏》
1.八咫烏 三羽鴉
八咫烏における最高幹部クラス
名前の通り3キャラまで
2.八咫烏 十二鴉
八咫烏における部隊長クラス
名前の通り12キャラまで
3.八咫烏 鴉
八咫烏における構成員
人数無制限(モブとしての使用も可)
《秘密結社 First(ファースト)》
4.副リーダー
Firstのリーダーを補佐し、時には自ら前線に立つこともある。1キャラ限定
5.情報屋
Firstにおける諜報員
人数無制限(モブとしての使用も可)
6.武闘派構成員
Firstにおける実動隊
隊長クラスも使用可
人数無制限(モブとしての使用も可)
7.その他構成員
Firstにおける構成員
人数無制限(モブとしての使用も可)
8.その他
組織に属していない犯罪者や警察官、一般市民等
人数無制限(モブとしての使用も可)
【組織概要】
1.八咫烏
表社会では都市伝説として語られる事もある対異能犯罪として存在する日本最古の組織。上位組織は存在せず、礼状無しの独断で犯罪者を裁くことが出来ると言う強い権力を持ち、必要とあらば政治家や権力者、果ては同じ八咫烏の構成員の粛清も行うことが出来る完全な独立機関。
三羽鴉の更に上位に位置する金鵄がこの組織を総括しており、必要とあらば無抵抗な民間人の殺害も許可されている。
2.秘密結社First
日本各地に活動拠点を持ち、犯罪行為を主軸として資金を稼いでいる犯罪シンジケート。海外にも活動拠点を持ち、強盗等の大胆な犯罪行為にも手を出しているものの、表社会の人間からはあまり知られていない。
組織のリーダーの意向もあり、殺人だけは決して行わない事を信条としている。
【キャラシート】
「万人を救うことなんて誰にも出来ない。だけど奪うことしか知らない悪を除き、悪の存在しない世界を作り上げることは出来ると私は信じている。」
「凍ったものは美しい、それはどうしてだかわかる?答えは簡単、凍り付いたものは過ちを冒さず、穢れることが無いから。」
名前/麻摩 氷華(あさま ひょうか)
通り名/
年齢/17歳
性別/女
役職/八咫烏 金鵄
法律に捕らわれること無く独断で犯罪者を裁くことが許可された裏の秩序維持部隊の
部隊と言ってもそれそのものが独立しているため、上位にあたる指導機関や組織は無く、政府からの指示も受けず、腐敗した政治家の粛清や不穏分子、外国勢力からの干渉から国を守っている。
また、その権力を悪用して私欲を満たそうとする八咫烏のメンバーの粛清も担当しているため、敵からも味方からも恐れられている事が多い。
性格/元々強い正義感を抱いていて、困っている人を見捨てることが出来ない優しい性格をしていたものの、今では弟の桜空とは対照的にこの世の悪を根絶やしにするためには殺害さえも何の躊躇いもなく行える冷酷な考え方をしており、中でも拷問による情報収集に対して卓越した才を持っている。
冷酷非情に見える彼女だが、唯一の肉親である桜空に対しては非常に強い執着心を抱いており、自分の庇護下に置いて監視しておきたいと言うメンヘラ的な面もある。
容姿/17と若いにも関わらず、異能の開花と絶望による影響で髪の色が白く脱色してしまっている。整った顔立ちをしているものの、その瞳の奥には悪を野放しにしている現代社会への憎悪と絶望の念が渦巻いており、冷たい雰囲気を纏っている。
能力/『氷蓮六華』
冷酷な彼女の心から生まれた異能であり、炎でも溶けることの無い氷を自由自在に作り出し操る事が出来る。
また、実体の無い存在を凍結させて破壊したり操作する事が出来る上に、凍結させた対象はその機能や能力も凍結され封じられる。
直接相手に触れることで相手の体の水分を凍結させることで凍り付かせる事が出来たり、生成した氷塊を浮遊させ、それに乗ることで飛行する事も出来る。
八咫烏のリーダーに相応しい強大な異能を持っているものの、生成された氷の硬度は周囲の温度に左右され、高温の場所ではその硬度は大きく低下する上に、高い攻撃力を持つ技であればその氷そのものを破壊する事も出来る。
また、精神に直結した異能であるため、術者である氷華が精神的に動揺している場合にもその異能の効果は大きく低下する。
理不尽な"悪"と断定した相手に対しては無敵に近い強さを誇るものの、そうでないものや、そう判断するのが難しい相手であれば対抗する事が可能なものとなっている。
備考/右利き、幼少期に家に強盗が入ってきた際に両親を目の前で殺害され、彼女自身も強盗に捕まりリンチにあい、その際に両親の命を奪い、自分達を苦しめる理不尽な悪と、それを生み出す現代社会に対して激しい憎悪と絶望を抱くようになり、孤児院に入れられ、表舞台から姿を消して裏社会で生きるにつれてその憎悪と絶望はより揺るぎ無いものになっていった。
犯罪者は救い用の無い極悪人であり、それらを殲滅する事こそ世界をよりよくするものであると確信し、八咫烏のリーダーとしての令嬢無しの独断で犯罪者を葬れると言う権限を用いることで日夜悪人を裁き続けている。
【キャラシート】
「万人を救うことなんて誰にも出来ない。だけど奪うことしか知らない悪を除き、悪の存在しない世界を作り上げることは出来ると私は信じている。」
「凍ったものは美しい、それはどうしてだかわかる?答えは簡単、凍り付いたものは過ちを冒さず、穢れることが無いから。」
名前/麻摩 氷華(あさま ひょうか)
通り名/
年齢/17歳
性別/女
役職/八咫烏 金鵄
法律に捕らわれること無く独断で犯罪者を裁くことが許可された裏の秩序維持部隊の
部隊と言ってもそれそのものが独立しているため、上位にあたる指導機関や組織は無く、政府からの指示も受けず、腐敗した政治家の粛清や不穏分子、外国勢力からの干渉から国を守っている。
また、その権力を悪用して私欲を満たそうとする八咫烏のメンバーの粛清も担当しているため、敵からも味方からも恐れられている事が多い。
性格/元々強い正義感を抱いていて、困っている人を見捨てることが出来ない優しい性格をしていたものの、今では弟の桜空とは対照的にこの世の悪を根絶やしにするためには殺害さえも何の躊躇いもなく行える冷酷な考え方をしており、中でも拷問による情報収集に対して卓越した才を持っている。
冷酷非情に見える彼女だが、唯一の肉親である桜空に対しては非常に強い執着心を抱いており、自分の庇護下に置いて監視しておきたいと言うメンヘラ的な面もある。
容姿/17と若いにも関わらず、異能の開花と絶望による影響で髪の色が白く脱色してしまっている。整った顔立ちをしているものの、その瞳の奥には悪を野放しにしている現代社会への憎悪と絶望の念が渦巻いており、冷たい雰囲気を纏っている。
黒の手袋に黒いコートと言うように、黒装束に身を包んでおり、それはまるで漆黒の鴉のようにも見えるが、青みのかかった銀髪と、氷のような青い瞳を持つ。
https://i.imgur.com/8IUu6oc.png
能力/『氷蓮六華』
冷酷な彼女の心から生まれた異能であり、炎でも溶けることの無い氷を自由自在に作り出し操る事が出来る。
また、実体の無い存在を凍結させて破壊したり操作する事が出来る上に、凍結させた対象はその機能や能力も凍結され封じられる。
直接相手に触れることで相手の体の水分を凍結させることで凍り付かせる事が出来たり、生成した氷塊を浮遊させ、それに乗ることで飛行する事も出来る。
八咫烏のリーダーに相応しい強大な異能を持っているものの、生成された氷の硬度は周囲の温度に左右され、高温の場所ではその硬度は大きく低下する上に、高い攻撃力を持つ技であればその氷そのものを破壊する事も出来る。
また、精神に直結した異能であるため、術者である氷華が精神的に動揺している場合にもその異能の効果は大きく低下する。
理不尽な"悪"と断定した相手に対しては無敵に近い強さを誇るものの、そうでないものや、そう判断するのが難しい相手であれば対抗する事が可能なものとなっている。
備考/右利き、幼少期に家に強盗が入ってきた際に両親を目の前で殺害され、彼女自身も強盗に捕まりリンチにあい、その際に両親の命を奪い、自分達を苦しめる理不尽な悪と、それを生み出す現代社会に対して激しい憎悪と絶望を抱くようになり、孤児院に入れられ、表舞台から姿を消して裏社会で生きるにつれてその憎悪と絶望はより揺るぎ無いものになっていった。
犯罪者は救い用の無い極悪人であり、それらを殲滅する事こそ世界をよりよくするものであると確信し、八咫烏のリーダーとしての令嬢無しの独断で犯罪者を葬れると言う権限を用いることで日夜悪人を裁き続けている。
「あの女はやばい、関わるな」
「お前らのやっていることは正義って言葉を借りた悪だよ」
【プロフィール】
名前 麻摩 桜空 (あさま さくら)
年齢 15歳
性別 男
性格 生きていくためには犯罪に手を染めるのもやむを得ないという考え方ではあるが、絶対に人を殺めない、物理的外傷、及び無意味な暴力は絶対にしないという考え方も併せ待っている、しかし身内や自身の生い立ちに関して否定的な意見を言われると我を忘れて凶行に走るという精神的に未熟な部分もあるが、それは自分が一番痛感していることであり、自分の悪い部分であるということも自覚している
容姿 15歳という年齢に反して、髪の毛は一本残さずに全て白髪に変色してしまっている、また、本来は目の色が左右共に茶色だが左側の目が濁った灰色に変色してしまっていて、視力は失っている、体にはあちこちに痛々しい火傷の跡があるが、当然服を着ているため普段は見えないようになっている、これらの珍しい特徴を除けば特に特徴と呼べる特徴はないものの、顔立ちと体型がモデルのように整っていてスラリとしている
能力 【転送:自身を含め、生物や非生物問わずに特定の場所へと転送できる能力ではあるが、行ったことがある場所や頭の中にしっかりと入っている場所(言ったことがある前提)でなければ適用されない、また、言ったことがあっても記憶から抜けている場合も適用されない、そして転送前には転送先に繋がる空間を展開しなければならないため、必ず予備動作が発生してしまい相手側に気づかれやすいというデメリットがあるが、空間を展開してしまえば転送はあっという間に済むため、よほどのスピードがない限りは追いつかれることは無いというメリットもある】
備考 左利き、幼少期に家に強盗が入ってきた際に両親を殺害されており、しかもそれを目の前で目撃してしまった恐怖から、前述した様に髪が白髪に変色してしまった、しかもそのまま強盗に捕まってしまい、大の大人に幼い子供が適うはずもなくそのままリンチにあってしまう、体中にある火傷の跡や左目の失明はこの時のリンチが原因で負ってしまったものであり、生き地獄を味わう中で使い慣れていなかった転送能力を無意識に発動させてしまい、その際に強盗達を家の外に転送してしまったのだが、家の外の空中に転送してしまい強一人はそのまま落下して首の骨を折り死亡、もう一人は家の柵に落下してしまい串刺し状態になって死亡、異変に気づいた近隣住民は警察に通報し、警察は桜空を精神的に問題ありと判定し、少年院に入れてしまい、そして世間も同じように桜空を能力を行使した精神的に異常な強盗殺害の加害者として見るようになり、これが原因で幼くして性格が歪んでしまい、生きてゆくために犯罪に手を染めるようになった
【キャラシート】
「これまた派手にやったねぇ〜・・・・・毎度毎度容赦のないことこの上ねぇ・・・・・」
「お、出かけんの?俺もついていっていいかなぁ?氷華ちゃん♪」
名前/緋染 悠矢 (ひそめ ゆうや)
通り名/
年齢/17歳
性別/男
役職/八咫烏 十二鴉
常日頃とにかくどこか気の抜けた感じで喋ったりする、八咫烏一の自由人と言っても過言ではない
普段からどこで何をしているのかが不明なことが多く、基本的にプライベートが謎に包まれていたりする(本人曰く「ひ・み・つ♪」)
氷華という最高位の存在に対しても友達のような接し方で語りかけたり、氷華に遊びか本気かよくわからないアプローチをかけたり、他のメンバーに対して圧をかけて面白がったりととにかく色々とやりたい放題の自由人(ちなみに本人は遊びでやっているだけなのでそこはわかってもらえるように氷華に言ってある、遠回しに自分を粛清することのないようにというお願いである)
また、自由気ままではあるがその一方で優秀でもあるため、いつでも三羽鴉に昇格できる人材でもある
性格/前述の通り、自由人である(そして時々度が過ぎる)、メンバー同士のいざこざがあればもっとやれーとけしかけたり、巻き込まれないようにどこかに逃げたりと、簡単に言えば問題児(過去に氷華にいつもの感謝の印として白髪染めをプレゼントしたりと、かなりアウトすれすれのことも平気でやってのけたりする正に八咫烏が抱える爆弾)
容姿/肩までの紅い髪の毛が特徴的で、黙っていれば普通にイケメンと言える程度には顔立ちはいい方、背丈は大体170cm後半、どこまでも深い闇を表したような瞳をしている
能力/『血流操作』
定めた標的の血流を操作して、相手の命を思うがままにできる正に悪魔のような能力
弱点として、相手との距離が3m以内、操作できる時間は一分間という制限があること、しかし氷華が消すべきであると判断した人間や、自分が消すべきだと判断した数多の人間の命をこの能力で奪ってきたため、制限はあっても使い勝手はかなりいい方でもある
備考/両利き、悪人を粛清するために出向く時はカーニバルと称してワクワクしながら赴く、悪人に対しては見ていて面白い、また遊べる、おもちゃが増えたと言いながら決して逃すことは無い、しかし氷華のような歪みつつも持ち合わせている正義感とは違い、面白いからやっている、という感覚で悪人を粛清する、いわば一つの趣味である
キャラシート把握しました!
特に不備もありませんのでOKです!!
ありがとうございます!早速始めますか?
10:◆82:2021/11/04(木) 15:09( その他一般市民で参加希望です!)
11:◆3.:2021/11/04(木) 15:59 >>10
勿論大丈夫ですよ!
【キャラシート】
「八咫烏・・・?ああ、知ってるよ〜。そういう都市伝説でしょう?この前教えてもらったんだぁ」
「私の異能、誰かの役に立てるかな」
名前/ 一ノ瀬 未来( イチノセ ミクル )
通り名/
年齢/ 17歳
性別/ 女
役職/ その他 一般市民
性格/ なんてことない平々凡々なじぇーけー。それなりに交友関係はあり、よく笑いよく泣く。困っている人には手を差し伸べるし、それなりに正義感のある本当に普通の子。ただ、押しに弱く、頼まれ事はすべて引き受けちゃうお人好し。年相応に恋話なんかが好きだし、友達ときゃっきゃうふふするのが楽しい。友達に埋もれて主体性がないように見えるけれど、意外と頑固者で良い意味でも悪い意味でもやられたらやり返す精神。きっと異能もそんな部分から生まれたんだね。
容姿/ 胸元辺りまであるミルクティー色の髪は、日が当たるとふんわりとするような猫っ毛。全体的にふわっとしてる。それをハーフアップにして、黒猫の飾りがついたゴムで結ぶ。前髪は眉が隠れる位置で切り揃えてゆる〜く巻いてるよ。若干垂れ目で瞳の色は藤色。可愛らしい顔立ち。 身長152cmで学校指定のセーラー服を身に纏う。
能力/ nonviolence
自分を傷付けた相手に対し、同じ傷を負わせることができる。痛覚と傷のみを殆ど強制的に共有することが出来る異能なんだとか。例えば、刃物で切りつけられれば、同じ傷が相手にも自然にできちゃう。毒を盛られたとしても、毒を盛った相手さえ分かればその人も毒に侵されることになる。
でも、遠距離からの攻撃とか、自分を傷付けた相手が分からないときは相手に傷ができたり苦しむことはないみたい。
備考/ 両利き。異能開花は最近というか、自分に異能があると気づいたのは極最近のこと。故意で自分を傷付けたわけじゃない人に対しても、同じ傷を負わせてしまうので少々罪悪感を感じる部分もあるようす。自分から積極的に人を傷付けるような異能ではない、という部分に関しては安堵していたり。
戦闘向きではないけれど、もし行うとすれば相手を道連れにするような形になると思われる。
( >>10の物です!バトル系スレなのにあまりバチバチできないような子なのですが大丈夫でしょうか?)
>>12
素敵なキャラありがとうございます!
確かに戦闘に長けたものでは無さそうですが、異能を上手く使えば戦闘特化型にも一矢報いれそうですね!
立ち位置や性格的にも中立寄りのように見えるので、どちらに加担するか、或いは中立を貫くのかも気になりますね!
不備も無いので、明日の本編開始までお待ち頂けると幸いです!
参加希望です
15:◆3.:2021/11/05(金) 14:03 >>14
ありがとうございます!
それではキャラシートをお願いします❗
>>14の匿名さんのキャラシート確認後、本編を開始しようと思います!
17:虫青12◆MM Hoge:2021/11/06(土) 00:40【その他犯罪者で参加希望です!】
18:◆3.:2021/11/06(土) 00:41 >>17
勿論大丈夫ですよ!
キャラシートをお待ちしています!
【キャラシート】
「キラキラ豆腐!複雑骨折でしょう?」
「不審死」
名前/吉川頭島 与作 (ヨシカワカシラシマ ヨサク)
通り名/自転車ぶん回し男 / 都市部唯一の不安
年齢/19歳
性別/男
役職/無職
性格/常に無口だが、肝座って話そうとなると急に上機嫌になる。ただし話すことが特別楽しいという訳ではない。
自分が敬意を表したいと考えた相手には「キラキラ豆腐」という愛称で親しむが、そうでない相手には「豆腐野郎」の名で口汚く対応する。
強気で傲慢な性格をしているが、物事への強欲さは人並以下で、敬意を表したいと考えた相手に対してのプレゼントは少々戸惑う癖がある。
「敵」と「悪」を同一視しない傾向にあり、「敵」とは徹底抗戦する他ないと考えている。一方で「悪」に対してはあまり関わらないように考え、無駄な抗戦を避ける。
通り魔でこそあるが、その異常な感性と性格から彼の味方である人間も多少たりいると言われている。
「キラキラ豆腐」だろうと「敵」である場合は徹底抗戦する。
容姿/頭に巨大な拡声器があり、いつもそのマスクの中にあるマイクを使って会話しているため、彼の声は全てサイレンのような音質になる。
また出来る限りの大きな声を出せば、相手の鼓膜など簡単に破壊できる。これは異能ではなく、ただ単に彼の喉が強いだけである。効果はほぼない。
灰色のパーカーを着ており、また首から何かの警告看板を切り取ったような正方形の鉄板を吊るしている。
https://i.imgur.com/eXTcspP.png
能力/彼に所有権がある「凶器」を極限まで有効活用させることができる能力。
「凶器」は本人がそう考えた小物を表す。
この能力は物によって本人の素の能力を強化させるか物自体を強化させるさせることができ、例として「凶器」である玄翁を使って豆腐を半分に切ることが、またそこら辺の岩を研ぐためのやすりにすることができる。
どのように強化させることが出来るかというのは自ら決められるわけではなく、また本人はそもそもこの能力に対してそういった可能性を考えていない。
備考/かつて内向的で人前に出ないような性格だったが、チーマーなどと絡むようになってから正当化を無意識に働かせて生きる男となる。
それ故、自分が不快に感じる人物は「敵」と見なし、周囲の人物に損を及ぼす相手を「悪」と見なすようになった。いつも緑色の自転車を移動手段兼攻撃手段で使っており、またスリの能力にも長けている。
現在関連傷害事件合計12件、その内の9件は殺人未遂の疑いで警察により捜査が進められている。
世間及び警察間ではこの12件の事件全てが与作による犯行であるということを知らない。
因みにいつでも抗戦、逃走できるように様々な攻撃/妨害用の小物を持っている。
こんな感じで良いでしょうか?
>>19
すみません、幾つか日本語がおかしくなってます。
>敬意を表したいと考えた相手【からの】プレゼントは少々戸惑う癖がある。
>現在関連傷害事件合計12件、その内の9件は殺人未遂の疑いで警察により捜査が進められている【が、】
世間及び警察間ではこの12件の事件全てが与作による犯行であるということを知らない。
連投重ねてお詫びします...
>>19-20
キャラ把握しました!
異能の応用や、所有権認定される条件等についてはかなり幅を広げることが出来そうですが、強くし過ぎない限りはOKです!
それでは、そろそろ本編を開始しようと思うのですが、第三勢力の方が多いのでそれぞれ好きなタイミングで始めて頂いて大丈夫ですよ!
23:麻摩氷華◆3.:2021/11/06(土) 21:53 【八咫烏 東京都/とある高層ビルの屋上】
日が傾き、太陽が地平線の彼方へ向かって沈んでいく様子をビルの屋上から黒いコートに黒い手袋を身に付け、彼女が率いる鴉のように黒衣に身を包んでいるものの、周囲の夕闇や黒衣と反面に暗闇の中に浮かぶ冷たい銀色の髪を風に靡かせて眺めている。
彼女は八咫烏の頂点に君臨する"金鵄"である麻摩氷華。
氷華
「…………貴方は"悪"についてどう考えているのかしら?」
屋上のフェンスに両手をかけ、夕陽に照らされた氷華は後ろにいる者へ声をかける。その問いの内容はまさしく彼女らが殲滅対象と見なしているものであるのだが、その事に対して相手はどのように見ているのか、どのように思っているのかと問いかけてみる。
んん〜?どったの急に?
(伸びをしていたところ、いきなり悪というものについてどう考えているのか、という質問をしてくる氷華に、急にどうしたのかと言葉を返す・・・・・
続けて「たまには夕日を見ている時ぐらいは、悪がどうのこうのとか忘れて景色でも楽しんだらどうかのぉ婆さんや」と、相手の髪の色をネタにしたいじりをする、悪意はない)
>>緋染
氷華
「……私は悪と言うものが理解出来ない。
悪は私欲のままに己の力を使う者がとても多い。
言葉と言う意味では理解しているのだけれど……その本質や性質に対しての理解は欠如していると言わざるを得ない……」
氷華は背後にいる緋染の顔を見ると、再び視線を沈み行く夕陽に向け、彼の髪色に対する言葉に対しても、何時もの事だと思いスルーして言葉を続ける。
最初こそ微かな苛立ちをその言葉から覚えたものの、私情だけで他者を裁くほど狭量でも無ければ感情的でも無いからか、今では苛立ちさえ覚えなくなっている。
氷華
「だからこうして……"悪"に近い貴方に悪について聞こうと思った。」
氷華は背を向けているものの、まるで背中に目でも付いているかのように周囲に対する警戒や注意が向けられているため、不意討ちや奇襲は意味を成さないと言うことがわかるのだが、この注意力や警戒心は氷華のように常に命を狙われている者しか感じられないだろう。
氷華は悪を一方的に排除すべき対象として見なしているのではなく、その考えや性質に対する理解を深めたいと思っているようで、日本の秩序を守る八咫烏に属していながら自らの正義を持たぬ彼を悪に近い存在と思い問いかけている。
氷華
「『恐怖は常に、無知から生まれる。知識は恐怖の解毒剤である』
これは哲学者のエマーソンの言葉なのだけれど、私はこれを一つの戒めと捉えている。」
おいおいおいぃ人聞き悪いなぁ?悪に近いだなんてねぇ・・・・・
(そう言うと「本質ったって、相手側も人間なんだから、悪の度合いもそれぞれ違うもんでしょ?なら、悪について理解しようと奮闘していたらいつまでたっても終わんなくないかい?」と、日々悪を粛清する一方で、悪についての理解が足りないと葛藤する氷華に言葉を返す・・・・・
そして「そういえばさ、最近なんか妙な奴らがなんか色々やってるみたいだね、なんてったっけかなぁー・・・・・確か、ファ、ファー・・・・・」と、組織名を思い出そうとして)
【東京都目黒区/とある歩道橋】
『不安さーん?次どこ行くんすかぁ?』
「...」
自転車を歩道橋の上で漕いで移動する珍妙な格好をした男と、その取り巻きであろう何人かの中高生ほどの少年少女が互いに話し合っている。
その自転車は「不安」を除いて暴走族のように改造されており、そのほとんどが仮面を付けたりパーカーの着、フードを被っていた。
「これからぁ!!商店街です!行きましょう!」
そういうと、歩道橋のフェンスに車輪を掛けて全員そろって自転車で歩道橋から飛び降りる。
皆平然と歩道に目の前の歩道へ車輪を着け、そのまま走っていく。
その危険運転に転倒おろか少しのバランス崩しもなかった。
>>緋染
氷華
「善悪に果てなんて無い。
理解してもその知識が新しい謎を生む……答えの無いものに答えを見付けることなんてそれこそ神にしか出来ないわ。」
氷華は終わり無き善悪に対する思考を行い続けると答える……
彼女は徹底した悪の殲滅を望むが故に、自分達が何と戦っているのか、何を悪とするのか、その事について少しでも理解した上で何をもって裁くべきであるのかを伝える事ができなければ下の者達は付いてこないと考えている。
氷華
「……First(ファースト)。
貴方を召集したのも、その組織への攻撃を行うためよ。」
善悪の倫理観について思慮にふけっていたところ、ふと彼の口から今回の攻撃対象であるFirstについて零れると、その組織への攻撃と制圧こそが今回の本題であると伝える。
おっ、見てよ氷華ちゃーん、なんかあそこにたむろってる奴らいるよ♪
(自分から組織名について口に出し始めたのに、氷華が組織名をちゃんと伝えると同時に今回はその組織への攻撃と制圧が本題であるということを話すものの、どこまでもマイペースな悠矢は歩道橋にいる少年少女の集団を指さして言う・・・・・
そして、続けざまに「あれ?今なんか言った?」と、氷華の言葉を聞いていなかったことがわかる・・・・・)
>>与作、氷華
>>29
『なんかガンつけられてますよ不安さん、どうしましょうあいつら』
「...商店街!!商店街!!」
「不安」が言葉を投げかけると少年少女は揃って一瞬自転車を止め、カッターや玄翁などを手にもち始め、そのまま商店街へ行こうと走行を開始しようとする。
「不安」はさっきより前線へ行き、商店街へ向かおうとする。
>>29-30
氷華
「……向こうは人通りの多い商店街……あのまま暴走したままだと危ない……」
何時にも増して話題が切り替わりると言うようにマイペース過ぎるがあまり、会話の成立がしにくいものの、彼の言う視線の先では商店街に向けて突っ込もうとしている一団を見て、ビルのフェンスから身を乗り出し地上に向けて飛び降りる。
本題であるファーストの取引現場の制圧まで少し時間がある。
それなら眼前で暴走している一団を人目につく商店街に到達するまでに制圧を完了させて鎮圧すればいい。
ビルの屋上から飛び降りた際に空中に浮遊する小さな氷塊を生成してそれらを足場として跳び移りながら右手の掌の中に30cm程の大きさの氷槍を複数本生成して一団の先頭の列の両端を走る自転車の車輪を狙って投げ付ける。
これが当たれば両端にいる自転車乗り達を横転させ、そのまま中央や後方にまで転倒を広げることが出来るだろう。
( 参加許可ありがとうございます!絡み文投下しますね。是非宜しくお願い致します )
__ やばッ 、忘れ物しちゃった !
( 放課後、スマホ片手に器用に街中を歩く少女がひとり。ぴこぴこと頻繁に鳴る端末から目を離し、小さく あっ と声を漏らしたかと思えばぴくっと肩を震わせ小さく叫んで。今週中の課題、今日終わらせようと思ってたのに。そう眉間に皺を寄せてはくるっと華麗に方向転換、早く学校に戻らなきゃと今度は人混みの中を走りはじめる。・・・けれど、勢いよく何かにぶつかればそのまま転んでしまって。悲鳴を上げ、さっとぶつかったであろう相手を見ては咄嗟に謝り。手のひらの擦り傷、自分からぶつかってできたものだけれど相手にもできてないだろうか。能力の判定は、自分でも未だよくわかっていない為不安そうな眼差しを送って。)
きゃっ 。ごっ 、ごめんなさい!
>> ぶつかってしまったそこのアナタ
お、早速いっちょ上がりかな?
(氷華に続いて足場を辿って降りてきた悠矢は、氷華の攻撃によってそのファーストという組織を一網打尽にする前に、早速起きるかもしれなかった事件を事前に防ぐことに成功したかなと感じる・・・・・
そして「で、どうする?殺っちゃう?」と、氷華に聞く)
>>与作、氷華
ドサッ・・・・・
っ・・・・・
(誰かがぶつかってきたため、こちらも体勢が崩れ尻餅をつく・・・・・
かなり勢いよくぶつかってきたため、一瞬何事かと思うと同時に、地面に勢いよく肘をぶつけたのか、肘を押さえさする・・・・・
かすり傷ができたかどうかは別として、そこそこのダメージは受けたらしい)
>>一ノ瀬
本当にごめんなさいッ 、
( 同じく倒れ込む相手の、僅かに苦痛に歪む表情を敏感にキャッチするなり四つん這い状態で近寄って。バッと頭を下げ、半ば土下座のようにして再度謝れば恐る恐る相手の肘に手を伸ばし。痛みには敏感なようで、心底心配そうに眉を下げながら相手の身体を見ては問いかけて。)
肘と ・・・ 他に怪我はありませんか ?
>>33 緋染さん
【すみません名前変えるの忘れていました!ぶつかったの悠矢じゃなくて桜空です!】
ったく・・・・・どこ見て歩いてやがんだ・・・・・
(ぶつかってきた相手の差しのべる手を払いのけて、肘を押さえながら立ち上がる・・・・・
髪の毛が白髪な為か、パッと見は年老いた老人のようにも見えるが、顔立ちから中学生か高校生くらいの少年であるということがわかる・・・・・)
>>34 一ノ瀬
( 分かりました!)
・・・ ごめんね 、急いでて周りが見えてなくて 、
( 立ち上がった相手の、その風貌を目にしては不躾にもじっと見つめてしまって。まだ幼さの残る顔も宛ら、左右で色の違う目や雪のような真白の髪が珍しかったらしい。慌てて立ち上がりまた謝れば「こっちの手も怪我してない?」と恐る恐る擦り傷を見せながら問いかけて。)
>>35 麻摩さん
・・・・・俺に構うな・・・・・
(そう言い残すと、そのまま歩いてその場から去ってゆく・・・・・
が・・・・・)
ポトッ・・・・・
(ポケットから何かが落ちる
見た目は、小さなコンピューターチップのような作りで、色々と情報が詰まっていそうな、ドラマとか映画でよく見るような作りのものだ・・・・・)
>>36 一ノ瀬
・・・ん?
( 行っちゃった、と人混みに紛れていく相手を見ては落し物に気付いた様子。最初はゴミかとも思ったが、なにこれ凄い、なんて指でつまんではまじまじと見つめて。届けた方がいいかも、と顔を上げては遠くに見えた白に向かって走り出して。今度は人にぶつからずに手の届く距離まで来れば、しっかりと声が聞こえるように。)
お兄さーん 、待って待って 、
>>37 麻摩さん
スッ・・・・・
(突然、落とし物の主が瞬間移動でもしたかのように目の前から姿を消す・・・・・
とうやら、相手と同じく能力者であったようだ・・・・・
しかし、これで探すのが困難になった)
・・・・・今、ぶつかってきた奴の声が聞こえたな・・・・・まぁ、どうせお詫びをさせてください、とか言うつもりだったんだろ・・・・・
(相手の雰囲気からして、悪とは無縁のthe・お人好しというような性格だろうと考え、どうせ引き留めてお詫びをさせてくださいだのなんだのとお人好し特有の言葉責めでもするつもりだったんだろうと歪んだ推測をする・・・・・
ただ裏路地に移動しただけだが、これで隠れることは出来ただろうと考える・・・・・)
【すみませんアンカーをつけ忘れていました、>>39は一ノ瀬ちゃん宛です!】
41:一ノ瀬未来◆82:2021/11/07(日) 10:17
えっ!? うそぉ ・・・
( 数m先に確かにいたはずなのに、忽然と消えてしまえば唖然として。もしかして、異能持ちの人?とハッとしては手元に残ったチップのようなものを眺めて。はーあと肩を竦めて呟いたものの、すぐに明るい表情を浮かべては名案だと踵を返し。きっとその人も、なくしたと分かればどこかに問い合わせるかもしれない。そんなことを考え、さり気なく探しつつ歩いて。)
どうしよう 、こんなのすぐ無くしちゃうよ 。あっ 、交番に届けようかな
>>39 麻摩さん
さてと、早く取引先に向かうとするか・・・・・ん・・・・・?
(取引先に向かう前に、改めて取引する物を確認しようとポケットを確認したところ、何も見当たらない・・・・・
反対側のポケットや他のポケットも確認したが、どこにも見当たらない・・・・・
「まさか、さっきぶつかった時か・・・・・!?」
このままじゃ取引はおろか、組織の存続も危ういと判断し、急いでさっきぶつかってきた相手を探し始める・・・・・)
>>41 一ノ瀬
>>31
>>33
「攻撃だぁ!!商店街!!突っ走れぇ!!!!あの冷凍庫『豆腐野郎』じゃないのか!!!」
「不安」はそう叫んだあと、自転車を有り得ない速度で漕ぎだし、氷を避けてそのまま走行を再開。
同時に少年少女はそれぞれまばらに移動し始める。
「商店街着けぇぇぇ!!!強盗(たた)くんじゃなかったのか!?!?」
「不安」は携帯のようなものを取り出してそう叫んだ後、さらにスピードを上げて商店街への到着を更に早める。
>>33
>>43
氷華
「外した……か。
だけど」
【氷蓮六華・頞部陀 群氷千刃】
投げ付けた氷槍が避けられるものの、氷槍が着弾した箇所が凍結して形成された氷塊が周囲へ弾け飛ぶようにして無数の氷刃が射出される。氷塊から放たれた氷刃は全て自転車の漕ぎ手に向けて拡散しており、その氷刃に当たった相手の体を凍結させて動きを止めて転倒させる事で商店街へバラバラになって突進しようとしていく集団を無力化させようとする。
端から見ると地面に刺さった氷槍が潰れて氷の塊となり、その氷の塊が更に破裂したかのように弾けているように見える異様なものとなっている。
氷華は自分達の足場として生成した氷塊に乗って高速で飛行しながら、これまでの様子から彼らの声の中心にいる、この集団のリーダーであると思われる不安一人に視線を定め、より強力な一撃を放つために右手の黒い革手袋を取りながら距離を詰めて行く。
>>33
>>43
氷華
「外した……か。
けどこれで時間はある程度稼げる。」
【氷蓮六華・頞部陀 群氷千刃】
投げ付けた氷槍が避けられるものの、氷槍が着弾した箇所が凍結して形成された氷塊が周囲へ弾け飛ぶようにして無数の氷刃が射出される。氷塊から放たれた氷刃は全て自転車の漕ぎ手に向けて拡散しており、その氷刃に当たった相手の体を凍結させて動きを止めて転倒させる事で商店街へバラバラになって突進しようとしていく集団を無力化させようとする。
端から見ると地面に刺さった氷槍が潰れて氷の塊となり、その氷の塊が更に破裂したかのように弾けているように見える異様なものとなっている。
氷華は自分達の足場として生成した氷塊に乗って高速で飛行しながら、これまでの様子から彼らの声の中心にいる、この集団のリーダーであると思われる不安一人に視線を定め、より強力な一撃を放つために右手の黒い革手袋を取りながら距離を詰めて行く。
これって大事なものなのかな 〜 ?でも大事なものなら ・・・ こんな小さいんだしもっと厳重に保管するよね
( 良い事をするのって気持ちがいい。るんるんと髪を揺らしながら歩き続けること数分。交番の近道ということで薄暗い路地裏へ入って。チップを空に翳しながら、ひとりで上記呟いては歩みを止めて。)
案外いらないものなのかも 。
>>42 麻摩さん
>>44-45
「あんた誰よ!!はよ答えやWOMAN!!「豆腐野郎」か!!冷蔵庫!」
自転車の速度を落として後ろから追いかけてくる女性と並走する状態になる。
そうしながら街中に響いていそうなほどの音量の声で女性に問いかける。
「不安」は目的地へ辿り着けないことに肝を冷やし、妨害したことを怒りつつも、攻撃されたことについてはあまり気にしていない様だった。
『うおーっ!不安さーん!こっち三人脱落しました!!』
『辿り着いてくださいねー!!あなただけは到着しなきゃ何にもできないんですから!!』
「不安」が片手に持っているスマートフォンから複数の声が聞こえる。
「不安」と共に活動している少年少女は全員で15人、残りは全員氷を避けたことになる。
>>47
氷華
「……随分と騒がしいわね?
……私達は名乗るほど大層な存在ではないわ。」
氷華は自分と並走するようにして自転車の速度を落とし、大音量で話し掛けて来るリーダー格と思われる不安と呼ばれる人物がやって来るのを見ると、彼から他の暴走集団へと視線を移し、ゆっくりと両腕を広げる。
両腕を広げた氷華の周囲には多数の10cm程の大きさの氷柱が多数生成され、広げた両腕を暴走族の物達へ向けて翳すと、形成された全ての氷柱が銃弾のような速度を持って打ち出され、リーダー格ではなく、依然として速度を上げて暴走している者達の制止を先に行うことにする。
氷華
「私は警察じゃない……警告は一度しかしない。大人しく下がると言うのなら凍り付けだけで許してあげる。だけど……従わないようなら私は貴方達を"排除"しなければならない。」
自転車乗りの周囲に対して攻撃を繰り出し、尋常ならざる実力を示した上で、リーダー格と思われる相手に対して大人しく下がるのであれば氷付けにするだけで命を奪うことまではしないものの、反発し続けるのであれば容赦なく殲滅すると警告してみる。
尚、氷華の氷弾が当たった自転車達は急速に氷が広がって行き、そのまま乗り手達をも拘束しようとする。
氷華ちゃん・・・・・何ならこいつら、俺が殺っちゃってもいいけど?
(大人しく下がるのならばという判断も視野に入れている氷華に対して、決められないようなら自分が手を下しても構わないと口出しをする・・・・・
そして「悪は悪、善は急げだ、排除するならさっさとしちゃおうよ?」と、標的を視野に捉えた獣のように・・・・・)
>>47、48
おいお前っ!!!!!
(やっと見つけたと言わんばかりに息を切らしながら、さっきぶつかった謎の人物が迫り寄る・・・・・
そして「お前に聞きたいことが・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・ある・・・・・!」と、よほど急いで来たのか、胸を押さえながら息を切らしながら言い)
>>46
>>49
氷華
「私達が裁くべきは法で裁けぬ悪。
無差別な殺戮は私達の役割じゃない、話し合いが通じるのならそれによって解決するべきよ。」
暴走集団に向けて放った氷柱はいずれも殺傷力は低く、直撃してもせいぜい痣が出来るぐらいで、その傷跡や痛みも瞬時に肉体を凍らせて動きを止めるため、殆ど感じない。
やろうと思えば、氷華は商店街に向かう道もろとも暴走集団を氷付けにして破壊する事も出来たのだが、それは氷華の正義とは異なるものだ。
相手が裁くべき悪であるかどうかについての判断が完全に付くまで、無意味な殺戮はするなと釘を刺すように言う。
>>48
「...この前変なヤクザの取引邪魔しまくって無視された高校生たちがいたろ。ネットで有名になったあの動画の奴らだ。」
「あいつら当時、近場でお前と似た女を見たってよ...」
「どっちにしろ死ィィィイイ!!商店街で待ってるWOMAN!」
一瞬重いトーンで、しかしすぐにいつもの調子にもどってそういうと、女性を追い抜いてスピードを上げ、商店街へ先行っていく。
商店街は六里ほどであったが、そこには既に「不安」の仲間が集結していた。
ひゃあっ!?
( 突如聞こえた大きな声に体全身を震わせて。吃驚した、なんて胸元押さえて振り返れば先程ぶつかった人の姿。あっ、いたいた!異能持ちのお兄さんだ!なんて表情を明るくしたが、相手が息絶え絶えだということに気付けば心配そうにして。思わず駆け寄れば相手の背中を優しくとんとんと。)
ゆっくりで大丈夫ですよ 。 ・・・ えぇっと 、聞きたいこと 、があるんでしたっけ ? 実は私も貴方に渡したいものがあるんですよ〜!
>>49 麻摩さん
>>49
「あんた誰ぇ?」
突然の謎の男の登場に肝座って正体を問いかける。
その周りにはいずれも抗戦する予感のない彼らの仲間が囲い込む。恐らく彼らは近道のために様々な場所をパルクールの如く向かって辿り着いたのだろう。全員息を切らす音が無かった。
>>53
【ごめんなさい...間違えました】
>>51
>>緋染
氷華
「……そう、話し合いで解決するつもりは無いようね。
それならもう警告はしない、実力で排除させてもらう。」
《パチンッ》
氷華はU字で高さ5mもある巨大な氷壁を不安を取り囲むようにして瞬時に形成し、彼の行く手を阻もうとする。
自転車をもって飛び越えようとしても5mのほぼ垂直で、表面が滑り易い氷壁を乗り越えるのは非常に困難であり、更に左右へ移動して回避しようにもU字に展開された氷壁はその可能性さえも潰す。
相手の異頭や、異様に大きい声から察するに音に関連する異能を持っている可能性がある事から、浮遊する氷塊を上昇させて距離を取って警戒し、相手からの反撃に備えておく。
既に日は沈み、夜闇の訪れと共に気温が下がり始めている……それはつまり、刻一刻と氷華の能力の制約が緩和されている事を意味している。
氷華
「話し合いによる交渉は決裂した。
後始末は貴方に任せてもいいかしら?」
自分と同じく浮遊する氷塊に乗って殺戮と闘争を待ち望んでいる緋染に対して、商店街に集結し、不安を待つ者達の始末を任せてもよいかと問いかける。
>>54
【お気になさらず〜。】
>>55
「インドォ!!!!」
「不安」はポケットから玄翁を取り出し、続けてその氷に力いっぱい打ち付ける。
目の前の氷には人並の穴が空き、遂に「不安」は商店街へ到着。
「不安」率いる仲間達は再びカッターや縄、バットなどで武装し、「不安」はさっきまで乗っていた自転車を担いで前線に立つ。
「My Name is Yosaku Yoshikawakashirashima (吉川頭島 与作)!!!この商店街は後ろのバルーンで既に人質だ!かかってこいやおらぁ!!!!」
勢いよく「不安」がそう言うと仲間達と共に目の前の「敵」に襲い掛かる。
氷華
「……フフフ、あくまでも抵抗するつもりのようね?
無差別な殺戮は嫌いだけど……戦いは嫌いじゃないわ。」
このまま相手の頭上から攻撃してもいいのだが……それでは面白くない。
Firstの取引現場を潰すまでの前哨戦としてこの戦いを楽しむとしよう。
振り下ろされたバットをステップを踏むようにして巧みに避け、相手の手首やバットを掴み、そのまま相手の体を凍らせ、凍り付いた相手の腕に回し蹴りを放ち、相手の手首もろとも凍ったバットを中距離に控えている暴徒の胴体に激突させて肋を砕いて内臓に突き刺させる。
自分を拘束するために投げられた縄を視界の端で視認すると、その縄を逆に掴み、一瞬にして縄ごと投げてきた相手の体を凍り付かせて絶命させ、カッターを振り回しながら迫ってくる相手に凍った縄の一部を砕き取り、まるで槍のように尖鋭化した氷縄の先端で迫る暴徒の喉元を突き刺し、そのまま相手を蹴り飛ばして後ろにいた暴徒にも貫通した氷縄を突き刺していく。
背後からバットを大きく振り上げながら迫ってくる暴徒にその足音から気付くと、背を向けているにも関わらず、空気を切る音から攻撃の軌道を予知して体を逸らして殴打を避け、そこから流れるようにバットを振り下ろされたバットと襟を掴んで凍り付かせ、そこから背負い投げの原理で地面に叩き付けることで凍った相手の体を砕き絶命させる。
圧倒的なまでに数の差があるにも関わらず、氷華は涼しい顔をしたまま暴徒達を一方的に凍結させて絶命させていく中、相手の用意したバルーンに向けて右手を翳し、浮かびあげられたバルーンを瞬時に凍結させ、巨大な氷塊に変え、その下にいる不安を、彼の傍にいる部下もろとも押し潰そうとする。
こうして敵に包囲された状態での戦いや、多数の敵との戦いには慣れている事もあり、一切の無駄もなく、敵対者を確実に殺傷していく事で数的不利を覆していく。
氷華
「(一度凍結させてしまえば後はその動きも私の支配下に置ける。
後方にあるバルーンに対して彼はどう対応するのか見せてもおうかしら?)」
そのまま浮遊する氷塊に乗ったまま相手の頭上から氷柱を撃ち続けておくだけでも殲滅できたにも関わらず、わざわざ自分から地上に降りて近接戦闘を行う事にしたのは、正義感から来るものではなく、悪と言うどれだけ攻撃しても殺傷しても許される相手であれば自分の闘争心を満たすことが出来るからだと考えている。
初対面にも関わらず相手が自分の事を知っていた事には驚いたが……それ以上の言及も無かった事からさほど気にする必要も無い。もし自分達の存在が公になったとしても、遅かれ早かれの問題だ。
商店街に浮かぶバルーンの中に爆弾が仕込まれていたとしても、自分の凍結能力は、一度凍結させたモノの性質を完全に"制止"させる事が出来ると言う性質から、問題にはならない。
先程相手が氷壁を突き破って逃亡したのには驚いたが……バルーンの大きさは先程の氷壁とは比にならない。破壊するのも容易いものではないだろう。
>>58
「いーじゃん、YESじゃん...そいつら別にMY FRIENDじゃないからいいけどねっへぇ!!」
いつの間にか女性の後ろに回り、仲間だった氷の山々を蹴り上げて近づいてくる。
そして商店街に横たわっている巨大な風船を指さして言う。
「それ壊してみ、中から俺の刺客が隠れて「あぁーその前にぃいいい!!!」
「...名前。後『どこの機関所属か』言おうWOMAN、どうせ『大層な大将』...でしょう?」
そういって指さした手を下げる。
与作はさっき以上に落ち着いており、まるで重荷がやっと降ろせたと感じているかのような安心感を彷彿とさせるような肝の座り方であった。
>>60
氷華
「それを語る必要は無いでしょう?
なにせ……その物言いなら既に私の正体は知っているでしょうし……ね?」
氷華は押し寄せる氷塊と化したバルーンを見て、周囲を一掃するために発動したこともあり、バルーンの軌道は不安のいる場所だけでなく、自分の居る場所も含まれているため、空中に飛び上がり、ビルの屋上から飛び降り、自転車を追いかける際に使用したものと同じ小さな氷の足場を空中に作り出し、それに乗って空中へ移動する事でバルーンによって圧殺される事から逃れていく。
直接触れた場合ならばその内部にまで凍結させる事が出来るものの、その凍結は体表を覆うものに限定されてしまうため、その内部に刺客が潜んでいた場合、せいぜいその異能を内部に封じ込める程度しか効力は及ばない。
相手の言葉がブラフであろうと無かろうと敵対者の人数を削る、或いは対象の異能を推察する考察材料に出来るのならばそれでいい。商店街の一角が破壊してしまうことになるが、悪を削ることが出来るのならばそれでいい。絶対的な正義を執行するためには犠牲が出てしまうのも仕方がない。
【キャラシート】
「正義を執行する側である俺が言うのも何だが、この世に正義なんてもんは無い、あるのはそれぞれの我儘だけだ」
「ああ、アイツ(氷華)は正真正銘の化物だ。人間だと思ってかかれば簡単に潰されるぞ」
名前/狼谷 陽助
読み/かみたに ようすけ
異名/鴉狼(ガロウ)
年齢/38
性別/男
役職/First 情報屋(本職)
兼 八咫烏 十二鴉(潜入先)
所謂二重スパイ
性格/無愛想で口下手であるにも関わらず、口が悪いため、あまり話し合いは得意じゃないものの、20年以上八咫烏に所属し、更に十二鴉と言う幹部としての立場を活かして八咫烏の情報を足が付かない程度に時折流す情報屋。
元々正義についてあまり固執しておらず、救いようの無い極悪人以外を殺傷することはなく、氷華の正義のためには犠牲も仕方がないと言う考えに反感を覚えた結果、Firstの情報屋になる事を決めた。
容姿/身長は182cm
異能でカバーする事が出来ない近接戦闘にも対応できるように鍛え上げられた筋肉質な体を持っており、格闘能力も非常に高い。
灰色のコートに黒いセーターを着ている事が多い。また、ヘビースモーカーでもあるため、煙草を加えている事も多い。
詳細は画像参照
https://i.imgur.com/ETstvq0.png
能力/『暴嵐』
自分を中心とした周囲100m圏内の風を意のままに操る能力。刃物のような切れ味を持った真空刃を放ったり、突風を巻き起こして周囲のモノを引き寄せたり、逆に吹き飛ばす他、一定の範囲の大気から酸素を消して鎮火したり窒息させる事が出来る。
ただし、自分もその風の影響を受けるため、安全範囲として自分の周囲1mの風を操る事はせず、大規模な嵐や強力な竜巻を引き起こす場合、その技の維持と操作に多大な力を消費するため、一度発動させると上記の通り動けなくなることに加えて移動したり、ダメージを受ける等して集中力が一瞬でも途切れると技の発動が強制的に消失する。
また、風を操る異能は維持や操作そのものに体力の消耗が激しいため持久戦や長期戦が苦手で、継続戦能力は低く、本物の身体強化系異能の持ち主等の肉弾戦に長けた相手に対しては身体強化しても押し負ける事がある。
その応用の幅や、破壊可能な範囲から十二鴉の中でも単純な実力だけなら上位に入る程の強さを持っている。
備考/彼は元々は捨て子だったものの、12の時に八咫烏に"神童"として選ばれ、それ以来八咫烏の一員として社会の裏で悪を刈り取って来た。
先代の金鵄と氷華の決闘の見届け人であったため、氷華の真の実力を知っているが故に彼女を内心では"人の形をした化物"と呼んで極力は接触を避けている。
渡したい物・・・・・だと・・・・・?
(相手の言葉にピンとくれば「それって、もしかして小さなチップみたいなやつか!?」と、相手にグンッと迫りよってすごい勢いで聞いてくる・・・・・
その焦りようから、かなり大事な物であるということが伺える・・・・・)
>>52 一ノ瀬
あぁ、任せときなって氷華ちゃん、こいつら、片付けちゃっていいんだな?
(ニヤリと不気味に死神のような笑みを浮かべれば、今目の前にいる奴らを片付けちゃっても構わないんだなと確認する・・・・・
そして「予め言っとくけど、後になってからさっきの命令は間違いだった、とか言うのは無しだからなー?」と、氷華に一応念を押しておく・・・・・)
>>55 氷華
>>61
「YESって言ったのは、そのバルーンのことだよ...『私服刑事』」
「そん中にはMY お消しゴムが入ってる...大量に!!!!」
何かに期待するようにそういった瞬間、バルーンは複数の氷塊をまき散らして破裂する。
「その氷、冷却能力を強化した...MY THINGと融合したことによって必然的にその氷はMY THINGになった...」
「中に詰め込んだ消しゴムを...ひとつ残らず爆発させるために...」
氷塊で崩壊していく商店街、血の海に消え去る逃げ遅れた人々...この場所はもはや「地獄」といって差し支えなかった。
その様子を見てもなお、テンションを一切変えずに女性に語り掛ける。
「はっきり言いなWOMAN、警察だろぅ????名前を知らない...それにその攻撃が正義だとは片腹痛い!-3.33点!!」
そういうと、再び自転車を担ぎこんで構え、女性へ近づいていく。周りの瓦礫から舞う『炎の海』は夜の闇を照らしていた。
氷華
「氷とは分子の運動が完全に制止した状況を刺す。
私の異能はそれが相手の異能にまで拡大される。
異能による作用もまた、分子の運動である事に変わりは無いからね?
つまり……私の氷に覆われた時点で内部にあるモノは無力化される。」
氷華によって凍結されたモノはその機能や異能そのものを凍結され、無効化される。最初のように物理特化の外部からの攻撃に対しては通常の氷と大差ない硬度であるため、完全に無敵な異能ではないものの、相手の異能による干渉を阻むと言う強大な異能である事に変わりは無い。
そうこうしている内に、不安の直ぐ傍にまで地面を削り、多くの彼の部下を圧殺しながら迫って来る……
これが八咫烏の中でも最強の実力を誇る氷華の異能。
圧倒的なまでの理不尽の化身のような力ではあるものの、最初の話し合いの際に選択を間違えなければ氷華と戦う事は無かっただろう……
氷華
「ええ、私の決定で間違えた事は無いでしょう?
大義のためにより多くの命を狩り取りなさい。」
不安達が武器にしようとしていたバルーンを逆に此方の武器として利用する中で、やり過ぎても構わないのかと問う緋染に対して、これまでの戦闘や対象の殺害に対して自分が選択ミスした事は無かっただろうと応える。
>>65
「SUCCESSFUL...!君のその判断!!!」
「後悔しないように。」
そういうと、どこかから取り出したスケートボードに乗って自転車を担いだままどこかへ行ってしまった...。
【リアルで予定が出来てしまったので一旦離脱してよろしいでしょうか...】
>>66
>>緋染
氷華
「所詮は下劣な悪、捨て台詞まで惨めね。
貴方の力を借りるまでも無かったわね、それじゃあ、取引現場まで向かいましょうか?」
《パチンッ》
氷華は指を鳴らすと、凍結させていたバルーンを意図的に弾けさせ、周囲にいる不安の部下全員の脳天目掛けて鋭利な氷の刃に変えて拡散させ、逃げ出した彼の部下全員を殺害する事と引き換えに不安一人だけを見逃すと、緋染にもこのまま現場に向かおうと言う。
今回の戦いで彼の戦法や実力、異能の性質についてはおおよそ掴めた。
この情報を八咫烏のメンバーに伝えておけば残りは他の鴉達に任せておいても充分に排除できるだろう。
【いいですよ!
氷華は物語上、最強格の存在だったので現状で戦闘するには相手が悪かったですね……】
( 八咫烏 鴉 の子で参加希望です )
>>68
【勿論OKですよ!】
>>67
【予定が終わったらまた戻ってきます!Firstにロゴ作ってみましたので、ご審査を...】
https://i.imgur.com/Eriy9mj.png
>>70
【はい、お待ちしております〜。
おおお!凄い格好いいロゴですね!!】
>>参加者の皆様へ
進行相談や雑談などは此方でお願いしたいです!
http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1636379816/l2
【与作さんの背後様の一旦離脱了解しました!】
んじゃ早速・・・・・って、あーれま、逃げちゃったよ
(始末する前に相手に逃げられてしまったものの、続けて「まぁ、いいか、部下はこのザマだし、逃げた奴もいつでも殺れるっちゃあ殺れるし」と言い、特に気にすることもなく見過ごす・・・・・
そして「そういや、取引現場ってこの近くなの?」と、聞いてみる)
>>67 氷華
【進行相談、雑談等のスレッド了解しました!】
>>72
氷華
「ええ、この直ぐ近くの廃工場で取引が行われると言う情報が入った。抵抗するようなら抹殺しても構わない。」
この取引現場はこの近くなのかと言う緋染からの問いかけに対し、本来ならビルの屋上からFirstの構成員が問題の工場に入るところまで視認しておきたかったのだが、思わぬ暴走団の登場により正反対の商店街にまで来てしまったが、距離や時間を考えても今から向かっても充分に間に合うだろう。
相手が抵抗するようなら抹殺も厭わない。
そう伝えると、自分と緋染の乗った氷の足場を取引現場に向けて飛行させる事で夜闇に紛れて移動し始める。
商店街において起こった一連の騒動についてだが、氷華の生成し飛ばした氷は急速に水へ、水蒸気へと変わり、後に残るのはまるで内部闘争を繰り返したかのように無数の屍が転がるのみであり、氷華が戦闘を行った痕跡は消えて無くなっている…
「 どんな事情があろうと悪は悪です。呪うなら自分の運命を呪いなさい 」
名前 : 雛宮 馨 ( ヒナミヤ カオリ )
年齢 : 16
性別 : 女
容姿 : 白が基本で、横毛のみ黒という不思議な髪色。気だるげな瞳は、沈みゆく夕陽のような、力強くも透き通ったレッドで睫毛が長め。透き通った肌はもちもち。アンニュイな雰囲気を醸しているが、身長145糎と控えめなこともありどちらかと言えば可愛らしい部類。
紅いチャイナ服を身に纏う。ほどよく筋肉がついているけれどまだまだ細く女性らしい身体付き。細く軽い文身動きが取りやすい利点もある。肉弾戦も対応できるよう鍛えてはいるが、それでもやはり劣ってしまうので武器を用いる。三節棍や短刀、銃もそれなりに扱えるよう訓練中。
https://i.imgur.com/tsYo1sk.png
性格 : どんな相手であれ、常に一定の距離を保ち態度を変えることもしない。が、案外押しに弱く子供なんかにも弱い。溜息吐きながら渋々引き受けるタイプ。
冷静沈着で中立に周ろうとする構成員。誰の味方にもなりゃしません。意見が一致することはあるだろうけどあくまで自分で判断して動く。淡々とした口調で話すが喜怒哀楽はきちんとある。 ツンとしているからか生意気に思われがち。そんでもってハブられがち。けれど本人は人間関係に関しては差程気にしていないらしい。言動や見た目的にピシッとしてるが、部屋は案外汚いし大雑把だったりといい加減な面も。
能力 : 影の中を自由に移動、また影から出たり入ったりすることも可能。武器の出し入れだってできる。でも光のない場所、つまり影ができない場所では使えない。微かな光があって影ができれば潜り込める。
備考 : 一人称「 私 」 二人称「 あなた , ( 苗字 )+さん 」
八咫烏にスカウトされて4年。淡々と情報を集め指示通り排除するの繰り返し。ただ、排除後にはそっと花を添える、祈りを捧げるなどすることも。救いようのない極悪人を除き、本人の弱さと環境で致し方なく悪に手を染めてしまった人や正義のための犠牲となった人には弱い部分が。どんな事情があろうと悪い事をしたなら罰を受けるべきと口では言いつつも心はついていけてない。ゆくゆくは自分も報いを受けるのだろうと思ってはいる。なかなかに優秀な子。
( >>68の者です!pf確認よろしくお願いします! )
>>74
【確認しました!
自分の中にある正義について葛藤するキャラと言うのも凄くいいですね!!役職についてはどうしますか?】
( 確認ありがとうございます!八咫烏の鴉でよいかなと考えているのですがいいでしょうか?)
>>75 主さま、
>>76
【了解しました!
ではこの後にFirstの取引現場への攻撃が行われるのですが、参加されますか?】
( 参加できるなら参加したいです…!どのように参加というか、絡んでいけばよいですかね…?)
>>77 主さま
>>78
【ありがとうございます!
氷華が東京都の都内やその近辺にいた八咫烏を召集したことから、それに応じる形で馨さんも駆け付けたと言う形にするのはどうでしょうか?】
( 承知しました!そのような形で絡んでみます!)
>>79 主さま
(八咫烏 十二鴉の子で参加希望です…!🙇♀️)
82:麻摩 氷華◆3.:2021/11/09(火) 20:30 >>80
【はい、了解しました!
桜空さんの本体様が初回を投稿してくれると思うので、それまで少々お待ち下さい!】
>>81
【勿論いいですよ!
キャラシをお待ちしておりますね!】
「十二鴉所属…不知火、行きますー…」
名前:不知火 椿(シラヌイ ツバキ)
年齢:16
通り名:
性別:女
役職:八咫烏 十二鴉
性格:正義感の強く、曲がったことが嫌い。
上司の命令には絶対服従。言われたことは完璧にこなすデキる子。
八咫烏に所属し、より多くの人を助けることが出来るのは良いがその反面自分にとっての正義が他者にとって悪であるという考えで日々葛藤している。
容姿:少し釣り気味の朱色の瞳と洗朱色の髪。綺麗めの顔。前髪は眉が隠れる位置で切り揃えている。本当はロングが好きなのだが以前能力の誤操作で燃えてしまったのでボブ。そのかわり横髪がとても長い。猫っ毛なので梅雨になると湿気で髪がとんでもないことになるのが悩み。身長は147センチで色々控えめ、細身。戦闘時以外は手の平を包帯でぐるぐる巻きにしている。厨二病では無い。基本は学校指定の制服(セーラー)戦闘時に火傷が絶えないので救急セットが必須。学生服の上に防火素材のポンチョを羽織って戦う。
能力:「炎」
手の平から生み出す火球を操り遠くの敵に攻撃することができる。また、細かく分裂させて大量の小さな火球を生み出すことができるよ。非常に威力が強く大抵の物は物質問わず燃やすことができる。不意打ちをついてトドメを刺すのが得意。
天候に左右されやすく近距離戦、狭い場所で能力を使うと自分や敵味方を巻き込んで炎上してしまう。また自分より格上の異能力が生み出す物質は燃やすことが出来ない。手から火球を出すたび火傷(軽い物ではある)をするので彼女の手の平はただれている。
備考:一人称「私」二人称「あなた」「(苗字)さん」
基本敬語。
右利き。異能が開花したのは4歳頃。両親は夜遊びをしていてほとんど家におらず祖父母の家で暮らしていた。両親祖父母共に彼女の異能のことは知っていた。両親は祖父母の財産目的で家に火を放ち祖父母を間接的に殺した。両親な彼女に全ての罪をなすりつけ施設に入れた。12歳のとき異能力を見抜かれ八咫烏にスカウトされ数々の条件を満たし齢16にして十二鴉まで上り詰めたがまだ幼き心には悪を罰す正義心と自分の正義に対する疑問が渦巻いている。
(>>82 よよよよ、よろしくお願いします!)
>>83
【投稿ありがとうございます!
特に不備もこざいませんのでOKです!
正義と悪の間で葛藤した果てに、どんな答えを出すんだろう……!】
>>84
(こちらこそありがとうございます!今後の展開について行けるよう頑張ります!)
お、マジで?ラッキー♪
(抵抗するようなら抹殺しても構わないという氷華の言葉を聞けば、ラッキーと呟いて、続けてそのまま「この氷便利だねぇ、普段からこれで移動しない?」と、相変わらずこれから悪人共の取り引き現場へ向かうとは思えないほどにマイペースな姿勢を見せている・・・・・)
>>73 氷華
【では、改めて取引現場での初回文を投稿させていただきます!】
【場所:都内某所】
・・・・・野郎、遅ぇな・・・・・
(取り引きに指定した場所にて、腕時計を確認しながら取り引き相手は桜空の到着が遅いとぼやき始める・・・・・
その時・・・・・)
わ、悪い・・・・・!はぁ・・・・・はぁ・・・・・遅れた・・・・・!
(息を切らしながら現場に到着する、そこまで歳もいっていないであろう少年・・・・・
この近くに、自分達の抹殺を目論む正義の味方達が近づいているということなど夢にも思わずに、遅れはしたものの取り引きは成功するだろうと思っている・・・・・)
>>all様
>>ALL
>>86
【東京都 目黒区/都内某所】
氷華
「集まって来ているわね……
準備はいいかしら?」
商店街での暴徒殲滅から数十分後、廃工場から1kmほど離れた五階建のビルの屋上から取引現場を見張っている氷華が緋染と、彼と同じように召集に応じて集まった目黒区とその周辺で活動していた八咫烏の者達に準備はいいかと問いかける。
( 絡みますね )
いつでもどうぞ
( 五階建てビル屋上にて。金鵄である氷華の問いかけに対し淡々と答えるは構成員の1人。片脚で影を踏んでいるあたり、本当にいつでもいける準備は整っていて。事前に得た情報を素早く頭の中で整理すれば、実際の取引現場の人の配置なんかを想像し。)
>>86-87
桜空「こいつが、頼まれていたチップだ・・・・・」
取り引き相手「ご苦労、ほら、金だ」
(息を整えつつ、取り引き相手にチップを渡すと、引き換えのアタッシュケースを受け取る・・・・・
大きさからして、恐らく金額は一億円ほどだろうと思われる・・・・・
つまり、この小さなチップの中には、とんでもない何かが入っているのだろう・・・・・)
>>87―88
>>86-87
「金鵄の命令とあらば…いつでも。」
(ビルの屋上にて、小さな体に羽織られたポンチョと柔らかな髪を靡かせている。周りの八咫烏達を横目に見ながら氷華に対する服従心を込めて、)
>>88-89
氷華
「では、先ず雛宮、貴方が取引現場に潜入して内情を探りつつ、可能なら相手構成員の捕縛、或いは抹殺を行い、機を伺った後、私へ何らかの"合図"を頼む。緋染、貴方は現場から逃走しようとした者の始末と追撃を頼むわ。」
いきなり全面攻勢をかけて一気に潰してしまうのは簡単だが、どんな取引をしていたのかや、尋問用の捕虜の収集、背後関係の有無について調べるために雛宮にはその異能を活かした諜報と暗殺を頼み、
緋染には、異変を感じて逃げようとした者の抹殺を頼み、氷華自身は雛宮の合図を待ってから攻勢に入るつもりだと言うことを伝えていく。
>>90
氷華
「不知火、貴方も私と一緒に合図が出るまで待機。
今回の私達は武力行使担当でいましょう。」
八咫烏の一員の不知火が操る炎は前述した二人に比べて暗殺や諜報には不向きである事から、今回のように背後関係や取引内容について把握してから殲滅することを考えている氷華は、彼女にも自分と一緒に合図が出るまで待機しつつ、合図が出た際には一気に攻撃を仕掛けようと伝える。
>>92
「解りました。」
(氷華の横顔を見つめながら。不知火なりに尊敬の念を抱いている氷華と行動できるのが嬉しく、少し喜びや期待を含ませて小さく「光栄です」と呟きながら、雛宮と緋染に視線を移す)
承知しました
( その言葉と共に、ちゃぽんと影の中へ消え。取引現場にいるであろう全員から死角になるような影から僅かに顔を覗かせては、再び影の中へ。その後移動したのは、アタッシュケースを渡した人物の影の中。一旦はここで聞き耳を立て、より詳しい取引内容を知ろうと。さて、今この場にいる構成員はどれ程かと闇の中から目を光らせ。)
>>91 取引現場周辺にいる方々、
>>93
氷華
「合図があった際には今回は貴方が先に攻撃を仕掛けてもいい。
十二鴉としての貴方の活躍には期待している。」
雛宮が影の中へ消え、取引現場に向かったのを静かに見送ると、後に残った不知火に対して言葉をかける。
異能の性質的に片方が異能を発動させて気温を変化させてしまうと後に発動させた者の異能の精度や威力も大きく左右されてしまうのだが、それを知っても尚、不知火が先に異能を発動させても構わないと言う。
変わらず取引現場である廃工場を見ながらも、自分と歳が近く、更には若くして十二鴉の一人に数えられる程の実力者であると言うことから、表情や態度には出ないものの氷華は彼女に対して少し親近感を覚えているが故の発言となっている。
>>95
「…!ご期待に添えるよう、精一杯尽力いたします。」
(氷華からの言葉にぱっと目を見開き、悟られぬよう出来るだけ冷静に返す。
自分と殆ど歳が変わらないのに最短で金鵄まで上り詰めた氷華を尊敬していたからこそ期待の言葉を何度も思い出しては顔が緩む不知火。緩んだ顔が見られないように背を向けて袖で口元を隠す。)
桜空「で、一体何なんだ?そのチップは?そんなにやばい情報でも入っているのか?」
取り引き相手「あぁ、このチップ一つで、国の主導権を握ることも、国を一つ滅ぼすことも可能だ・・・・・その気になれば、戦争だって引き起こせる・・・・・」
桜空「せ、戦争って・・・・・」
(桜空は、取引相手が予想以上にやばい人物であったということに若干引き気味になる・・・・・
それに、人の命を奪うこともしなければ、破滅に繋がる相手が相当の極悪人でない限りは、命を奪いかねないことに繋がるかもしれない間接的な犯罪も極力しないということを心がけているため、桜空は表情を歪める・・・・・)
>>90―96
悠矢「OK、やっと容赦なく殺れる・・・・・」
(そう言うと「そういえば氷華ちゃん、さっきこれ落としてたけど?」と、氷華自身も移動する際に落としたことを気づかなかったペンダントと思われるものを渡す・・・・・
もし財布ならいくつかネコババして返そうかとも思ったが、財布ではなかったためそうもできずに普通に返す・・・・・)
>>91
>>96-97
氷華
「……!
ええ、ありがとう。」
期待に添えるように尽力すると言ってくれた不知火の言葉を聞いて、微かに口角が上がるものの、落としたと言って緋染が差し出したペンダントを見て、一瞬だけ驚く。本来ならば親切心から来ているものとして礼を言うべきなのだが、普段の言動からあまり彼に対する信頼はなく、言葉を返すのが少しばかり遅れる。
直ぐに冷静さを取り戻して彼からペンダントを受け取ると、掌の上でペンダントを眺めながら刹那の瞬間だけ下記について思考すると今度は落とさないようにコートの内ポケットに仕舞う。
この中身については他者に見られたくないと言う考えから、常に肌身離さずに持っていたペンダントを偶然にも落とすとは考えにくいし、仮に何処かのタイミングで掠め取られようとしても、持ち前の警戒心の高さからそれがされる前に阻止することが出来る。
となれば、先程の近接戦闘の際に落ちたと考えられる。もっとも、これまではどれだけ激しい戦闘であっても一度もペンダントを落とした事から、かなり稀有な状態であり、少し不信感を抱いてしまう。
ペンダントには氷華の氷がこれだけは常時氷形成状態(ペンダントそのものは小さく、普段から持ち歩いているため異能の維持コストも低い事)にあり、それこそが留め具代わりとなっているのだが、無理矢理抉じ開けられた様子もペンダントや氷が破損した形跡も無いことから中の写真は誰にも見られていないだろう。
悠矢「んで?それなぁにかなぁ〜?」
(ペンダント及び氷に何かをしたような形跡が見られないことと、それが何なのかを聞いてくることから、恐らく悠矢自身は何もしていないと思われる・・・・・
これから悪人たちを始末しようという時に呑気なものである)
>>98
>>99
氷華
「他愛もない、私のプライベートの写真よ。」
氷華はペンダントの中にある写真については語らず、プライベートな個人の写真に過ぎないとだけ応えると、再び廃工場の方を見て合図を待つ。
彼の普段の言動から氷華は緋染に対しては距離を取っており、あまり信頼などはしていなかったためその詳細について教えないのだが、それで傷付くような相手でも無いと思っています。
悠矢「ほぉー・・・・・それじゃあ、この一件で手柄を上げたら御褒美として見せてもらおうかなぁ〜♪」
(氷華のことだから、タダでは見せてくれはしないだろうと予め予想していた悠矢は、この一件で手柄を上げれば御褒美として見せてもらいたいと、悪知恵を働かせる・・・・・
ただのプライベートの写真にしては守りが頑丈なのが逆に気になったようだ)
>>100
氷華
「八咫烏は実力だけを重視する。
相応の結果を出すのならそれに見合う報酬を与える。
その報酬がこれであると言うのならそれも認める。」
氷華は冷たい笑みを浮かべたまま、淡々とした口調で作業的に言葉を返すすが、緋染を避けているからではなく、氷華は基本的には感情の起伏を感じられない口調で話すことが多く、不知火に対するような私情を感じられるような発言は極めて稀だと言える。
【襲撃】
氷華
「不本意だけど、Firstの首魁の情報もあった以上、万全を期すためにも今回は貴方達の力も借りさせてもらう。」
氷華達のいる屋上にて、ビル内へ通じる扉が開かれ、その中から四人の黒衣の男達が現れ、その気配を感じ取った氷華は呟く。
氷華にとっても、任務の成功と引き換えに多大な犠牲や建物の損壊をもたらし、正義の執行よりも己の享楽のみを優先する彼らの力を借りる事は不本意なのだが、Firstの首魁をこの場で確実に仕留めるためには十二鴉である彼らの力が必要だと考えている。
毒鴉
「俺達の力を借りるって事はどれだけ暴れてもいいって事だよなァ!」
先陣を切るように先に現れたのは紫色の刃身を持ち、鍔の無い刀を右手に持ち、左手には斬首された男の頭を手にし、大きく開かれたジャケットの下にある胸筋や顔には斬首した際の返り血が付着したオールバックの男。
彼が手にした頭は罪人のものか無実の民のモノなのかはわからないが、苦痛と恐怖に歪んだその顔は壮絶な末路を辿った事がわかる。
水鴉
「ヒヒヒ……海まで少し距離があるが大量に水死体が出来るかもしれないねぇ……?」
能力による影響からか、膝まで伸びた髪や、黒いコートは酷い湿気を纏っており、無造作に伸ばされた髪の下では下品な笑みを浮かべた男が囁くように言う。
彼は両腕と舌をだらりと垂らしており、その雰囲気は明らかに人間のものとは思えないほど陰湿なものとなっている。
蟲鴉
「あァ……ブンブンブンブンと小五月蝿い羽音がする……静めないと……静めないと……」
自分の顔をガリガリと掻きむしり、ブツブツと聞こえもしない羽音に対する苛立ちを呪い言葉のように呟くタンクトップに丸刈りの男。
彼は目の重点がまるで合っておらず、筋肉質で大柄なその体格と、薬物中毒者のような言動は明らかに正気の人間のものとは思えない。
潜鴉
「全員生き埋めだ、生き埋め。
生き埋めはいい……ただの窒息じゃ駄目だ。
目や鼻や口から土や砂が入り苦しむ呻き声は最高だ。今回も沢山の苦痛の呻きを聞かせてもらおう……」
その顔や髪を覆い隠す黒いフードの下ではブツブツと自分の異能を用いた殺害方法……"生き埋め"の良さについて呟きながら、氷華に対して感謝の意すら持っている。
正常ならざる世界……殺し殺されの世界に八咫烏に入る前に過ごしてきた期間よりも長い20年以上も生きてきた彼らにとって、殺戮こそが唯一の生き甲斐であり、そのために正義を利用している者が非常に多くなってしまっており、彼らは不知火や雛宮のようにまともな思考回路は持ち合わせていない、純然たる悪意と殺意の塊となっている……
氷華
「貴方達の能力も暗殺や諜報に長けているから貴方達も取引現場に向かってもいい。始末の方法も貴方達に任せる。」
八咫烏……実力や成果を重視し、その昇格の条件も他者の殺害数が重視された結果、正気な者は極端に少なくなってしまっている。
大抵の者や、精神が強くない者はその多くが何処かしらで精神に異常をきたして狂死するため、彼らのように根から異常な精神を持った者ばかりになってしまっている。
異能の強さや殺戮能力の優劣だけで階級を定めてしまった八咫烏と言う組織における弊害とも言えるのだが、氷華は正義のためには手段を選ばない。悪を潰すために悪を利用する事さえも厭わない……
四人の外道鴉
「……了解。」
四人の外道達は氷華の出撃命令を受けると、即座に四散し、それぞれの持つ殺戮衝動を満たすために廃工場に向かって行く。
悠矢「お、マジ?んじゃまぁちょっくら頑張っちゃおうかなぁ〜♪」
(ちょっと本気を出せば相手が誰であろうと、自分の能力ですぐにでも〇すことができる・・・・・
なので今回の任務もそこまで難しくもないだろうと思いながら、報酬に対する氷華の承諾を得ると、途端に張り切り始める・・・・・
彼氏の写真が入っている、とでも思っているのだろうか・・・・・)
>>102
桜空「それじゃあ、取引も無事成功したし、俺はこれで失礼させてもらう」
(アタッシュケースの持ち手部分を持ち、その場を去ろうとしたその時・・・・・)
取り引き相手「今帰るのは別にいいが、お前、死ぬぞ?厄介な客を連れてきたみたいだからな・・・・・」
(どうやら取り引き相手は、氷華たちが身を潜めていることに気づいていたらしく、このまま帰ろうとすれば死ぬぞと桜空に忠告をする・・・・・
「出てこいよ、臆病な鴉共・・・・・」
取り引き相手は、余裕を見せつける・・・・・)
>>all様
>>104
潜鴉
「ヒヒヒ……!」
《ズッ》
取引相手の背面にある壁の中から両手からナイフを持った潜鴉がヌルりと現れ、両手に持ったナイフを相手の首筋に突き刺して首を掻き切ろうと背後からの不意討ちを仕掛けようとする。
潜鴉が潜り込めるのは地面だけじゃない。
いかに堅牢な防御壁だろうと、核にも耐えられるシェルターの中だろうと、異能によって生成された障壁でさえも彼の前では意味を成さない……これまでに数多くの犯罪者達や殺人鬼達がこの奇襲に対応することが出来ずに仕留められて来た……
ガキィン・・・・・!
取り引き相手「おいおいどうした?それで終わりか?」
(潜鴉の突然の襲撃に為す術なくナイフの餌食になる・・・・・と、思われたが、取り引き相手の首筋は見た目の変化はないものの、鋼鉄のように硬く強固になっており、とてもナイフでは切りつけられないほどに頑丈になっている・・・・・
取り引き相手も能力持ちで、肝心の能力は硬化、といったところだろうか・・・・・)
>>105
潜鴉
「…………!!」
首筋が硬化した事でナイフの刃が通らずに防がれるとそれに驚きながらもそのまま地中へ潜って姿を消そうとする……潜鴉は自由に地中や壁内を通り抜けて潜んだり逃げることで何時でも不意討ちや奇襲を仕掛けられるようになっており、一度姿を見失えば再び見つけ出すのは至難の技と言えるだろう。
《バシャッ》
更に外道鴉達が狙っているのは取引相手だけに留まらず、桜空の足元にある地中から突如として水が溢れだすようにして現れ、足元から不意討ちをするように水の一部が鋭利な刃物のように変化し、桜空の体を取り囲み引き裂こうとする。
その様子はまるで水で出来たハエトリグサが獲物を補食するような動きに似ている。
桜空「くっ・・・・・!?」
(桜空は能力で自分自身を移動させることでなんとか攻撃を避けることに成功するが、能力が言わば逃げることに特化しているとも言える能力だからか、戦闘能力が高い外道鴉達相手に戦うにはかなりの苦戦を強いられることとなる・・・・・
しかも、移動しても次どこから攻撃が来るかどうかはわからないからか、いつ攻撃を受けてしまってもおかしくはない・・・・・)
悠矢「さぁーて、それじゃあ俺も参戦しちゃおっかなぁ!」
ダッ・・・・・!
(悠矢は猛スピードでは知り始めると、そのまま桜空へめがけて一直線に接近し、血流を操作して物言わぬ亡骸に変えようと猛威を振るい始める・・・・・
何をしてくるかわからない外道鴉達と、テンションが上がっている悠矢という、正に絶体絶命な状況に陥っている・・・・・)
>>107
>>108
水鴉
「ヒヒヒ……獲物の横取りはいけないなぁ……いけないいけない。」
水鴉は自分の獲物であると見なしていた桜空に対して悠矢が攻撃を仕掛けようとしているのを察知すると、実体を失い不定形なスライムのようになった体の表面に薄気味悪い笑みを浮かべた水鴉本体の顔が浮かび上がり、悠矢に対して桜空は自分の獲物だと言う。
潜鴉
「地の底には地獄がある。お前も地獄へ招待してやる……」
取引相手の前から姿を消した次の瞬間、相手の足元から潜鴉の両手が突き出し、相手の足首を掴んで地中へ引きずり込もうとする。どれだけ肉体が頑丈でも地中深くへ生き埋めにされてしまえば呼吸することが出来なくなり窒息死してしまう……
潜鴉の異能が適応されるのはあくまでも潜鴉本体だけであるため、直接触れていても相手には地中活動の異能は適応されず、一度引きずり込まれてしまえば後は死体すら残さず地中深くで命尽きる事になってしまうだろう。
異能無しに対しては先程の不意討ちを、
身体強化系の異能者に対してはこの生き埋めを、
この二つの殺害方法によって潜鴉は数多の罪人を葬り、十二鴉にまで登り詰める事が出来たと言っても過言ではない。
氷華
「正義は常に勝利する……
いや、勝利したものだけが正義を名乗れるからか。
敗北した正義は悪となり滅ぼされる。なら……私は誰にも敗れない、絶対正義の存在とならなければならない。」
水鴉と潜鴉は要人である桜空と取引相手の二人を仕留めることを選び、蟲鴉と毒鴉は他の取引現場にいる構成員の殺戮する事を選び、それぞれが廃工場を凄惨な地獄へと変えて行っている中、ビルの屋上で両腕を組んだ氷華は静かにその光景を見ながら小さく呟く。
先に向かわせた雛宮が取引現場にある物を把握し、合図を送るための隙を作り、行動しやすくなるために外道四鴉も向かわせたのだが、自分達が向かうまでもなく、外道四鴉だけで制圧することが出来るのならそれでも構わないと思っている。
悠矢「なぁら半分こにでもするかい?こちとら報酬がかかってんだよねぇ・・・・・♪」
(半分こ、というのは、獲物を二つに切り裂くという意味か、それとも左右、もしくは上下で攻撃する箇所を分けるという意味か・・・・・
いずれにしても正義の名のもとに活動する者の発言とは思えないが、それは水鴉も同じだろう・・・・・)
桜空「かかってこいよ雑魚ども!てめぇらなんか怖かねぇよ!!!!!」
グォッ・・・・・!
(桜空は自分の能力さえあれば、この場から取り引き相手と一緒に捕まることもなく逃亡できると確信している・・・・・
今までだって、裏の世界で生きる立場上、幾度と危機にさらされてきた・・・・・
もっとも、今ほどの危機は経験しては来なかったが・・・・・)
取り引き相手「ほう・・・・・地獄か、見たこともねぇ奴がよくもまぁ軽く言ってくれるもんだ」
(取り引き相手は特に抵抗することもなく、地中に引きずり込まれてゆく・・・・・
普通に考えればこのままだと窒息死する未来しかないが、チップそのものを死守する為に死を潔く受け入れるという最終手段か、それとも・・・・・)
>>109
水鴉
「それは無理な話だなぁ……」
《キュオッ》
スライム状のブヨブヨした赤黒い塊となり、その表面に浮かぶ水鴉の口が開き、その口内から体内の水分を凝縮させ、強烈な水圧によって鉄板をも貫ける威力の水圧によるレーザーを放ち、緋染の頭を撃ち抜こうとする。
また、緋染に向けて水圧レーザーを放った後、間髪を入れずに即座に桜空の頭部目掛けて水圧レーザーを同じように撃ち出す事で二人まとめて始末しようとする。
潜鴉
「ククク………」
取引相手を引きずり込む事に成功すると、潜鴉は不敵な笑い声を出しながら地中深くに向けて相手もろとも沈み込み始める。
例え手で顔を覆ったとしても手の隙間から目や鼻、口を通じて大量の土や砂が入り込んで窒息してしまう事になる上に地中深くに沈めば沈むほどに周囲からの圧力によって身動き一つ取れなくなってしまうだろう。
悠矢「おぉっと、危ない危ない♪」
(緋染はこんなの余裕だと言わんばかりに、簡単に頭を傾けて攻撃を避けると「これだから欲張りは困っちゃうなぁ?」と、ニヤニヤしながら桜空の方へと視線を移す・・・・・
どうやら、依然として獲物を譲る気は無いようだ・・・・・)
ザシュッ・・・・・!
桜空「いっ・・・・・!?」
(水圧のレーザーが腕をかすめると、かすめたところから血が流れ出る・・・・・
こんなの、かすめただけでもこれだけ痛い上に殺傷能力も高いのに、まともに受けてしまえば命なんていくつあったって足りない・・・・・)
取り引き相手《さて、そろそろ本領発揮といくか・・・・・》
ドゴォッ!!!!!ガゴッ!!!!!ボゴッ!!!!!
(取り引き相手は、地中に引きずり込まれるもそのまま脆い土の壁でも崩してゆくかのように、穴を掘るモグラのように、簡単に地中を掘り進んでゆく・・・・・
それこそ、潜鴉に掴まれていても、お構い無しの威力とスピードで掘り進んでゆく・・・・・)
>>111
>>112
水鴉
「ちょこまかと逃げるなぁぁぁぁぁ?」
《ボコボコボコボコボコッ》
水鴉の体である巨大なスライム状の体の一部がボコボコと泡立ちながら巨大な腕として形成されると、それを桜空目掛けて振り下ろす事で彼を捉え、口内や耳等の身体中の穴を介して体内に侵入して即座に絶命させようとする……
水鴉の体はその大半が水分となっており、下手に攻撃してしまえば上記のように水の浸透性を利用して体内へ侵入され、海や川のなかでもない、陸上でありながら溺死するようにして肉体の内部から破壊されてしまうだろう。
だが、水鴉の体の大半が水分と同質のものとなっていると言うことはつまり、水が持つ弱点もそのまま受け継いでいる事になっていると思われる。
潜鴉
「……ククッ、なるほどお前の異能はさしずめ身体強化だな?
だが……何時まで持ちこたえられるかなぁ?」
潜鴉は相手の足を掴んだままではあるものの、地中30m程まで潜ったところで潜水を止める。だがこれは決して攻撃の手が止まったからではなく、潜鴉の異能による潜土の効果が切れた
土を掻き出そうにも、土を逃がす場所が無く、それどころか掻き出した土が上から雨のように降り積もる事になるため、結局のところ幾ら土を掻き出そうにも無意味なものへ変えようとする。
永遠に展開し続けられる異能は無い、人間には体力や寿命があるように、異能を行使し続ければやがては限界を迎える……潜鴉の狙いはそこであり、潜鴉自身は自分の周囲だけに異能の範囲を限定することでこれ以上潜れなくなる代わりに異能による消耗を最低限のものへと切り替え、長期戦に備える。
十二鴉は八咫烏における主要戦力とも呼べる実力者集団であり、その全員が一筋縄にはいかない猛者だ。自分の異能の性質と限界を知り、それに合わせて最適なものへと戦法を切り替える事で相手を仕留めようとする……
桜空「くっそ・・・・・!しつこい奴め・・・・・!」
(桜空は能力で逃げ惑う中、打開策を考え始める・・・・・
こうも追い詰められた状態では、アジトへの移動の余裕すらない・・・・・
捕まったらすべて終わりだ、そんな緊張がより一層焦りを募らせる・・・・・)
取り引き相手「おぉらぁっ!!!!!」
ゴッ!!!!!
(体力的にまだ余裕で能力が使える内に、全力を出し始める・・・・・
地中全体に亀裂が入り、そのまま地面が避け始め、巨大な洞窟のように穴が空き脱出に成功する・・・・・
まだまだ取り引き相手は余裕を見せている・・・・・)
>>113
桜空「ほら!こっちだこっち!どうしたうすのろ!」
(どこまでも命知らずなのか、それとも自分の能力への過信か、桜空は水鴉を挑発し始める・・・・・
確かに、空間移動系の能力は便利な上に戦闘の面では逃げに特化している能力でもある・・・・・
だが、遠くへの移動に関しては多少の時間が必要であり、それこそ水鴉が有利に立てるのは事実である・・・・・)
>>113
潜鴉
「地獄からは逃げられない……」
両足を掴んだまま取引相手……隅影が土を掻き出す限界を迎えるまで地面に潜り、引きずり込み続ける……相手がどれだけもがこうと地下は何処までも深い……現状のままでは体力と異能が限界を迎え、限界を迎えた途端に上から大量の土が振りかかり、瞬く間に生き埋めにされてしまうだろう。
水鴉
「ヒヒヒ……その手には乗らねぇぜ……?」
水鴉が直接触れて操ることが出来る水の範囲は限られているが、水圧のレーザーであれば操作範囲を外れて霧散する前に相手の体を撃ち抜くことが出来る。
それを利用する事で遠隔でも相手を仕留めようと、再び水鴉は大きく口を開けてその口内から次々と水圧レーザーを放ち、桜空への追撃を仕掛けていく。
隅影《2分半経過、か・・・・・厄介だな・・・・・》
(能力を最大限使用できるタイムリミットは刻一刻と迫ってきている・・・・・
臆病な鴉共だと見下していたが、どうやらただの臆病者でもなさそうだ・・・・・
このままではこちらが不利になる・・・・・)
ザシュッ!
ズッ・・・・・!
桜空「くそがぁっ・・・・・!!!!!」
(悪魔の水圧レーザーが、桜空の右腕を貫通する・・・・・
心臓などの急所ではないものの、激痛は動きを鈍らせる・・・・・
一旦、避難した方がいいかと判断し、屋上へと移動する・・・・・
そこにもう一人、高みの見物をしている親鳥がいると知らずに・・・・・)
ドサッ・・・・・
桜空「はぁっ・・・・・!はぁっ・・・・・!」
(屋上に移動するなり、膝から崩れ、片腕を抑える・・・・・
そして、視線を感じる方向へと振り向くと、そこにいる白髪、そして冷たい眼をした黒服の少女と目が合う・・・・・
直感が警鐘を鳴らす、コイツは敵だと・・・・・)
>>116
>>桜空
氷華
「……どうやら雛鳥が一匹迷い込んだようね。」
氷華は自分が傍観していたビルの屋上にまで移動し、姿を露にしたのを見て、両腕を組み、月明かりに照らされた青みのかかった白銀の髪を夜風に靡かせ、氷のように冷たい微笑を浮かべながら桜空と対峙する……
氷華と対峙すると、氷華からはその場の空間そのものを凍てつかせるような冷たいオーラを放っており、その冷たいオーラから、水鴉を含め、これまで桜空が対峙してきたどの敵よりも強大かつ底知れない力が感じ取れる。
>>隅影
潜鴉
「もがくのはやめろ、どの道もうお前は助からない。
どうしても諦めが付かないと言うのなら、付くようにしてやろうか?」
潜鴉は左手で隅影の右足首を掴んだまま、右手にナイフを持ち、そのナイフを突き上げる事で隅影の左足を切り裂こうとする……
このナイフによる攻撃は相手の消耗を激しくするための陽動であり、硬化するなり回避されるなりして対処されるだろう。だがこの限られた空間、避けようにも満足に移動できるだけの広さが無い穴の中で足元を硬化してしまえば、土の積層を防ぐ他に、身体の硬化にも注意と力を割かなければなくなる事から気力的にも体力的にも追い討ちをかけようとしている。
だが、潜鴉自身は先程からずっと相手を掴んでいる事から、土や地面と同化したり、一体化する事は出来ず、あくまでも潜鴉自身は生身の状態となっている。
桜空「・・・・・てめぇ、が・・・・・はぁ・・・・・はぁ・・・・・ボスか・・・・・驚いたぜ・・・・・俺とそんな歳も離れていないような女じゃねぇか・・・・・」
(息を切らしながら、襲撃してきた奴らのボスがまさか自分とそんなに歳も離れていないような女子だったということが意外だったのか、驚いたと言葉を漏らす・・・・・
正直、手負いの状態じゃないとしても、勝てる気がしない・・・・・)
隅影「言ってくれるじゃねえか、助からないかどうか、試してみるか?」
(能力がデメリットなしで使用できるタイムリミットの終焉が迫る中、相手の言葉に対して試してみるかと返す・・・・・
正直、こんなところでこんな奴にやられて終わるくらいならまだ自ら命を絶つとさえ、隅影は思っていた・・・・・
だが、そう簡単に一筋縄ではいかないのが隅影という男だ・・・・・)
>>119
( / とても楽しそうなスレだなとこっそり覗いておりました … ♡ 八咫烏 十二鴉で参加希望です )
>>120
氷華
「……そう言う貴方はFirstの指導者でしょう?
日本国の平和のため……悪の居ない世界の糧となって頂戴。」
ふと、彼と相対した事で懐かしいような不思議な感覚を覚えるものの、敵は敵。排除すべき悪である事に変わりはないため、直ぐに戦闘体勢に入り、両腕を組んだままではあるものの、自分の右隣に小さな氷塊を一つ形成し、そこから鋭い針のような小さな氷柱を桜空の眉間目掛けて撃ち込もうとする。
《ドスッ》
潜鴉の突き出したナイフが、回避する素振りも硬化する様子も一切見せなかった隅影の左足に突き刺さってしまう……これ単体では痛みで動きが鈍ったり、俊敏性が削られてしまうだけで、致命傷には至らないものの、少しでも動きが鈍ればなし崩し的にも振りかかる土砂が積層し、生き埋めになる瞬間が近付いてしまう……
>>121
【ありがとうございます!
勿論いいですよ!】
桜空「嫌だね・・・・・」
スッ・・・・・
(桜空は、相手が狙ってきた一とは別の位置に移動し、攻撃を回避する・・・・・
「お前にも貫く正義があるなら、俺だって同じだ・・・・・お前らにとっての悪は、こうすることでしか生きていけない正義のなり損ないなんだよ・・・・・」と、自分の考えをぶつける・・・・・)
隅影「・・・・・っ、てめぇ、やりやがったな?」
(怒りと痛みが合わさってか、隅影の表情は不気味な笑みへと変貌する・・・・・
恐らく、プッツンする寸前か、もしくはもう攻撃の準備段階へと入っているだろう・・・・・
「お前に地獄を見せてやる・・・・・」)
>>122
「 あらァ 、怪我人を放っておくなんてできないワ 。怖がらないで 、ワタシに全部見せてちょうだい 」
春夏冬 穂乃華 - Akinashi Honoka -
♀ / 20y / 八咫烏 十二鴉
性格 / 常時人のよさそうな笑みを浮かべている十二鴉のひとり。その眼差しは優しく、口から紡がれる言葉もまず肯定から入るなど穏やかで温厚篤実。気品漂う清楚なお嬢様、のように見えるけれど意外と子供っぽくちょっぴり変人。のんびりまったりと、ふらりと現れてはすぐ消える猫のような一面もある。
容姿 / 腰までスラリと伸びた群青の髪は金のインナーカラー有。触覚も毛先が金になるようグラデが。左は赤から金、右は金から赤と髪同様グラデがかかった不思議な瞳。目下のホクロは二つ横に並んでいる。
黒のスーツに身を包み、何となくで白衣を着用することもある。武器として鋸を使用しており、気分次第ではチェーンソーを振り回すことも。さらにスーツの上着にはメスや注射器が常備されている。身体能力は非常に高く、また体の柔軟性を生かした回避力も高い。
https://i.imgur.com/fNTj7Lw.png
能力 / 外傷内傷問わず、患部に手を翳すことで完璧に治癒できる能力。厳密には細胞を活性化させ、超再生を行い傷付いた箇所を急速に治していく。瀕死状態までであれば自分にも他の人にも効果を発揮する。
毒の分解は不可能なため対処出来ない。毒で傷付いた箇所の修復は可能。また、応用として、成長を促進させて対象を老化させることもできる。ただし、1分は対象に触れている必要あり。
備考 / 敵味方関係なく、怪我を負っていれば積極的に治癒をする戦場のナース。優しく笑みを浮かべて手を差し伸べるさまは正に救いの女神と言ったところか。救える命は必ず救う、隣人は愛せよの精神からの行動だが、組織的に悪の手助けは粛清対象になり得てしまうだろう。「でもねェ、ほら、一度助けると殆どの人はころっと信じちゃうのよォ、ワタシのコト。素直に情報を吐いてくれるんですもノ、やめられないワ」なーんてそれらしい理由をつけて見逃してもらっている。
拷問による情報収集の際は必ずと言っていいほど参加。相手の心が折れるまで瀕死状態にしては治療するということを繰り返し情報を吐かせている。
実際の戦闘でも攻撃してもすぐ治り意味が無いと相手の戦意を消失させたり、すぐ直せるからと捨て身で挑むことも。
( / >>121にて参加希望した者です 。キャラシート完成いたしました 。不備や萎えありましたらご指摘願います 。 )
氷華
「信念の貫くと言うのは構わない。けれど奪い、壊し、無垢の民を苦しめ、そうするしか生きられぬと言うのなら私は死をもって貴方達をその苦しみと悪徳から解放する、それだけよ。」
《シャッ》
飛ばした氷柱を回避されると、桜空の言葉に返すように、悪は悪、排除すべき害であり、無垢の民を苦しめなければ生きられぬと言うのならば粛清すると応える。
氷華もまた、理不尽な悪によって家族を奪われ、本来ならば目覚めること無く消えていくだけだった殺戮者としての才能を開花させてしまった……この才能も、強力な異能も、決して氷華自身が望んだものでは無かった……
だからこそ自分はこの殺戮者としての才覚と強力な異能を持って悪を根絶し、悪の存在しない世界を作り上げ、自分のように悪に人生を奪われる者がいなくなるようとしている。
端的に言えば"毒を以て毒を制す"と言うべきその思想を、自らの信念として語ると、移動した桜空に向けて振り向き様に右手の手刀を振るい、剃刀のような切れ味を持った氷の斬撃を飛ばして彼を切り裂こうとする……
潜鴉
「ククッ、強がるな……お前が地獄に行くのは既に確定しているんだ。」
出血で失神するのが先か、体力と異能が限界を迎えるのが先か……
もはや自分の勝利は確実なものであると確信した潜鴉は更に手にしたナイフを突き出して今度は隅影の右足を斬り付けようとする。
>>125
【キャラシありがとうございます!
再生に必要な時間や、発動限界等もお願いします!
例えば、日に五回までしか完全には回復させることが出来ないとか、回復させる際に体力を激しく消耗するとかですね。
それ以外には不備はありませんね!】
桜空「無垢の民を苦しめるだと・・・・・?」
グチャッ・・・・・!
(相手の言葉を聞くと、そのまま飛んできた斬撃をもろに肩に受けるも、怯むことなく
「ふざけるな!!!!!お前らはそうやって正義の味方面して、何も見えちゃいねぇ!!!!!奪う!?壊す!?お前らが気づいていないだけでお前らだってそれをしてるじゃねぇかよ!!!!!」と、怒りをぶつける・・・・・
きっと、過去に少年院送りにされた際に、自分を異常者だと冷たい視線を向けた世間のみならず、正義の味方と言いながら悪を排除するだけに徹底し、悪によって全てを奪われた自分のような被害者には見向きもせずに救ってくれなかった人間に対しても、憎悪の念が募っていったのだろう・・・・・
ドゴッ!
(桜空は、怒りで我を忘れ、相手の目の前まで移動すると、そのまま相手の腹部へめがけて拳による懇親の一撃を御見舞しようとする・・・・・
もし、他の仲間が今ここにいたとするなら、目を見開いて驚愕するだろう・・・・・
桜空は、滅多に我を忘れるほど怒り狂うことはないのだから・・・・・)
隅影「それはどうかな?」
バキキッ!!!!!
(隅影は、自身の体の強固さを利用し、地中を砕きながら相手の手を掴む・・・・・
そして、ナイフを掴んで握りつぶすと、次に相手の体をその強固な拳で殴り、更に拳の勢いで殴ったまま地中を掘り進むように砕いてゆく・・・・・)
>>126
>>128
《ガッ》
氷華
「……弁明も言訳もしない。貴方が私達を悪と蔑むのならばそれもまた私の背負う業。正義を示すためには千の屍が、悪を滅ぼすために万の屍が、平和な世界を築くために億の屍が必要だと言うのならば喜んで捧げましょう。
それで平和な世界に生まれる兆の命が争いも、悲しみも、憎しみも、悪による恐怖も感じる事がなくなると言うのなら……私はその道を歩むことを躊躇いはしない。」
桜空が自分の腹部に向けて拳を繰り出すのを見ると、相手の伸ばした腕の肘に向けて左拳を振り下ろして上からの打撃によって彼の殴打を阻止し、腹部への一撃を捌くと、自分は正義のためなら大量虐殺や大規模破壊による数多の犠牲者さえも躊躇わないと応える。
《タンッ》
氷華
「貴方にも貴方の理想が、信念があるのでしょう……
けれど、私もこの道を譲るつもりはない。例え私が死んだとしても……必ず私は私の理想を現実のものとしてみせる。」
【「氷蓮六華・頞部陀(アブダ)」】
氷華は宙に向かって飛び上がり、クルリと一回転すると、空間移動をしたとしても届かないだろう空中の氷の足場の上に降り立ち、両腕を広げ、ビルの屋上全体を覆う無数の小さい氷柱が形成され、それら一つ一つがまるで雨粒のような密度と数となり、ビルもろとも桜空を撃ち抜き破壊しようとする。
>>128
潜鴉
「!!?
なッ!?こんな馬鹿な……!!!」
《ドゴオォォォォォォォォォォッ》
潜鴉はもはや自分が勝利すると言う確信を持っていたためか、手負いの相手ではまともな反撃を受けることは無いだろうと思っていたが故に隅影が腕を掴み、そのまま拳による強烈な打撃を繰り出すと、潜鴉の体を正確に打ち抜き、潜鴉は血を吐く……
肉体的な強度で言えば通常の人間と大差無い潜鴉では到底耐えられるものではなく、四鴉の内の一匹が地の底へ墜ちる。
( / すみません!付け足しますね
1日12人までの治療に限られます。選んだ12人であれば、1日に何回も治療可能です。
大抵の怪我は10秒以内、大きく穴が空いてしまうとか切断などは3分は最低でも必要です。
瀕死状態だと完全に治すには5時間は必ずかかってしまいます。
このような感じでいかがでしょうか? )
>>127
>>131
【何度でも治療できる上に、瀕死や切断も回復可能と言うのが少し強すぎる気がしますね。不死身のキャラになってしまう上に、死ネタありの本編でこれはちょっと難しいですね……
治療可能な最大回数を12回までにするとか、瀕死状態では治療できないとかにして頂けませんか……?】
( / 見たところ強力な … 一撃で仕留められるような攻撃特化の方やチート級の強さの方が多いようなので … 攻撃力がさほどない … というか一般人レベルでは太刀打ちがどう考えても難しいと判断した上だったのですが … 難しいようですね 。派手な攻撃はこちらは繰り出せませんし 、防ぎようもありません 。比較的女医や拷問など裏方 、戦闘に出るとしても傷付いた方の治療などを想定しており 、また 、自分が愛情込めて作り出した子をすぐに死なせてしまうのはといった思いからなのですが … 、わかりました 。今回は参加を辞退させていただきます 。またご縁がありましたらその時は何卒宜しくお願い致します 。 )
>>132
>>133
【残念ですが了解しました。】
桜空「っ・・・・・!!!!!」
ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!!!
(桜空の姿が、撃ち抜かれてゆくビルの残骸の中へと消えてゆく・・・・・
やはりコイツは敵に回してはいけなかった、その後悔だけが募る・・・・・
・・・・・いや、まだだ、勝機はなくとも、逃げ道ならある・・・・・
桜空は崩れ落ちる残骸から残骸へと、短距離を移動しながら足場にしこの瓦礫の雨からの脱出を試みる・・・・・)
>>129
隅影「そのままおねんねしてな、永遠にな・・・・・」
ゴガガガガガガガガガガガッ!!!!!
(崩れゆくビルを掘り進み、巻き込まれる前になんとか隅影は脱出に成功する・・・・・
一時はどうなるかと思ったが、なんとかチップも無事で、あとはこのままこの場を去るだけだ・・・・・
鴉の集団がどうなろうと、桜空がどうなろうと、知ったことではない・・・・・)
>>130
>>135
《ガラガラガラガラガラガラ……》
氷華の撃ち出した無数の氷柱は10階以上はある巨大なビルを容易く貫き、堅牢なビルを瞬く間に瓦礫に変え、バラバラに倒壊させていく……
氷華は八咫烏の中でも最強の力を持つ存在……その異能は常軌を逸した強力なものとなっており、まともに戦ってもまず勝ち目が無いと言う桜空の考えは正しいと言えるだろう……
氷華
「どれだけ大言を吐いたところで、それを成せるだけの意思を見せることが出来ないのならそれはただの妄言に過ぎなくなる。貴方も結局は逃げ回る悪党と同じか。」
【「氷蓮六華・尼剌部陀(ニラブダ)」】
《パキパキパキパキパキ……》
氷華は倒壊し、崩れ始めるビルの瓦礫を足場のようにして飛び移り、ながら落下する勢いを乗せて高速で桜空に向かいながら、右手に本物の剣よりも高い硬度と切れ味を誇る氷の剣を形成し、それを彼に向けて振るい、空中で相手の体を切り裂こうと襲い掛かる。
氷華は一連の戦闘を介して相手が空間移動能力を持っていると言うことを理解している。だからこそ、相手が逃げ出さないように挑発しつつ、その信念がどのぐらいの強さなのかを確かめようと言葉をかける。
>>136
毒鴉
「ハッハッハァーッ!!!」
《ヒュオッ》
氷華と桜空が戦っているのは、隅影達のいる廃工場から100m以上離れている。その一方、隅影が穴から出て来た次の瞬間、頭上の配管パイプの上で夜闇に紛れて潜んでいた毒鴉が右手に持った毒剣を振りかざして隅影の背後から不意打ちをするような形で異能による硬化を行う前に彼の体を切り裂こうとする。
【宛先ミスしました!すみません…
>>137の宛先は正しくは>>135です。】
桜空「馬鹿が!この能力はなぁ、こういうことだってできるんだよっ!!!!!」
ゴォオッ!!!!!
(桜空は襲い来る氷華を空間移動能力で避けると、続けざまに崩れゆくビルの瓦礫を氷華の上へと転送して逆に攻撃を仕掛けようとする・・・・・
氷華も氷華で負けられないのならば、同じく弟である桜空もまた負けられない意地、そして覚悟がある・・・・・)
>>136
隅影「まったく、鴉共は本当に学ばない奴ばかりなんだな・・・・・」
ゴァッ!!!!!
(隅影は予め腕のみを硬化していたのか、硬化することにより地中をも簡単に掘り進めることが出来る怪力を用いて、隅影は配管パイプを掴み折ると、そのまま相手の頭部へとめがけてパイプを振るう・・・・・
地中を惚れるほどの怪力+頑丈なパイプの組み合わせは、隅影と同じように硬化できる能力の持ち主でない限りは、もし当たれば一溜りもないだろう・・・・・)
>>137
【了解です!】
不知火
(あの人…悪を打つためなら何だってするんですね…)
白髪の少年と応戦し氷華が無数の氷雨を廃ビルに打つ。崩れ行く廃ビルの壁を器用に足場にしながら地を目指す。
ふと、屋上を見上げると金色の月明かりに照らされ見惚れるような銀髪をなびかし冷たい眼差しで見下ろす氷華と目が合い心臓がどきりと脈打ち、急いで目をそらす。
(…崩落から運良く逃れることができた悪党らを排除しよう)
どんなやつでも自分の命が大切、廃ビルから出てくると同時に攻撃しようかと考えている…。
>>139(桜空)
>>140
《ザシュッ》
氷華の振り下ろした氷剣が桜空の体に右肩から左腰にかけて袈裟斬りを行うものの、自分がダメージを受けることと引き換えに氷華の頭上に瓦礫が転送されると、視線を頭上の瓦礫に向けて氷剣を持っていない左手を即座に翳す。
氷華
「ええ、自分が転移出来るのなら他の物体も転送できるでしょうね?」
《ドガガガガガガガガッ》
空中である事に加えてこれまでのように氷の足場を作って回避しようにも氷の足場を形成した瞬間に瓦礫の山に押し潰されると言うことを悟った氷華は翳した掌から氷塊を撃ち出して瓦礫の山を弾き飛ばそうとする。
また、瓦礫の山に向けて氷塊を打ち出すと、迫り来る地面に対しても同じく氷塊を打ち出し、それを足場として着地する事で落下する距離を縮め、落下の衝撃を緩和させようとする。
譲れない正義がある。
譲れない信念がある。
譲れない理想がある。
不知火も感じたように氷華は自分の理想のためならどれだけの犠牲を払うことも厭わないし、自分が犠牲になる必要があるのならば何の躊躇いもなくそれを選ぶだろう。
『誰もが幸せに暮らせる世界』
そんな夢物語を本気で現実にしようとしている者は狂人にしか見えないのだろうか?正義と呼ぶにはあまりにも稚拙で純粋であるが故に氷華は狂信的とも呼べる狂気を持って戦う。
《ギィンッ》
毒鴉
「ほう?なかなかいい反応だ、それだけは褒めてやる。
だが俺は土竜の奴と違って油断も慢心もしない……」
毒鴉は衝撃を逃がしやすい空中であった事を利用して即座に手にした毒剣を立てて盾のようにして振るわれた鉄パイプを防ぎ、そのまま弾き飛ばされる勢いと衝撃を利用して後方へ飛び退くと、上記の言葉を告げる。
隅影の一撃が直撃したにも関わらず、衝撃を空中へ逃した事から毒鴉にも、毒鴉の手に持つ毒剣にもまるでダメージは無く消えていくだけだった攻撃(剛)から防御(柔)へと素早く切り替えた事から剣術(或いは棒術)の腕も高い事を推測することが出来る……
《ドドドドドッ》
毒鴉が距離を取った事で、桜空の追跡に失敗した後、廃工場の物陰に潜んでいた水鴉が鉄板をも撃ち抜く強力な水圧のレーザーが数発撃ち出される……そのあまりにもタイミングの良すぎる攻撃の瞬間からして毒鴉による奇襲はこれを当てるための陽動の意味もあったのだと考えられる。
十二鴉はそのいずれもが一筋縄では行かず、数多の犯罪者を始末して来た実績と経験がある事からその実力の高さも折り紙つきであり、少しでも油断すれば簡単に形勢をひっくり返されてしまうだろう。
桜空「ぐっ・・・・・!?」
(氷華の情け容赦ない一撃に、桜空は一瞬でも意識が落ちそうになるも、続けざまにそのまま空間移動をする・・・・・
が、どこか近くに移動する、というわけではなく、何故か落下してゆく・・・・・
戦いの続行に諦めたか、それとも何かの策か・・・・・
いずれにしても、桜空と氷華とでは、力の差があまりにも歴然である為、じわじわと追い詰められる一方の桜空には到底勝ち目はないのは明白・・・・・)
>>141
隅影「そうか、奇遇だな、俺もだ・・・・・」
ダッ・・・・・!
(隅影は、突然猛スピードで走り始める・・・・・
備わっている能力を使わずとも、元々の身体能力の高さも、戦いの場においてはその勝敗を大きく分けることとなる・・・・・
そして、隅影自身、逃げに徹しているわけではない・・・・・)
>>142
>>143(桜空)
《スタッ》
氷華
「貴方の信念はその程度?」
自分の頭上から迫る瓦礫を弾き飛ばした後、放った氷塊を瞬時に水蒸気に変えて蒸発させると、地面に向けて放った氷塊の上に降り立つと、氷塊の上から桜空の居る場所を探し始める。
>>143(隅影)
《ズッ》
水圧レーザーを避け、走り始めた隅影の前に1mもの巨大で赤黒い体色をしたバッタのような魔虫が現れ、隅影の道を塞ぐと共に彼の首筋に向かって噛み付こうと飛び掛かる。
先程の潜鴉によって左足に付けられたナイフの傷からは絶えず出血し、激しく動こうとすればするほどに出血が酷くなり、このまま行けばやがては意識を失ってしまうだろう。
桜空「はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・!」
一般人「ぁ・・・・・ああ・・・・・」
(桜空は、建物の外壁によりかかって、なんとか生き延びていた・・・・・
が、よく見ると、桜空だけではなく、もう一人・・・・・
どこの学校のものかはわからないが、服装は制服であり、時間帯的に恐らくは部活からの下校途中と思われる女子生徒が、桜空の隣で怯えながら唖然とした状態で突っ立っている・・・・・)
隅影「大して力もないのに、厄介なヤツらだ・・・・・さっさと終わらせてもらうぞ・・・・・」
ガゴッ・・・・・!!!!!
(隅影は、片手を硬化させて地面の一部を抉りとると、そのまま魔虫へと向けて、物凄いスピードで投げつける・・・・・
空中戦に持ち込まれない限り、隅影からすれば、いつでも地面を抉りとってそれを投げつけることが出来る・・・・・
そして、地中を掘り進んで逃亡することも出来るため、そこそこ有利でもある・・・・・)
>>144
【すみません、体調を崩してしまい、返信が遅れました・・・・・】
>>145(桜空)
氷華
「………そこか。」
建物の影から聞こえて来ると、左手を頭上に打ち上げた氷塊に向けて翳し、その軌道を操作する事で落下地点を変え、声のして来た建物や民間人の女子生徒もろともその圧倒的な質量を持つ氷塊によって押し潰そうとする……
>>175(隅影)
《グシャッ》
水鴉
「ヒヒヒ……不思議だなぁ、そんなに大層な力があるのなら俺達なんて一瞬で倒しているだろぉ?」
隅影の投げたコンクリートの塊が巨大なバッタに当たると、その頭が潰れ、絶命して脅威の一つが取り除かれるものの、今度は地中から滲み出すように体をスライム状にさせた水鴉が現れ、隅影を呑み込むようにして拘束しようとする。
女子生徒「・・・!ま、待ってください・・・・・!」
バッ・・・・・!
女子生徒「この人は私が危ないところを助けてくれたんです!それを私・・・・・あまりにいきなりのことで唖然としちゃって・・・・・」
(女子生徒は氷華に気づき、氷華が何かしようとしていることに気づく・・・・・
息も絶え絶えな桜空の前に、女子生徒は両手を広げて立ち、この人は自分を落下してくる瓦礫から助けてくれたのだと告げる・・・・・)
>>146
ヒュォッ・・・・・!
隅影「あまり長い間使えない力でなぁ・・・・・正直なところ、お前らのような雑魚でも今じゃあ脅威だ・・・・・」
(飲み込まれる寸前に攻撃を回避すると、あまり長時間能力を使えないデメリットのこと、今の状況では自分が不利であるということを話す・・・・・
片手を首に当て、コキコキと鳴らしながら
「さて・・・・・で?お前らは何がしてぇんだ?見たところ、正義の味方とは思えないが・・・・・?」)
>>147
>>148(桜空)
氷華
「……関係ない。悪を庇い立てするのなら潰すだけ……」
一瞬だが氷塊の動きが止まるものの、極悪人が気紛れで他者の命を救ったり守ることは氷華自身も何度も見てきたが……その理由は罪の軽減や人質とするため、或いは自分の犯罪行為を正当化するかのいずれかだけであった。
更に、善人の皮を被っている者もいれば、助けた相手が相手の組織の部下であり、不意打ちや自演を狙うと言った事もあり、それによって何人もの仲間が殺害されてきた事から、相手の言葉を信じず、桜空を庇おうとする女子生徒もろとも押し潰そうとする。
これまで多くの悪を裁き、多くの悪行を見てきた氷華の心からは人間らしさと言うものが悉く削ぎ落とされて失われ、本当の氷のように凍りついたその心を動かすことは無い……
>>148(隅影)
毒鴉
「おいおい、人聞きの悪い事を言うんじゃねぇよ。
俺らはヒーローだぜ?悪い奴や、"悪い奴になりそうな奴ら"を始末して回っているだけだ。」
毒鴉は右手に持った毒剣に加え、左手の掌に二本目の毒剣を持ち、それを器用に振り回して準備運動をしながら、自分達は悪人だけでなく、悪人になりそうな者と言う不確かかつ、幾らでも解釈が出来る者を始末して回っているだけだと応える。
その自分達の快楽だけを求め、歪んだ正義によって失われた数はそれこそ本当の悪人よりも多いのだろう。
蟲鴉
「強がるな……お前の動きは潜鴉との戦いで見せてもらった……
炎や雷と言った元素を扱うことはせず、身体硬化と筋力増大しか出来ていない……」
廃工場の屋根の上にて、自身の回りに2mもある巨大なコオロギを七匹率いて見下ろしているのは、焦点の合わない目をして、顔に大きな蜻蛉の刺青を入れた大柄でスキンヘッドと言う、見るからに異様な風貌をした男が、その容姿からは想像出来ない程冷静に隅影の異能を分析している。
水鴉
「つまり、物理攻撃しか攻撃手段の無いお前に勝ち目は無いって事だ…!!」
相性的に最悪の敵と言える水鴉が再び自身の不定形な体を活かして隅影に向かって飛び掛かり、巨虫もろともその動きを拘束しようとする……例え何度避けたところで執拗に水鴉は追い回すだろう……それこそ、隅影の体力が尽き、異能か使えなくなるまで……
女子生徒「・・・・・何を揉めているのかは知らないけど、人助けをする人に悪人はいません・・・・・!」
(女子生徒は怯むことなく、氷華に訴え続ける・・・・・
氷華とこの女子生徒とでは、悪というものの認識が違うのだろう・・・・・
いや、ただ単に氷華の悪に対する認識が、理解したい気持ちもある一方で、何が何でも粛清するという矛盾しているともとれる感情な辺り、何もかもが違うと言っても過言ではない・・・・・)
>>149
隅影「・・・・・あー、くそっ、厄介だなお前ら・・・・・」
ダッ・・・・・!
(隅影は猛スピードで疾走し始める・・・・・
年齢的にも段々と体力が落ち始める時期、あまり過激な運動は避けるつもりだったのだが、どうやらそうもいかないらしい・・・・・
「あぁ、俺だ、わりぃが、迎えに来てくれ、緊急事態だ、おじさん困っちまうよ」
どこかに電話をかけ始める・・・・・)
>>150
>>151(桜空)
《ドゴオォォォォォォォォォォッ》
氷華に言葉をかけたものの、その言葉は氷華に届くことはなく、放たれた氷塊は廃工場の一角もろとも二人の居る場所に落ち、周囲にはその衝撃波 によって工場内の窓が割れ、軽い地震が引き起こされる……
その破壊力は容易く建物を破壊することが出来ると言うように、数多の異能の中でも最強クラスの威力と範囲を持っており、直撃してしまえば命は無いだろう……
>>151(隅影)
蟲鴉
「逃がさん……」
【「起爆蟲」】
《ドゴオォォォォォォォォォォッ》
逃げ回る隅影を見て、蟲鴉は口を大きく開け、口内から腹部が異様に肥大化した1mもある巨大な蝿を吐き出すと、身体強化されている筈の隅影に容易く追い付くと、その蝿そのものが何の前触れもなく大爆発を巻き起こし、電話する隅影を消し飛ばそうとする。
身体硬化して衝撃によるダメージを防げたとしても、爆発によって生じる熱は肉体の硬度を無視して相手の体を熱して吹き飛ばするため、硬化だけではそのダメージの無効化する事は出来ない。
かと言って防御するために地面のコンクリートを抉り取ったり、地中に潜ろうとしたところで、背後から迫る水鴉によって呑み込まれて捕らわれてしまう事になる……
桜空「はぁ・・・・・はぁ・・・・・」
隅影「・・・・・あぁ、俺だ、わりぃな迎えやっぱいいわ」
女子生徒「・・・・・」
(氷塊がぶつかる寸前に空間移動能力で女子生徒と共に一時的に隅影のいる場所へと移動してから、再度空間移動能力でファーストの本拠地付近へと移動することで、難を逃れる・・・・・
戦闘を繰り広げた都内からは遠く離れており、世間一般的には勿論のこと、ファーストのメンバー以外誰だろうとその場所は把握出来ていない、本拠地の近くであるというだけであるので、実際に本拠地の明確な場所がどこにあるかは誰にも知られない・・・・・
これこそ、桜空の強さの一つ・・・・・いや、正確には不利になった場合の逃走手段であり、今まで危機に陥った際はこの能力で何度も難を逃れてきた・・・・・
隅影は、仲間に迎えは不必要だと電話を入れ、女子生徒はただただ唖然としている・・・・・
能力者の存在は知っていても、面と向かって見るのは初めてだったのだろう・・・・・)
>>152―153
>>154
氷華
「……逃げた……か。
だけど次は無い。」
氷華は放った氷塊によって破壊された廃工場の後を見て、直感的に逃げられたと言うことを感じ取るが、同時にこれまでの戦闘から彼の空間移動による性質を局所的にだが見抜き、それに対する対抗策を見出だした事から次に対峙した場合には必ず始末すると決める……
どれだけ多くの犠牲を払うことになろうとも自身の抱く正義を必ず執行する。その揺らぎ無い純粋なまでの冷たい正義を宿した眼で夜月を見上げながら小さくそう呟く。
悠矢「おいーっす氷華ちゃん♪逃げられちったねぇ・・・・・」
(闇夜を照らす月・・・・・まるで、正義と悪の関係を表しているかのようか光景を眺める氷華の背後から、神出鬼没な悠矢が現れ声をかける・・・・・
そして「奴ら、どこに逃げたか検討もつかないけど、これからどうする?あ、ちなみに俺頑張ったから報酬ちょぉーだいっ♡」と、戦闘開始からの最初の数分だけ桜空を追い込んだだけで、それ以外はどこで何をしていたのかがわからず、とても活躍したとは言えない・・・・・)
>>156
氷華
「……はぁ、随分と陽気ね?」
氷華
「悪に逃げられたと言うことは犠牲になる者が増えると言うこと……それに、貴方は途中から隠れていたでしょう?報酬をねだるのではなく、成果を残せるように修練し、結果を出してからもう一度言いなさい。」
氷華は水鴉と緋染の二人の様子も見ており、水鴉に水圧レーザーを撃たれた後はずっと逃げ続け、隠れていた彼の様子もしっかりと見ており、その上で報酬をねだる彼の様子に呆れ、月明かりにすらも背を向け、彼の言動を咎めるように言う。
足元にある氷塊の一部を浮遊する足場として動かし始め、そのまま八咫烏の拠点へ帰還しようとし始める。彼の緊張感の無い言動が氷華には不信を抱かせてしまっている。
悠矢「まぁまぁ、そう言わないでよ〜♪・・・・・ちょっとした収穫もあったしさ・・・・・」
スッ・・・・・
(悠矢は、スーツのポケットから何かを取り出す・・・・・
それはかなり小さな小瓶であり、中には赤い液体が入っている・・・・・
「これ、あの小物(桜空)の血液だけど、これでも同じことが言える・・・・・?」)
>>157
>>158
氷華
「……それをどうするつもり?」
氷華は氷の足場に乗って2m程上昇したところで少しだけ振り返り彼の手にした血の入った小瓶を見て、それをどうするつもりなのか、何を考えているのかと問いかける。
相手の能力で血液の流れを操作する事は出来る事は知っているが、血液を介して他者の位置を特定すると言った事への応用は出来ないであろう事から、せいぜいDNA鑑定にかけて過去の生まれや育ちを特定する事しか出来ない事から、現在ではさほどの役には立たないと思っている。
だが、やけに自信に満ちた様子をしている事から何か別の事に使えるのかと、彼の本心に探りを入れようとする。
悠矢「氷華ちゃんにしては察しが悪いなぁ・・・・・?身元っていうのはさ、詳しい人間が調べれば、色々とわかるもんなんだよ・・・・・それこそ、俺達が思っている以上のことが、さ・・・・・」
(そう言うと「必要ないんだったら、これはこのまま処分しちゃうけど?」と、今この場でどうするのかを決めてもらうつもりで氷華の方を見つめる・・・・・
この小瓶の中には、ファーストという謎多き組織の頭領の情報が多く詰まっている・・・・・
「どうする?氷華ちゃん・・・・・♪」)
>>159
>>160
氷華
「貴方こそ察しが悪いわね?今更私が私情に駆られるほど腑抜けていると思っていたの?私は私の信じる正義のために多くのモノを捧げてきたし、立ちはだかるものは全て潰し来た。」
氷華は再び視線を暗闇へ戻すと、そのまま足場としている氷塊を浮遊させ、緋染から離れて行く……人間の頃の情はとうに捨てた、自分はあくまでも八咫烏の"金鵄"であり、正義の執行者。過去に対する執着やしがらみなど存在しないと断言する。
氷華
「……例えそれが肉親であろうと変わりはない。
下らないことに力を使う暇があるのなら、一人でも多くのファーストの者を潰して成果を残すこと。それが出来なければ……貴方の居場所は八咫烏から無くなるでしょうね。」
氷華は去り際に、これ以上遊ぶだけで成果を残さないと言うのならば、八咫烏内において彼の居場所は無くなると警告する。そして……影の組織から脱退すると言うことは"死"を意味している。
氷華はその持ち前の戦闘センスと異能によって経験や知識の差を埋め、僅か2年で金鵄にまで登り詰めた事からもわかるように、良くも悪くも実力至上主義者であり、成果を出せず、まともに戦う覚悟も気概も無い者を生かしておくつもりは最初から無い……
【first東京本部】
東京と言ってもその地域全体が高層ビルに囲まれ発展している訳ではなく、都心から離れた郊外にある小さな寂れた工場の下に無機質なコンクリートによって作られた地下拠点が隠されており、そこはfirstの東京本部として用いられている。
狼谷
「……今回は少しばかり良い情報が手に入ったな……
これを上手く使えば八咫烏にも手痛い一撃を与えられるかもな?
しかし……ボスは何処にいるんだ?」
張り巡らされた地下要塞の一角、二十畳程の広さの部屋があり、部屋の隅にはテーブルや椅子、武器や弾薬の入った木箱が積み重ねられている中、巨大なガトリングに腰かけながら緋染の到着を待つ男がいた。
ボス達は取引のために此処から少し離れた廃工場に向かったのだが、それにしては時間がかかり過ぎている。彼の異能ならどれだけ長くとも一時間で帰って来る筈なのだが、五時間以上が経過した今でも帰って来ない。
何かあったのかと不信に思い始めるものの、時間潰しのために手にした黒いファイルの中の書類に再度目を通し始める。
悠矢「・・・・・仕方が無い、これはまた、別の機会にとっておくか・・・・・」
タンッ・・・・・!
(氷華に対して、これ以上何を言ったところで自分の身が危うくなるだけで何も得しないと察した悠矢は、小瓶をスーツの内ポケットにしまうと、地面をタンッと強く蹴って氷華の乗っている氷塊へと飛び移る・・・・・
悠矢からすれば、送迎用の乗り物的な感じなのだろう・・・・・)
>>161
【本部にて】
桜空「げほっ・・・・・お、おーい・・・・・誰かいるかー・・・・・」
(片腕を押さえながら、吐血混じりの咳をしながら、ファーストのボスである桜空が本拠地へと戻ってくる・・・・・
ただでさえ片目は視力を失っているのに、戦いのダメージで視界がぼんやりとする今の桜空は、暗闇を歩く雛鳥も同然、かなり弱っているのが声の張り方だけでもわかるほどだ・・・・・)
>>162
>>163
狼谷
「おー、やっと帰ってきたかボス。
明らかにヤバかったみたいだが、三羽鴉でも来ていたのか?」
書類を読んで内容を確認していた中、部屋の隅に桜空が現れたのをその声や、空間移動する際の異音から察知すると、そちらへ視線を移し、立ち上がる。
八咫烏はそのメンバーの一人一人に独断で悪人を裁く権利が与えられており、組織的に行動する事も珍しいため、その全体の行動や人員配置は十二鴉の一人である狼谷でさえも把握することが出来ない程複雑な構造となっている。
それなりに腕の立つ取引相手が居て、その気になれば何時でも逃走できる空間移動能力を持った桜空が明らかにダメージを受けているのを見て、三羽鴉が現れたのかと問いかける。
桜空「げほっ・・・・・あぁ、あの強さは・・・・・多分な・・・・・」
(そう言うと「あの白い髪の女には、極力関わらないようにしたほうがいいな・・・・・化け物だ・・・・・」と、八咫烏のボスである氷華の恐ろしさを語る・・・・・
取り引きでまさかここまで体力を削られるとは思っていなかったらしい・・・・・)
>>164
>>165
狼谷
「白い髪の女……化物……
……まさか"金鵄"が来たのか?」
白い髪の女、そして化物じみた力と聞いた瞬間、狼谷の顔が固まり、数多いる八咫烏の異能者……いや、全ての異能者の中でも最強の力を持った存在である金鵄が襲来して来たのかと問い返す。
才能がある者しかスカウトされない"八咫烏"
その中でも天才しか成ることの出来ない"十二鴉"
その更に上に君臨する無敵の"三羽鴉"
そして……それら全てを合わせた以上の力を持つ"金鵄"
そんな一介の異能者だけでは対抗のしようがないと言える異次元の力を持った金鵄が取引現場に現れたのだと知ると、八咫烏が本格的に動き出す前触れだと感じている……
桜空「はぁ・・・・・はぁ・・・・・俺は、奴らについてはあまり、詳しくはねぇが・・・・・その・・・・・肩書きっていうのか・・・・・?名前からして、ボスみてぇだな・・・・・多分、そいつだ・・・・・」
(息を切らしながら、戦いの傷を癒すべく、この本拠地に設置してある今現在における医療技術の結晶とも言える治療マシンへとゆっくりと足を引きずりながら歩いてゆく・・・・・
一部、骨が見えるほどに皮膚が避けてしまっていることから、氷華の氷を用いた攻撃を受けていることがわかる・・・・・)
>>166
>>167
狼谷
「凄いな……金鵄と対峙しながら生きて帰れる奴がいるんだな……」
黒いファイルを持ったまま両腕を組んで少し考える。
これまで氷華はどの敵も決して逃がさずに徹底的に追い詰め、殲滅して来た……もし、桜空が空間移動能力を持っていなければ確実に殺害されていただろう。
抗おうにも、桁違いの攻撃力を持つ氷華に挑んで生還できた者を狼谷は見たことも聞いたことも無く、狼谷が氷華の近くで任務を遂行していた際にも氷華は無慈悲に敵対者を殲滅しているのを何度も見てきた。
狼谷
「それじゃ、ボスの回復が終わったら何時もの喫煙室に来てくれ。
八咫烏と、奴らの拠点についての情報が手に入ったからな、それを伝える。」
裂傷した傷には凍傷と思われる影響も見られ、肌の一部が黒くなってしまっている事からも、本当に氷華が取引現場に現れたのだとわかり、治療マシンによる傷の回復が終わったら八咫烏についての情報の入手に成功したため、このアジトにある喫煙室に来て欲しいとだけ伝える。
【八咫烏 八王子活動拠点】
都内、八王子市内にある小さな商業ビル。
名目上は小さな企業の本社ビルとなっているものの、その正体は八咫烏が用意したダミー会社による、八咫烏活動拠点となっている。
その一室である窓の無い地下部屋では廃工場での戦闘の際に、別動隊として行動していた毒鴉の毒剣から滴る神経毒の影響で動きを止められていたところを蟲鴉が生み出す巨蟲によって拉致されたfirst構成員が七人と、氷華がいるものの、既に三人の構成員が殺害されている。
一人は肌が浅黒く変色して絶命しており、
もう一人は手足を凍らされて砕かれて絶命し、
また一人は頭を凍らされて砕かれて絶命した
死屍累々とした状況であるもの、氷で出来た鎖によって身動きを封じられている四人の構成員達の前で氷の椅子に座っている氷華は死体をまるで気にしていない、涼しい顔をしたまま尋問を行っている。
first構成員
「も、もう全部話しただろ!?」
氷の鎖で拘束されている四人の体には針のような氷柱が幾つもの突き刺さり、ある者は右目を潰され、ある者は既に両足を凍らされて砕かれ、またある者は顔から下が重度の凍傷による影響で常に激痛に苛まれている……
氷華に拷問器具は必要ない。
彼女が持つ異能そのものがこれ以上ない拷問道具となっており、これを用いて
氷華
「……取引物はチップ……
その詳細については知らないの?」
first構成員
「ああ、そうだ……本当にこれ以上は何も知らないんだ!!」
氷華
「……そう、それならもう貴方達は必要ない。」
first構成員
「や、やめ……!!!」
《バキンッ》
《バキバキバキバキバキッ》
氷華はもう情報を抜き取ることが出来ないとわかると、黒い革手袋を付けていない右手で四人の構成員全員に軽く触れる。すると、氷華が触れた箇所から構成員達の体が凍り始め、十秒足らずで全身が凍り付くと、彼らを拘束していた氷鎖が凍った彼らの体を圧迫して四人全員を砕き、絶命させる……
四人の構成員全員が砕けて絶命していく様子を見ながら、氷華は黒革の手袋を右手に付け、コートの右ポケットから青白いハンカチを取り出し、顔に付着した返り血を拭きながら新たに思考を巡らせていく。
氷華
「収穫は無し……か、やっぱり下っ端を幾ら尋問してもまともに出てくる情報は無いわね。狙うなら"幹部以上"かしら?」
桜空「あぁ、わかった・・・・・」
(そう言うと、治療マシンの中で眠り始める・・・・・
ここで治療を受けている間は、さっきまでの戦いが嘘だと思えるほどに、安らかな時間のみがただただ流れる・・・・・
そうして桜空は、夢へと入っていった・・・・・)
>>168
悠矢「ウチに記憶抜き取り系の能力者でもいれば楽なんだけどねぇ〜・・・・・で、どうするよ?氷華ちゃん・・・・・奴ら、拠点がどこかもわからない以上、あの襲撃以降、取り引きの際は俺らに備えてくるかもよ?」
(悠矢もおちゃらけてばかりではいるものの、馬鹿ではない・・・・・
敵はどう出るか、こちらはそれに対応してどう出るか、氷華同様に悪には徹底して容赦なくかかることを考えている・・・・・
悠矢は、氷華はどうするつもりなのかとニヤニヤしながら真剣に問いかける・・・・・)
>>169
氷華
「……探知や索敵に長けた者が居ない訳じゃない……加えて、三羽鴉にも召集をかけ、これまで以上に厳重な警備体制を取ることにする。
蟲鴉、後片付けは頼むわ。」
蟲鴉
「御意。」
海外で任務の遂行を行わせていた八咫烏最高戦力である三羽鴉を召集し、
相手は空間移動によって逃亡や逃走が容易になる異能を持っているため、それに対する策として、同時に国内の警備体制をより堅固なものにしようと考えている。
例えどれだけ逃げようが隠れようが、必ず見付け出して贖罪させる。
その一念が氷華を突き動かしており、バラバラに砕かれた骸の氷を消し、床に散らばった血肉を蟲鴉の生み出す巨蟲達に始末を任せると言うと、部屋の扉に向かって歩き出す。
氷華
「八咫烏の眼からはどれだけ小さな悪でさえも逃れることは出来ない。」
悠矢「おー、怖い怖い・・・・・」
(仲間意識というものが自分も含め、この組織にあるのかどうかは未だにイマイチよくわからないものの、立場上の関係性は仲間である以上、氷華の人間性を一番知れる立場でもあることから、敵に回したくない人間だと思いながら上記を呟く・・・・・
八咫烏にはヤバイ人間がごろごろいるが、間違いなく氷華が一番ヤバイだろう・・・・・)
>>172
氷華
「……とは言え、街の被害状況から見て暫くは派手に動かない方がいい、貴方も今日はもう休んでいいわ。」
商店街での一件もあり、これ以上派手に動いてしまうと、警察や公安による情報の抹消や痕跡回収が難しくなってしまう事から、暫くは大きく動かずに待機しておべきであると判断し、部屋のノブに手をかけながら緋染も休憩を取っても構わないと言うと、扉を開け去って行く。
容易く大規模な氷塊を生成したり、何百もの氷柱を作り出したり、触れずして氷塊を意のままに動かすと言ったように、威力、規模、精度のどれを取っても人並み外れた力を持つ氷華……
桁違いの異能を持つ彼女の歩むその先がどのような世界になるのかはまだ誰にもわからない……
悠矢「オッケー、んじゃ、お言葉に甘えてしばらく休憩といきますか・・・・・」
(そう言って、氷華が去ったのを見届けると「にしても、正義正義のお堅い氷華ちゃんが、ただただ休憩・・・・・というか、嫉妬してられるとも思えないよなぁ・・・・・ゴキ鴉なにか知ってる?」と、常日頃休息の時に何をしているのかがよくわからない氷華のプライベートに関して蟲鴉に聞こうとするが、わざとなのか、それとも本当にただ口が滑ったのか、蟲鴉のことをゴキブリの最初の二文字と合わせてゴキ鴉と呼ぶ・・・・・)
>>173
>>174
蟲鴉
「休憩……休憩……」
大きく項垂れ、左右の目を不規則にギョロギョロと動かしながらブツブツと独り言を何度も呟いており、ただならぬ雰囲気を纏っている……彼は氷華が尋問の果てに殺害した者達の死体の始末も行っているのだが、氷華以外の者との会話はまともに交わされているところを見たことがない。
根からの狂人である蟲鴉を従えることが出来ているのも、一重に氷華が圧倒的な実力を持っているからであるからだろうか。
悠矢「・・・・・ま、いいか・・・・・」
(そう言うと、悠矢も部屋から出てゆく・・・・・
蟲を操るというあまり好まれるような能力ではない以上、立場上仲間ではあっても、できるだけ関わりたくはない人物の一人であり、今も少し気まぐれで話しかけてみたものの、案の定意思疎通は難しいと判断し、その場を後にした・・・・・)
【ファースト本拠地】
プシュー・・・・・
「・・・・・」
(治療マシンから出てきた桜空は、戦闘でボロボロになった服を着替え、狼谷が待っている喫茶室へと足を運ぶ・・・・・
一応、かなりマシになった方ではあるが、完治というよりかは今出来る最大限の応急処置を施した程度であり、もしかしたら何かしらの後遺症が残るかもしれない可能性もあるため、改めて氷華の能力の恐ろしさを思い知る・・・・・)
>>175
>>176
【first東京本部 第】
狼谷
「……これは乗るべきか……それとも見送るべきか……いや、これが本当なら此処を潰せば八咫烏の奴らにかなりのダメージを与えられるな……」
喫煙室にて、十二鴉と言う地位を活かして八咫烏から盗み出した機密情報書類を読んでいた狼谷が煙草を吸いながらそう呟く。既に用意された灰皿の上には煙草の吸殻が山のようになっており、換気のされている筈の喫煙室の中であるにも関わらず、煙草の煙が充満しており、回復が終わるまでずっと煙草を吸いながら書類を読んでいた事がわかる。
桜空「ケホッ!?ケホッ!!・・・ったく、吸い過ぎた・・・・・」
(治療マシンの中では、傷を癒すために一時的に意識もなくなり、一種の睡眠状態に近い状態となる・・・・・
その為、体感的にどれほどの時間が経ったのかは時計を見なければわからないが、灰皿に入った吸い殻を見れば、大方予想がつく・・・・・
大体一時間ってところだろうか・・・・・
桜空は、煙たそうに咳き込み煙を払い除けながら、ソファーに座る・・・・・
右肩には、氷華から受けた攻撃で出来た凍傷の痕が残っており、恐らく一生残る傷だと思われる・・・・・)
>>177
>>178
狼谷
「ん?そんなに吸ってたか?
って、その傷……大丈夫か?」
書類内容に集中していた事もあり、桜空に声をかけられるまで無意識の内に煙草を吸っていた事に気付かず、山盛りになった吸殻の山を見て少し驚くものの、視線を相手に戻すと、右肩には細胞が壊死したと思われる箇所が目に入る……
メディカルマシーンは異能による再生には及ばないものの、体細胞の新陳代謝を促進させて外傷やダメージを修復させるものであり、銃弾や火傷は勿論、並みの異能攻撃でも完治させる事が出来るのだが、それでも完全には治すことの出来ない程のダメージ……
そこから推測するにおそらくは皮膚の深部……皮下組織まで壊死してしまっているのだと思われ、どう見ても大丈夫な様子ではないのだが、安否を気遣う言葉を掛けてみる。
桜空「あぁ、特に今のところ、これといって以上はない・・・・・あの治療マシンももう長年使っているからな、完治できないこともあるだろ」
(そう言うと「それじゃあ、早速本題に入ろうか・・・・・」と、狼谷に持ちかける・・・・・
組織の存続がかかっていることから、自分の傷など今気にしている余裕はなく、八咫烏についての情報を頭に入れることが最優先だと考える・・・・・)
>>179
>>180
狼谷
「ああ……お前が大丈夫ならそれでいい。
八咫烏……この組織についてお前に説明しておくか。
と言っても、その階級や昇格システム、神童についてはもう話したな?」
桜空が大丈夫だと応えると、本人がまだ戦うことが出来ると言うのなら、これ以上此方から言及するのも悪いと思い、八咫烏についてのおおまかな解説やシステムについては既に説明してある事から、前提部分を飛ばした核心部分について話し始める……
狼谷
「十二鴉……この階級は入れ替わりが激しく、十二鴉に並ぶ実力者や候補がいる事から決まったメンバーはいない……だが、この上の"三羽鴉"この地位に居る奴らは全員が化物クラスの実力者だ。俺も5年ほど十二鴉をやっていて、十二鴉の中でも上位の力を持っているが……コイツらにはタイマンで勝てる気はしないな……」
狼谷
「三羽鴉の内の一人だけで一つの組織を丸ごと全滅させることが出来る程の強さがあると言われている……コイツらと戦う時は組織の総力をあげて戦った方がいい。それができなけりゃ……逆に潰されるぞ。」
八咫烏における最高戦力である三羽鴉について話し始める。
この三羽鴉と戦う際には逆に此方が全滅する可能性もあると言うことを警告する……
桜空「リスクがでかすぎる・・・・・その三羽鴉ってぇのとはなるべく戦闘を避けたいものだ・・・・・」
(先の大戦において、相手側の実力は身をもって体験した・・・・・
狼谷の情報にまず間違いはない、組織を丸ごと潰せるレベルの厄介な構成員が三人もいるということを考えると、なるべくその三人との戦いは避けるべきだと考える・・・・・
「・・・・・狼谷、俺にもしものことがあったら、お前が俺の地位を継いでくれ・・・・・」)
>>181
>>182
狼谷
「三羽鴉はその名の通り三人居る。」
狼谷
「一人は"焔鴉(ホムロカラス)" 異能は"炎熱焦土"
海を沸騰させ、煮えたぎるマグマをも蒸発させる炎熱を意のままに操る、炎熱系の中でも最強クラスの異能者だ。」
狼谷
「一人は"霞鴉(カスミカラス)" 異能は"無限幻影"
決して攻撃を受けることの無い無敵の女であり、任務は常に一人で行うにも関わらず、これまで請け負った任務でただの一度も攻撃を受けず、一方的に数多の組織を潰して来た奴だ。」
狼谷
「最後の一人は"剱鴉(ツルギカラス)" 異能は"無明刀流"
斬撃を飛ばすだけの単純な異能だが、奴の恐ろしさはその素の身体能力と戦闘技能の高さであり、そこにこの異能が組合わさる事で八咫烏の中でも屈指の地位を確立させた……何よりもコイツはあの金鵄に"相棒"と呼ばれている程の信頼と実力を兼ね備えている……」
狼谷
「どれを取っても化物揃いだ。
コイツらとの1vs1になるなんて最悪の展開が来たら……逃げられ無くなる前に全力で逃げろ。勝てるだなんて思わない方がいい……」
狼谷は三羽鴉の通り名やその異能についても教える。
十二鴉と言うように見上げれば直ぐに見えるところに存在する者達だからか、彼らの実力についても知っており、何度もその力を目の当たりにして来た上で、三羽鴉と対峙した場合、戦うのではなく逃げることに死力を尽くすようにアドバイスをする。
狼谷
「おいおい、俺は裏切り者だぞ?
……お前が世界を変えるんだろ?
自分(テメー)の願いは自分(テメー)で叶えろ。
間違っても……俺みてぇな半端者にはなるな。」
桜空が自分がもし消されるような事があればその時は代わりに組織を継いで欲しいと言う彼の言葉を聞いて少し唖然とするものの、直ぐに煙草を噛んだまま笑い、拳を相手の前に突き出して自分の意思や信念は何があっても自分自身の力で叶えろと言う。
狼谷は曲がりなりにも正義を求めながら、暴走する正義を前に悪と呼ばれる者達の力を借りて止めようとしている半端者の裏切者である事から、自分には組織を継ぐような素質も資格も無いと自覚している……
桜空「・・・・・そう、だな・・・・・自分の希望は自分で叶えねぇとな・・・・・」
(桜空も拳を突き出して相手の拳と合わせると、右肩を押さえる・・・・・
やはり、治療マシンによる治癒を受けてもかなり痛むのか、先程から右肩はだらんと垂れているように見える・・・・・
「・・・・・あの白髪の女、一般人も巻き込もうとしやがった・・・・・あれだけはどうしても許せねぇ・・・・・」
桜空は、まだ自分の姉であるという事実を知るはずもなく、記憶はうっすらだが正義感が強かった姉が、今あんなことになっているなど、到底イコールになるはずもなかった・・・・・)
プルルルルルルル・・・・・プルルルルルルル・・・・・
(その時、突如として狼谷の携帯が鳴る・・・・・)
>>183
狼谷
「ああ……アイツらは無関係の一般人を巻き込むことに躊躇いがない。俺にはついて行けない考えだ」
一度自分達が悪と判断した者に対しては異常なまでに冷酷になり、民間人を巻き込んだ攻撃でさえ攻撃に巻き込んで犠牲にする事でさえ躊躇わないそのやり方に狼谷は付いていけず、組織を裏切るスパイとなった……
そう話している内に電話の音が鳴ると「電話が鳴っているぞ」と言い、先に電話に出ても構わないことを伝える。
桜空「どっちが悪かわかったもんじゃねぇな・・・・・」
(悪を排除するためならば、民間人でさえ躊躇わずに攻撃に巻き込むそのやり方に、これじゃあどっちが悪なのかわからないと漏らすと、電話が鳴り先に出てもいいと言われるものの「いいのか?この番号、ファーストのメンバーの電話番号でもなければ、ボスのでもない・・・・・八咫烏の奴らからじゃねぇのか?あっちでも一応活動はしているんだろ?」と、携帯の画面に出ている番号を見せる・・・・・)
>>185
>>185
狼谷
「最初はうちのボスもまともだったんだがな……
犯罪組織を潰していく内におかしくなっていったんだ……」
最初の頃の金鵄(氷華)は今とは違い、民間人を巻き込むことを嫌い、相手が悪人であろうと、救える者は救い、苦しめられ虐げられる者を守るためにその力を使っていた事を狼谷は知っていた。
だが、上に登り詰めるにつれて、犯罪組織や悪党を潰すにつれて今のような歪み、捻れ、荒んだ正義を翳すようになった……そして、人間の心を捨てるにつれ、彼女は力を増していった……それはまるで失った心を埋めるかのように……
狼谷
「………俺だ。」
自分の携帯電話でなく、わざわざ桜空の携帯を通じて連絡をよこして来たことに違和感を抱きながら、その見知らぬ連絡先からかかって来た電話に桜の代わりに出る。
自分の名前や素性がバレないように最低限の言葉だけを返し、その反応から相手が誰なのか、何を目的にしようとしているのかを推測しようとする。
ボス「あ、もしもーし!電話番号変えたから一応言っておこうかと思ったんだけど、その声は、狼谷かな?桜空は?」
(相手はまさかのボスであり、番号を変えたから一応言っておこうという、普通のことではあるのだが、場の緊張感が一気に乱れるような声のトーンで言ってくるあたり、よく今まで捕まらなかったと思えるほどである・・・・・
だが「八咫烏の方はどうだい?スパイ任務も楽じゃないだろう?」と、気遣ってのことか、何か進展はあったのかという意味合いでか、どちらともとれる問いかけをする・・・・・)
>>187
>>188
狼谷
「………人違いだな。」
畳み掛けるように自分の素性について話したボスの言葉を聞いて、困惑するものの、それを声や様子に出すことはなく、何時も通りに気怠そうに言葉を返すと、何も言わず即座に電話を切る。
狼谷
「おまッ……!俺の事を話したのか!?」
スパイは決して情報を残さないようにしなければならない。
素性がバレたスパイはもはや何の価値も無くなるからだ。故に状況によってはこの時点でファーストへの協力を辞めなければならない……
桜空「いや、ボスはいつの間にか知っていてな・・・・・どこで知ったのかは正直わからねぇけど、「協力してくれるならスパイでもなんでもいい、彼が過ごしやすいような組織にするように尽力しなさい」って言われたんだ・・・・・」
(ボスからは、狼谷がたとえスパイであろうと、スパイとして過ごしやすいような組織にするように尽力しなさいと言われたということを言うと「まぁ、俺はボスから言われなくても、お前がスパイ任務をやりやすく、過ごしやすいようにできる組織にするつもりではあるがな・・・・・幻滅したか?」と言う・・・・・)
>>189
>>190
狼谷
「……俺は何時でも首の皮一枚で生きているようなもんだ。
あまり公にはするなよ?ろくでなしの俺だが、自殺趣味は無いからな。」
狼谷は自分の情報が漏れていた事に驚くものの、狼谷は数年前からこの組織に協力しており、愛着もあった事から、協力関係の打ち切りをもう少し見送る事にする……
だが、他にも自分も知らないところで情報が回っている可能性もある事からこれまで以上に警戒をするように考える。
桜空「わかってるさ、ボスもメンバーの秘密については漏らさない主義だ、誰かに言ったりすることはないだろう・・・・・」
(そう言うと「一つ聞きたいんだが、八咫烏のボスは本当にあの女なのか?組織の指揮を執るには随分若いように見えた、俺とそう大差ない年齢だと思う・・・・・俺達にボスがいるように、八咫烏にもあの女より立場が上の奴がいるってことはないか?」と、八咫烏と一戦交える前に、ある程度のことは把握しておこうとする・・・・・)
>>191
狼谷
「その言葉が本当だと信じとく。
……ああ、八咫烏の最高位は金鵄だ。
更に八咫烏は三権分立以前から独立した組織だったから八咫烏に上は無い……だからこそ、腐敗した政治家の粛清も可能になっている訳だ。」
狼谷は八咫烏を管轄する上位組織はあるのかと聞かれると、八咫烏は戦後の三権分立以前から独立した組織であった事から八咫烏の上には何の組織も無いと応える……
もし、そんな組織があれば、狼谷はファーストではなく、その組織との接触を試みていただろう……だが、現実にはそんな組織はなく、国内の組織の中で唯一八咫烏に対抗できるかもしれないと思ったのがこの組織だった訳だ。
狼谷
「俺も最初は驚いたさ、まさか八咫烏に入って2年……14で最強の異能者だった前任の金鵄を瞬殺しちまうなんてな……2000年以上ある八咫烏の歴史から見てもこれは異常としか言いようがない。」
組織の指揮を取るには若すぎるのは確かだが、それを補ってありあまる程の指揮力と、桁違いの異能を持っているため、八咫烏は弱体化や瓦解をせずに維持されているのだろう。
桜空「・・・・・前任を瞬殺・・・・・」
(八咫烏という組織の長である以上、能力もそれ相応に強いものだろうと考えると、それを瞬殺ということは、単純に氷を操る系の能力だとしても、ただ単に操るだけが強さであるとも思えない・・・・・
氷を操るという能力と、悪というものへの憎悪が、氷華の強さをより引き立てるのだろうか・・・・・
いずれにしても、氷華以外にもやばい能力者がごろごろいる八咫烏相手に戦うとなると、死を覚悟するしかない・・・・・)
>>193
>>194
狼谷
「だが俺達にも勝ち目が無い訳じゃない……ここで出てくるのが"コレ"だ。ここに八咫烏の武器製造工場の地図が書いてある。この工場を潰して武器を抑え、反八咫烏の組織に配り、ゲリラ戦に持ち込めば八咫烏はそいつらの対応に追われ、致命的な隙を見せるだろう。
それが出来るのはお前だけだ。」
狼谷は真正面から戦っても勝てない事から、自分達が勝機を見付けるには、ゲリラ戦に持ち込み、長期的な戦闘の果てに八咫烏を疲弊させ、隙を作るしかないと言う。八咫烏にも無能力者がいて、その者達が使うための武器……これを奪えば長期的なゲリラ戦も充分に可能なだけの武器を手に入れることが出来るだろう。
だが、八咫烏も馬鹿ではない……それを見越して厳重な警備体制を敷いていると思われる事から、空間移動をする事が出来る桜空しかこの計画を現実にする事は出来ないと言う。
桜空「なるほどな・・・・・にしても、こんな武器工場まであるってことは、奴ら、悪を滅ぼすためとか言って戦争でもおっぱじめるつもりか?いくらなんでも武装が過ぎるようなも気もするが・・・・・」
(悪を裁くためならば一般人も巻き込もうとする思想の八咫烏ならば、悪のいない世界を作り上げるためにこの武器向上で作った武器を用いての戦争を始めたとしてもおかしくはない・・・・・
この作戦、なるべく早く実行した方がよさそうだと判断する・・・・・)
>>195
>>196
狼谷
「戦争を起こすつもりかどうかは知らないが、八咫烏は海外に三羽鴉を派遣て勢力拡大をしようとしているらしい……」
国内では違法とされている武器の製造や密輸を行っている事から、その気になれば戦争を引き起こすことさえも容易いだろう……だが、ひとたび戦争となれば、それこそ何百万、何千万もの無垢の民の命が失われてしまうことになるが、八咫烏は……いや、氷華はそれを躊躇うことなど無いだろう。
そこに加えて八咫烏は最高戦力たる三羽鴉を海外に送り込んで勢力拡大を目指していると言う事も教える。ある意味、これまで三羽鴉を海外に送り込んでいたからこそ、この組織もその脅威に晒される事も無かった……
狼谷
「今は軍事物資の補給の予定が重なっていてその分、警備の人員も戦力も増大されている筈だ、仕掛けるなら補給や積載が終わり、警備が手薄になると思われる三日後にするべきだ。」
決戦は三日後にするべきだと狼谷は進言する。
無用な戦闘を抑える事で周囲への被害を抑えると同時に、攻略を容易なものにする事が出来ると言えるだろう。
【氷華side】
《コンコンコン》
氷華
「……夕渚。
起きてる……?」
尋問が終わり、緋色地染と分かれ、地下の尋問室から退室した氷華はその足で八咫烏外の唯一の親友である佐藤夕渚の元へ向かう……多くの者に恨まれている関係上、夕渚にまで危険が及ばないようにするために都心の闇に紛れ、追跡を警戒して遠回りかつ不規則なルートを選び、異能を用いた移動を控え、病院の職員や監視カメラにも見付からないようにして来ている。
こうして自身の足跡を消し、存在を秘匿した上で無ければここに訪れる事は出来ないのだが、このようになるタイミングを利用する事で氷華からの監視の目が無くなる事で狼谷は桜空達との接触が取れるようになっている。
桜空「・・・・・わかった、三日後に決行する・・・・・」
(そう言って立ち上がると「今回ばかりは本当に危険だな・・・・・」と、今まで感じたことのない悪寒を、全身を駆け巡るようにして感じる・・・・・
自分同様に人間離れした異能持ちではあるものの、敵対する相手も同じ人間、それなのに、まるで得体の知れないモンスターの大群を敵に回したような気分だ・・・・・)
【病室にて】
夕渚「おいーっす氷華ー!」
(いつもと変わらずに元気な夕渚、今日は小説を読んで病室での時間を過ごしていたのか、手の届く範囲には三冊ほど小説が積まれている・・・・・
だが、枕には涙で出来たシミの跡が確認できることから、また人知れず一人泣いていた時間もあったと思われ、このこと自体は夕渚自身、親友の氷華にも心配をかけまいとして敢えて言っていない・・・・・)
>>199
氷華
「最後に来たのは二週間前?
少し間が空いてしまったけど、漸く来れた。」
夕渚の横になっているベッドの近くまで歩くと、両手を後ろに組ながら、小説が三冊積まれている事と、涙に濡れた枕を見て、敢えて核心には触れずに懐かしいと言葉を掛ける。
自分は闇に生きる存在であり、頻繁には顔を出すことが出来ず、半年も来るのに間が空いてしまう事もあったが、亡き弟と彼女の事は何時も気に掛けて来た……
自分はもう悲しくとも辛くとも涙は流れない。
自分の操る冷気のせいで体外に流れなくなっているからなのか、それとも人間として失ってはならない感情が失われてしまったからなのかは定かではない……
夕渚「確か・・・・・その通り二週間前!氷華記憶力いいね!」
(カレンダーに氷華が来てくれた日には印をつけており、氷華が確か最後に来たのは二週間ほど前だったかと呟けば、カレンダーを確認してその通りだと答え、氷華の記憶力のよさに少し興奮気味で上記を返す・・・・・
そして「バナナ、食べる?」と、学校の友達がお見舞いの品として持ってきてくれたと思われるいくつかの果物から、バナナを選んで差し出す)
>>200
>>201
氷華
「ありがとう。
貴方へのお見舞いの物」
最初に彼女と会った時の事も鮮明に覚えている……路地裏で半グレの集団に絡まれているところを助けた時の事も……記憶力がいいと自分を褒めてくれる夕渚に感謝すると、彼女が学校の友人から貰ったお見舞い品を
氷華は微笑んではいるものの、悪を倒せば倒すほどに、他者を信じたり思いやる事が出来ない程の不信と憎悪を募らせ、その心からは人間性が削られてしまい、その影響で最初に夕渚と会った頃に比べて明らかにその顔は人間らしい温もりが失われてしまっているのだが、氷華自身はその事に気付いていない……
氷華
「本当なら貴方にはもっといい病院を紹介して、沢山のお見舞い品をあげたいところなのだけれど……私の立場的にそれが出来ない……だから代わりにこれをあげる。」
《パキンッ》
氷華は右手の掌に氷の鶴を生成して見せる。
千羽鶴をイメージしたもので、今にも動き出しそうな程に精巧な造形をしており、硝子細工のように綺麗な物となっている……
本来なら多額の支援金や、よりより医療装置の整った病院に移動させてあげたいのだが、そんな事をすれば直ぐにその提供者として自分の存在が明らかになってしまい、間違いなく報復として夕渚にまで危険が及んでしまう事から出来ずにいるため、これが氷華が出来る唯一のお見舞い品となっている……
もっとも、氷華の形成した氷は術者である氷華が去ってから少しの時間が立つだけで直ぐに気化して跡形も無くなってしまうのだが………
>>201
氷華
「ありがとう。
貴方へのお見舞いの物」
最初に彼女と会った時の事も鮮明に覚えている……路地裏で半グレの集団に絡まれているところを助けた時の事も……記憶力がいいと自分を褒めてくれる夕渚に感謝すると、彼女が学校の友人から貰ったお見舞い品の一つであるバナナを受け取ると、彼女からの善意を無駄にしないために「ありがとう、貰っておくわ」と応えてそれをコートの内ポケットの中に仕舞う。
氷華は微笑んではいるものの、悪を倒せば倒すほどに、他者を信じたり思いやる事が出来ない程の不信と憎悪を募らせ、その心からは人間性が削られてしまい、その影響で最初に夕渚と会った頃に比べて明らかにその顔は人間らしい温もりが失われてしまっているのだが、氷華自身はその事に気付いていない……
氷華
「本当なら貴方にはもっといい病院を紹介して、沢山のお見舞い品をあげたいところなのだけれど……私の立場的にそれが出来ない……だから代わりにこれをあげる。」
《パキンッ》
氷華は右手の掌に氷の鶴を生成して見せる。
千羽鶴をイメージしたもので、今にも動き出しそうな程に精巧な造形をしており、硝子細工のように綺麗な物となっている……
本来なら多額の支援金や、よりより医療装置の整った病院に移動させてあげたいのだが、そんな事をすれば直ぐにその提供者として自分の存在が明らかになってしまい、間違いなく報復として夕渚にまで危険が及んでしまう事から出来ずにいるため、これが氷華が出来る唯一のお見舞い品となっている……
もっとも、氷華の形成した氷は術者である氷華が去ってから少しの時間が立つだけで直ぐに気化して跡形も無くなってしまうのだが………
【追記版】
夕渚「わあぁ〜・・・・・すごい綺麗・・・・・」
(まるで無邪気な子供のように目を輝かせながら氷の鶴を受け取ると、そっとお見舞いの品である果物の横に置き、数秒眺めてから「氷華はさ、代わりにって言うけれど、私病気が治るのと・・・・・いや、それ以上に嬉しいかも♪こうしてお見舞いに来てくれるだけでも、病気なんかに負ける気しないもん!」と、氷華からのエールはしっかりと受け取っており、立場上いい病院を紹介したりできずに歯がゆい思いをしている氷華とは対称的に、かなり前向きである・・・・・)
>>203
>>204
氷華
「……………………。」
氷の鶴を受け取り、傍に置き、自分が見舞いに来てくれるだけでも嬉しいと言ってくれる夕渚からの言葉を聞いて、氷華は微笑んだまま、少しだけ黙り込む。
罵詈雑言でも恨み言でも無い、純粋な好意。
それが殺戮と闘争の世界で生き続けて来た氷華にはとても深く染み込む……
端から見ると何の事も無い、見舞いに来てくれた事へのお礼として見えるのだが、今の氷華にはそんな何気無い言葉の一つでさえ、かけがえの無い物になっている。
そう言えば昔……今となっては遠い昔の事になってしまったものの、生き別れた弟にもこうした言葉をかけてもらっていた事を思い出す……あの頃の自分が今の自分を見たらどう思うのだろうか?
氷華
「ええ、私も……こうしている間が一番落ち着くわ。」
此処でならば、金鵄である事や、正義のために現世を地獄にしようと考え、他者に弱みを見せずに強い自分だけを見せ続ける必要がなく、まるで普通の人間になれたかのように思える。
だが……自分は何時までも安寧の中にいる訳にはいかない。
自分は世界から悪を根絶するために戦い続けなければならない。
これは強い力を持った自分の宿命であり使命だ。悪がいる限りこの世界では終わり無き恐怖と悲しみに満たされたままであり、それに終止符を打つために自分は戦い続けなければならないからだ。
夕渚「・・・・・氷華、ちょっといい・・・・・?」
(上半身を起こして、相手の両頬に両手を添え、じっと目を見つめる・・・・・
それは、まるで子供がなにか悪いことをした時に親が嘘を見破るための行動、もしくは泣いている子供を落ち着かせるために親がする行動のどちらにも考えられ、夕渚の表情、雰囲気は普段の明るく子供っぽい無邪気な感じとは異なり、どこか大人びた印象を受ける・・・・・)
>>205
>>206
氷華
「……?
どうかしたの……?」
以前までの自分であれば落ち着いて穏やかな、人間としての自分でいられる筈の場所にいる中でもこの内面的な変化を感じ続けてしまう……
少しずつ自分が自分でなくなっていくような感覚……
だがそれ以上に、その変化に対する拒絶反応や違和感が自分の中から無くなっている事に焦りを覚えてしまう。
最終的に自分は異能と同じように氷のような心をした存在になってしまうかもしれない……そうなった時……夕渚はどう思うだろうか?……弟が生きていたとしたら……そんな自分を見て何を言うのだろうか……?
だが、自分が止まれば世界は悪と腐敗が蔓延る世界になってしまう。
誰かがやらなければならない。誰かが世界を変えなければならない。
それをするために自分は強い力を持って生まれた。
自分にしか出来ない、自分の生まれてきた意味、存在理由だ。
叶うのならば、身も心も完全に人ならざる者になってしまう前に世界を救いたい……
夕渚「・・・・・氷華、なんか思いつめた顔してる・・・・・」
(そう言うと、両手を下ろして「どうしたの?・・・・・何か、お仕事で嫌なことでもあった・・・・・?」と、氷華の表情の奥底に隠れた氷華自身もよくわからないような感情に、直感的に気がつく・・・・・
こうして毎日毎日病室で過ごしている夕渚には、到底氷華の苦労をわかることはできない・・・・・
そもそも、氷華の立場上、本来ならばこうしてこの場にいることはそもそもないのだ・・・・・
住む世界が違うとはよく言うが、二人の関係は正に友人であると同時にそれに該当する・・・・・)
>>207
>>208
氷華
「……………!!」
第三者から見れば氷華は眉一つ動かさずに話しているように見える程、その表情に変化はほぼ無かったものの、その僅かな変化を見逃さずに言葉をかけた夕渚に少し驚く。
彼女は異常に勘が鋭い。他の者であれば見抜けない程の小さな変化にも気付ける……嘘を付いて誤魔化そうとしても彼女は見破るだろう……加えて、滅多に会うことの出来ないと言うことからも、氷華自身は気付けないような変化にも、大きな変化として気付けてしまうのだろうか。
両頬を押さえ、真っ直ぐにじっと自分を見つめる夕渚に対して氷華はまるで氷のように冷たく、深海のように暗い瞳を持って見返す……氷華の体は異能による影響からか少し冷たく、まるで氷像に触れているかのように感じるだろう。
氷華
「……貴方は自分が自分でなくなるような感覚を覚えたことはある……?本当に今此処にいる存在は自分なのかわからなくて……本当の私は実はもう
そして……その事を嫌だとも思わなくなっている自分が……怖い。」
商店街の巨大なバルーンを触れずに瞬時に凍結させたり、直径10m以上もある巨大な氷塊を瞬時に生成してその軌道を自在に操る、圧倒的多数の敵に囲まれた状態でも逆に蹂躙するだけの格闘技術、戦闘能力を持ち、怖いものなど何もない最強の存在である筈の氷華は自分の抱く"恐怖"について話す。
そう語る氷華の顔や声からは明確な恐怖心は感じられない……いや、その恐怖心さえも削れて無くなってしまっている……
夕渚「・・・・・えっと・・・・・私、あまり頭よくないからさ、氷華の言ってることは多分把握しきれていないと思う・・・・・ただ、氷華は氷華だよ?私の大事な友達・・・・・」
(そう言うと「ってか、氷華体冷たいよ?最近冷え込んできているから、風邪ひかないようにしないと!」と、氷華の体の冷たさ=能力が関係しているから、という結論ではなく、外の風が冷たいからだという結論に結びつける、自分でも言っているとおり、やはり頭はよわよわだ・・・・・
だが、氷華は氷華であり、それ以外の何者でもなく、大切な友達であると答える・・・・・)
>>209
>>210
氷華
「ありがとう……そう言ってくれると……私はまだ私なんだって安心できる……」
氷華は微笑んだまま、夕渚の自分は自分だと言ってくれる言葉を聞くと、彼女に感謝の言葉を口にする。彼女はあまり賢い方ではなく、あまり深い部分まで推測しての言葉では無いと思われるものの、それでも氷華は彼女の言葉を聞いて安心する……
氷華
「あはは、私は大丈夫。少し夜風に当たりすぎただけ。
それじゃあ……私は帰るけど……ちゃんと勉強もしないと駄目よ?知識は力になる。今は役に立たなくとも、何時かは役に立つから……」
数多の戦闘の中で鍛え上げられた聴力が見回りの看護師の後音が廊下から聞こえて来るのを捉えると、これ以上長居していると看護師に見付かってしまうと思い、病室の窓を開け、外に出ようとする。
此処は地上5階の場所であるため、普通に考えるととても出入り出来るような場所でもないのだが、氷華は氷の足場を作ることで高度を無視して移動することが出来る。
夕渚「わかってるってぇ〜!こう見えても勉強はしてるんだよ?・・・・・一応・・・・・」
(一応の部分だけ、若干苦笑いしながら言うと、窓から帰ろうとする氷華に「またね、気を付けて帰ってね・・・・・」と、笑顔だがどこか別れを惜しむような感情も感じられる表情で、氷華に言う・・・・・
夜風が、氷華を再び八咫烏の長へと引き戻すかのように吹き付ける・・・・・)
>>211
>>212
氷華さ
「ええ……また……ね?」
氷華は最後にそう短く呟くと、窓の縁から身を乗り出し、自身の足元に氷の足場を生成し、それに乗ると、夕渚の方に振り返り、久し振りの再開にも関わらず、あまり長く入るけどれなかった夜風に青みのかかった銀色の髪を靡かせまたを立ち去ろうとする。
夕渚「・・・・・かっこいい」
(やはり、病室にいる時と見送る時とでは、氷華の雰囲気は違った印象を受ける・・・・・
氷華は氷華、それ以外の何者でもないが、仕事へと戻る時はまるで自分と接している時とは別人格が出てきているようにも時々追うことがある・・・・・
氷華がさっき言っていたことは、正に今自分が考えていることなのだろうと思うが、氷華の真面目さをただ自分が勘違いしているだけだと結論づける・・・・・
そして、夕渚はゆっくりと眠りについた・・・・・)
>>213
【八咫烏 新宿ビル/幕間イベント】
新宿にある八咫烏の所有するビルの屋上に氷塊に乗った氷華が降り立つ。
此処が総本部と言うわけではないものの、現時点では指揮系統はこの建物内に全て集約されており、小さな会議場や、集会場も内包している。
剱鴉
「"ただいま"と"おかえり"……どっちを先に言うべきかな。」
氷華
「……!
剱鴉。貴方が一番最初に来てくれたの?」
屋上にある塔屋に背を預け、両手で身の丈程もある長い刀を抱えて腕を組み、目を瞑りながらもその雰囲気だけで氷華であると察知し、声をかける。
青い髪に眼帯の剣士……彼女が八咫烏最高戦力の一角。
三羽鴉の一人であり氷華の相棒の"剱鴉"その人だ。
これまでは香港で中国大陸へ八咫烏が活躍するための足掛かりを作るために渡っていたのだが、氷華による召集を受けた事で本国へ戻って来た……
剱鴉
「他ならぬ君からの召集だったからな。向こうにあった組織を潰して直ぐに戻って来た。ところで……ボク達を呼んだと言うことは……いよいよ始めるつもりなのか?」
氷華
「………ええ、この国に……いえ、この世界に地獄を顕現し、そこで全ての悪人を等しく裁く……そして私達の理想とする真の平和世界を築き上げる……そのための足掛かりとして、手始めにこの国の中枢を掌握する。
一週間で全てが決まる、全てが終わり……始まる。」
この世に"地獄"を作り上げ、全ての悪人を裁く。
夕渚と話していた人物とは同一人物とは思えぬ程に心の底まで冷たい瞳をして夜月を見上げ、そう宣言する。
これまで二千年以上の時を影から支えて来た八咫烏が……自らの故郷である太陽を目指すように、表の世界を破壊し、新たなる世界を築き上げようとしている……これが氷華にとっての"正義と"なのだろうか。
剱鴉
「………ボクは強くなれるのならそれでいい。だが、君がそれを望むのなら僕もこの刀を振るおう。」
3日後に行われるfirstによる八咫烏の極秘兵器工場の破壊を成功させることが出来なければ……泰平の世は終わりを迎え、戦前を超える凄惨な地獄が始まることになるだろう……
悠矢「お、久しぶりな子がいるじゃ〜ん?」
(頭の後で両手を組みながら、どこからともなく現れる・・・・・
相変わらず何を考えているかわからないニヤニヤした表情、そして相変わらず相手を小馬鹿にしたような口調、八咫烏のメンバーとしてどこか欠けているような感じで話しかけてくる・・・・・
そして「いつ見ても大きい刀だよねぇ〜、動きづらくないの?」と、剱鴉に聞く・・・・・)
>>215
【ファースト本拠地】
桜空「俺の方で三日後に備えて色々と準備をしておこう、狼谷、お前が持ってきてくれた情報で奴らになんとか立ち向かえるほどにこちら側はかなり有利なまでに上り詰めることが出来た、ありがとうな・・・・・」
(そう言うと、立ち上がって「今日はもう寝ることにする・・・・・お前も煙草は控えつつ、体を休めた方がいいぞ?」と、かなりのヘビースモーカーな相手の体を気遣いつつ、体を休めた方がいいと告げ、喫茶室から去ってゆく・・・・・
自室まで着くと、桜空は別途に横になる・・・・・
「・・・・・姉ちゃん・・・・・今、どこで何をしているのか、生きているかどうかすらわかんねぇけど・・・・・俺、戦うからな・・・・・姉ちゃんが昔目指していた正義の味方とは違うけど・・・・・俺、戦うから・・・・・」と、姉を思い出してそう呟くと、眠りについた・・・・・)
>>215
剱鴉
「緋染。お前はもう少し緊張感と言うものを持った方がいい。」
壁に背を預け、両腕を組んだままの状態で応える。
小柄な剱鴉に見合わない長大な刀であるものの、それを自在に振るうことで絶大なリーチを持つ。これまでこの刀の長さについて不便に思ったことはなく、それどころか底抜けに陽気に話している彼を見て思わずそう呟く。
悠矢「緊張感っつってもさぁ〜・・・・・俺達、ピンチになったことないじゃん?この前だって逃げられはしたけど圧勝だったし・・・・・」
(そう言うと、氷華の方を見て「ところでさぁ、氷華ちゃん何してたの?なんか時々どっか行ってるっぽいじゃん?」と、神出鬼没な悠矢でも流石に氷華がどこへ出向いていたのかは知らなかったらしく、この前の報酬をねだった時のように、しつこく聞き始めてくる・・・・・
八咫烏は個性的なメンバーが多いが、悠矢の場合は個性的というか、めんどくさくてしつこくて厄介である)
>>218
>>219
氷華
「………………。」
氷華は何も語らずに塔屋に入り、ビル内部へ入って行くと、剱鴉もまた氷華を護衛するようにその後ろに付いて歩いて行く。剱鴉は緋染が格下としか戦った事がないと知ると、少し呆れた様子になるものの、それ以上は言葉にせずにいる事から、相手にもしなくなり始めている。
悠矢「冷たいなぁ〜二人とも・・・・・まぁ、今に始まったことじゃないか・・・・・」
(そう言うと、二人の後を追いかけて追いつくと「まぁまぁ聞いてよ二人共、この前の奴ら、特に取引相手の方、って言っても剱鴉は知らないんだっけ?情報がどうのこうのっつってたチップがあったじゃん?」と、隅影と桜空が取引をしていたチップについての話を持ち出す・・・・・
「氷華ちゃんにあの戦いの後言ってなかったんだけどさぁ〜・・・・・あのチップ、実はこっそりすり替えておいたんだよねぇ〜♪これ、実物ね!」と、この前の戦いにおいて氷華にすら伝えていなかったとんでもない収穫物をスーツの内ポケットから取り出す・・・・・)
>>220
【氷華と桜空の過去編】
氷華
「ほら、桜空!
外に遊びに行こうよ!」
運命の歯車が狂わされる前、二人がまだ人間だった頃……
平穏な日常が繰り返され、特別裕福と言うわけでも、貧しいと言うわけでもなく、小さな田舎にある一件家の中、今となっては見ることの出来なくなった屈託の無い満面の笑顔をした七歳の氷華が当時五歳だった桜空の顔を覗き込んで一緒に外に遊びに行こうと誘う。
桜空「うん!今日は何して遊ぶ?」
(どこまでも純粋無垢で無邪気な笑顔を浮かべながら、桜空は大好きな姉の氷華の遊びの誘いにのり、氷華の手を握る・・・・・
まだ人間らしさがあり、暖かかった頃の氷華の手は、幼い桜空にとってはすごく安心できる手だった・・・・・
一緒に遊んで、時々喧嘩して、遊び疲れたら眠る、そんな当たり前の日常がずっと続くと思っていた幼少期、失われた日々の話である・・・・・)
>>222
>>221
【現在】
氷華
「……そう、それが価値のあるものかどうかは後程此方で解析させてもらう。褒美はその内容次第。」
氷華は振り返り、彼の持つチップを見て、その中にある情報がどのようなものなのかによって彼の行動に褒美を与えるかどうかを決めると応える。
振り返った氷華の瞳はゾッとするほど冷たく、商店街での民間人を平気で巻き込み、仲間を仲間ともおもない悪人への憎悪や、民間人が悪人を庇った事への困惑と言った感情が氷華の人格を更に削った結果、より冷酷になってしまっている……
>>223
【過去編】
氷華
「今日は空地に行こう!」
氷華は今の氷像のように冷たい肌とは違い、温もりがある手で優しく桜空の手を引いて、近所の空地に行こうと言うも。
今の氷華に見られるような氷のような瞳も、冷たい微笑もない。
純粋に楽しいと思って笑っていた、それが幸せだと自覚する必要もないぐらいに幸せな日々だった。
安らげる場所があった、
帰るべき場所があった、
守るべきものがあった、
血や屍を見る必要もない、心を削って戦う必要もない、
当たり前の人間としての暮らしがそこにはあった。
悠矢「りょーかーい!そんじゃ、俺今日は寝るから!おやすぅ〜♪」
(氷華のゾッとするほどどこまでも冷たく、容赦のない冷酷な目を見ても、悠矢は相も変わらずマイペースで呑気に接しながら、今日は寝ると言い残し、去ってゆく・・・・・
一応、悠矢自身もこれからのことに備えてはいるつもりだ・・・・・)
【ここで一旦過去編なりきりに徹しますね!】
桜空「空地!空地!」
(桜空ははしゃぐあまり、空地を連呼しながらジャンプして喜ぶ・・・・・
靴下も履かずに、氷華の手に引かれるがままにサンダルで外へと飛び出し、空地へと向かう・・・・・
何気ないこういう日常、かくれんぼや鬼ごっこなどで遊ぶのが、氷華同様に桜空も大好きだった・・・・・)
>>225
>>227
【過去編】
空地に到着したところ、空地では小学校高学年の男子生徒五人が一人の生徒を一方的に殴ったり蹴ったりを行っており、明らかなイジメが行われており、暴行している生徒達は全員が楽しそうに笑っている。
氷華
「こら!!大きい奴がよってたかって一人を虐めるな!!」
氷華は昔から正義感が強く、まだ小学校に入ったばかりでありながら、まるで臆すること無く、イジメを行っている生徒達を止めに向かう。だが相手は氷華よりも遥かに大柄な上に五人もいる事から
そんな中で、聞く耳さえ持たずにいきなり氷華を殴ろうとした生徒の拳を氷華は見切り、体を横に逸らして殴打を避け、そのまま相手の金的に蹴りを入れて一撃で一人をダウンさせ、そこから小柄で華奢な氷華一人だけで四人に囲まれた状況であるにも関わらず、その全員を素手の喧嘩で圧倒していく。
氷華は自分の生まれ持った高い身体能力と動体視力を決して自分のためには使わず、困っている人やイジメられている人を助け、守るためにのみ振るっていた……
【了解です!】
桜空「お姉ちゃんすごーい!」
(まだ5歳だから当然ではあるのだが、姉の氷華と違って身体能力も動体視力もまだ開花していない桜空からすれば、氷華は正に正義のヒーローそのものであり、憧れの存在だった・・・・・
「正義は必ず勝つのだー!」
喧嘩に負けたいじめっ子達を見ながら、桜空は正義は必ず勝つと決めゼリフのように言う)
>>228
>>229
氷華
「私は皆を助けたい!誰も苦しまずに済むようにしたい!そのために私はもっともっと強くなるんだ!家族も桜空も、みんなを守れるヒーローになる!」
まさか年下の女子、それもたった一人に対して五人がまともに反撃も出来ずにボコボコにされるとは思わなかったようで、困惑しながらも散り散りになって逃げて行き、助けられた生徒も氷華の驚きながらも感謝して去って行く。
そして、正義は必ず勝つと言って自分を褒めてくれる桜空に向けて自分は皆を助けたい、誰も苦しまないようにしたい、だから自分は今よりももっと強くなると自信満々に胸を張って言う。
女の子とは思えない程活発で元気、だが曲がった事や理不尽な事は決して見逃さず、どんな相手にも恐れずに挑みかかる勇猛果敢な少女、それが幼い頃の氷華だった。
桜空「僕も!僕もヒーローやりたい!」
(憧れの姉に続くように、桜空は自分もヒーローになりたいではなく、ヒーローをやりたいと言う・・・・・
まだ「なる」と「やる」の違いもあまりわからないくらいだが、ヒーローというものがどんな感じなのかだけは大体わかることから、なんとかして自分も姉と同じようになろうと必死になっている)
>>230
氷華
「それならどっちが先になれるか競争だね!!約束だよ!」
氷華は無邪気に右手の小指を出してどっちが先にヒーローになれるかを"約束"しようと言う。後に氷華は両親を失い、孤児院で過ごすことになるのだが、どれだけ過酷な環境に苛まれようと、このヒーローになると言う意思を捨てずにずっと抱き続けていたとも言える……
それが歪みきり、今を生きる者全ての敵となるとしても……
桜空「うん!約束!」
(そう言うと、桜空も右手の小指を出して指切りをする・・・・・
この時、後に不審者に襲われて、性格から容姿まで、何もかもが変わってしまうとはまだ夢にも思っていなかった・・・・・
ヒーローになれると思っていた・・・・・)
>>232
【回想→現在】
桜空と氷華の過去の思い出の一つ。
幼い頃に交わした理想とも呼べる約束。
氷華はビルの一室にある、テーブルと椅子、小さな棚にベッドだけと言う何時でも退避可能な簡素な自室にて、窓の外からの狙撃対策として部屋の電気を付けず、窓の外から差し込む月明かりだけを頼りに凍らせていたペンダントを開き、回想していた。
ペンダントの中には唯一生き残った肉親である自分の弟の桜空の幼い頃の写真が入っている……その写真の取り出し、裏に書いてある文字を見てクスリと笑うと、再びペンダントの中へと戻していく。
氷華
「……懐かしい思い出。
貴方は今、どこで何をしているの?」
桜空「・・・・・正義のヒーロー、か・・・・・悪という立場でありながら、この世界でしか生きていけない立場でありながら、悪になりつつある正義を止めようとしている俺達は、なんなんだろうな・・・・・」
(桜空は、月を見つめながら、自分把握なのか、それとも姉の目指していたヒーロー像とは違うものの、これもまたひとつの正義として成立するのか、正義と悪の定義とはなんなのかが、桜空を悩ませる・・・・・
もしまだ姉がどこかで生きているならば、自分を叱ってもらいたい・・・・・
どうすればいいかわからないが、叱ってもらいたいという感情だけが湧き上がってくる・・・・・
桜空は、不審者にリンチされた時に意識を失ってしまった為、当時の記憶がリンチされた時からその後については存在せずに、姉の安否すらもわからない状況だった・・・・・)
>>234
「 みなさまのお役に立つことで、この世界が しあわせ になることを ノエル は信じております 」
通り名 : ノエル ( 白鴉 )
性別 : ♀
年齢 : 12
役割 : 八咫烏構成員
容姿 : さらとぅるな白髪は下ろした状態だと腰あたりまで。光の加減により薄ら水色にもピンクにも見える不思議な髪色。水色のインナーカラー有でお団子にすれば普段のスタイルの完成。前髪は軽く目にかかるパッツン。サイドはどんなに内巻きにしようとも外に向いてしまう。ぱっちりとした大きな瞳は金色で、白い十字が特徴的。よく笑うしよく口を尖らせるしよく涙目、と感情は顔に全面的に押し出す。嘘とかつくのは全然向いてない。肌は陶器のように滑らかで白く、服装はパフスリーブのワンピース。ロング丈で白色。それを覆い隠すように、黒生地に金で百合の刺繍が施されたコートを羽織る。トップである金鵄に倣っているのか黒を基調とした服装をしている。身長は150cmに満たないほど。
https://i.imgur.com/2EZDVeX.jpg
性格 : みんなの為に頑張りたい、一心不乱に努力する新米構成員。太陽のように明るくおてんば元気っ子。組織に関する知識はまだ浅いが、兎に角この組織の役に立てば立つほどこの国の人達が笑顔( しあわせ )になると信じて疑わない。精神年齢が年相応に幼いので嫌なことがあったり上手くいかないことがあるとすぐ不貞腐れる。でも甘いお菓子をあげれば忽ち笑顔になる、しあわせなくらい単純な子だね。頑張ったからには褒めて欲しいし組織のみんなはすごい人ばかりだから認めて欲しい。人懐っこく、おしゃべりが大好きだからたくさん話しかけてね。
能力 : 力を込めた弓矢を放ち、それに撃ち抜かれた人の頭上には天使の輪のような拘束具が現れる(弓矢が当たった際のダメージはない)。この拘束具のある人はノエルの命令に従わなければならない。逆らおうとした場合には激しい激痛に苛まれることになる。また、術者に危害を加えようとした場合は最悪死に至ることもあるとか。解除法はひとつ、彼女の命令をひとつ聞くこと。
矢の的中に関わらず、現時点では5本分が限界。頑張れば10本とかいけるかもしれないけど、それはまだまだ先のお話。
武器 : 神童として八咫烏にスカウトされた際、特注で貰った短刀を用いる。また、武器が無くとも物理戦の方も得意となれるように、パルクール他様々な護身用武術を習っている。能力が能力なので弓矢の訓練を毎日のように熟すも、なかなか難しいのか命中率は低め。矢に力を込めればいいので、最近はクロスボウなどにも手を出した次第。
備考 : 一人称「 ノエル 」二人称「 貴方、( 名前 )+さま 」
ですます口調が基本。八咫烏に所属し1ヶ月も立たない。ノエルは通り名、本名は秘密らしく誰に教えない。
【 参加希望した者です。pf貼っておきますね】
【〜回想〜】
夕渚「さーてとっ!帰って漫画でも読ーもぉっと!」
(下校時間、家に帰って好きな漫画を読もうと意気込む少女が一人
彼女の名前は、佐藤夕渚、超がつくほどの騙されやすいド天然娘である)
金髪男「ねぇねぇそこのかわい子ちゃん!ちょっとこっち来なよ〜!」
サングラス男「面白いもの見せてあげるからさ♪」
夕渚「面白いもの・・・・・?」
(普通、こんなあからさまに怪しく、見るからにチンピラな男二人からいいものを見せてあげるからおいでよと言われてのこのこ着いていくなんてことは、小学生でもしないが
「気になります気になります!どんなものですかぁー?」
残念ながら、夕渚には通用してしまった)
>>237
氷華
「………あれは?」
日本のチャイナタウンの一角を支配していた華橋マフィアの殲滅を終え、帰路に着こうと人目を避けて路地裏を歩いていたところ、夕渚がチンピラに言い寄られている様子を見て、不審を抱いた氷華は足音と気配を隠して三人を伺い始める。
金髪男「来てからのお楽しみだよ!」
サングラス男「さぁ、入った入った!」
(男達は、急かすように一人の少女を謎の怪しい店へと入れようとする・・・・・
が、看板には、英語で「売〇」と書かれており、英語がわからない人間だったら簡単に騙されて・・・・・いや、夕渚に関しては騙されやすさが異次元だが、恐らく普段はもっと上手く勧誘しているのか、英語のわからない人間を狙った、姑息な手段を用いて心も体も傷つけようとする、外道な連中の一部があの二人組の男なのだろう・・・・・
しかし、夕渚はいいものってなんだろうと店に言われるがままに入ろうとする・・・・・)
>>238
>>239
氷華
「そこまでよ。
その娘は見たところ学生でしょう?
治安を守るものとして見逃せないわ。」
氷華はチンピラの一人の肩に右手を乗せて注意すると同時に夕渚を店内に入れる前に制止させようとする。明らかに違法な春売り斡旋である事はわかっている事から相手が確信犯である事はわかっているものの、それでもまだ、この頃の氷華はいきなり相手の命を奪うことはせず、せいぜい注意して犯罪の抑止しようとする。
もっとも……制止を幾ら促したところで根っからの悪人は改心せず、聞く耳すら持たない訳だが……
金髪男「あ?なんだてめぇは?」
サングラス男「コイツのダチか?なんならてめぇも入れてやってもいいんだぞ?」
(治安を守るもの、とはいうものの、どう見ても治安を守っているような年齢には見えず、もっと言えば勧誘した夕渚と同い年ぐらいにも見えることから、氷華の言っていることはただの強がりで、友達を救いにでも来た命知らずの馬鹿な友達だろうというとてつもなく愚かな勘違いをする・・・・・)
>>240
>>241
氷華
「……そう………」
注意を聞かないとわかると、氷華はスッと一瞬にして感情の無い冷たい瞳になり、サングラスをかけた男へ足払いを仕掛けて姿勢を崩し、頭が下がったところへ跳び膝蹴りを放ち、蹴りによって砕いたサングラスのテンプルを一つだけ摘まみ、もう一人の右目に向けて弾き、その眼孔を突き刺す事で二人をまとめて瞬殺しようとする。
何の迷いも無駄も無い、流れるような一連の動作を見せる氷華。
これまで過去に何度も繰り返して来た動きである事からその一挙手一投足の一つ一つが流れるように滑らかかつ、その全て素早く、動体視力強化や反射神経強化能力持ちでない限り対応は難しいと思われる……
サングラス男「がぁっ!?!?!?」
金髪男「ぎぃぇえああああぁぁあぁぁあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああっ!!!!!」
(サングラス男は飛び膝蹴りを受け目を見開いて痙攣し、金髪男は右目を両手で押さえて地獄の業火に焼かれる亡者のような叫び声を上げる・・・・・
容赦なく、身体能力も高い氷華の力もあってか、今のと同じ攻撃をもし常人がやったとしても、ここまでの威力になることはないだろう・・・・・)
夕渚「!?」
(ド天然な夕渚も、流石に驚きを隠せずに、今目の前で起きている地獄絵図のような光景にぽかーんとしたまま固まる・・・・・
そして、ようやく自分が危ない状況だったということに気がつくものの、まるでドラマのワンシーンのような出来事に、自分が危なかったということしか理解出来ずに、頭がパンクしそうになる・・・・・)
>>242
>>243
氷華
「ほら、今のうちに此方へ。」
氷華は夕渚に向けて振り返ると右手を伸ばして二人が倒れている内にこの場から離れようと言う。
氷華の髪と瞳はまるで月光に照らされた氷のように綺麗で青白くなっており、その姿はまるで人間ではなく、天使か何かのようにも見えるが、彼女の行った事はその見た目とは裏腹に流血を伴う凄惨なものとなっている。
え・・・・・?で、でも・・・・・
(攻撃を受けた二人が気がかりなのか、助けてくれたことは嬉しいものの、一応救急車を呼んだ方がいいのではないかという考えも巡る・・・・・
だが、もし店の中にも自分と同じように誘導されてしまった人々がいるのではないかと思い、警察に通報した方がいいだろうか、それとも救急車を呼ぶのが先か、悩み始める・・・・・
氷華のように裏社会で生きる者達を知らずに育ってきた、言うなれば、優しさと純粋さを持つが故に今回のような危険なことも正確に判断出来ず、己を知らず知らずのうちに自ら滅ぼしかねないタイプの人間とも言える・・・・・)
>>244
>>245
氷華
「………此処に長居しても得にはならない。
それに私は治安を守るもの、後始末は私がやっておくから心配なんていらないわ。」
氷華は立ち止まって動こうとしない夕渚を見て、一瞬だけ何故相手が動かないのかを考え、その結果として相手がこの店の事をよく知らず、また助け出された事から店を不審に思ったとしても、その中に自分と同じ境遇にいる者が居るのではないかという結論に辿り着くと、この店については後で自分が始末しておくと言う。
氷華
「……貴方、優しいのね?」
また、このように考えを巡らせたのは始めてである事から相手の自分以外の者にも向ける優しい心を感じ取ると、現在の氷華ではすっかり見せることの無くなった優しい笑みを浮かべる。
へ・・・・・?優しい・・・・・?
(普段から自分はこんな感じであり、周りもそれをわかっているからか、優しさ=当たり前になっていて自分も周りもそのことに誰も気が付いていないのか、優しいと言われると、きょとんとする・・・・・
怪我をしている人がいれば助ける、困っている人がいれば手を差しのべる、綺麗事と言ってくる人もいるが、これは本来は当たり前のことだと自分は思っていた、そして、周りも同じ考えだと思っていた・・・・・
だからこそ、優しいと言われたのが意外だった・・・・・)
>>246
>>247
氷華
「そう……私が守るべき者よ。
だからこそ、後は私に任せて此処から一度離れましょう?」
氷華は差し伸べた右手を伸ばし、夕渚の手を取り、そのまま自分の足元に氷の足場を生成して、まるで空を飛ぶようにして上昇してこの場から離れようとする。
普段の氷華ならば……いや、今の氷華であればチンピラ二人を殺害した後、その場にいる民間人を無視して店ごと氷塊で圧し潰し、建物の倒壊に見せ掛けて中にいる者を殲滅しようとするものの、かつての氷華は人命や民間人の安全を確保する事を優先にしている事もあり、このような行動を取ろうとしている。
夕渚「わっ!?す、凄い・・・・・」
(突如として現れる氷の足場、まるで漫画のような展開に驚きを隠せずにいる・・・・・
自分の周りにはいないが、噂で世の中には不思議な力を持った人間が多からず少なからず存在するという話を聞いたことがある・・・・・
今目の前に入る自分と同い年くらいの少女がそうなのだということを知ると同時に、体験したことのない経験に、夢のようなぼんやりとした印象を同時に受ける・・・・・)
>>248
>>249
氷華
「そう言えば、貴方は幾つ?私とあまり変わらないように見えるけど、一人であんなところに居たら危険だよ。」
氷の足場に乗って夜の暗闇に紛れて移動していく中、氷華は相手の年齢を聞いてみる。見たところ、自分とそう年の変わらない年齢に見えるものの、この辺りは治安が非常に悪く、一人で出歩くのは危険だと警告する。
夕渚「私は15歳です!あなたは?」
(一人であんなところにいたら危険と言われるが、注意の言葉よりも、相手とお友達になりたいなぁという感情が勝ってしまい、歳を聞かれたのも友達感覚でという勘違いをぶちかます・・・・・
二人が出会ったのは今現在から二年前、、まだ夕渚も入院前だった・・・・・)
>>250
>>251
氷華
「…………!!
……そう、私と同じ歳だったなんて……少し驚いた。」
氷華は相手の年齢を聞くと、自分と同じ年齢だとわかり、驚く。
自分も家族が生きてさえいれば彼女と同じように、学生として暮らしていけたのかなと思い、少し憂いを帯びた笑みになってしまうものの、彼女には心配をかけまいと微笑みながら少し明るい口調で話す……
自分はもう普通の人々と同じ道は歩めない、それをまざまざと思い知らされているかのように感じてしまう……だからこそ、友達になりたいと思っている夕渚とは対照的に血と死にまみれてしまった自分の事など直ぐに忘れて生きてほしいと思ってしまう。
夕渚「・・・・・」
《この人の笑顔は、素直な笑顔じゃない・・・・・》
(わずかに感じる違和感、氷華の笑顔には、別の感情が混じっている・・・・・
警察でもないのに悪い人の対応をするということは、警察とはまた違う立場の人間、まだ15歳でその立場ということは、きっと私なんかよりも苦労が多いのだろうと感じれば、黙り込んで相手の表情を無意識の内に見つめてしまう・・・・・)
>>252
>>253
氷華
「さあ、ここまで離れればもう大丈夫。
後は自分で帰ることが出来るよね?
私は戻ってあの店の検挙をしてくる。」
氷華は静かに路地裏へ降り立つと、これだけ離れればもう追手も来れないと考え、変わらず微笑みながら夕渚を降ろし、自分はもう一度店に戻り、あの店の検挙を行ってくると言うことを伝える。
夕渚「ありがとうございました・・・・・なんてお礼をすれば・・・・・」
(これが相手の務めであったとしても、やはりなにかお礼はしたいところである・・・・・
だが、相手にも相手の仕事があり、それを引き止めてまでお礼をするのは、逆に相手の邪魔をしてしまうということでもあり、悩み始める・・・・・)
>>254
>>255
氷華
「……?何か言いたそうな顔をしているわね?
これも何かの縁、何かあれば聞いてあげる。」
再び氷の足場を浮遊させて夕渚の前から立ち去ろうとしているところ、夕渚が何か悩み、言い淀んでいる様子を見ると、何かあるのならそれを聞くと言う。
これまで敢えて自己紹介をせず、年齢が同じである事以外に名前等の個人的な自己紹介を一切せず、また相手の名前についても伺わずにいるのは、互いにこの一件が終わったらそのまま互いに忘れて生きられるようにしようと言う考えから来ている。
【 不慣れですが絡み文投下いたします。】
(八咫烏拠点、日が最も高く昇るお昼時にて。薄暗い廊下を無我夢中に走る少女がひとり。その小さな腕には、持てる分いっぱいの書類を抱えていて。これを提出したらお昼ご飯と考えていたものの…どうやらこの広いビル内で迷子になってしまったらしく。徐々に走る速度を緩め、むゆんと眉を下げては目に溜まる涙が零れないように我慢し。)
ノエル、こんな所で挫けるわけにはいかないのです
>>おーるさま
>>257
氷華
「こんにちは……随分と大変そうだけど、私も手伝いましょうか?」
現状では自分が動かなければならない程の多きな犯罪組織や、大規模な犯罪行為も確認されていないことから、気晴らしを兼ねて拠点の中を歩いて回っていたところ、山のような書類を抱えて歩いているノエル(白鴉)の姿が目に映る。
フラフラとあちこちを歩いている事や、始めて見る顔であることから八咫烏に配属されてまだ間もない鴉であるとわかると、彼女の負担を少しでも軽減すると同時に道案内をしてあげようと思い、自分も手伝おうかと申し出てみる。
その氷華の様子や言動からは八咫烏と言う正義の執行機関、国家の暗部の長、金鵄と言うような単語から連想されるような威圧的な雰囲気やプレッシャーは一切感じられない。
夕渚「あ・・・・・えっと・・・・・なにかお礼をしたいのですが・・・・・」
(できれば、相手と友達になりたいと思っているものの、ただの学生の自分と悪人を取り締まる相手とでは立場も違えばそもそも生きる世界が違うという壁があり、この時はまだ後に親友になれるなんて思っていなかった・・・・・
せめて、助けてくれたお礼だけでもしたいと相手の顔を見つめる・・・・・)
>>256
悠矢「あーれま珍しい!氷華ちゃんが優しくしてる!・・・・・俺達にも優しくしてくれないかなぁ・・・・・」
(新入りであるノエルに優しくしている氷華を見て、いくら相手が新入りであれど氷華が優しくしているのが相当珍しかったのか、素直に驚く・・・・・
普通に失礼だが、悠矢の記憶が正しい限り、自分含め他のメンバーに・・・・・いや、そもそも優しい氷華など、一秒たりとも記憶にない・・・・・)
>>257、258
>>259(夕渚)
氷華
「お礼をしたいと思ってくれるその気持ちだけで充分。それにこれは私が好きでやっていることだから気にしなくてもいいよ。」
氷華は氷の足場による浮遊を止めて微笑みながら、お礼をしたいと言う気持ちだけで充分にお礼になっていると応え、あくまでもこれは自分がやりたくてやっているだけだからと言う。
>>259(緋染)
氷華
「……貴方はあまりにも軽すぎて責任感や危機感が薄いから避けているだけ。」
八咫烏には毒鴉や水鴉のように正義側でありながら悪人のような言動を取る者も少なくはない事や、何時も危機感や責任感が無く、格下としか戦おうとしない事から本当に悪を根絶する気や覚悟があるのかわからない事から氷華は緋染を避けているだけであり、それ以外の者であれば最下位の階級であり、無能力者である鴉にさえも偏見や差別をせずに対等に接する、これが氷華の考え方だ。
__ っ、こんにちは、氷華さま!
( むゆん、と下がっていた眉が、突然目の前に現れた相手を見て驚いたようにぽんと上がって。彼女のやさしいお言葉に、ふわへな、口が泣き出しそうに歪み。ああこの方が、金鵄の氷華さま!お会いできるなんてと感動のあまり頬がやや紅潮し。すがるように目を瞑っては )
ちょっとだけ、ちょっとだけでいいので手伝って頂けたら、ノエル、幸いです …… 、
( けれど別の人物の声に今度はびくっと肩が震え。そっと瞼を開けば十二鴉のひとりである悠矢さまのお姿。ノエル、残りの人生の運を使い果たしてしまったかも。ひょこ、彼の方に足を向けて )
こんにちは、悠矢さま、
>>258-260
夕渚「そ、そうですか・・・・・」
(好きでやっている、ということは、この人は本当に正義感の強い人なんだなぁと感じる・・・・・
自分と同い年とは思えないほどにしっかりしているし、とても頼りになる印象も受ける・・・・・
だが、同時にどこか寂しそうか印象も受ける、不思議な感覚だ・・・・・)
悠矢「いやいやいやいや、格下としか戦わないんじゃなくて、格下しか基本相手がいないんだって!この前だって獲物を他のがめつい鴉に取られちゃったし・・・・・」
(そう言うと「それに、もしかしたら俺、変身するかもしれないし、その変身をしたとしてもあと二回変身を残しているかもしれないよ?」と、かなり馬鹿げた冗談を返す・・・・・
しかし、基本的に他のメンバーが我先にと獲物(悪人)の取り合いになるのも事実と言えば事実である・・・・・)
悠矢「こんちわーノエルちゃん!頑張ってるかなぁー?」
(誰であろうと構わず相変わらず軽いノリで接してくる・・・・・
ボスである氷華も含めて基本的にクセの強いメンバーだらけの八咫烏の中でも、特に・・・・・というか、ほとんど問題児の面が強く、そして基本的に誰からも相手にされないものの、鋼のメンタルの持ち主なのか、めげずに新入りにもガンガン接してくる・・・・・)
>>260、261
>>261
氷華
「ええ、それじゃあ、少し貰うわね?」
氷華は微笑みながらノエルが抱える書類の山の内の上部半分を分けてもらい、一緒に書類を抱えると、「知っているかもしれないけれど、私は金鵄。貴方の事は何と呼んだ方がいいかしら?」と問いかける。
自分は始めて見る顔だが、神童を選んで八咫烏にスカウトする権限を持っているのは金鵄である自分か、剱鴉を始めとする三羽鴉しかいない。その事から他の三羽鴉がスカウトしたと思われる。
>>262
氷華
「それじゃあ、さようなら。」
氷華は自分の事を最後まで話すこと無く"さようなら"と言うと、氷の足場に乗ったまま夜の闇に紛れるようにして立ち去ろうとする……
これで立ち去れれば彼女の記憶には、昔に一度助けてくれた人。と言うだけで直ぐに日々の記憶に埋没して自分の事も忘れ、変わらぬ日常を遅れるだろうと考えている。
はいっ。ノエル、みなさまのお役に立てるように頑張っています!
( 彼の言葉に元気よくお返事をすると ふにゃり、あどけない笑みを浮かべ。でもでも、ノエルの頑張りはまだまだ足りないのです。ぐぐっと体に力を入れて、きりっとした表情で彼を見て )
悠矢さまみたいになれるように、もっともっと頑張っていく所存です、!
>>262 悠矢さま
ありがとうございますっ
( ふわ、と腕が軽くなったことで、緊張が解れてきて表情は柔らかいものに。年相応の純粋な笑みで、礼儀正しくお礼の言葉を口にして。彼女の優しげな問いかけに、ちゃんと声が届くよう ぴょこぴょこ、と背伸びをしては幸せそうに目を細め )
ノエルは 白鴉 ともお呼びいただいております! ……氷華さまに呼んでいただけるなんて、光栄です
( 最後にはうっとりと、そして ぽぽぽ、と頬を赤らめて言葉を口にし。一日でも早く、このお方のお役に立てるようになりたいものです。真っ直ぐに彼女の瞳を見つめては にこり と微笑んで )
>>263 氷華さま
>>265
氷華
「そう言ってくれると私としても嬉しいわ。
これから宜しくね、白鴉。」
ノエルの言葉や、伸びをして幸せそうに目を細めている彼女の様子を見て氷華は静かに微笑む。可愛らしいリスや小鳥と言った小動物のような可愛さを感じながら、自分を好いてくれている事がわかると、氷華もまた穏やかな口調でこれから宜しくと早速自己紹介してくれた相手の名前を呼ぶ。
書類を抱えて拠点内における事務所へ案内するために歩き始め、そのついでとして少し雑談をしようと思い問いかけを一つしてみる。
氷華
「そう言えば、白鴉。貴方は八咫烏からの勧誘を受けた理由は何かしら?八咫烏は多くの者に恨まれ、呪われる……ベッドの上で安らかな老衰を迎えることはまず出来ない……そんな呪われた宿命を背負おうと思った理由は何か……よかったら教えてくれないかしら?」
八咫烏は単純に慈善事業をするだけの正義の味方ではなく、悪を廃絶するために日夜、日本各地で犯罪と腐敗に挑み続け、その立場から自衛隊や警察にさえ味方をされずに戦い、どれだけ奮闘しようと最後には何者かの手で苦痛の果てに命を奪われるこの八咫烏と言う組織からの勧誘を受けた理由は何かと問いかける。
夕渚「・・・・・あ、ありがとうございましたっ・・・・・!」
(ただただ、立ち去る相手に出来るお礼といえば、頭を下げて感謝を述べるくらいだ・・・・・
だが、これが最善の手だということに、夕渚自身もわかっていた・・・・・
が、やはり相手のどこかさみしそうな表情が、頭から離れなかった・・・・・)
【数日後…】
夕渚「・・・・・近くにいる気がする・・・・・」
(下校帰り、今度は前のようにチンピラに誘われたりとかはないものの、何かを感じる・・・・・
あの人が近くにいる、そんな気がした・・・・・
何の根拠もないただの勘だが、昔から夕渚の勘はよく当たり、今回ももしかしたら、と勘だけで普段は通らない裏路地を歩いてゆく・・・・・)
>>264
悠矢「ほぉ〜・・・・・俺みたいにねぇ〜・・・・・♪」
(そういうと、顔を近づけて「悪いことは言わない、やめておけ」と、予め伝えておく・・・・・
悠矢自身が自分のキャラを確立している上での発言か、それとも相手のことを思ってかは定かではないが、悠矢にしては珍しくまともな判断である・・・・・)
>>265
>>267
氷華
「…………………。」
バサバサとカラスが青空を羽ばたく中、氷華は雑居ビルの屋上から通りにいる静かに夕渚を見守り、数分が経過すると、彼女や他の鴉達に気付かれないように踵を返し、屋上から立ち去って行く。
互いに名も知らぬ者同士、呼び方さえも知らないものの、彼女が入院する事になる際には御見舞いに訪れる等して少しずつ親睦を深めていくのだが、それはまた別の話……
夕渚「・・・・・気のせい、かな・・・・・?」
(氷華が立ち去った数秒後に、夕渚はビルを見上げる・・・・・
ついさっきまで、誰かに見られていた気がしたが、気のせいだろうか、それともあの子が見ていたのだろうか・・・・・
そんな考えを巡らせる・・・・・)
【別の日…】
夕渚「うぅ〜・・・・・今日は寒いなぁ〜・・・・・」
(下校途中、その日は特に冷え込む日で、夕渚も手袋にマフラーと、かなり防寒対策をした状態でいた・・・・・
そして、他の裏路地が視界に入る・・・・・
またも謎の勘の鋭さが、夕渚を路地裏へと誘導する・・・・・
もしいたら、挨拶ぐらいはできるかなと思いながら、路地裏へと入ってゆく・・・・・)
>>268
>>269
氷華
「………………。」
路地裏の奥では氷華は傷付いたカラスを左腕に止めさせ右手だけで器用かつ、優しく手当てをしているものの、氷華の傍には氷に包まれた肉片が無数に転がっており、氷華の中にある慈愛と冷酷、優しさと冷たさの二つを兼ね備えた様子が見て取れる。
夕渚「あっ・・・・・いた・・・・・」
(氷華のことを見つけると、物陰に隠れながら氷華の様子を見守る・・・・・
辺りに無数にある凍りついた肉片に関しては、そのまま人が凍らされているわけではないのと、夕渚が鈍感で天然なことも相まって、何なのかは気にはなるもののそれが元人間だったモノであるとは気づかずに、特に気にすることでもないだろうと判断する・・・・・
黒服に身を包む氷華と、その氷華から手当てを受けるカラスは、どこか似た者同士のようにも見える・・・・・
それは、氷華の服とカラスの色が同じ黒だからか、それとも・・・・・)
>>270
>>271
氷華
「……あら、また会ったわね?
だけど感心しないわ、こんなところに入る輩は表の道を歩けない者だけよ?」
犯罪者の粛清を終えた後、群れから離れて飛ぶことも出来ない怪我を弱っていたカラスの手当てをしていた最中、ふと誰かの気配を感じてそちらへ視線を移すと、物陰から小さな人影が見えるものの、殺意や敵意と言うものは感じられない、
更にその気配へ意識を集中させると、かつて自分が助けた夕渚のものである事を思い出すものの、ビルの屋上から見守ったのを最後に、彼女とは完全に接触を絶っていた事からこうして相手と再び会うとは思わず、少し驚きながらも少し咎めるように言う。
( 穏やかな声色で、尊敬する彼女の口から紡がれる自分の名前。それだけで忽ち胸は弾み、心はぽかぽかと心地好いあたたかさで満ちていく。嬉しそうにはにかみながらも、少しでも早く拠点内の構造を覚えるために視線をあちこち忙しなく動かしていて。ふと、彼女から問いかけを受けてはぱっちりとした瞳を彼女に向けて。 )
ノエルは、みんなに しあわせ になって欲しいのです。
( 何かに怯える必要がなくて、笑顔で心豊かに暮らせるあたたかい世界。ううん、笑顔じゃなくても良いのです。誰かが悲しい顔をしていたら、困っている顔をしていたら、誰しもが当たり前に手を差し伸べられるやさしい世界。)
例え安らかな眠りにつくことができないとしても、ノエルの死が誰かのためになれるならそれは……それはとっても素敵なことだと、ノエルは思います
( だから自分はこの組織に所属したのだと答えて。)
>>266 氷華さま
……では、悠矢さまを超えられるよう頑張ります、!
( 彼がいつでも三羽鴉に昇格できるような優秀さを持つことを知っていながら、その深い闇にたたえる瞳を捉えて。悠矢さまを超えるくらい強くなって、みんなのために頑張るのです。目標を口にすることは何も悪いことではないと信じて疑わず、自信と希望に満ちた眼差しで彼の反応を待ち。)
>>267 悠矢さま
夕渚「・・・・・たまには、静かな場所で過ごしてみたいんです・・・・・」
(氷華の言葉を聞き、考えてみれば自分は、氷華にまた会いたいという気持ちの方が強いが、その気持ちとはまた別に、たまには静かな場所で過ごしてみたかったのかもしれないという気持ちに気がつく・・・・・
夕渚は氷華のように裏の世界で生きる者ではないが、表の世界で生きる者はそれはそれで苦労があるのだろう・・・・・)
>>272
是非とも超えられるように頑張ってもらいたいねぇ、でもノエルちゃんなら俺なんかは多分簡単に超えられると思うよ?
(普段がかなりクレイジーな分、今の悠矢はまともに見えるものの、これを果たして本心で言っているのか、それとも冗談で言っているのか、それは本人のみぞ知る・・・・・
ただ、この組織に属する人間はクセの強い人間がほとんどだが、大体皆優秀なので、ノエルも優秀に育つだろうとは内心思っている・・・・・)
>>273
>>273
氷華
「…………!!」
正義と言う肩書きや、犯罪撲滅を大義名分として自らの破壊衝動や破滅願望を満たそうとする者も少なくない……そんな中で彼女が口にしたのは"皆に幸せになって欲しい"と言うもののだった。
漠然とした夢……いや、絵空事に等しい理想だ。
だが、嘘を付いていたる訳ではないと言うことがその瞳からわかる……そして、その理想を自分もまた追いかけ続けている。どれだけ罪にまみれようと、どれだけのものを犠牲にしようと、叶えようとしている自分とノエルの姿が重なって見える……
氷華
「それなら、早く十二鴉にならないといけないわね?
貴方が登ってこれる事を私も応援しているわ。」
かつての自分を想起させるようなノエルを見て、懐かしさを覚えると同時に微かに悲しみを感じてしまう……どれだけ無垢な理想を持っていても……どれだけ強い力を得ても……現実はあまりにも無情だ。
掲げた理想は何度も踏みにじられ、数多の悪人と対峙し、人間の愚かさ、醜さを何度も目の当たりにして、その理想が歪んでしまうかもしれないと感じているものの、それを相手に悟られないように、穏やかな笑みを浮かべたまま、彼女が十二鴉……ひいては三羽鴉にまで登って来れるように祈っていると言う。
>>274
氷華
「そう………それならちゃんと気を付けなさいね?」
氷華は右腕に止めていたカラスを優しく撫でた後、カラスを自由に空へ羽ばたかせると、路地裏の更に奥に広がる暗闇の中へと歩き去ろうとする。
自分は表の世界の苦労を知る前に裏の世界へと落ちてしまったため、表の世界の苦悩を知ることが出来なかった……
だが、物陰に隠れたままの夕渚から返ってきた言葉には力がない事から何か嫌なことでもあったのだろうと思うものの、自分にはそれに言及するだけの権利は無い……
夕渚「・・・・・あなたも、気をつけてください・・・・・あなただって、私と同い年の女の子なんですから・・・・・」
(ちゃんと気をつけるように言われると、夕渚はあなたも気をつけてくださいと言葉を返す・・・・・
氷華から見れば夕渚は何の力もないただの一般人かもしれないが、夕渚から見れば、生きる世界が違えど、能力を持っていようと、自分と同い年の女の子であり、もし誰かに襲われたりでもしたらという不安がある・・・・・)
>>276
氷華
「…………え?」
このまま何事もなく場を立ち去ろうとしていた最中、夕渚のかけた言葉に驚き、立ち止まる。
12の頃に八咫烏に入るまで……いや、両親が殺害されてから一度も女扱いされることが無かった……奪い奪われが当たり前、多くの者の悪意に晒され続け、一秒たりとも気が抜けない過酷な環境に居た自分を……まるで普通の人間に対してかけるような言葉を口にした事に対して微かに困惑してしまう。
夕渚「・・・・・どんなに強くても、どんな能力を持っていても・・・・・例え、どんなに悪い人の対応に慣れていたとしても・・・・・誰だって一人の人間、命は一つしかありませんし、命を落としたらそこでおしまいですから・・・・・」
(最初は、誰だって一人の人間だから、夜道に悪い人に襲われてもおかしくはないので気をつけてくださいと言葉をかけるつもりだった・・・・・
だが、これは自分基準で考えた場合・・・・・悪人の対応をするという、いつ命の危険に晒されてもおかしくはない相手の立場を考えていうなら、声に出した通りに言葉を変えて、相手基準での言葉にした方が伝わりやすい・・・・・そう思った・・・・・
誰だって一人の人間、命を落とせばそこで終わり・・・・・
氷華の脳裏に、今に至る原因となったあの日の惨劇が過ぎる・・・・・)
>>278
簡単に超えられるように、ノエル、もっともっと頑張らなければなりませんね
( 彼を 簡単に 超えるだなんて、ノエル想像できません。ふるふる、と首を振ってはみたもののその言葉通りになれるようもっと頑張れってことだと受け取っては気合いに満ちた表情で笑って。ちょっぴりお話をしたところで、ふと思い出したようにハッとしては へなへな、眉を下げて。)
悠矢さま、非常に申し訳ないのですが……ノエル、絶賛迷子中なのです。……この書類を持っていくお部屋を教えていただけませんか?
>>274 悠矢さま
__!!、 はいっ!ノエル、この気持ちを忘れずに頑張りますっ
( 大きな瞳はより一層きらきらと輝き、穏やかな笑みを浮かべる彼女を映す。一日でも早く、尊敬する彼女のため、この組織のため、そしてみんなのしあわせのため走り続けるのだと誓って。ぴょこぴょこ、興奮のあまり小さく跳ねながら上記口にし。とてとてと歩き続け、ふと彼女を見ては書類を抱え直しながら問いかけ。 )
氷華さまの 八咫烏の勧誘を受けた理由 をお聞きしても良いですか?
>>275 氷華さま
>>279
氷華
「………そう……ね。
人は……死んだらそこで終わり………」
夕渚のどれだけの事をしたとしても人は死んでしまえばそこで終わりだと言う言葉を聞いて夕渚に背を向けたまま目を伏せ、相手の言葉を繰り返すように呟き、自分達を庇って命を落とした両親達を想起する……
>>280
氷華
「ええ、励みなさい?」
大きな瞳を輝かせ、小さく跳ねながら自分を敬愛してくれているノエルを見て彼女を励ますように言う。太陽のように明るく元気に応える彼女にはそのままでいけ欲しいと言う考えも少しだけしてしまう。
氷華
「私が勧誘を受けた理由は……恐怖も苦痛も無い、それをもたらす悪人もいない、誰もが幸せに生きられる世界にするため。貴方を見ているとまるで昔の自分を見ているように感じるわ。」
自分が八咫烏からの勧誘を受けた理由について聞かれると、その理由について応えると、口にしたことで改めて、その理由と相手の話した夢が似ている事から、まるで昔の自分を見ているようだと呟く。
悠矢「ほぉ〜・・・・・書類、か・・・・・なら、近道していくかい?」
(書類を持っていく部屋はどこかを尋ねられると、普通に目的地の部屋に行くよりも、近道をしていくかどうかと聞き返してみる・・・・・
普通、建物内で目的地へ向かうとなると、大体はその構造に従って向かうのが正しいが、近道と聞く限りそれがちゃんと安全なのか、それとも普通にやばい感じなのかは定かではない・・・・・)
>>280
夕渚「・・・・・あ、あのぉ・・・・・?」
(氷華の様子の変化に気が付き、気分でも悪いのかと思って心配して近寄る・・・・・
さっきまでと違って、氷華の声が震えているのがわかる・・・・・
もしかして、しつこくしすぎただろうかとも思いながら声をかけてみる・・・・・)
>>281
>>283
氷華
「……人は失ってからでなければ気付けないにも関わらず……平気でそれを奪い続ける……どれだけ言葉で解決しようとしても無駄……屑(悪)は何処まで行っても屑(悪)……」
氷華の瞳の奥にはかつて自分から全てを奪った者達に対する激しい憎悪と憤怒が渦巻いており、それが氷華の心を蝕んで行く……これまで氷華の対峙して来た悪は総じて改心の余地も無い極悪人ばかりだった事もあり、悪人=憎悪の対象となってしまっている……
幸いにも夕渚には背を向けているため、見るもの全てを呪うようなその眼を彼女に見せずに済んだものの、怒りのあまり感情を抑えきれず、声が微かに震えてしまっている。
【氷華の見てきた悪】
悪人A
「いいのか!?俺を殺ろうとすればコイツらも全員道連れだ!!」
他者の命を何とも思わず、微塵の躊躇いも葛藤もなく、自分が追い込まれた時に平気で他者を道連れにしようとする悪……
悪人B
「俺が犯罪を繰り返す理由?そんなもん、楽しいからに決まってんだろ!!」
己の享楽の為だけに他者の苦痛や悲しみを意にも介さずに犯罪行為を繰り返す身勝手な悪……
悪人C
「ギャハハハハハッ!!殺戮と破壊はいい!これ以上に楽しいことは他に無い!!」
殺戮や破壊を楽しいと言って繰り返す悪……
このいずれも言葉による和解や説得と言うものが通じず……それどころか歩み寄ろうとしたところを反撃のチャンスとして利用しようとする者ばかりだった……それも、このような悪は決して少数派と言うわけではなく、寧ろ大多数を占めていた。
氷華
「悪は生きる意味も価値もない。
理不尽な悪が命を奪う……だから私がそれを終わらせる。
全ての悪を滅ぼして……誰も悲しまない、誰も何者にも脅かされない世界を作る……私の力はそのために在る。」
自分が人より強く生まれた理由。
それはこのような悪を根絶するものであると言う決意をより固めるものとなった。それを夕渚との話の中で思い出す……
夕渚「・・・・・そう・・・・・ですね・・・・・その通りです・・・・・人は、失ってからでないと気づけない・・・・・」
(かつて、自分も目の前で大切な妹を奪われた・・・・・
両親と自分は助かったが、今でもあの時の両親の悲惨な叫びは覚えている・・・・・
「やめてぇっ!!!!!うちの子に手を出さないでぇぇええええええええぇぇえっ!!!!!」
「この人間のクズ共・・・・・!!!!!外道共がああああぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」
家に入ってきた不審者達は、敢えて両親と自分の目の前で、妹の頚動脈を切り裂いた・・・・・
両親には我が子を失う悲しみを、そして自分には、姉という立場である事を理解した上で姉でありながら何も出来ずに目の前で妹を失うという絶望と悲しみを与えた・・・・・
「・・・・・一つ・・・・・教えてください・・・・・目の前で大切なものを奪われていても何も出来なかった人間は・・・・・・悪゛て゛す゛か゛・・・・・?」
ずっとあの日から、友達や先生の前では明るく振舞ってはいたものの、一人の時は泣くことが多かった・・・・・
両親もあの日から、笑顔は全て作り物になってしまった・・・・・
自分は、ただただ奪われるだけで何も出来なかった・・・・・ずっと、罪悪感に押し潰されそうになりながら生きてきた・・・・・
だが、先生や友達は勿論のこと、両親にこんなことは聞けない・・・・・
夕渚は、背を向ける氷華に、涙混じりに目の前で大切なものを奪われながら何も出来なかった人間は悪かどうかを氷華に尋ねる・・・・・)
>>285
>>286
氷華
「……それを悪と呼ぶのなら……私は大悪党になるわね。」
かつて両親や弟が襲われている頃……
自分は惨劇が起こる事を知らず、弟の誕生日のために街へ買い物のために出掛けていた……もし、惨劇が起こると知っていればこの命をかけてでも戦っていたのに……
強く生まれたにも関わらず、自分は守るための戦いすら出来なかった。帰った頃には既に両親は殺害され、弟の消息もわからなくなっていた……家を襲った強盗達は仲間割れを起こしたのか、二人死亡していたものの、弟の生存も絶望的な状態だ……
夕渚の言葉から自分に近い境遇をしてきたのだと知ると、氷華は憎悪と憤怒の感情を再び瞳の奥に隠し、氷の瞳に戻すと夕渚の方へ振り返り、守れるだけの力がありながら、その戦いすら出来なかった無力と無能の極みだった自分は悪どころか大悪党になるだろうと応える。
夕渚「・・・・・でも・・・・・あなたは今、悪人を裁く正義になっているんでしょう・・・・・なら、大悪党ではないですよ・・・・・」
(震える声で、過去を悔いても悔いても悔いきれない罪だとするならば、その過去を力に変えて今悪を裁くことで償っている、正義になっている氷華は、大悪党なんかではないと言葉を返す・・・・・
声に力がこもらない・・・・・)
>>287
>>288
氷華
「……なかなか面白い事を言うわね?
本当ならこのまま帰るつもりだったのだけれど……気が変わった。
私の名前は麻摩氷華、どう呼んでも構わないわ。」
氷華はこれ以上深い追求をするのを阻止するように……罪の贖罪をしている事を隠すかのように……氷華は自身の好奇心へと考えを切り替えては、相手に対して自分の名前を教える事で場の空気を変えようとしてみる。
夕渚「へ・・・・・?えっ・・・・・あ・・・・・さ、佐藤、夕渚・・・・・です・・・・・」
(制服の袖でぐしぐしと涙を拭いながら、相手からの言葉でまさかの自己紹介が返ってくるとは思わなかったらしく、一瞬唖然とするものの自分も自己紹介をする・・・・・
泣いたり驚いたりと、間髪入れずに色々な感情が込み上がってくる・・・・・)
>>289
>>290
氷華
「貴方は本当に表情豊かね?
……少し羨ましいわ。」
氷華は感情が読みにくい微笑を浮かべながら、人並みに喜怒哀楽がある夕渚を見て、感情豊かだと言った後、相手に聞こえないように小さく"羨ましいと"呟く。
自分は過去から逃げられない、失ったモノに対する執着を捨てられず、感情の多くを幸せな記憶と共に失ってしまったのだが、対する夕渚は過去に凄惨な思い出があったのだろう事は先程の彼女の悲しげな声からわかるものの、それ乗り越えて感情を残せていると言う精神的な強さに対しての尊敬も含まれている……
ノエル、氷華さまと同じ想いをもっていたのですね
( 彼女の答えに少しぽかんと、ただ彼女を見ることしかできずにいて。彼女と自分の夢が似ている、同じ想いを持つ人がいる……こんなに心がぽかぽかするなんて。ほんのり頬は紅潮し、幸せそうに目を細めながら呟く )
……ひとりじゃないのですね
( 同じような問いを、所属してからいろいろな人にぶつけてみた。けれど、殆どの人は 自らの欲望を満たすため という気持ちが見え隠れしていたし、自分の想いは綺麗事だ絵空事だと共感されることはなかった。ノエルはひとりじゃない、そして氷華さまもひとりじゃない。このあたたかい気持ちがこぼれないように、自然と書類をぎゅ、と抱きしめて )
>>282 氷華さま
ちか、みち……ですか?
( 彼の言葉に、こてん、首を傾げて。さすが悠矢さま、拠点のことをよく知り尽くしていらっしゃるのですね!そう考えるなり尊敬の眼差しを彼に向けて。近道を知っておけば、緊急事態の時にすぐ移動できて役に立つかもしれません。こくこく、2回ほど頷いてはあどけない笑みを浮かべて )
ぜひノエルにも教えてくださいっ
>>283 悠矢さま
>>292
氷華
「ええ、私も貴方の理想を……いえ、目標を聞いて驚いたわ。
一人で理想を叶えるのは難しい、現実は理想よりも非情で残酷だけど……定めた目標に向かって歩き続ければ必ず願いは叶う。理想は現実となる、そう私は考えている。」
理想と言う言葉から、必ず叶えると言う意味で"目標"に呼び方を変え、自分と同じ理想を持つノエルに対して持論を話す……理想を現実にする事は容易い道ではなく、特に自分達の望む世界の実現は、実現するまでにあまりにも困難な道を歩まなければならないのだが、それでも歩みさえ止めなければ必ず叶うと言うもの。
これまで無人の荒野を独りで歩き続けているようなものであった氷華であったものの、自分は一人じゃない、そう思った事で氷華も心の奥底に暖かいものを感じた……それは何処か懐かしいような、不思議な感覚であるものの、その感覚の名を氷華は忘れてしまっている……
氷華
「……………クスッ。」
ふと視線を移すと、緋染が珍しく親切に近道について教えようとしているのを見て、微笑みながら静かに二人を見守る。自分は決まった道やルートしか通らないため、近道の捜索をしようと思ったことも無いことから自分も知らない道や通り方があるのならそれを知っておきたいとも思っている。
夕渚「・・・・・いえ、私の感情は・・・・・とっくの昔に死んでしまいました・・・・・」
(そう言うと「今の自分が、過去を思い出したくないあまりに自分が作り上げた偽りの自分なのか、それとも無意識に出ている本来の自分なのか、わからなくなるんです・・・・・」と告げる・・・・・
人前では明るく振る舞うために、友達にも過去のことは明かしていない、思い出したくないから・・・・・
そうしている内に、今の自分は本当の自分なのか、それとも振る舞いの為に作り上げた偽りの自分なのか、わからなくなってしまった・・・・・
ある意味、夕渚は悪を粛清する正義の道を進まなかったもう一人の氷華なのかもしれない・・・・・)
>>291
悠矢「ではまず、窓から出て垂直の壁をわずかな溝に指をかけて登ります」
(親切心からくる説明のための敬語なのか、丁寧に説明し始めるものの、ハッキリ言ってその方法はス〇イダーマンかと言いたくなるような人間離れした方法であり、頭がおかしいと言わざるを得ない・・・・・
本気で言っているのか、思いつきで言っているのか、定かではない・・・・・)
>>292
>>294
氷華
「……いいえ、決して感情が死んでなんかいないわ。
だって……本当に感情が死んでいたら……そう思う事すら無くなるのだから……」
氷華はゆっくりと夕渚の前にまで歩み寄ると、本当に感情が失われているのであれば、自分に感情がないと嘆くことも、他者に感情を見せることも、ましてや偽りの自分に気付く事すら無いと言うことも無くなるのだと言う。
だが、そう告げる氷華の笑みからは悲しみや後悔と言うものは無く、あるのは薄れた"喜"の感情だけであり、彼女自身は笑っているつもりなのだが、その笑みから感じられる感情は何処か稀薄なものになってしまっている。
夕渚はもう一人の氷華には惜しくもならないだろう……
何故なら、例え何度過去に戻り、自分で自分の選択肢を変えられるチャンスを得られたとしても……氷華はこの道を選び、現在に至っていたからだ……
氷華は普通の世界には生きられない。
自らが破滅の道に向かっているのだとわかっていても、自分では止められない……そう言う宿命の下にある。
夕渚「・・・・・」
(感情は死んでなんかいない、そう言われ相手の顔を見ると、相手の表情は笑顔だった・・・・・
だが、夕渚はすぐに感じる・・・・・この笑顔は、純粋な笑顔ではない、昔の自分がよくしていた表情と同じ、何かが欠けた不完全な笑顔だ・・・・・
そう思って夕渚は氷華へ近づくと、氷華の右頬に手を添えて「・・・・・とても無理をしている笑顔です」と言う)
>>295
>>296
氷華
「……そうかしら?」
氷華の頬は微かに温もりが残っており、夕渚の手に氷華の体温が伝わるが、氷華は自分はどれだけ感情が失われているのかを知らず、虚ろに微笑んだまま無理をしていると言われても特に意に介していない。
氷華
「私はこれからまた去るけれど……
また貴方とは会いそうね……?」
氷華は夕渚から再び離れ、墨で塗り潰したかのように漆黒の闇が広がる路地裏に向かって歩き始める……これからまた犯罪組織が日本国内で反政府テロを企んでいると言う情報を掴んでおり、その犯罪組織を殲滅するために立ち去らなければならない……
こうして偶然にも二度出会った……ならば三度目もある……氷華はそう確信している。ノエルと違い、同じ思想や理想は無いものの、自分と違い人間らしさを残した夕渚に対して氷華は関心を抱いており、次に会った時は自分の理想についても話してみようかとも考えつつ、闇の中へ去っていこうとする。
夕渚「・・・・・えぇ、また会いましょう・・・・・」
(氷華同様に、夕渚もまた会えるという確信があった・・・・・
言葉では説明出来ないが、氷華には惹かれる、友達になりたいという気持ちが会う度に強まってゆく・・・・・
友達がいないわけじゃない、学校に行けばいつも親友達に会える・・・・・
だが、その親友達とはどこか違う、同じ歳でも自分とも親友達とも違う相手に、謎の魅力を感じたのかもしれない・・・・・)
>>297
【ー桜空サイド・過去ー】
桜空「・・・・・」
(不審者に襲撃され、両親を失い、姉とも離れ離れになり、世間の目は厳しく無情にも自分へと向けられる・・・・・
桜空は、心と体共に深い傷を負い、幼心に消えることのない傷として切り刻まれた・・・・・
数日前、意識を取り戻し、酸素マスクも外れたが、意識不明のままの方がまだよかったかもしれないと思うほどに、この施設は地獄だった・・・・・
周りの目が、自分を化け物を見るような目で見てくる・・・・・)
>>299
薫
「ま〜た暗い顔をしてる。」
自分の背負わされた宿命や運命、因果を嫌悪する桜空の後ろから、彼の入れられた少年院の医師をやっている薫が優しく微笑みながら彼に声をかける。
薫は少年院に送られ、心や身体に深い傷を負った少年達を少しでも救いたいと思い、幾らでも別の道や医者としての道があったにも関わらず、その道を全て捨て、親からの反対さえも押しきってこの少年院に勤めるようになった……
桜空「・・・・・うるさい」
(僕の何がわかるんだと言わんばかりに一言、掠れた声でうるさいと放つと、体育座りの状態で顔を埋める・・・・・
まだ5歳・・・・・小学生にもなっていないほどの小さな命に、この悲しみを乗り越えて未来へ進もうなどという大人な考えは芽生えておらず、寧ろ誰かに〇してもらいたいとさえ考えるほどに、心が押し潰されかけていた・・・・・
ストレスから髪の毛は数日であっという間に白く変色し、片目も視力を失い白く変色し、体中は惨劇の傷跡が色濃く残る・・・・・
半袖の患者服の袖から出た腕には、一生残る傷跡が確認できる・・・・・
だが、一番深刻なのは、心の傷だった・・・・・)
>>300
>>301
薫
「……うーん、ちゃんとご飯を食べないと駄目だよ…?」
自分は医師であり、肉体や外傷の治療は出来るものの、カウンセラーとしての資格は持っていないため、髪の色が抜け落ちる程のストレスを僅か五歳で経験した彼の苦悩や絶望は計り知れない。家族が殺害されたと言う噂もあり、それが本当なら彼は幼い内に自分がこれまで経験したどの苦悩よりも凄惨な体験をしてしまったのだろう……
だが、ここで見捨てる訳にはいかない。折角マスクを外せるようになった事から桜空の頬を両手で包むようにして見て、彼の顔を見て、ちゃんとご飯を食べて健康に気を付けるように言う。
ノエルも氷華さまが仰る通りだと思いますっ
( 進むことを諦めなければ、絶対に辿り着くことができる。努力は必ず報われることを信じて疑わず、真っ直ぐな瞳で彼女を見ては弾けるような笑みを見せ。尊敬する彼女のこの穏やかな笑顔を、誰にも汚されたくない。ノエルだって、何度叩かれても倒されても必ず立ち上がります。彼女らしく、自分らしくただ真っ直ぐにいたいけれど……、そういう人達にとってこの世界はどうも生きにくい。この瞬間はじめてそんなことを思っては、手元の書類に目を落とし )
でも……時にはゆっくり休むことも必要です。氷華さま、お身体にはお気をつけくださいませ
>>293 氷華さま
わ、僅かな溝……!
( 彼の言葉に、真剣にこくんと頷いては見たものの本当にできるのかと冷や汗をたらり。近くに窓があったため、そちらに駆けよれば頑張って窓を開け身を乗り出す。うーん、溝……ないわけではないのですがと眉を八の字に。書類も落とさずとなると少し考えねばなりませんね、と考えながら彼の元へ戻り )
ノエル、何事も挑戦すべきだと思います。ですので、…やってみます
( ぐぐ、と両手に力を込めてはその方法で部屋に向かうことにして )
>>294 悠矢さま
桜空「ひぃっ・・・・・!」
バッ・・・・・!
(桜空は突然手を包むようにされ顔を見られると、手を払い除けて目をぎゅっと閉じる・・・・・
恐らく、周りからの視線や家族を襲撃されたことによって、大人、もしくは誰かと接することに恐怖を感じるようになってしまったと思われる・・・・・
まだ幼く恐怖に敏感な年頃なのに、そこへ加えて大人でも恐怖するような体験をしたのだから無理もない、しかも桜空は目の前で両親を〇され精神的ショックと直接リンチされたことによる身体的ショックが合わさってしまっている・・・・・
この歳で人間不信になってもおかしくはない・・・・・
桜空の小さな体は、震えていた・・・・・)
>>302
悠矢「ちょっち待ったぁぁあああっ!君に何かあったら俺のクビが危うい、書類は俺が持つから、冗談は鵜呑みにしないように!」
(やはり相手をからかっていただけだったのか、冗談を鵜呑みにしないよう気をつけるように注意すると、書類を持ちちゃんとした建物内の正しいルートで部屋へと案内しようとする・・・・・
もし何かあったらどうするつもりだったのかは定かではない・・・・・)
>>303
>>304
薫
「………………。
ちゃんと食べないと駄目よ……?」
明らかな拒絶を見せて手を振り払われると、これ以上の接触や声掛けは逆効果になってしまうとわかる……最も一回や二回の接触だけで彼の心の傷を知ることが出来るとは思っていない。何時かは彼の心を救えるようになりたいと考えつつ、ちゃんと食事を取らないと駄目だと言ってこの場から去ろうとする。
>>303
>>305
氷華
「あら、随分と気がきくわね。それじゃあ、二人の言葉に甘えて……これも持ってもらおうかしら?」
氷華はノエルの無理はしないで欲しいと言う言葉と、緋染の自分が書類を持つと言う言葉の二つを聞いて、緋染にはノエルの持つ書類の束と一緒に自分が持っている書類の束を持って貰おうとする。
特に命令している訳ではないものの、組織のトップである氷華の言葉は自然と行わなければならない指示のような意味合いを持ってしまっている。
要するにパワハラである。
桜空「・・・・・し、て・・・・・?」
(相手がこの場から去ろうとした瞬間、桜空は小声で何かを言いかける・・・・・
ほんとに小さな声だが、相手に桜空自ら初めて訴えかける言葉・・・・・
これが桜空の精一杯なのか、掠れている上に小さい声はとても聞きづらい・・・・・)
>>306
悠矢「・・・・・ラーメン、奢りで」
(悠矢もタダでは引き受けないつもりなのか、氷華を相手に取り引きを持ちかけようとする・・・・・
書類を持つ代わりに、ラーメンを奢るように言ってくる・・・・・
ハッキリ言って、セコい)
>>307
>>308
薫
「…………!
貴方も大切な命の一つ。自分の命も他人の命も、大切にして……生きてさえいれば……何時かはきっと幸せになれる。」
この場から一時立ち去ろうとしていた最中、後ろから聞こえた言葉を聞いて立ち止まり、直ぐに振り返る。
薫が人生の中で味わった苦痛や苦悩は、両親からの期待に応えるために有名医科大学に入学するために行った学生時代の受験戦争であったり、治癒や回復にはあまり適していない異能だった事への葛藤ぐらいであり、その時でさえ死にたいとは思わなかった……
だが、桜空は違う……自らの生きることを辞めたくなる程の苦痛と絶望に苛まれている……相手の苦しみや悲しみを真の意味で理解する事は自分には出来ないし、同じ苦しみを知らない自分のかける言葉は空虚に感じてしまうかもしれない……
だが、それでも薫は自分の信じる言葉を、考えを、込められるだけの感情と意志を込めて彼に話す……
桜空「・・・・・」
(今まで、生きる意味など考えなくてもいいほどに、毎日が幸せだった、満ち足りていた・・・・・
姉と一緒に遊んだりする普通の日常が、かけがえのない宝物だった、両親と過ごす時間が、宝物だった・・・・・
それらをすべて奪われた今、家族を襲撃した不審者に何故自分を〇さなかったのかとさえ、こと年齢で考えるようになってしまった桜空には、ただの綺麗事にしか聞こえなかった・・・・・
桜空は顔を背ける・・・・・)
>>309
>>310
薫
「……………。」
今の彼に自分の声は届かない……だが、彼が自死の言葉を口にしなくなった事で、少なくともその思いを留める事は出来ただろうと思うと、これ以上の声掛けは逆効果になってしまうとわかっている事から、最初の接触はこれで終わりにして、これ以上は何も言葉にせずに彼の前から去って行く……
桜空「・・・・・」
バサッ・・・・・
(桜空は、ベッドへと戻ると、毛布をかぶりそのまままた心の殻に閉じこもる・・・・・
所詮は綺麗事、いつか幸せが訪れる保証なんてのはどこにもなく、そして幸せが訪れたとしても、それを幸せだと認識できるかどうかもわからない・・・・・
だが、ここへ来て初めて自分とまともに接してくれたのも先生だけだった、他とは違って自分を化け物扱いもしなかった・・・・・
桜空は、もしかしたら先生は本当に自分を想ってくれている優しい人なんじゃないかと、幼心に思い始めていた・・・・・)
>>311
っへ? は、はいっ
( びくぅっと、肩を、というよりか体全体を震わせては動揺した瞳で彼を見て。兎角ぶんぶんと首を縦に振って返事をしては、書類は全て彼の元へいってしまったので少々慌てて。いいのかな、一番下のノエルが持つべきなのに、とでも考えているらしく )
ノ、ノエルもなにかおふたりに…、
( おごります、と言えたなら良かったものの、それほどのお金はもっておらず。しょぼぼ、眉を下げては他にふたりが喜んでくれそうなお礼をと考えて。やはり功績をあげることがお二人のためにも組織のためにもなるし…でもそれはお礼じゃなくてノエルがやるべき事だから、もっとこう、ふたりが嬉しくなれるもの、と自分より背の高い彼女らを交互に見て )
>>305 悠矢さま
>>307 氷華さま
>>305
>>313
氷華
「はぁ……しょうがないわね、それなら金券でいいかしら?」
流石に自分が直接ラーメンを奢ろうとすれば、その店に氷華に怨みを持つ悪人達の手が伸びてしまうことを危惧すると、ラーメン店で使えるギフトカードを渡す事でいいかと聞いてみる。
氷華
「私がやりたいからやっただけ。気になんてしなくてもいいわ。」
氷華が最初にノエルに接触したのは、彼女の纏う雰囲気が自分に何処か近かった事や、始めてみる人物だったからと言うものであり、完全に自分の気紛れで手伝っただけに過ぎないため、礼をする必要はないと答える。
氷華は身長が172cmもあり、日本人女性の平均である158cmから比べると高い身長をしているのに対して150cmにも届いていない小柄なノエルを見て、まるで姉が妹を見るような優しい雰囲気を纏っている。
その理由はノエルには昔、消息不明になった弟と重なって見えているからでもあり、悪人に対しては民間人の犠牲もやむ無しとし、氷のように冷たい言動を取っていた氷華の中に微かに残っていた人間性大きくが現れている。
悠矢「まぁだ若いんだからそんなに気を遣わなくったっていいのにぃ〜・・・・・」
(あまり細かいことを気にしない悠矢はそう言うが、新入りの立場からしたらそうもいかないというのが現実・・・・・
しかし、悠矢は基本的に誰かに気を遣うということをしないためか、まだ若いんだから気を遣わなくてもいいというが、実際そこまで歳が離れているわけでもなければ、例え悠矢がノエルと同じ年齢の新入りだとしても、気を遣うことはしないと思われる・・・・・)
>>313
悠矢「へえぇー、氷華ちゃんでも金券とか持ってるんだ・・・・・意外と人間っぽいね」
(本人に悪気はないのか、それとも悪気しかないのか、言葉の中に毒が混ざるのが当たり前になっている・・・・・
が、氷華が金券を持っているということに驚いたのは事実であり、普段冷酷な氷華にしては意外とまだ人間らしい部分もあるという意味合いにも思える・・・・・)
>>314
>>315
氷華
「……?
そう?現金を使うと指紋や記番号からの追跡や流通経路を読み取られると困るでしょう?現金よりもデータの方が入手経路や蓄積データの隠蔽を行いやすい。」
氷華は人間らしいと言われると、不思議そうに首を傾げ、現金使用のリスクと、電子マネーやギフトカードにおける利点や、徹底した自分の金額の経路や流通ルート隠蔽のために用いているだけだと答える。
ではノエルもっ、氷華さまに笑顔でいて欲しいのでなにか贈り物をいたしますっ
( やりたいからやっただけ、そう聞けばこちらも純粋に贈り物がしたいと言い始めて。何が喜ばれるのかは分からないけれど、相手のことを想いながら、心の籠った贈り物ならと考え )
>>314 氷華さま
でもノエル、このぽかぽかした気持ちをおふたりと共有したいです
( 二人から貰った優しさを自分も返していきたい。ぴょこぴょこと彼に少しでも声が届くようにと跳ねては上記述べて。それから続けざまに「悠矢さまはラーメンがお好きなんですか?」と問いかけ )
>>315 悠矢さま
>>317
氷華
「………。
ありがとう。それなら少し楽しみにしておこうかしら?」
ノエルが贈り物をしてくれると聞いて純粋に嬉しいと思うものの、同時に十年ほど昔の悪夢を一瞬だけ脳裏に過ってしまう……
自分も弟の誕生日の前日、プレゼントを買ってあげようとして街に出て……帰って来たときには全てが終わっていた……いや、正義の道を歩むことになる始まりともなった。
忌むべき過去か、それとも決意の源として受け入れるべきか、未だにその二つのどちらであると認めるべきなのかわからないままであり、何か贈り物をしたいと言ってくれたノエルを見て少し言葉を止める。
だが、このまま黙っていると相手に心配をさせてしまうと気付くと微笑んだまま、純粋に彼女が何をくれるのか楽しみにしていると応える。
悠矢「あぁ〜、なるほど・・・・・そういうこと・・・・・」
(そう言うと「氷華ちゃん、正義の味方って立場だけど、やり方が悪人に近いよね」と、徹底的に証拠を残さない氷華のやり方は、完全犯罪をする犯罪者にも似たやり方だと評価する・・・・・
が、今まで普通に現金を使っていたため、見習う部分もあるなと思いながら)
>>316
悠矢「結構好きだねぇ、地獄ラーメンとか・・・・・」
(ノエルは普通にラーメンの話を振っただけだと思われるが、悠矢の口からはまず聞かないであろう物騒なラーメンの名前が飛び出してくる・・・・・
名前からして、食べて大丈夫なのかどうかもよくわからない・・・・・)
>>317
>>319
>>ノエル(白鴉)
氷華
「……そうかしら?単に警戒心の強弱の違いだと思うのだけれど……?」
極力証拠を残さず、完全犯罪を成立させるように立ち回る氷華の様子を見て指摘する緋染に対して悪人に近いのではなく、単に警戒心が強いか弱いかの違いでしか無いと答える。
氷華
「……私よ。
……………ええ、わかったわ……直ぐに向かう……
……ごめんなさい、私は少し現場に出てくるわ。」
緋染とノエルの二人と話している最中、氷華の着ているコートの内ポケットにしまっていたスマホから初期設定の通知音(このスマホも仮名義で登録した使い捨ての物)が届くと、そのスマホを取り出し、二人に対して「失礼……」と言い、電話に出て短いやり取りを終えるとサイレントモードに切り替え、再び内ポケットにしまいながら、自分はこれから現場に出てくると言う。
悠矢「いってらぁ〜♪さぁてと、さっさと書類運んじゃおうかねぇ」
(氷華が現場に出てくると言い残して立ち去ると、手を振りながら見送り早いとこ書類を運んでしまおうと歩き始める・・・・・
氷華が呼ばれたのがこの前のファースト関連で何かあったということなのか、それとも、ただ単に街中で悪がただただのさばっているということなのかはわからない・・・・・)
>>320
>>312
【翌日】
司
「やあ、おはよう。」
薫が始めて桜空に接触した翌日。
朝食の号令が出て食堂が開かれた際に、桜空と同時期にこの施設に送られた同年齢の少年……"夜桜 司"がニコニコと感情が読み取りにくい笑顔を浮かべながら桜空へ挨拶をしてくる。
彼は両親と姉の三人を殺害した殺人鬼であり、本来ならば少年院ではなく、少年刑務所へ送還されるのだが、異能社会であるこの世界では異能を用いた未成年者による犯罪率の増加に対応すべく、人員と施設の集中と運営施設の削減、規模の拡張に伴い、少年院と少年刑務所が統一されている。
だが、それでも司のように本来少年院に送られる者は刑務服を着るだけだが、少年刑務所に収監される者は両手足と首に赤いランプの付いた首輪が付けられており、視覚的にも区別可能なものとなっている。
桜空「・・・・・ぉ、ぉはょぅ・・・・・」
(桜空は、誰かと会話をするのもあまり気乗りしないものの、挨拶くらいはちゃんとしなきゃと思ってわずかに聞こえる程度の声で相手におはようと言葉を返す・・・・・
見た感じ、自分と同い年くらいの男の子だし、笑顔だから他人から見れば親しくしやすい感じに見えるものの、桜空は相手の笑顔がどこか不気味に感じ、目を逸らしてしまう・・・・・)
>>322
>>323
司
「うん、今日はマスクをしていないんだね?」
司は笑顔を崩さず、陽気な口調で今日はいつも付けていた酸素マスクを付けていないのかと話を続けようとする。
彼は此処に来てからずっと笑顔のままなのだが、彼の笑顔は薫のものとは違い、まるで笑っている仮面を付けているようであり、酸素マスクを外した桜空とは対照的な雰囲気も持っている……
だが、それは親近感を呼ぶものと言うよりも、桜空と決定的に違う"歪み"を感じさせるものとなっている……
桜空「ぇっと・・・・・ぅ、ぅん・・・・・」
(言葉でうまく言い表せないが、正直、相手が怖い・・・・・
今の桜空の人間不信になってしまったことからくる他人への恐怖の感情とはまた違い、人間が本能で感じ取る恐怖、と言った方が正しいのかもしれない・・・・・
相手は怒っているわけでも、睨んでいるわけでもないのに、怒られたり睨まれたりするよりも断然笑顔が怖い・・・・・
相手を直視できない・・・・・)
>>324
>>325
司
「あはは、まあ無理に喋らなくてもいいよ、喋れるようになったら喋ろうよ。」
司は喋れないのなら無理して喋らなくてもいいと言うと、支給された食事が乗せられたトレイを取りに行くために配膳所へ向かって歩き始める。
常人なら一生縁の無いこの場所に送られていながら、虚飾や偽りではなく、純粋にこの場所を楽しんでいるかのように、何時も楽しそうに笑っている事からまともな神経の持ち主で無いことは確実であると言える。
桜空「・・・・・」
(喋れるようになったら喋ろうという相手の言葉を聞き、未だ若干の警戒心こそあれど、本当は優しいのかもという感情も抱き始め、もしかしたらあの笑顔も自分の考えすぎで、本当はただの優しさだったんじゃないかと思い始める・・・・・
が、周りの視線はやはり冷たく突き刺さり、桜空の心を締め付ける・・・・・)
>>326
>>327
薫
「ね、知ってる?虎って本当は狩りが下手で10%ぐらいの確率でしか成功しないらしいよ。」
食事をするために薫も食堂に訪れた中、広い食堂の隅で昨日の桜空が一人でいるのを見た薫が配膳場所から食事の入ったトレイを二人分持って桜空の向かい側の席にまで移動すると、優しく微笑みながら、何故かいきなり動物の豆知識について話す。
周囲からの桜空への冷たい視線をものともしない強い精神力があるのか、単に周りの視線に気付いていないだけなのかは不明。
桜空「え・・・・・?」
(突然過ぎる相手の動物の豆知識に、桜空はきょとんとして困惑する・・・・・
そして「か・・・・・かりって・・・・・なに・・・・・?」と、気になったのかおどおどしながらも聞いてみる・・・・・
桜空は虎は知っているが狩りとは何なのかは知らなかったようだ)
>>328
>>329
薫
「あ!今日は話せそうだね?」
昨日と違って怯えて話が出来ない状態から、困惑した様子が見えるものの、少しだけでも話せそうな状況に進めた事からますます上機嫌になって穏やかに微笑みながら話を続ける。
薫
「狩りって言うのは……生きるために食事を用意すると言うことで……"これ"みたいな感じかな?」
薫は二つ持ってきた食事の乗ったトレイの一つを桜空に向けて差し出すと、彼の質問に対して食事を用意する行為を狩りだと言い、彼が食事を始めるのを少し待って、彼が食べ始めるまで待とうと思う。
桜空「・・・・・かりは・・・・・ごは、ん・・・・・?」
(桜空は、相手の言葉通りに少し考えた上で、狩りというのはご飯であると解釈して聞いてみる・・・・・
狩りと聞くと、野生の動物が生きる為、食事をする為に獲物を捕らえるのをイメージしがちではあるが、人間も生きる為に牛や豚や鳥を育てる、食べる、そう見ると人間も狩りと共に生きてきたのは間違いない・・・・・
だが桜空は生き物の命を奪うことが食べるということにも繋がる、なんてことはまだ難しくてわからなく、狩りとは命を頂いて食べる、ではなくご飯を持ってきて食べる、だと思っている・・・・・)
>>330
>>331
薫
「そうそう、だいたいそんな感じだね?
さ、食べて食べて!元気の源は食事だからね。」
薫は能天気なのか、穏やかな性格なのか、それとも両方なのか。
あまり深くは考えずに、狩り=食事だと応えると、元気の源は食事だからと教える。
少年院の少年達
「薫先生、おはようございます!」
薫
「お!少年、今日も元気があっていいね!」
薫は、あまり複雑な事は考えず、隅で悲しんでいる者や悩んでいる者、陰口を言われたり周囲に馴染めない者にも優しく救いの手を伸ばすことを躊躇わない。
桜空と同じように周囲に拒まれ、孤立していた少年達も薫を見るや否や、嬉しそうに手を振って、薫もまた、それに対して陽気に返しており、薫も薫に救われた少年達も明るく楽しそうに笑っている。
桜空「・・・・で、でも、僕・・・・・お腹空いてな(きゅるるるぅ〜・・・・・)」
(桜空自身は、本当に食欲が無い・・・・・が、体は正直だ、前触れなく腹の虫が鳴る・・・・・
ここ数日、食べると言ってもパンの欠片を本当に一口以下くらいの量を口にするだけであり、一日おきにではなく三日に一度しか口にしない日もあり、完全に目に見えて衰弱しているのがわかる状態だった・・・・・
そして今、ようやく体が正直に空腹であることを証明する・・・・・
挨拶をした子も、多分辛いことがあってここにいるのだろうというのはわかる、でも自分と違って元気だし、笑顔だ・・・・・
そして先生は、みんなに元気を分けているようにも見える・・・・・
桜空の心の中で、凍てついていた何かが溶け始めていた・・・・・)
>>332
>>333
薫
「ほら、お腹の方は空いたよ〜って言っているよ?
まだまだ若いんだから無理せずに食べないといけないよ。」
少年院の少年達
「薫先生、おばあちゃんみたいな事を言うね!」
薫
「なっ!私はまだ24なのよ!?せめてお母さんと言いなさいお母さんと!」
薫は楽しげに笑いながら桜空のお腹が鳴ったのを聞いて、我慢をするのはよくないと言うと、その言葉を聞いた他の少年達に少しからかわれながらも、陽気に応える。
彼女は儚げな雰囲気を持ちながら、強く輝く太陽のように明るく接し、日の当たらない場所にいる者をも明るく照らし、凍てついた心の氷も溶かそうとする……それが須藤薫と言う人間なのだろう。
桜空「・・・・・」
スッ・・・・・
ぱくっ・・・・・
(無言でトレイのお皿に乗せられた温かいロールパンを手に持ち、一口食べる・・・・・
よく噛んで飲み込むと、自然と涙が溢れ始め、今まで食事をしなかったのと打って変わって、もくもくと食べ始める・・・・・
色々な感情が入り乱れているのだろう・・・・・
きっと、家族と食事をしていた頃にもこういうメニューがあり、楽しく食卓を囲っていたのだろう・・・・・
桜空は、ようやく希望が見え始めたのかもしれない・・・・・)
>>334
>>335
薫
「!!?
だ、大丈夫!?も、もしかして美味しくなかったとか……!?」
かつての失われた幸せな記憶が蘇った事で涙を流したのを見て、思わず薫も何か美味しくなかったのかもしれないと思い、ロールパンを一口だけ千切って食べ始める。
桜空「・・・・・違う、の・・・・・おいしいよ・・・・・いっぱいおいしい・・・・・」
(指で涙を拭いながら、感情が溢れ出る・・・・・
食事をすること、素直に泣くこと、この二つで桜空の心にもどこか安心感が生まれた・・・・・
家族が襲撃されてから今まで、もうこの先の人生に光なんてないと、ずっとそう思っていた・・・・・
でも、ようやく闇が晴れ始めた・・・・・
正直、美味しいと言いつつも泣いている為ハッキリと味はわからなくなっているが、それでも今の桜空にとっては、とても美味しく感じていた・・・・・)
>>336
>>337
薫
「よかった……!ほら、私の分も食べていいよ。」
マスクを付けいた頃から彼の事を影から見ていたものの、まともに食べていた様子は無かった事から心配していたものの、ようやくまともに食事をして、更に美味しいと言った事から漸く安心し、これまで食べれていなかった分、今食べられるように薫は自分の分も食べてもいいと言って食事の乗ったトレイを差し出す。
【相模湾 密輸船】
氷華
「………人としての暖かさを失うにつれて……人への情が無くなるにつれて私の力は強くなっているような気がする……」
氷華は緋染とノエルの二人と別れた後、firstの密輸船が相模湾に侵入したところを、氷華が現れ"周囲の海もろとも巨大な密輸船"を凍り付けにし、船の動きを止め、中に乗っていた船員も全員まとめて瞬時に凍結させ、到着してからものの数秒で制圧している……
明らかに氷華の異能は強さを増しており、その異能の変化の原因を"人の暖かさの喪失"を条件としている事を実感し、誰にともなく呟く。
氷華
「やがて私は今のように人である事を維持する事さえ出来なくなる……けれど、それに悔いはない。寧ろ……完全なる正義と勝利の使者となれるのなら……躊躇う理由も迷う必要もない。」
甲板に降り立ち、船内に通じる扉を蹴り壊して船内へ入りながら一人呟く……夕渚やノエルと話していた時でさえ、その心の大半を占めていたのは冷たい無の感情であり、その冷たい無の感情が心の全てを占めた時、自分は心まで氷のようになってしまうだろう……
だが、もはや自分の変貌に対する迷いや戸惑いは完全に消えており、それどころか自らの意思でそれを望むようにさえなっている……
氷華
「………太陽に向かって蝋の翼を羽ばたかせた英雄は太陽に届かず、墜落した……なら……蝋の翼ではなく、鴉の翼を持った私は……太陽に届くのかしら……?」
船内で氷像となった船員の頭を次々と拳で殴り砕き、確実に絶命させながら、貨物室の扉を開け、中に積載されていた大量の爆薬を見て、冷たい笑みを浮かべながら自らの翼は太陽に届くのかと自問する……
今の氷華には、もはや先日まではあった悪への理解をしたいと言う感情すら削ぎ落ち、一方的な殺人を行っても何も感じることが無くなっている。
firstが二日後に八咫烏の一大武器工場を襲撃するために暗躍しているのと同様に、六日後に日本に地獄を作り上げると言う計画もまた、着実に進んでいる……
桜空「・・・・・ぁ、りがとぅ・・・・・!」
(桜空は、頬張りながらも、喉に詰まらせないように食べてゆく・・・・・
警戒心が常にあり、怯え切っていた桜空は、見違えるほどに相手に対しての警戒心も怯えもなくなり、寧ろ自分からお礼まで言えるほどに懐き始めている・・・・・)
>>338
隅影「・・・・・野郎・・・・・やりやがったな、野蛮な鴉め・・・・・」
(双眼鏡で近くの建物の影から様子を伺っていた隅影が、氷華が海ごと密輸船を襲撃したのを見て、静かに怒りを顕にする・・・・・
一応、桜空から頼まれて密輸に協力したが、まさかそれがすべて水の泡になるとは予想外だった・・・・・
それも、最悪の形で・・・・・)
>>339
>>340(桜空)
薫
「うんうん、元気になってくれて安心したよ。子供は元気が一番って言うからね?」
薫は美味しそうに食べているのを見て、まるで母親が子供を見守るように穏やかな目で優しく桜空を見守り、薫に救われた他の子供達も自分と同じように苦しい環境に置かれ、周りから拒絶し、拒絶されていた桜空の事を友達と呼んで一緒に遊びに誘うようになった。
少年院にいる他の多くの子供達は、未だに桜空達を避けてはいるものの、孤立した施設の中に薫は友達が作れる場所や、幸せに暮らせる場所を作っては、皆が幸せに過ごし、更正して社会に出られるような環境にしようとしていた……
………少年院の院長……神宮が現れるまでは。
>>340(隅影)
???
「盗み見とは感心しないな?」
湾岸にある建物の影から氷華による大規模な海面凍結、艦船凍結と言う、異能と言うよりも厄災と呼ぶに近い力を示す氷華の様子を見ていた隅影の更に背後から少年?少女?どちらともつかない中性的な声が聞こえてくる……
氷華による厄災に対しての言及ではなく、背後から隅影の行動を不審がるその言葉から、少なくとも隅影の味方では無いのは確実だ。
隅影「ほぉ、そうか・・・・・だが盗み見よりもあの鴉がやってることの方が感心しないことなんじゃねぇのか?」
(そう言うと、懐から拳銃を取り出し背後へと振り向き「何者だ・・・・・?」と、睨みつけながら銃口を向ける・・・・・
今ここでやられるわけにはいかない、まだ殺り足りないし、暴れ足りないからだ・・・・・
ここで一戦交えたら、最悪氷華も参戦して不利になるのは明白・・・・・ならば、一気に畳み掛けた方がよさそうだ・・・・・)
>>342
>>343
霞鴉
「大丈夫、氷が溶ければ死体も船も全て海の底さ。
それに何より……ボクらのリーダーの決めた事だ。」
振り返った隅影に銃口を突き付けられた人物……
その相手は白髪に碧瞳を持ち、中性的な顔立ちをした人物だった。
彼女は銃口を突き付けられているにも関わらず、一切臆すること無く、飄々とした様子で氷華の事を"リーダー"と呼ぶ。
氷華
「……霞が消えた……と言うことは
……彼女が動くなら、私が手助けする必要はないわね。
何せ……彼女はこれまで一度たりとも傷を負った事もダメージを受けた事も無い……"無敵の霞鴉"なのだから……」
氷華は霞鴉が目撃者の元へ移動した後、
八咫烏の最高戦力であり、単身で犯罪組織を丸ごと殲滅できる程の実力を持った三羽鴉……それも"無敵"の称号を持った霞鴉が排除に向かったのであれば自分が干渉する必要はないと判断し、船と海の凍結を解除し、氷の足場を生成して夜空へ向かって消えて行く……
【少しして・・・・・_____】
桜空「んん・・・・・せんせぇ・・・・・」
(友達もできて、少しずつだが遊ぶようにもなってはきたものの、まだ自分から誰かを誘って遊ぶというのはハードルが高いのか、ほとんど誰かが誘ってくれるのを待っていることが多い・・・・・
昼寝中の桜空は、一番懐いている薫の夢でも見ているのか、寝言を言う・・・・・
これから、巨悪が訪れるとも知らずに・・・・・)
>>341【見落としていました!すみません!】
隅影「死体は別にどうでもいいが、密輸品が改訂に沈んじまったのは納得いかねぇな、責任、取ってもらおうか?」
(隅影はかなりご立腹なのか、声のトーンが低くなり、不気味にニヤニヤと笑みを浮かべながら責任を取ってもらおうかと呟く・・・・・
こうなったらやるかやられるかではない、確実にやる、同じように海底にでも沈めてやろうかと怒りを顕にする・・・・・)
>>344
>>345(隅影)
霞鴉
「へぇ、やるのかい?いいよ……相手になろう!」
霞鴉は相手の交戦する意思を確認すると、即座に頭を右へ動かして射線から外れようとすると同時に、拳銃を持った隅影の手を霞鴉の左手で側面から叩いて拳銃を弾き飛ばそうとする。
その動きは一切の無駄がなく、銃口からの回避と銃を弾く事の二つを同時に行おうとする。
>>345(桜空)
神宮
「………立たせろ。」
《ガタッ》
穏やかに眠りにつき、薫の夢を見る桜空の前に泰臣と彼の私兵として動く大柄な施設職員が二人現れると、細く鋭く目を光らせ、眠っている桜空を職員二人によって無理矢理引き起こそうとする……
薫の姿は周囲には見えない事から不幸にも薫が居ないタイミングで施設内において王が如く振る舞う強欲にして傲慢な男……神宮泰臣が来てしまっている……
【大丈夫ですよ〜、お気になさらず〜。】
すみません、参加を希望してるのですが、今は募集枠とかはどうなってますかね……?
349:八咫烏◆3. 進行相談用 http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1636379816/l2:2021/12/05(日) 21:42 >>348
【ありがとうございます!
八咫烏陣営は
十二鴉と鴉が空いていて、
first陣営は
副リーダー、情報屋、実動要員、その他構成員
と言うようにほぼ全て空いています!
それと、具体的な相談や、提案、キャラシートとかは私の名前横に付いているURLから飛べますよ!】
隅影「おっとぉっ!あっぶねぇ!」
(隅影は弾かれる寸前に相手の攻撃を避ける・・・・・
そして「今回の件はかなり頭には来たが、いいことを思いついた・・・・・お前達、数日後にこの国を地獄に変えようとしているんだろう?」と、八咫烏(氷華)が進めている計画について触れる・・・・・)
>>346
桜空「・・・んぇっ・・・・・?」
(桜空は寝ぼけているのか、目が半開きの状態で間の抜けた声が漏れる・・・・・
友達の誰かがいたずらで自分を起こそうとでもしている、この時はまだその程度にしか考えておらず、これが悲劇の始まりだとは夢にも思っていなかった・・・・・)
>>347
【ありがとうございます!💦】
>>350
霞鴉
「……!
……へぇ、どうやら八咫烏に内通者がいると言うのは本当らしい。」
相手の銃を弾くことには失敗したものの、相手からの至近距離の銃弾を捌く事に成功し、更に偶然にしてはピンポイント過ぎる氷華の計画について話す隅影の言葉を聞くと、八咫烏内に内通者がいると言う噂が真実であった事を確信する……
霞鴉
「ついでにそのお喋りな口から、情報源についても語ってくれないかな?」
霞鴉は裏切者がいる事を知ると、追撃をするのではなく、相手に教える必要もない極秘情報を自分から話し始めた隅影の迂闊さを利用して、その情報源についても話してくれないかと言葉をかける。
>>350(桜空)
《ガタッ》
神宮
「おい、お前は異能者だろう?
お前が持つ異能は何だ?」
二人の大柄な施設職員が無理矢理桜空を立たせると、神宮は桜空の髪を掴んで彼の顔を見ながら、桜空の持つ異能は何だと問いかける。
神宮は身長が180cmで小太りと言うように巨漢であり、ナイフのように鋭い茶瞳の目を持った壮年の男であり、その体格と合わさって強いプレッシャーをかけるようになっている。
隅影「悪いが、誰がその内通者かは俺も知らねぇ・・・・・だが、貴様と戦うつもりもない・・・・・」
(そう言うと「数日後の計画、協力してやろう、別に何かを引き換えにというわけじゃない、ただただ単純に戦力を貸してやる・・・・・どうだ?お前らだけでも十分かもしれないが、少しは戦力があった方がより確実ってもんだろう?」と、不利になる戦いには持ち込まずに、協力をするという提案を示す・・・・・)
>>351
桜空「へ・・・・・?い、いのぉ・・・・・?」
(突然の出来事に、思わず怯えるよりも先に、思考が停止する・・・・・
受けたことのないプレッシャー、そして今まで感じたことのない恐怖・・・・・
そのあまりの恐怖から、どうすればいいのかさえわからなくなるほどに脳が状況を処理できない・・・・・
が、少しして桜空の目からは涙が出始める・・・・・)
>>352
>>353(隅影)
霞鴉
「フフッ、なんだ意外と臆病なんだね?
まあ、臆病だけれども賢明な判断だ、もし本当に戦ったところで結果は見えているのだけどね?」
霞鴉を知らぬ者が彼女の言葉を聞くと、油断や慢心からきている発言であると認識するが、霞鴉について少しでも知る者であれば、その発言に油断も慢心も含まれていない事を即座に理解するだろう……
身体強化を主とする隅影と、霞鴉とはあまりにも相性が悪すぎるからだ……
霞鴉
「あいにく、その問いかけに対する決定をするのはボクじゃない……我々のリーダー……金鵄は我々だけの力で成し遂げたいそうでね、悪の手を借りようとしているだなんてバレたらボクの身が危ないんだ。」
協力を申し込んできた霞鴉に対して計画の核心に関わるような事は一切口にせず、計画への協力は必要ないと応える……氷華の性格上、悪と手を組むなど天地がひっくり返っても有り得ない事であるのは霞鴉もよく知っている……
例え、密かに手を組もうとしても氷華に欺きや騙しは通用しない……例え物事を霞みに巻くような霞鴉であったとしても例外ではない……
>>353(桜空)
神宮
「なんだ、言葉もまともに話せないのか?
なら、これはどうだ?」
神宮は桜空が上手く喋らないとわかると、奥歯をガチガチと音を鳴らし、まだ五歳の桜空の腹部に向けて何の躊躇いもなく拳を繰り出し、彼の腹を思い切り殴り付けようとする……
大柄な神宮の腕力は並みの成人男性のものを軽く凌駕しており、異能が無くともその殴打はかなりの苦痛をもたらすだろう。
神宮
「言葉が喋れないようだが、呻き声や悲鳴はあげられるか?」
隅影「ほぉ、そうか・・・・・俺がある程度、奴らの情報を持ってるとしてもか・・・・・?」
(そう言うと「お前らのリーダーとやらは、見たところ自身の掲げる正義の為ならば殺人すらも躊躇わない大胆な奴だ、正義の実現に少しでも近づくのであれば、かなりいい話だと俺なら思うがね・・・・・もし俺を今ここで始末したところで、俺が話す情報がもし嘘だったら、どうするつもりだ・・・・・?リーダーとやらのところまで連れてってくれるんなら、話してやるし何なら用済みの約立たずと判断すれば始末されても俺は構わねぇぞ?」と、氷華の手段を選ばない性格を理解した上で、協力の提示をする・・・・・)
>>354
桜空「ぇがっ・・・・・!?」
(腹部へと思い切り相手の拳がめり込むと、桜空は激痛のあまり声が漏れ、そしてそのまま「ぁぁあああああああああああああぁああああぁぁぁぁぁぁああぁぁっ!!!!!」と、叫び声を上げる・・・・・
もうこの時点で既に呼吸がしづらくなっており、視界がぼやけ始める・・・・・)
>>355
>>356
霞鴉
「あれ、今の話を聞いていなかったのかい?
金鵄は悪を決して許さない……すべての悪を葬るためにこの国に地獄を作る、聞く耳も持たないだろうね。」
霞鴉は情報提供や戦力の貸し出しによる協力を拒んだその根本の理由である氷華が悪を決して赦さず、悪を滅ぼすために地獄を作ろうとしている事から、いかなる条件を提示したとしても聞く耳さえ持つことはないだろうと言うことを教える。
霞鴉
「それに……今ボクが話したことも全て嘘だとしたら……君はどう思う?」
だが、この発言も霞鴉による嘘である可能性についても伝える。また、地獄を作ると言っても、その具体的な内容はまともに伝えられておらず、伝えられている情報そのものが嘘であった場合、どうするのかと問いかける……それはまるで霞みの中にいるかのように真偽が定かではない……
霞鴉が真実を話しているか……それとも最初から隅影を翻弄し、ボロを出させるために乗っているだけなのか……それを確かめる術は無い……
>>356(桜空)
神宮
「ふむ、悲鳴は出せるようだな。
素直に応えた方が身のためだぞ?」
神宮は断末魔をあげる桜空の髪を左手で掴んだまま、ダイヤの指輪や金の指輪を付けた拳骨によって再び桜空を殴り付けようとする……この少年院の中では暴動対策や、神宮が自身の権力を安全に振るえるようにするために異能を使うことが出来なくなっているため、現状では実際に示す方法は無く、本当に異能力者かどうかを確認しているのかどうかでさえ定かではない……
少年院の少年
「や、やめろ……!!」
神宮
「……無能者に構うつもりは無い。」
《バキッ》
まさに今、桜空に二発目の拳骨が振るわれようとした時……桜空が収監されている檻の中に、桜空と同じように薫によって救われた少年が神宮の背中を叩いて桜空を助けようとするものの、神宮は何の躊躇いもなく少年の顔を殴り、そのまま檻の外の冷たい壁に叩き付ける……
神宮にとって、自分の利益になるモノや、表向きのパフォーマンスではある程度の温情を見せたりするものの、それ以外の者は価値が無いと思っている……例え相手が死亡しようと……
隅影「さぁ、どうだろうな・・・・・?」
(隅影自身は、相手が嘘を言っていようが事実を言っていようが、正直そこはどうでもいい・・・・・
大事なのは、常に自分が有益であるかどうか・・・・・
それに、最初から相手からなにか聞き出そうとするつもりはない・・・・・)
>>357
桜空「っ・・・・・!やめろぉっ・・・・・!」
(桜空は幼いながらも確かに姉から教わった正義をせめてでも貫こうとしてか、まともに抵抗できない状態な為相手が物凄く怖いがやめろと叫ぶ・・・・・
桜空は、神宮を睨みつける・・・・・
その目には、相手とは正反対の正義の意思が宿っているが、無力でしかない・・・・・)
>>358
>>359
霞鴉
「それじゃあ君のやりたいことは終わった。
次はボクからの本題に入ろうか。」
話が終わったと見るや否や、霞鴉は黒服の中から一本の折り畳みナイフを取り出すと、そのまま何の躊躇いもなく、隅影の頸動脈目掛けて振るい、彼が異能を発動する前に彼に致命傷を負わせようとする。
頸動脈を狙った一撃であることから掠りでもすれば血が止まらなくなり、まもなく失血死する事になるだろう……
氷華の行為が表に出ないようにする事と、自分の仕事を減らすために組織のボスと思われる彼を始末する……それこそが本題であり、ここに現れた理由だ。
>>359(桜空)
神宮
「まったく、餓鬼は煩いな。
これだから餓鬼の相手は嫌いなんだ。」
神宮は桜空のやめろと言う声を聞いても、煩いと一蹴し、先程少年が勇気を振り絞って止めようとした事を踏みにじるかのように何度も何度も……まだ幼い桜空に向けて拳を振るって彼を痛め付けようとする。
桜空の両腕は左右に立つ施設職員によって起こされた時から掴まれ、動かす事が出来なくなっているため、両手で防ぐことは難しい……
隅影「悪いな・・・・・こうなることを予想して、俺は基本的にお前のような奴と会話を始める時にもう全身をナイフが通用しない程度に硬化してあるんだ・・・・・」
(隅影の能力による硬化は、ナイフほどの威力に耐える程度ならば見た目的には、本当に見てもわからないほどに変化がない・・・・・
そして「お前の目的は、さしずめ俺の始末、といったところか・・・・・悪いが、ずらからせてもらうぞ?」と言うと服の襟に着いた何かを押して「いいぞ、やってくれ」と言う・・・・・)
>>360
桜空「や・・・・・ゃ・・・・・め・・・・・」
(次第に、桜空の声が小さくなってゆく・・・・・
同時に、意識もぼんやりとし始め、段々遠ざかってゆく・・・・・
《せ・・・・・んせぇ・・・・・》
心の中で助けを求める・・・・・無力な自分が情けない・・・・・)
>>361
>>362(隅影)
霞鴉
「……へぇ、ナイフの通らない体と言うことは……潜鴉を倒したのは君か。」
ナイフの刃がガチンと音をたてて防がれると、ナイフの通らない異能力者……少し前の取引現場にて、潜鴉を倒した存在が相手である事を悟るとナイフをクルクルと器用に指先で回しながらその事を呟く。
霞鴉
「じゃあ……これはどうかな?」
毒鴉達も交戦していた事もあり相手の情報は把握済みだ。
その性質上しにくく、硬化してしまえば身動きが取れなくなってしまうと思う両手足や肩と言った関節部分に向けて素早くナイフを振るってダメージを与えようとする。
>>363(桜空)
薫
「…………!!?
お止め下さい院長先生!!」
桜空の様子を見るために彼の収容されている部屋に向かっていると、通路に倒れた少年を見て、彼の元へ駆け寄ると、顔が大きく晴れて痣になっているのと、開け放たれた部屋の中では桜空が神宮の尋問を受けているのを目の当たりにすると、神宮の振り上げた右腕にしがみついて暴行を止める。
ザシュッ・・・・・!
隅影「よぉーく俺のことをわかってんじゃねぇか、だがな・・・・・」
ドオオォォォォオオオオン・・・・・!!!!!
隅影「お前達が船、そして俺を襲撃してきたように、俺だってお前らがここへ来ることを予め予想しておいたんだ・・・・・」
(隅影は予め爆弾でも仕掛けておいたのか、建物の下の階から突然爆発音が響き渡る・・・・・
そして「大体あと一分で完全崩落、といったところか・・・・・あいにくと俺は能力のおかげでこの高さから飛び降りてもさほどのダメージは受けないわけだが・・・・・どうする?小汚い鴉さんよ・・・・・」と聞き)
>>363
桜空「・・・・・(ひゅぅ・・・・・ひゅぅ・・・・・)」
(暴行を受け続けた桜空は、今にも止まってしまいそうなほどにか弱い呼吸をするだけで、意識を失っている・・・・・
腹部などにも暴行を受けていたことから、内蔵へのダメージもあるかもしれないが、それでも容赦ない一方的な暴力を受け続けたため、もはや生きているだけでも奇跡に近いのかもしれない・・・・・)
>>364
>>365(隅影)
《ザシュ》
霞鴉
「フフッ、その予想はどこまであてになるかな?」
霞鴉の振るったナイフが隅影の関節に次々と切り込まれる中、爆発音と建物から爆発音が聞こえてくる……
だが、ここは"建物の物陰"である事……つまりは外である事から、飛び降りる心配も、崩落を恐れる必要もない……例え建物が崩壊しようと、相手も生き埋めになる事からさほどの脅威も感じておらず、今度は隅影の右目の眼球に向けてナイフを突き出して目もろとも能天まで貫こうとする。
それでは、Firstの武闘派構成員で予約してもいいですか?
368:八咫烏◆3. 進行相談用 http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1636379816/l2:2021/12/06(月) 13:33 >>367
【勿論OKですよ!】
隅影「学ばねぇ奴らだな?確か先にあの世に送ってやったお前らの仲間の一人も、こんな感じで意気揚々と挑んで死んだっけか・・・・・」
バキキッ・・・・・!
(隅影はナイフの刃を掴んで粉々に砕くと「時間制限と体力の消耗が激しいから、あまり使いたくはなかったが、仕方が無いか・・・・・」といい、メキメキと音を立てながら全身を硬化させ始める・・・・・
完全に全身を硬化させた隅影の身体はかなりの強度を誇り、一筋縄ではいかないようになっている・・・・・)
>>366
>>364(桜空)
神宮
「……ふん、もういい。
行くぞ、お前達。」
神宮は桜空を見て吐き捨てるように言うと、薫の手を振り払い、桜空に背を向けると、桜空の両腕を拘束していた二人の職員と共に部屋から出て立ち去って行く……
薫
「麻摩君!大丈夫……!?」
神宮が桜空に興味を失うと、薫は直ぐに桜空の元へ駆け寄り、先ずは散々殴打された桜空を優しく、だが強く抱き締めて彼の安否を確認しようとする……
>>369
霞鴉
「仲間……ねぇ、知っているかい?
正義の味方には、自らを肯定してくれる正義以外の味方は必要ないんだよ。」
体の関節、ひいては手を動かすためにはその関節を軟化させなければ指を曲げることが出来なくなってしまう……
手をそのまま鉄塊のようにする事も出来ると思うが、それをせずにわざわざ握り潰すために用いた事で握り潰されたナイフの破片が隅影の指の間に突き刺さり、彼に流血を引き起こさせる……
霞鴉
「さて、二宮金次郎君。全身を硬化させてしまったようだけど……そこからどう攻撃するつもりだい?」
全身を……関節に至る全てを硬化させ、完全防御の体勢になった隅影を見て、まるで銅像の二宮金次郎を連想させる姿や、先程自分を鴉と形容した彼に対する皮肉として二宮金次郎と呼ぶと、どう攻撃するつもりかと問いかけてみる。
関節まで硬化してしまった場合、腕を曲げる際にも自らの硬度が仇となり、手足どころか指でさえ曲げることが困難になり、最悪身動きが取れないまま、異能によるタイミリットだけが過ぎてしまうと言うように、どう見ても悪手としか思えないような行動を取った隅影に対して少し呆れてしまっている。
桜空「・・・・・ぅ・・・・・う・・・・・」
(桜空は意識を取り戻したのか、呼びかけられるとわずかに反応するものの、依然として瀕死の状態でありどれほど酷い暴行を受けたのかは計り知れない・・・・・
そして、少しして「あ・・・・・あの子・・・・・が・・・・・」と、自分を助けようとしてくれた友達の方を見ながら心配する・・・・・
友達は自分を助けようとしてくれたのに自分は何もできなかった悔しさからか、桜空の目からは涙が出始める・・・・・)
>>370
隅影「どうせお前も能力者なんだろう?例え話だが、毒の能力を持つ奴が、自分の毒で死ぬか・・・・・?」
(隅影が言いたいこともしては、能力者というのは自分の能力はどんなに強けれど、必ずデメリットと一心同体だ・・・・・
だが、能力者の身体はその能力に適したように自然と独自の進化に近い構成になっている・・・・・
毒の能力を持つ者は自身の毒により命を落とすことはまずない、炎の能力を持つ者は自身の炎で命を落とすことはまずない、それと同様に、隅影の能力は全身を硬化してもデメリットはあれど全身を上手く動かせなくなる、ということはまずない・・・・・
潜鴉を始末したのが、それの何よりの証明になるだろう・・・・・)
>>371
>>372
霞鴉
「フフッ、おかしな事を言うね。
ベースはあくまでも人間だ。異能者も特異な力を持つ事を除けば人間であることに変わりはない。」
霞鴉
「君の例えで言うなら……毒の異能者はその操る毒に対する抗体を獲得しているが、それは人間の体であることに変わりはない、血も流れるし、走れば体力も消耗する。炎の異能を持っていても自分に当たれば火傷もする。だからこそ、異能による自滅を防ぐために敢えて無干渉区域を数ミリから数センチでも設けているんだ。まあ、この辺りの工夫は人それぞれだけどね?
それを君に当て嵌めて言うなら……身体を硬化する事が出来たとしても、ベースの人間の体の関節部分や、弱い箇所はそのまま引き継がれる。異能はあくまでも出来ることが増える……それだけだ。」
霞鴉
「もっと簡単に言うなら、厚着をすれば寒さを防げるが、手足を動かしにくくなるだろう?それと同じだよ。もっとも……こんな事は異能力者ならば誰でも知っている訳だけれどね?」
霞鴉はますます呆れたように異能を使えたとしても、それは出来ることが増えるだけであり、自分の異能で自滅する事もあるが、そうならないように各々が工夫しているのだが、考え無しに全身を硬化させてしまえば、確かに防御力は跳ね上がるが、自らの硬度故に動きが妨げられてしまう事になる……
何故なら、関節や眼球まで硬化してしまえば、隙間を埋めるために一体化してしまう事になる……そうなれば必然的に体が一枚の鉄の彫刻のようになってしまい、体を動かそうにも隙間を埋めているせいで可動域が無くなってしまうと言う弊害を生んでしまう……
霞鴉
「その証拠に……君も動くことが出来ないだろう?」
《ヒュッ》
霞鴉はゆっくりと隅影の前にまで歩み寄ると、彼が喋っていることで判明した喉の筋肉と言う、身体の構造上、発音するために硬化する事が出来ない部分に向けて、爆発によって倒壊した建物の残骸から取り出した鉄の棒を突き出し、そのまま彼の首を刺し貫こうとする。
>>373(桜空)
薫
「良かった……!ちゃんとあの子も助けるわ。
さ、一人でも立てる?」
桜空が生きていた事に安堵すると、今度は通路で倒れている少年の元へ駆け寄り、意識を失っている少年を抱え、桜空に立てるかどうかを聞く。もし一人で立てないようなら、意識を失った子を先に医務室に運んだ後、再び戻ってきて桜空も医務室まで抱えて行くつもりだ。
ガゴッ・・・・・!
(突然相手の背後から、何者かが頭部をパイプのようなもので殴りつける・・・・・
「念の為にと潜伏しておいて正解だったぜ・・・・・」
ファーストの長、桜空は隅影から何かあった際に助力するように予め言われていたのか、念の為に潜伏しておいて正解だったと答え奇襲を仕掛けたのだ・・・・・)
>>373
桜空「・・・・・むり・・・・・かも・・・・・」
(そう言うと、桜空は壁にもたれ掛かって不規則な呼吸をする・・・・・
だが「僕・・・・・待てるから・・・・・その子、を助け、て・・・・・」と、涙ながらに訴える・・・・・
心が罪悪感で締め付けられそうだった・・・・・)
>>374
>>375
《スカッ》
霞鴉
「フフッ、思った通りだ。君の発言が本当なら、部下がいてもおかしくない……交渉を持ちかけられるぐらいなら尚更……ね。」
霞鴉に向けて振るわれた鉄パイプは霞鴉の頭部を捉えること無く、まるで実体の無い亡霊を殴ろうとしたかのように何の手応えもなく……空を切ってしまう。
霞鴉は相手が交渉を持ち掛け、戦力や情報の提供が可能な地位……幹部以上である事から彼の近くに部下がいる事を推測していた事もあり、背後から近付いてくる者の足音……丁度先程隅影が倒壊した事で発生した瓦礫を踏む音から他者の接近を察知し、回避のために異能を部分的に発動させた……
霞鴉
「君達は本当に迂闊だ。発言も行動も……その全てが容易く裏を掻くことが出来るよ。」
《「幻影霧葬」》
霞鴉は振るわれた鉄パイプが空を切り、隅影の全てにおいて裏目に出ている言動について指摘しながら、自身の体から周囲へ濃霧に等しい霞を巻き起こし、周囲一帯を覆い始める……
その濃霧の範囲はかなりの広範囲にまで及び、湾岸の街の一角をスッポりと包み隠す程であり、操れる異能の規模が他の異能力者とは別次元である事が判明する……これが三羽鴉と呼ばれる八咫烏最高戦力が一人の実力……
>>375(桜空)
薫
「わかった……直ぐに戻って来るから!待っていて!!」
薫は複雑な表情になるものの、葛藤していられる時間は無いことから、直ぐに戻って来ると言うと、意識を失った子供を抱えて医務室にまで箸って行く。
司
「………面倒なのに目を付けられちゃったね?」
丁度、神宮と薫が去ったタイミングで薫の走っていった方向から両手足や首に囚人の証である黒い首輪や手枷足枷を付けられていないがら、ニコニコと笑顔を浮かべている少年……司が現れ、瀕死の桜空を見下ろして言う。
今キャラプロフを作ってる最中なんですが、能力の他に、銃器や近未来的な装備はOKですかね?
379:八咫烏◆3. 進行相談用 http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1636379816/l2:2021/12/07(火) 01:16 >>378
【銃器は勿論OKなのですが、近未来兵器と言うとどの辺りまでですか?】
今回使おうと思ってるのは、液体金属系のものですね。状況に応じて剣にも盾にも変えられるようなやつです。それ自体が銃器とか複雑な構造のものにはなりません。
381:八咫烏◆3. 進行相談用 http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1636379816/l2:2021/12/07(火) 03:20 >>380
【液体金属系レベルの物となると、異能レベルになると思いますね。】
隅影「そいつは部下じゃねぇ、俺の取り引き相手だ、部下にするには使えねぇよ・・・・・」
(そう言うと「悪いが俺は先に逃げさせてもらおう、桜空はまぁとにかく頑張って抜け出せや」と言うと、霧が広がってきたことにより視界を遮られ始めるものの、逆にそれを利用して相手へと建物の破片の一部を投げつけると、そのまま地中を掘り勧めて海岸までたどり着き、他の停めてあった船に乗り込んで逃走してゆく・・・・・)
桜空「なっ・・・・・!?くそっ!何だこれっ・・・・・!?」
(桜空は、まるで相手の作り出した霧の城にて囚われた、掌の上で舞踏曲に合わせて踊るしかできない哀れな招待客・・・・・
視界も遮られ、方向感覚もわからなくなった今、相手からすれば自分はまさに獲物以外の何者でもない・・・・・
ここで捕まっては、数日後の武器工場襲撃の計画も実行できなくなる・・・・・)
>>376
桜空「・・・・・ぅ・・・・・うう・・・・・?」
(視界だけでなく、聴覚もぼんやりとした感じで、司の声がぐわんぐわんと響く感じで、上手く聞き取ることが出来ないが、目をつけられた、の部分はなんとなく聞き取ることが出来た・・・・・
が、桜空はその言葉に込められた真の意味を理解することは出来なかった・・・・・
桜空は、再び意識を失うと同時に、呼吸も一時的に停止する・・・・・)
>>377
成る程……わかりました。では近未来系の武器は無しの方向にしますね。やっぱりどちらかといえば作風に合ったキャラの方がいいですし。こちらとしても、丁度いい感じの方向性でキャラが固まってきたので。
384:八咫烏◆3. 進行相談用 http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1636379816/l2:2021/12/07(火) 11:29 >>382(現在)
霞鴉
「ふーん?まあ、此方としても内通者の存在が確定したし、何よりも……firstの首領を捕まえて行けそうだから、良しとしよう。」
隅影の投げた瓦礫が霞鴉の体を押し潰そうとするものの、鉄パイプ同様に霞鴉は実体が無くなり、濃霧に溶け込むようにしてその姿が消える……
だが、霞鴉は逃走する訳ではなく、桜空の背後にて新たに現れ、そのまま桜空の首に腕を巻き付けて首を圧迫して気絶させようとする。
霞鴉
「お喋りな君の友達の代わりに……色々と詳しいことを聞かせてもらおうかな?」
>>383
【了解しました!!】
>>382
司
「……君は生かしておいた方がより残酷な運命を辿らせることが出来そうだ……」
司は意識を失った桜空を見ると、笑みを浮かべながら彼の傍まで歩み寄ると、ゆっくりと右手を伸ばし、後に彼が辿る事になる残酷な運命へ導こうとする。
司の狙いは何なのか、何を桜空に望んでいるのか……その行動原理は多くの謎に包まれている……
「ああ、わかってる……正しいのはあんたらだ。だからこそ……その、何だ、上手く言えねぇが……うちの大将達も、どうか救ってやってくれねえか?」
「俺が言うのもなんだが、やっぱ地に足のついた考えってのは重要だよなぁ」
名前/中川 隆次(なかがわ りゅうじ)
通り名/
年齢/28歳
性別/男
役職/First武闘派構成員
数ヶ月前に入ったばかりの、新米構成員。武闘派だけあって戦闘では最前線を担当することが多い。たとえ死闘の中でも軽口を忘れず、一歩引いた視点を持てる。
しかしその思想は寧ろ八咫烏寄りで、それも大将である氷華と近しい。では何故Firstに属しているかというと、どちらかといえば自由を愛する気質であることに加え、少なからず桜空達に同情の念を抱いているから。また、八咫烏と戦う理由もFirst側の主張を通す為ではなく、組織の一瞬の全滅を防ぐ為。つまり、組織の内側から徐々に変えようとしている。
性格/生粋の楽天家。束縛されることを嫌い、気まぐれに生きることに至上の幸福を感じるタイプ。組織内でも軽口を叩いては直ぐに誰かに窘められるのは半ば恒例。しかし、決して空気の読めない愚者というわけではなく、締めるべき所は締め、取り返しのつかないようなことはしないという弁えも持ち合わせる。
容姿/172cm、65kg。それなりに筋肉質。やや無骨な出で立ちながら、口元には人当たりのいい笑みを常に浮かべている。髪は純黒のセンターアンニュイセミロング。顔立ちは歳相応に精悍。口回りや顎周辺には無精髭。首にはプレートタイプのネックレス。トップスはアーミーグリーンのモッズコート。インナーは黒のTシャツ。手には黒のハーフフィンガータイプのスポーツグローブ。ボトムスはベージュのカーゴパンツ。靴はビッグシルエットタイプのスニーカー。
能力/『錬地術師(アースウォーリア)』
石、砂、金属、宝石といった、地面に由来する物質を生成、操作出来る。ただしその規模はさほど大きくなく、地震や地割れといった災害級の事象は起こせない。なお生成したものは、隆次が操作しなければ数分で消滅する。
備考/右利き。これといって特色のない普通の生まれだが、武術の才に恵まれており、幼少時からそれを遺憾なく発揮してきた。しかし厳しい規則や格式ばった習慣はどうしても受け入れられない性格だった為、本格的な武道家の道には進まず、動画サイトなどで師範として新規層を取り込んだり、時折コラボの名目で絡んでくるインフルエンサーを、苦笑い混じりで物理的に軽くいなしたりしていた。
一方で能力が発現したのはつい半年程前のことであり、隆次は持ち前の才能と柔軟さでこれを短期間でモノにした。
(漸く完成しました、審査をお願いします)
>>387
【確認しました!
特に不備は無いのですが、氷華は悪の居ない世界を創るために現世を地獄に変えようとしているという、十字軍もビックリな過激派な考えにまで狂っているのですが大丈夫でしょうか…?】
桜空「ぐっ・・・・・!?くっ・・・・・!」
(桜空はなんとか相手を振りほどこうとするものの、相手の方が自分よりも力が強いためか、首が絞まる一方であり、まさに自分で自分の首を絞める形になってしまった・・・・・
段々と、桜空の抵抗する力が弱ってゆく・・・・・)
>>384
桜空「・・・・・」
(意識が途切れ、生死の境をさまよう桜空には、司の思惑など知る由もない・・・・・
意識の有無に関係なく、子供とは思えないほどに邪悪な思想に満ち溢れた相手の言葉を理解するのは、例え現代の桜空であろうと難しいことだろう・・・・・)
>>386
>>389(現在)
霞鴉
「さて、それじゃあ来てもらうよ……」
霞鴉は後ろから締め上げている腕の力を強め、そのまま彼が気絶したら八咫烏の拠点にまで戻り、尋問の天才である氷華に任せる。そうすれば彼を介してfirstや、その系列組織を全て殲滅するための情報源にしようと考えている。
桜空「ぁ・・・・・が・・・・・」
ぶらん・・・・・
桜空「・・・・・」
(桜空の腕がぶらんと下がる・・・・・
力の差がありすぎる相手に大しての抵抗としては、よくここまで頑張った、といったところか・・・・・
だが、捕らえてしまえばもう八咫烏の手中にあるも同然・・・・・)
>>390
>>391
霞鴉
「さて……それじゃあ、firstのリーダーを一名、八咫烏の巣へご招待しよう。」
霞鴉は意識を失った桜空を担ぎ上げ、そのまま路地裏の闇へ向かって歩いて行くと、霞鴉が展開していた濃霧が晴れ、ものの数分で全て消え去る……後には隅影の仕掛けた爆弾による建物の倒壊を聞いて駆け付けたパトカーや消防隊の者達が崩れた建物から生存者を探したり、付近の交通整理を行うが、誰一人として霞鴉達の事を見付ける事は出来なかった……
狼谷
「………これは不味い事になったな………」
うまく行けば、六日後の八咫烏による日本列島の地獄化を阻む事が出来る筈だったのだが……作戦の要である桜空が八咫烏に……それも、三羽鴉に捕まってしまった事で計画は瓦解した……
狼谷は八咫烏の情報網を使って氷華の動向を伺うべく現場に現れたものの、桜空が捕まった事で、苦しそうに呟く。
あ、その辺は大丈夫です。あくまで氷華『寄り』なので。もっというと、隆次は『自由は秩序があってこそ輝く』的な理論を言葉だけでなく脊髄で理解しているタイプですので。理想とする部分だけは同調しているって感じですね。
394:八咫烏◆3. 進行相談用 http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1636379816/l2:2021/12/07(火) 22:07 >>393
【了解しました!
相談所でも話していましたが、firstのリーダーの桜空さんが八咫烏のアジトに連行されたので、桜空さんの救出作戦に参加されますか?】
>>桜空
【八咫烏アジト 神奈川県/厚木市】
相模湾の湾岸にて、霞鴉によって意識を奪われ、神奈川県内にある何処かの建物へ桜空が連行された翌日。
桜空が目を覚ました時には、五畳程の広さの部屋に閉じ込められている。
部屋には幾つか棚があり、そこにはペンチや糸ノコ、バーナーに、多数の縫い針が入れられた針ケースと言った様々な道具が並べられており、鉄製の背凭れがある椅子に拘束された桜空の正面には頑丈な鉄製の扉が見える。
桜空の両手足を結束バンドによって止められているものの、問題はそこではなく、首にはかつて少年院で司が付けられていたものと同じ型……一定の範囲内における異能の使用が封じられる対異能力者用の首輪が付けられており、持ち前の空間移動による瞬間的な脱出は不可能な状態となってしまっている……
周囲に人の気配は無いものの、これだけの広さの部屋であるにも関わらず、窓が一つもなく、桜空の頭上にある小さな照明だけがこの部屋の唯一の明かりとなっている。
そして……意識が戻るにつれて部屋に充満した血の臭いや、肌寒い冷気が感じられるようになり、この部屋が"拷問や尋問を行うための部屋"である事が明白になっていく……
桜空「・・・・・」
《まずったな・・・・・情ねぇ・・・・・にしても、この部屋・・・・・よく一部の警察じゃあ、犯人への取り調べに脅迫や暴行をする奴もいるってのは聞いたことがあるが・・・・・それをさらに酷くした感じだな・・・・・》
(桜空が連れてこられた場所は、尋問や拷問が情報を聞き出すためでもあるとは思われるが、何より悪人ならばどれだけいたぶっても構わないという理屈の元に作られた部屋のようにも見える・・・・・
今にも、悪人に人権なんてない、という言葉が聞こえてきそうな、一切の容赦の欠片も感じられない異様な雰囲気が感じ取れる・・・・・)
>>395
>>396
《ガチャッ》
氷華
「……漸く目が覚めたようね?」
桜空が部屋の異様な雰囲気を感じて不穏な予感を抱いていたところ、正面の鉄の扉のドアノブが動き、ゆっくりと扉が開かれると、その向こうでは全身を黒装束に包んだ青みのかかった白髪の女……八咫烏のトップであり、先の取引現場にて圧倒的な力を見せ付けた氷華が立っている。
氷華が現れた事で部屋の気温が更に低下し、吐く息が白くなるほどだが、氷華はコートに手袋と言うように元から厚着をしているため、そして何よりも生まれつき寒さに強い事もあってまるで寒さを感じていない。
そうですね、参加でお願いします。しかし、具体的にどんな登場の仕方が望ましいでしょうか?
399:麻摩桜空(幼少期)◆gI:2021/12/08(水) 04:42 桜空「・・・っ・・・・・てめぇはっ・・・・・」
(忘れもしない、あの顔だ・・・・・自分の理屈を正義と掲げ、それを貫くためならば一般人すら巻き込む上に平然とした顔で殺めようとした、あの卑怯者の顔・・・・・
正直、相手に対する恐怖よりも、怒りの方が勝っている・・・・・
正義と呼べるような道を歩んできたわけではない・・・・・だが、姉が教えてくれた正義に少しでも近づくためには、先生が持っていた命の大切さに対する想いを貫くには、コイツは絶対に許すことは出来ない・・・・
桜空は、歯ぎしりをして相手を睨みつける・・・・・)
>>397
【氷華ちゃんめっちゃ強いので、今はアジトでどうやって救出するか策を練る、とかいいかもですね!(個人の意見です)、ても一番はスレ主様のアドバイスをもらうことですね!】
>>398
>>398
【狼谷が桜空さんの救出のためのfirst内で有志を募るので、その際にでもお願いします!】
>>399
氷華
「あら、覚えてくれていたようね?
それなら話が早い……これから私が問いかける質問に対して正直に答えれば貴方の仲間だけは助けてあげる。」
氷華は扉を閉め、両手を腰の後ろで組みながら桜空の前に立ち、彼の目を見ながら、これから自分のする質問に対して正直に答えると言うのならば仲間の命を助けると言うものの、氷華の様子から、素直に答えないと言うのならば彼の仲間も一人残らず殲滅すると言うことを示唆している。
桜空「・・・・・保証は?」
(氷華はどんな悪人にも容赦はない、それはこの前の取り引きの際の戦闘において一般人をも巻き込もうとしたことからわかることだ・・・・・
そうなれば、こちら側としても仲間の安否に関わる条件を出されたとしても、保証があるのかないのかで考えれば、まず無い方であると考える・・・・・
どのみち、死人は手も足も出せない、自分が〇ねば氷華は躊躇わずに仲間を〇すだろう・・・・・)
>>401
>>402
氷華
「どうやら、まだ自分が選べる立場に居るのだと勘違いしているよあだけれど……貴方に出来るのは素直に話して楽になるか、意地を張って極限の苦痛と恐怖の中で絶命するかのどちらしかない……」
氷華は、部屋の隅にある棚に向かって歩き、棚の中から心拍計を手に取りながら、桜空の発言を聞いて、自分がまだ選べるだけの余裕があると勘違いしている事に対して嘲笑うように応えると、再び桜空の前にまで戻ってくる。
桜空「・・・・・この悪魔が」
(桜空の目は、相手に対する憎悪に満ちていた・・・・・
正義だと?笑わせるな、てめぇやってることはてめぇのことを棚に上げて勝手に掲げている自分勝手な正義を他者に・・・・・いや、世界になすりつけようとしているただの傲慢だ・・・・・
そんな考えが、桜空の脳裏をよぎる・・・・・)
>>403
>>404
氷華
「……悪魔?
……それは貴方達のように私欲のために社会を乱す者の事でしょう?」
氷華は自分を悪魔と蔑む桜空の言葉を聞くと、魂まで凍てつかせるような冷たい瞳で桜空を見据えながら、私欲のために世を乱す悪人達の方こそ本当の悪魔だろうと言葉を返す。
氷華
「……私の家族は悪によって奪われた。私は生まれつき強い力を持っていながら……戦う事すら許されなかった……」
氷華は右手に心拍計を持ちながら、自分の家族が悪人の手によって奪われた事、自分は華族が襲われている時に駆け付けて戦うことすら許されなかった事を口走る……
桜空「だから悪人を一人残らず消し去る為に一般人でも巻き込む、か・・・・・随分とご立派な正義だなぁ・・・・・?」
(桜空は、氷華の過去には心の中で少し同情する・・・・・
自分だって悪人に家族を奪われ、姉は今でもどこで何をしているのかわからず、生死すら把握出来ていないからだ・・・・・
だが、悪を滅ぼす為に一般人を巻き込むというやり方は、桜空は断じて納得出来ない・・・・・)
「お前のやってることは、ただの身勝手な自己満足だ、笑わせるな、悲劇のヒロイン気取りが・・・・・」
>>405
>>406
氷華
「犠牲無くして正義は成り立たない。
罪無き命を奪うのは私としても本意では無い……けれど、犠牲を躊躇い何も成せないぐらいなら……私は進んで犠牲を払う。」
氷華の発言に嘘や偽りは一切無い。
これから拷問の末に、どの道相手を生かして帰すつもりが無いのが逆に功を成しており、桜空への冥土の土産としての最後の情からか、本音で話をしている。
氷華
「理解されない考えだと言うことも、独善的な考えだと言うことは知っているし、悪にも等しい事を成そうとしている自覚もある……だから……私の理想の未来では私も存在していないし、存在していてはいけない。」
元々は誰も傷付かず、苦しまず、悲しまない世界を理想としていた氷華がこの考えに至るまでにいったいどれだけの苦悩が、絶望があったのか……
桜空の言葉に対して、否定するどころか、それらを肯定した上で、自分の理想の未来であるにも関わらず、自分という存在は必要ないとまで断言して見せる……
桜空「・・・・・俺の学んだヒーロー像は、犠牲を出さずに悪を成敗する、だったがな・・・・・その考えに至らないお前は、やっぱりただの自己中野郎だよ・・・・・」
(氷華の苦悩も絶望も、桜空からすれば知る由もなければ知ろうとすらも思わない・・・・・
一般的に犠牲の上に成り立つ正義と、犠牲をなるべく出さずに成り立つ正義なら、桜空は後者が圧倒的に正義として成り立つと考えており、氷華の掲げる信念は、やはりただの自己中心的な考えだと述べる・・・・・
そもそも正義なら、誰かを犠牲にしてまで平和な未来を勝ち取ろうだなんて思わないはずだ、何故なら、幼少期に自身の憧れだった姉がそうだったから・・・・・)
>>407
了解です! ではそれまで待機しておきますね。
410:八咫烏◆3. 進行相談用 http://ha10.net/test/write.cgi/yy/1636379816/l2:2021/12/08(水) 15:20 >>408
氷華
「……つまらない綺麗事……いえ、妄想ね。
それが実現可能なものなら私がとっくに成し遂げている。」
桜空の語る理想は単純に少ない犠牲で悪を
だが、幾ら悪を倒したところで、根本的な解決にはならなかった。悪を根絶するためには悪が生まれない世界にしなければならない……その事を悟るまでに氷華は多くの苦悩と苦痛を味わった。
氷華
「この世にはあまりにも悪に都合よく出来ている。
権力を持つ者の多くは自らの私欲を満たすために法の網を掻い潜り、無垢な民を盾として闇の中を蠢いている……それらを根絶するためには多くの犠牲が必要となってしまう。」
氷華が見据えているのは悪が誕生することの世界。
それは既存の社会体制や世界の崩壊を意味している……
氷華や八咫烏ほどの力があっても、沸き続ける悪の全てを永遠に滅ぼし続けるのは不可能であり、その解決策にもなっている。
>>409
【ありがとうございます!では、本日の8時頃から早速初回を投稿しますので、その時にお願いします!
m(__)m】
桜空「その綺麗事すら実現できない正義が偉そうなことを言うな・・・・・」
(そう言うと「お前らのようなクズどもに喋る情報は微塵もない、そして仲間も殺させない・・・・・」と、氷華の全てを否定するような目で見つめながら上記を述べる・・・・・
どんなに拷問されようが、桜空は何も喋らないという確固たる意思を見せつける・・・・・)
>>410
>>412
氷華
「……それが実現不可能な夢だと理解出来ないというのは哀れなものね。」
氷華は相手も悪でありながら、あくまでも悪だけを的確に間違いなく取り除けると言う妄想を抱き、現実を直視せずに語る桜空の罵声を聞くと、綺麗事を信じている桜空に対して失望したように言うと、桜空の右手首に心拍計を取り付け始める。相手を"限界まで追い詰める"ためにはこれが一つの目安となるからだ。
氷華
「さ、楽しいお喋りはこれでおしまい。
次はもっと単純な質疑応答に変えましょうか?」
氷華は拷問器具と言うものを一切使わない。
何故なら、氷華は自らの異能で鉄をも超える硬さの氷の器具を作り出せるからだ……もっとも、氷華の異能によって作り出されたそれは、薫がたまに桜空に見せていた氷細工とは違い、尋常ならざる苦痛を与えるものなのだが……
氷華は両手に氷のペンチを形成し、素早く左手に持ったペンチで肘掛けの上に拘束された桜空の右手の指を挟んで押さえ始める。
桜空「・・・っ・・・・つああぁぁああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!」
(異様なまでに冷たい氷により感じる痛み、そして挟まれることで感じる痛み、二つの激痛に文字通り挟まれることで桜空は叫び声を上げる・・・・・
普通の拷問道具の方が何倍もマシだと思えるほどだ・・・・・)
>>413
>>414
氷華
「…………………。」
氷華はこのまま桜空の爪を引き剥がし、両手足の爪を引き剥がした後、両手足の指を切断し、そこから少しずつ手、腕、足と言うように順番に体の部位を一切の麻酔も無しにバラバラにし、喋れるギリギリの状態を維持したまま彼に想像を絶する苦痛を与えようとしていたのだが……
桜空の爪を氷のペンチを挟んだところで氷華は尋問対象である筈の桜空に……名前も知らない悪党である筈の相手に対する躊躇いが生じる。
これまで何百もの尋問や拷問を行ってきたが、こんな感情を抱いたのは始めてであり、無表情ながらも内心では困惑している中、氷華の右目から一滴の涙が頬を伝う……
桜空「はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・!なに泣いてやがる・・・・・泣きてぇのはこっちだ・・・・・」
(桜空は、氷華の涙など正直どうでもいい・・・・・
氷華の涙がどのような意味合いがあるのかはわかるはずもなく、泣きたいのはこっちだと言う・・・・・
桜空は依然として、氷華を睨みつけたままである・・・・・)
>>415
>>first ALL
【first 厚木市の隠れ家】
狼谷
「……全員揃ったか?」
狼谷は先日に茅ヶ崎の湾岸にて、firstのリーダーである桜空が隅影の代わりに霞鴉との戦闘に敗北して同じ厚木市内にある八咫烏の拠点に連れていかれた事を見ていた狼谷は即座にfirstの構成員達の前に現れて近隣の県や街で活動していたfirstのメンバーに緊急招集をかけた。
集結地点であるボロボロの廃ビルを装ったアジトの五階では狼谷の招集に応じて駆け付けたfirstの戦闘員達が百人集まっている。
この人数で八咫烏の十二鴉の一人である狼谷が八咫烏のアジトへ誘導することで桜空を救出する事を目的としている。
>>417
氷華
「………貴方、名前は何と言うの?」
氷華は桜空から泣いていると言われて始めて、自分が涙を涙を流している事に気付き、コートの袖で自身の涙を拭い、自分の中にある感情や、躊躇いの理由について確信を得るため、桜空に名は問いかける。
【また後ほどプロフィール投稿します!キャラ追加します!】
紀「本当に世話のかかる人ですねぇ・・・・・」
(そう言うと「いっそのこと、このまま諦めて新しく誰かを長にした方がいいのでは?」と、とんでもないことを言う・・・・・
正直、基本的に義賊の多いファーストの中では、思想が本格的に悪人に近いのかもしれない・・・・・
言葉からは、仲間意識の低さが感じられる・・・・・)
>>417
桜空「名前だけ、おしえてやるよ・・・・・それ以外は黙秘する・・・・・」
(桜空はそう言うと
「桜の空と書いて、桜空だ・・・・・」
ただ一言、そう告げた・・・・・)
>>418
>>419(桜空)
氷華
「…………!!?
……気が変わった、一日だけ時間をあげる。
今日の一日を使って自分の身の振り方を考えるといいわ。
賢明な判断が出来るようになる事を祈っているわ。」
氷華は相手の名を聞いて確信した。
彼は……自分の弟の桜空であると……だが、彼は自分達から全てを奪った者と同じく、他者から搾取し、私欲を満たす"悪"に堕ちてしまったと言うことも同時に知ってしまった……
自分は彼を拷問にかける事は出来ない……
氷華は生成した氷のペンチを二つとも蒸発させると、桜空の近くから離れ、そのまま彼に自分の顔を見せないように背を向け、一日だけ考える時間を与えると言うと、振り返ること無くそのまま退室しようとする。
桜空「お楽しみは後で取っておくってか・・・・・本当にタチの悪い奴だな・・・・・」
(桜空は、氷華の心の内などわかるはずもなく、自分に時間を与えたのは、拷問という楽しみを後で取っておきたいからという解釈をする・・・・・
唯一、桜空が変わりすぎてしまったことがあるとするならば、このような歪んだ考え方をしてしまう、という点だろうか・・・・・)
>>420
氷華
「………毒鴉。
明日の尋問は貴方に任せるわ。」
毒鴉
「!!
ありがとうございます、金鵄。
必ずや期待に応えてみせます……!」
桜空の前から姿を消し、地下通路を歩く中、通路で待機していた毒鴉を見た氷華は桜空を相手にしての尋問を行えないと言う自らの苦悩や葛藤に対する一つの解決策として、彼に尋問を任せる事にする。
毒鴉は久々に獲物を痛ぶれるとわかった上に、相手は敵対組織firstのボスである事から上機嫌になり、大袈裟にお辞儀をして謝意を示すが、氷華は氷のような瞳をしたまま通路の奥へ去って行く……
【ー桜空(幼少期)の回想ー】
桜空「・・・・・」
(院長からの暴行を受け、一時的に呼吸が止まった後、桜空は薫に抱き抱えられ酸素マスクをつけた状態で、一日が過ぎた・・・・・
なんとか呼吸は再開したものの、未だ目覚めずに呼吸も弱々しい・・・・・
顔には赤紫色の痛々しい痣ができており、その悲惨さを物語っているが、途中で薫が急いでと目に入りこの状態の為、もう少し発見が遅れていた場合、もしかしたら命を落としていたかもしれない・・・・・)
悠矢「おいーっす氷華ちゃん!どうよ?獲物の状況は?」
(同じく、氷華の心の内など知るはずもない悠矢がお構い無しに話しかけてくる・・・・・
まさか、敵対する相手が最愛の弟だなんて・・・・・
そんな辛さを知ったとしても、恐らくは平気で話しかけてくるだろう・・・・・)
>>422
>>424
氷華
「………どうと言うこともない、何時もと何も変わらないわ。違うとすれば相手が組織のボスだから引き出せる情報も有益なものになりそうな事ぐらいかしら?
それよりも、手が空いたのね?
それなら、五日以内に岩手の二戸にある暴力団、西岡組の事務所を潰して東北の暴力団間の繋がりを調べて来てもらえるかしら?」
氷華は共にヒーローになろうと誓ったにも関わらず、桜空が約束を忘れて悪に堕ちていた事、改めて自分の中にあった人間としての情を知った事で更に心が削られた結果、もはや、緋染に対して邪険に扱う事すらしなくなり、何の感情も含めること無く、淡々とした口調で暴力団の事務所を潰し、組織の繋がりを調べて来て欲しいと指示を出す。
【氷の胸中】
氷華
「……もう、あの頃の桜空はいない。
桜空は約束を忘れてしまった……」
氷華
「昔の約束を覚えていたのは私だけ……このまま進んでも昔描いた理想は叶わない……けれど……私はもう止まることは出来ない……止まるにはあまりにも多くの命を奪い、あまりにも多くのものを失い過ぎた……」
氷華
「こんなに苦しく感じるのなら……心なんて必要ない。
私心を捨てた正義の執行者……いえ、地獄の閻魔になりましょう。」
氷華
「さようなら……夕渚、不知火、ノエル……桜空……」
悠矢「・・・・・はいよ、まぁ、あんま無理しないことだね」
(氷華の何かを悟ったのか、珍しく相手を気遣うような発言をする・・・・・
悠矢からすればこの程度の任務は御茶の子さいさいだ・・・・・
だが、どうも氷華の心情も気にはなるところ・・・・・)
>>425
>>427
氷華
「ええ、気遣い感謝するわ。」
氷華は微笑んでそう応える。
だが、葛藤の末に完全に心が死滅してしまった氷華の浮かべる笑みは、親しみを感じたから出たものではなく、単に顔が人間であった頃の氷華の名残として笑みを浮かべているだけであり、その笑顔からは何の感情も伝わって来ない……
指示を伝えた後、そのまま氷華は再び通路の奥に向かって歩き出し、緋染の前からも姿を消す……この時をもって、氷華は完全に人間である事に決別し、人の形を成した氷のような存在となる。
地獄が作り出されるまで残り6日
>>423(回想)
薫
「………Zzz……」
桜空の眠るベッドの傍に置かれた椅子には薫が座っており、両手を膝の上で重ね、壁に背中を預け、カーテンの隙間から射し込む日の光を浴びながら静かに眠っている。
>>417
「ほいほい、武闘派構成員中川隆次、ここに居ますよ〜と」
狼谷の召集に応じた内の一人、隆次が間の抜けた声で答える。
「事情はこっちでも粗方把握してるぜ、なんでもうちの大将が拐われたんだってな?」
両手を頭の後ろで組み、だらけた姿勢を崩さない。
「で、どうすんだ? 早速全員で救出に向かうか?」
その上で話の主軸は間違えないのがこの男だ。弛んだ佇まいながらも、その目だけは狩人の如く静かにギラついている。
「それとも、何か綿密な作戦でもあるのかい、狼谷の旦那?」
自分よりも高身長、筋肉質な男に対しても全く怖じ気づくことなく質問を投げ掛ける。
【それでは参加させて頂きます! よろしくお願いいたします】
>>419
>>430
狼谷
「お前らも何時もながら元気そうだな、こうして顔を見て話すのは始めてだがな……」
以前に会った時と変わらずに仲間意識の低い紀、おちゃらけた発言をしつつも狩人のように鋭い眼光を持った中川の二人を始め、捕まった桜空に呆れている者、八咫烏との全面戦争が出きると喜んでいる者、桜空の安否や組織の維持について抱く不安を怒号にしている者とそれぞれ異なる反応を見せている構成員達を見て、招集に応じたメンバーが全員揃った事を確認する。
狼谷
「この際だ、お前らにも俺の正体を教えておく……
俺は"八咫烏 十二鴉"であり、向こうでは"鴉狼"と呼ばれている。これは後述する作戦の時に俺を呼ぶ時にでも使え。」
様々な質問が飛び交う中、狼谷は必要最低限の情報のみを返す。
これまでfirstの幹部として活動してきた狼谷だが、自分の正体が八咫烏の主力メンバーである十二鴉の一人である事を公表する。
これはスパイとして活動していた事を公開し、今まで狼谷がfirstを騙していたに等しい行動であり、狼谷もまた、桜空以外にこれを伝えた事はなく、firstのメンバーの誰も知らない事でもある……
狼谷
「お前らに集まってもらった理由は話さなくてもわかっているだろうから飛ばして作戦の大筋を話すが、先ず幾つかのチームに別れ、それぞれリーダーが捕まっていると思われる拠点へ潜入する者と攻撃する者に分かれてもらう。」
狼谷は飛び交う怒声を意に介さずに、桜空を救出するために百人いる戦闘員達を幾つかのチームに分け、そこから八咫烏の拠点に潜入するチームと攻撃を行うメンバーに分けると言う。
悠矢「・・・・・さぁて、ちょっくら潰しに行きますか」
(首をコキコキと鳴らしながら、肩をぐりんぐりんと慣らすと、そのまま目的地へと向かう・・・・・
さすがに悠矢も、この時はまだ氷華が以前と変わりすぎてしまったことに気づいていなく、まだ前の方が人間らしさがあったと知ることになるのは、これからだった・・・・・)
_________
桜空(幼少期)「・・・・・うっ・・・・・ぅ・・・・・」
(意識が戻ると、ぼんやりとだが部屋の天井が見え始める・・・・・
そういえば、自分は何をしていたのだろうか、記憶が朧気でちゃんと思い出せない・・・・・
わかるのは、体のあちこちが痛み、酸素マスクをつけていても息がまだ苦しいほどだということである・・・・・)
>>429
紀「これだけの人数を集めておきながら、やることがたった一人の、さほど役にも立たないリーダーの救出ですか・・・・・この組織はまた随分と時間に余裕のある方々の集まりのようですね?」
(たった一人の人間を救うためだけにこれだけの人数を招集する必要があったのかと異議を唱えながら、他のメンバーを見るとよほど時間のある人間の集まりで出来た組織なのだろうと、他のメンバーを見下すような発言をし始める・・・・・
そして「これだけ集めたら、どれほどのメンバーを無駄死にさせるかわかったものではないですねぇ・・・・・」と吐く
紀自身、狼谷が八咫烏をスパイしているメンバーだったことについては意外でもなかったのか、特に言及はしない)
>>430、431
>>432(回想)
薫
「…………………Zzz」
桜空が目を覚ましてもまだ薫は眠っている。
薫は桜空と少年が意識を失ってから徹夜で介護しており、眠る時間さえまともに取ることが出来なかったと言うこともあり、ずっと二人が目覚めるのを待っていたのだが、肉体が限界を迎えてしまった事もあり居眠りしてしまっている。
>>432(紀)
狼谷
「そうか、じゃあお前はもう帰ってもいいぞ。
これからやる作戦は生半可な気持ちで挑んだところで足並みが乱れるだけだ。そんな状態では八咫烏(アイツら)に勝つことが出来ないどころか、足を引っ張るだけだ。」
明らかに場の空気を乱し、士気を下げる言葉を言う紀の発言を聞いて、バッサリと相手に今回の作戦から離脱しても構わないと言い切る。個々の戦力についてよりも、連携を重視しなければ少数精鋭を誇る八咫烏には勝つことが出来ないと言うことを知っているからこそ、紀のように足並みが乱れる可能性のある者には外れてもらうように考えている。
>>431
中川「八咫烏 十二鴉の鴉狼、ね。OK了解した」
本来は重大なカミングアウトなのだが、Firstに入って数ヶ月程度の立場からしてみれば、然程大きなインパクトはない。
「ほうほう、潜入チームと攻撃チーム、か」
狼谷が提案したのは、二手に別れての作戦。
「まあ俺は言わずもがな……」
攻撃チームだろう。なにせ武闘派構成員という立場なのだ。ここで潜入チームになる理由もあるまい。
「……ところでお前ら、ここが廃ビルに偽装したとこだってわかってるか? ビッグニュースなのはわかるけどよ、近隣住民に怪しまれたりしたら面倒だぜ?」
未だ大声でざわつく構成員達を窘める。
いくらここが五階層とはいえ、百人近くで大騒ぎなんてすれば否が応でも目立ってしまう。ここらの地理に詳しくないのでどこに住民がいるのかわからないが、やはり波風を立てないに越したことはない。
>>434
狼谷
「ああ、理解が早くて助かる。
音についてなら心配しなくてもいい、音消しの異能力者も、気配を隠す異能力者もいる。なんなら、アジトを爆発しても隣の民家の誰も気付かないだろうな。」
建物そのものは特殊な機能を持っていないが、この建物にいる非戦闘員の中には音を消したり、大人数の人間の気配を消す異能を持った者もいるだ、どれだけ騒いでも音が漏れたり、近隣住民にバレる事はないと応える。
音を消して密かに作戦を立てられるようになっていたり、百人もの戦闘員がビルの一室に集まれる程、部屋の広さを変えることか出きる者がいると言うように、今回の作戦に惜しくも力が無くて参加出来なかったfirstの構成員も多数集まっており、彼らが今回の作戦のバックアップを担当してくれる。
中川の発言から判明した作戦を練るために用意された隠密性の高さを知った戦闘員達は次第に罵声や怒声をぶつけるのをやめ始める……自分達が文句を言うよりも、裏切者とはいえ、唯一八咫烏の情報を持ち、十二鴉と言う八咫烏内でも主力に数えられている狼谷の指示を素直に聞いている方が作戦の成功が高まると思ったからだ。
狼谷
「それと、これは潜入チームだけなんだが、潜入チームは10の班に分けて5人前後で行動する。あまり大人数で向かって怪しまれでもしたら本末転倒だからな、それに……もし拠点内に"三羽鴉"の誰かがいて見付かった場合……全滅は免れないだろうからな……」
狼谷は中川を含めた攻撃チームはそのまま50人がかりで攻撃を行うが、潜入チームは10に分かれて潜入するようにと指示を出す。
攻撃チームに含まれる中川には無関係な潜入チームの内容であるかと思いきや、三羽鴉クラスの者がこの先に拠点に潜んでいて、救出作戦について知ってしまった場合、例えこの場の100人全員で挑んだとしても自分達に勝機が無い事を伝えている。
八咫烏に20年以上属していた狼谷の言葉である事からその信憑性は高い。
狼谷
「チームの配属先については後で俺が伝える。
作戦結構は明日の夜からだ。他に質問のある奴はいるか?
居ないのなら、今日はこれで解散だ。」
桜空(幼少期)「・・・・・」
(先生はまだ寝ているということに気づくと、先生、ずっと傍にいてくれたんだ、と安心する・・・・・
が、その安心と同時にじわじわとあの恐ろしい記憶が蘇る・・・・・
突然現れたと思ったら、いきなり暴力を振るってきたあの男の記憶が・・・・・)
紀「馬鹿を言わないでいただきたい、貴重な時間を割いてまでここまで来ておいて、何もせずに帰るのは私も不本意ですからね、リーダーの救出などという下らないことは正直どうでもいいですが、敵側の5人や6人は抹殺しないと、私のプライドが許しません」
(正直、桜空の救出はどうでもいいとして、貴重な時間を割いてまでここまで来ておきながら何もせずに帰るというのは、自身のプライドが絶対に許さず、敵側を数人抹殺しなければ気が済まないと告げる・・・・・
ファーストの中でもかなり本格的に悪人よりの悪人である)
>>433
>>436(回想)
薫
「………はッ!
え、あ、よかった……起きたんだね……?」
眠っていたものの、ガクンと頭が下がった事で目を覚まし、寝ぼけ眼ながら桜空も目覚めていたのを見て、心から安堵したのか、嬉しそうに微笑みながら言う。
>>436(紀)
狼谷
「ふん、素直じゃないんだな……
まあ、本当に心配じゃないのなら招集に応じはしないからな……」
狼谷の目には紀は強がっているように見える。
本当に桜空の事が気掛かりで無いのならばそもそもこの招集に応じず、各々の望むことをやっている……にも関わらず、わざわざ自分の時間を削ってまでこの場に駆け付け、救出作戦に参加し、今此所で参加しなくてもいいと言っても尚、食い下がること無くない作戦に参加したいと言う事から熱意を感じている。
彼女の言葉から恩を売るために参加した訳でもない、恩を売るためならそもそも先程のような言葉も口にせず、静かに野心を秘めていただろう。悪人と言うよりも、俗に言うツンデレ気質が感じられる。
狼谷
「作戦の大筋についてはさっき言った通りだ。
把握したのなら解散してもいいぞ。」
既に部屋からは戦闘員達が退室し始めており、先程、作戦の大筋については話したため、それがわかったのなら解散しても構わないと言い、狼谷自身も風を身に纏い始め、明日の作戦開始のための下準備を行うためにこの場から立ち去ろうとしている。
桜空(幼少期)「・・・・・せ、せんせぇ・・・・・」
(いきなり暴行を受けた恐怖を思い出してしまった直後に、相手の微笑みを見ると安心感からか、じんわりと涙を浮かべる・・・・・
正直、わけもわからないまま殴られたことが夢であってもらいたいが、全身に未だ走るその痛みが、現実であるということを証明している・・・・・)
紀「解散前に一つ・・・・・」
(そう言うと「あなた、どうしてあの男にそこまで熱心になれるのです?年齢的にも人生経験的にもまだ未熟者なリーダーの肩書きだけ持つガキなんて、見逃しておいた方が楽だというのに・・・・・」と、まだ子供な桜空一人捕らわれたところで見逃しておけば面倒事に巻き込まれずに済むのにそこまでするのは何故なのかを問いかける)
>>437
>>438(回想)
薫
「どうしたの?痛いところがあるのなら教えて……?」
神宮に振るわれた暴力の記憶や、体の痛みから薫の笑みを見て安心して涙を流した桜空を優しく抱き締めると、優しく何処か痛いところがあったら教えて欲しいと言って彼が安らげるようにしようとする。
>>438(回想)
狼谷
「ん?いきなりどうしたんだ?
お前は他人の意見や考えを気にするような性格だったか?」
狼谷は突然自分がどうして桜空のために動けるのかと言うことを聞かれると、思わず動きが固まり、少し困惑する……何故なら紀は自分の欲求や欲望、利益の事しか考えず、プライドと悪意に基づいて動いている思っていたからであり、こうして何の得にもならない自分の桜空への考えや想いについて疑問を持ち、その事を聞いてくるとは考えてもいなかった。
狼谷
「だが、お前が自分だけじゃなくて他人に興味を持つのは素直に嬉しい事だ。そうだな……アイツには俺には無いものがあるから……かな?」
狼谷は少し恥ずかしそうに笑いながら、自分が桜空のために危険を冒してまで八咫烏からの情報を流したり、今もこうして救出作戦を立案したのも、桜空には自分には無いモノを持っているからだと応える。
桜空(幼少期)「・・・・・いっぱい、痛い・・・・・」
(体中が痛く、もはや的確にどこが痛いかと限定して言えず、体のあちこちが痛いことを告げる・・・・・
が、ちゃんと喋れていることから、奇跡的に内蔵の損傷はなかったと見ていいようである・・・・・)
>>439
紀「気にしてはいけない、とでも?」
(そう言い相手の言葉を聞けば「どこまでも馬鹿ですね、自分が持っていないものを持ってるからといって助けたところで自分に何の利益もない、考え方が矛盾していますね」と一蹴する・・・・・
どうせ助けたところで何かを得るわけでもない、どうせなら利益のある行動をしたらどうだと述べ)
>>439
>>440(回想)
薫
「あはは、だよね?
直ぐに治してあげるから、今はしっかりお休み……?」
優しく抱き締めていた彼から離れ、身体中が痛いと思われる彼をベッドに再び寝かせると、ただ寝ているだけでは退屈だろうと思い、一つ自分の持ち芸を見せてあげようと考え付く。
薫
「そうだ、貴方に面白いものを見せてあげる。」
《パキンッ》
薫は傷口や発熱箇所を冷やすために置かれた氷の入った箱の中から5cm程の大きさの氷を一粒だけ取り出すと、それを両手で包み、開く。
すると、薫の手の上に小さな鳩の氷象が出来上がる。
回想の中にあるその鳩の氷象は氷華の作り上げるものに比べれば歪で、ずっと小さく、元から氷塊が無ければ作り出せないと言う完全な氷華の下位互換ではあるものの、氷華が作り出す拷問器具や氷塊とは比較にならないほど、人としての優しさや暖かさが感じられるものとなっている……
>>440(紀)
狼谷
「はっはっはっ!!
そう馬鹿にするものでも無いさ、自分には無いモノを持っている、自分では出来ないことをやってくれる……だから力を貸す、だから助け出す。それだけの事だ。」
今まさに矛盾した言動を取っていた相手の口から"矛盾した考え"や"何の利益もない"と言う言葉が出てくるとは思わず、楽しそうに笑いながら、桜空は自分には無いモノを持ち、出来ないことをしてくれると信じているからこそ、力を貸しているのだと続ける。
狼谷
「ま、人生の先輩からの小うるさい小言だと思ってくれてもいい、今はわからなくてもいい、いずれお前もわかる時が来る筈だからな……それじゃあ、明日の作戦の正午にまた会おう。」
若い内は自分やその周辺の事しか見えない。
かくいう自分も30になるまでは遮二無二自分の中にある正義と八咫烏の掲げる正義の間で葛藤しながらも自分を中心に活動し、多くの悪を葬って来た。立場は違えど、自分もまた紀と同じように暴れ回るためだけにこの異能を使い、十二鴉の地位にまで登り詰めて来た。
だが、そんな自分も歳を取り、相応の肩書きと立場に着いた事で考え方が落ち着き、周りが見えてくるようになると、周囲からの自分への考えや、これまで歩んできた自分の人生が何だったのかを考えることが出きるようになり、自分が持ち得ぬモノを持った桜空に期待を抱くようになった。
性別は違えど、紀は過去の自分を見ているようであり、狼谷はいずれこの考えもわかる日が来るとだけ言うと、広間の隅にある窓を開け、そのまま風に乗って何処かへ去って行く……
【狼谷の独白】
狼谷
「フッ……そうだよな、幾ら協力したところで俺には何のメリットも無い。成功すれば八咫烏は壊滅するし、失敗すれば俺は消される。」
救出作戦開始前の事前集会が終わり、明日の救出作戦開始のための下準備をするために桜空が捕まっている八咫烏の拠点である、周囲を塀に囲まれた工場を見ながら、先程までの自分の発言を振り返り、思わず笑ってしまう。
狼谷
「笑っちまうよな?
束縛を嫌う風来坊、一匹狼の鴉狼と言われたこの俺が……よりにもよって年端も行かない若造に命を預けているなんてな……」
十二鴉の中でも最強クラスの実力を持ち、20年以上も過酷な戦場で幾つもの死線を潜り抜けて来たこの自分が……自分の半分も生きていない桜空に自分の命を預けているなど、端から見れば滑稽な話だ。
だが……これについての後悔は無い。
自分の選んだ道であり、他人に強制されたり、命令されてやっている事じゃない……全ては自分が勝手に決めた事だ。笑い話だろうが、滑稽だろうが、矛盾していようが関係無い。
俺は俺の信じた道を、俺が選んだ道を突き進むだけだ。
狼谷
「だが……俺は信じているぜ、桜空。
お前なら……この窮屈な世界に"新しい風"を吹き込めるって事をな……!!」
狼谷は桜空が捕らわれている八咫烏の工場に向けて右拳を突き出し、自分には出来なかったこの世界に"新しい風"をもたらす事を期待していると呟く。
桜空(幼少期)「わああぁぁ・・・・・きれい・・・・・」
(歪でも、小さくても、桜空にとってはおとぎ話に出てくる宝物などよりも、綺麗に見えた・・・・・
さっきまで体中の痛みと恐怖に怯えていた表情が、嘘だったかのように輝き始める・・・・・
子供というのは実に単純な生き物だ、今の桜空のように、ちょっとした出来事がきっかけで恐怖がすぐに晴れてしまうこともある・・・・・
だが、それは純粋な証拠でもある・・・・・)
>>441
紀「わけのわからない人ですね・・・・・」
(やはり紀には、狼谷の言っていることがわからない・・・・・
自分の命に関わるならばまだしも、危険を冒してまで救い出す必要があるとはとても思えない、自分には持っていないものを持っているなら自分も手に入れればいい、できないことをしてくれるのならば自分もできるようになればいい・・・・・
単純ではあるが、紀はそういう考え方の持ち主だった・・・・・)
>>442
>>444
薫
「ふふふ、よかった……
辛くて苦しくても生きてさえいれば必ず良いことが起こる。
それを忘れないでね……?」
桜空が喜んでくれているのを見て、彼の近くに小皿を置いてその上に氷像を乗せ、彼の今を置かれている環境に対する自分からの思いや、理不尽な暴力に晒されても生きる事を諦めなければ必ず良い事が出来ると言う。
桜空(幼少期)「・・・・・お姉ちゃんとも、会える・・・・・?」
(生きてさえいればいいことがあるという相手の言葉を聞けば、家族が襲撃を受けた際にそのまま生き別れになった姉とも再会することができるかどうかを尋ねる・・・・・
が、現実は残酷だ、生きていたとしても会えるかどうかわからないし、生きているかどうかさえわからない・・・・・)
>>445
>>446
薫
「ええ、もちろん。
だからどれだけ今が辛くても耐えるの……」
薫は優しく微笑みながら応えるが、彼の姉がどうなってしまったのかは自分にはわからない……だが、生きる事を諦めない限り、どのような結果であれ、必ず知ることが出来る。だからこそ、神宮のような卑劣漢に踏みにじられようと、生き続けるように言う。
【8年後】
それから八年の年月が経過し、13歳と言う若さでfirstのボスとなった桜空がいる人里はなれた山荘を用いたアジトに突如として十二鴉の狼谷(当時はfirstと敵対していた)が現れ、吹き荒れる暴風を纏い、天井を蹴破って桜空達の前に現れる……
鴉狼
「下らねぇ小悪党共もこれで終わりだ。誰も逃がさねぇし、誰も生かしておくつもりもない。」
狼谷は剣を手に挑みかかるfirstの構成員の三人がかりの集中攻撃を、紙一重で全て避けきり、すれ違い際に彼らの体を両手に纏った風で切り裂き、至近距離で放たれた機関銃の銃弾も、全て見もせずに避けると、反撃として風の刃を放ち仕留める。
瞬く間に四人もの武装した戦闘員を掠り傷の一つも付かずに一方的に殺害し、剣撃も銃弾も避けると言うように、人並み外れた戦闘力と回避力を見せる……通常の者であれば、圧倒的な実力を持った狼谷(当時は鴉狼)に恐怖し、戦うことすら放棄しようとするだろう……
>>435
中川「ありゃ、そうだったのか。こりゃ失敬」
狼谷の用意周到さを知り、素直に感心する。
ここまで完璧に対策していたとは、どうやら完全に杞憂だったようだ。
「攻撃チームに関しては特に詳細な指示はなし、か。助かる。あんまりチマチマした方針は好きじゃない」
実のところはチマチマした作戦でも難なくこなせるが、やはりどちらかといえば気兼ねなく暴れられる方がありがたい。
「了解、明日の夜だな。そんじゃ俺もお暇しますかね」
そう言い残し、小さく伸びをしながらその場を後にした。
桜空(幼少期)「ありがとう、先生・・・・・」
(時折見せる、大人びた雰囲気を纏った悲しみが詰まった表情・・・・・
純粋に子供らしい一面がある一方で、忘れられない、忘れてはいけない悲しき過去を背負うことになった人間の面を併せ持つ桜空は、この時点で強い人間になりつつあったのかもしれない・・・・・)
【8年後、山荘のアジトにて…___】
桜空「・・・・・参ったな、あまり死人が出たら困るんだがな・・・・・」
(そう言うと、椅子から立ち上がり「何が望みだ・・・・・?どうしてここがわかった・・・・・?」と、相手に言葉を返す・・・・・
こんな人里離れた山奥の山荘を、存在は知っていても確実に犯罪者が隠れ家にしていると判断できるのは事前に何らかの情報を得ている人間に限られる・・・・・
ましてや、いきなり突撃してくるとなると確実だろう・・・・・)
>>447
>>449
鴉狼
「八咫烏の俺がここに来たって事が何を意味しているかぐらいわかるだろ?……悪人退治に決まってんだ……ろ!!」
《ゴオッ》
古来より日本を影から支えて来た秘密結社である八咫烏の情報網は途方もなく広い。その天に張り巡らされたような緻密な情報網を活かして現れた鴉狼は右腕を桜空に向けて振るうと、鴉狼が右手に纏わせていた風が鱧ののような切れ味を持った風の刃となって桜空に向かって放たれる。
話し合うつもりは無く、十二鴉として始めから桜空を消し去るために現れた……仲間をあっさりと倒され、銃弾や剣撃を避けたところを敢えて見せたにも関わらず、一切動揺していない胆力には少し感心したものの、それは単に見た目通りに戦闘経験に乏しいからか、それとも底抜けに能天気なだけなのかはまだわからない。
スゥッ・・・・・
桜空「悪いが、俺はここでくたばるわけにはいかねぇんだよ」
ゴォッ・・・・・!
(桜空は相手の背後に突如として現れると、そのまま蹴りをお見舞いしようとする・・・・・
相手が本気なら、こちらも命は奪わないように本気を出すしかない・・・・・
桜空の攻撃方法は基本物理攻撃、と言っても、年齢に相応しく大の大人に適うような威力は誇ってもいなければ、能力も空間移動という、逃げに徹したような能力であるため、桜空は最初から勝てないのをわかって本気を出して戦うことに決めた・・・・・)
>>450
>>451
鴉狼
「!!!」
桜空に向けて放たれた風の刃が彼の居た場所を切り裂き、そのまま前方の壁をも切り裂き破壊するものの、攻撃が当たる寸前で桜空の姿が消えた事に驚き、周囲を見渡してその姿を探していた隙を突くように繰り出された桜空の蹴りが鴉狼の背に直撃し、鴉狼が大きくよろける。
鴉狼
「そうか……お前の異能は瞬間移動系か……!!」
《ゴオッ》
よろめいて体勢が崩れたものの、即座に背後に移動した桜空を見て、相手の異能が移動系のものである事がわかると、強く睨み付け、再び桜空に向けて無数の風の刃を放ち、今度こそ桜空を切り裂こうとする。
空気抵抗を活かした自動回避が反応しなかった事から超スピードでの移動や、高速での攻撃では無く、桜空から受けた蹴りも軽かった事からあまりダメージにはなっていないものの、まさか逃げるどころか自分に向かって来るとは思わず、桜空の勇気に気付き始めている。
桜空「瞬間移動・・・・・とまではいかないがな・・・・・」
ゴッ・・・・・!
(遠くへの移動ではなく数メートル範囲であればすぐに移動のゲートを出現させることが出来るのか、今度は相手の顔の前まで移動し顎を殴りつける・・・・・
桜空は戦闘能力こそ低けれど、その分能力で工夫して戦うタイプである・・・・・)
>>452
>>453
鴉狼
「……ッ!
ハッハッハッ!餓鬼にしては、なかなかに肝の座った奴じゃねぇか……!」
桜空に向けて放った風の刃を先程と同様に回避されると、相手が移動系の能力者である事が確定し、目の前に移動してきた相手の拳が鴉狼の顔に直撃するが、その際に相手の腕を右手で掴み、桜空が移動した際に一緒に転移出来るようにし、
瞬間移動系の宿命と言うべきか、衣服を身に付けたまま移動する事が可能であることから相手が移動する際に直接触れているモノも一緒に転移されると言うことを早くも鴉狼は把握し、それに応じた戦闘スタイルにしている。
鴉狼
「なら………コイツはどうだ……!!」
《ゴオォォォォォォォォォ》
鴉狼は右手で桜空の左腕を掴みながら、左手に風を集束させ、それを桜空に向けて突き出すことで局所的に暴風を巻き起こし、風圧の塊を桜空の腹部に叩き付けようとする。
鴉狼がこれまで見てきた悪党達の中で銃や剣が通じない自分に対して怯えない者は存在せず、それどころか素手で自分に挑みかかって来た桜空の事を素直に称賛している……だからこそ、子供であるからと手加減などせず、本気で潰そうと考えている。
桜空「この能力は、こういうことも出来るんだよ・・・・・」
グォッ・・・・・!
(自身の腹部辺りに瞬時に移動ゲートを出現させると、次の瞬間鴉狼の数メートル背後に移動先に繋がるゲートが出現する・・・・・
風圧そのものには実体こそ無けれど、向かう先はゲートである為そのまま風圧はゲートを通って移動する・・・・・
そして、移動先のゲートが鴉狼の数メートル背後に出現しているということは、自動的にそのまま風圧は鴉狼の背後へと空間を移動して迫り来る、という仕組みになっている・・・・・
物理的な攻撃で対応出来ない桜空だからこそ磨き上げた頭脳戦術ともいえる・・・・・)
>>454
>>455
鴉狼
「……!」
鴉狼は桜空が攻撃先の腹部の空間を歪曲させたのを見て、突き出した腕を引っ込める事で風圧によるダメージを軽減し、背後から自分の放った風圧からの被害を最小限に抑えると、
鴉狼
「なるほど、お前の異能は"空間操作"か。
いいぜ……それなら漢らしくステゴロで決着を付けてやるよ……!」
《コオッ》
鴉狼は桜空の左手を掴んで空間移動を牽制したまま、大人の腕力を活かして桜空の体を床に叩き付けようとする。異能同士の相性では桜空の不意を突くために桜空の周囲の酸素を消すなり、大気圧によって桜空を押し潰そうとも考えたが、相手は素手による近接戦闘を挑んできた。
相手が拳で向かって来ると言うのなら、此方も拳で応える。漢同士の戦いに異能による小細工は必要ない。
桜空「がっ・・・・・!?」
ドゴッ・・・・・!
(大の大人の力に、12、3歳の子供が全力で戦ったとしてもたかが知れている・・・・・
桜空は思いっきり背中と後頭部が床に直撃したことで、軽い脳震盪を起こす・・・・・
が、負けじと桜空も相手の頬をグーで殴る・・・・・
脳震盪を起こしながらも即座に相手への反撃を繰り出す辺り、生への執着心が強いのだろう・・・・・)
>>456
>>457
鴉狼
「……なあ、お前は何を目的に戦っている?」
《ヒュオッ》
大人と子供……それも中距離から遠距離での戦闘を得意としているため、鴉狼自身は近接戦闘の経験がそう多くはないものの、それでも純粋な筋力や体格差から来る戦闘力の差が大きく、鴉狼は桜空の繰り出した拳が直撃してもそう大きなダメージを受けていない……
明らかな力の差がありながら……その気になれば自分だけは空間移動で直ぐにでも逃げ出せるにも関わらず、それをせずに素手で挑みかかって来る桜空を見て、単純な私欲や野心では無い別の理想や目的を持っているのではないかと思い、何のために戦っているのかと問いかける。
問いかけの最中でも攻撃の手は緩めておらず、桜空の一撃を受けてからも、反撃として桜空の腹部に向けて拳を振り下ろし、打撃を加えようとする。
桜空「っぅぐ・・・・・っ・・・・・!」
(桜空は拳を腹部へもろに受けると、あまりの激痛に両手で腹部を押さえる・・・・・
そして、激痛に耐えながらも「そんなもん・・・・・生きる為に決まってんだろ・・・・・」と、単純な答えを相手に返す・・・・・
立場上、命を狙われることが多いからか、生きる為には戦わなければならない、それが桜空の運命なのだ・・・・・)
>>458
>>459
鴉狼
「そうか?自分が生きるためなら……とっとと仲間なんか見捨てて逃げればいい。それをせずに俺に挑むって事は矛盾しているんじゃないのか?」
鴉狼の強烈な打撃が桜空の腹部に直撃する……
相手が子供である事から鴉狼は幾分か加減しているとは言え、大人の腕力は凄まじく、桜空と同年代の子供であれば泣き叫んでのたうち回る程だ。
にも関わらずにそれに耐えて、生きるために戦っていると言う桜空の言葉の矛盾点を突くように鴉狼は指摘しながら、再び拳を大きく振り上げる。
桜空「そんな卑怯なことできるかよ・・・・・」
ボゴッ・・・・・!
桜空「がっ・・・・・!」
(桜空はそんな卑怯な真似はできないと告げると、再び鴉狼の一撃を受ける・・・・・
体にダメージが蓄積されていくにつれ、能力を使おうにも体に上手く力が入らずに、意識が朦朧とし始める・・・・・)
>>460
>>461
鴉狼
「!!
……卑怯……か。なら……お前にとつて仲間とは何だ?
使い捨ての駒か?利用しやすい奴らか?それとも洗脳した狂信者か?」
鴉狼は拳を振り上げたまま、動きを止めて桜空にとって仲間とは何なのか、仲間を見捨てて己の保身に回ることを卑怯と言う彼の言葉の真意が何なのかについて知ろうと、問いかける。
桜空「何言ってやがんだ・・・・・仲間は・・・・・仲間・・・・・だ・・・・・ろ・・・・・」
(そう言うと、桜空の意識はゆっくりと落ちてゆく・・・・・
正直、ここまで力の差がある相手と戦って、よく善戦した方であろう・・・・・
だが、能力も純粋な戦闘能力も、相手に遠く及ばずだった・・・・・)
>>462
【過ぎ去りし過去】
薫
「自分一人で笑うよりも、皆と一緒に笑った方が楽しいでしょ?
だから私は皆が笑って暮らせるような平和な場所にしたいと思っているんだ。」
神宮による虐待や暴力が横行する過酷な少年院の中であっても薫は変わらずに微笑み、優しく、穏やかに少年達と接し、時には薫に攻撃を仕掛ける非行少年もいて、ボロボロに傷付きながらも一人一人と向き合っていた……
ある少年が「どうして皆と仲良くなろうとする?」と問いかけた事に対する答えとして話したのが上記の言葉だ。どれだけ問題を抱えている生徒に対しても一切の偏見も差別もせず、神宮の言いなりにもならず、救いの手を伸ばし続けていた。
そんな過去の思い出が鴉狼の言葉によって蘇って来る。
>>463
鴉狼
「………ハッハッハッ!
面白い奴だ、嘘を付いて騙そうとしている訳じゃないって事は目を見れば判る。お前なら……八咫烏をも変えられるかもしれないな。」
鴉狼は振り上げた拳を桜空にぶつける事無く、ゆっくりと静かに下ろすと、桜空から少し離れ、相手の他の悪人と違うものを感じ取った鴉狼は、桜空なら八咫烏をも変える事が出来るかもしれないと呟く。
もはや此処に来たばかりの頃のように吹き荒れる嵐のような雰囲気も風も消えており、交戦の意思は見えない。
桜空《・・・・・せんせぇ・・・・・俺・・・・・平和にできるかな・・・・・》
(意識が落ちてゆく中、桜空の脳裏に先生の過去の言葉が、桜空の未来への目標として蘇る・・・・・
誰かに言うことはない、だが、桜空の目標はこの時ある程度決まった・・・・・
平和な世界だ、悪人にはちゃんと救いの手が差し伸べられるような、そんな叶うはずもない理想郷・・・・・)
>>464
桜空「・・・・・」
(桜空の意識はもう既になく、桜空からも交戦の意思は消えていた・・・・・
まだ子供ながらにして、ここまで戦い、そして自分の意思を攻撃を受けながらもしっかりと伝えたという点で、何としてでも生き延びたい、仲間を守りたかったというのは伝わっただろう)
>>465
>>466
鴉狼
「面白い奴だな。コイツは将来大物になりそうだ……
……コイツになら賭けてもいいかもな……」
桜空の中にはまだ葛藤があるものの、それでも彼の勇気と度胸を認めた鴉狼は彼に協力をする事を決めた。
鴉狼はこれまで従ってきた八咫烏としての使命や支配と決別するため、桜空に世界の変革を託す事を決めると、鴉狼が襲撃した事で散らばった紙とペンを拾い上げ、『一週間後の午後四時にこの場所に一人でいてくれ。そこでお前に話がある』と書き上げると、それを意識を失った桜空の胸ポケットの中に忍ばせると、破壊した屋根の穴から風に乗って何処へともなく去って行く……
そして、この時をきっかけに不定期に鴉狼(狼谷)が桜空の元に訪れ、八咫烏の情報を教えることで八咫烏の動きをいち早く察知して待避する事が出来るようになっていた。
そして……今に至る。
【現在】
桜空《・・・・・あいつのパンチ、結構痛かったっけかな・・・・・》
(囚われの身となった桜空は、過去に狼谷と出会った頃の出来事を、腹に受けたパンチが痛かったなと、そんなことを思いながら過ごしていた・・・・・
明日の今頃は、もう自分はこの世にいないかもしれないし、その可能性は極めて高い・・・・・
過去のことを思い出すのは、走馬灯のようなものだろうか・・・・・)
>>first
救出部隊ALL
【翌日/first救出前哨基地】
狼谷
「準備は出来たか?
先に潜入部隊を潜り込ませておいたが連絡が取れなくなった……基地内には十二鴉、或いは三羽鴉がいると思われる……総攻撃を開始する前にお前達の意見を聞ききたい。」
あれから時間が経ち、翌日の午後になり、攻撃部隊による総攻撃を行おうと言う矢先、先に桜空の居場所を探って安否の確認や安全の確保をするために潜り込ませていた潜入部隊50人10チームの全員と連絡が取れなくなった事から、このまま桜空の居場所が判らないまま攻撃を仕掛けるべきか、それのも追加で有志の潜入部隊を送り込ませるか、どうしたいかを攻撃部隊全員に問いかける。
勿論、潜入部隊も猛者揃いであり、全員に八咫烏の偽装IDや制服を支給しており、ほぼ完璧に近い変装をさせていたのだが、それでも正体がバレた可能性が高いことから何らかの方法で見破られたか、分析に長けた異能力者の存在が考えられる。
攻撃にせよ、潜入にせよ一筋縄には行かないと思われる……
>>468
【翌日/八咫烏 桜空拘束拠点】
毒鴉
「ククク……よぉ、待たせたなぁ?」
地下室には返り血を浴びたオールバックの黒髪黒服の男……毒鴉が右手に骨を連想させる刀を手にしており、舌なめずりをしながら桜空が捕まっている地下室に現れる。
毒鴉の返り血は、桜空を救出する際に潜入した者達のものであり、その返り血の多さから少なくとも十人の構成員達が惨殺されてしまっていると考えられる……
紀「これ以上、無意味に人材を失うよりも、使える人間だけで潜入して、あとは帰らせるべきですね、全員で言ったところでみすみす過半数は自殺しに行くようなものです」
(そう言うと「残るなら残る、去るなら去る、自分の力に自信がない人間は今すぐこの場から立ち去りなさい、いても迷惑です」と、他のメンバー達へ向けて容赦なく力に自信がない者、または力のない者はすぐに帰るように言う・・・・・
言い方は悪いかもしれないが、彼女なりの優しさなのかもしれない・・・・・)
>>470
【間違えました💦 紀のは469宛てです💦】
桜空「・・・・・やっとおでましか・・・・・ずいぶん待たせるじゃねぇか・・・・・」
(桜空は冷や汗を流しながら、相手を睨みながらニヤッと笑う・・・・・
人間、もうどうしようもなくなった時は笑うしかないと言うが、今の桜空がまさにそれであり、いよいよ拷問を受ける瞬間が来てしまった以上、こうして睨むことしかできない・・・・・)
>>470
>>桜空
毒鴉
「それじゃ……楽しい楽しい拷問の始まりだッ!!」
《ヒュッ》
毒鴉は両手を椅子の後ろで結束バンドで止められ、両足も椅子の脚にてバンドで固定されているため、体を揺するぐらいの事しか出来ず、まともに反撃が出来ない状態の桜空に向けて毒鴉は無慈悲に毒刀を勢いよく振り下ろし、桜空の右肩を切り裂こうとする。
>>469
中川「ん〜俺としては、残ったメンバーで総攻撃を仕掛けたいところだなぁ」
狼谷の問いに、自らの顎髭をさすりながら答える。
別に考えなしの返答ではない。なにせ50人もの潜入部隊が一度で壊滅したのだ。迅速に少数精鋭で動き、幹部格を潰す必要がある。
或いは、以前紀が言った通り現リーダーを切り捨て組織の立て直しを図るのも手だ。
(……けど、そうもいかねぇか)
鼻で小さく嘆息。
合理性を突き詰め、他人を切り捨てる。それこそFirstの方針に反するではないか。
ならば取るべき道は一つ。
「『お宝』を、奪い返しに行こうぜ?」
にっと笑いながら、能力で作り出した何十カラットもの金剛石(ダイヤモンド)を掲げる。
八咫烏が桜空から情報を引き出せないと判断すれば、彼は殺処分されるだろう。時間は限られている。
それこそ、我が能力のように。
桜空「・・・っ・・・!!!ぐあああああぁあああああああああぁぁぁぁぁっ!!!!!」
(桜空は、右肩に走る激痛に獣の雄叫びのような悲鳴を上げる・・・・・
今まで生きてきた中で経験する痛みの中でも、一、二を争うほどの言葉では表し難い地獄にも等しい苦痛・・・・・
叫び声が上げられるだけまだマシなのかもしれない・・・・・)
>>473
紀「あのリーダーの肩書きだけの人間にお宝と言えるほどの価値があるかどうかはわかりませんがねぇ・・・・・」
(中川の言葉に対して、桜空にお宝と比喩表現でも言えるほどの価値があるとは思えないとは言うものの、今の紀は明確なことを伝えられずにここまで呼ばれたことに対する怒りからか、八咫烏を徹底的に追い詰める意気込みはあるらしく、早く暴れ倒したいという感情が伝わってくる気迫である・・・・・)
>>474
>>475
毒鴉
「ククク……俺の毒は筋肉と骨を破壊しながらジワジワと周囲へ広がる。
早くも右腕を切り離さなけりゃ、あっと言う間に全身が壊死して終わりだ。有益な情報を吐け、そうすれば一思いに首を跳ねてやるぞ?」
毒鴉は毒によって壊死する苦痛から相手に情報を吐かせると言うように死を前提としたものとなっており、次に毒鴉からの攻撃を受けてしまえば救出部隊が訪れる頃には全身が壊死して、自分の力では立ち上がることすら出来なくなってしまうだろう……
毒鴉は悶絶する桜空を見て、彼の頭を踏みつけるようにして脚を出し、彼の頭を踏みにじろうとする……それはかつて神宮にされたものと同じように……
>>471
>>474
狼谷
「……お前らの覚悟はわかった。」
戦闘チームに比べれば潜入チームや直接的な戦闘力は低いとは言え、既に半数が消息不明になっている状態であるにも関わらず紀の脅しにも逃げ出す事無く、この場に留まる事を大半の者が選択すると、それを見た狼谷は新しく練り直した作戦について話す。
狼谷
「だが、この人数で攻め込むのは目立ちすぎる……
中川と紀。お前達二人でこの拠点の南東の偽造工場にある通気孔に入り、そこから地下にある八咫烏のアジトへ侵入してくれ。
侵入ルートの中で一番、ボスが捕まっている部屋から遠いが……警備の手薄なところから入ることが出来るだろう。そこで内部の状況を探ってくれ。」
だが、このまま素直に総攻撃を仕掛けてしまえば、最悪拠点の崩落によってまだ生き残っている潜伏チームや、桜空も押し潰してしまう可能性がある上に、もし拠点の中に十二鴉以上の者がいた場合、逆に返り討ちに合う可能性がある事から、先ずは斥候として少数精鋭の部隊を編成することを決め、集まった戦闘員の中で特に秀でた戦闘能力を持った紀と中川の二人で警備の手薄な場所から潜伏して内情を探って欲しいと言う。
狼谷
「先の潜伏チームと違って潜入して詳細に情報収集はしなくていい、斥候が目的だからな、何かあったら直ぐにこの通信機を使え。通信が入り次第、俺達も突入して一気に総攻撃をしかける。」
狼谷は二人に小型のインカムを渡してこのインカムを使って桜空を見付けたり、追い込まれた場合、直ぐに総攻撃を仕掛けるということを伝える。
>>477
中川「OK、南東の偽造工場、通気孔、で地下ね。」
狼谷の話した作戦内容、その最も重要であろう部分を幾つか抜き出すように反復する。一回聞けば理解し記憶できるほど丁寧な説明だったが、今回は大一番なので万が一にも忘れることのないよう、念入りに憶えておく。
「ふむふむ、俺と紀ちゃんの二人で斥候か、まあ妥当だな」
下手に人員を増やせばそれだけ動きづらくなり、返り討ちのリスクが付きまとう。それならば自分たちだけで自由に動き回った方が効率的だろう。
「任せてくれ、吉報を楽しみにしてろよ?」
いつも通りの不敵な笑みでインカムを受けとる。
「じゃ、行こうぜ紀ちゃん」
自分と同格の実力を持つ女性へ、言葉短に出撃を促す。
桜空「・・・・・」
(毒鴉の行動は、桜空の脳裏にかつての邪悪をそのまま人間の形にしたような人物、神宮の姿を蘇らせる・・・・・
一度奪われた幸せ、そこから這い上がろうとしていた、また幸せな人生をつかもうと望んでいた自分含め少年院の仲間達の希望を根こそぎ奪っていった悪魔・・・・・
その悪魔の姿と重なって見えた毒鴉に対する桜空の答えは・・・・・
「・・・・・黙秘、す・・・・・る・・・・・・」)
>>476
紀「私に命令とは随分な度胸ですね、今回の件が終わったら覚悟してなさい・・・・・」
(そう言うと、インカムを受け取り、首をコキコキと鳴らしながら本気モードに入る・・・・・
正直、みすみす命令に従うというのはかなりしゃくだが、ここまで来たからには八咫烏とかいうふざけた組織を徹底的に踏みにじって壊滅させなければ、紀の気が済まない・・・・・)
>>477、478
>>479
毒鴉
「あ〜?じゃあ、黙って斬り刻まれろ!!」
《ヒュオッ》
毒鴉は死が目前に迫っているにも関わらず……右肩の細胞が壊死し始め、その激痛は筆舌に難いレベルのものであるにも関わらず、断末魔さえも抑えて黙秘を貫こうとしている桜空を見て、再び猛毒の刀を振り上げて今度は左肩を斬ろうとする……
薫
『もし、自分がやられそうになっても……最後まで諦めたら駄目。必ず何処かに抜け出すためのチャンスがある。』
次の一撃を受ければ例え毒の回りが治まったとしても両腕が使い物にならなくなってしまう……そんな絶体絶命の状況の中、神宮によって痛め付けられた後の薫からの言葉が走馬灯のように蘇る。
そして、目の前にいる毒鴉は最初の一撃を桜空が受けたことで身動き一つ出来ないと完全に油断しており、振り下ろされた毒刀を椅子に当てて椅子を破壊させる事が出来れば両足は自由になるだろう。
>>478
>>479
狼谷
「俺が言えた事じゃないかもしれないけどよ……必ず生きて帰ってこいよ。この作戦が終わったらボスの金で飲み屋にでも行こうと思っているからよ。」
狼谷はこれから何が待ち受けているかわからない、下手すれば侵入して直ぐに十二鴉レベルに囲まれて抹殺されてしまうかもしれない死地に向かおうとしている二人に向けて、もし二人に生きて今回の作戦が終わったら桜空の金(自分の金とは言わない)で飲み屋にでも行こうと言う。
普段の彼は名の通り、狼のように鋭い目付きをして無愛想なのだが、そんな彼が死相を背負う二人に向けて自分が作れる一番の笑顔で見送る。その笑みはとてもぎこちなく、不自然なのものとなってしまっているが、その言葉に嘘は無い。
桜空「・・・・・」
グォンッ・・・・・!
バキィッ・・・・・!!!!!
(桜空は、激痛で気絶しそうでできないという地獄のような状況の中、体を思いっきり捻って椅子に丁度刀の刃が直撃するようにする・・・・・
相手が本気で振り下ろしたこともあり、椅子は簡単に破壊されると、桜空は両足が自由な状況になり、あまりの勢いに一度尻餅をつくものの、すぐさま腹筋運動のように体を動かして立ち上がる・・・・・)
>>480
紀「言っておきますが、私はこの作戦が終わったら、帰らせていただきますからね・・・・・あなた方のようにお気楽に呑んだくれているほど時間に余裕が無いので・・・・・」
(紀自身は、なんと言われようと桜空を救出する為ではなく、八咫烏を潰すということを目的としてこれから動くため、もし万が一救出の作戦が成功したとしても、自分はそのまま帰ると言う・・・・・
ここへ呼ばれたことに対する不満は、一応本心のようだ・・・・・)
>>481
>>482
毒鴉
「!!?
………だが、両手は使えねぇ……足技だけで体格差を覆せると思うなよ!!」
振り下ろした毒刀が桜空を拘束していた椅子を切り裂いて破壊した事で椅子の脚に固定されていた桜空の両足が自由に動かせるようになり、一気に一方的な蹂躙状態が解消されると戸惑い、後退る。
だが、毒鴉もまた十二鴉と言う殺人のプロであり、戸惑いながらも再び毒刀を振り上げ、大人と子供の体格差を活かした筋力に任せて毒刀を振り下ろし、これまでは即死しない箇所を狙っていたのだが、今度はもう遊んでいる余裕が無くなった事で、桜空の頭を割ろうとする。
桜空「両手が使えねぇ相手に随分と必死じゃねぇか・・・・・」
ダッ・・・・!
(桜空は、なんとか脱出できる策を考えながら、猛ダッシュで相手の剣撃を避け始める・・・・・
先程のように椅子を粉砕させたのと同じように壁か扉を粉砕してもらいたいところではあるものの、さすがは拷問部屋といったところか、壁も扉もかなり頑丈そうに出来ており、この手段が上手くいくかどうかは正直わからない・・・・・)
>>483
>>484
毒鴉
「生意気な餓鬼だな……!もう情報なんざどうだっていい、バラバラに切り刻んでやるぞ!!」
冷静さを失っている期間は短い。
それも相手が手練れになればなるほどにその間隔は短くなる……そして、一度冷静さを取り戻してしまえば相手はより慎重になり、同じ手が通じなくなると言うことや、此方の動きを予測されやすくなるため、決着を付けるのが難しくなる……
毒鴉はまだ戸惑っているからか、再び桜空に向けて毒刀を大きく振り上げ、今度は連続して毒刀を振るおうとする。
その攻撃は精神的な動揺からか、大振りになってはいるものの、少しずつ隙が無くなっており、下手に長期戦に持ち込まれてしまえば、毒が桜空の心臓にまで回り、先に桜空が絶命してしまうことになるだろう……
桜空「そうか!!やってみろよ!!!!!」
ガッ・・・・・!
(桜空は敢えて今まで必死に逃げ回っていたのとは逆に、今度は体勢を崩して滑り込むようにして相手の足を蹴り、相手の体勢を崩そうとする・・・・・
両手が使えない今の桜空からすれば、これが精一杯の抵抗でもある・・・・・)
>>485
>>486
毒鴉
「……ぐッ!この野郎……!!」
足蹴りを受けると、毒鴉の体勢が崩れるものの、咄嗟に床に左手を当てて完全に転倒するのを阻止すると、右手に持った毒刀で横へ薙ぎ払うように振るうことで反撃を行おうとする。
大きく体勢を崩した今なら両手が拘束された状態でも相手の首を腕で締め上げて気絶させ、その刀を奪うことも出来るかもしれないのだが、刻一刻と毒鴉も冷静さを取り戻して来ており、迅速に行うことが出来なければならないだろう……
>>481
「あっはっは! 代金は大将持ちか、そりゃぁいい!」
ちゃっかり自分の懐を痛めないように誘導する狼谷の言葉で笑いが吹き出す。
だがまあ筋は通ってる。これ程の大仕事だ、せいぜい高額品を貪りまくってやるさ。
「さて、時間も差し迫ってるからな、そろそろ行くとしますかね」
あまり駄弁っている暇はない、こうしている間にも桜空が拷問を受けているかもしれないのだ。後ろ髪を引かれる思いながらも前哨基地から出た。
ーーーーー
【数十分後/八咫烏アジト】
「いよっ……と! あ〜狭かったぁ〜!」
通気孔の蓋を外し、通路らしき空間に出る。窮屈な細道から解放された充実感を存分に噛み締める。
自分の能力を使えば、蓋を固定するボルトを、裏側から道具なしで外すことくらい朝飯前だ。
「けどこういうのって映画みたいでワクワクするよなぁ」
軽口を叩きながらも、周囲への警戒は怠らない。そして能力で宙に浮かせていた蓋とボルトを、元の状態に戻す。
「……ここまでは順調だったが、こっからが問題だよなぁ」
何といってもあの八咫烏の本拠地、当然彼らの全戦力が待ち構えていると考えていいだろう。
「大丈夫かい紀ちゃん、足とか捻ってねえか?」
自分に続く形で出てきた彼女を案ずる。かつて物盗りだった彼女の身のこなしなら平気だとは思うが、念のため確認しておく。
【あまり時間をかけ過ぎるのもどうかと思い、勝手ながら『アジトに着くまでは順調』という流れにさせて頂きました】
スタッ・・・・・!
桜空「お見通しだ!!!!!」
ドガッ・・・・・!!
(桜空は予め相手がどのような動きに出るのかを想定していたのか、再び勢いだけで飛び起きると、そのまま今度は相手の顔面へと蹴りを入れ、ダメージを与えようとする・・・・・
ファーストのボスというだけあり、裏社会で生きるためのピンチになった時の抜け道を探すのにはそこそこ長けている・・・・・)
>>487
紀「人の心配よりまず自分の心配とよく言うでしょう?」
(それは、遠回しの優しさか、それともただ単に心配されるのがしゃくなのか・・・・・
いすれにしても、自分の体は能力の使用時以外ではこの程度じゃダメージを受けるほどやわではないという意思表示であり、むしろ相手の言うようにここからが正念場だと言える・・・・・)
【了解です!】
>>488
>>489
毒鴉
「ぐッ……!?」
桜空の繰り出した蹴りが体勢が半ば崩れ、頭が下がっていた毒鴉の顔面に直撃すると、そのまま後ろにまで倒れ、後頭部がコンクリートの壁に激突し、打ち所が悪かったのか、そのまま意識を失う。
毒鴉の持つ毒刀は、毒と言う性質は毒鴉の意識下でのみ機能するのか、桜空の右肩を蝕んでいた毒と、毒刀にあった毒が無くなり、ただ頑丈な骨で出来ただけの刀になる。
これを使えば両手の拘束を斬って自由になれる他、鍵がかけられた様子も無い事から扉を使って部屋の外へ逃げられるかもしれない。
桜空「やっと大人しくなったか・・・・・」
(そう言うと、本当は気絶をしているフリなのではないかと疑いつつ恐る恐る刀に近づき手の拘束具を斬って、ゆっくりと扉を開け、近くに人の気配がないかを確認すると、急いで部屋から脱出する・・・・・
そして、能力が使用できるかどうかの確認のために、1メートル先に能力で移動するなど、能力が部屋の外ではちゃんと使用できるということも確認する・・・・・)
>>490
桜空「・・・・・やっぱり、駄目か・・・・・」
(能力でのアジトからの脱出を試みるものの、アジト内では何らかの細工がされているのか、能力が使用出来ないことがわかると、ここからの脱出は能力に頼らずに自力でなければならないということを理解する・・・・・
監視カメラなどがないかどうか、見渡しながら警戒して進んでゆく・・・・・)
>>490
>>救出チーム ALL
【地下アジト 南東地区】
《ゴオォォォォォォォォォ……》
通気孔のある部屋は、天井も壁も床も、その全てが無機質なコンクリートによって出来ており、部屋には三つの蛍光灯しか光源が無いため、部屋全体は薄暗い。
部屋の壁際には木箱や、ガラクタの並んだ鉄製の簡素な棚があり、十畳ほどの部屋であるものの、実質的には四畳程しか自由に動けるスペースが無いと言うように、実質的に倉庫のように使われている。
棚の中にあるガラクタを探れば何か有益な物を作れるスクラップやパーツが見付かるかもしれないものの、その大半は廃材も同然の物となっている。
紀と中川の通って来た通気孔は部屋にある三つの通気孔の一つであり、正面には鉄製の扉が一つあり、そこを開ければ通路に出ることが出来るようになっている。
紀「・・・・・お粗末、ですね・・・・・」
(紀は部屋の様子を見ると、ただ一言そう呟く・・・・・
基本的に部屋が片付いていたり、何かしらを置きっぱなしにして放置するということがない紀からすれば、この部屋の風景は理解し難いのだろう・・・・・
「使おうと思えば、まだ使えるものだってあるのに・・・・・」
と、小声でボソッと呟く)
>>桜空
【通路】
尋問室から脱出した桜空の前には、右と左に伸びるコンクリートの壁や天井で出来た通路があり、左側の通路奥からは人の気配がする。
案内板も何も無く、現在位置を示すものが何も無い。
敢えて人気のある方向に進んでその会話内容からアジトについての情報を集めることも出来るし、人目を避けて声のしない方向へ進んでもいい。
監視カメラらしきものも何も無いが……ここは敵のアジトである以上、どのような罠や仕掛けがあってもおかしくないだろう。
桜空「・・・・・何かしら武器になりそうなものでもありゃあいいが、そうもいかねぇか・・・・・」
(桜空は脳内で、能力も封じられているのであれば、さっき気絶させた奴の刀でも奪っておけばよかったなと思いながら上記を呟く・・・・・
桜空は一か八か、人気のある方向へと進み、会話内容などで情報を得たり、武器になりそうなものがあれば護身用に強奪しようと考え、左側の通路奥へと向かう・・・・・)
>>495
>>496
鴉A
「おい、知っているか?2時間前にこのアジト内にfirstの連中が潜入していたらしいぞ……」
鴉B
「ははは、馬鹿な奴らだ。金鵄様が居ないとはいえ、アジト内には四人も十二鴉が集まっている。何十人来ようと無駄な話だ。」
通路の先では、小さなホールのようになっており、更に奥に向かって伸びる通路が三つあり、見張りの鴉は二人だけで、その見張りも周囲への警戒が緩んでおり、壁に背を預け、呑気に駄弁っている。
八咫烏のメンバーは黒服に身を包み、肩や腕、脚にはプロテクターが付いているものの、あまり重武装ではなく、両手で持ったカービンライフルを除けばそれほどの脅威ではないように見える。
また、施設の構造については不明だが、桜空が倒した毒鴉を除いても、まだ三人も十二鴉の幹部戦力が残っていることが判明する……
桜空《・・・・・連中が潜入・・・・・俺は捕まったわけだから、俺のことじゃねぇよな・・・・・ってことは、アイツらここに来てやがんのか!?》
(できるだけ仲間を危険に晒したくない桜空は、見張りの鴉達が話している内容を聞くと、そのまま二人の真ん前に飛び出して「てめぇら!!その話もっと詳しく教えろ!!!!!」と怒鳴り散らす・・・・・
もし戦うことになったとしても、氷華や毒鴉と比べれば、アリンコのようなものだ)
>>497
>>498
鴉達
「なッ!!?」
桜空を見て鴉達は一斉に銃口を向ける。
鴉は二人とも銃を持っているものの、至近距離から桜空が飛び出したため困惑しているものの、丸腰の桜空では少し分が悪いように見える。
上手く銃を捌き、制圧することが出来れば、少なくとも今、何が起きているのかについての情報を入手することが出来るかもしれない。
>>498
訂正版
鴉達
「なッ!!?」
桜空を見て鴉達は一斉に銃口を向ける。
鴉は二人とも銃を持っているものの、至近距離から桜空が飛び出したため困惑し、大きな隙が生まれている。
上手く銃を捌き、制圧することが出来れば、少なくとも今、何が起きているのかについての情報を入手することが出来るかもしれない。
>>500
「相変わらず手厳しいねえ、まあ無事なら何よりだ」
相方の好調を確認し、この部屋の調査に意識を移す。
「……まさに殺風景ってとこか、風情も何もありゃしねぇ」
僅かに肩を落とす。
まあ無駄に豪華絢爛でも困るのだが。とりあえずいきなり兵隊に取り囲まれる、という事態にならなかっただけでも儲けものだろう。
「ん〜……いや、止めとくか」
棚に並んだガラクタを見て物色してみようかと考えたが、直ぐに止めた。
もしかしたら銃器の類が眠っている可能性もゼロではない。しかしこんなところに廃棄されているのだから、まともに使える保存状態ではない筈。それに弾薬が入ったまま捨てるほど奴らも馬鹿ではあるまい。そして何よりーー
(俺に銃器は要らねえ)
この錬地術師(アースウォーリア)がある限り。
適当な大きさの鉄球を飛ばすだけで、下手な拳銃を超える威力は出せる。もし必要になるとすれば、成形炸薬弾くらいのものだろう。
「こっからくすねるなら、家電のジャンクパーツあたりだな」
だが今は大仕事の真っ最中。つまりは、ここに拘る理由はない。
「おっ?」
さて扉を開けて進もうかと思考した直後、誰かの話し声が聞こえてきた。
「……へぇ〜」
すかさず能力で金属のメガホンを作り出し、それで聞き耳を立てる。多少間抜けな絵面だが、効果はある(意識的なスイッチ含め)ので躊躇いなく続行。
会話内容や話し方から察するに、末端の兵士が雑談しているらしい。
(四人しかいないのか、そりゃいいこと聞いたぜ)
どうやら十二鴉は現時点で全員集まっているわけではないようだ。これは朗報、こちらとしては十二人全員と事を構えるつもりだったので大分気が楽になった。
とはいえ、それでも大きく不利な状況には変わりない。
「へっ!?」
引き続き盗聴で情報を得ようとした瞬間、唐突に怒鳴り声が響いた。そしてその声の主は……
「え、あっ、大将!!??」
聞き覚えがある、間違いなく彼のものだ。いきなり目当ての『お宝』がやってきたことに、流石の隆次もすっとんきょうな声をあげた。
「まさかのまさかだな……突っ込むぞ、紀ちゃん!!」
もうここに留まっている理由はない。全速力で駆け出し、桜空と挟み撃ちを行う形で兵士の一人に飛び蹴りを見舞う。
桜空「遅せぇっ!!」
ドゴッ・・・・・!
桜空「ぐっ・・・・・!」
(桜空は鴉達の顎を殴り飛ばす・・・・・
が、毒鴉による拷問を受けた箇所が、毒は無くなっているものの、痛みは普通にあり、激しく動かすことで尋常ではないほどの激痛が走る・・・・・)
>>500
>>502
鴉達
「ぐがッ……!?」
兵士達は総じて30以上の大人であるため、小柄な桜空とはかなりの体格差があるにも関わらず、体の動きや捻りを活かして顎へ強打すると、鴉二人が軽い脳震盪を引き起こし、床に倒れる。
桜空のいる小さなホールのような場所は三叉路があり左右と正面の三つの通路がある他に、ホールの片隅には通路の他にも片開きの鉄扉が一つある。
通路の先からは発電機のものと思われる小さな駆動音が聞こえ、鉄扉の先からは何の音も聞こえてこないため、実際に進んでみない限りはわからない……
>>501
【狼谷の台詞にもあるように、紀さん達のいる場所は南東の隅であり、桜空さんの居る場所からはかなり遠い位置にあるので、直ぐには来れないですよ〜。】
>>503
【え、そうだったんですか! 申し訳ありませんでした。何か変だと思ったら…… 直ぐに訂正版を作ります】
>>494
「相変わらず手厳しいねえ、まあ無事なら何よりだ」
相方の好調を確認し、この部屋の調査に意識を移す。
「……まさに殺風景ってとこか、風情も何もありゃしねぇ」
僅かに肩を落とす。
まあ無駄に豪華絢爛でも困るのだが。とりあえずいきなり兵隊に取り囲まれる、という事態にならなかっただけでも儲けものだろう。
「ん〜……いや、止めとくか」
棚に並んだガラクタを見て物色してみようかと考えたが、直ぐに止めた。
もしかしたら銃器の類が眠っている可能性もゼロではない。しかしこんなところに廃棄されているのだから、まともに使える保存状態ではない筈。それに弾薬が入ったまま捨てるほど奴らも馬鹿ではあるまい。そして何よりーー
(俺に銃器は要らねえ)
この錬地術師(アースウォーリア)がある限り。
適当な大きさの鉄球を飛ばすだけで、下手な拳銃を超える威力は出せる。もし必要になるとすれば、成形炸薬弾くらいのものだろう。
「こっからくすねるなら、家電のジャンクパーツあたりだな」
だが今は大仕事の真っ最中。つまりは、ここに拘る理由はない。
扉に近づき、向こう側に兵士などがいないか注意しながらドアノブを回す。
【訂正版です】
【狼谷の回想】
狼谷
「…………………。」
紀と中川の二人が八咫烏のアジトに潜入し、桜空が脱出作戦を開始したのと同時刻。潜入した二人からの通信を待つ狼谷は戦闘チームに突入準備をさせながら、煙草を吸い、眼下にある八咫烏直轄の工場の敷地を小高い丘の上から眺めている。
二人には潜入前の通信テストを兼ねて、桜空が拘束されているであろう尋問室の位置を教えてある。道なりに進めば最短ルートを通って桜空を救出する事が出来るだろう。
氷華
『私が望む世界は、悪人が居ない世界。
善人だけの世界には腐敗も貧困も差別も戦争も無い。
理不尽な暴力を前に奪われる事も、真面目に生きている人が踏みにじられる事も、悲しい別れを経験する者もいない、人と人が支え合って生きていける世界、悪に堕ちなくとも生きられる世界……私はそんな世界を作ろうと思う。』
狼谷
「(………アンタは……何時から堕ちた……?
最初の頃のアンタになら……着いて行っても良かった……
いったい……何がアンタをここまで歪めた?)」
氷華は始めから悪人を滅するためにはそれ以外の人を巻き込むような事をしなかった。それどころか、悪人以外の全ての人を守ろうとしていた。世界を善い方向に導こうとしていた……
だが、今の氷華は人の心を失いつつあり、悪人を滅ぼせるのなら民間人も巻き込んだ攻撃や作戦を何の躊躇いもなく行うようになった……今の氷華には最初の頃のような優しい人の良心が失われていった。
平和と望むその力は
秩序を創るための暴力となり
悪という大敵を滅するための大義名分となり果てた……
幾ら力を増したところで……
人の心を失った氷華に幸福な世界が創れるのか?
狼谷は表情には一切現れてはいないものの、八咫烏のアジトを眺める彼はそこには居ない氷華に対して心の中で問いかける……
桜空「・・・・・護身用に、持ってくか・・・・・」
(そう言うと桜空は、鴉達が持っていたカービンライフルの一つを奪い、護身用と言っても人の命を奪わないことを信念としていることから、撃つのではなく危険がないようにただ脅す為に予め全ての銃弾を抜いておく・・・・・
これで襲われたとしても、相手が今のようなただの見張りなら、手負いの体で無理して気絶させたりせずとも幾分かなんとかなるはずだ・・・・・
にしても、情報を聞き出す前に気絶させてしまったのは想定外だった・・・・・
いずれにしても、進まないことには始まらない、桜空は恐る恐る鉄扉を開ける・・・・・)
>>503
紀「体力の消耗こそあれど、私の能力ならある程度敵をなんとかできます、貴方はある程度体力を温存しておきなさい」
(もしこのドアの先に敵がいたとしても、自分の能力なら敵を少しの間でもなんとか出来る、体力の消耗が激しい能力だからこそ、中川はできるだけ体力を温存しておくようにと告げる・・・・・
一人がやばくなっても、もう一人が大丈夫なら任務の遂行はまだ可能だからだ・・・・・)
【投稿時間が同じで気づくのが遅れてしまいましたすみません!改めて投稿された修正版を確認しましたので、そちらの方に返信させていただきますね!】
>>505
>>507(桜空)
牽制用に鴉から奪った銃を持った、桜空の前には三つの通路と一つの鉄扉がある。通路の先からも、扉の奥からも何の音も気配もしないものの、何の案内板も表示板も無いことから、その先に何があるのかは予想するしか無い……
>>507(桜空)
牽制用に鴉から奪った銃を持った、桜空の前には三つの通路と一つの鉄扉がある。通路の先からも、扉の奥からも何の音も気配もしないものの、何の案内板も表示板も無いことから、その先に何があるのかは予想するしか無い……
鴉
「…………ん?
何だ?見かけない奴らだな……侵入者か……?」
桜空の開けた鉄扉の中は、五畳程の小さな部屋であるものの、一面には監視カメラのモニターが映された監視部屋であり、アジト内の至るところに仕掛けられた監視カメラの映像が映し出されている。
監視員である鴉は無線機を持ちながら、モニターを見ており、そのモニターの一つには、倉庫から出て来た紀と中川の二人の姿も移っており、それを見た事で監視員の鴉は無線機を使ってアジト内の鴉達に教えようとしている。
もし、桜空が監視員の鴉が通報する前に、迅速に制圧することが出来なければこのまま紀と中川の潜入がバレてしまい、大量の鴉や十二鴉が二人に立ちはだかる事になってしまうだろう……
>>505
>>507
《ゴオォォォォォォォォォ……》
倉庫から出た紀と中川の前には、左右に伸びた灰色の壁と天井に、まるで血管のように張られた水道のパイプが伸びており、水が流れる音が無機質なコンクリートの壁や天井に反響して周囲の音が聞き取り辛くなってはいるものの、周囲には人の気配は感じられない。
桜空が捕まっているエリアは二人のいる南東地区から離れた北西にある区域であり、南東地区は主に倉庫としか使われていないため、あまり人員が集中していないように思われる。
スチャッ・・・・・
桜空「無線機を置いて両手を頭の後に回せ、お前の背中は完全に取った・・・・・」
(桜空は、弾が入っていないライフルでの脅し作戦に出る・・・・・
仲間が来ているというのは先ほどの見張りの鴉達の会話でわかってはいたものの、まさか監視カメラで丁度見つかってしまったタイミングに出くわすとは想定外だった・・・・・)
>>509
紀「・・・・・まるで侵入してくれと言っているようなものですね、こうも見張りも何も無いとは・・・・・」
(八咫烏といえば噂には少し聞いたことがあり、悪に対して容赦のない制裁を与えるということから、それ相応の見張りや徹底した侵入者対策がされているのかと想像してはいたが、ここまで無防備だと逆に不安にもなる・・・・・
監視カメラで見られているなど、思っていなく・・・・・)
>>510
>>511
鴉
「………ッ!!?
ど、どうやってここまで来た……!?」
まさか尋問室から毒鴉を倒して脱出して来たとは思わず、地上エリアのものも含めた広範囲に死角無く配置された監視員カメラを潜り抜けてこの場にやって来ることまでは考えも出来ず、背後に現れた桜空を見て、桜空の持つ銃が空砲だとも知らずに言われるがままに無線機を机の上に置き、両手を頭の後ろに回す。
この監視員の鴉から見ると、桜空は内部から脱出した者ではなく、巧みに監視カメラによる監視網をすり抜けて来た得体の知れない相手であり、下手に抵抗しても勝ち目は無いと考えている。
>>510
「なんだ、気を張って損したぜ」
またもや兵士の姿はなく、鼻で嘆息。
何があるのかと思えば、何の変哲もない水道管のみ。どうやらここもハズレらしい。
(……いや待てよ、水道管?)
水。
古来から重要視されてきた要素の一つ。地政学でもよく取り挙げられ、またこれの確保を巡っての争いや苦難も枚挙に暇がない。
「……」
そしてその『大動脈』といえる部分が今、目の前にある。
「よし、決めた」
一歩踏み出し、深呼吸。
「紀ちゃん、隠密行動はここまでだ」
そう言い終わると、狼谷に連絡を入れる。
「狼谷の旦那、聞こえるか? これから施設内の水道管を壊して奴らを引っ掻き回す。その混乱に乗じて攻め込んでくれ」
連絡を終えると、次は何十もの巨大な斧を宙に生み出し、目につく限りの水道管を破断させていく。
巻き起こる轟音と水流。無秩序な噴水庭園がそこに完成した。
あのまま隠密行動を続け、桜空が始末されるまでの時間制限というリスクと、ここで破壊工作し比較的有利な状況ながら隠密性を捨てるリスクを天秤に掛け、後者を選んだ。
(それに、通気孔を抜けた時点で監視カメラに引っ掛かってた可能性もゼロじゃないしな)
建築物における水道管。重要なインフラの一つ。そんなものを壊せば大混乱は明白。もしかしたら最近の設備はこういった事態にも対応しているのかもしれないが、とにかく暫くすればこの部屋に大勢の兵士が押し寄せてくるだろう。
「よし! こんなもんだろ。紀ちゃん、俺達までびしょ濡れになる前に進むぞ」
一通り壊し終わったのを確認し、更に奥へと走り出す。
ついでに自分達が入ってきた側のドアは、能力でドアノブの内部構造を弄り、開かなくしてある。これを無理矢理通るなら直接破壊するしかない。かなりの時間が稼げる筈だ。
(とりあえず当分は、後ろから追跡される心配はねえな)
現時点で桜空が捕らわれている部屋はかなり遠い。ならばここで混乱を起こせば、否が応でも人員を散りばめざるを得ないだろう。
(そしたら俺達を潰す為の人員は少なくなるってね)
この一連の行動により、戦闘時の危険性を軽減するだけでなく、狼谷達が攻めやすくなるというのが隆次の作戦であった。
(監視してる奴が居眠りでもしてくれたらもっと楽になるんだが、そんなラッキーは期待しちゃ駄目だよな)
桜空「なぁに、ちょっくら毒みてぇなのを使う奴倒して拷問部屋から抜け出してきただけだ・・・・・」
(そう言うと「俺はお前ら八咫烏が今最も敵視しているファーストの長、だと言えばわかるか?自分で言うのもなんだが、長と言うだけあって、俺は強いぞ?」と、敢えて自分が物凄く、最初から相手側には勝ち目がない人間という印象を植え付けることで、何らかの情報を入手しやすいように仕向ける・・・・・
「教えろ、お前が見つけた侵入者は今、どの辺りにいる?あるならこの要塞の地図を渡せ」)
>>512
紀「随分と派手にやってくれたものですね、まぁ、ある程度やりやすくなったのは事実ですが・・・・・」
(薄々、ここまで見張りも何も無いとなると、どこかしらに隠し監視カメラのたぐいがあるのではないかと感じつつ、ある程度行動が限られるのではないかとも思っていたが、中川の派手なやり方で行動しやすくなったのは事実だ・・・・・
これで多少なりとも、暴れやすくはなっただろう・・・・・)
>>513
>>514
鴉
「………!!?
ぐっ……や、奴らは南東地区にいる。
地図はそこの棚の上から二段目の引き出しにある……」
鴉はいかにして反撃しようかと考えていたものの、桜空が毒を使う者を倒して脱出したと言うのを聞いて凍り付く。
毒を使う者はこの拠点内には一人しかおらず、しかも尋問部屋には今の時間帯であれば毒鴉が囚人の尋問をしていると公言していた事も知っていたため、ここで抵抗しても勝ち目が無いことを悟る。
八咫烏の一員として正義を遂行するよりも……
自分や、自分の汚れた金ではあるものの、自分の帰りを待ってくれている家族達を養うため、抵抗することをやめ、大人しく地図のある場所と、紀と中川の二人がいるエリアについて教える。
そんな中、中川が水道管を破壊して水を流出させた事で映像が乱れ始めてしまう……
>>513
>>514
狼谷
『ああ、任せろ。
混乱を確認したら直ぐに総攻撃を仕掛ける。』
中川から水道管の破壊によって施設内で混乱が起こる事を合図として攻撃を仕掛けるようにとの通信が入る。
中川からの通信を聞きながら吸っていた煙草を地面に捨て、それを靴底で押し潰して鎮火すると、混乱に乗した総攻撃を約束する。
《ゴボッ》
《ボコボコボコボコボコボコッ》
水道管が破壊され、通路を水が満たそうとしている最中、止めどなく水を噴出させていた水道管の中を何かが凄まじい速さで通ってくる異音が聞こえる。
配管の断面から黒い"何か"が床に落ちた次の瞬間、周囲の床に浸水していた水がまるで意識を持ったかのように水が集束して津波となり、中川と紀の二人を呑み込もうと迫る。
中川の予想を裏切るようにして背後の水が急激に水量を増して津波となって迫ってくる事から、これが異能の類いによる攻撃である事に疑いの余地はない。
通路の幅は4m、天井までの高さは3m程と言うように、通路そのものが狭い上に何処か別の部屋に通じる扉は二人のいる通路からは見えない……
部屋に避難して避けようにも扉も通路の分岐も無く、下手に正面から受け止めようとすればそのまま濁流に呑み込まれてしまうだろう。
桜空「そうか・・・・・」
(そう言うと、ライフルを床へ放って「言っておくが、そのライフルは弾なんて入っちゃいねぇし、俺だって毒を使う奴にはたまたま気絶させることが出来ただけだ、元より俺はそこまで強くねぇよ・・・・・」と言い、そして相手の言った通りに棚の引き出しから地図を取り出すと「悪いが、コイツをコピーしてくれ、オリジナルがここから無くなったらお前の過失がバレるだろ?」と、ライフルに弾が入っていないということから地図のコピーまで、さっきから自分が不利にもなりうることから相手のことを思っての発言までと、いくらただの脅しとはいえ罪悪感がわいたのか、次々と告げてゆく・・・・・)
>>515
紀「・・・・・っ!!!!!」
グォッ・・・・・!!!!!
(紀は、自分の能力で津波そのものを操ってなんとか動きを止めようとし始める・・・・・
が、相手が津波ということもあり、紀の能力でもむしろ止められない可能性の方が高く、体にかかる負担による苦痛から、表情を歪める・・・・・)
>>516
>>517
鴉
「………!!?
…………………………。」
桜空が武器のライフルを放り投げ、自身もそれほど強くないと言った事に驚き、あのまま無理難題を押し付けられそうになった場合、護身用に持たされていた拳銃を使って返り討ちに合うことを覚悟して一矢報いろうとしていたのだが、それをする決意や覚悟は桜空の言動によって消えた。
鴉は名も知らない敵組織の人間だ。
だが、彼もまた一人の人間であり、無用な殺生を行わず、自分の優位性を捨て、相手の立場を考えて行動の出来る桜空に一種の感銘を受ける。
鴉(通信先)
『南東地区に水道管の破裂を確認した!そっちの方は大丈夫か!?』
鴉
「……ああ、こっちは何も起きていない、問題無しだ。」
監視員の鴉は無線機から仲間の声が聞こえて来ると、桜空の顔を見て、少し微笑んだ後、無線機を手に取り、仲間に桜空の事を伝えず、異常無しだと答える。
もし、この鴉が無線機を取らずに沈黙していたり、少しでも異常を伝えていれば、瞬く間に鴉の大軍が押し寄せ、異能を封じられた桜空を包囲し、最悪殺害されていただろう……
鴉
「俺は何も見ていないし、此処では何も起こらなかった。」
貸し借りは作らない。
桜空が自分を殺害せずに見逃した事を、自分もまた相手を見逃すことで返すことにした。
桜空から受け取った地図をモニター台近くに設置していた小型のコピー機によって複製すると、それを桜空に渡し、上記を言うと、再び監視モニターの前に移動して行く。
彼の様子から、警報ボタンを押したり、無線機を介した救援を要請するつもりは無いように見える。
>>516
「っ、こいつは……!?」
後方から聞こえる音がおかしくなったことに気付き、振り返る。
「どうやら、早速おいでなすったようだ……いくらなんでも早すぎだぜ」
こめかみから嫌な汗が流れる。それでもなお笑みは絶やさない。
「やってらんねぇよ、まさか墓穴とはなぁ」
見るからに相手は水関連の能力者。水道管を壊すという行動が仇になった。
「すまねぇ紀ちゃん、こりゃ完全に予想外だ」
「! ここで能力を使っちまうのか……」
彼女は意を決して能力の行使に出た。しかし簡単にはいかないらしく、顔が苦悶の色に歪む。
「……」
(どうする!? 何か手は……?)
一瞬の選択、だがそれ以上の迷いはなかった。
「紀ちゃん、逃げるぞ!」
彼女の腕を引っ張り走り出す。恐らくもう自分ではロクに動けないと判断しての行動だ。
そして迫りくる津波に対しては、鋼鉄をテトラポッド型にし、大量にばら蒔くことで対応。
テトラポッドとは、波止場などにあるコンクリートなどでできた独特の形状を持つ構造体である。大量に累積させることで効果を発揮するため、この状況にはうってつけだ。津波の勢いが目に見えて衰えていく。
「ぐ……くそっ!」
しかし、紀を引っ張りながら走っているため、とても全速力は出せない。徐々に津波との距離は縮まる。
「まずったなこりゃ、何かいい手はないもんかねぇ」
桜空「感謝する、じゃあな・・・・・」
(そう言うと、桜空は部屋から出て、地図を見ながら仲間のいる目的地へと目指し、歩みを進める・・・・・
が、同時に鴉のいる部屋には、鉄のような臭いがし始める・・・・・
が、それは鉄の臭いではない、紛れもなく人間の血の臭いであり、桜空がいた場所には、小さな血溜まりができていた・・・・・
自分が来た何よりの証拠になることから、恐らく桜空自身も気づいていなかったと思われると同時に、桜空の体の状態はかなり危険であるということの前触れなのだろう・・・・・)
>>518
紀「何してるんです!!!!!私が食い止めていた内に行けばよかったものを!!!!!」
(覚悟を決めて能力行使に出たのに、相手は自分を引っ張ってまで一緒に逃げるという選択をした・・・・・
正直、この程度で死ぬほどやわじゃないと言いたいが、それを言ったとしても相手には通用しないだろう・・・・・
紀は、中川に怒鳴り散らす・・・・・)
>>519
>>516
>>519
水鴉
「ヒヒヒ……」
紀が押し寄せる波を止め、その間に生成された鉄製のテトラポッドにより、水の流れが不規則に掻き乱される事で勢いが衰える。
だが、これで止まる程敵は弱くも甘くも無い。
不規則な流れのまま、破壊された水道管から流れる水が二人の背後で集まり、ブヨブヨした巨大なスライムのように変化していく。
通路を埋めるように肥大化したソレの表面から二人を見下ろすように膝まで伸びた黒髪に、下品な笑みを浮かべた男……十二鴉の一人である『水鴉』がその姿を現す。
水鴉はスライムと言う、液体と個体の中間体となる事で流動性と引き換えに流れを阻害するテトラポッドを押し退ける圧力を獲得し、逃げるスピードの落ちてしまった二人とは反対に少しずつ押し寄せる勢いも上がってしまっている。
そんな中、二人の進む先には、エリアを仕切る観音開きの鉄扉が見えて来る。この扉を使えば、完全に食い止めることは出来なくとも、その水の威力と勢いを少しは削げるかもしれない。
紀「下劣な単細胞生物はこれだから困りますねぇ・・・・・」
(水鴉を見上げて睨みつけては、上記を呟く・・・・・
そして、逃げる先に見えてきた観音開きの鉄扉に手をかざし始める・・・・・
すると、ゆっくりではあるものの、徐々に鉄扉が開き始める・・・・・
鉄扉の向こうへと逃げてそのまま閉めてしまえば、多少は逃亡及び任務遂行はしやすくなるだろう・・・・・)
>>521
>>桜空
【八咫烏地下アジト/南部地区】
八咫烏の男
「よぉ、待っていたぜ。
ファーストのリーダーさんよ。」
地図を頼りに南東地区に向かう桜空。
地図を入手した事で迷路のような地下アジトの中でも迷うこと無く最短ルートを通ることが出来るようになった。
途中で幾つかの監視カメラがあったものの、監視員の鴉の考えからか、警報が鳴ることは無く、地区を区切る鉄扉を開けたところ、小さな広間となっており、その広間の中央に置かれた黒いソファーにはトンファーを持った黒髪の男が座り、桜空を見ている。
だが……最悪な事に、その男の後ろには銃を構え、フルフェイスの強化ヘルメットを被り、完全武装した鴉が十人以上並んでいる……
桜空「そうか・・・・・随分待たせちまったようで悪かったな・・・・・」
(桜空も桜空なりに相手への怒りを込めて言う・・・・・
いくら敵対視する組織のリーダーが脱出したからといって、能力も使えない生身の人間ああ手に普通ここまでするかとでも言いたげな表情をしながら・・・・・)
>>523
>>524
八咫烏の男
「……………………。」
圧倒的な人数差に加え、完全武装に身を包んでおり、量でも質でもかなりの力を持った部隊であり、このまま交戦すれば丸腰に等しい桜空では瞬く間に蜂の巣にされてしまっていただろう……
そんな中、男は数秒の間じっと桜空を見た後、部下達に指示を出す。
八咫烏の男
「ああ、それもそうだな。
おい、お前ら、銃を下ろせ。」
ソファーに座ったまま、男は右手を挙げて部下達に銃を下ろすように命じると、鴉達は抵抗や反論を一切すること無く大人しく銃を下ろす。
フルフェイスのヘルメットを被っているため、表情がわからず、鴉達の真意や、考えていることが読めない……
これが罠であるのか、それとも何か別の策があるからなのかはわからないものの、桜空を見て、男がやり方を変えたと言うことだけは明らかになっている。
>>521
「へへっ、悪ぃな……これがFirstの流儀なもんでね」
紀の叱責に、強がり混じりの笑顔で返す。
「ってうおお!? そんなのアリかよ!」
驚愕に目を見開く。なんと相手は水質を変化させスライム状にしてきたのだ。
「なんとまあ器用なこって……!」
毒づいたところで状況が好転するわけでもない、どうにかしなければ。
(スライム状ってことは、流動性は落ちてる筈だ)
「それなら……」
まずは片手に、でき得る限り大きく鋭いピッケルを作り出す。
「どおりゃあっ!!」
そして思い切り床へ振り下ろし、突き刺した。
「こっからだ!」
次にピッケルを、刺さった部分だけ除いて網目状の鉄格子に変化させる。対スライム壁の完成だ。刺さった部分で『踏ん張り』が利いているので、力押しではまず破れない。
「んで、仕上げ!」
まだ終わりではない。波と一緒に押されてきている大量のテトラポッドを操作する。
それらが網目鉄格子に触れた瞬間、溶けて吸収されるように鉄格子側の体積を増加させる。これで耐久性は磐石だ。
「かぁ〜……流石に、しんどいな」
いくら隆次といえど、これ程複雑な制御は堪えたらしい。一時的に足を止めた上で神経を磨り減らしている。
だが、その甲斐あってスライムの速度は半分以下となった。更に紀が能力でドアを開けてくれたことによって、次の部屋までに追い付かれる危険性は大幅に減った。
「おまけ!」
ドアに入る直前、せめて一矢とばかりに行動を起こす。
長髪男の顔面に向かって、親指でパチンコ玉を飛ばした。
指弾。
中国武術の一つ。
読んで字の如く指で小石などをぶつける技だが、達人ならば500円玉を段ボールに突き刺す程になる。
隆次が使えば能力で勢いが加算され、その威力は下手な銃弾を超える。
(流石にデザートイーグルとかには負けるがな)
殺人的な速度を得た小鉄球が男の頭蓋を貫かんと迫る。
(……多分、全身が水状になってるから効きませーん、てオチだな)
>>522
>>526
水鴉
「ヒヒヒ……見てわかるだろう?
水と同化している俺に物理技は効かない……」
流動性が落ちているものの、実体を持っていないことに代わりはなく、案の定、振り下ろされたピッケルも、撃ち込まれた指弾も水鴉にはダメージになっていない。
例えガトリングで集中砲火したとしても、水と同化し、実体を無くした水鴉にはまるでダメージにならないだろう。
中川が形成した壁と激突し、その勢いを食い止められるものの、形成された壁の小さな隙間から少しずつ滲み出すようにして二人がいる壁の向こうへと移動し始める。
スライム化した状態では壁を通り抜けることに時間がかかってしまう上に、異能の性質上、水鴉本体のいる場所は完全な液体に変えることは出来ない……
だがその問題を解決するための策……時間稼ぎをするための誘導は終わった。
《バリボリバリボリ》
蟲鴉
「あァァ……虫ィ、虫の音が聴こえるなァァァァ……」
後ろからは水鴉が迫る中、紀の開いた観音開きの鉄扉の奥から、黒いタンクトップに丸刈り、顔には大きな蜻蛉の刺青を入れた重点の合わない目をし、見るからに異様な雰囲気をした大柄な男が現れる。
左手には生きたカナブンがぎっちり持った虫籠を掴んで持っており、その中に手を入れ、まるでスナックか何かのようにバリバリと音を立ててカナブン達を食べており、言動や外見のどれを取っても気味が悪い。
タンクトップの上からわかる筋肉だけでも、ボディビルダー顔負けの筋肉を持っており、見るからにパワーに特化したような見た目をしている。
また、男の後ろには口元が人間の血で血塗れになった体長1mもある巨大な蝗が何匹も群れを成している。
前門の虎、後門の狼とはこの事を言うのだろう。
違うとすれば……前門にいる者も、後門から追うモノも、虎や狼とは比較にならないほど異常かつ強大な事だろうか……
桜空「・・・・・何のつもりだ?」
(銃を下ろせという命令と共に後ろの鴉達が銃を下ろすのを見ると、一体何をするつもりなのかがわからず、正直、恐怖すらわいてくる・・・・・
こちらとしては蜂の巣にされずに済んだのはいいものの、相手側が何を考えているのかがまったくわからないというのは、かなり不気味である・・・・・)
>>525
紀「水だったり虫だったり、忙しい人達ですね・・・・・」
(挟みうちにされてしまった以上、素直に逃がしてくれるわけもなく、こうなったらある程度戦ってなんとか凌ぎきるしか道は残されていない・・・・・
「貴方は私が戦っている間に隙を見て任務を続行し続けなさい」と、中川に命令する・・・・・)
>>526、527
>>528
八咫烏の男
「もし、これでお前が只の悪党だったんならあのまま撃って終わりにするつもりだったんだがな、気が変わった……って奴だ。」
男はゆっくりと身に付けていた黒のジャケットを脱ぎ、両手に服装と同じ黒の指無し手袋を付け、もし桜空が只の悪党だった場合は躊躇い無く始末するつもりであった事を教える。
ジャケットの下には黒いノースリーブのシャツを着ており、シャツから出た肩や腕には一切の無駄な脂肪が付いておらず、両腕と首元だけでも優に十を超える大量の刀傷や銃創があり、彼もまた、数多の死線を潜り抜けて来た猛者である事が言葉を使わずともわかる……
素鴉
「俺は八咫烏の主力、十二鴉の一人『素鴉(スガラス)』。
お前がタイマンでこの俺を倒すことが出来たなら、お前が逃げる事を見逃してやる。だが、もし俺に敗れた場合……そのまま粛清する。」
十二鴉の素鴉と名乗るその男は、1vs1で勝負し、その状況でも自分に勝利する事が出来たのなら、桜空の脱走を見逃すが、負けた場合はそのまま殺害することを宣言すると、脱いだジャケットを床に落とす。
すると、床に落ちたジャケットは鈍い音をたて、素鴉の着ていたジャケットだけでも、桜空の体重と同等の重りが入っていた事がわかる……
これは素鴉の与えた最初にして最後のチャンスであり、断ればこの場にいる十人以上の完全武装した鴉達からの猛攻を受けることになだてしまうだろう……
だが、相手は桜空よりも……いや、毒鴉よりも大柄であり、無駄無く鍛え上げられた彼に勝利できる可能性は限り無く低いと言えるだろう。
桜空「・・・・・もし俺が勝った場合、俺を逃せばお前の身も立場も危うくなる・・・・・」
(勝ち目はないと思うが、もし自分が勝って逃げることが出来た場合は、相手の身が危ういと考える・・・・・
拷問を受けた手負いの自分を、こんな大男が逃がすはずもない、自分じゃなくてもわかるし、あの鋭い氷華のことだ、きっと敢えて逃がしたと察知し、氷華は素鴉を粛清するだろう・・・・・
それに、、こんな大男に手負いの状態で勝てるわけがない、狼谷と戦った時とはわけが違う・・・・・)
>>529
>>530
素鴉
「おいおい、この期に及んで相手の心配か?
先に来ないのなら……こっちから行くぞ。」
自分の命の心配よりも、相手の命や立場の心配をしている桜空の言葉を聞いて少し驚くものの、素鴉は即座にボクシングスタイルで構え、そのまま床を蹴って身を屈め、桜空に向けて左のジャブを繰り出し、様子見を兼ねて先制の一撃を加えようとする。
身長は180cmにも及ぶ巨体だが鈍重な様子や、大振りな動きというものは一切無く、最短距離を一直線に彼の筋肉は飾りではなく、まるで打ち出された砲弾のような速度で拳の一撃を繰り出す。
全力を出さなければ勝つことは出来ないだろう。
いや、全力を出しても尚、勝機は薄いかもしれない……
桜空「ぐっ・・・・・!?」
(桜空は、防御も何も出来ずにそのまま頬に受けてしまいよろけるものの、なんとか体勢を戻して「・・・・・それじゃあ、こっちも本気でやらせてもらおう・・・・・」と言うと、そのまま猛スピードで相手の腹部へとめがけて右ストレートを一発入れようと繰り出す・・・・・)
>>531
>>532
素鴉
「…………どうした?それが全力か?」
素鴉は敢えて桜空の拳を腹部に受けるが、まるで鋼のように鍛え抜かれた素鴉の腹筋により、その威力は大きく軽減され、まともなダメージになっておらず、素鴉は右フックを桜空の顔に向けて打ち込もうと拳を横凪に振るう……
完全武装した鴉達は素鴉が倒されるとは思っていないからか、
桜空「がっ・・・・・!!」
(桜空は両手で腹部を押さえながら床に膝をつく・・・・・
正直、子供の自分に敵う相手ではない、最初からわかっていた・・・・・
だが戦わなければ死ぬ、先生が言っていた、どんなに辛くても生きていればいいことがある、生きなければならない、その意志が、桜空を突き動かしている・・・・・)
>>533
>>534
素鴉
「どうした、もう終わりか?
それなら直ぐに楽にしてやる……」
《ゴオッ》
床に膝を付いた桜空を見て、桜空の攻撃は自分の筋肉の鎧を前に大幅に軽減されるのに対し、自分が繰り出すジャブやフック程度の攻撃でも深刻なダメージを与えると言うことから、パワーと頑強さの違いが浮き彫りとなる。
此処に桜空が辿り着いたと言うことは少なくとも毒鴉を倒せていたと言うことから、何か光るものがあると思いきや、自分に到底及ばないと悟り、下手に苦しめること無く絶命させることが出来るように桜空の頭部に向けて、ボクシングにおける最大の威力を誇る右ストレートを打ち込む事で桜空の脳に深刻なダメージを与えてそのまま昏倒するようにして絶命させようとする……
>>527
(あー……やっぱりな)
案の定、か。
さも当然の権利のように物理無効ですか。
深くため息をつきそうになるが気合いで堪える。
「まあいい、逃げることさえできりゃ何とかな……っとぉ!?」
正面へ向き直った瞬間、飛び込んできた光景に驚く。
「うっ……げえぇ〜、いやもうぶっ飛び過ぎてて語彙力無くすわ」
相手が能力者という点を差し引いてもなお異様な絵面だった。さしもの隆次もひきつった笑顔しかできない。
その直後、紀から提案がくる。
「……わかったよ、けど生き残る自信はあるのかい?」
先程と同じく拒否しようかと考えたが、彼女の強い意思を尊重することにした。
「そぉ〜ら、よっと!」
そして直径2mほどの巨大な鉄球を作り出し、虫の男に向かって勢いよく蹴ることで転がした。
勝手に進んでくれる大盾の出来上がりだ。
「どいて貰うぜぇ、マッチョマン!」
その後を追うように走ることで前方への攻防一体を成す。
いくら男や蝗が大柄といっても、こんな代物は容易に受け止められないだろう。
(さて、なるべく急いでくれよ、旦那……!)
もう少し経てば狼谷達の援軍が到着する筈、それまで何としても粘らなくては。
>>526
>>536
蟲鴉
「ダンゴムシ……ダンゴムシが転がって来る……」
蟲鴉は左右の目をギョロギョロと動かしながら、中川が生成して撃ち出した2mもの鉄球に対し、背後に控えていた八匹もの蝗が飛び掛かり、元の蝗の時点で強靭だった脚が巨大化した事で更に増大した脚力を活かして鉄球を押し返そうとする。
更に、追撃として、鉄球を押し返そうとするだけでなく、仮に押し返せなかった場合も考えて鉄球と天井の間にある1-2mの隙間を三匹の蝗達が飛び越えて二人を喰らおうと襲い掛からせる……
スッ・・・・・
桜空「うるせぇよ・・・・・」
ドゴォッ!!!!!
(桜空は、これを受けたら本当にやばいと直感したのか、急に動きが鋭くなり、相手の右ストレートをギリギリで避けると、そのまま相手の腹部へと全力の一撃をめり込ませる・・・・・
ここまでボロボロになってもまだこんなに戦えるというのは、火事場の馬鹿力、というやつだろうか・・・・・)
>>535
紀「馬鹿も休み休み言っていただきたい、私がこの程度の下等な奴ら相手に死ぬとでも?」
(キッと中川を睨みつけては、自分がこの程度の敵相手に死ぬとでも思っているのかと反論する・・・・・
生き残れるかどうかではない、勝つ、ただそれのみ・・・・・
「貴方の相手は私がしましょう、その虫けら共々文字通り虫の息にして差し上げますよ・・・・・?」
紀は、蝗の猛攻を避けると、そのまま蟲鴉に上記を述べる・・・・・)
>>536、537
>>537、538
「チッ……」
(存外統率が取れてる上に、割と器用な芸当もこなすか)
醜悪な外見に反して、その戦闘スタイルは高いレベルで洗練されていた。
やはり彼もまた、幹部クラスの能力者らしい。
「でも、よぉ!!」
だからといって諦観するような柄ではない。止められた鉄球に両手を当て操作。
鉄球の表面から、海栗(ウニ)よろしく無数のトゲが突き出す。無論、自分には当たらないよう調整してだ。飛び上がってきた個体に対しては、頭上に金属板を形成しその場を凌ぐ。
「悪手だったなぁ、マッチョマン?」
わざわざそちらから密集、それも大半は鉄球に体を押し付けてくれるのだから、手間が省けるというもの。
(これでサクッと終わってくれりゃ、肩の荷が降りるんだがなぁ……)
何故だか、この程度ではまだまだ終わらないという嫌な胸騒ぎを覚えた。そして、経験上この手の予感が外れたことはない。
紀「・・・・・中川、何か小さい物で武器になりそうなものは?」
(紀は、このままでは二人してここでやられてしまうと察したのか、小さくも武器として使えそうな物は持っているかどうかを持っているかどうかを尋ねる・・・・・
ある程度の戦歴がある自分達でも、ここまで苦戦するとなると、もういよいよ追い詰められ始めている・・・・・)
>>539
>>538
素鴉
「少しはまともなパンチを打てるようになったみたいだが……まだまだ力不足だな。」
素鴉は桜空の全力の一撃を受けるものの、強固な腹筋が持つ弾力によってその威力は最初に桜空の放った右ストレートと同じように大幅に軽減されてしまい、大きなダメージにはなっていない……
とは言え、最初のストレートよりも威力が上がっている事わ呟くと、直ぐ様、返しとして左フックを桜空の顎に向けて放ち、それによって桜空の脳を揺らして脳震盪を起こさせてダウンさせようとする。
ほぼ全身を筋肉の鎧に守られている素鴉には並みの打撃は意味を成さない……狙うのならば筋肉を付けることが出来ない箇所でなければまともなダメージを与えられないだろう。
桜空「っぐぅ・・・・・!!!!!」
(桜空は攻撃を避けようとするも、反応が遅れ顎をかするが、それでも軽い脳震盪が起き、地面にひれ伏す・・・・・
立ち上がろうとするものの、体に力が入らずに相手の姿がブレて見え始め、足が痙攣している・・・・・
ゆっくりと立ち上がろうとするものの、なかなか立ち上がれない・・・・・)
>>541
>>538
>>539
蟲鴉
「俺の……俺の友達をよくも……よくも殺ってくれたなァァァァ!!」
《「鋼喰い蟲」》
蟲鴉は鉄球を食い止めようとした蝗達が次々と串刺しにされて絶命していくのを見て、手にしていたカナブンが詰まっている虫籠を落とすと、憤慨し、口を大きく開け、その口内から40cm程の百足を四匹吐き出し、鉄球に向かわせる。
白蟻は消化管にある原生生物を用いることで木材を喰らい自分の栄養に変換しており、蟲鴉が吐き出した百足もまた、その白蟻に近い性質を備えており、鉄をも噛み砕き掘り進む強靭な顎と、鉄をも瞬時に消化し栄養素とする事が出来る。
だが、蟲を生み出すためには他の異能よりも体力の消耗が激しいようで、百足を吐き出した後の蟲鴉は少し息切れを起こしている。
水鴉
「ヒヒヒ……諦めなァ?
"十二鴉"である俺達に挟まれた時点でお前らに勝ち目は無い……」
物理攻撃が通用しない水鴉、任意の性質を備えた蟲を生み出して操れる蟲鴉。その一人一人が強力な異能を持っている。
他の鴉の兵員が増援に来なかったり、南東地区の警備が手薄であるにも関わらず、警備の増強等を行っていないのも、十二鴉が二人もその地区にいるからだったのだろう。
だが、逆にこの二人を倒してしまえばこのアジトにおける防衛戦力の大幅な弱体化と、八咫烏における主要戦力を削り取る事が出来るだろう。
蟲鴉の出て来た部屋の奥には『発電室』と記されたプレートが貼られた扉があり、ここへ上手く誘導し、攻撃させることに成功すれば難敵である水鴉も倒せるかもしれない。
>>542
素鴉
「……それ以上苦しむな。
お前はもう充分に頑張った。それでいいじゃないか。」
素鴉はあくまでもボクシングスタイルを貫くつもりで、軽い脳震盪を引き起こしてしまった桜空を見て、もう立ち上がる必要はない、桜空はまう充分に頑張ったのだからもう生きて苦しむ必要はないと言う……
>>540、543
「小さい武器……これでいいか?」
ステンレス製の出来るだけ鋭いナイフを作り出し、紀の手元に飛ばす。
「制限時間については知ってるな? それまでに状況を好転させるぞ」
「それとも、ナイフはお気に召さないか? ダガー、カランビット、十手、釵(さい)、ソードブレイカーも用意出来るぜ。ご注文はお早めに」
百足を横目で冷静に分析しつつ茶化す。
この苦境にあって尚、軽口を止めない。これが中川隆次という男なのだ。
(……さて、タイミングとしては今が最高かな)
厄介な蝗は半数以下にまで減った、虫の男はそれに激昂し冷静さを失う、補充として出した百足も機動力の面では優れていないようだ。加えて、男は補充を行った反動か既に肩で息をしている。
行動に出るなら、この瞬間をおいて他にない。
「ふんっ!!」
鉄球から手を離すと同時に、両足の裏にスプリング機構のジャンプ台を作り出し、鉄球もろとも虫達を飛び越える。そしてすかさず空中で同じことを行い、虫の男をも飛び越えていった。
「いよっ……と。あっぶねぇ〜、天井に頭ぶつけるとこだったぜ」
無駄のない動作で前転着地、すぐさま立ち上がって発電室へ走り出す。
「じゃあ、また後でな紀ちゃん! 死体になって再開とかは勘弁だぜ!」
今度こそ一時の別れを告げる。願わくば、無傷での生還を。
>>545
蟲鴉
「ダンゴムシの次はバッタかァ?
お前は生きたまま友達のご飯にしてやる。」
【「音速飛蟲」】
理性も知性も無いような言動や風貌をしている事とは裏腹にある程度までなら戦況の分析も出来るようで、天井の高さを活かして飛び上がり、自分達をも飛び越えた中川を見て、今度は口内から40cm程の大きさの蜻蛉を一匹だけ吐き出す。
吐き出された蜻蛉は通常の蜻蛉よりも二枚多い、四枚の羽根を持ち、血のように赤黒い体色をしている。この蜻蛉が備えた性質は『速度』であり、残像が出来る程の圧倒的な飛行速度を持ち、肉を噛み千切れるだけの顎の力を持った蜻蛉となっている。
鉄球を喰い荒らして無力化させる百足と、水鴉に紀の始末を任せ、自分は中川を始末することで各個撃破を行う事を決め、攻撃を仕掛けることを決める。
紀「では試してみましょう・・・・・貴方方野蛮で下劣な下等生物共と私達・・・・・どちらが勝利を得るかを・・・・・」
(十二鴉ということを強調して言う水鴉の言葉を聞けば、ならばその十二鴉と自分達とではこの戦いにおいてどちらが勝利を得ることが出来るか、試してみようと述べる・・・・・
紀は、発電室の存在に気づいていた・・・・・)
>>543
桜空「・・・・・俺は・・・・・生きなきゃいけないんだ・・・・・大切な人との・・・・・約束だから・・・・・」
(素鴉の言葉を聞けば、桜空なりの精一杯の反論をしながら立ち上がろうとするが、体に上手く力が入らない・・・・・
ここで改めて桜空は、自分と相手との戦闘力の違いを思い知る・・・・・
物理攻撃を用いた戦いでは、こんな相手に最初から適うわけがない・・・・・だが、負けるわけにはいかない・・・・・
桜空は、追い詰められていた・・・・・)
>>544
紀「いや、これで上々・・・・・」
(そう言うと、紀は蟲鴉に向けてライフルを向けるようにナイフを遠くから先端を向けて構えると、能力を用いてそのままナイフを蟲鴉の顔面へとめがけて猛スピードで飛ばす・・・・・
小さいものならば、さほど操作しても体力の消耗は抑えられる・・・・・)
>>545、546
>>547
素鴉
「……そうして理想を抱きながら、叶えることが出来ずに倒れた奴らを俺は何人も見てきた……」
素鴉は桜空に対してトドメを刺す前に、必死で立ち上がろうとする桜空を見て、自分が持つ理想を抱いたまま命を落とした者達について語る……桜空の倍を生きる素鴉だからこそ、数多の生死を見届けて来たのだろう……
素鴉
「知っているか?そう言って倒れ、理想を捨てた者が最期に何て言うか……"最初から夢なんか持つんじゃなかった"って言うんだよ……」
素鴉は悲しそうな、虚しそうな、複雑な表情をしながら、夢半ばに倒れた者達の呪詛について話す……その言葉に嘘や偽りは無く、純粋な戦闘能力だけでなく、桜空の理想と信念を真っ向から折ろうとしている……
薫
『ごめん……ね……?
貴方の事を……救えなかった……』
腹部に大穴を開けられ、口から血を流した薫が、ボロボロになった桜空の傍で倒れ、息絶えるその前に……薫は桜空の頬を優しく撫でながら、涙を流して桜空に謝っている……
これは少年院にいた中で一番辛く、悲しい記憶だろう……
神宮に復讐を遂げた桜空だったが……復讐を終えて戻ってきた桜空前に薫が無惨な姿にされてしまっていた……
全てを救おうとした氷華は歪み、悪に等しい存在となり……
全てを助けようとした薫は敗れ、命を落とした……
希望があるから絶望がある。
希望の中から絶望が生まれる。
それならば……絶望しか無い世界には希望は生まれないのだろうか?
>>547
《ドスッ》
紀の撃ち出した弾丸は蟲鴉を撃ち抜く前に、視界を覆う巨大な鉄球を喰らう百足達が開けた穴を覗き込んだ巨大な蝗の頭に命中し、蝗の頭の中で弾丸が食い止められる形で防がれてしまう……
水鴉
「ヒヒヒ……お前の相手は俺だァ……!」
《ズズズズズズズズズズズ……》
遂に中川の作り出した壁を通り抜けることに成功した水鴉がスライムのような体を用いて紀を呑み込み、窒息死させようとする。
物理攻撃を無効化する事が出来ると言うその性質上、並大抵の攻撃では水鴉を捉えることが出来ず、その全ての攻撃が無駄な体力の消耗となってしまうだろう……
蟲鴉と水鴉。
どちらも一筋縄では行かない厄介な異能力者達であり、その実力は未だに未知数だ……
【地上の攻撃部隊】
狼谷
「おかしい……中川が水道管を壊した以上、何らかの混乱が生まれると思っていたが……外部の警備の人数、配置、巡回ルートと、外から見るだけでは何も変化が無い……」
中川が破裂させた水道管を水鴉が逆に利用して現れて二人を追い詰め、分断させた事を外部にいる狼谷は知らないまま、合図である筈の混乱を待っていたものの、一向にそれが見えない事を疑問に感じ始めている。
外部から見ている限りでは、何の騒動も混乱も起こっておらず、まるで全てが"順調"であるかなように、滞り無く警備の交代や巡回が行われており、地下へ部隊が駆け付けたり、移動するような素振りも一切見えていない。
狼谷
「(……まさか十二鴉クラスが二人……いや、二人以上待機しているのか……!?)」
狼谷が事前に入手していた情報では、十二鴉は一人しか駐在しておらず、氷華も途中で東京に向けて移動するため、アジト内の防衛戦力は注意すれば制圧可能なレベルであり、その上で万が一のために潜伏チームを先行させたのだが、
潜伏チームは音信不通となり、あれから暫く待ってみたものの、中川達の引き起こしたであろう妨害行為を受けても何の変化も見えない事に違和感を覚えた狼谷は右手を額に当てて思考し始める。
もし、アジト内に三人以上、八咫烏の十二鴉クラスがいた場合……このまま突入したとしても戦力的に全滅する可能性が高い……桜空の身の安全から救出を優先するあまり、人員を募集する日時を一日だけに絞った弊害がここで出て来てしまっている。
狼谷
「(総攻撃を仕掛けるか……?いや、その場合ボスが脱出していた場合や、中に潜伏チームが捕らえられていた場合、巻き込んでしまう可能性が高い……それにこれが八咫烏側からの罠だった場合……迂闊に攻撃をしかければ逆に全滅のリスクもある……)」
狼谷はこれからどう動くのが正解なのかがわからず、言葉には出さないものの、脳内で数多の試行錯誤を繰り返して正解を……いや、最適解を思案し始める……
今この場で自分が取れる最適解は……
桜空「・・・・・そう・・・・・かもな・・・・・夢なんて、所詮は夢だ・・・・・どんなに努力したって、し尽くしたって、叶わない夢はある・・・・・」
(過去のあの日の惨劇が、桜空の脳裏によぎる・・・・・
一度ならず二度までも・・・・・文字通りこの言葉のように、悪は自分の大切なモノを根こそぎ奪っていった・・・・・
桜空自身も悪なんて死ぬほど大嫌いだった、この世から消えてしまえ、跡形もなく、そう思っていた・・・・・
だが、そんな自分を救ってくれたのも、違う形の悪であり、違う角度から見た正義だった・・・・・
言わば、麻間桜空は悪人になったからこそ、今まで生きてこれたのだ・・・・・)
>>548
紀「なっ・・・・・!?」
ゴボボッ・・・・・
(紀は抵抗する間もなく、水鴉の思うがままに呑み込まれてしまう・・・・・
必死にもがくものの、もがけばもがくほど息が苦しくなるだけであり、ここから脱出するだなんて夢のまた夢である・・・・・
まさに、絶体絶命・・・・・)
>>549
>>551
素鴉
「そうだ……だからお前もこれ以上立ち上がる必要はない。」
やはり、身も心も無垢な子供だ。
揺さぶれば直ぐに移り変わる。
だが、だからこそ今ここで己の信念を捨てて楽になる権利がある。
死と言う終わりによって解放される権利がある。
自分はその権利を認め、行使することを許す存在だ……
素鴉はそう考えつつ、子供を殺害することに強い抵抗があるものの、相手と自分の立場を考えた上で処刑することを選び、今度は全体重を乗せた、必殺の威力を持った右ストレートを桜空に向けて打ち込もうとする……
薫
『硬くぶ厚いコンクリートを突き破って伸びる植物のように、踏まれても踏まれても諦めず、無謀な挑戦と言われても頑張り続けられる人は強い。貴方にはそんな人になって欲しいな。』
命を落とす前、薫と桜空が少年院の中庭にあるベンチで日差しに当たりながら一緒に話している時に薫が溢した、桜空になって欲しい人物像について話す……これは少年院に来たときの全てに恐怖し、全てを拒絶していた桜空を知っている薫だからこそ、こう言ったのだろうか?
だが……同時にこれは薫にとっての理想でもあった。
薫は桜空に、何が起きても自分を曲げず、どんな窮地や絶望へ追い込まれても一つの信念を貫ける、そんな真の意味で強い人物になって欲しい、なりたかった……
今は亡き薫の遺志を……桜空はどう受け止めるか………
>>551
水鴉
「ヒヒヒ……安心しなァ、蟲鴉の野郎が鉄塊野郎を始末してくれる。
お前はちょぉぉぉぉぉっとだけ早く逝くだけだ……」
水鴉は紀を呑み込むと、そのまま口や鼻を介して彼女の気道を通って肺へ侵入しようとする中、直ぐに中川も蟲鴉に始末されると断言し、紀に助けは誰も来ないと示唆し、抵抗する気力を削ごうとする。
水鴉が操れるのは自分を中心とした半径5m圏内の水だけであり、生物の中にある水分は操ることが出来ないものの、肺の中に水を流し込んで溺死させる事は出来る。
水と同化すると言う性質上、電気が最大の弱点であり、通常の人間よりも通電性が高くなると言う欠点を抱えてはいるものの、発電所があるのは二つの扉を抜けた先であり、そこへ行くには蟲鴉の生み出した巨蟲と、蟲鴉の二つを突破しなければならない。
水鴉
「あの餓鬼の言いなりになるのは癪だが……
お前らを潰して手柄にさせてもらうぞ……?」
「最近の若者は大和魂というものを知らないのか」
「この国賊が」
名前/犀賀轍州(さいが てっしゅう)
通り名/愛酷者(誤字ではない)
年齢/42歳
性別 男
役職/その他
政府に嫌悪感をいだき、総理暗殺計画を立てるものの失敗、一度投獄されるが脱獄してICPUから「国際指名手配者」となり現在は山形のとある村で潜伏している。
外国人(おもに中国人、韓国人、朝鮮人、アメリカ人)を自身の能力「抗制」を使って自殺したように見せかけていた(それで自身を執拗に追うものを殺害していた)。
性格/社交的かつ積極的で、明るいが自分の思想に反するもの(共産主義、民主主義など)に対しては横暴な振る舞いを行う。
容姿/普段は身分を隠すため田舎っぽい感じの服を着ているが、犯行時には般若の面を被り、紺色の作業服を着て犯行に及ぶ。
武器としてホームセンターで購入した草刈り鎌と鉄製チェーンを改造したお手性鎖鎌と出刃包丁。
能力/『抗制』
相手(生物のみ)の動きを制御させて、自分の思うままに動かさせる、しかし長ければ長いほど体力を消耗して息切れを起こす。
備考/右利き、8歳の頃に両親が仕事から戻る際に土砂崩れに巻き込まれて死亡し長野の片田舎に住む叔父に引き取られる、18歳のときに武士道精神に感激し、そこから日韓関係や日本の歴史に興味を持つ、しかしその思考はエスカレートしていき、26歳の頃に国主党の党員を殺害しようとして殺人未遂の疑いで逮捕される。
>>554
【キャラシート確認しました!
紀さんのキャラシを確認した際にも聞いていたのですが、具体的にどれだけ操れる感じですか?
相手の心臓を強制的に止めたり、相手の異能も操れるレベルだと、無双キャラになってしまうかもしれないですね。】
>>555
表面的な動きに限っています(相手の異能は動かせない、臓器等は原則動かすことは不可能)
ドゴォオオッ!!!!!
(素鴉の一撃が、桜空に直撃・・・・・したのではなく、床に直撃し、あまりの勢いに床を凹ませる・・・・・
確かに桜空は軽く脳震盪を起こし、まともに動けなかったはずだ、それにここでは能力も封じられている、もし使えたとしてもゲートが開いていなかったことから、いずれにしても能力を使ったとも考えられない・・・・・)
ドガッ・・・・・!
桜空「悪いが、俺はまだくたばるわけにはいかねぇんだよ・・・・・」
(桜空の踵落としが、相手の後頭部へと直撃する・・・・・
攻撃を受ける場所の問題以前に、桜空の繰り出す攻撃の威力、そして桜空の身体の移動速度ががさっきよりも格段と跳ね上がっているのがわかる・・・・・
かつて恩師が委ねてくれた理想を、桜空は貫き通す時が来たのだと実感する・・・・・)
>>552
紀《そ・・・・・んな・・・・・こんなところ・・・・・で・・・・・》
がぼっ・・・・・
紀「・・・・・」
(紀の動きが止まる・・・・・
つい数秒前まで必死にもがいていたのが嘘だったかのように、ピクリとも動かない・・・・・
命が尽きたのか、それとも・・・・・)
>>553
>>556
【それならOKですよ!】
>>557(桜空)
素鴉
「…………!!」
もはや相手も心が折れたと思っていた矢先、急激に気力を取り戻し、一瞬にして姿が消えたと思いきや、背後から風を切る音が聞こえ、その次の瞬間、強い衝撃が走り、今度は素鴉が片膝を付く事になる。
素鴉
「ようやく本気を出し始めたと言うことか……
いいだろう、お前の貫き通したい信念があると言うのなら……俺を倒してそれを証明してみせろ!!」
一瞬で死角へ入り込み、自分の背後へ回り込んで、親子ほどもある自分との身長差を脚力で埋め、後頭部へ踵落としを行った事から桜空の身体能力の高さを認める。これで、桜空の体格があと10cm大きければ自分を倒すことも出来ていただろう。
子供を相手に本気になるのは大人げないが……
相手が自分の命を燃やしてでも戦うつもりならば、相手を子供と見なすのは侮辱になる。相手が死力を尽くして戦うのならば、此方も先程までのような情けを捨てることにする。
素鴉は両腕を構えてボクシングのファイトポーズを取り、床を蹴って左腕拳で桜空の右腹部、右顔側面に向けて高速でジャブを放ち、側面から打撃を行おうとする。
>>557(紀)
水鴉
「ヒヒヒ……溺死させるには心配停止から10分がかかる。
このまま10分かけて完全に仕留めてやるぞォ……?」
水鴉はこれまで数多の犯罪者達を葬って来た経験から、人間は心配停止してから3分間、応急救護を行わなければ50%の確率で死亡し、10分行わなければ生存は絶望的になると言うことを知っており、意識を失ってから10分はこのまま捕らえておこうと考える。
仮に脱出したとしても、外には鉄球を乗り越えて来た巨大な蝗の群れと、鉄をも噛み砕く百足が待ち構えており、どの道生存することは困難だと思われる……
ヒュッ・・・・・!
桜空「あぁ、してやるよ・・・・・」
ドガッ!!!!!
(桜空は、素鴉の攻撃を避けるのとに成功すると、そのまま相手の下顎へとさっきのお返しと言わんばかりに強い蹴りを入れる・・・・・
そしてそのまま、続けて相手の頭頂部へと肘鉄を入れる・・・・・)
>>559
紀「・・・・・」
ズズッ・・・・・
(水鴉の体が、突然水鴉自身の意思に関係なく動き始める・・・・・
つまり、紀が能力で水鴉の体を動かしているものと思われる、ギリギリ意識を保っているのだろう・・・・・
だが、かなりゆっくりであり、いずれにしても脅威ではないほどである・・・・・)
>>559
>>560(桜空)
素鴉
「どうした、まだまだ軽いぞ……!!」
桜空が繰り返した顎を狙った蹴りだが、顔の近くに構えていた右腕によってその蹴りをガードしつつ、放った二発のジャブが桜空の顔の右側面と右腹部に直撃してダメージを重ねていく。
素鴉は筋肉の鎧を持っている事から圧倒的な防御力を持っているのに対し、桜空からの攻撃でダメージになる箇所は限られており、非常に不利な状況での戦いとなっている……
素鴉にとっては速度に特化したジャブだが、それでも素鴉の腕力から来る一撃はその全てがまともに受ければかなりのダメージを与えるだろう。
>>557(紀)
水鴉
「なんだ……?まだ意識があるみたいだな……!!」
自分の意思に反して、スライムのような自分の体の一部が動き始めていることに対して驚くものの、切り裂かれた水道管から流れる水が異能の支配範囲に入った瞬間に新たに自分の一部として取り込む事で補填している。
だが自分は水と言う流動体であり、固体ではないことから、多少は動きを変えられはするが、その全てを操ろうとすれば異能の性質上、ただ操るのではなく、相手の異能にまで干渉する必要があることから、かなりの負担を強いる事になるだろう。
呼吸を止められ、気道に侵入されつつ、まだ意識が残っている紀に対して、更に多くの水を肺へ流し込もうとし始める。
【山形/高速道路】
深夜1時の高速道路を一台の緑色の軽ワゴンが駆け走る
「今日で鴫野(しぎの)総理暗殺未遂事件から15年が経ちます、現在もICPOから国際指名手配されている「犀賀轍州」は現在何処へ…」
ピッ、男はカーオーディオのチャンネルを変えた
「警察は怠慢野郎ばかり、八咫烏共は酔狂なやつばかりだ、ハハハハハハ…」
男はそう独り言を言うと高笑いを上げた。そう、彼こそ犀賀だ。
【山形/高速道路】
深夜1時の高速道路を一台の緑色の軽ワゴンが駆け走る
「今日で鴫野(しぎの)総理暗殺未遂事件から15年が経ちます、現在もICPOから国際指名手配されている「犀賀轍州」は現在何処へ…」
ピッ、男はカーオーディオのチャンネルを変えた
「警察は怠慢ばかり、八咫烏共は酔狂なやつばかりだ、ハハハハハハ…」
男はそう独り言を言うと高笑いを上げた。そう、彼こそ犀賀だ。
>>563 ?おかしいなあ
565:中川 隆次:2021/12/20(月) 22:39 >>546
「なっ!? ぐあああっ!!」
一心不乱に発電室へ走っていたため不意討ちに対応できず、攻撃を許してしまう。すんでのところで気付いて腕をかざしたが、コートの布地を容易に食い破り、ほぼ一瞬で素肌に食らいついている。
「う、ぐ……こい、つ……!!」
どんなに腕を激しく振り回しても離れない。やむを得ずナイフで対抗。
頭部に突き立てることで何とか返り討ちにできたが。払った代償は大きい。
「あぁー……くそっ、やっちまった」
傷口から命の赤が滴り落ちる。まだ腕は動かせるが、同じ箇所に攻撃を受ければその限りではないだろう。
後方に気を払いつつ発電室へ走り続ける。
>>565
蟲鴉
「餌……餌……餌……!!!」
蟲鴉は口を大きく開けて更に新しい巨蟲を吐き出そうとしている上に、蟲鴉の放った四枚羽根の蜻蛉は再び中川に向かって高速で飛行し、彼の右肩を喰い千切ろうと迫る……
《ゴゴゴゴゴゴゴ……》
蟲鴉
「…………!!?」
幾つもの爆発音と共に地響きが鳴り始め、パラパラと天井から小さな土埃が落ちて来ると蟲鴉は巨蟲の生成を中断する。
満を持して狼谷が率いる地上の攻撃部隊が総攻撃を開始したのだが、その事を知らず、中川と紀が最後の攻撃部隊だと思っていた蟲鴉は驚き、周囲を見渡し、中川への追撃が出来なくなっており、
高速で迫る蜻蛉の一撃を凌げば、発電室に入るまでのチャンスが生まれるだろう。
>>566
「あ〜っ、痛ぅ〜」
傷口を押さえながら走る。さほど深くはないが、やはり痛いものは痛い。
「けど、まだまだやれるぜ……ぐうぅうおおぉおお!!」
能力で針金を作り、傷口を縫い付けていく。その際の痛みは全て気迫で堪えた。
「!」
またも差し向けられる羽虫の鋭牙。しかし隆次の目に恐れの色はない。
もう動きは見切った。銃弾クラスの速度でないなら一度見れば十分だ。そして、この揺れは恐らく狼谷の総攻撃が始まった合図だろう。
蜻蛉に対し向き直るようなことはせず視線だけを注ぐ。
「同じ手を、食うかよ……!」
並足を揃えて膝で軽くしゃがみ、背中での強烈な体当たりを繰り出す。
鉄山靠(テツザンコウ)
八極拳の技の一つ。正式名称は貼山靠(テンザンコウ)
本来の使い方とは違うが、広く応用を利かせられるのが武術の利点だ。
再びかぶりつこうと考えていたであろう蜻蛉に、痛烈なカウンターが迫る。
>>567
人喰い蜻蛉
「ギッ……!!」
しゃがんで回避する動作に乗せて返す刃として中川の放った鉄山靠が人喰い蜻蛉に直撃し、小さな金切り声が出て、ダメージを与えることに成功する。
だが……相手は空中に浮遊している上に、全ての飛行虫に共通することだが、飛行に特化するためにその体は大きさに反して軽量化されている事も合わさり、放たれた衝撃や勢いも空中にて無数に分散されてしまった事で致命傷には至らない。
分散しきれなかった衝撃と勢いによって天井に叩き付けられるものの、致命傷には至らず、三度目の突進を仕掛けようとする。
蟲鴉
「蟻の群れが………!!!
もういい……虫ケラの相手は終わりだ、最強の友達で全員喰い散らす。」
《メキメキメキメキメキメキメ……》
人喰い蜻蛉の金切り声を聞いた瞬間、
蟲鴉は大きく口を開け、新たな蟲を生み出すために集中し始める。
この場にいる中川と外にいる紀や桜空、狼谷の攻撃部隊の全員をまとめて葬るために最大最強の蟲を生み落とし、これで一気に決着を付けようと考え、
>>567
人喰い蜻蛉
「ギッ……!!」
しゃがんで回避する動作に乗せて返す刃として中川の放った鉄山靠が人喰い蜻蛉に直撃し、小さな金切り声が出て、ダメージを与えることに成功する。
だが……相手は空中に浮遊している上に、全ての飛行虫に共通することだが、飛行に特化するためにその体は大きさに反して軽量化されている事も合わさり、放たれた衝撃や勢いも空中にて無数に分散されてしまった事で致命傷には至らない。
分散しきれなかった衝撃と勢いによって天井に叩き付けられるものの、致命傷には至らず、即座に体勢を整え、彼の頭上から三度目の突進を仕掛けようとする。
蟲鴉
「蟻の群れが………!!!
もういい……虫ケラの相手は終わりだ、最強の友達で全員喰い散らす。」
《メキメキメキメキメキメキメ……》
人喰い蜻蛉の金切り声を聞いた事で我に変えると、この場にいる中川と外にいる紀や桜空、狼谷の攻撃部隊の全員をまとめて葬るために最大最強の蟲を生み落とし、これで一気に決着を付けようと考え、大きく口を開けて新たな蟲を生み出すために集中し始める。
次に蟲鴉が生み出すのが蟲鴉の最大にして最強の蟲。
生み出すためには少し時間がかかり、巨大蝗による守りも無いものの、生み出すまでの時間稼ぎは人喰い蜻蛉がしてくれるだろう。
中川の直ぐ前には発電室の扉があるのだが、蟲鴉はその危険性や驚異に気付いていない。
桜空「ぐっ・・・・・!!!!!」
ゴガッ・・・・・!
(桜空は腕でなんとかガードして素鴉の攻撃を防ぎ切るものの、防いだことで腕にかなりのダメージがいく・・・・・
が、負けじと相手の顔面へと蹴りを入れ、なんとかダメージを与え用と奮闘する・・・・・
素鴉同様、桜空も絶対に負けられない・・・・・
負けたら、先生の意思を否定することになる、そんな気がした・・・・・)
>>561
ゴポッ・・・・・
紀「・・・・・」
(今までの人生が、走馬灯のように見え始める・・・・・
考えたみれば、自分はそんなに悪いことをしてきた人間だろうか・・・・・こんな仕打ちをされるほど、他人に酷いことをしてきただろうか・・・・・
生きていく上で自分が有利な状況に立てるよう、常に考えてきただけだ、どんな人間にだって共通することのはずだ・・・・・
ただただ、ここで自分は終わるのかという無念だけが募ってゆく・・・・・)
>>561
>>570(桜空)
素鴉
「…………!!」
すかさず素鴉に向けて拳を振るおうとした最中、狼谷達によるアジトへの総攻撃が始まる。
それも、素鴉と桜空のいる場所は攻撃開始地点の直ぐ近くだったからか、大きな揺れが起こり、攻撃しようとしていた素鴉は体勢を大きく崩れる。
奇しくも反撃するための大きな隙が生じる。
勝負を決めるのなら今しかない、次の一撃で素鴉を仕留めることが出来なければ体勢を立て直した素鴉を倒すことは困難になってしまうだろう。
>>570(桜空)
※追記版
素鴉
「…………!!」
桜空の繰り出した蹴りを引き戻した右腕によってガードしつつ、蹴り後に生じる隙を突く形で素鴉に向けて左フックを彼の右腹部へ打ち込もうとした最中、狼谷達によるアジトへの総攻撃が始まる。
それも、素鴉と桜空のいる場所は攻撃開始地点の直ぐ近くだったからか、中川と紀の戦っている場所よりも遥かに大きな揺れが起こり、攻撃しようとしていた素鴉の体勢が大きく崩れる。
奇しくも反撃するための大きな隙が生じる。
勝負を決めるのなら今しかない、次の一撃で素鴉を仕留めることが出来なければ体勢を立て直した素鴉を倒すことは困難になってしまうだろう。
桜空「っ・・・・・!?」
(唐突に起きた想定外の大きな揺れに、桜空も思わず驚きと困惑を隠せない表情をするものの、すぐさまファーストによる八咫烏への総攻撃により発生したものだということを直感で悟ると、桜空はこの隙を無駄にするものかと言わんばかりに・・・・・
「これで・・・・・終わりだっ・・・・・!!!!!」
右拳に全身全霊の全力を込め、素鴉の顔面へと叩き込む・・・・・
今までとは比にならない威力のパンチは、顔面だけじゃなく、脳へも相当な衝撃を与えるほどであり、それを体勢を大きく崩した状態で受けたのならば尚のこと立っているのは愚か、一度倒れればしばらくの間は立ち直すことすら困難を極めるだろう・・・・・)
>>572
>>573
素鴉
「!!!」
《ゴッ》
全身全霊の右ストレートが繰り出されるのを見て、少し微笑むと、桜空の拳に対して頭突きをするようにして額で桜空の一撃を受けると、そのまま大きく床に倒れる。
素鴉が負けるとは思っていなかったからなのか、周囲を取り囲んでいた素鴉の部下の完全武装した鴉達はどよめき、混乱し、狼狽え始めてしまう。
体格的にも筋力的にも経験的にも圧倒的に素鴉が勝っていた……
だが、素鴉は最初から勝つつもりはなく、桜空の意思や覚悟を試しつつ、タイミングを見て倒されようとしていたかのようでもあった……
>>569
「浅い……っ!? いや、『通し』にくいか!」
鉄山靠の手応えが薄いことに驚き、これでは有効打にならないと直感で理解する。
蜻蛉は懲りずに頭上から突っ込む。
相手の特性は大方わかった。圧倒的なスピードを生み出す為、体重などが犠牲になっているのだ。
「そんなら……よっ!」
頭上に手をかざし、捕獲用の大型網を形成。無論金属製だ。そしてそれを、壁などを伝う形で蜻蛉を広く包囲し、捕らえようと動かす。
高速飛行に特化しているのなら、多少無理矢理にでも捕獲してしまえばいい。あの蜻蛉には踏ん張りを利かせる重量も、一瞬で四肢を噛み千切るパワーもない。
「へへっ、じきに俺らの援軍が来るぜ。袋のネズミになるのは、お前さん達さ……そらっ!」
空いている片腕を使い、虫の男の顔面へ指弾でパチンコ玉を飛ばす。
虫の男が何やら大きな仕込みをするつもりなのは何となく察せる。そしてそれを簡単に許す隆次ではない。
>>575
《ゴッ》
中川の予想通り、速度に特化した分、パワーに劣っており、ジタバタと羽根や脚を動き回して脱出しようともがくものの、大型網に捕らわれ、追撃や反撃はおろか、自由に移動することさえ出来なくなっている。
蟲鴉の顔に向けて放たれたパチンコ玉だが、蟲鴉が吐き出す際に嗚咽により体が動いていた事もあり、蟲鴉の口内にある蟲に当たると、パチンコ玉が砕け散るが、その激突の衝撃によって蟲鴉が床へ倒れる。
《「破壊戦甲蟲」》
蟲鴉
「ぐ……もう……友達を呼び出せない……が………これで充分…………」
倒れた蟲鴉の口内からは幅だけで10m、長さに至ってはそのあまりのサイズに広間に収まらず、壁を破壊し、発電室に繋がる扉の傍の壁を破壊して頭部が現れると言ったように、どれだけ小さく見積もっても60mを優に超える圧倒的な巨大な蜈蚣が生み出されてしまう。
更に、先ほどの激突したパチンコ玉を砕いた事から、その外骨格も鋼鉄と同等か、それ以上もあると言うように、尋常ではない戦闘力を持っていることがわかる……
もし、こんなものが地上に出てしまえば、狼谷の攻撃部隊に甚大な被害が出てしまうだろう……
幸いにもこの蜈蚣を生み出した事で蟲鴉は全ての体力を使いきり、意識を失っている。
桜空「はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・」
(桜空は息を切らしながら、床に座り込む・・・・・
正直、ここまで戦えるとは自分でも意外だった、戦うことを諦めるつもりはなかったが、ここまで戦い通せたのは、やはり自分の意思の強さなのだろうかと、自分の拳を見つめながら思う・・・・・)
>>574
>>576
「おいおいおいおい……」
First武闘派としてどころか、これまでの人生でも前代未聞の事態に戦慄する。
「怪獣映画じゃねえんだぞ、ちくしょう」
苦笑いで毒づきながら立ち止まり、両手にナイフを3、4本づつ形成。そしてばら蒔くように投げつける。
「よっ! ほっ!」
再び形成、投擲。それを何度も繰り返す。
(あいつはもう伸びてる……ってことは、とりあえずは打ち止めか)
唯一救いがあるとすれば、そこだろう。
少しだけ胸を撫で下ろしつつ、狼谷に通信を入れる。
「狼谷の旦那! 十二鴉の一人がとんでもねえ蜈蚣のデカブツを、能力で作りやがった! もしそっちに行ったら部隊が全滅しないように注意してくれ!」
>>577
素鴉
「エイト……ナイン………テン。」
桜空の渾身の一撃を受けて倒れた素鴉だったが、目を瞑ったまま、自分でテンカウントを行い、カウントダウンを負えると、額を抑えながらゆっくりと上体を起こす。
その様子から、まだまだかなりの余力を残していることがわかり、安堵した完全武装した鴉達が一斉に桜空に向けて銃を構え、トリガーに指をかけて集中砲火を行おうとしたものの……それを素鴉は「つまらねぇ事をするんじゃねぇ」と一喝して阻止する。
素鴉
「痛たた……お前の勝ちだ。
拳を通してお前が殺人衝動や破壊衝動にかられ、私利私欲のままに戦う悪党じゃないって事がわかった……だからなのかは知らないが……こうして土を付けられたが悔しくないな。」
素鴉は最初から桜空の殺害に気乗りしなかった事もあり、戦いの中で敢えて桜空の攻撃を避けずに受けていた……そして、素鴉はその身をもって桜空の闘志と覚悟を知り、桜空が生きる事と、自分の敗北を認めた。
素鴉
「………餞別だ、コイツを持って行け。
今のお前にはコイツがあった方がいいだろ?」
素鴉は自分の右腕の鉄甲を外し、それを桜空に向けて投げ渡そうとする。
その鉄甲は触れた異能による作用や干渉を打ち消す対異能力者用の防具なのだが、空間移動を封じられたアジトの中であれば、桜空の身を守る最高の防具となってくれるだろう。
自分の立場を省みずに桜空の味方をするその姿は狼谷とも重なって見えると思われる……
>>578
狼谷
『あァ!?なんだ、今此方は手一杯で忙し……
……って、蜈蚣のデカブツだと!?』
アジトに乗り込んだものの、桜空の相手を素鴉の小隊が、紀と中川の二人に水鴉と蟲鴉と言うように、十二鴉を集中運用しているからか、空いた通常戦力が集結しており、銃弾が飛び交う戦場となっており、とても加勢に向かえるような状態ではない。
そんな中で中川の言葉の中にあった"蜈蚣のデカブツ"と聞くと、様子が一変し、無線機を介して幾つもの爆発音や銃声、敵味方の怒声や怒号に負けじと助言を言う。
狼谷
『こっちの事はいい!それよりもソイツは一匹で武装勢力を丸ごと殲滅する力を持つ化物で、蟲野郎の切り札だ!まともに戦うな!!』
《ドガガガガガガガガガガガガガガッ》
狼谷がまともに戦っても勝ち目が無いと言うのと同時に巨大な蜈蚣もまた動き始め、周囲の通路を突き破り、通路の先にある岩盤や岩石をも容易く砕きながら縦横無尽に動き回る……
巨大蜈蚣には敵味方の区別が無いのか、理性や知性と言うものを備えていないのか、破壊した通路や部屋の先にいた鴉や、中川が捕らえた蜻蛉を捕獲網ごとバラバラに破壊していく。
>>570
水鴉
「…………!!?
おいおいおいおい……アイツ……こんなところでこんなもんを出すなよ……!!」
《ガラガラガラガラガラ……》
紀を溺死させるようとしていた水鴉の近く轟音と共に巨大蜈蚣の尾が現れ、咄嗟に避けた水鴉の背後にあった中川が作った壁を一撃で叩き割り破壊してしまう……
蟲鴉が残した巨大な蝗が鉄球の残骸もろとも一瞬にして叩き潰され、蜈蚣に反撃しようと、四匹の鉄喰い蟲が巨大蜈蚣の無数の脚に噛み付くものの、傷一つ付けることが出来ずに踏み潰される。
敵味方関係なしで暴れ回る巨大蜈蚣は水鴉にとってもあまり有難い存在では無く、明らかに苛立ちを感じている。
桜空「・・・・・さっきまでと違って、随分気前がいいじゃないか・・・・・」
(右腕の鉄甲を受け取ると、随分気前がいいと言いながら装着する・・・・・
桜空自身も、戦っている時から薄々感じていた、今目の前にいる男は、どことなく狼谷と似ている部分があると・・・・・
そして、相手がまだまだ余裕そうなのを見ると、自分としては全力を出したつもりだったのだが、やはり相手の方がまだまだ実力は上だと思い知らされ、最初からやはり勝てるはずはなかったのだということを悟る・・・・・)
>>579
>>580
(クソ、やっぱこんなのじゃ蚊ほども効かねえか……)
虚しく弾かれた大量のナイフを観察し、力量差を推し測る。
「OK旦那、たった今それを痛感したとこだ」
一時撤退を促す旨の返答を聞き、なるほどと納得する。
『武装勢力を丸ごと殲滅する』『切り札』
具体的な戦闘力と立ち位置がわかっただけでも儲けものだ。この場合、これ以上強力な蟲は出てこない、どころかそもそも存在しない。そしてこちらへの対抗手段も尽きた。加えて、こちらとしてはひたすら逃げに徹すればいい戦闘力であることが判明した。
(よぉーし、方針は明確化した。あとは)
行動に移すのみ。
先ずは蜈蚣からの攻撃を回避、及び発電室への侵入を優先。蜈蚣の排除はほぼ不可能、攻撃はせず消耗を避ける。
「もう1つ」
虫の男を忘れてはならない。今彼は気を失い完全に無防備な状態にある。今後蜈蚣に悩まされない為にも、ここで始末しておくべきだ。
パチンコ玉の指弾で再び頭部を狙う。動作やリソースが極めて小さく済むこの技なら、蜈蚣の攻撃を掻い潜りながらでも十分使う余裕がある。
>>582(桜空)
素鴉
「軽口を言えるだけの余裕があるんなら心配はいらないな?
ほら、俺の気が変わる前に行け。」
素鴉は桜空からの渾身の一撃を受けた額を擦りながら、まだ軽口を言えるだけの余裕があることを確認すると、自分の気が変わる前に進めと応える。
桜空「言われなくても、そうするさ・・・・・」
(そう言うと、そのまま立ち去ろうとするが、一度振り返って「・・・・・サンキューな」と言うと、今度は小走りで去ってゆく・・・・・
さっきの大きな揺れからして、かなり大規模な戦いが繰り広げられているのは間違いないだろうと判断し、加勢しようと考えている・・・・・)
>>584
>>583
《ガッ》
不殺を信条とするfirstの理念や、発電室に入るまでの隙を捨ててまで蟲鴉に向けて撃ち込んだパチンコ玉だったものの、部屋を埋め尽くすような巨体である上に、不規則に蠢いている巨大蜈蚣の体に阻まれ、撃ち出されたパチンコ玉は最初と同様に重厚な外骨格に激突し、砕け散ってしまう。
巨大蜈蚣
『ギイィィィィィィィ…!!!』
更に悪い事に、術者である蟲鴉へ攻撃したと言うことを察知した巨大蜈蚣は攻撃を放った中川に狙いを定め、通常の蜈蚣には無い、無数の剣のような牙がズラリと環状に並んだ口と、建物を容易く倒壊させる強靭な顎を持って中川を呑み込み、噛み砕こうと襲い掛かる……
桜空「得体の知れねぇ音がする・・・・・こっちか・・・・・!」
(桜空は戦いの音が段々と近づいてくるのを感じると、急いで戦場へと向かう・・・・・
そして、巨大な蜈蚣の姿が見えると、あまりにも衝撃的かつ気持ちの悪い光景に、思わず足が止まってしまう・・・・・
が、中川の危機に気がつくと、一か八か自分を能力で蜈蚣の顔まで移動させ、ドゴッとパンチをおみまいする・・・・・
どうやら、ここなら能力は使えるようだと知ると、桜空はこの怪物をどう倒すか頭をフル回転させ始める・・・・・)
>>586
【東京/HASEBAモール前】
午前9時39分
犀賀は車をこのショッピングモールの駐車場に止めた、そして助手席に置いてあるリュックサックを背負い、ショッピングモールの中へ入った。
午前10時43分
犀賀はゲームセンターで「首領蜂」のゲームで遊んでいた、ラスボスを倒し2周目を攻略したばかりだった、しかし犀賀の目的はこれではない、彼がこのショッピングモールに来たのは自身の思想に反する「民主主義者」である政治活動家「槇原清二(まきはらせいじ)」を消しに来たのだ、槇原はこのショッピングモールで演説運動を行うと云っていた、それを切り目に犀賀は彼の暗殺計画を立てたのだ。
犀賀は防犯カメラの死角を見計らってスタッフルームに侵入した、堂々と入ったがこれは愚かな行為ではない、計画のひとつなのだ。
「ちょっと、お客さんここは立ち入りき...」スタッフの女が注意してきたがお構いなし、犀賀は思いっ切り鳩尾に拳を入れて気絶させてリュックサックに入っていたガムテープとロープで彼女を縛った。
「もう終わりか」犀賀は女を倉庫の中に入れた。
>>586
「っと、いっけねえ! また大将にどやされるとこだったぜ」
はっと我に返り、自省する。不殺を掲げるFirstにおいてこんな行為はご法度だ。
隆次は思想面であの氷華と通ずる部分もあり、度々殺人を犯しかけては桜空に大目玉を食らっている。
「お叱りから助けてくれてありがとよ、デカブツ」
皮肉混じりの感謝を述べ、再び逃走に戻る。
(けど、ホントにいいのか大将? ああいう奴まで助けるなんてのは、信念じゃなくて無節操だぜ)
胸中に靄(もや)を残しながらも、動きに淀みはない。
目の前の空間に、斜め向きのジャンプ台を形成。先程以上に大型で強力なものだ。そして迷うことなくドロップキックの要領で踏み込み、飛び上がった。
発電室までの距離が一瞬で縮んでいく。
攻撃を一切考慮せず撤退だけに注力したからこそ出来たことだ。
(この状況、存外悪くないかもしれないな……少なくとも、今は旦那達が攻められる心配はない)
まだ隆次は、桜空本人が近くにいることに気付いていない……
>>590
《ドゴオォォォォォォォォォォォッ》
巨大ムカデは中川の生成したジャンプ台も破壊し、乗用車並みの速度で通路を埋め突くするような巨体を蠢かせて迫り続ける……
巨大ムカデが行うのは突進し、進行方向にある全てを破壊する事。
単純だが、圧倒的な巨体を誇る巨大ムカデがそれをやれば、左右や上空へ逃れる事が出来ず、先に進み続ける事しか出来ない、災厄そのものとなる。
ムカデの攻撃の矛先は中川一人であるのだが、少し動くだけで通路が崩壊し、触れるモノを全て叩き潰している事から周囲へもその被害が及んでしまっている。
更に……発電室の入口は合金で中川の異能の対象外である人工の特殊合金で出来ており、ロックされてしまっている事からこれ以上逃げるのは困難だろう……
>>桜空
桜空が素鴉から受け取った鉄甲は異能による影響や干渉を打ち消すモノであり、これを使えば異能で形成された巨大ムカデにもダメージを与えられるかもしれない。
だが、ただ殴っただけではそのダメージも微々たるものであり、失敗すれば動く破壊兵器である巨大ムカデの逆鱗に触れ、全員まとめて圧し潰されてしまうだろう……
大きすぎる反撃のリスクを取って挑むか……
中川達を見捨てて逃げる事を選ぶか……
どちらの道を選んだとしても、相応のリスクを背負うことになってしまうだろう。
桜空《いいか?中川・・・・・どんな奴でも命は命だ、〇してはい終わりってやってたら、ただの悪人と何ら変わらねぇ・・・・・》
(中川の脳裏に、桜空のかつての忠告がよぎる・・・・・
桜空はどんな命も平等に扱う、だからこそ蚊やハエなどを潰している場面も見ないし、肉を食べる場面においては合掌をした後に合掌とは別にいただきますをするなど、どんな命であっても平等に扱うし、命への弔いの気持ちはいつでも忘れない・・・・・)
>>590
桜空「・・・・・」
(桜空は迷った、仲間達を置いて逃げる、などという選択は最初から無い、だがこの巨大蜈蚣を相手に戦うということは、どんな戦い方であってもどの道仲間を巻き込んでしまうことへと繋がり、最悪の場合死者が出る・・・・・
・・・・・が、何も出来ずに仲間を殺されるくらいなら、やるだけのことはやってから、自分も含め全滅の方がまだ後味は悪くない、そう考えた桜空は・・・・・)
桜空「おらおらどうした化け物ぉ!!!!!てめぇの相手はこっちだぁっ!!!!!」
ドゴッ!!!!!
(巨大蜈蚣の体に、渾身の一撃を入れる・・・・・)
>>592
>>593
巨大ムカデ
『ギギギギギ……ギギギギィッ……!!!』
《ドゴオォォォォォォォォォォォッ》
あまりにも巨大で、動く竜巻のようなムカデに対しても怯むこと無く繰り出された拳はムカデのぶ厚い外骨格に大きなクレーターを作り、外骨格の至るところに亀裂が生じ、その巨体が大きく吹き飛び、コンクリートの壁を破壊して外の岩盤に半身が埋まる。
桜空が素鴉から貰った鉄甲による対異能の効果により、桜空の渾身の一撃が何倍にも威力が増大され、ダメージを与える事が出来た。
しかし、大きなダメージを与えることに成功したものの、その巨体が持つ体力、生命力、再生力はかなりのものであり、破壊された外骨格が早くも再生し始めてしまう……
攻撃を畳み掛けるならチャンスは今しかない。
複数の箇所を同時に攻撃できるような技や力があれば、このままトドメを刺すことも可能だろう。
>>591、593、594
(悪人と同じになる、か)
その程度で済むなら喜んで殺そう。
悪人を懲らしめてはい終わりってやってたら、犯罪行為の再発を誘発してしまう。信じる信じないの問題ではない。再発の可能性が残っているという点が重要なのだ。どれほどきつく言い聞かせても、またやる奴はやるのだ。その時被害を被った人達にどう弁明するつもりなのか。
世の中は桜空一人が生きているわけではない。彼一人自己満足に浸ったところで、悪人による被害がなくなることはないのだ。
(悪人を見つけ次第ぜ〜んぶ警察に突き出すか、大将自身が再発時の被害全てを賠償してくれるんなら話は別だけどな)
そこまで突き抜けた覚悟を示せるならば、彼の言葉に従い己の行動を本気で鑑みてもいい。
「おおっと! あんま感傷に浸ってる場合でもねえな! てか本人いた!」
眼前には堅牢極まりない扉。能力で操作しようとしても1mmも動かせない。後方には蜈蚣怪獣。その外骨格はこちらの攻撃では傷一つつけられない。
万事休すか。
「!?」
その時だった。なんと桜空が拳打で蜈蚣を損傷させたのだ。
「た、大将……あんたいつの間にそんな戦闘民族みたいになっちゃったの……」
あまりの事態に、ロクなリアクションがとれない。
「っと、再生能力持ちかよ」
目ざとく蜈蚣の様子に気付く。無惨に砕かれた外骨格だが、既に治癒が始まっている。
「気になることはあるが、今はこいつをぶちのめすのが先決だな」
傷口の箇所に駆け寄り、掌に砂利を握り締める。
「っ……でりゃああああ!!!」
そして流れるような動きのピッチングフォームで、砂利を投げ付けた。
無論ただ投げたわけではない。指弾の時と同じように、能力で砂利の一つ一つを加速させ、ショットガンと同等の威力と範囲を持たせた。
桜空「こまけぇ話は後だ!!!!!一気に畳み掛けんぞ!!!!!」
ドゴッ!!!!!ボゴッ!!!!!
(桜空は中川に細かい話は後にして今は目の前の敵への総攻撃に集中するように忠告する・・・・・
中川が攻撃をするのとほぼ同じタイミングで、桜空も先程同様に渾身の一撃を二発入れる・・・・・
一回の攻撃であそこまでダメージを与えることが出来たのならば、二回の攻撃と中川の攻撃を同時に受けたのなら、かなり追い詰めることが出来るはずだ・・・・・)
>>594、595
>>595
>>596
巨大ムカデ
『ギィィィィィィィィィィィィィッ!!!!』
中川の放ったショットガンと同等の威力の砂利と、桜空からの連撃を外骨格の亀裂や破損箇所に直撃した事で巨大ムカデが深刻なダメージを受けていく……
そんな中で巨大ムカデは顎をガチガチと鳴らしながら、二人を道連れにしようとするかのように無差別にのたうち回り、周囲の壁や床を破壊して暴れ回りながらも、その体は少しずつ塵となって崩れ始める。
水鴉
「嘘だろ……たった二人だけで……あの巨大蜈蜙を………!?」
武装組織を丸ごと殲滅出来るだけの力を持ったムカデが、中川と桜空の二人を前に追い込まれ、消滅し始めているのを見た水鴉は自分の戦闘力では勝つことが出来ないと悟り始める。
>>589
そして犀賀はスタッフルームで犯行用の服に着替えた、紺色の作業服に般若の面という奇抜な姿だ。
しかしこれは彼の美学(?)なのだ、犀賀は事前に確保したルートで暗殺計画を開始した。
桜空「・・・・・」
(桜空は、消滅してゆく巨大蜈蚣を見ると、目を閉じて合掌する・・・・・
かつて、大切な人から教わった、命の大切さ・・・・・
例えそれがどんなおぞましい化け物であろうと、一つの命に変わりはない、桜空はどこまでも優しい考え方の悪人だった・・・・・)
桜空「・・・・・さて、どうしたものか・・・・・
(しばらくして、近くにいた水鴉を見ては、巨大蜈蚣との死闘が終わったばかりなのに、もしかしてまだ戦わなければならないのだろうかという、疲労困憊の表情で上記を呟く・・・・・
「お前も八咫烏のメンバーなんだろ?」)
>>597
>>599
>>中川
《ガラガラガラガラガラガラ……》
水鴉
「嘘だろ………と、とにかく此処は逃げるしかない………!!!」
少しずつ体が崩れ、消滅しながらも暴れ回る巨大ムカデによって通路や広間が崩れ始め、大小様々な瓦礫や砂利が落ちて来る……
蟲鴉は意識を失ったまま、落ちて来る瓦礫の山に押し潰されて絶命し、水鴉は溺死させ始めてから既に五分以上が経過した紀を放り出し、体を水に変えて瓦礫の隙間を潜り抜け、何処かへと去っていく……
この場に留まれば三人とも生き埋めになってしまうだろう。
桜空「くそっ!!!!!」
ダッ・・・・・!
(桜空は紀をお姫様抱っこ状態で抱き上げ、そして「早く抜け出すぞ中川!!!!!」と叫ぶと、急いで水鴉同様この場からできる限り少しでも遠くへと逃げようとする・・・・・
倒した結果が、まさか自分たちの首を絞めかねることになるとは思わなかった・・・・・)
>>600
>>597、600、601
「ヒューッ! 信じられねえぜ、あのデカブツが沈んじまった!」
想定外の大金星をあげられたことに、思わず口笛を吹く。とりあえず今回ばかりは桜空の行動力に感謝だ。
「うぉっ!? っとっとぉ、危ねえ危ねえ」
蜈蚣の最後の意地なのか、のたうち回っての打撃が襲いかかる。
「そうは、いかねえよ!!」
ガントレットの要領で、右腕に鋼を纏う。
そして掌をかざし、打撃が当たる瞬間に、円形の壁を作るように掌を一回転させた。
回し受け。
空手の基礎的な防御技術。あらゆる受け技の基礎とも称される。円の動きをすることで、衝撃を分散させることが出来る。
「ぐおあああっっ!!」
鋼の腕で受け流した甲斐あって、一撃での粉砕を免れ、10m程吹っ飛ばされるだけで済んだ。
「あぁ〜っつつつ……ったく、やってくれるぜ」
ふらつく頭を押さえながら立ち上がる。
「! あいつは……ありゃ?」
ふと視界に水の男を捉え、第2ラウンド開始かと思いきや、桜空と言葉を交わした?直後逃げ出してしまった。
(いや、それよりも……)
放置された紀が気がかりだ。そして蜈蚣が暴れた影響で建物自体が崩壊を始めている。彼女も回収し脱出しなければ。
「……っと、おやぁ〜大将? 美味しい役回りですなあ?」
自分が動く前に、桜空が救出してくれた。そんな彼を茶化しつつ、後を追う形で走り出す。
【地下アジト】
狼谷
「…………ッ!!
何でここに……三羽鴉がいるんだ………!?」
中川、紀、桜空の三人が最初の頃に生じていた破壊音や爆発が無くなり、アジト内には沈黙か戻りつつあった……
何故なら、狼谷は右腕を切断され、狼谷が率いていた攻撃部隊もその半数以上が倒れ、絶命してしまっているからだ……
狼谷は桜空の時にも見せたように、銃弾や斬撃が進行時に生じる衝撃と風圧を利用することで回避することが出来る鉄壁のような防御力がありながらも、眼前にいる相手には通用しておらず、邂逅した一瞬にして斬り飛ばされてしまっている。
剱鴉
「…………他愛もない。」
青い髪を後ろで一本にまとめ、片目に眼帯を付け、背中には剱鴉の身長よりも明らかに長く、2mにも及ぶ大太刀を背負った少女……八咫烏の最高戦力が一人であり、八咫烏の頂点に君臨する氷華の相棒である『剱鴉』がこの惨劇をもたらした。
狼谷の他にも十人以上も中川や紀程ではないものの高い戦闘力を持った異能者がいたのだが、その多くが反応することすら出来ずにその体を斬り伏せられてしまっている。
一つの困難を乗り越えたその先にあるのは更なる困難か……
桜空「今はここから逃げることに集中しろ!!!!!」
(自分を茶化してくる余裕を見せる中川に、とりあえず今はこの場から逃げることだけに専念するようにと忠告する・・・・・
そして、ここから逃げ出したとしてもまだ課題はある、紀、狼谷、その他多くのファースト構成員の安否だ・・・・・
見たところ、紀は数分間水に囚われていた為か呼吸が停止しており、肌も青白くなっていて危険な状態であることがわかる・・・・・
それに、狼谷と合流するにも、今相手がどこにいるのかもわからない・・・・・
このアジトの敷地内のどこかにいるのはまず間違いないが・・・・・)
>>602、603
>>603、604
「でへへへ、すいませんね」
全く反省の色はない。
「ああそうだ、デカブツ倒したことを旦那に報告しねえとな」
狼谷に連絡を入れる。
戦況が大きく変わったなら、仲間にそれを教えるのが定石だ。
「旦那ぁ、まだ忙しいだろうけど聞いてくれよ。ついさっき蜈蚣のデカブツを大将のお陰で倒せたんだぜ。そんでさぁ……っ!?」
そこで異変に気付いた。
静かだ、静か過ぎる。先程連絡した時は激しい銃声や爆発音がひっきりなしに聞こえていたのに、今回は水を打ったように殆ど物音がしない。
(これは……!?)
明らかな異常事態。早急に彼らと合流し情報の共有をすべきだ。
「成る程、こりゃ確かに急いだ方がいいみたいですぜ、大将」
それによく見れば紀の容態も芳しくない。ちょっとシャレにならないレベルに移行しつつある。
両足に一層の力が籠った。
https://i.imgur.com/kxCeBFi.jpg
607:ニュージャージー ポップンミュージック:2021/12/24(金) 18:30犀賀の立ち絵です
608:ファースト◆gI:2021/12/25(土) 05:42 桜空「んなこたぁわかってる!!!!!それより狼谷がどこにいるかはわからねぇのか!?」
(早く合流して、能力が使えるところまで避難したところでアジトへと戻らなければ、敵に勝っても全滅という最悪の結末が考えられる・・・・・
桜空は、狼谷がどこにいるかは把握出来ていないのかどうかを中川に聞く・・・・・)
>>605
【かっこいい!】
>>606
>>608
「さっすが大将、話が早くて助かるぜ」
付けている手甲について聞こうとも思っていたが、彼の様子を見て後回しでいいと判断する。
「で、狼谷の旦那の位置だが……サッパリだ。何しろ応答が全くなかったもんでね、現在位置報告もクソもなかったよ」
桜空「・・・・・通信機の不具合って可能性はないか?何にも音は聞こえなかったのか?」
(桜空は逃げている中で考えて導き出した一つの可能性を中川に告げる・・・・・
もしかしたら、どこか通信障害が起きるような場所に今現在いたとしたら、狼谷からの連絡がないことも納得がいく、もしくは何かしらのトラブルに巻き込まれていて連絡不可能な状況にあるか、のどちらかだろう・・・・・)
>>609
>>桜空
>>中川
仮面の男
『…どうやら人探しをしているようですね?
もしかしたら…お力になれるかもしれません。』
瓦礫による倒壊の範囲から逃れた二人の背後に何の予兆もなく黒いローブに包まれており、笑顔の仮面を付けた得体の知れない冷たい雰囲気を身に纏った人物が現れる。
ローブによって体格が曖昧なものになってしまっている事や、その声は中性的である上に、仮面を隔てていることから性別も年齢も不明瞭なものとなってしまっている…
怪しげな風貌をしているものの、その声からは何の敵意も悪意も感じられず、優しげにさえ思われる。
桜空「・・・・・アンタが敵じゃないのなら、その言葉、信じるよ」
(この危機的状況の中、そう都合よく自分達の味方の助っ人が現れるのは出来すぎている話だと思ったからか、桜空は少々警戒しながらも、敵じゃないのであればその言葉を信じると返す・・・・・
今はとにかく、早く狼谷と合流してアジトへと戻らなければならないからか、桜空は少しでも今の状況を解決できる可能性があるならば、例え怪しい人物であったとしても頼らざるを得ない・・・・・)
>>611
>>611、612
(ん〜どうしたもんかね)
胸中で焦り始める。
狼谷達の位置が不明な上、唯一の通信手段も役目を果たせない状況ときた。
もはや八方塞がりか。
(……実はそうでもないんだな、これが)
奥の手がないこともない。
そして何故今まで使わなかったか。それはひとえに通信さえ出来れば不要な手段だからだ。しかし現状それが望めないのは明白となったので、消去法でこちらを選ぶことになったというわけだ。
(じゃ、早速取り掛かりますか)
一度深呼吸し、精神統一。
床に片手を添え、
『操作』を始めた。
(よぉ〜し、この建物もちゃんと操作の対象になってるな)
勿論建物の形をどうこうしようだとか、そんな大それたことは出来はしない。
しかし動かすことは叶わずとも、断片的に情報を得ることは出来る。
(この部屋は……なんもねえな。こっちの部屋もハズレか)
どこが『動かせない』部分なのか、どこが『そもそも対象外』の部分なのか、実は『少しだけ動かせる』部分なのかといった、感覚的な結果情報を手探りでかき集め、各部屋の状況を推測していく。
そうすると……
(お!)
今度の部屋は何か違う。
(床や壁の状態がおかしいな)
幾つか、『操作できない部分』が点在している。
(合成樹脂や塗料で挟んでるわけじゃない……こいつは)
傷だ。何らかの要因で壁や床が損傷している。そしてその形状は……
(刃物だな、それも随分切れ味のいい代物だ)
『操作できない部分』はどれも非常に細い直線であり、深いものである。そこから導き出される結論は、鋭利な刃物を持った人物が戦闘行為に及んだというところか。
自らのあずかり知らぬところでの戦闘、これだけで直接向かう価値は十分だ。
「ぃよいしょぉっ!!」
鋼鉄の円錐型ドリルを形成し、件の部屋目掛けて投擲。掘削させる。
これに関してはあっさり上手くいった。直前まで蜈蚣怪獣が暴れ回り、周囲の地形がボロボロになっていたからだ。
「さあ行きますよ大将、一度見るだけでも意義はあるぜ」
「ん? あんた誰? 何、助けてくれんの? ありがたいけど別にいいや、じゃな」
言い終わるや否や、謎の人物に向けて手をヒラヒラさせつつ穴へと入っていった。
>>612
>>613
謎の仮面
「クフフッ、そうですか……
では、私の助力は必要なさそうですので此処は下がりましょう。」
中川が幾つも部屋に穴を開けて移動口を作り、自分の助力が無くとも大丈夫だとわかると、仮面の男は口許に手を当てて笑いながら、通路の暗闇の中へと消えて行く……
仮面の男の笑い方は、昔に桜空が何処かで聞いたことのある、少し癖のある笑い方であるものの、彼は自分の素性について明かす前に去ってしまう。
中川のこの判断や行動が吉と出るか凶と出るかはまだわからない……
>>603
「はい到着っと〜」
ドリルで掘り進み、その後ろを追いかけることで目的の部屋へと辿り着いた。
「!」
直後、隆次の顔から余裕の色が消えた。
「旦那! それに皆も!」
なんと狼谷は片腕を切断され、他の者達も血塗れで倒れ伏していた。
明らかにシャレにならない事態だ。急いで彼のもとに駆け寄る。
「しっかりしろ旦那。こんなところでくたばっちゃ、笑い話にもならねえぜ」
残った腕の先端部を、針金で縛り止血を試みる。何もしないよりはマシだろう。
「やったのは……アイツか。旦那、何か弱点とかねえかい? 他には攻撃の特徴とかよ」
視線を移せば、青髪の少女。規格外に長い太刀が嫌でも目を引く。
(成る程、あんなのブン回してりゃそりゃ傷だらけにもなるわな)
壁、床に切り傷が幾つも付いたことに合点する。
そして身に纏うただならぬ気迫。他とは別格の存在だ。ともすれば虫の男や水の男より上かもしれない。
>>615
狼谷
「悪りぃ……まさかこんなところに三羽鴉がいるだなんて思ってもいなかった……作戦は失敗だ……」
直前までは十二鴉が一人か二人いるだけで、三羽鴉など居る筈も無かった……まして剱鴉は遥か遠方の四国の暴力団の制圧のために遠征している筈であった。
嘘の情報を掴まされたか、或いは何らかの方法で先回りをされたのか……いずれにしても完全に予想外の出来事だ。桜空の救出には成功したが……生還することは絶望的であり、作戦は失敗したと悟る……
狼谷
「アイツは……剱鴉は他の異能力者とは桁が違う……
まともに戦っても勝ち目はない……せめてお前らだけでも逃げてくれ……」
弱点について聞いてくる中川に対し、狼谷は戦っても勝ち目はないと応える……
普通に考えれば三羽鴉が来襲した時点で全滅は免れないのだが……ここで自分が命をかけて足止めをすれば中川達が逃げるまでの時間なら稼げるかもしれない。
細身な少女の姿をしているものの、彼女の纏う雰囲気は見た目通りではない。眼帯を付けていない剱鴉の左目、青い瞳は刹那の瞬間すらも見逃さない、狩人の眼をしており、奇襲や不意討ちといった小細工も通用しないだろう……
剱鴉を一言で現すのなら"磨き上げられた剣"であり
その剣を手にし、振るうのは人の心を捨てた氷の化身、氷華。
この場から生還できる可能性は限り無く無に等しい……
桜空《・・・・・あの笑い方・・・・・まさか・・・・・》
(桜空はあの癖のある笑い方に、どこか聞き覚えがあったものの、確信が持てなかったのと、今は狼谷達の救出が最優先すべきことである為、引き止めずに中川の後から目的地へと辿り着くと、表情が凍りつく・・・・・
狼谷は片腕を失い、他の皆も多くが瀕死、もしくは既に事切れていた・・・・・
桜空は、ただただ唖然としていたが、狼谷のお前らだけでも逃げてくれという言葉を聞いた瞬間に、表情が変わり狼谷の胸ぐらを掴む・・・・・)
>>614、615、616
>>617
狼谷
「……!!
何をしているんだ……!?
お前は早く逃げろ……!お前は敷地の外に出れば後は異能で逃げれるんだ、俺のことはいいから早く行け……!!」
狼谷は既に命を捨てる覚悟が出来ていた。
いや、最初に八咫烏に離反すると決めた時から命を失う覚悟はあった。
ましてや、それが自分の認めた男を守るためのものであるのだから何の後悔も無い……
桜空が脱出しようとする動きに合わせて自分が全力で剱鴉に攻撃することで桜空、中川、紀の三人だけでも逃げられるだけの時間を稼ごうと考えていた。
自分の命を捨てても、勝ち目の無い相手に対しても決して折れること無く挑みかかるその姿は、どれだけボロボロにされようと、どれだけ殴られたり罵詈雑言を浴びせられようと、桜空達を守ろうとしていた薫の姿を想起させるかもしれない……
>>617、618
「…………」
いつもの余裕が消え失せ、険しい表情のまま思考に浸る。
正直なところ、ここでどうするのか決めかねていた。
一斉に立ち向かうなら狼谷の激しい制止が入るだろう。実際自分の推測でも返り討ちに遭う可能性は高い。逆に全員で撤退するのも、同じく狼谷が反対するので駄目だ。
かといって、彼の要望通り囮になってもらうとしても、今度は桜空が割って入る。
堂々巡りというやつだ。どこか違う視点での解決策が要る。
「…………」
考え抜いた末、行動に移る。
剱鴉の背後の空間にナイフを生成。距離の空いた状態なので通常よりも遅いが、そこは必要経費だ。そして生成が完了すると同時に、彼女の背中へ飛ばす。一連の行動はその場から動かず、僅かな身動ぎすらなく完遂してみせた。
桜空と狼谷の衝突が避けられないのなら、いっそのことそれを利用する。彼らの口論という行動をデコイとして、敵の気が逸れたところに後ろから不意討ちを行う。
これが隆次の考えた結論だ。
>>619
《カコンッ》
剱鴉
「不意討ちとは随分とつまらない真似をする。」
背後にて、自然に起こることのない異音が聞こえると、即座にそれが他者による背面からの奇襲である事を察知し、振り返り際に大太刀をしまったまま鞘によって形成されたナイフを中川に向けて弾き返して対処しようとする。
剱鴉にはこれまでの蟲鴉や水鴉のような油断や慢心は何処にも無く、常に冷静に周囲の状況を分析し、攻撃に備えている彼女には一瞬の隙も無く、奇襲や不意討ちと言ったものは剱鴉には通じないだろう……
まともに戦おうとすれば全滅する…
不意討ちや奇襲も通じない…
逃げようにも唯一の出入口は剱鴉の後ろ…
剱鴉
「姑息な真似が出来ないように退路も絶たせてもらう。」
《ヒュカカカッ》
剱鴉の右手と、彼女が背負った大太刀が一瞬だけ激しくブレたと思いきや、その次の瞬間に三人が通って来た大穴の天井部分が切り裂かれ、人工建材によって作られたコンクリート塊や合金の鉄骨や鉄板が落下して退路を塞いでしまう……
大穴へ戻ってこの場から離脱すると言う策さえも潰そうとする。加えて、剱鴉が見せた攻撃の速度や攻撃範囲は明らかに人間の域を超えており、刻一刻と状況は絶望的なものへ変わってしまっていく……
だが、桜空は相手の異能を打ち消す鉄甲があるため、これを使って剱鴉の後ろにある扉を通って外へ脱出すればそのまま桜空の異能でアジトへ帰ることが出来るだろう。
問題はそれを剱鴉が大人しくさせてくれるかどうかだ……
桜空「ふざけんな!!!!!てめぇの状態よく見ていいやがれ!!!!!そんなボロクソの状態で何ができんだ!?言ってみろ!!!!!次まだ同じようなこと言ったらぶっ飛ばすからな!!!!!」
(桜空さは狼谷の自分の命を投げ出してでも自分達を守ろうとする行動に怒りを顕にして怒鳴りつける・・・・・
過去の大切な人と重なる部分があるからか、桜空は尚のこと狼谷を置いて逃げるだなんて考えられないのだろう・・・・・
桜空は怒鳴っているが、同時に少し涙目になっているようにも見える・・・・・)
>>618
桜空「・・・・・中川、紀と中川を頼んだぞ、こいつは俺が対処する・・・・・」
(中川の不意打ちも不発に終わり、紀は意識不明、狼谷は片腕切断の重症、となれば今異能を打ち消すことが出来る鉄甲を付けた自分が戦い、狼谷と紀の二人のことは中川に任せた方が最善の策だろう・・・・・
桜空は、剱鴉に立ち向かう決意をする・・・・・)
>>619
桜空「・・・・・お前の相手は俺だ、他の奴らには手を出すな」
(桜空は、剱鴉の顔を見ると、仲間達には手を出さないという条件を叩きつけ、お前の相手は俺だと告げる・・・・・
正直、相手から見たら桜空程度、ただの生意気なクソガキほどにしか見えないだろうし、鉄甲を付けていたとしてもそれでも純粋な戦闘力に大きな差があると思われるが、それでも桜空は怯むことなく立ち向かう・・・・・)
>>620
>>桜空
狼谷
「………………ッ!!!」
狼谷は桜空の言葉を聞くと黙り込む……
異能者であると同時に十二鴉屈指の実力を持つ自分でさえ何の対抗も出来ずに一方的に攻撃されていたにも関わらず、異能が使えず、小柄でありながらも決して臆すること無く剱鴉と対峙するその姿を狼谷は見ていることしか出来ない……
剱鴉
「誰一人この場から逃がすつもりはない。
裁きの剣から逃れる術など無いぞ咎人ども。」
桜空が自分に向かってくると言うことがわかると、剱鴉は強烈な殺気を放ち、桜空の戦意と覚悟を挫こうとする……
剱鴉の放つ殺気は形無き、心を切る刃であり、自らの命の保身を考えたり、自分自身よりも大切なものを持たない悪人であれば即座に戦意を失い、死を受け入れざるを得なくなる程の強い殺気となっている。
剱鴉
「来い悪党、一人残らず斬り捨てる……!」
《スッ》
剱鴉は両足を前後へ向けて広げ、腰を落としつつ、右手で大太刀の柄を握り、左手で大太刀の鞘紐を掴んで独自の構えを取る。
一歩でも前に踏み出せば数多の剣擊が万人の命を刈り取る死の旋風となり、全員の命を無慈悲に奪おうとするだろう……
剱鴉は"正義の剣"の象徴だ。
そして……剣とは古来より力を示してきた……
無慈悲なる正義の力を前に命を拾う術はあるのか……
桜空「・・・・・それじゃあ、いかせてもらおうか・・・・・」
ダッ・・・・・!
(桜空は、先ほど素鴉と戦った時のように、物凄いスピードで突進してくる・・・・・
昔は守られる立場だった桜空は、いつも近くで守ってくれる人を見てきた、今度は自分が守る側になるのだ・・・・・
桜空の表情と行動に、迷いも恐怖もなく、ただ仲間を守りたい気持ち一心で体が動いていた・・・・・)
>>剱鴉
>>623
剱鴉
「正面からとは……笑止……!」
スピードには自信がある。
愚直なまでに真っ直ぐ此方へ向かって来る桜空を見て、剱鴉は居合い斬りの要領でコンマ数秒の間に横薙ぎに大太刀を振るい、横に広がる巨大な斬擊を一つ放つと、再び鞘へ納める。
迎え撃つようにして放った斬擊は左右に動いて回避するにはあまりにも大きすぎるため、下手に方向転換しようとすればそのまま切り刻まれる事になってしまうだろう…
桜空「おらぁっ!!!!!」
ゴッ・・・・・!
(桜空は鉄甲武装した方の腕を前に突き出し、斬撃を防御しようとする・・・・・
正直、これが成功したとして、これを繰り返している内になんとか出来るとは思えない、むしろ戦いながらどうやってこの状況を打破し、敷地内へ出てファーストのアジトまで戻るかが肝心だ・・・・・)
>>624
《シュオッ》
剱鴉
「……………!!」
剱鴉の放った斬擊が桜空の身に付けた対異能の鉄甲に当たると、その斬擊は形状崩壊を引き起こし、そのままバラバラになって空気中に吸い込まれるようにして消えていく。
それを見た剱鴉は一瞬何が起こったのかわからずに驚くものの、直ぐに冷静さを取り戻し言う。
剱鴉
「………その鉄甲は……
素鴉から奪った物か。小癪な真似をしてくれる……」
>>620、626
返されたナイフを減速させ、側面を摘まむように受け止める。
「ちぇー、割と頭捻って考えた策なのによ」
内心の焦りを悟られない為、わざとらしい位に軽口を叩く。
(わかっちゃいたが……こいつ、口だけじゃねえ)
『本物』だ。達人だとか超人だとか呼ばれる類いの。
顔色一つ変えずに対応されたとなると。小手先は通用しないと断じていい。
格の違いは明確、その上で遊び無しで潰しにくる。
(今回ばかりは、お手上げかねぇ)
太刀筋も全く見えないときた。ここらが年貢の納め時となるか。
桜空と狼谷については、どうやら桜空が戦う方針になったようだ。
「了解です大将、二人のことは任せて下さい」
紀と狼谷を守って欲しいという命令を聞き入れ、動けない紀を鎖で巻き付け、部屋の隅まで運んだ。
(忘れないで下さいよ大将、仲間が死んだら嫌なのは、なにもあんただけじゃないんだぜ?)
怯むことなく立ち向かう彼の背中を見て、祈る。
祈ったところで何も変わらないかもしれない。だが、そうせずにはいられなかった。
「さ、旦那も下がってくれ。五体満足かつ二人がかりなら、まだ幾らか希望はある」
最低限の勧告を終え、自身も前へ出る。
「おっとお嬢ちゃん、俺とも遊んでくれよ?」
言いながら、パチンコ玉指弾を放つ。
桜空「そういうことだ、さぁ、続きを始めよう・・・・・」
(攻撃が打ち消されたことに驚くも、さすがの分析力といったところか、すぐに異能を打ち消すことができる鉄甲による防御だということに気づかれるも、こちらも気づかれたところでどうというわけではない・・・・・
相手が本気ならこちらも本気、一歩も引く気は無い・・・・・)
>>626
桜空「・・・・・中川、わかってんのか?あいつの強さは俺達二人が相手になったところでどうにか出来る強さじゃねぇ・・・・・俺達二人の強さが普通に1+1=2の強さなら、あいつはそれが10にも100にもなるんだぞ・・・・・」
(自分に続き応戦してくる中川に、相手の強さがわかった上での行動なのかどうかを問いかける・・・・・
今目の前にいる敵は、氷華と同じくらい規格外の強さを誇る、体の芯から身震いするほどに計り知れないほどの力があるのは確かであり、さっきの巨大な蜈蚣よりも強いだろう・・・・・)
>>627
>>627
>>628
狼谷
「お前ら……!
ったく、助けに来たのは俺らだってのに逆に助けられるだなんてな……情けねぇ話だ……」
本来なら年長者であり、この解放作戦の立案者であった自分が率先して桜空や中川達の事を守らなければならなかったのだが、予想を超えて度重なるイレギュラーが起こり、守るどころか守られる事になった自分に対して不甲斐なさを覚える……
剱鴉
「……いいだろう、それなら……私の技も見せよう。」
【無明流 壱の太刀「一閃」】
《ズッ》
剱鴉は中川が此方に向けて腕を翳したその瞬間に合わせて身を屈めて居合い斬りの姿勢を取る事で攻撃の構えと同時にパチンコ玉の回避を行い、中川に向けて横薙ぎに一太刀振るい、青白い斬擊を放つ。
単発の攻撃ではあるものの、その分、込められた速度と切れ味は凄まじく、大規模な防御を形成するための時間を与えないと同時に、下手に即席で形成したもので受けようとすればその防御もろとも切断されてしまうだろう……
桜空「情ねぇもクソもねぇ、お前は今は黙って守られてろ・・・・・」
(狼谷は片腕を失ってはいるものの、まだ喋れる余裕があることから、現状命に別状はないと見ていいといったところか・・・・・
が、その時、中川に向けて青白い斬撃が放たれるのを見た桜空は「危ねぇっ!!!!!」と叫び、中川を突き飛ばす・・・・・
あまりの速度から、鉄甲で防ぐ余裕すらなく、桜空の背中をかする・・・・・)
>>629
>>630
>>中川
剱鴉
「……よく避けた。
だが、次はどうかな?」
【無明流……】
剱鴉の放った青白い斬擊は桜空の背中を掠めると、10m後方の壁に深い切断跡が刻まれ、壁の中にあった合金性の鉄骨やコンクリートさえも豆腐のように切り裂かれてしまう……
一撃必殺の威力を誇る強力な斬擊を繰り出す…
これが剱鴉の持つ異能の真髄なのかは定かではないものの、更なる追撃を加えるべく、再び居合い斬りの構えを取り始める。
桜空「くそっ・・・!次から次へと・・・・・!」
(背中からポタポタと血を滴らせながら、桜空はなんとか体勢を直すものの、今の一撃でかなりのダメージを受けたことから、長期戦に持ち込むわけにはいかない・・・・・
手負いじゃない状態で戦ったところで、到底元から勝ち目はない相手だ、素鴉のように情けなど持ち合わせていない・・・・・)
>>631
>>631
「だったらどうして一人で突っ込んだんです? ここは言いっこなしですよ」
桜空の問いに人懐っこい笑顔で答えた。
彼の性格はよくわかっている。というよりバカ正直すぎて嫌でもわかってしまう。そんな彼がこの状況でとる行動など火を見るより明らかだ。
そして自分は、所属している組織のリーダーが危機に陥って、それを放置できる性分でもない。故にこの行動は必然といえた。
「どのみち奴(やっこ)さんは簡単には逃がしちゃくれねぇんだ。それなら少しでも可能性のある方に賭けましょうや」
「!」
剱鴉はとんでもない反応速度で対応、すかさず水平に一閃、浅葱色に輝く剣圧を飛ばした。
(防ぐのは……多分無理だ!)
ならば跳躍で躱そうと、足裏からコイル式ジャンプ台を形成しようとした瞬間、
「ごわあっ!?」
突如横から襲ってきた衝撃に姿勢を崩す。何かと思い視線を向けると、桜空が自分を突飛ばしたらしい。
「た、大将! これぐらい自分で対処できますって!」
完全に余計なお世話だった。むやみやたらと仲間を助けたがり、結果自身が傷つくのも厭わないのはもはや悪癖といえる。
どうやらありがた迷惑という言葉は、彼には存在しないようだ。
(まあそこが大将の美徳でもあるんだがな)
「お気持ちだけ受けとっときますよ!!」
呆れ気味の苦笑いで感謝を述べ、受け身をとる。
(って、もう次が来んのか!)
あれだけの技を使っておいて、まるでジャブのように連続で放つとは。
「やっぱ、次元が違うなあ」
こめかみに冷や汗が流れるも、反撃は怠らない。
今度は砂利の投げてのショットガンだ。太刀で防ぐにしても、それなりの動きをしなければならない。
>>632
>>633
【…伍の太刀「月輪」】
剱鴉は残像すら残らぬ速度で抜刀し、数回刀を振るい再び納刀する。
端から見れば刀を抜いた次の瞬間に再び鞘に戻しているように見えるだろう。
剱鴉が新たに放った斬擊は、先程の"一閃"とほぼ同等の速度でありながら、三日月状の特殊な形状をしており、斬擊そのものが高速で回転することで斬擊の起動が不規則なものとなっている。
避けようにも、斬擊そのものが回転しているため紙一重での回避は困難であり、大きく回避行動を取らなければならない……そんな斬擊が桜空に三つ、中川に二つ放たれてしまっている。
桜空達の勝利条件は剱鴉の後ろにある出入口からアジトの敷地外へ脱出する事なのだが……立ちはだかる壁はあまりにも厚く高い……
《ガガガガガガッ》
剱鴉の放った砂利のショットガンもまた、剱鴉の放った浅葱色の月輪を連想させる斬擊により阻まれ、弾き飛ばされてしまう……
攻撃は最大の防御
剱鴉はそれを体現した戦闘スタイルをしている。
攻撃の流れや動きを決まった型に合わせることで徹底的に無駄を省いた事で、磨き上げた圧倒的なスピードと、全ての力を斬擊に込める事で実現した破壊力。
我流で磨き上げた動きであるため、例えこの場に剣術に秀でた者であってもその動きを見切ったり、先読みする事は難しかっただろう。
桜空「それじゃあもし対処できなかったらどうするつもりだったんだ!?」
(これくらい自分で対処できると言い張る中川に対して、それじゃあもし対処できなかった時はどうするつもりだったのかと問いかける・・・・・
敵の放つ一撃一撃は、人体など容易く切断してしまうほどの恐ろしい威力を誇っており、もしまともに直撃してしまえば即死してもおかしくはない・・・・・)
>>633
桜空「くっ・・・・・!」
ゴガガッ・・・・・!
(必死に3つの斬撃を鉄甲で打ち消すものの、段々と桜空の体力も底が見え始めてくる・・・・・
逃げ道はすぐそこにあるのに、立ちはだかる壁があまりにも大きい上に、とても二人がかりでも足元にも及ばないほどに力の差かありすぎる・・・・・
このままでは全滅は免れない、もうこの手しか残っていない・・・・・)
桜空「おい、斬撃女・・・・・次で決めてやるぞ・・・・・」
>>634
>>636
剱鴉
「……いいだろう、それならお前の宣言通り……これで終わりだ……!!」
【無明流 参の太刀「逆神」】
強さを求める過程において、女であることを捨て、その言動や戦闘スタイルを中性的、或いは男性的にしている剱鴉にとって、桜空の言葉に対する自分への挑発の中に女と付けていた事に対して強い苛立ちを覚える。
そして攻撃を発動すると決めると再び、瞬間的に抜刀し、今度は下から上へと斬り上げるように刀を振るい、三つの浅葱色に輝く斬擊をほぼ同時に放つ。
今度は右腕の鉄甲だけでは相殺しきれないように、三つの縦斬擊が横一列に並んでおり、それぞれの斬擊の間隔は30cm程である上に、斬擊の高さは2mにも及ぶため、斬擊そのものに周囲の空気を巻き込んでいるため、下手に斬擊の間を潜り抜けようとすれば左右の斬擊に引き寄せられてズタズタに切り裂かれてしまうだろう……
斬擊そのものも幅が40cmもあるため、幅2m以上のキルゾーンがまるで壁のように迫ってくる……この技は前方にいる相手を切り刻む事に長けており、
周囲の空気を巻き込んで擬似的な引力を持っているからか、見た目以上にその斬擊による攻撃範囲は広く、無傷で避けるのも難しくなっている……
剱鴉
「(何かを仕掛けてくることはその言葉からわかっている。
だが、前面から迫る刃の壁を前に鉄甲だけでは完全に防ぐことは出来ないし、左右に飛び退いたとしても、着地するより先に次の一撃で確実に仕留められる)」
剱鴉
「(反撃する隙など与えない。
行動の選択肢を奪い、確実に仕留める……!)」
剱鴉は攻撃を放つと同時に、次の行動を予測し、早くも次の技を繰り出すための準備を行い始めている……その蜘蛛の糸程の隙も無い剱鴉の警戒心と、思考を即座に行動に変えることの出来る機敏さが脱出のための最後の壁となっている。
桜空「それじゃあ終わらせてもらうぞ・・・・・!!!!!」
ガッ・・・・・!
(桜空は敢えて鉄甲を外して斬撃へと投げつけるという、どう考えても自分が不利になる行動を取る・・・・・
だが、これこそ桜空の賭けに出た作戦、人間は窮地に追い込まれた時ほど自分の保身に回るものだが、桜空は敢えて異能が封じられている自分を今まで守ってきた鉄甲を外して斬撃に投げつけ木っ端微塵にしてまで、仲間達と一緒に助かる道を選んだ・・・・・
三つの斬撃の内二つが鉄甲を巻き込み、そのまま相殺させてゆくのに対して残った一つの斬撃はまだ活発なままだが、一つだけなら何とかギリギリで対処できる・・・・・
鉄甲が巻きこまれて砕けて残骸になってゆくのと同時に、桜空は猛スピードで突進して残り一つの斬撃を回避しながら、剱鴉の前まで近づいてくる・・・・・
桜空の眼には、迷いも躊躇いもなかった・・・・・)
>>637、638
>>638
「げぇ、マジかよ!」
タチの悪い冗談みたいな現象が次々と起こる。
砂利のショットガンもあっさり対処され、その次は回避も防御も難しい技が来る。
「っ……まだだああああっ!!!」
神経が焼き切れんばかりの気迫で金属形成。
硬度。ただ硬度のみを求めて作り上げたそれは数十cm四方と非常に小さく。板きれと呼ぶことすら烏滸(おこ)がましいものとなった。
が、
(これで十分!)
それを掌に張り付けるように操作し、回し受け。
「っでりゃあああっ!!!」
掌で円の動きを行い、擬似的な防壁を作る。
甲高い金属音が響き、かろうじて切り刻まれる事態は回避した。
(だが、守ってるだけじゃ勝てはしねえ……)
このままでは進展はのぞめない、何とか打開しなくては。
「はぁ……あのね、そこで対処できないようなら、そもそも立ち向かうこと自体してませんぜ」
未だに他人の意見に耳を貸さないリーダーに若干失望しかける。
更にいうなら、そこで『誰のせいで対処しにくくなったのか』を考えられない時点でまだまだ未熟という他ない。
「って、ああくそ! 言ってる暇はねえか!」
こうしている間にも猛攻は押し寄せる。
「はあああああっ!!」
先と同じ小型金属板での回し受けでしのぐ。確かに凄まじい剣技だが、流石に目が慣れてきた。防いでから呼吸を整える余裕くらいは出てきている。
「……つっても」
こちらからの攻め手がまるでないのが現実だ。まだ互角というには程遠い。
(どうする、何をやってもあのバカげた剣術で細切れになっちまう)
コンクリートや鉄骨まで容易に切断したところを見るに、下手な金属ではすぐ両断されるのがオチだ。
(ん? ちょっと待て。細切れ、細切れ……)
しかしその時、隆次はあることに気付く。
(……いっちょ、試してみっか!)
この土壇場で、即席ながら奇策を練り上げる。
「そぉらっ!!」
剱鴉の回りに、出来る限り大量の砂を生成。それらを纏わりつかせようと殺到させる。
どんな物でも切り刻まれるというのなら、はじめから極小の粒になっているものを、天文学的な数でぶつければどうなるだろうか。
それだけでなく、桜空が無茶を押し通し決死の突撃を敢行した。
流れを変えられるとするならば、この瞬間をおいて他にない。
>>639
>>640
剱鴉
「……問題ない、斬り伏せる……」
【無明流 陸の太刀……】
剱鴉
「……目障りな……」
桜空が鉄甲を投げつけ、鉄甲が破壊されるのと引き換えに斬擊二つを打ち消し、残った斬擊も回避したのを見て、予想とは少し違ったが、相手が足を止めているのならば好機と見て、間髪入れずに追撃を仕掛けようとするものの、突如として自身の周囲に大量の砂がまるで砂嵐のように巻き起こり、視界を奪われた事で桜空への追撃を中止せざるを得なくなる。
剱鴉
「……無駄な足掻きだ。」
【無明流 捌の太刀「滅陽」】
《ゴガガガガガガガガガガガガッ》
剱鴉は静かに目を閉じ、瞬時に自分の周囲に無数の浅葱色の斬擊群を放つ。この斬擊は先程の"逆神"と同じように周囲の空気を巻き込んで飛んで行く斬擊であるため、自身の周囲を舞う砂の流れを掻き乱すと同時に斬擊と共に遠方へ弾き飛ばす事で再び視界を取り戻してしまう……
この技は本来ならば多数の敵に囲まれた際に放つものであるため、これまでのものとは違って精度は低く、ある程度の距離を取っている二人に当たることは無い。
剱鴉
「……ふん、苦肉の策も徒労に終わったな。
悪は悪らしく惨めに死に絶えるがいい。」
【無明流 弐の太刀「双極」……】
狼谷
「させるかよ!!!」
《ドゴオォォォォォォッ》
既に桜空は鉄甲も無い事や、中川の異能の性質が土や砂の生成と操作であり、それに対抗するための手段も把握した剱鴉が手にした大太刀を鞘から抜き、二人を同時に斬り刻むべく神速の剣技を放とうとしたその瞬間……
狼谷が残った左手を地面に叩き付け、異能の範囲を剱鴉の近辺に集中展開する事で、常人であれば立っている事すら出来ない程の凄まじい大気圧を轟音と共に剱鴉にかけ、剱鴉の機敏さを封じ、その動きを一時的に鈍化させる。
狼谷
「この技もそうは持たねぇ……今のうちに行け!!!」
これで剱鴉は繰り出せる技の速度や移動速度は大きく鈍化させる事が出来るのだが、右腕を失っている現状ではせいぜい食い止めておけるのは一分足らずであり、同じ手は二度も剱鴉には通じないであろう事から、今のうちに三人に此処から脱出して欲しいと言う……
剱鴉は狼谷の起こした大気圧によって全身に強烈な負荷がかかっているものの、その瞳は変わらずに桜空と中川を捉えており、反撃をしかけて来たとしても即座に対応できるように手にした大太刀を構え続けている。
剱鴉にとって見れば、一分が経過した瞬間に最速の一撃を放てばそれだけで勝利出来る上に、反撃として攻撃されたとしても自分の動体視力を使えば容易く対処できると言うことから微塵も焦っている様子は無く、ただただ静かに……冷静に戦況を伺っている。
桜空「・・・・・俺は・・・・・もう、失いたくないだけなんだ・・・・・だが、それがお前達にとっての足枷になっていたのかもしれないな・・・・・」
(中川の言葉を書けば、小声で呟く・・・・・
思い返してみれば、失ってばかりの人生だった・・・・・
普通の幸せな日常、両親、姉との楽しい日々、薫先生、そして今この時も・・・・・
だが、それは客観的に見てみれば、足手纏いにもなりかねないほどの守護心だったのかもしれないと、気付かされる・・・・・)
>>640
桜空「・・・・・」
《ふざけんな・・・・・今のうちに行けだと・・・・・?それじゃあお前はどうなるんだ・・・・・?》
(桜空の体は、気づけば自然と動いていた・・・・・
桜空の考えは、揺るがず生き残った全員での脱出・・・・・薫先生からの教えもあるが、それとは別で桜空自身には命が一番大切なモノであるということをわかっていた・・・・・
ふざけるな、お前も一緒に逃げるんだ、帰ったら命と引き換えに俺たちを逃がそうとしたことを愚痴ってやる・・・・・
そう思っていたその時・・・・・)
紀「馬鹿が!!!!!逃げるなら今でしょうが・・・・・!!!!!」
ガッ・・・・・!
(少し前に意識を取り戻していたが、ここで戦闘に参加すれば他の三人の足手纏いになる上に、能力のデメリットも大きい自分では役に立たないと思っていた紀が、満を持して動き出し、桜空の服の首の部分、中川の腕をを掴んで三人で脱出口へと向かう・・・・・
狼谷が作ってくれたこの敵を足止めする為の一分、無駄にするわけにはいかなかった・・・・・)
>>641
>>642
狼谷
「……ああ、すまねぇ……」
気絶から回復した紀がこの場に残ろうとしていた桜空と、中川の二人を連れて出口に向かい始めたのを見て、狼谷は優しく微笑みながら、三人に謝る……
だが、狼谷の胸中に悔いは殆ど無い……
八咫烏に入ったその時からまともな死に方が出来るとは思わなかったし、数多くの同胞や戦友達が息を引き取る瞬間を幾度と無く見てきた……
こうなる事は始めから予想できていたのだが……
叶うことなら……桜空の理想が叶った世界……
八咫烏が変わった後の世界を見てみたかった事だけが心残りだ……
三人は動きを封じられている剱鴉の傍を通って敷地外へ出ることに成功する……
>>643
「くぅ〜、これも、ダメか〜」
苦虫を噛み潰したような表情で洩らす。桜空の特攻と自分の砂撃が合わさってもなお崩せない。
またもや猛攻に晒されるのかと身構えた瞬間、予想外の攻撃が剱鴉を襲った。
「っ! 旦那!?」
なんと狼谷が命懸けの拘束を仕掛けていた。この期に及んで自らを犠牲にするつもりらしい。
「ったく、やれやれ……二人揃って自己犠牲か」
その献身っぷりには頭が下がる。他人の為に命を投げ出すなど、滅多にできることではない。
「けどまあ、俺も人のこと言えねえがな!」
彼の命令に背き、再び剱鴉の周囲に砂を殺到させる。今度は『散らされたものを操作している』だけなので、手間や消耗は大幅に抑えられた。
(やっぱ、刃物に対しての砂は正解だったな)
直接的な破壊はされない分、幾らかこちらにアドバンテージがある。
「うおっ!?」
またも意外な事態。ここで紀が動いたのだ。狼谷と再三の口論を始めようとした桜空と自分を引っ張り、脱出しようと走り出した。
彼女の有無を言わさぬ振る舞いに、諦観のため息をつく。
「へっ、ありがとよ紀ちゃん……けど」
もうひと仕事だけやらせて貰う。
剱鴉に対し、砂だけでなく彼女の足元から無数の金属針を伸ばす。
さっきまでなら無造作に捌けただろう。しかし超大気圧の拘束に加え、砂まで被さろうとしているこの瞬間ならばどうだ。
斬撃では壊せない砂と、風では動じない金属針が彼女を捕らえんとする。
「何がなんでも全員で生き残る」
もう、誰も失わない。仲間を切り捨てての生存などまっぴら御免だ。
「そうだよな? 大将!!」
そう言い、不適な笑みを桜空へと向けた。
>>644
剱鴉
「ギリッ……」
【無明流 肆の太刀「黄昏」】
《ガガガガガガガガガガガガッ》
剱鴉は自身の視界を奪う砂、動きを封じる大気圧、そして足元から迫る金属針を見て、致命傷を避けはするものの、剱鴉の着ている藍色のコートに針が刺さり、その下に着ている黒いズボンや藍色のシャツにも針が掠った事でボロボロになっていく。
執念と意地だけで視界も動きも封じられている中、足元から伸びる針から致命傷となる部位や、手足と言った言動に支障の出る場所を避けているところから彼女の意思の強さや、身体能力の高さが伺える。
剱鴉は対抗策として、構えた大太刀を小さく振るう事で自身の周囲に大量の斬擊を飛ばし、先程の"滅陽"とほぼ同じように周囲の砂を吹き飛ばし、針も全て切り裂く事で対処する……
だが、振るう刀の範囲が狭くなり、斬擊そのものも半径3m程で自然消滅してしまうため、桜空達の元にまでは届くことはない。
狼谷
「ハッハッハッ!
とっくに死ぬ覚悟は出来ていたんだが……こうまでしてくれるのなら……もう少し足掻いてみるか!!!」
剱鴉
「……………!!?」
《ドゴオォォォォォォッ》
中川が生成したものの、切り裂かれた金属破や瓦礫を風によって一点に集めて巨大な塊に変え、それを剱鴉に向けて砲弾のようにして打ち出す事で技を発動した直後の剱鴉にぶつけ、剱鴉の体を吹き飛ばし、そのまま瓦礫の下敷きにする。
紀「・・・・・あなた達は本当に馬鹿ですね、せっかくあの馬鹿が体を張ってまで私達を逃がしてくれたというのに・・・・・」
(紀は二人を連れて脱出する際、狼谷の表情がかすかに見えた・・・・・
あれは、どこかまだ悔いが残っている表情だった・・・・・
だが、今更引き返して加戦したところで、ボロボロの自分達が束になってかかったとしても相手に適うわけがないどころか、狼谷の意思を無駄にすることにもなるし、ただただ足手纏いになるだけだと思っていた・・・・・)
桜空「・・・・・その通りだ、アイツだってここまでしてくれたんだ、借りを返さずに死なれちゃあ困る・・・・・」と言い、紀の忠告に刃向かうように、中川の意見に賛同する・・・・・
一人でも、全員生きて帰るという意志に賛同してくれる仲間がいるだけでも、桜空にとっては力になった、気がした・・・・・)
>>643、644、645
【皆様方、新年、明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願い致します!】
>>646
紀と桜空の二人の眼前には既にあと3m程に出入口となっている、ガラスが割られた自動ドアが見え、そのドアの向こうには少し離れた先にあるビルの明かりや、マンション、アパートまで見えており、異能封じの鉄甲による副作用や、建物そのものを構築している空間移動の作用が薄れており、直ぐにでもファーストのアジトにまで撤退できる状態となっている。
このまま外に出ればその瞬間にでも逃走する事が出来るし、流石の剱鴉も今では瓦礫の下に潰されていることから、紆余曲折があったものの、最終的には桜空達に運が回り始めている。
【あけおめです!!】
桜空「・・・・・行くぞ、お前達・・・・・」
ダッ・・・・・!
(桜空は、急いで来た道を戻り始める・・・・・
狼谷を救い、一緒に助かるとするならばチャンスは今しかない・・・・・
紀は反対気味の様子だが、中川は狼谷を助けることに賛同してくれた、桜空達はまだ知らないが、剱鴉も瓦礫の下敷きになっていることから、狼谷を助けるには丁度過ぎる状況であり、こういうのを天は我に味方した、と言うのだろうか・・・・・)
>>647
【今年もバリバリなりきりしていきましょう!】
>>648
狼谷
「ああ、行くぞ……!」
《ダァン》
自由まで後数歩だけと言ったところで、突如として辺りの空気を切り裂くようにして銃声が鳴り響き、狼谷が左足を撃ち抜かれ、そのまま床に倒れ込んでしまう……
見渡しても周囲には誰もおらず、何処から狙撃されたのか、狙撃手は誰なのかはわからないものの、絶望は重なってしまう……
【無明流 肆の太刀「黄昏」】
《ガガガガガガガガガガガガッ》
剱鴉
「まだだ……まだ終わってなどいない!」
剱が手にした大太刀から周囲に多数の斬擊を形成して自分の身動きを封じていた瓦礫をバラバラに切り刻み、そのまま弾き飛ばす事で姿を見せる……
【ですね!お願いします!!】
桜空「終わりっつってんだ・・・・・!!!!!」
ドガッ・・・・・!
(まだ終わっていないと怒りを顕にしながら瓦礫を切り刻み出てきた相手の背後から頭部へと蹴りを入れる・・・・・
瓦礫から出るのに必死で先程よりも不意打ちを比較的仕掛けやすい今が反撃のチャンスだと見た桜空の決死の覚悟での一撃だった・・・・・
これで相手が少しでも体勢を崩せばその間に全員での脱出は成功するだろう・・・・・)
>>649
>>650
《ズッ》
瓦礫を切り裂いて剱の前へ行こうとした桜空の脳裏に強烈な死のビジョンが映る……
剱鴉の大太刀の間合いである2m圏内に入った瞬間に蹴りを出そうとした桜空の伸ばした脚もろとも脳天にかけて一直線に、一刀両断されると言うものだ。
狼谷の瓦礫砲によって吹き飛ばされた事から剱の後ろは壁であり、背後に回り込むことは出来ず、正面から行こうものならものなら、この危険予知した未来が現実となってしまうだろう……
>>651
「させるかよォ!!」
それを放っておく隆次ではなかった。適当な大きさの金属板を飛ばし、桜空を押し出すことで致命の間合いから離す。当然金属板は無惨に両断された。
(マジで化け物かよこいつは!! 冗談キツいぜ……)
あれ程の策を講じても尚、僅かな時間稼ぎが関の山とは。
「っと、今助けるぜ旦那ぁ!!」
鎖分銅を形成、すかさず狼谷に巻き付けこちらに引き寄せた。
(このタイミングでの狙撃……いよいよもって王手をかけにきたか!)
しかしこちらも脱出まであと一歩だ。悔いの残る結末にする気など毛頭ない。
【遅れて申し訳ありません! リアルが立て込んでましたので!】
>>652
>>桜空
剱鴉
「……今の銃声は……ルインか?
……だが先ずは奴らを仕留める……!!」
【無明流 伍の太刀「月輪」】
剱鴉は今まさに桜空を両断すべく大太刀を振るおうとしたものの、二人の危機察知を前に桜空を両断する事に失敗し、身代わりとなった金属板をまるで豆腐のように殆ど抵抗を受けること無く切断する。
狼谷の左足に銃弾の傷があるのを見て"ルイン"と呼ばれる存在の名を口にするが、直ぐ様四人を殲滅すべく最初に放った時よりも速度が大幅に上げられた回転する三日月状の斬擊を五つ放ち、逃げられる前に仕留めようとする。
だが、既に出入口の側にいる事から今なら桜空の能力を使えばファーストのアジトまで帰還できるだろう。
【年末年始は忙しいのでしょうがないですよ!】
桜空《今のは、マジで危なかった・・・・・》
(即座に脳裏に過ぎった死のビジョン、幻覚などではなく、本当に未来が見えたような、そんな不思議な感覚・・・・・
走馬灯の逆バージョンとも言えるような不思議な現象に理解が追いつかず、中川の助けがなかったら確実に斬られていた・・・・・
中川に礼を言いたいところではあるが、今はとにかく逃げることが最優先だと判断し、咄嗟に
「全員掴まれ・・・・・!」
と叫び、死の斬撃が迫り来る中、アジトへと全員で戻ろうとする・・・・・)
>>651、652、653
狼谷
「ああ……悪いな……」
狼谷は撃ち抜かれた左足を左腕で強く押さえ、出血を少しでも遅らせようとするものの、押さえた手からは大量の血が止めどなく溢れ続けており、狼谷の顔色も青白くなり始めている。
その出血量から察するに、狙撃手はただ動きを封じるために脚を撃ったのでは無く、脚の太い血管がある場所を精確に撃ち抜いて出血を止めることが困難に成るようにしていた事がわかってしまう……
どれだけ殺戮を繰り返せば、どれだけの命をこの手段で奪えば、ここまでの狙撃力を身に付けることが出来るのか……想像もしたくない。
また、剱の放った人間を容易く膾切りに出来る破壊力を有した回転斬擊が眼前にまで迫って来ている……一つの判断ミスが全滅に繋がってしまうだろう……
桜空「おい斬撃女ぁあっ!!!!!てめぇらのボスによーく伝えておけ!!!!!俺が絶対にお前ら腐った正義の鴉共を潰してやるってなぁ!!!!!」
スゥゥッ・・・・・!
(桜空は転送ゲートを出現させると、アジトへと移動する直前に相手へ上記を仲間を傷つけられた怒りを顕にしながら叫ぶ・・・・・
そして、相手の斬撃は当たる直前に転送ゲートが閉じてしまった為、そのまま桜空達を切り刻むことなく空間の一角を切り刻み不発に終わる・・・・・
コンマ一秒でも桜空達の行動が遅れていれば、確実に仕留められたであろう時差だった・・・・・)
>>655
>>653
瀕死に陥った狼谷を見て、駄目だと知りつつも焦ってしまう。
「チッ……嫌な手を使いやがる。昔やったゲームで見たことあるぜ」
眉間に皺を寄せ、嫌悪感を露(あらわ)にする。
わざと一発で仕留めず、他の敵を炙り出すために重傷を与える。プロのやり方だ。
「けど、あんたらの思い通りにはいかねえよ!」
すぐに不敵な笑みに切り替え、狼谷の大腿部に先程と同じく、針金で止血を行う。流石に輸血などは不可能だが、これで少しでも猶予は伸びるだろう。
「旦那、もう少しだけ踏ん張ってくれ……!」
そして桜空の肩へ触れる。すんでのところで転送が間に合い、漸く脱出に成功したのだった。
>>656
>>657
狼谷
「ぐおぉぉぉぉぉぉ……!!
痛ッ……死ぬ程痛てぇ……!」
桜空が転移した事で窮地を脱した。
狼谷が率いていた攻撃部隊の内の半数と、潜入部隊の全滅と言うように、ファーストと言う組織が深傷を負う事になってしまったものの、四人は生還する事が出来た……
また、狼谷が殿を勤めた事で攻撃部隊の半数は剱鴉から逃れることにも成功している。
中川が傷口を縫う際に、傷口を通る針に激痛を感じつつも、何時もながらの軽い皮肉を口にする辺り、一先ずは一命を取り留める事に成功したものの、それがどのぐらいの延命になるかはわからない……
剱鴉
「腐った正義……か。
私達をそうしたのはお前達の秩序への無関心からだと言うのに……
愚かな……」
四人の去った後、体に付いた土埃を払いながら、桜空が残した言葉に対する答えのようなものを呟くものの、その真意は現状では伺い知れない……
何が正義で何が悪なのか……
八咫烏との死闘はその答えを探すための試練なのかもしれない……
桜空「・・・・・中川、紀、狼谷・・・・・すまなかった・・・・・」
(桜空は、転送が無事に済みアジトへと帰還すると、すまなかったと言い土下座をする・・・・・
今回の件で、攻撃部隊や潜入部隊に徹したメンバーの多くが命を落としたことや、生き残ったメンバーを危険に晒してしまったのは、すべて自分の責任だ、償おうとしても償い切れない・・・・・)
>>657、658
>>659
狼谷
「いや、謝るのは俺の方だ。
ボスを救うためとは言え……采配ミスで大勢の仲間を失ったし、この二人にも危ない目に合わせちまった……俺の責任だ。」
アジトに帰還すると、狼谷は苦々しい顔をして視線を背けながら、コンクリートの壁に背中を預けて息を整え、今回の作戦における被害の大きさについて話す……
事前に確認した際には十二鴉が1,2人いるだけだったのが、実際には四人もいた上に、三羽鴉の剱鴉まで現れたと言う、完全なるイレギュラーが重なってしまっていた。
桜空「いや、元はといえば俺が捕まったのがすべての原因だ・・・・・」
(そう言うと、座り込んで頭を抱える・・・・・
自分は組織のリーダーでありながら、まんまと敵に捕まった上にそれが原因で多くの仲間を失った、生き残った仲間達も傷つけられた、何も出来ない自分が情けない・・・・・
桜空の絶望と悲しみは、大きかった・・・・・)
>>661
《ズズズズ……》
狼谷
「おいおい…八咫烏のアジトから脱出する間際とは随分と違うじゃないか……?腐った正義の鴉共を……潰すんだろ……?」
狼谷はもたれかかったコンクリートの壁から力無く床に座り込むと、切断されずに残った左手で左足の弾傷を強く抑えながら、転移前に八咫烏を潰すと言い放った桜空と、打って変わって弱々しくなった桜空を励ますように言う。
桜空「・・・・・あぁ・・・・・だが、お前達が傷ついたこと、他の仲間達が命を落としたことに変わりはない・・・・・」
(そう言うと「・・・・・完治は叶わないが、治療マシンでいくらか回復はするだろう・・・・・狼谷、立てるか・・・・・?」と、肩を貸そうとする・・・・・
桜空は今回の件でかなり精神的にも追い詰められたのか、声が弱々しい・・・・・)
>>662
>>663
狼谷
「………そうしたいのは山々だが……
左足の動脈を断絶されている……傷口を塞ごうと、血管そのものがやられている以上、内出血になるだけだ……
治療マシンも万能じゃない……これだけの出血、身体組織の破壊じゃ治る見込みもない……」
片腕を失っただけなら治療マシンに入って治癒を開始すれば、時間こそかかるものの、出血を回復し、切断箇所を塞いで治癒することも出来たのだが、最後に放たれた弾丸だけは例外だった……
一見すると銃弾が一発だけ左足に当たっただけに見えるが、脚にある太い動脈が完全に断絶して骨にまで弾丸が入っているため、中川が傷口を縫った事で体外へ流れる血は止まったものの、切断された動脈から流れる大量の血が左足に溜まってしまい、重篤な内出血となってしまっている。
血が血管を通って正常な流れに入れなくなった事から、そう時間もかからずに出血死してしまう事を悟っている。もし、これが通常の銃弾によるものであれば、ここまで重篤なダメージにはならなかったのだが、今回ばかりは俗に言う"当たり所が悪い"と言えるだろう……
狼谷
「……俺はもう助からないし、仮に助かったとしても片手片足を失った状態じゃ足手まといにしかならん……だから俺は……残された時間を……お前らに伝えたい事を話すために使おうと思う……」
死が目前に迫り、一層顔が青白くなり、左足の傷口からは内出血によって起きた黒い血膿が滲み出す中、生きていられる内に三人に言葉を伝えるために費やそうとしている。
自分が足手まといとなって生き続けるのではなく、仲間に後の事を託した上で命を落とすことを選んだ……
>>664
「…………」
こんな状況では、いかに隆次といえど茶化すことは出来なかった。
周囲の大気が質量を持ったと錯覚するような、重苦しい空気を吹き飛ばせるほど彼は破天荒ではなかった。
三羽鴉、よもやあそこまで力の差があったとは。様々な悪条件こそ重なったものの、複数対一で圧倒し続けてみせたその実力は驚愕に値する。
何らかの打開策を打ち出さなければ。
だがどうする、個々の戦闘能力を向上させる為の訓練など、成果はたかが知れている。かといって強力な異能者の伝手があるわけでもない。
「……」
額を抑え、思考に影が差し始める。今は何とか生還できたが、今後を考えると八方塞がりな事態になる確立は濃厚だ。
次に全面対決などしようものなら今度こそ全滅しかねない。
「……それでも、やれることはやっときますか」
ネットで実践型格闘技について、一通り調べるだけでも少しは違ってくる筈だ。他には基礎体力向上トレーニング、能力を何度も限界まで使うなど、視野を広げれば意外とやれることは多い。
(けど、その前に……)
まずやるべきことは、狼谷の話に耳を傾けることだろう。
>>665
狼谷
「お前はまだこの組織に入って1ヶ月ほどだったな?
短い間だったが……色々と大変な事もあったと思うし、これからも幾つもの困難や苦難も訪れるだろうな……」
firstは裏社会の組織であり、裏の世界からも表の世界ででも敵が多い。
組織に入る前も、入った後も、そしてこの先も八咫烏を始めとした数多くの敵が立ちはだかる事になってしまうと言うことを告げる。
狼谷
「だが……剱鴉と言う化物を前にしても……諦めたり悲観すること無く最後まで勝機を探り続けることが出来たお前なら……負けること無く進んでいけると俺は思った……」
呼吸を整え、少しでも長く話すことが出来るように自分の左足の弾傷に微弱ながらも大気圧をかけて出血を遅らせながら言葉を紡いで行く。
狼谷が剱鴉に最期の足掻きを出来たのも、今こうして遺言を残すことが出来るのも、彼の助力の賜物だからだろう、一番始めに言葉を伝えていく……
剱鴉と言う、圧倒的な実力を持った敵に対しても屈すること無く挑み続け、勝機を諦めなかったその度胸を、勇姿を狼谷は見ており、それを高く評価している。
狼谷
「うちのボスはまだまだ若い……俺の代わりに支えてやってくれないか……?」
もう左足の間隔は無い。
全身の痛覚が無い…
神経が死滅し始めているのだろう…
幸いにもまだ意識が朦朧とするような事は無いが、それも時間の問題だ。一度意識を失えばもう目覚めることはない…
中川さえ良ければ、桜空の事を支えてやってくれないかと聞いてみる。
桜空「・・・・・」
(桜空は、認めたくなかった・・・・・
狼谷と一番長い付き合いだからか、桜空自身も心のどこかでわかっていた、狼谷はもう助からないということを・・・・・
だが、薫先生の死という前例があることから、大切な人の死というものを桜空自身がとうしても受け入れたくない、現実逃避をさせようとしていた・・・・・
だが、ここまで来て今改めて思い知らされる、そこにある確かな迫り来る死の気配・・・・・
あぁ、そうか・・・・・またか、と桜空の思考は停止する・・・・・
結局、守る側の立場になっても、以前よりも強くなっても、守れない者は守れない、現実とは非情だ、だが何よりも悪いのは、守れなかった自分自身の無力さだと・・・・・
桜空の顔に影がかかる・・・・・)
>>664、665、666
>>667
狼谷
「ははは……何を辛気臭い顔をしてんだよ……?
お前は最善を尽くした、寧ろよく四人もあの場から生存出来たと言ってもいいだろうな……お前は悪くない。」
死の間際にはその者の本性が現れるものであり、その多くは生への執着から醜いものになる事が多いのだが、狼谷は桜空を責めること無く、これまで見たこともない……いや、狼谷自身もした事の無い穏やかな笑みをしながら、恨み言は一切言わずにこの結果は最善のものだった事を言う。
狼谷
「お前はもっと強くなれる。
誰も理不尽な悪に踏みにじられないような世界を…
俺みたいな半端者には出来ない理想を…
お前なら叶えられると俺は信じている…!
だからこそ、こうしてお前に安心して託すことが出来る。」
狼谷はfirstの理念である不殺の信念を認め、桜空の想い描く理想を肯定し、自分の想いを託すことが出来ると言う……
自分はここで命を落とす。
だが、自分のような半端者では叶えることの出来なかった理想を桜空であれば安心して託す事が出来ると言う。
桜空「・・・・・俺の最初で最後のわがままだ、死なないでくれ・・・・・」
(自分の往生際の悪さが嫌になる・・・・・
狼谷はもう助からない、そんなのはわかっている、だが、桜空は裏社会の世界で生きるようになっても、誰かの死を受け入れられるほどに精神面は強くなかった・・・・・
桜空は、最初で最後のわがままとして、生きてくれと告げる・・・・・
桜空の表情は無表情だった、どんな感情を持てばいいのかすらもわからないほどに、悲しみが勝ってしまうと人間は表情が無になるのか・・・・・
だが、同時に目からは涙が流れていた・・・・・
死の間際に、わがまままで言って狼谷を困らせる自分が嫌になってくる・・・・・)
>>668
>>669
狼谷
「ははは……それは難しい願いだな……」
狼谷は桜空に自分の遺志を託した。
狼谷は徐々に意識が朦朧として来ており、言葉を話すことも難しくなっている中、何とか言葉を紡いで行く……
狼谷
「紀……お前とももう少し話してみたかったが……
お前は昔の俺に似ている…お前は俺みたいな半端者にはなるなよ……?」
狼谷は視線を紀に向けると、あまり多くを語る時間は残されていないとわかっているかるか、昔の自分と相手が似ていると言うことの続きなのか、自分のように正義にも悪にもなれなかった半端者にはなるなよとだけ伝える。
紀「・・・・・半端者、ですか・・・・・天地がひっくり返ろうと、私達は悪人です、ただ、あの黒服達のやり方が気に入らない、それだけの話です・・・・・」
(狼谷は半端者と言うが、狼谷も含めて自分達は天地がひっくり返ろうと悪人の集まりであり、腐っても正義にはなれない、八咫烏のやり方が気に入らないだけであり、結局は悪人なのだ・・・・・
「私に言わせれば、貴方はどちらかと言えば悪人ですよ、この組織にいて悪人じゃない人間なんていません・・・・・それに、逝く時まで一人ですか、どこまでも一匹狼ですね貴方は・・・・・」
と告げる・・・・・)
>>670
>>671
狼谷
「そうか?まともな人生だったとは言えないが……
俺は幸せ者だ……信じられる奴らに……自分の意思を託して……逝けるんだからな……」
遂に意識が朦朧として来たのか、狼谷は一人で逝くその姿から一匹狼だと形容されるものの、自分は幸せ者だと応える。
その声はとても弱々しおものではあったものの、決して嘘や偽りの無い、心からの安心をしている事が感じられる……
狼谷
「俺は……頼んだぜ?」
最期に桜空に優しく微笑みながら、後は頼んだとだけ言うと狼谷は出血の影響で意識を失い、そのまま目が覚めること無く衰弱死する……
険しく深い谷底を生きる孤独な狼であった彼は、太陽を求めて地上を進み、仲間を助け、助けらた結果、信じられる仲間に囲まれて命を落とした……
【狼谷陽助 死亡】
紀「・・・・・まったく・・・・・」
桜空「・・・・・」
(こんな時には、泣けばいいのか、叫べばいいのか・・・・・桜空にはわからない・・・・・
昔、薫先生が命を落とした時はまだまだ子供だったということもあり、ただただ悲しむだけだったが、こうして組織のリーダーとなり、守側の立場になっても守れなかった・・・・・
ここまでしても守れないとなれば、もうどうすればいいのかわからない・・・・・
桜空は、眠るようにして逝った狼谷を抱え上げると、硬く冷たい床ではなく、ベッドに寝かす・・・・・
桜空の表情は、人形のように、どこまでも無だった・・・・・)
_________
【某所・反社会的勢力拠点にて_____】
ボス「ひっ・・・!ひぃぃいいいいいいいっ!!!!!たっ・・・・・助けてくれっ・・・・・!頼む・・・・・!!!!!」
悠矢「いやいや、どうしてもアンタら潰さないといかんのよ、というわけで、さいなら♪」
ボス「ま、待っ・・・・・!」
ビチャッ・・・・・
ボス「・・・・・」
悠矢「さーてと、氷華ちゃんに知らせますかねぇ・・・・・」
(氷華に頼まれ、反社会的勢力の拠点を潰しに行っていた悠矢は、任務が完了した為スマホで氷華に任務終了の一報を知らせる為に、電話をかけ始める・・・・・
とんでもない収穫もあったことから、きっと喜んでもらえるだろう・・・・・)
【 ー 回想 ー 】
夕渚「・・・・・」
(前々から体は弱かったが、とうとう入院してしまったことで自分の今後が心配になり、表情には出さないものの、かなり精神的に夕渚は追い詰められていた・・・・・
まだ高校生、本当なら今頃、友人達と一緒に楽しく高校生活を、青春を謳歌していた頃だろうと思うと、泣きそうになる・・・・・)
>>666
「そいつぁ買いかぶりってもんよ、旦那」
双眼を閉じ、柔らかに彼の言葉を否定する。
「けど、そう言われて悪い気はしねぇな……OK、後は任せてくれ」
だからといって、他に適任がいるかと言われれば疑問が残る。紀は組織への忠誠心などが自分よりも欠けているので、消去法的にこうなったのだろう。
これからあの直情一本気リーダーの尻拭いをやらされると思うと、気が滅入ってくる。
(けれども……何だろうな)
不思議と、それを投げ出す気にはなれなかった。
「じゃあな。地獄(あっち)でまた会おうぜ」
それだけ言い残すと、踵を返しその場を後にした。
一人の漢を見送るのにそれ以上の言葉は要らない。きらびやかな虚飾も必要ない。
ただひとつ、何があろうとも曲がらぬ意思(たましい)を示せばよいのだ。
>>675
氷華
「随分と暗い顔をしているわね?
私で良かったから愚痴を聞くよ。」
夜になり、静寂と沈黙、無機質な機械音のみが鳴る夕渚の病室にて、病室の窓が開き、月明かりに照らされた氷華が入って来る。
入って直ぐに夕渚の顔を見てその暗く沈んだ様子を察し、何か愚痴があるのなら聞くと言う。
桜空「・・・・・」
(中川の言葉を聞き、心の中で思う・・・・・
そうか、自分達は悪人だ、もし死後の世界というのがあるならば、死後は地獄に堕ちる・・・・・
自分が死後地獄に堕ちるとしても桜空は今までの人生、地獄を見てきたからか今更地獄に対する恐怖なんて薄れている、本当の恐怖というのは、失うこと・・・・・
願わくば、狼谷には天国で安らかに眠ってもらいたい、そう思っていた・・・・・)
>>676
夕渚「・・・!氷華・・・・・」
(消灯時間になり、一人で気持ちが沈んでいた時、月明かりと共に姿を現した氷華に驚くも、夕渚も珍しく精神的に追い込まれていたのか、いつものように常に笑顔で接する夕渚とは違い、疲れたような表情で喋り始める・・・・・
「・・・・・私、とうとう入院しちゃった・・・・・なんか・・・・・ちょっと怖くてさ・・・・・これからのこととか・・・・・」)
>>677
>>678
氷華
「………そう。
此処では退屈でしょう……私は何かを買ってあげる事は出来ないけれど、話し相手ぐらいにはなれる筈よ。」
夕渚が入院する事になったと聞くと、氷華は窓の縁に座りながら、数秒の間だけ自分の顎に左手を当てて何かを推測するようにして考える。
そして、口を開くと、本来ならば何か物を購入して見舞品としてあげたいところなのだが、自分の立場上、購入履歴から足が着くことを警戒して見舞品の一つもあげられない事に歯痒さを覚える。
見舞品の代わりとして、自分が話し相手になる事で少しでも退屈を紛らわせようとする……
夕渚「氷華・・・・・」
(相手のどこまでも純粋な優しさが、身に染みて伝わる・・・・・
そして、夕渚は口を開く・・・・・
「・・・・・私ね、どうしても思っちゃうんだ・・・・・もしかしたら、自分がここで死んじゃうんじゃないかって・・・・・考えるとすっごく怖いけど、どうしても考えちゃうんだ・・・・・でも、もし死んじゃったとして、本当に死後の世界が、天国とか地獄とかっていうのが本当にあるなら、私はやりたいことがあるんだ・・・・・」
と言うと、氷華にも今まで見せていなかった、氷華が弟の写真を入れたペンダントを持つのと同じように、夕渚も写真入りペンダントを持っており、それを開いて中の写真を見せる・・・・・
「可愛いでしょ?私の妹なんだ・・・・・」
夕渚の表情は、静かな微笑みだがどこか哀しくもあり、無理して作っている微笑みなのは明らかだった・・・・・
写真には、幼少期の夕渚と一緒に、夕渚に雰囲気の似た当時の夕渚よりも少し幼いしょうじょがうつっていた・・・・・)
>>679
>>680
氷華
「そう……確かに今は良い状況だとは言えない……
けれど、一度しかない人生を悲観的に見るのは良くないわ、病は気からと言うでしょう?」
神童に選ばれた際に神道学についても叩き込まれた。
アニミズムや祖霊崇拝等の民族信仰についてや、陰陽道についての知識はあったものの、死後の世界について氷華は懐疑的だ。
天国も地獄も存在しない、人は命を死んだら無になるだけ……
だからこそ、今を生きる、悔いが残らないような生き方をすると決めている。
だからこそ、氷華は少しでも生きる活力が沸くように、悲観的に現状を見るのではなく、多少は楽観視してもいいと言う。
氷華
「ええ、貴方に似て可愛いわ。」
彼女の持つペンダントを見て、自分が昔、弟に誕生日プレゼントをあげるために街に行った時の事を思い出しつつ、愁いを帯びた微笑みを見せる夕渚の妹の写真をみて、サラリと夕渚を可愛いと言う。
夕渚「・・・・・照れるじゃん・・・・・」
(貴方に似て可愛いと言われると、想定外の発言だったからか、少し嬉しそうな笑みになるが、やはりどこか哀しみを感じることには変わりない・・・・・
そして、夕渚は語り始める・・・・・
「昔ね・・・・・家に不審者が入ってきて、お父さんとお母さん、私は縛られて妹は目の前で不審者に刃物で首を切り裂かれて命を落としたの・・・・・あの日以来、両親は笑わなくなってしまった・・・・・そして、今度は私・・・・・私が死んだら、両親は悲しむけれど、妹のいる場所に行ける、ずっと一人ぼっちにさせちゃった妹に会える・・・・・そんなことばかり、考えちゃってさ・・・・・」
と、いつもの夕渚からは考えられないほど暗い発言をする・・・・・
今でも脳裏にこびりついている、緋色の鮮血に染められた妹の姿が・・・・・
だが、今までそれを隠し、人と接する時は常に笑顔を絶やさないようにしてきた・・・・・
氷華は、夕渚が初めて本当の自分をさらけ出して話せた相手だったのかもしれない・・・・・)
>>681
>>682
氷華
「………それは辛いわね……
貴方にそんな暗い過去があったなんて驚いたわ……」
自分の見て来た夕渚は天然で人を疑うことがなく、犯罪現場を知りながらも捕らわれている者を身を案じたりと、どこか弱々しい様子であった事から、凄惨な過去があったと思っていたのだが、案の定、今にも引き摺る暗い過去があった事を知り合点がいく。
大抵の者は辛い過去があると復讐に走ったり、異常性を開花させたり、全てを諦観するようになるのだが、おそらく夕渚の場合は後者なのだろう。
氷華
「貴方は悪が憎い?」
本心を見せてくれた夕渚に対してさえ、氷華は自分の過去については一切語らず、悪が憎いのかどうかだけを聞いてみる……
自分は理不尽な悪、惨劇や悲劇をもたらすために力を渇望し、強さを追い求め、八咫烏に入った。そんな自分を突き動かす原動力は、悪に対する憎悪と、無力だったかつての自分への絶望から来ている……
彼女が復讐を望むのであれば八咫烏としての道を教えてもいいのかもしれない…
夕渚「・・・・・私は・・・・・」
(氷華との出会いは路地裏でチンピラ達に絡まれているところを助けられたことだった、そして、ある程度氷華は悪人という存在に対して嫌悪感を示す人物であるということはなんとなくわかってはいたが、いつも自分と話す時の氷華と比べると、今の氷華はどこか別人のようにも思えるほどに、その表情に氷のような冷たさを感じた・・・・・
そして、夕渚は氷華からの問いかけに答えを返す・・・・・
「私は、正直妹の命を奪った人達を許すことは、絶対にできない・・・・・私だけじゃなく、両親だってそう、自分の家族を○されて、犯人を許せるわけがないよ・・・・・」
と、俯いて言う・・・・・
が、少しして顔を上げると
「でもね、私は生き残った・・・・・いや、生き残ってしまった以上、妹が生きれなかった分、憎しみとか恨みとか持って生きてたら、申し訳なくてさ・・・・・妹は・・・・・結は、もし私が復讐鬼になったら、きっと悲しむだろうから・・・・・」
と、自分が復讐に走らない理由を明かす・・・・・)
>>683
>>684
氷華
「………そう……
やっぱり貴方はお人好しだわ。」
家族を失った境遇から、少しだけ親近感を覚えていたものの、世界にも自分にも復讐の矛先を向けずに、復讐の道を進まなかった事に、自分と対称的なものであると感じ取ると、夜空を照らす三日月を眺めながら、下記を呟く……
氷華
「けれど……貴方のような考え方の人こそ、不条理や不合理な悪に苦しまずに住む世界になって欲しいわね……?」
氷華の理想とする世界はお人好しとされる者達が苦しまず、悲しむことも恨むこともなく、平和に平穏に自由に生きていられる楽園のような世界にしたいと言うものだ。
自分はもう後には戻れない……
復讐の歩みを辞めようとしたところで、自分は取り返しのつかない数の命を奪って来てしまった……引き返すにはあまりにも遅すぎる。
だからこそ、この道の先に、理想の世界が誕生したとしても、自分の破滅は免れない……だがそんな破滅の決まった未来であっても自分には歩みを躊躇するような事は許されていない。
全ては……悪のいない世界を作るために。
夕渚「・・・・・氷華は、どこまでも優しいんだね・・・・・」
(そう言うと
「氷華はさ、優し過ぎるから、少し頑張り過ぎちゃうこともあると私は思うんだ・・・・・だから、たまには少し休まないと、駄目だよ・・・・・?」
と告げる・・・・・
氷華の掲げる信念、悪人に苦しめられることのない世界作りというものに、氷華の言うお人好しというものと同じものを感じたからだ・・・・・
自分もお人好しなら、どこまでも優しい氷華もまたお人好し、と言ったところか・・・・・)
______
【現在】
ヒュウウゥゥゥゥ・・・・・
(冷たい夜風が、氷華の髪を撫でるようにして吹き付ける・・・・・
弟の現在、そして脳裏に過ぎる夕渚との会話、色々な感情が入り乱れる今の氷華にとっては、冷たい夜風など何にも感じない程度なのだろう・・・・・)
>>685
>>686
たまには休まないと駄目だと言う言葉を聞いた氷華は嬉しいような、困ったような、複雑な内心を抱きながらも、もう止まることの出来なくなって自分の事については一切言葉にはせず、ただ微笑み返す。
氷華
「………………。」
現在に戻った氷華は多数の海外のマフィア構成員の死体の山の上の座りながら、夕渚と話した時と同じように三日月を見上げている……
だが、あの頃と違い、人の心はもはや残っておらず、正義のために殺戮を繰り返す氷のような心を持った冷酷な存在へと変わり果ててしまった……
殺戮や虐殺の後、体を刺すような冷たい夜風にさえ何も感じておらず、悪に対する憎悪と自身への絶望のみが渦巻く瞳を持って月を眺めていた……
【八咫烏 地下アジト】
剱鴉
「それで?
何故僕の戦いに水を刺したのか……
理由を説明してもらおうか、ルイン。」
四人がファーストのアジトにまで帰還した後、開け放たれた出入口の先を見ながら、大太刀を納刀し、体に着いた土埃を払いながら、狼谷に致死の凶弾を撃ち込んだ張本人である謎の仮面……"ルイン"に対して声をかける。
ルイン
「嫌だなぁ、その理由についてはだいたい検討が付いているんじゃないですか?それに……貴方はあのまま"四人全員を見逃すつもり"でしたよね?貴方の速度があれば四人をまとめてバラバラに切り刻む事だって出来たでしょうに。」
狼谷の左足を撃ち抜いた時に使ったロングバレル型の拳銃を持ったルインが剱鴉の直ぐ後ろから現れ、説明を求める剱鴉に対し、剱鴉は狼谷の右腕を斬り飛ばしてから、一度も剱鴉の"本来の戦闘スタイル"を見せること無く戦い、その結果見逃した事について指摘していく。
剱鴉
「……それは買い被りすぎだ。僕は最初から全員を斬るつもりだった。」
ルイン
「クフフッ、まあ貴方が何を考えているのかはわかりませんが、次に同じミスをしたら……"今の金鵄様"は貴方を生かしておくでしょうかね?」
剱鴉
「……………。」
今の氷華は剱鴉を相棒として認め、共に幾度もの死線を潜り抜けて来た頃とはまるで別人のようになっていた事を思い、剱鴉は何も言葉を返すこと無く、一度もルインの方へ振り返ることもなく、アジトの出口から外に出ては何処かへ向かって歩き去って行く………
ブーッ、ブーッ・・・・・
(三日月を見上げる氷華のスマホから、バイブ音が鳴る・・・・・
相手は悠矢であり、恐らく任務完了の知らせだと思われるが、何やら写真付きメールのようであり、添付された写真に写っていたのは、極秘と書かれた謎のリストのような物であり、メールの文章は「氷華ちゃん、任務完了だ、同時にちょっと真面目な話があるから、合流できる?」となっていた・・・・・)
>>687
>>689
氷華
「………確認した、合流についても私は構わないわ。」
氷華はスマホの振動から着信が来たことを理解すると、コートの内側からスマホを取り出し、慣れた手付きでパスワードを解除し、その内容とリストの帳簿を確認すると、合流しても構わないと言葉短く返す。
そのリストに記載されている事を確認し、その内容によっては今後の動向も変えなくてはならない程の重要なものである事から、彼の言う真面目な話よりも、そのリストの真偽、本物かどうかの確認や、その内容にある"黒い貴族"について気になっている。
「OK、それじゃあ、いつもの倉庫裏で」
(任務が完了した際、収穫があった時は人目につかない場所で得た物についての大まかな話し合いが行われる・・・・・
悠矢はいつものように、人目のつかない廃墟の近くにある寂れた倉庫の裏で待ち合わせしようとメールを送る・・・・・
悠矢が真面目な話があると言うことは、よほどのことだとも思えるが、今の氷華からすればさほどのことでもないだろう・・・・・)
>>690
>>691
氷華
「……わかったわ。」
短く返答すると、通話を切り、通話履歴を確認し、このスマホをによって電話を使用した回数が10回未満である事を確認すると、再びコートの内側に入れて倉庫に向かって移動するべく屍の山を降りて行く。
そして、地上に降り立つと、積み上げられた屍の山と、星一つ見えない夜空を照らす三日月を背にし、軽く指を鳴らして屍の山の全てを一瞬にして凍結させ、そのまま砕け散らせる……
砕け散った氷がまるで雪のように綺麗に月の光を反射しながら辺りに降り注ぐという幻想的な光景ではあるものの、それを実行した氷華の瞳には底無しの憎悪と厭悪が渦巻いている……
夜空に浮かぶ三日月は、いつの時代でも等しくその美しさを保ち続け、人々を魅了させる・・・・・
もしこの砕け散りゆく結晶が、死体などではなく純粋に氷が散る幻想的や光景だったら、もし過去のあの惨劇がなかったとしたら、氷華と桜空は今も隣同士で笑い合っていたのだろうか・・・・・
【倉庫裏にて・・・・・_____】
悠矢「おいーっす氷華ちゃん、これが、今回の収穫・・・・・一通り俺も目を通したけど、俺自分のことを棚に上げて他人をやばいとか言えるほど常識人じゃあないけど、なかなかにやばいよ・・・・・」
(そう言って、メールに添付した写真に写っていたリスト、大体小説と同じくらいのページ数であり、五冊分ほどある・・・・・
どれも表紙に、繋がっていたであろう有名な企業名、団体名、果ては孤児院や政治家など、人物や場所を問わず様々な黒い繋がりがあったことを連想させる・・・・・)
悠矢「今回潰した組織の奴らに片っ端からこれについて情報を聞き出そうとしたけど、どいつもこいつもこれを管理するようにとしか言われてなかったみたいでさ、悪いけどこれの大本についてまではわからなかったよ・・・・・」
>>692
>>693
氷華
「……そう、どうやら……私の読みは合っていたようね?」
氷華はリストを見て、自分の考えは間違っていなかった事を確信し、緋染の言うように、リストを所持していた東北の暴力団もリストの大元については知れないと聞くと「それはそうよ、彼らはこのリストの大元の使い走り過ぎないのだから……」と応える。
現世を贖罪の場……地獄に変えると言う自分の考えが正しいものである事を確信し、リストにある全ての有力者達を殲滅するべく、リストを渡すようにと右手を緋染に向けて差し出す。
悠矢「へぇー、大元についての大体のことは知ってるんだ」
(氷華の言葉から察するに、氷華は恐らくこのリストに関する大元について何かしらを知っているのだろうと思いながら、氷華にすべてのリストを渡す・・・・・
氷華にリストを渡すと「それとさ、実はもう一つあるんだよねぇ・・・・・俺は一ページ見ただけで吐き気がしちゃって見るのやめたけど・・・・・」と言い、もう一冊、表紙には何も書かれていない謎のリストを取り出す・・・・・
「奴ら、とんでもねぇリストを持ってやがった、どんな方法でやってるのかは知らないけど、死体を利用して別の人間に作り上げることができるらしい、記憶も、性別も、姿形も、まるで別人に・・・・・まぁ、こいつらが使い走りなら、やってるのはその大元ってことになるとは思うけど・・・・・」
と、にわかには信じ難いものの、様々な能力を持つ者がいる現代では、死者を蘇らせるのではなく、死体を元にして別の人間を作り上げる、ということも成せる能力者がいるのだろう・・・・・
悠矢はそのリストも氷華に渡す・・・・・)
>>694
>>659
氷華
「奴ら……"黒の貴族達"ならそれが出来るだけの科学技術も資金も設備も幾らでも揃えられるでしょうからね……驚きは無い。」
全ての根源と言える"黒の貴族達"について少し触れる。
生と死を弄び、神の領域まで冒すような技術力を奴らが持っている事を伝える。
おそらく、このリストを所持していた暴力団はその立場上、足を洗おうとした組員やホームレス、多重債務者に破産者などを殺害し、その死体をリストのある企業や組織に回しつつ、それぞれの組織や企業が表立っては出来ない汚れ仕事をしていたのだろう。
いずれにせよ、奴らにとっては幾らでも替えの利く駒に過ぎなかったのは確実であり、既に替えの組織も用意されていると思われる……
何が目的で死体から生命の創造を行っているのかは氷華でさえ知らないものの、その目的が果たされる前に自分が全て滅ぼすと決めているため、熟考せずにそう応える。
氷華
「漸く良い成果を上げたわね?
何か望みがあるのなら聞いてあげる。」
彼から最後のリストも受け取ると、これまでに無い成果を上げた緋染に対し、氷華は何か褒美が欲しいかと問いかける。
悠矢「望み・・・・・って言われても、前は氷華ちゃんの持ってるペンダントの中身とか気になってたけど、今はそこまで気になるものでもないし、特に無いかねぇ・・・・・まぁ、強いて言うなら・・・・・」
ビュオッ・・・・・!
バサッ・・・・・
悠矢「さっむ・・・・・早いとこ帰ろうぜ、氷華ちゃん・・・・・」
(何かを言おうとした瞬間、そこそこ吹いていた夜風が強く吹く、と言っても、何者かの攻撃でも何でもなく、ただ風が一瞬強く吹いただけであり、悠矢は冷たい風に寒がり早く帰ろうと呟く、これだけなら特に気にすることは何もない・・・・・
・・・・・が、問題は、風に吹かれたことで地面に落ちたリスト・・・・・たまたまページが開いた状態で地面に落ちているのだが、そこには元となった死体の人物名と生前の写真、、死体から新たに生まれ変わった人物名と、今現在の写真が貼られている・・・・・
見たことも聞いたこともない名前と写真が連なる中、途中にこのような表記があった・・・・・
「佐藤 結」
過去に、夕渚が話していた妹と同名の別の人物、ではなく、名前の横には夕渚が氷華に見せた幼少期の夕渚が写っている写真に一緒に写っていた少女と同一人物と思われる瓜二つな少女の写真が、死体の状態で貼られている・・・・・
夕渚の言っていた通り、本当に鋭利な刃物で首を切り裂かれている証拠として、右の首筋がぱっくりと開き、そこから血が溢れているという、なんとも痛々しく、生々しい写真だ・・・・・
だが、このリストに夕渚の妹の写真が載っている、ということは、夕渚の妹は、今現在別の人物になって、記憶も、姿も変わって生きている、ということになる・・・・・
果たしてこれは吉報か、それとも悲報か・・・・・)
>>696
氷華
「ええ、そうね。」
自然と開かれたリストのページの対象者の名前と写真に視線が向くものの、今の氷華は驚くことすら無く、何の動揺も見えない。例えここで緋染がペンダントの中身を見せて欲しいと言われても何の躊躇いもなく見せるだろう。
緋染が夜風を浴びて寒がる緋染の言葉を受けると、リストを拾い上げ、そのまま倉庫内に向かって歩き始める。
悠矢「・・・・・氷華ちゃんさぁ・・・・・」
(一緒に歩き始めて少しすると、悠矢は口を開き始める・・・・・
「なんかさ、前と変わったよね」
悠矢と氷華、なんだかんだで一緒に行動する機会も多く、付き合いもそこそこ長いからなのか、悠矢は氷華が文字通り氷のように心が凍てつき始めていることに気づいていた・・・・・
多分氷華本人は何も変わっていないと否定するだろうが、それでも自分は騙されない・・・・・)
>>698
氷華
「そうかしら?」
自分の変化について気付き、変わったと言う緋染に対して氷華は短く一言で応える。その声や様子、雰囲気は何処か冷たいものの、これまでのように緋染に対して避けたり距離を取って様子を見ていると言うものではなく他者への無関心さから来ている。
その冷たさが氷華の冷静さと冷酷さをいっそう引き出しており、緋染の問いかけに対しても特に興味無さそうに応えている事から、これまで以上に人の心を失ったのだと言うことがわかる…
また、その氷華の持つ無関心は他者だけでなく、自分自身にさえ向けられている。
その姿はまるで正義と言う概念が形を成したかのようにすら見えるが、その正義の中に慈悲も慈愛も無くなってしまっている…
悠矢「・・・・・ま、いいけどさ、一つ言っておくよ、氷華ちゃん・・・・・」
(そう言うと「正義だろうと、悪だろうと、行き過ぎたら自分で自分の首を絞めることになるから、気をつけた方がいいよ」と、言葉を返す・・・・・
今までも氷華は悪人に対して容赦はなかったが、今回は容赦がどうのこうのというよりも、どこまでも行き過ぎた正義、もとい悪にも正義にもなりきれない何かになりつつあるように思える・・・・・)
>>700
【三羽の鴉】
蟲鴉が切り札として出した巨大蜈蜙によって倒壊した八咫烏のアジトの一角…
そこでは桜空が運良く気絶させた毒鴉と、中川と紀が二人がかりで挑んでも正攻法では倒せなかった水鴉と言う猛者が瓦礫の上に倒れている。
それに対し、十二鴉を二人同時に相手取っても尚、服の乱れ一つもすること無く佇むのは、ルインと呼ばれたあの黒衣に身を包んだ謎の仮面…
水鴉
「ゴホッ……!!?」
水鴉
「(どうなってやがる……毒刀、水圧レーザーと俺達の攻撃はどれもアイツに当たらねぇのに……アイツの攻撃は的確に水化した俺にも当ててくる……コイツの異能は何なんだ……!?)」
毒鴉が振るう毒刀はいずれも空振りし、水鴉の最速最強の攻撃技である水圧レーザーすらもルインに掠る事すらなく難なく受け流された。
まるで攻撃そのものがルインを避けているかのような……見えない壁に受け流されているような……そんな現象を目の当たりにし、二人の鴉が困惑している。
毒鴉
「て…テメェ……!!
何を考えていやがるッ!!テメェと俺らは協定を結んでいる筈だ!こんな事をすれば金鵄が黙っちゃいねぇぞ!!」
ルイン
「クフフッ、察しが悪いね?
今こうして僕が現れているのもや、君達の処刑をしているのも、その金鵄からのお達しがあったからだよ。『不純な正義を粛清せよ』ってね。」
仮面の人物は楽しそうな声色やテンションで話し手はいるものの、彼の身につけた不気味な笑顔の仮面と相まって異様な雰囲気を放っている……
そんな中でルインは毒鴉からの協定を元にした問いかけに対し、金鵄からの指示があった事を教えるとゆっくりと右腕を挙げる……
ルイン
「それじゃ、バイバーイ。」
水鴉
「ふざけ……!!!」
《グチャッ》
ルインが振り上げた腕を下へ降ろすと、水鴉と毒鴉の二人が反応する間も無く、見えない"何か"によって跡形もなく押し潰されて絶命する……
ルインが正義のために行動をしているのか…
それとも悪のために行動しているのかは不明…
更に、ルインがfirstの敵となるか、味方となるのかすらも謎に包まれている。
>>701
氷華
「……私は私の存在理由を果たすだけよ。
それ以上の大義もそれ以下の理由も必要ない。」
氷華は緋染の言葉に対し、自分は自分の正義を貫くだけであると応えると、倉庫に入り、倉庫内の木箱の上に座る……
氷華からは人間らしい感情の起伏も温もりも失われており、まさに動く氷像のように淡々と語る。
霞鴉
「やあ、二人とも。
深刻な話は終わったかい?」
氷華の背後に白い霞が現れると、それが徐々に人の形に変わり、氷華の座る木箱の後ろにあるコンテナの上に片足を立てながら座り、緋染と氷華の二人を見下ろしながら話は終わったのかと問いかける。
悠矢「ん?あぁ、話しなら終わったけど・・・・・いつからいたの?」
(恐らく今の氷華には何を言っても同じように氷のような反応しか返ってこないだろうと思っていたところに、いきなり現れた霧鴉を見ては、どうやら話し合いが深刻だということを知っていたらしいことから、一体いつからいたのかと問いかける・・・・・
自分も神出鬼没だということは自覚しているが、相手の能力を考えると、相手の方がもっとどこにでもいきなり現れることが出来るだろう・・・・・)
>>703
劔鴉
「悪いな、僕もいる。」
霞鴉の座ったコンテナの裏には劔鴉も待機していたのか、氷華の右隣へと移動しながら、自分の存在を話す……
意のままに自身の体を霞に変えることで無敵を誇る霞鴉に加え、その圧倒的なスピードと卓越した剣技を誇る劔鴉の二人…
この二人がいるだけで並みの組織どころか、小国の軍であれば瞬時に殲滅する事も出来るだけの圧倒的な戦力となっているのだが、そこへ更に……
焔鴉
「我らが金鵄の召集とあっちゃ来ねぇ訳にはいかねぇからァ。
テメェも久し振りだなァ、緋染。まだ鴉の名は持ってねぇのか?」
そこにいるだけでも強い熱気を放ち、氷華の周辺を除いて倉庫全体の気温が高くなっていく圧倒的な熱量と実力を持った焔鴉までその姿を見せる。
焔鴉はまさに生きた火山とでも言うべき存在であり、近代装備を備えた巨大な戦艦を一隻まるごと破壊し、中にいた軍人を殲滅したという噂がある程に圧倒的なパワーを持っている……
その破壊力やパワーは霞鴉と劔鴉すらも上回るだろう。
氷華
「緋染、貴方のくれたこのリスト…
これを手に入れた瞬間から次の計画に映すために予め三羽鴉に召集をかけておいた。貴方のお陰で計画から実行に移すことが出来る……」
氷華
「貴方には"二つの意味で"感謝するわ。」
氷華はリストにあった結の写真を思い出しながら、冷たく微笑み、二つの意味で感謝すると言う……
三羽鴉をわざわざ集結させたのは、"日本国を地獄へ変える計画"を実行するための最後の会議を開くためであり、国家崩壊のカウントダウンを開始したと言うことと同意でもある。
悠矢「あれまぁ、これまたお揃いで・・・・・」
(三羽鴉が全員集結していたことに気づかないほどに、自分の感覚は鈍かっただろうかと思いながらも、ここまでの実力者が揃っている中、自分はその中でも一番地位も実力も下っ端だが、怯むことなく三人を見渡す・・・・・
そして、鴉の名をまだ持てていないのかという焔鴉の言葉を聞けば「あぁ、俺は特に、なんとか鴉とか、なんちゃら鴉っていう肩書きにはこだわりないんでね、未来永劫このままで十分だよ」と返す・・・・・
そして、氷華から二つの意味で感謝すると言われれば「二つの意味・・・・・?よくわかんないけど、どういたしまして」と返した・・・・・)
>>705
________
【以下、リスト内結の項目における情報】
佐藤 結 (5)
捕獲動機:死体の再利用
実験台番号:310
死体再利用後個体名
緋染 悠矢
再利用には成功したものの、実力の面などで期待外れとみなされ、野放しにされる
本人には結の頃の記憶は無し
>>706
焔鴉
「ほう、となるとテメェには"表の名"は無いみたいだな。」
八咫烏内で使われている鴉と付く通り名は所謂コードネームのようなものであり、互いに互いの素性を第三者に伝える事を防止するための呼び方であり、敵対組織からの暗殺やプライベートな関係者に危険が迫るのを阻止する目的があるのだが、それを持たないと言うことはつまり、プライベートを持っていないと言うことになる。
その事から焔鴉は両腕を組んでコンテナに寄りかかかりながら緋染に対して表の顔を持ち合わせていないことを見抜き言う。
氷華
「三羽鴉も集まった事だから、これから作戦会議を始めるとしましょうか……」
氷華は三羽鴉全員が集まった事を確認すると、リスト内にあった結と緋染の二人が同一人物である事に対しても微塵の感情の揺らぎも無いままに淡々と作戦会議を行うと宣言し、地獄を編み出すための計画を始める……
これが後に惨劇をもたらし、国家の存亡すらも揺るがす壮絶な死闘の幕開けとなる……
【三羽鴉集結 終了】
【時を同じくして・・・・・】
ザアアアアァァァァァァ・・・・・
桜空「・・・・・」
(徐々に雨が降り出し始める中、アジトの外(敷地内)にて、俯きながら立っていた・・・・・
何故、自分はここまで無力なのか、戦って生きていかなければならない以上、所詮は力なのか・・・・・
「あああぁあぁぁぁぁぁぁあああああああああああああぁぁっ!!!!!」
桜空は、絶望と悲しみの雄叫びを上げる・・・・・)
>>708
朱音
「……こんなとこに居たら風邪をひくよ?
早く中に入りなよ。」
まるで空から叩き付けるようにして雨が降る中、独りで外に出て叫んでいる桜空に対し、藍色の傘を差しながら歩み寄り、建物の中に入るように言う。
狼谷が命を落とした事は聞いている……
自分は救出作戦が開かれた際に沖縄でファーストの部隊と共に別の作戦を行っていたため、駆け付けることが出来ず、慌ててこの場に到着した頃には既に全てが終わってしまっていた……
もし、自分がいれば……いや、仮に自分がいたとしても、八咫烏の最高戦力の一人である劔鴉に勝利するのは非常に困難だっただろう……
桜空「・・・・・ほっといてくれ・・・・・」
(桜空は、かつて家族を失い、孤児院に来たばかりの頃、後に仲良くなる薫先生にすら心を閉ざして反抗的な時期があった時と同じように、相手の言葉にも冷たくただ一言、ほっといてくれとだけ返す・・・・・
リーダーである分、仲間を守れなかった心の傷が深いのだろう・・・・・)
紀「無駄ですよ、もう数時間、ずっとあんな調子です、本人の言う通り、ほっときなさい・・・・・」
(雨が強まる一方で建物の中には入ろうとはしない桜空に対して心配して呼びかける朱音に、ここ数時間ずっとあんな調子で、多分今は何を言っても突き放してくるだろうと忠告をする・・・・・
「今はほっておくのが一番です、それよりも、ココアでも飲んで少し休憩なさい、長旅だったのでしょう?」
沖縄から急いで駆けつけたのだから、少しは休憩したらどうだと誘う)
>>709
>>710
朱音
「…………。」
普段ならここで反発して言い争いになり、力ずくでも建物内に引き戻そうとするのだが、今回ばかりは仲間を大勢失った事で精神的にも追い込まれてしまっている事を知っているため、強く出ることが出来ない…
紀の言うように、此処でどんな言葉をかけようと、気休めにすらならないと悟り、アジト内へと帰って行く…
紀「・・・・・まだまだ子供のクセして、背負うものが大きすぎるからこうなるんです、哀れな・・・・・」
(そう言いながら、ココアを飲む・・・・・
心配する朱音とは対照的に、紀は一見冷たいようにも見えるが、紀の性格上、今の桜空に対する冷静な接し方であるようにも見える・・・・・
「あれで、少しは強くなれるのであれば、一応はリーダーとして認めてはやりますがね・・・・・」
と、一言呟いた・・・・・)
【朱音が駆けつける少し前・・・・・】
ボス「今回の件は、あまりにも代償が大きすぎた・・・・・これで、多分八咫烏側も我々への敵対心がより一層強まったと思う、悪いが、あの子を・・・・・桜空のサポートを、任せてもいいかい?」
(朱音がファーストのアジトへと向かう少し前に、ボスが朱音に桜空のサポートについてもらいたいと頼み込む・・・・・
まだ15歳という若さで一つの組織のリーダーに任命してしまった罪悪感と、今回の件ですら指示を出したり駆けつけることすらもできなかった後ろめたさからだろうか・・・・・)
>>711
>>712
朱音
「え!?アタシが?
アイツとは度々意見がぶつかったりするから喧嘩ばっかになるかもしれないけど、それでもいいの?」
唐突に現れた上位組織のボスが直々に自分に桜空のサポートを申し出て来ると、驚き、回りを見渡して自分以外に誰もいないとわかると、少し顔をしかめながら自分を指差して言う。
確かに自分はファーストにおける幹部としての立場を持ってはいるものの、得体の知れない組織と付き合っていたり、あまりにも向こう見ずな行動を取る桜空と意見が衝突した事があるのは一度や二度じゃない。
今回の原因である桜空が霞鴉に連れて行かれたというのも、元を辿ればその組織とつるんでいたからであり、その事を知った朱音は桜空に文句を言う気満々だった。
ボス「あぁ、寧ろ君が一番サポート役には適していると思ったからこそ、こうやって頼んでいるんだ・・・・・」
(会う度に何かと口喧嘩をしている二人だが、ボスは寧ろそんな口喧嘩の相手である朱音こそ、桜空のサポート役には一番適していると述べる・・・・・
そして、今回の一件の元凶にもなったことについては「今は桜空にはそのことは絶対に言わないように、その組織についてはまた日を改めて説明させてもらうよ」と伝えると、その場から去ってゆく・・・・・)
>>713
>>714
朱音
「わかったよ。アンタがそこまで言うのなら手伝うわ。」
普通の組織ならば部下なり通信なりで任命したりするところ、朱音はボスからの直々の依頼と言うこともあり、無下には断ることができず桜空のサポートをする事を受け入れる。
ボス「感謝するよ、ありがとう・・・・・それと、口喧嘩も程々にな・・・・・」
バタン!
ブロロロロロロロロ・・・・・
(車に乗って走り去る寸前に、念の為に口喧嘩も程々にと忠告をする・・・・・
喧嘩するほど仲がいい、とは言うものの、別の組織絡みともなれば、もし口喧嘩に発展した場合いつも以上に辛辣な罵倒対決が始まってしまうと思ったが、同時に今の桜空にはそれすらする気力もないだろうとも考える・・・・・)
【そして、今現在・・・・・_____】
紀「うちのボスも何考えてるかわからない人ですね、あなた、あのガキとはしょっちゅう喧嘩しているでしょう?」
(まだ15歳という若さの桜空を一つの組織のリーダーにしたり、そのリーダーと仲の悪い人物をサポート役に任命したりと、相変わらず何を考えているのかがわからないとポツリと呟けば「・・・・・にしても、いつまであそこであぁやってしょげている気ですかねぇ」と、桜空を呆れたように見て)
>>715
>>716
朱音
「ああ言う時は外野は心の整理がつくまで放っておいておくのが一番よ。」
朱音もかつて警官時代に救えなかった命を前にした時に今の桜空と同じように一人で涙を流していた事があったため、紀と違い、彼の心情についてもわかっているため、今はこのまま彼が落ち着くまで一人にしておいてあげようと言う。
>>717
あれから自身を見直し、肉体と能力共に鍛え上げた。そしてたまにはメンバーに顔見せしようとアジトを訪れる。
「よう、美人が二人もいて目の保養だぜぇ」
神経を磨り減らしそうな緊張感を、程よく解(ほぐ)す声色で話し掛けた。
「ってか、九条の姐さんじゃないの。久しぶり〜」
二人の内、より大人びた方を見てやや驚く。彼女は狼谷と同じくFirst幹部の九条朱音だ。実力は折り紙付きである。
「姐さんが来るなんて珍しい。一体何があったのさ?」
純粋に以前の一件関連だろうか。欠員の補充ついでに桜空のメンタルケアと見るのが筋か。
【めっちゃ期間開けてすみません! どのタイミングで来ようか全然わからなかったもので……】
>>718
朱音
「おお!アンタか!少しぶりだなぁ!アンタは元気そうでよかったよ!
アタシが沖縄に行く前以来か?マイペースなのも変わってないな!」
朱音は紀との話しをしつつ、まだ外にいるであろう桜空の方を見て心配していた中、ふと聞き覚えのある声が聞こえた事でそちらへ振り返る。
自分が沖縄支部へ移動する前に知り合った中川であり、彼の「嬉しい事を言ってくれるね!」と、張り詰めた緊張感を取り払うように言葉をかけた彼の言葉に便乗するように陽気に応える。
朱音
「アタシの地位が上がりそうだな〜って事だよ。
うちのリーダーを支えてやれって言われてね。」
朱音は桜空のサポートをしてやって欲しいと言われた事を素直に話す。
狼谷が中川に桜空を支えてやって欲しいと言う言葉と合わさることで、桜空一人では無く、組織にいる者達で桜空を支えて行くと言う事になっている。
八咫烏を始め、大抵の組織では一人の指導者が権力の中枢を担い、構成員達は与えられる仕事をこなすだけなのだが、Firstの場合は、上下の隔たりを取り払う事になる。
一歩間違えれば内部分裂を引き起こす危うさを持っており、朱音と桜空は意見の衝突による喧騒が多いのだが、この判断が後に吉と出るか凶と出るのかはわからない……
【大丈夫ですよ!
自由に好きなタイミングで動いても大丈夫ですよ!
キャラに空きのある方が絡んでくれると思いますので!】
紀「普段喧嘩ばっかりしている割には、随分あのガキのことをわかっているような言い分ですね?」
(普段、顔を合わせればちょっとしたことで衝突しているような桜空と朱音だが、朱音が今の桜空の状況を見て、的確な判断をすれば普段喧嘩ばかりしている割には、よく相手のことを思いやっているように見えると呟く・・・・・
いや、寧ろ喧嘩ばかりしている者同士ほど、相手のことをよく理解している、ということなのだろうか・・・・・)
>>717
紀「あら、随分鍛え上げたようですね?」
(紀は、やってきた中川を見るやいなや、あの一件以降中川がかなりトレーニングに励んでいたということを見破る・・・・・
そして「言っておきますが、美人と褒めても何も出ませんからね?」と、美人と言われても特に喜んだり恥ずかしがったりする様子もなく、真顔で答える)
>>718
>>720
朱音
「ん?何を言っているんだ?
互いの事がわかっていないと喧嘩なんて出来ないじゃないか?」
朱音は桜空と意見の衝突をする際にも、相手の判断が気にくわないからと言ったように理不尽な感情によって反発するのではなく、自分には自分の考えがあり、それとは異なる判断をする相手であるからこそ、
意見の衝突を行っているため、善くも悪くも桜空についてはそれなりに理解しているつもりであるため、互いの事をわかっているからこそ、意見の対立があった際には気兼ねもなく喧嘩する事が出来るのだと応える。
紀「互いのことが分かっていたら、喧嘩に発展する前に対処するのでは?」
(互いのことが分かっている場合に起きる喧嘩は、互いのことが分かっているからこそ気兼ねなく喧嘩ができると言う相手に対して、互いのことを理解しているのならば喧嘩に発展する前に対処するのではないかと述べる・・・・・
が、紀自身は特に誰かと喧嘩をするということがない、というか、基本的に挑発的な態度であることが多いが紀に対して組織内に喧嘩腰でかかれる相手がいないので、喧嘩をちゃんとしたことすらあまりないのかもしれない・・・・・
「貴方と桜空、まるで姉弟のようですね」と呟く)
>>721
>>722
朱音
「あっはっはっ!確かにそうかもしれないねぇ……
だけど、理解している事と賛同することは別だ、相手の考えを知っているからこそ、何をしようとしているのかわかる。
詳しいところまでわかってしまうからこそ、賛成する事が出来なくなる事だってある……」
一般的に互いについて理解があれば喧嘩をする前に対処できる筈だと言う紀の的を射た発言を聞くと明るく笑い、その通りだと応えるものの、同時に相手についてわかっているからこそ、その真意に気付き、それに気付いてしまうからこそ、反対する事もあるのだとも言う。
朱音
「姉妹…か。
そう言えば、リーダーには生き別れの姉がいたんだっけ?
リーダーはあまり過去について話そうとしないからハッキリとした事はわからなかったけど。」
ふと、自分と桜空が姉弟のようだと言われると、髪の色も瞳の色も、性格も違うものの、たしかに相手を分かろうとしていたり、喧嘩をしている事から姉弟のようだと自覚する。
だが、桜空には生き別れの姉がいたと言うことを聞いたことがある…
過去について聞こうとしても桜空が語ることは無く、ずっと謎に包まれていたため、その詳細については朱音も知らない。
朱音
「ま、アイツの姉だ。
きっと何処かで元気にやってるだろうけどな!」
紀「いつもただ単に喧嘩しているだけだろうとは思っていましたが、そこまで考えていた上での喧嘩だった、と・・・・・まぁ、桜空に関しては、ただの意地で反抗しているようにしか見えませんが・・・・・」
(二人のいつもの喧嘩は、ただただ気に入らないから喧嘩していたというわけではないことに少し驚くものの、桜空に関しては恐らく朱音ほど考えているわけではなく、年相応に単なる意地っ張りなだけだろうと話す・・・・・
続けて、桜空の姉について朱音が言及すると「少し前にボスから聞いたことがありますが、死別の可能性もある、とか・・・・・桜空自身、姉の生死についてはよくわからないと聞いたこともありますが・・・・・」と言う)
>>723
>>724
朱音
「ま、それなりに長いこと一緒に居たからね。
だいたいの事はわかるよ。」
桜空の過去についてはあまり知らないものの、それを除いた現在の事であれば、それなりに長いことfirstに属していた事もあってわかるようになった。
紀から桜空の姉が死別している可能性もあると聞くと、「まだまだ若いのに嫌な事ばかりに直面しているのか…」と小さく呟き、桜空を蝕む宿命と業について考えを巡らせる。
自分が出来ることはそう多くはないだろう。
だが、このまま精神に負荷がかかるのを少しでも軽減したいとも考えている……とは言っても、おそらく喧嘩をする事は無くならないだろう……
紀「でもまぁ、裏社会という世界で生きていく以上、嫌なことの一つ二つで挫折していたら、こっちとしてもたまったもんじゃありませんが・・・・・」
(このメンバーの中では一番ファーストの一員として長い紀からすれば、この程度のことで挫折していたら、命がいくつあっても足りない、しかもそれが肝心のリーダーならば、組織の一員としてはたまったものではないと呟く・・・・・
桜空よりも辛い人生を歩んでいる人間なんて山ほどいる、裏社会で生きてゆく以上この程度で弱音を吐いていたらキリがない・・・・・)
桜空「・・・・・」
バタン・・・・・
(例の一件で精神的に追い詰められた他に、長い間豪雨に打たれて身体的にも限界を迎えたのか、桜空はそのまま地面に倒れる・・・・・
桜空自身、自分の限界にすら気づけずに倒れるほど、追い詰められていたのだろう・・・・・)
>>725
>>726
朱音
「あーあ、無理をしたから倒れた…
それじゃ、アタシらの大将を運んで来るよ。」
先ほどからずっと視線だけを窓の外にいる桜空に向けていたところ、土砂降りの中、地面が泥のようになってしまっているところへ意識を失った桜空が倒れ込むと、
桜空が倒れた事にいち早く気付いた朱音が傘に付いた雫を少し払い、再び外に繋がる扉を開いて桜空をアジト内に運ぶために向かおうとする。
>>727
「おっと姐さん、あんたの手を煩わせるまでもないぜ」
一連の様子を見ていた隆次が彼女の後ろに立つ。
そしてそこから動かずに鎖を形成、桜空の体へ器用に巻き付けると、そのまま中へと引き寄せた。
「洗濯物とか増やすのも、面倒だろ?」
びしょ濡れになって服の一部が透けるというのも乙なものだが、そういうのはごく個人的な範囲に留めておくべきだ。
>>728
朱音
「相変わらず便利な異能だなぁ。
アタシの異能はこういう時には役に立たないからね…
助かったよ!」
中川が鎖を生成し、開かれた扉の先で倒れた桜空を引き込むのを見ると、扉を閉めながら彼の利便性に富んだ異能を見て感心する。
自分が持つ異能は基本的に攻撃や索敵には有利だが、それ以外の日常生活ではほぼ使えない。
こう言った場面でも直ぐに対応できる彼の能力に素直に称賛送る。
>>729
「へへっ、誉めても何も出ないぜ姐さん」
確かに自身の能力とその練度に対しては、自負のようなものを持っている。しかしいざ面と向かって称賛されると中々にむず痒い。
「それで、今後はどうします? すぐにでも八咫烏へ攻め込みますか?」
声色を落とし、First構成員としての顔つきになる。
リーダーがこの有り様なので録な方針は定まっていないだろうが、朱音の頭には何らかのプランがあるかもしれないと踏んだ。
>>730
朱音
「勿論、奴らにも目に物を見せてやるつもりさ。」
朱音は狼谷のような作戦立案能力は無く、八咫烏内の情報を持っている構成員ももう居ない……つまり、これまで異常に八咫烏の動向を把握することが困難になってしまった事を意味している……
朱音は自身の異能によって腕力を強化し、意識を失った桜空を抱えながら応える。
朱音
「とは言っても……奴ら八咫烏がどう動くのかは読めないから、先手を打つことも出来ないし、私はあまり頭を使った事は苦手だから、その辺りは任せようかと思っている。」
救出作戦の舞台となった拠点は既に破棄されており、広大な地下空間もろとも半日で取り潰され、その足取りすら不明となってしまった。
八咫烏は少数精鋭と言うことであり、大規模な組織では無く、系列組織も無い。各メンバーは元々各自の判断で行動していたため、その行動を読むことは困難だ。
そもそも、今回のように組織的に行動したり戦力が集中する事自体が異常だと言える……八咫烏の中でも何かしらの変化が起きているのだろうか…?
桜空「・・・・・八咫烏との戦いは、数日後だ・・・・・あっちから出向いてくれる、それを待つ・・・・・」
(倒れてから意識もあるのかないのかもわからず、長い間豪雨に体を打たれていたことで冷たくなっていた桜空が、二人の会話を聞き、八咫烏との戦いは数日後、しかもあっちから出向いてくれるということを呟く・・・・・
目を開いた桜空の目は、今までの桜空とは違う、何かが宿ったような目だった・・・・・)
>>朱音、中川
>>732
朱音
「数日後だって?
これまた随分と唐突に言うけど、何か確証があるの?」
雨に打たれ過ぎたことで体力が無くなり、朦朧とする意識の中で何かの幻を見たのかと思い、桜空を抱えながらも、何か確証があるのかと問いかける。
もし、何かしらの情報を掴んでいるのであれば、それを元に作戦を練ることで対策を講じれるのだが……今の桜空はとても正常な状態であるようには見えない。
桜空「あぁ・・・・・あるさ、言っておくが、俺は別におかしくなったわけじゃねぇからな・・・・・?」
(朱音の目を見て、確証はあると、自分はおかしくなってこんなことを言っているわけではないと告げる・・・・・
付き合いがそこそこ長いと、相手が思ったことを全部言わずとも、大体のことはわかってしまう・・・・・
雨の中泣いていたのか、桜空の目は、少し赤くなっていた・・・・・)
>>733
>>734
朱音
「……それなら、私達はどう動く?
全戦力の三分の1が海外にいるけど、国内にいるfirstのメンバー全員を集めて戦力を強化しておくか?」
桜空が意識を取り戻した事で彼を床に降ろしながら、彼の言う数日以内の八咫烏の攻勢に対して自分達はどう動くべきかと問いかける。
数日だけでは海外で作戦を展開している構成員の召集には間に合わないものの、日本国内にいるfirstのメンバーであればそのほぼ全員を集めることが出来るため、それらを集めることで有事の際にも直ぐに動ける状態を確保しておくかと聞く。
>>734
「一任……ですか、こりゃ責任重大だなぁ」
とはいえ、こうなることは半ば予想できていた。
とすれば、地道な情報収集から始めようかと考えたがーー
「おや? お目覚めですかい、大将」
どうやら桜空が意識を取り戻し始めたようだ。
「ふむ、数日後ね……」
捕まっている間に情報を取ってきたのか、嘘や出任せではない声色に思える。
「OK、了解した」
他ならぬリーダーの言葉だ。軽々しく無碍には出来ない。
そして、あちらから来るというのなら好都合。わざわざ探し出す手間が省ける。
「ところで大将、能力の方はもう大丈夫ですかい? 問題なかったとしても、また対策される事態は十分あり得ますぜ」
Firstのリーダーだけあって彼の能力は強烈だ。これがあるとないとではパワーバランスや戦術の組み立てに大きく関わってくる。
そして、Firstのリーダーだけあって狙われやすい。なにしろ特定の施設内で彼の能力が使えないという事態が発生したのだ。これを応用した技術でこちら側の能力を封じてくる可能性は高い。
桜空「・・・・・今回の戦いは、俺一人で出向く・・・・・」
(今度の戦いでどう動くかという指示を待っている二人に、今回の戦いは自分だけで出向くと呟く・・・・・
「組織のメンバーを招集して強化することもない・・・・・能力の方は、なんとか上げることに成功したし、対策をされる前にこちらから動く・・・・・お前達には悪いが、ここで大人しくしてろ・・・・・」
桜空は、あの雨に打たれながら精神統一でもしていたのか、それとも悲しみから底知れぬ力の覚醒でもしたのかは定かではないが、ハッキリと本人の口から能力が上がったと言う・・・・・
しかも、他のメンバーを招集する必要もないとまで言い張る・・・・・)
>>735、736
>>736
朱音
「何を言って……たった一人でどうにかなるような奴らじゃないって事は知ってるだろ?」
精神統一や一朝一夕の鍛練でどうにかなるものじゃない。
多少の力の差はあれど、あの難敵、蟲鴉や水鴉クラスの十二鴉が少なくともあと十羽(正確にはルインに粛清されたり、ファーストとの戦いを避けた素鴉を除いて七羽)いる上
たった一人で五十人以上いたファーストの攻撃部隊を一方的に壊滅した剱鴉に、一度桜空を圧倒した霞鴉に加え、その剱鴉と霞鴉と同格の存在がもう一人存在している上に、その三羽鴉をも超える金鵄もいる……
ファーストの全戦力をぶつけて漸く互角か、少し劣勢ぐらいの戦力差であるにも関わらず、それにたった独りで挑むなど無謀としか言いようがない。
朱音は少し呆れながら応える。
>>737
「……!?」
耳を疑った。
何故この状況でそんな言葉が出てくるのか。
実は雨風でとっくに頭がやられていたのではと考えてしまう。
当然ながら九条も異を唱える。しかし、
しかし……
「待ちな姐さん、ここは大将の言う通りにしてみましょうや」
桜空の可能性に、賭けた。
こういう事を言い出した彼が止まらないのはもう十分身に染みている。
それに、上手くは言えないが今の彼にはただならぬ『何か』がある。
それならば下手に反対せず、背中を押してやるのが上策だと判断した。
「但し、俺達はバックアップが出来る立ち回りをさせて貰いますよ。いいですね、大将?」
ここは譲れない。Firstの一人として、狼谷から託された者として役目は全うしなければならないのだ。
桜空「あぁ、わかってるさ・・・・・俺だって馬鹿じゃない、お前達からすれば無謀にも程があるってことだろ?」
(朱音の反論に、いつもなら少し怒り気味で反論するのだが、今の桜空は朱音の反論にも落ち着いた様子で対応している・・・・・
いつも喧嘩に発展するのは、お互い相手の意見が間違っている、もしくは気に入らないという感情からであり、今喧嘩になっていないのは桜空自身も無謀なことだとわかってのことなのだろう・・・・・)
>>738
桜空「例えば、それはどんなことだ・・・・・?」
(バックアップが出来る立ち回り、と聞けば、それは例えばどんなことなのかと問いかける・・・・・
今の桜空は、できるだけ仲間達を巻き込みたくないという強い意志が、戦いから仲間達を遠ざけ、自分だけでも八咫烏という立ちはだかる巨大な壁に挑む気でいる・・・・・
もし、中川達にも危険が及ぶようなことであれば、この時点でストップをかけておかなければいけないと考えている・・・・・)
>>739
>>739-740
朱音
「とても正気だとは思えないけど………
アンタらがそこまで言うのならアタシもアンタらの考えに乗るよ!」
桜空一人が言うのであれば、とても賛成し難い事なのだが、そこへ、この中では比較的冷静に状況分析の出来る中川まで賛成した事から、二人の中には何かしらの考えがあると思い賛成する。
自分は昔から一人で敵陣に突っ込んで成果を上げ続けて来た、叩き上げの存在であり、戦術や戦略を組み立てると言った器用な事は出来ない。
他力本願のような形になってしまっているが、二人の実力と秘策に賭けることを決めたのには、この無謀とも言える戦いの中でも諦めない、自信を感じたからだ。
>>740
桜空は朱音の反論に対しても感情的にならず、平静に対応してみせた。あの時とはまるで別人である。
「そうですね、今回の場合は集団戦になるから、索敵が主になるでしょう。あとは、大将が万一倒された時、大将を運んでの撤退ですね」
勝率は問題ではない、ここで重要なのは『桜空本人以外が想定し得る、最悪の事態』に対処する為の保険の存在だ。
そして、自分の能力ならばこのどちらもこなせる。
「無論、大将が奴らを全員倒し、俺の考えが杞憂に終わればそれが理想的です」
だが未来はどうなるかわからない、故に事前に打てる手は打っておきたいのだ。
桜空「・・・・・前もって、これをお前達に渡しておこう」
スッ・・・・・
(今回ばかりは相手が悪すぎることから猛反対されるかと思っていたものの、腕を組み、真剣な表情でただ話を聞いている紀を除き、二人共賛同してくれたこのタイミングで、桜空はズボンのポケットから、何かを取り出す・・・・・
それは茶封筒であり、茶封筒には『遺書』と書いてあった・・・・・)
>>741、742
>>743
朱音
「おお!何か金一封か何か入っているのか?
………って、んんんん!!?」
二人の意見に賛同し、その開始を待っている最中、桜空が茶封筒を差し出して来たため、それを意気揚々と受け取る。
餞別か作戦の指示書を渡してくるのかと思いきや、封筒に書かれた"遺書"の二文字が目に飛び込んで来ると、あまり物事を深く考えない朱音であったものの、流石にこれには驚く。
朱音
「おいおいおいおい、こんな縁起の悪いものを渡されても士気が下がるだけなんだけど?死ぬ気満々じゃないか。」
桜空「死ぬ気満々だと?ふざけるな!元より死ぬ気なんてサラサラねぇよ!!!!!」
(狼谷を亡くしたばかりで死ぬというワードにかなり敏感になっているらしく、いつもとは違って落ち着いた様子だった桜空は、それまでとは打って変わって急に怒鳴り声を上げる・・・・・
「俺はいつだってお前達の身を案じながら自分だって生き延びることを考えて今までリーダーのしてやってきたんだ!だが今回の戦いでもしかしたら命を落とすかもしれない、そんな気持ちが生まれるほどに今回は相手が悪い!だからもしもの時の為にこうやって言い残しておくべきことを書いたんだ!これは保険だ!もともと死ぬ気なんかない!!!!!」)
>>744
>>745
「……わかりました。貴方の覚悟と配慮、確かに聞きました」
桜空の悲痛な叫びを聞き、自身も改めて気を張り直す。
狼谷の旦那に報いる為にも、つまらない失敗はできない。
「ああ、それと……」
「言葉一つでいちいちヒスってるようじゃ、返り討ちで犬死にだ。小僧」
血も凍るような声色で釘を刺す。
「……けど、そうならないように俺達も死力を尽くしますよ。まあ大船に乗ったつもりでいて下さいな」
しかしまたすぐにいつもの軽薄男に戻り、人懐っこい笑顔で締めた。
「姐さんもそれでいいですね? なーに心配はいらないっすよ、終わったら俺が一杯くらい奢ります」
朱音の不安を拭うように明るい口調で説得を試みる。また、封筒の中身が金銭でなかったことに対するフォローも入れておく。
>>745
朱音
「黙って聞いていれば……!!
死ぬ気の無い奴が遺書なんか書くか!!
もしかしたらも、万が一も無い!必ず生きて帰る!それだけ言えば充分だろうが!!」
自分が二人の考えに乗ったのは、二人が必ず果たすという覚悟と自信を感じられたからだ。にも関わらず、弱気や弱音を聞いて、その覚悟や決意が揺らぎうるものであるとわかると、怒りを露にしていく。
>>746
朱音
「……アタシはもう知らん。」
桜空の渡そうとした遺書を受け取らずに近くのテーブルの上に置くと、両腕を組んで壁に背を預け、自分はもう止めもしないと言う。
先程までの自分は必ず生きて帰る、必ず勝利する。
始めから勝率の無い戦いだ、虚飾とは言えど、それを掲げられるだけの勇気と意思を感じたから警察官と言う立場と肩書きを捨ててまでこの組織に来た。
政府の上層部にいる者達は己の利権と利益のために腐敗を容認し、自らの意思や信念も無く、己の手が届く範囲しか干渉しなかった……
そんな連中では決して持ち得ない強い信念を感じており、それがあれば世界をも変えられると信じていたからだ……
だが、先程の桜空の言動は明らかにそれを反語にするものだった。
自分は叶わないかもしれない、力及ばず命尽きるかもしれない、自分が命を落としたら……と言ったように臆病風に吹かれたような、半ば自暴自棄なものであったからだ。
だからこそ、朱音は失望と落胆を隠すことなくそう応える……
桜空「・・・・・あぁ、任せた・・・・・」
(今まで聞いたことのない中川の声色に少し驚くも、すぐさま任せたと一言だけ呟く・・・・・
ヒスっている、か・・・・・と内心思うも、かなり精神的に追い詰められている今の自分は、この言葉には流石に逆らえなかった、これは紛れもなく事実でしかないからだ・・・・・)
>>746
桜空「お前に何がわかる!政府の闇がどうたらこうたらなんてちょっと知ったくらいでこの組織に入ったような奴がわかったようなことを言うな・・・・・!!!!!」
(桜空自身、この組織のリーダーになってからは、メンバーのことをいつでも思って生きてきた・・・・・
メンバーの過去も全て受け入れ、前に進んできた・・・・・
だが、今この瞬間、ついカッとなって突発的に心にもないことを朱音に言ってしまう・・・・・)
>>747
>>749
朱音
「………!?
………ああ、そうかよ……それならもうアンタの好きにしな……」
しかし、自分がファーストに入る際のきっかけや理由については話していなかったにも関わらず、それを知っていた事に驚きながらも、失望した朱音は足早にこの場を立ち去って行く……
普段ならばここでヒートアップして大論争になったりするのだが、それをせずに立ち去る事からもう話す余地も無いと判断したのだろう……
八咫烏との決戦の前に朱音は姿を消してしまう……
桜空「・・・・・」
(朱音が立ち去った後、言い過ぎてしまったと立ち尽くしながら後悔する・・・・・
だが、一人でも今回の戦いに関わる人間が減ったことは、逆によかったのかもしれない・・・・・
内心、自分はクズだと思うが、これが最善の策とも思えてしまう自分がいる・・・・・)
>>750
>>751
「あっちゃー……」
舌の根も乾かぬ内にこの体たらく。
流石の隆次もこれには呆れ果てた。
狼谷の遺志を放り投げてしまいたくなる。
(いや……ここ最近で立て続けに状況変化の連続だからな。完全に冷静さを保てってのも酷な話か)
何とか自分を押さえ思い留まる。そうだ、ここで自分が冷静にならなくてどうする。今朱音が去ってしまった以上桜空のブレーキ役は自分しかいないのだ。
「行っちまったもんは仕方ないですぜ大将。俺がやれるだけやってみますよ」
そして、一歩引いた視点で見れば桜空は見事彼女を危険な前線から遠ざけた。
もしかすると無意識の内に、仲間を死地に行かせない為の最適解を選んでいたのかもしれない。
桜空「・・・・・あぁ・・・・・」
(桜空は一言だけ上記を呟くと、そのまま自室へと戻ってゆく・・・・・
かなり追い込まれているが、戦闘へ向けての最終準備をしなければならない、だからこそ、ここでただただ落ち込んでいるわけにはいかない、桜空は今するべきことをしなければならない・・・・・
歪み切った正義に立向かう為に・・・・・)
>>752
【First神奈川第二支部】
桜空の救出作戦が決行され、狼谷が死亡した二日後…
桜空が捕らえられていた八咫烏の拠点への進行準備をしていたファーストの拠点を含めた、神奈川県内に点在していたファーストのアジトが次々と壊滅されていく……
襲撃されたアジトにいた少数の生き残り達は口々に
"何処から攻撃されたのかわからない"
"霧が出たと思ったら音も気配もなく仲間が次々とやられた"
"霧の中に入った奴は誰も助からない"
と言ったように、まるで命を奪う化学兵器が使われたかのように、生き残った者達はその謎の霧に怯えてしまっていた……
壊れ、捻れ、歪んだ正義を掲げる氷華が率いる八咫烏による日本全土を地獄へと変える序章はこの時点から始まる……
紀「まさかここまでやるとは、完全にしてやられましたね・・・・・」
(八咫烏による本格的な悪人粛清が始まったことを知り、紀は別の班がいるアジトへと赴いたものの、そこの光景は悲惨の一言に尽きるものだった・・・・・
よほどの悪人でもここまではしないだろうと言えるほどに、上半身や頭部を失っている死体や、原型を留めていない死体など、地獄絵図が広がっている・・・・・)
>>754
>>755
???
『君はFirstの主要戦闘員の一人だね……?』
紀が現場に訪れ、その惨劇を目の当たりにしたところで、周囲には薄い靄のようなものが広まり始め、視界を奪い始める……
そして、周囲の靄の中から小さく反響するように中性的な声が聞こえ、紀が主要戦闘員の一人かと問いかける。
紀「・・・っ・・・・・!・・・・・えぇ、いかにも、私はファーストの者ですが・・・・・」
(戦闘において大事なのは、取り乱さずに冷静さを保つこと・・・・・
冷静でいれば負けることはない、ということはないが、こういう時こそ落ち着いて対処せねばならない・・・・・
見たところ、相手の能力はさしずめ霧に化ける、といったところだろうか・・・・・)
>>756
>>757
???
『フフッ、やっぱりか……
丁度いい、剱鴉が逃してしまった君を"ボク達"が代わりに葬るとしよう。』
《バキバキバキバキバキ…》
相手が霧に化ける異能であると予測した紀の考えを裏切るように紀の背後から、尖端が鋭利な刃物のようになっている紫色の無数の枝が伸び、紀を背後から不意打ちをしようと迫って来る……
紀「不意打ち、ですか・・・・・使い古されたやり方ですね・・・・・」
グォッ・・・・・!
(裏社会の人間である以上、紀は不意打ち程度であれば仕掛けられることに慣れているのか、咄嗟にジャンプして身体能力の高さを活かした回避をする・・・・・
「貴方の言い方からして、一人ではないですよね・・・・・?出てきたらどうです?」)
>>758
>>759
《ヒュオッ》
紀が避けた先を狙い済ましていたかのように鋭利な刃物のような羽根が複数同時に紀が着地したタイミングを計って撃ち出される……
周囲は靄に包まれているため、次に何処からどのような攻撃が飛んでくるのかはわからない上に、どれだけの敵がこの霞の中に潜んでいるのかはわからない……
生存したファーストのメンバーが霧を異常に恐れていたのは、この得体の知れない攻撃によるものなのだろう。
紀「くっ・・・・・!」
バッ・・・・・!
(紀は能力で地面の瓦礫を浮遊させ、羽の猛攻をなんとか防ぐ・・・・・
辺りが霧に包まれていることが、どこから攻撃を仕掛けてくるのかわからないという攻撃を仕掛けられる側としてはかなり厄介な状況を生み出している・・・・・)
>>760
>>761
《グオッ》
横を薙ぎ払うようにして茨のように無数の棘が生え、複数の枝や蔦が絡まり、大木のようになった巨大な枝が紀に向けて迫って来る。
今度は瓦礫による防御は期待できない上に、地を払うようにして振るわれた一撃である事から飛び上がる他に回避する手段は無い……
先程の槍のような枝の異能の作用によるものであるが、何処にも術者の姿が見えず、何処からどのようにして攻撃しているのかはまるで見えない…
息をもつかせぬ猛攻。
霧は濃さを増しており刻一刻と周囲の状況は悪化を辿っている。
ヒュオッ・・・・・!
紀「姿も見せずにただただ攻撃とは、とんだ卑怯者ですね・・・・・」
(紀はファーストのメンバー、当然世間で言うところの悪人だ・・・・・
だが、悪人にも悪人なりの美学がある、姿も見せずに次から次へと獲物を仕留める為だけにただただ攻撃を繰り出してくる者は、紀の美学に反する卑怯者として認定される・・・・・)
>>762
>>763
霞鴉
『フフッ、相手の手の内がわからないのに素直に攻撃を仕掛ける訳がないだろう?』
霞鴉は冷静沈着な性格をしている。
常に相手の手の内を分析し、情報を集め、相手の異能について把握した上で、最も相手にとって効果の高い技や攻撃だけを繰り返す……
紀と直接戦った蟲鴉も水鴉も死亡した今、実戦以外で情報収集する方法が無い…だからこそ、部下達に攻撃をさせているのだろう。
霞鴉は油断も慢心もしない。
最適解のみを求め、情報を重視する
こうして戦ってきたからこそ、苛烈な戦場において怪我の一つもせずに勝ち続け"無敵の名"を得るに至った…
大鴉
「ハッハッハァーッ!!」
《ヒュオッ》
眼前から迫る樹木の鞭を飛び上がって回避した紀に向かって両腕が翼になり、足が鋭利な鉤爪の生えた鳥類のような脚となった逆立った黒髪の男が飛びかかる。
空中では動きが大きく制限され、その動きは単調なものになってしまう。
それを突くようにこのタイミングで攻撃を仕掛けて来たのだろう。
彼の脚の鉤爪はナイフのようであり、捕まってしまえば動きを封じられるだけでなく、大量の出血を強いられてしまうだろう……
紀「っ!!!!!」
グッ・・・・・!
(紀は能力で相手の動きを止めると、そのまま地面へと猛スピードで落下させる・・・・・
こうなったら、自分の体への負荷なんていちいち考えずに、制限時間ギリギリまで能力を行使して戦い尽くすしか道は残されていない・・・・・)
>>764
>>765
《ギラッ》
紀が地面に落とした黒髪有翼の男は周囲を包む濃霧の中へと消え、自然落下し始めた紀の足元には無数の棘が生えた茨によって床の一部が覆われ、即席の棘床を形成している……
もし、このまま落下してしまえば、両足に棘が突き刺さり、機動力を封じられてしまう事になる。
更に、機動力を削がれた状態では霧に潜む者達からの攻撃を防ぐ事は出来なくなってしまうだろう
視界の悪さと人数の優位性を利用した巧みな戦術構築能力、そしてそれらさえも単純な戦力としてだけでなく、情報分析として用いる機転、これこそが霞鴉が三羽鴉たる由縁
紀「っ・・・・・!!!!!」
グッ・・・・・!
《危なかった・・・・・一秒でも反応が遅れていたら、全身に突き刺さっていた・・・・・》
(地面に落ちる寸前、自分自身を浮遊させてなんとか一時的に難を逃れる・・・・・
流石は八咫烏のメンバーの上位に位置する三羽鴉、といったところだろうか・・・・・
だが、こちらもやられているばかりではない・・・・・)
紀「そろそろ、こちらも反撃させていただくとしましょうか・・・・・」
>>766
>>767
霞鴉
『フフッ、少しは抵抗してくれないと面白くないからね?
さあ……君の足掻きを見せておくれ。』
濃霧の中に潜む霞鴉はそう言葉を告げる……
すると、その次の瞬間、紀の視界の端で小さく何かが光ると、その光に向けるようにして無数の羽根弾と鋭利な槍のような枝が紀の左右から迫る。
この濃霧の中では、敵味方の区別がつかず、同士討ちを起こしてしまいそうな状況でありながら、それが起こらなかった理由……
それは光の反射と拡散を調整する事で紀の背後や死角を発光させる事で目印とし、そこを中心に範囲攻撃を仕掛けさせたり、動きや位置を予測しているのだろう。
相手が感知しにくい、死角に小さな閃光を起こす事で同士討ちを避けつつ、相手の位置を相手には悟られないように知らせる………
これが霞鴉の戦力運用の法則の一つだ。
紀「くっ・・・!この程度で負けるわけには・・・・・っ・・・・・」
ぐぐぐっ・・・・・!
(左右からの攻撃を能力でギリギリ当たる寸前で磁石が反発するようにぐらつきながらも停止させることに成功する・・・・・
が、紀の体への負担が、じわじわと大きくなり始める・・・・・
だが、今の光で何故霧の中でも自分の位置がわかるのか、やっと理解出来た・・・・・
となれば、これを利用するという手もある・・・・・)
>>768
>>769
《ググググ…》
左右から迫る枝槍と羽根弾の数と威力が少しずつ増加している…
相手の攻撃のタイミングや位置把握方法がわかったとしても、それを活用する方法は限られている…
攻撃に専念する事の出来る八咫烏とは違い、防御と回避を行うだけでなく、現状を打開するための策を練り、実行しなければならない……
時間の経過と共に力の消耗は激化していく中、過剰な異能使用によるデメリットや反動が起きる前に打破しなければ…その先には死しか待っていない。
紀「・・・っ、あ゙あっ!!!!!」
グォッ・・・・・!
(左右から迫り来る攻撃をなんとか別方向へと跳ね除ける・・・・・
「いいでしょう・・・・そこまでして私を怒らせたいのであれば、望み通り地獄を見せてやりましょう・・・・・!」
紀は限界を迎える前にやれるだけのことをやり、そして早い所ここから立ち去ろうと考える・・・・・
「さぁ、来るなら来なさい・・・・・」)
>>770
>>771
霞鴉
『面白いことを言うね。
地獄にいるのはキミだと言うのにね?』
次の瞬間、再び紀の左右から無数の枝槍と羽根弾が放たれる…
しかも、攻撃箇所を悟られないように場所を移動しながら攻撃をしているため、不規則に攻撃方向が変化しており、それが結果として周囲のあらゆる方向からの同時攻撃に繋がっている。
視力が使えない濃霧の中、一方的に攻撃される…
この不安と恐怖に押し潰される前に打開する術はあるのか…!
紀「随分派手にやってくれるじゃないですか・・・・・」
カッ・・・・・!
(紀は霧の中で感覚を研ぎ澄まし、攻撃を紙一重で避けながら空中に向かって何かを投げる・・・・・
すると次の瞬間、辺り一帯が激しい光に包まれる・・・・・
恐らく閃光弾を投げたのだろう・・・・・)
>>772
霞鴉
「(この瞬間的な発光……
閃光弾……か。なるほど、光の反射をしやすい濃霧を利用して閃光の威力を引き上げたか……)」
霞鴉もまた、一時的に身体を完全に霞に変え、そこから身体を再構築する事で視界を回復させつつ、冷静に戦況の分析を行う。
霞鴉
「(けど……それが吉に出るとは限らないよ?
なにせ……突然視界を奪われた者は見えない敵を恐れて周囲を攻撃し始めるのだからね)」
霞鴉の読み通り、樹木使いと、有翼の異能力者の二人が周囲に無数の枝槍を振り回し、または羽根弾を放ち続け、互いに自滅し合うことさえも厭わずに無差別に攻撃を撃ち出して行く……
仲間意識が低いからこそ、互いに攻撃が及ぶことさえも厭わずに視界を奪われた瞬間に周囲への攻撃を行っている。
だが、肝心の二人の位置……
特に樹木使いの位置はこの濃霧に紛れて巧妙に隠されており、周囲を攻撃する枝槍も遠隔操作可能なものとなっている。
紀「無差別攻撃、ですか・・・・・ナメないでもらいたい、私が幼少期過ごしたところなんて、こんな四方八方周囲への無差別な攻撃なんて当たり前、は日常茶飯事だった・・・・・」
(紀は幼少期、毎日が常に死と隣り合わせのスラム街、それも周りは砂埃で覆われることもあれば、銃を片手にうろつく大人がいることも珍しくない場所で孤独に育った・・・・・
霧の中でもある程度対処ができていたのは、幼少期に過ごした場所での経験が活きている証拠なのだろう・・・・・
常人ならばまず確実に避けることはありえない量の攻撃を、ひょいひょい避けてゆく・・・・・
「元戦争孤児を、ナメないでいただきたい・・・・・」)
>>774
>>775
《ガッ》
霞鴉
『遅いなぁ、判断も反撃も……
チャンスがあるのなら直ぐに攻撃しないと、こうして攻撃チャンスも潰されちゃうよ?』
紀は羽根弾と枝槍による無差別攻撃を避ける事が出来ていたものの、
反撃のためではなく、回避に専念してしまった娘とが仇となり、紀の背後に部分的に具現化された霞鴉の手が紀の襟を掴んで羽根弾や枝槍の方向へと強引に引き寄せる事で
その動きを封じ、そのまま羽根弾と枝槍による無差別な攻撃を紀に当てようとする…
紀「わざわざそちらから来て下さるとは、ありがたい・・・・・」
ジー・・・・・
スウウゥゥゥッ・・・・・
(襟を掴まれた紀の首には、服で隠れていたものの何やら監視カメラのようなものが付いたベルトのようなものが巻かれており、次の瞬間、紀に向かっていた攻撃がいきなり現れた謎のゲートのようなものに入っては、もう一つ出現したゲートのようなものから出てきて、来た方向をスピードを維持したままそのまま戻り始める・・・・・
「貴方が霧になれるのであれば、私達もそれ相応の対処をさせてもらいます・・・・・私達のリーダーは、もうあなた達をロックオンしました・・・・・」)
>>776
>>777
霞鴉
『へぇ……その対策がどこまで通じるのか試してみなよ。』
枝槍と羽根弾の二つを空間転移によって返された事で事実上無効化されると、掴んでいた紀の襟から手を話し、掴んでいた霞鴉の左手が再び霧散する。
また、一度や二度返しただけでは濃霧に紛れた相手には当たらず、再度左右から羽根弾と枝槍が迫って来る……
この場にいる二体の鴉も少しずつ視力が回復して来たのか、命中精度も再び上がり始めており、幾らか閃光に対する対策も取って来てしまうだろう。
紀「これは・・・・・思っていた数倍はキツイ戦いになりそうですね・・・・・」
(すると「どうです?提案なんですが、私は能力を使わずに戦います、ですからそちらも能力を使わずに戦う、というのは・・・・・仮にも表向きは名だけの正義を語る者達が、ただただ悪人を数人係で、しかも視界を遮ってまでボコボコにするというのはそこらのチンピラよりもよっぽどタチが悪いと思いますが・・・・・?」と、能力は使わずにお互い、人数の差は出るものの正々堂々と戦わないかと提案する・・・・・)
>>778
>>779
霞鴉
『フフッ、敵に対して提案するなんて愚かだね。
その提案に乗る輩なんて存在するのかい?』
次から次へと枝槍と羽根弾による波状攻撃が続く中、霞鴉は紀の提案を一蹴する……霞鴉に挑発や罠は通用しない……何故なら、自らの優位性を維持するために常に冷静沈着に戦況を分析し続け、相手の一挙手一投足に至る全てを"観察"しているからだ……
霞鴉
『いいか?正義を語れるのは勝ち続けた者だけだ。
敗者の語る理想は須く悪となる…
悪に等しいと糾弾されようと、独善的だと蔑まれようと、正義を語り続ける以上は勝ち続けなければならないんだ。一度でも敗北してしまえば……それはもう正義とは呼べない……呼ばれない。』
霞鴉は自らの正義に対する価値観を語る。
霞鴉が何故ここまで慎重に戦うのか……その理由は正義である事を維持するためだ。
善悪の価値観など幾らでも逆転してしまう事を霞鴉は知っている。
どれだけ心優しい者であっても……善人の行う善行だろうと、それと正義がイコールになるとは限らない。
悪人が善人を悪であると大衆に語り、力によって善人を捩じ伏せる事でその汚名の一切を押し付けることが出きると言うことを霞鴉は知っていた。
だからこそ、勝ち続けるために手段を選ばないようになったのだろう。
紀「なるほど・・・・・価値観が古いですね・・・・・ごふっ・・・・・!」
(紀は能力の制限時間に突入し、吐血し始める・・・・・
勝ち続けた者だけが正義になるのなら、どんな悪でも勝ち続けたなら正義になるだろう・・・・・
正義も悪もどこまでが、どこからかという判別は難しいが、万条の一致の悪人ですら勝ち続ければ正義となりうる・・・・・)
>>780
>>781
霞鴉
『フフッ、何事も新しいモノだけが正しいとは限らないのさ。』
異能の過剰使用の反動によって吐血する紀を見ている霞鴉は濃霧の中、周囲の空間を静かに反響するような声量で何事も新しいモノだけが正しいとは限らないと応える。
霞鴉
『さあ、時間稼ぎはもういいかな?
ボク達の方はもう充分に稼げたよ。』
紀の話しに乗って正義について語った行為も、紀が何かを仕掛けるための時間稼ぎであったと察した上のもであったようで、視力の回復した翼腕の男が紀の背後から巨大な鈎爪のような脚を持って紀の体を捕らえようとする。
同じ手は二度も通じない……
もう閃光弾では視力を奪うことは出来ないだろう……
紀「えぇ、やっとここまで来てくれました・・・・・」
スウウゥゥゥゥッ・・・・・!
(襲い来た翼腕の男が迫ってきたその時、先程と同じように男と紀の間に桜空の遠隔操作するワープゲートが出現する・・・・・
桜空「ようこそ・・・・・」)
シュンッ・・・・・!
・・・・・・
(桜空は男が迫ってきたその時に合わせてゲートを出現させることで相手の意思に関係なくゲートの向こう側へ来るように仕向け、そしてゲートを閉じた・・・・・
氷華の弟というだけあるからなのか、それとも狼谷の死が影響を与えたのか、明らかに以前よりもワープゲートの出現までの時間が短くなっている、つまりゲート展開が早くなっており、そして同様にゲートを閉じるのも早くなっている・・・・・)
>>782
>>783
霞鴉
『へぇ……そのワープゲートは少し厄介だったけど……
キミ達のリーダーでは彼を仕留められるだけの力は無いだろう?』
空中から滑空している状態であったため、速度が速いものの、その旋回力は低下しており、桜空のワープゲートを通じて彼の目の前へ移動させられると、そのまま桜空へ飛び掛かり、一気に制圧しようとする。
霞鴉
『それに……本命はこっちだ。』
《バッ》
紀の眼前に無数の枝槍が迫る……
濃霧に紛れているせいで何処に術者がいるのかわからない上に、遠隔で幾らでも攻撃できるため、霞鴉の力と相性が良い。
だからこそ、翼腕の鴉がこの場から消えてもまるで気にしておらず、平気で紀に対して追撃を加えて行く……
>>783
ここで桜空が来たとあらば、もう一人忘れてはならない男がいる。
「へっ、漸く出番ってか?」
アーミーグリーンのモッズコートをたなびかせ、桜空のワームホールの一つをくぐり抜けた。
「よう、皆さんお揃いで。これだけ豪華な面子で紀ちゃん一人お出迎えとは、サービス精神旺盛ですなあ」
ミュージカルでもしているかのような仰々しい仕草をしながらの軽口。しかしその内に秘めたる闘志と怒りは、確かに彼の中で渦巻いている。
「んじゃ、こっちも相応の礼儀を尽くさねえとなぁ?」
瞬間、虚空を掴む。
否、掴んだのは虚空ではない。その手には既に形成された棒術用鋼鉄棍が握られていた。
それを風切り音と共に一通り振り回し、構える。
「そらよっ!」
そして目にも止まらぬ速さで踏み込み、紀に迫っていた枝槍を全て粉砕。
「おーっとっと、ちょいとやり過ぎたかねぇ?」
素人にはほぼ見切れない程の動きをしたにも関わらず、息は全く切れていない。
【暫く出番がなかったので、独断で『桜空と一緒にきた』ということにさせて頂きました。もし展開的にまずいようなら直ぐ撤退させます】
>>785
霞鴉
『へぇ……これで手数の優位性は崩れた訳か……』
霞鴉
『フフッ、でも残念だったね。
増援が来るのなら……あと数万は用意しないとこの"数的優位性"は崩せないよ?』
《シャッ》
あくまでも霞鴉は視界を奪い、部下の姿を隠す事に専念している。
まだ自分が戦うべきではないと考えているから、それとも霞鴉自身は霧化と濃霧生成しか異能の範疇に無いからなのか……
その真相は謎だが、中川が新しく増援として現れた事で、無数の枝槍が今度は中川の足元のコンクリートを突き破って伸び、中川の体を貫こうとする。
ドゴォッ・・・・・!!!!!
桜空「ほらほらどうしたデカブツ、こっちだこっち」
(桜空の身体能力が、意見よりも増している・・・・・
相手の行動を先読みしたかのように華麗に避けては、腹部への強烈な一撃をおみまいする・・・・・
桜空の目には氷華とはまた違った強い意志が宿っている・・・・・)
>784
桜空「中川、俺はこいつを何とかする、悪いがお前は紀の助っ人になってくれ、片付き次第手助けへ行く、くれぐれも〇すなよ?」
(桜空は翼腕の男をゲートの先で何とかするので、そっちは紀の手助けになってくれと言う・・・・・
「言っておくが、マジで危険だと判断したらすぐに止めに入るからな・・・・・」
ゲートを閉じる寸前に中川へ忠告をしておく・・・・・)
>>785
>>707
【桜空vs鳥人の鴉】
鳥人の鴉
「この野郎……!!!」
最初の掴みかかりを避け、更にカウンターとして強力なボディブローを受けるが、小柄な桜空では物理攻撃において最も重要な体重が無いため、決定打にはならず、
空中へその衝撃を逃す事でダメージを最小限に抑えた上に、距離を取り、反撃として無数の羽根弾を打ち込んで桜空を撃ち抜こうとする。
桜空には相手を殺傷するつもりは無くとも、それを知らない鴉は、敗北=死と言う事を認識しているため、死に物狂いで抵抗してくるだろう……
>>786、787
(……来る!)
僅かながら伝わるコンクリートからの振動。偶然地震が起こったなどという能天気な認識は持たない。
「前に俺が使ったのと似たような手だな!」
故に対処はしやすい。鋼鉄棍を一瞬でスレッジハンマーに変え、思い切り振り下ろす。
豪快な一撃が枝槍を全て砕いた。
「まだだぜ?」
それだけに留まらず、直ぐ様スレッジハンマーを無数の細長いドリルに変化させ、先端の砕かれた枝槍全てに掘削させ始める。
(こいつは見たところどう見ても枝だ。てことはそれを伝って掘り進んでいけば本体にたどり着ける筈)
鋼鉄の螺旋錐は異形の樹木に食い込み、食い荒らす。
「ん? ああ、わかってますよ大将」
桜空からの非殺傷に徹しろという命令を快諾する。もう彼が生半可な覚悟でないことは思い知らされた。ならばその信念の為に尽力するまで。
(尤も……『非殺傷による不利益』も受け入れる覚悟を持ち合わせてない場合は、その限りじゃねえけどな)
その時は躊躇なく反旗を翻し、狭量な独裁者を討とう。
桜空「・・・・・さて、これで思う存分やり合えるってわけだ・・・・・」
ズッ・・・・・!
(桜空はゲートを出現させ、もう一つの転送先に繋がるゲートを相手の方向へ、だがギリギリで当たらない位置に相手の羽根弾を跳ね返す・・・・・
「どうした?見た目だけじゃなくおつむの方も単細胞か?」)
>>788
紀「気をつけなさい、奴らこの霧を最大限に活かして攻撃を仕掛けてくる・・・・・」
(駆け付けてくれた中川に忠告をする・・・・・
どう転んでも八咫烏側が有利なこの状況、ファースト側に一人加勢したところで逆転できるほど甘い戦いではなく、二人まとめてやられる可能性も十分にある・・・・・)
>>789
>>790
【中川vs樹木使い】
《メキメキメキメキメキ…》
術者に近づけば近付くほどに樹木は強度を増しており、その根本を掘り進める速度や、螺旋錐の磨耗も激しくなってしまう……
更に、その樹木そのものに高い再生力と生命力があるようで、空洞になった箇所も僅か十秒足らずで埋まってしまう上に、砕かれた箇所から細長い鞭のような枝が生え、硬度や殺傷力は落ちるが、その手数と一本一本の速度によって中川に反撃しようとする。
中川の読み通り、この樹木の根元には、樹木と半信が一体化した術者が潜んでいる。
また、この異能はあくまでも一本の樹木を介して攻撃を行うといった性質のものであり、複数の樹木を同時に生成して操るのでは無く、一本の樹木の枝を分裂させたり増殖させる事で攻撃をしている。
>>790
【桜空vs翼腕の鴉】
翼腕の鴉
「ふざけやがって!この餓鬼がァ!!」
翼腕の鴉は遠距離攻撃は効果が無いと言うことや、挑発を受けて頭に血が登った事で近接攻撃を仕掛けようと、両足の巨大な鈎爪を剥き出し、それによって桜空に向けて再度飛び掛かる。
翼を持ち、自由に空を飛べると言うことからその速度はかなりのものだが、その分動きも単調になってしまっている……
空間移動させる事が出来れば相手の攻撃を無力化させる事も出来ると思われるものの、それだけでは相手を倒す事も出来ない。
更に……この鴉の後には霞鴉も控えているため、悪戯に異能を使うのは得策とは言えないだろう。
【紀vs霞鴉】
霞鴉
『部下二人は暫くは使えないか……
仕方がない、こうなればボク自身も戦うとしよう。』
《ザアァァァァァァァァァァァァァァ……》
霞鴉は紀の前、6m程前方にて、周囲を覆う濃霧の一部が集束し始め、人の形を成すと、そこにはカランビットナイフを持った綺麗な白髪に碧色の瞳をし、右目が髪で隠れ、黒いスーツのような服に身を包んだ霞鴉が現れる。
漸く霞鴉が姿を見せたのだが、彼女の先程の発言から霞鴉一人で幾万人分の戦闘能力を持っている事がわかるため、無策で現れた訳ではないのだろう。
桜空「お前が猫だとするなら俺はネズミだが、ネズミはちいせぇ分動きが早いらしいな、正に今の俺とお前じゃないか・・・・・」
スッ・・・・・
(桜空は小さい分、その小ささを戦闘で活かし、攻撃を見切って避ける以外に身軽さで攻撃を避けるということも出来る・・・・・
体格差という部分では桜空の方が一歩も二歩も有利なような気もするが、相手は相手でその凶暴さと爪を活かした猛攻で攻めてくる・・・・・
桜空の目的は相手を〇すことではなく、相手の動きを完全に止めることであり、タイミングを見計らって不意打ちを仕掛け気絶でもさせることができればいいのだが・・・・・)
紀「やっとお出ましですか・・・・・」
(こちらはもう能力のせいでかなりボロボロなのに、相手はやっと姿を現したことから、相手にとっては今までは単なるお遊び程度であり、これからが本当の地獄の幕開け、といったところか・・・・・)
>>792
>>793
【桜空vs翼腕の鴉】
翼腕の鴉
「ふん、俺は空を舞う大鷲だ!
鼠も猫も俺にとっちゃ餌でしか無い!!」
顔に血管を浮かべながら、爪による捕獲を避けられると、それを最初の回避の時点である程度予見していたため、爪を避けられて直ぐに刃のような両腕の翼を桜空に向けて至近距離で振るう事で追撃を加えようとする。
【紀vs霞鴉】
霞鴉
「キミだけは私の手で葬った方が安定すると思ってね。
なに、キミを葬った後、残りは全て部下達に任せるさ。」
《ヒュッ》
紀を観察し、彼女の異能でサポートをされると厄介であると思ったからか、部下の二人がそれぞれ敵対者と戦い始めた事で自分の手で後方支援に長けた紀を先に潰すと言う。
そして話し終えた瞬間、霞鴉は右手に持ったカランビットナイフではなく、左手を紀の顔に向けて伸ばす。
人間は反射的に目の前に高速で迫るモノを見ると後ろへ仰け反る癖がある。その反射的に相手が後方に下がるだろう事を見越し、一気に紀を地面へと押し倒し、回避も防御も出来ない状態へ持ち込もうとする。
今この場で霞鴉を倒す事が出来れば……
三羽鴉の一羽を失わせ、圧倒的に不利な現状を覆す転換点にする事が出来るだろう。
桜空「その餌に遊ばれてるようじゃあ、空を舞う大鷲が聞いて呆れるな・・・・・」
ドガッ・・・・・!
(自分の足元にゲートを出現させ、相手の頭上に移動するとそのまま踵落としをおみまいする・・・・・
そして、相手からの反撃が来る前にまたゲートで別の場所へ移動するという、自分の能力を最大限に活かした戦い方をする・・・・・
こうしている間にも桜空は、相手を〇さずにどう倒すかを考えている・・・・・)
紀「言っておきますが、タダでは捕まりませんからね・・・・・」
グサッ・・・・・
(忍ばせていたナイフを能力で操り、相手の右手を貫通するように猛スピードで突き刺す・・・・・
紀自身、戦闘経験だってかなりある、自分が後方に下がったところを何かするつもりなのだろうということは大体わかる、体を霧にできる相手にこの攻撃が通用するかどうかはわからないが、相手の予想から少しでも逸れた結果になるのなら、徐々に相手の戦いの策を崩すことも少なからず可能だろう・・・・・)
>>794
>>795
【桜空vs翼腕の鴉】
《ガッ》
翼腕の鴉
「餌が生意気に動き回ってんじゃねぇよ……!」
《メキメキメキメキメキ…》
桜空の一撃が鴉の頭に直撃するが、やはり致命傷には至っておらず、それどころか右翼の一部の異能を解除して桜空の左脚を掴み、翼の代わりに顔の一部を黒い嘴に変えて桜空の頭を突き刺そうとする。
だが、これは逆に鴉の高速移動や飛行と言った機動力を自ら捨てて攻撃に転じているため、ここで強力な一撃を逆に加える事が出来れば勝利出来るかもしれない。
【紀&霞鴉】
霞鴉
「フフッ、キミの異能は既に把握しているよ。」
紀の放ったナイフが霞鴉に向けて勢いよく飛び出すものの、霞鴉は身体の一部を即座に霧に変えることでナイフを避けると、そのまま伸ばした左手で紀の顔を掴んで一気に押し倒す。
既に先程の戦いで、部下達を介して紀が遠隔で物体を動かす異能であると言うことは把握していた。それに対して自分は瞬時に体を霧に変えることが出来る異能を持つ。
相性におけるジャンセンでは既に勝っていると言っても過言ではないだろう。
霞鴉
「一矢報いる事が出来るなんて思わない方がいい。
何せボクは……"無敵の鴉"なのだからね……!」
そのまま霞鴉は逆手持ちになっているカランビットの刃を殴るようにして突き出す事で紀の喉元を切り裂いて絶命させようとする……
桜空「くっ・・・・・!?」
グッ・・・・・!
(脚を掴まれるものの、その身軽さで相手の攻撃を頬に掠る程度でギリギリで避けると、相手の片目に指を突っ込む・・・・・
自分の力ではまともなダメージを与えることは難しい、だが人間誰もが急所である部分を攻撃すれば、大抵の者は一時的に怯む・・・・・)
>>796
ぐぐぐっ・・・・・!
紀「・・・・・っ・・・・・!」
(能力で、相手の腕の動きを止めるものの、完全に止めるというよりかは、何とか力を振り絞ってやっと片腕を止めることが出来る程度なのか、磁石同士が反発するような感じで相手の攻撃を止めている・・・・・
悪足掻きとは正にこのことか・・・・・)
>>797
>>798
【桜空vs翼腕の鴉】
翼腕の鴉
「ぐああああああッ!!?
テメェ………!!!」
片目を潰された事でますます怒り狂い、今度は両足で桜空の両足を掴み、両足に備えた鈎爪によって桜空の両足を潰し、完全にその機動力を潰そうとする。
急所だけじゃない、突然の激痛によっても人は怯む。
それを知らしめるようにして反撃を加えて行く……
翼腕の鴉
「片目を潰した程度で図に乗るなよ……!!!」
《グアッ》
そして、ここで再び嘴によって桜空の頭を割ろうと、ヘッドバンドをする要領で頭を突き出す。
片目を潰されようと、既に至近距離にいて、攻撃のほぼ全てが通るようになった今では、視力を潰されようと相手の位置を常に把握していられる……
【紀vs霞鴉】
霞鴉
「へぇ?目が見えなくても使えるんだ?
だけど無駄だよ、既に部下達との戦いでかなり消耗したと言うのはわかっている。"これ"もいつまで持つかな?」
霞鴉は馬乗りの状態である事を活かして右肘を少し折って右腕に全体重をかけ、そのまま紀の異能による制止を押し切って紀の喉元を切り裂こうとする……
霞鴉の左手は未だに紀の顔を抑え続け、その視界を遮り続けているものの、既にカランビットナイフの刃は紀の喉に当たっており、一瞬でも気を緩めてしまえばそのまま喉を切り裂かれてしまうだろう。
>>791
紀一人の状態から自分達が加勢したことにより、頭数だけは五分五分へと持ち込めた。
問題はやはり紀の消耗具合である。彼女にも気を配りながら戦わなければならない。
「その為にも……」
巨大な鋼の扇子を作り出し、横溜めに構える。
「どおおおりゃあああああっっ!!!」
凄まじい勢いで振り抜く。鍛え上げられた己の筋肉だけでなく、能力で扇子自体も加速させることで超高速の一閃を実現する。結果、周囲を覆っていた濃霧は暴風に退かされ始める。
「うし、これでくっきりはっきり見えるようになるだろ」
扇子を足元に突き立て、ニカッと笑う。
いまいち視認し辛かった桜空と紀の様子が一目瞭然となる。とりあえずはどちらも致命的な事態にはなっていないようだ。
「おおっとと、こっちも火の粉を払いますかねえ!」
瞬時に鋼鉄棍を再形成。
既に目前まで迫っていた新たな枝を、残らず叩き落とす。
「さーて、そろそろ本体の樹が見えてくる筈だけどな……」
風圧により掻き分けられていく濃霧。鋼鉄棍を肩に乗せ相手の出方を窺う。
「っておいおい! 割りとシャレにならねえ事になってんな!」
ふと紀の方へ視線を向けると、なんと霧の者に今にも止めを刺されそうになっている最中だった。
少し目を離した隙にこれか。あの霧の奴、思った以上にやるようだ。
「させるかよ!」
すかさずパチンコ玉の指弾を撃つ。
こういった緊急事態には、予備動作も使用リソースも少ないこの技が便利である。
銃弾と遜色ない速度で飛ぶ小鉄球は、そのナイフを持つ腕を貫かんと迫る。
「桜空っっ!!!! 仲間が殺されそうになってるぞ!! どうするんだ!!」
喉がはち切れんばかりの勢いで叫ぶ。
非殺傷を通し抜き八咫烏の殺戮行為を許すか、それとも仲間を助ける為に殺しに手を染めるか。
桜空の、選択はーー
>>801
《グアッ》
周囲の濃霧を払い、視界をある程度確保した事で紀の危機状況が判明したものの、戦場において不用意に周囲へと注意を分散するのは直面した敵対者に対する注意が欠如するため、悪手にしかならない……
打ち砕いた枝の一本一本にはそれほど異能による強化が施されていないと言うことはつまり、幾らでも即座に再生可能と言うことであり、砕かれた次の瞬間にはもう再生し終え、再生したばかりの枝槍がほぼ全方位から中川の体を貫こうと迫る。
また、そろそろ術者のいる根元へ近付けたと思いきや、術者が近いこともあり、根元部分と言う局所的にだが、異能か集中している事もあり、鋼をも超す硬度となった樹木によって阻まれてしまう。
樹木使い
「………!!」
だが、絶望的なままと言うわけではなく、紀と霞鴉の姿が見えたと同時に、その奥にある濃霧の中に地面に両手を付けた人影が見える。
位置的にもその人影こそがこの樹木使いの本体であるのだが、中川と樹木使いまでの距離は優に20mはある上に、何処から新しい枝槍を生やして来るかわからない……
>>802
戦場において頭数が減るのは、そのまま敗北への一歩。故に周囲の仲間を、余裕のある内に気遣っておくのは寧ろ定石といっても過言ではない。目の前しか集中できないようでは、それこそ早死にが待っているだけである。
「! くそ、壊したそばからこれかよ……!」
即座にコイル式ジャンプ台を形成、空高く飛び上がった。
恐ろしい再生速度だ、普通のやり方ではジリ貧になる。
(……仕方ねえ『修行の成果【おくのて】』の一つを使うか!)
今こそ虎の子を白昼に晒す時。
「そうらっ!! 手足のどっかは覚悟しな!」
意を決し、円盤型のブレードを生成、フリスビーの要領で空中から投擲する。数は2つ、樹木使いと霧使いの両方を狙った。
丸鋸、ソーサーなどの通称を持つそれは、高速回転を以て彼らを襲う。
……と、これだけならば強化された樹木で防げるだろう。
(けどこいつはそうもいかねえぜ?)
何故ならその円盤刃の刃先部分はある鉱物で出来ていた。
黒曜石。
外観は黒または茶色の半透明。ガラスとよく似た性質を持ち、脆いという欠点はあるが、割ると非常に鋭い破断面(貝殻状断口)を示すことから先史時代より世界各地でナイフや鏃(やじり)、槍の穂先などの石器として長く使用された。
(で、その凄ぇ切れ味の理由ってのが……)
刃先が単分子レベルの厚みしかないのだ。この特性により、他に類を見ない程の切断力を発揮する。
これが『修行の成果【おくのて】』の一つ。徹底的な己の見直しと鍛練の結果、黒曜石をも支配下に入れるに至った。
>>803
樹木使い
「…………ッ!!」
樹木使いは両手を樹木そのものに変えているため、一度異能を解除しない限りは動くことが出来ない。かと言って立ったまま両腕を樹木に変えるとその樹木そのものの重さからいずれにせよ動けなくなる……これが樹木使いの持つ異能の代償の一つ。
中川の投げた黒曜石の円盤に対し、その刃の側面を何百何千と同時に殴るようにして地中から次々と夥しい数の枝槍……いや、これまでのように貫くのではなく、命中するための面積を広げ、打撃力を引き上げた強化した樹木を大量に伸ばすことによって、自分と霞鴉に向かった黒曜石の円盤を叩き割り破壊しようとする。
黒曜石の硬度はモース硬度に換算して"5"
これは通常の石と大差無い硬度であるため、黒曜石は脆く、割れやすい。この打撃を受けてしまえば成す術もなく砕かれてしまうだろう……
更に、薄さに特化した事が仇となり、物質そのものの密度も低く、一度砕かれてしまえば実質的に無効化する事が出来る。
もし、これが相手の不意を突くような形で繰り出していれば……或いは防御技を持たぬ者に対してであれば読み通りに撃破する事が出来ていただろう。
樹木使い
「こんなところで死ぬ訳には行かない……!
悪がいるからみんな苦しみ悲しむ……
何人にも金鵄様の邪魔はさせない……!!」
樹木使いもまた死に物狂いでそう簡単に勝ちは拾えない。
名も無い鴉にも守りたいもの、譲れない信念がある。
だからこそ、最後の最後まで足掻き、限界を超えてでも自らの力で抵抗し続ける。
樹木使いが戦う理由はたった一つ。
"誰も苦しまない、悲しまない世界にする"
金鵄がもたらすその世界こそ、自分の命を捨ててでも叶えたい理想だ。
故に樹木使いは反撃に転じる。
両腕の一部である樹木から再生した無数の枝に無数の棘を備えさせ、貫くだけでなく、それに触れるだけでも裂傷するように茨へと変異させた上で、空中に飛び上がった後、自由落下して来るだろう中川を追うようにして無数の茨を伸ばす。
樹木使い
「お前達には何の信念も理想も無いだろう!?
あったとしても他者を未来永劫苦しめるだけの欲望だ!!
そんな奴らに……邪魔はさせない!!!」
【八咫烏の過去】
氷華
「私の望みはただ一つ。
苦しみも悲しみも無い楽園のような世界にする事だ。」
樹木使いの脳裏にはかつて、氷華が金鵄になって直ぐに開いた就任式の際の演説の一部が蘇る。
氷華
「私はかつて、悪によって両親、故郷、弟を失った……
この場にいる者の中にも何かを奪われた者も多いだろう。」
氷華
「だが、私は単に全てを奪った悪に対して復讐がしたい訳じゃない。
私と……いや、私達と同じような悲惨な目に合い、人間として生きられただろう時間を、人生を奪われる者が現れないような世界を作り上げる。」
氷華
「例え私が命を落とすことになろうと……私はこの悲劇の連鎖を絶ち切り、何者にも奪われる事の無い、苦痛も、恐怖も、絶望も、悲しみも無い未来を創る……!」
樹木使いと、翼腕の鴉の二人も、この時の氷華の語る理想に、自分の理想を重ね、心の内に誓った。
"このお方と共に、このお方の理想を叶えよう"と……
樹木使いも、翼腕の鴉も、過去に理不尽な悪に人生を狂わされた者の一人であり、復讐に取りつかれ、闇雲に悪とされた者達を葬り続けてきた……
だが、氷華の持つ圧倒的な力と才、そして頑なな信念が二人の心を掴んだ。
この二人の目から見えた氷華は、先の見えない復讐と憎悪の闇を彷徨っていた二羽の鴉に進むべき道を教え、暗闇を照らしてくれた存在。
それはまさに闇を払う"太陽"のように……
桜空「っ!!!!!ぁぁあああああぁあああああああああああぁぁぁぁああっ!!!!!」
バキバキバキボキボキィイイッ!!!!!
(両足を潰され、骨が折れていくのがわかる・・・・・
そして、更なる追撃として頭突きを御見舞してこようとする相手に桜空は・・・・・
「っっ!!!!!」
ゴッ・・・・・!
桜空も負けじと頭突きをし、威力を相殺して何とかしようとする・・・・・)
>>799
紀「・・・・・っ」
《もう・・・・・ダメ・・・・・》
ぐっ・・・・・ぐっ・・・・・!
(紀も、能力の限界を超え何とかギリギリで抵抗していたものの、とうとう自分の死を悟り始める・・・・・
が、最後にとことん抵抗してやろうという意思はまだ残っており、その執念が自分の首とナイフの先端の間を数ミリ空けることに成功する・・・・・)
>>800
「中川!!!!!私の生死よりも目の前の的に集中なさいっ!!!!!」
絶体絶命とも言える中、中川に自分が今死にそうになっているこの状況に気を取られずに、目の前の敵をねじ伏せることに集中するように叫ぶ・・・・・
本来ならばもう大声など出せないはずだが、最後の火事場の馬鹿力というやつか・・・・・)
>>801
【一応、今桜空は紀や中川さんがいる場所とは別の場所で戦っているということになっています!わかりづらくてすみません!】
>>中川さん本体様
>>806
翼腕の鴉
「ぐがッ……!!?
こ…の……石頭が……!!」
鴉の繰り出した嘴と桜空の額が激突すると、鴉の嘴が砕け、頭突きの衝撃を諸に頭部に受けてダメージを受けるが、それは桜空も同じであり、高い硬度を誇る嘴と激突した事で彼の額にも致命傷にはならないものの、少なからず傷が出来る。
だが、桜空の両足には鴉の巨大な鉤爪が深々と突き刺さっており、総ダメージ量で言えばまだ鴉の方に分がある……
翼腕の鴉
「俺はまだ負けねぇ……!
負ける訳にはいかねぇんだよ!!」
とは言え、少しでも距離を空けられれば鴉から桜空へ攻撃する手段が無いため、再び両腕を翼に変え、至近距離から無数の羽根弾を撃ち込んで一気に桜空を仕留めようとする。
鴉にも負けられない理由がある。
こんなところで死ぬ訳にはいかない、何が何でも氷華の理想を叶える……そのために自分達はいるのだから。
【紀vs霞鴉】
《ザアァァァァァ…》
霞鴉
「惜しい……」
あと一息で紀の首を斬れたにも関わらず、紀の最後の最後、執念から成る異能によって少し押し返されたところに、中川の打ち出した小鉄球の風切り音を聞いて、自身の体を一瞬にして霞に変える事でその攻撃を透過して回避する。
霞鴉
「助かった……って思っているところ悪いけど……
次は無いよ?」
霞鴉は紀から10m離れた場所で新たに霞の中から具現化すると、まるで今のように追い詰める事など何時でも出来ると言わんばかりに不敵な笑みを浮かべて紀に対して言う。
また、自身の体を一旦霞に変えた後から、中川が吹き飛ばした濃霧が再び戦場に戻り始めており、現在霞鴉の立っている場所はまさに戻り始めた濃霧がある場所となっている。
桜空「それは俺だって同じだ・・・・・!!!!!」
スゥッ・・・・・!
(桜空は再びゲートを出現させ、転送先を真上にすることで自分に攻撃が当たるのを阻止する・・・・・
が、やはり防御に使用している辺り、桜空自身も自分の能力では相手を倒すことは出来ないと薄々察知しているようにも見える・・・・・)
>>807
紀「あなたもしつこい人ですね・・・・・」
(もう力がほとんど残っていない紀は、精神的にもかなり追い詰められており疲れ切った笑みを浮かべては霧鴉のことをしつこい人だと評価する・・・・・
相手のまだまだ余裕と言わんばかりの表情に怒りが湧いてくる・・・・・)
>>808
>>809
【桜空vs翼腕の鴉】
翼腕の鴉
「ハハハッ!それじゃあ……この距離ならどうだ!!」
《ググググ……》
ゲートによって大きく広げた翼から放つ羽根弾を全て頭上へ転移させられると、広げた翼を盾にして防ぎつつ、桜空の両足を食い込む鴉の両足に力を強め、そのまま桜空の両足の筋肉をも握り潰そうとする……
羽根弾を防ぐことは出来ても、既に接触している箇所からの攻撃には対応のしようが無いだろう……
だが、鴉の方も無傷では無く、翼で防ぎきれなかった羽根弾によって鴉自身もダメージを受けており、身体中に裂傷が出来ている。
【紀vs霞鴉】
霞鴉
「言っただろう?ボクは勝ち続けるためには手段を選ばないと……」
《スッ》
【霧幻爪(ファントムクロウ)】
霞鴉は周囲の濃霧に溶けるようにしてその姿を消した次の瞬間、紀の右後ろに現れ、殴り付ける勢いに乗せて紀の首を切り裂こうと襲い掛かる。
体の霧化と実体化を瞬時に繰り返す事で瞬間移動するようにして相手の近くへ移動し、相手の死角から斬撃を繰り返す……
手負いの紀を相手にこれだけの手段を用いることから、霞鴉には正攻法で戦いをするつもりは毛頭無いのだとわかる。
>>804
(くそ、やっぱここからじゃ遠すぎるか……!?)
周囲に本人の姿が見当たらない状況では、流石に声は届きはしないか。
「うげぇ、これも駄目かよ……」
貴重な手札の一つを切って尚、事態は好転しない。胸中に焦りが募る。
そんな中、樹木使いの言葉に耳を傾ける。
「……」
悪がいるから。
理想。
欲望。
「自惚れんな」
射抜き殺さんばかりの視線を向けた。
脊髄に熱が走る、神経が機敏になる。
魂が奴を赦すなと叫ぶ。
空中で手甲と脚絆を形成、刺で手足が傷付かないよう対策する。
「てめえらのソレは信念でもなんでもねえ」
目で追うのがやっとの速さで拳打と蹴りを打ち込む。刺の枝は悉く打ち砕かれ、着地を許してしまう。
返す刀でアッパーカットを放ち、また枝の一つをへし折る。
続けて流れるように回し蹴り。更に一本ひしゃげさせた。
「ただの自己陶酔だ」
枝が強くなっているなら、こちらも同じこと。それも手甲と脚絆という、体に密着するものの関係上、強度も『馬力』もこちらが優位である。
言い換えれば、この手甲と脚絆は、防具とマッスルスーツを兼ねていた。
……しかし、
「しゃらくせえ!」
それでも、押し切れない。膠着状態から競り勝ってはいるのだが、いかんせん『押し』が遅すぎる。こうしている間に仲間が死んでは意味がない。それに加え、こちらも徐々にかすり傷などを付けられ始めていた。
(これでも駄目だ、もっと別の方法を……!)
そう判断するやいなや、手甲と脚絆を円形盾に変化させる。枝の濁流が押し寄せ早々に軋みを上げた。あと数十秒もすれば無惨に破壊されるだろう。
「さぁて、いっちょ試してみますか!」
ある合金を紐状に無数に形成、高速で蛇が這うような動きで全ての枝に絡みつかせた。
すると……
3000℃もの火花が枝の表面を包んだ。
その金属の正体はフェロセリウム。
鉄とセリウムの合金である。木の肌のような表面が荒い物で高速で擦ると、高温の火花を起こす。UN1323(クラス4.1(可燃性物質)容器等級 II)に分類され、輸送する際には定められた容器や方法を用いなければならない程の代物。
瞬く間に枝が燃え上がり始める。ここまで高い温度では最早霧による湿度も、ましてや強度など関係ない。
加えて、全ての枝を隆次一人に向けていたことが事態を加速。
火の手はあっと言う間に燃え広がり『隆次の周囲』というごく狭い空間にしか展開していなかった枝達は、ものの数秒で全て炎上する。
「いくら理想が崇高でも、そこに至る道程が間違ってちゃ意味ねえんだよ」
【畏まりました、ではそのように描写します】
>>主様
>>811
【中川vs樹木使い】
樹木使い
「……………なッ!!」
手数でも物量でも此方が勝っている上に、じきに霞鴉が紀を仕留めて此方へ増援に来る。そうなればもはやこの優位性が崩れることは無く、圧勝できると考えていた矢先、生成した無数の枝の全てが瞬く間に焼き尽くされて行くのを見て驚愕する。
予め、バオバブの樹のように水分を樹木の中に蓄え、更に周囲の濃霧から水分を常時補充することで山火事に合おうとも耐えきれる程の耐火性能も備えていたのだが、それも3000℃の業火を前に意味を成さず、瞬く間に燃え散って行く。
樹木使い
「ぐ………ああぁぁぁぁぁぁッ!!!」
樹木と一体化していた事が仇となり、地中に伸びていた樹木本体と、樹木と一体化していた両腕を介して樹木使いの全身にまで炎が燃え移り、地面を転がりながら全身を覆う炎を必死で消そうとする。
こうなった以上、もはや勝敗は決した。
中川が巻き起こした炎によって周囲の建物にまで燃え広がり、窓ガラスや建物の壁をも焼き焦がし、風と共に周囲へと炎は勢いを止めること無く燃え広がって行く……
悪とされる組織を潰して回っていた鴉達と、街や、そこに住む人々を危険に晒し、実害を出してまで正義とされる鴉を倒そうとする中川……
この様子を端から見ればどちらが悪なのか判別できる者はいないだろう……
【あれ?そう言えば自然界にあるモノしか操れないんじゃなかったんですか?合金とかは明らかに人工になっていますよw】
【セリウムも立派な金属なので、鉄との合金状態での使用も問題ないと判断しました。また、先程自分でプロフを確認したところ『石、砂、金属、宝石といった、地面に由来する物質を生成、操作出来る。』とあったのでやはり問題はないかと。どうしてもまずいようなら直前の投下を書き直します】
>>主様
>>813
【流石に合金とかもありとかになると分子操作や原子操作レベルも可能になるので、合成とかにも生成できるサイズや、数に限界があるか、それを使う度に生死に関わるような代償がかかるようにして下されば特に問題は無いですよ。
また、地面に由来するモノであれば無条件で操れるとなると、普通にボスキャラである三羽鴉以上になるので、そこを調整して頂けると幸いです】
桜空「ぐっ・・・・・!?」
(意識を保っていられるのが不思議なくらいの強烈な激痛・・・・・
しかし、桜空は激痛に耐えながら「俺ばかりに気を取られていたようだな・・・・・!」とニヤリとして言い放つ・・・・・
直後、天井の蛍光灯が割れ、破片が相手めがけて落ちてきた・・・・・
桜空が転送先を上に向けて攻撃を回避していたのは、これが狙いだったのだ・・・・・)
紀「徹底的に相手を叩き潰すそのやり方、敵ながら評価します、ですが・・・・・」
ゴッ・・・・・!
(相手が実体化し右後ろに出現するのとほぼ同時に、紀は右後ろへと振り返ることなく拳を振るう・・・・・
実体化した状態から、また体を霧に変えて溶け込んでゆくその前に、こちらから反撃に出る・・・・・
相手は最後の最後まで抵抗してくる自分を仕留めるためならば、仕留めるには絶好のやり方である背後からの不意打ちも仕掛けてくるだろうと、霧鴉が離れた直後にどの角度で攻撃されても対応できるよう、覚悟を決め感覚を研ぎ澄ましていた・・・・・)
>>810
【ありがとうございます!】
>>中川さん本体様
>>815
【桜空vs翼腕の鴉】
翼腕の鴉
「なに……!!?」
天井の割れた蛍光灯の破片が桜空の展開したゲートによる空間移動を介して振ってくると、咄嗟に両腕の翼を交差させて頭上からの衝撃に備えるものの、それによって腹部がガラ空きにとなる。
また、桜空の両足を鉤爪で突き刺している関係上、翼腕の鴉の俊敏さや機動力も自らの封じてしまっているため、今ここで桜空が渾身のボディーブローを打ち込めばダウンさせる事が出来るかもしれない。
【紀vs霞鴉】
霞鴉
「………!!」
連続して全身を霧に変えるにはある程度の間隔を開ける必要があるのか、このまま再び全身を霧に変えればいいにも関わらず、それをせずに迎撃をしようと考え付く。
だが、此方へ振り向かずに裏拳を放つのを見て、右手に装着したカランビットナイフの刃先を紀の拳に向けて迎え撃つようにして突き出す事で逆に紀の拳をナイフで貫こうとする。
少しずつ見え始めた霧の先
霞鴉と言う得体の知れない無敵の存在が見せた小さな綻び…
これを確固たる反撃の目に出来るかどうかは紀次第……
桜空「っ・・・・・!」
(今しかない、今、この時しか・・・・・
なんとか戦うことは出来ても、能力を使っても倒すことはできない相手を倒すにはチャンスは今しかない・・・・・
桜空は、力を振り絞って全力の一撃を繰り出す・・・・・
「っぉおらぁぁあああっ!!!!!」)
ドボォオンッ!!!!!
>>816 (翼腕の鴉)
紀「そんなに私が仕留めやすそうに見えますか?」
グォンッ・・・・・!
(紀は自分の拳を貫くことに気を取られて一瞬生まれた隙を見逃さずに、そのまま先ほどと同じように体を霧に変えられる前に相手のこめかみめがけて回し蹴りをする・・・・・
無敵にも等しい霧鴉の隙を突けたのはかなり大きいだろう・・・・・)
>>816 (霧鴉)
>>817
【桜空vs翼腕の鴉】
翼腕の鴉
「ぐぉ……ォ………!!?」
《ドサッ》
頭上から落ちて来た蛍光灯を頭上に振り上げた両腕の翼によって防ぐものの、桜空を渾身の一撃が鴉の腹筋をも打ち抜いて殴り飛ばし、翼腕の鴉はそのまま桜空の両足を突き刺していた鉤爪もろとも吹き飛んで行く。
そして、今の一撃をもろに受けた事によって翼腕の鴉は意識を失い、そのまま地面に倒れ、異能も解除される。
【紀vs霞鴉】
《ドスッ》
霞鴉
「フフッ、よくわかっているじゃないか。」
霞鴉は裏拳を止めて回し蹴り
回し蹴りは威力が高いものの、その分、大振りに動かなければならず、その攻撃に必要な動作は先程の裏拳よりも大きい事から、拳を突き刺すために構えていたナイフの刃先を紀の脚に向ける。
更に、カランビットナイフを持った右腕を更に押さえ、蹴りの威力を緩和させるために左腕で右腕に交差させるようにして構える。
これによって回し蹴りを放つ紀に対して逆にその勢いと攻撃を利用して紀自身が自らナイフに突き刺さり、そのままの片足を潰すことになる……
だが、ナイフによって片足が潰れる事を恐れずに蹴りを放つ事が出来れば、まだ霧化する事の出来ない霞鴉に対して少なからずダメージを与えることが出来るだろう。
>>812
「ん?」
(なんで火事なんか起こってんだ!?)
周りを見ると、建築物まで火が燃え移っていた。
「いやなんでそんな広ーく燃えてんの!?」
今しがた燃やした範囲はせいぜい半径5m以内。それがどうして離れた位置にある建物まで燃え広がっているのか。
『何故か』炎が燃え広がり、
『何故か』それに自分は気付かず、
『何故か』スプリンクラーなどの消火設備は作動しなかった。
「枝か? あいつの枝がそこらじゅうに張り巡らされてたのか!?」
「……ああもう! 考えてる暇はねぇ!」
即座に土を覆い被せ、消火を行う。酸素の供給さえ絶ってしまえば簡単なものだ。
「だが規模がそれなりにデカい、ちょいとしんどいな」
暫くの間、隆次は消火の為駆け回ることになる。
ーーーーーーーー
「ふぃ〜っやぁっと終わっ……!?」
「うっ……ぐ……!!」
一段落ついた途端、形容し難い脱力感が襲ってくる。
堪らずその場で膝を付き、やがて倒れた。
「あぁ〜やっぱキッツ……」
無理に体を動かそうとすればする程、余計に重くなるような感覚。
たったあれだけ、たったあの量でこのザマだ。もし数分以上かつトラックみたいな大容量を使っていたらどうなっていたことやら。
「能力を切った瞬間ダレるってわけじゃねえのは、助かるっちゃ助かるが……」
『合金』などというある種原子操作、分子操作にも片足を突っ込む領域である以上、寧ろこの程度の代償で済んでいると考えるべきなのか。
そして合金以外でも、完全に無条件というわけではない。一気に大量に使えばすぐ疲弊するし、地震や地割れなんてのは土台不可能。要は合金を使えば消耗度合いが極端に大きくなるのだ。
(こうしてる間にも、二人が危ねえかもしれねえってのに!)
直ぐに助けにいけない自分に歯噛みする。
(にしても……)
(もしそこらじゅうに張り巡らせてた枝が燃えてたんなら、そもそも樹木の野郎が不法侵入みてーなことしてたってことじゃねえか?)
【成る程、わかりました。では消耗が大きいという方向性で書かせていただきます】
>>主様
>>819
戦いの決着は付いた
樹木を使う相手に火は確かに有効だ
だが、ここは街の中にあるファーストのアジト
火花程度のものであるとは言え、3000℃もの火が出て、地中を覆うようにしてアジト全体に張り巡らされていた樹木使いの枝を介して燃え広がってしまった影響は大きい。
術者が倒れた事で樹木との一体化が解除され、形成されていた樹木も急速に朽ち始め、消えて行くものの、一度作り出された炎は風や可燃物に乗って運ばれ、その被害は拡大していく。
鉄やコンクリートと言ったものは燃えることは無いものの、アジト内にあるカーテンやカーペット、木製品はもちろん、アジトの周辺にある木造家屋等も可燃性の物である上に更にアジト内には霞鴉達によって殺害された遺体もあるため、アジトの内外にまで炎は燃え広がってしまう……
もし、このままアジト内に炎が蔓延し、火薬庫に引火してしまえば……
それこそ大惨事が起きてしまうだろう。
樹木使い
「霞鴉様……金鵄様……
私は……ここで……終わりますが……この者達に………少しでも……」
更に樹木使いは自身がこのまま中川に葬られるぐらいなら、最後の最期まで、業火に包まれていた樹木使いは、神経が焼かれた事で痛みすら感じなくなった事で、新たなる足掻きを思い付く。
自身の体を焼く炎を使うべく、自身の身体中から無数の枝を周囲へと新たに伸ばし、それによって中川の奔走によって鎮火しかけていたアジト内へと更に火種を増やし、再度アジト内を火の海へと変え始める。
自分の命ある限り、自分を焼く炎がある限り、少しでもファーストへ被害を及ぼそうとする……
もし、中川がファーストの信条の通り、炎に包まれた相手の命を助けるため、相手の体にある炎を先に消していれば……もしくは樹木使いの誤りを正すことが出来ていれば……
樹木使いも、本来ならば守るべき無垢の民を守るために火を消すために協力していたかもしれない。
桜空「はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・」
(かなり体力を消耗してしまった・・・・・
だが、これでとりあえずしばらくは相手も目を覚まさないだろう・・・・・
今は、仲間達の身の安全を優先しなければならない・・・・・)
紀「あまい・・・・・!」
ドガッ!!!!!
(紀は何の迷いも躊躇いもなく霧鴉に回し蹴りを食らわせる・・・・・
今更、足を負傷することなど怖くもなんともないのだろう・・・・・)
>>818
>>
【桜空vs翼腕の鴉 決着】
翼腕の鴉
「ぐ……あ……金……鵄………様……」
既に意識を失い、床に倒れて気絶しているものの、それでも尚、金鵄の事を呼ぶようにして、彼女の名前を呟く……
例え氷華の理想が歪んだものであったとしても、それを信じ、悲しみも苦しみもない世界を渇望し、そのために命を賭けて戦う意思のある賛同者もいる……
桜空の両足には翼腕の鴉の鉤爪によって骨にまで届くほどの重傷を負わされていることもあり、この状態で霞鴉に挑むのは無謀だとも言えるだろう。
【紀vs霞鴉】
霞鴉
「な………ッ!!?」
《ドガッ》
カランビットナイフを構え、紀の脚に向けてナイフの刃先を向けつつ、紀の視線や手足の動きを読み、その動きを予測している。
例え避けられたとしても、自分が再び霧化するまでの時間が稼げる。
回避しようと攻撃の手を止めようと、自分の計算通りであり、自分の優位性は崩れない……そう確信していた。
だが、その霞鴉の予想を裏切るように、ナイフが脚に突き刺さる事も厭わずに蹴りの威力を落とすことなく放った事で、始めて霞鴉にダメージを与えることに成功する。
霞鴉
「……ぐ………ぅ…………
賢いとは言えないね……そんな深傷を負った状態では……まともに動くことすら出来ないだろう?」
《ザアァァァァァァァ》
霞鴉はいきなり予想に反した事をした事に驚きつつも、直ぐに自分の体を霧化させて紀から30m離れた場所へ逃れると同時に紀の脚から即座にナイフを抜く。
今の一撃で紀の片足が使い物にならなくなった筈であり、この状態であれば充分に距離を取った自分の前に移動する事は出来ない、このまま距離を取ったまま攻撃し続ければそれで自分は勝てる。
そう考えた霞鴉は30m先で自分の周囲の霧を多数の槍へと具現化させ、それを紀に向けて撃ち出すことで遠距離からの攻撃で仕留めようとする。
>>820、822
『かもしれない』は『かもしれない』でしかないのだ。決して確定ではない。
(なんでこんな、道を外しまくった奴相手に気を遣いまくらなきゃいけないのかねぇ)
そもそも、樹木使いに正気が残っているなら、どこかしらのタイミングで八咫烏を抜けている筈である。
そうでもないのに相手の善意を信じるというのは、単に危険なだけでなく無責任そのものといえる。
更に言うなら、彼らはこれが明確な殺戮行為であることを理解した上で実行に移し、且つそれが正しいと信じ込み、おまけに途中で迷うこともなかった。そんな人間をどうして『土壇場で改心するだろう』と思えるだろうか。
そして対処するにあたり、中学生レベルの感情論をねじ込み、やれ○すな、やれ相手と同じになるだのとほざく自陣営のトップ。
(改めて考えるとホント頭おかしいことしてんな俺ら……)
ブラック企業にも通ずる部分がある。
「とはいえ……」
樹木使いに土を大量に被せ、即座に鎮火。無論新たに燃え広がった部分もだ。またも襲う疲労感は気合いで耐える。
先程といい、何故か被害拡大しやすい風が、八咫烏にとって都合よく吹いていたのは気掛かりだが、今はおいておこう。
おかしな挙動を起こした時点で生成の用意はしていた。そのお陰で被害は最小限に収まる。
「一度やり遂げるって断言しちまったからなあ」
今更それをねじ曲げるのも癪だ。
「ここまできたら、行けるとこまでいくしかねえか」
身の振り方を変えるにしろ、それからでも遅くはないだろう。
(それに……)
やはり自分は八咫烏とは反りが合わない。共感できるのは本当に理想だけであり。その為の過程や方針はどうにも受け入れられないと再確認。たとえFirstを抜けるとしても、八咫烏に鞍替えすることは有り得ない。
加えて、桜空の理念についても、彼自身がその責任を取れないようなら、その瞬間反逆すると心に決めている。その点も現状維持を選んだ理由である。
「とりあえず、後で大将に謝っとく必要はあるな」
完全に相手に非があるのは確かだ、しかし桜空からの命令が『○すな』であったのも事実。ならばここは頭を下げるのが筋であろう。
「それはさておき」
仲間の助太刀に向かわねば。
一分一秒が惜しい。早速巨大扇子を再び作り出し、渾身の力で振るう。
「でりゃああああっっ!!!」
濃霧は蜘蛛の子を散らすように逃げ去り、紀の様子が露になる。案の定窮地に陥ったままで、風前の灯といった体だ。
「まだ生きてるみてぇだな! とりあえずは安心だぜ!」
言うが早いか、砂利のショットガンを放つ。
小粒の群体は全ての槍に襲い掛かり、横殴りの形で軌道を逸らした。
>>823
霞鴉
「……二人ともやられたようだね。
これは少し予定外だったけど……予想を超えるものでは無いね。」
霞鴉
「(まあいい、霞鴉を払う事が出来るようだけど、対処法方はそう難しいものじゃない…)」
【霧幻騎士(ミストブレイカー)】
《ザアァァァァァァァ…》
中川の背後に両手に長剣を持った人型の分身体が現れ、具現化された霧の剣先を振り下ろすことで彼を背後から切り裂こうとする。
先程中川が振り払った事で周囲に霧はもう無くなっていたのだが、何もナイフ空間から新たに霧を生成して操る事が出来るようで、周囲は再び視界をも遮る濃霧に満たされ始めてしまう。
霞鴉の作り出したそれは分身と呼べるほど精巧なものではなく、人の形をしてはいるものの、その顔や細かい姿は再現されておらず、人の上半身を持った霧そのものとなっている。
桜空「・・・・・」
スゥッ・・・・・
(このまま放っておいても大丈夫だろうとは思ったものの、ここまでやられても尚氷華への揺るぎなき忠誠心を見せつけられた桜空は、何を思ったのか翼腕の鴉を治療マシンの中へと転送する・・・・・)
紀「・・・・・あまいですね、中川・・・・・」
(こんな状況で、まだ仲間を助けようだなんて考えている中川に対してあまいというが、その直後に「とりあえず、礼は言っておきます、ありがとう・・・・・」と言い、ふらつきながらも立ち上がる・・・・・)
>>822、823
>>825
霞鴉
「キミは油断大敵と言う言葉を知るべきだ。」
《ヒュオッ》
中川の妨害によって紀に向けて放った霧の槍が全て逸らされるものの、依然として紀と霞鴉の間には30mも離れているため、幾らでも攻撃するチャンスがある。
そこから、霞鴉は中川に向けて繰り出した霧の分身を生み出した時と同じように、今度は紀の頭上に濃霧を作り出し、紀の頭上から多数の霧の槍を降らせて不意討ちを兼ねて攻撃しようとする。
ズウゥッ・・・・・!
(いきなりワープゲートが出現し、全ての槍を仲間の以内場所へ転送すると、桜空が顔を覗かせる・・・・・
「お前のお遊びもここまでだ・・・・・」
桜空は霧鴉に向けて宣戦布告すると
「中川、紀、お前達はアジトに戻ってろ・・・・・」
と言い、強制的にゲートで二人を転送しようとする・・・・・)
>>826
>>827
霞鴉
「フフッ、一度ボクに敗れ、今も両足に深傷を負った状態で勝てるとでも思っているのかい?」
ワープゲートを介して姿を見せた桜空が紀と中川の二人に撤退を進め、自分に挑もうとしているのを見て、以前に彼が自分と戦って敗れ去り、捕縛された事を指摘する。
桜空「物覚えが悪いもんでね・・・・・やれるところまでやってやるよ・・・・・」
(自信満々・・・・・いや、元より力も自分よりも上で、しかも自分は両足を負傷しておりこの有様だ、自信満々なのではなく、これが当たり前の反応だろう・・・・・
「先行を譲ってやるよ、霧野郎・・・・・」)
>>828
>>829
霞鴉
「フフッ、威勢がいいのは結構だけど……キミに悲報だ。
もうキミは生きて捕らえるよりも始末した方が良いと判断したよ。」
【霧幻騎士(ミストナイト)】
《ザアァァァァァァァ…》
桜空の背後に霞が発生し、その中から両手に大剣を持った騎士の上半身が現れ、桜空の背後から交差するようにして両手に持った大剣を振り下ろして切り裂こうとする……
>>824、827
「なっ!?」
後ろに違和感を感じ視線を向けると、剣を持った人間?が振りかぶっていた。
「くっ!」
振り向いて反撃……間に合わない。
(じゃ、これしかねえな!)
直後、霧の分身体は強烈な打撃で吹き飛ばされていた。
鉄山靠(テツザンコウ)
背中で体当たりを繰り出す八極拳の技の一つ。蟲鴉との戦いでも披露した技だ。
「あの時の戦闘は知らされてねえのか? 俺の後ろを取っても無意味だぜ?」
口ではそう言うものの、内心では焦っていた。
(さっきからなんなんだコイツの能力は!? 霧を操るだけじゃねえのかよ!?)
自身を霧に変えて攻撃を無効化。これだけでも十分『ぼくのかんがえたさいきょうののうりょく』といえるが、まあいい。まだ理解できる範疇である。
問題は次だ。霧から衣服だけでなくナイフや槍まで作り出している。一体どういう仕組みなのか。
(霧っていったら小さい水滴じゃねえのかよ!? それが繊維や金属に変わるなんて、ご都合主義もいいとこだぜ!)
まるで合金を無条件無制限に使える自分自身、いやそれでも足りないと思える程に、この能力は脅威だった。
(……まさか、霧を使うってのは偽装で、実際には原子や分子を直接操作してんのか?)
脳裏に、ある恐ろしい可能性がよぎる。この状況で決して考えたくはない、あって欲しくない、そんな可能性。
しかし……もしも、万が一そうだとすれば、これまでの矛盾点が解消されてしまう。
こめかみを嫌な汗が流れる。
「紀ちゃん、あいつの能力、見た目通り霧に限定したものだと思うか?」
「っ!?」
そこまでだった。どうやら桜空が無理矢理自分達を転送させるつもりらしい。
「おい!! 大将っ!!」
霧使いのことで頭が一杯になっていたせいで反応が遅れ、ゲートに飲み込まれてしまう。
「……!……!!」
食ってかかろうとするがその努力も空しく、転送は完了した。
ーーーーーー
【Firstアジト】
「ふざけんな!! 何考えてやがる!!」
怒りの余り壁に拳を叩き付ける。
能力抜きでも、鍛え上げられた筋肉から放たれるそれは非金属製の壁を容易くへこませた。
「くそ! くそ!」
尚も殴打を止めない。
ただただ悔しかった。桜空から実質的に信頼されていないことが、そしてこれから彼が討たれてしまうであろうことが。
ここまで離れていては最早何を生成しても間に合わない。それこそどんな合金であっても。
(せめて、あの樹木使いをもっと早く倒せていれば……)
顔を片手で覆う。
もっといい戦果を残していれば、桜空は自分を強く信頼し、霧使い相手に共闘できていたかもしれない。
(……いや、よそう)
そこまでで思考を止めた。
現実に『たられば』はないのだ。
『かもしれない』は『かもしれない』でしかない。決して確定ではないのだから。
桜空「そいつは面白い、俺が能力の限界でくたばるのが先か、お前にやられるのが先か、それともお前がやられるか、勝負といこうじゃないか・・・・・」
ブォンッ・・・・・!
(桜空はワープゲートを再度出現させると、騎士の振り下ろした剣がワープゲートの先、桜空ではなく別の場所に当たることで桜空は攻撃を回避する・・・・・
「お前も反則レベルの能力だから、俺が能力でどんな回避しても文句はねぇよな?」)
>>830
紀「・・・・・桜空の奴、どこまでも私達をコケにするつもりのようですね、ガキが・・・・・」
(結局は能力で自分達を避難させるという結果になった、戦わせるのか待機させるのか、正直ハッキリとさせてもらいたいところではあるが、何より自分達が弱く見られているような気がして納得がいかない・・・・・
「中川、貴方さっき、敵の能力が霧に限定したものかどうかと聞いてきましたね?」)
>>831
>>832
【桜空vs霞鴉】
霞鴉
「フフッ、自分の生まれ持った異能をいかにして上手く使えるかだうかじゃないか?ボクの方がキミ達の異能を上手く使えるかもしれないね。」
霞鴉は手の内を明かすことを嫌う。
霞鴉は再び周囲の濃霧に紛れ込みながら、桜空の後方だけでなく、正面にも新たに霧の騎士を作り出し、挟み撃ちにするような形へと変えて行く。
正面にいる騎士は桜空に向けて正面から突くようにして大剣を突き出し、背後にいる騎士はワープゲートから剣先を引き抜き、桜空の左右から挟み込むようにして大剣を振るうことで三方面からの同時攻撃を行おうとする。
霞鴉は巧みに異能の本質を隠し続ける。
霧化と霧の具現化が主軸となっているのだが、その上限がどれほどまでのものなのかはまだわからない……
>>832
「……ああ、どうにも気になったんだ。小さい水滴から金属に変わるなんて、どう考えてもおかしいぜ」
いつまでも嘆いているわけにもいかないので、紀に質問の続きをする。
「俺の杞憂だったらいいんだが……ありゃ原子・分子操作の可能性もあり得るぞ」
だとすれば桜空の勝率が更に低くなる。
桜空「使えない能力に対する上手く使えるかもしれないって発言は控えるんだな・・・・・」
スゥッ・・・・・!
(桜空は、今度は自分自身を転送することで攻撃を回避する・・・・・
しかし、アジトへ逃げたりはせずに、この霧が満ちているフィールド内に限定しての移動転送であり、不利とわかっていながらもまだ相手に立ち向かう・・・・・
桜空が幼少期に見た、怯まずに見ず知らずの子をいじめるいじめっ子を助ける為に立ち向かっていた氷華を理想のヒーロー像としているのか、桜空自身もまた、歪んだ正義感を持つ八咫烏には怯まずに立ち向かってゆく・・・・・)
>>834
紀「それか、霧の能力であるというのが嘘ではない可能性も・・・・・」
(紀は続けて「もし私の想像が現実ならばどうやってるかはわかりませんが、複数の能力を持っていて、それを使い分けている、という可能性もあります・・・・・基本、能力者は一つの能力しか持っていない、でも中川は霧以外の能力なんじゃないかと感づき始めたあの霧野郎がもし複数能力持ちだったとしたら、それを仄めかすようなことを自らするとも思えません・・・・・」と言う・・・・・
ファーストのアジトに治療マシンなどという万能マシンがあるのと同様、複数の能力を持たせることくらいは八咫烏に出来てもおかしくはないはずだと紀は考える・・・・・)
>>834
>>835
霞鴉
『フフッ、あのまま逃げればよかったものを。
むざむざやられるためにこの場に留まるだなんて愚かとしか言いようがないね。キミももっと賢くなりなよ?』
霞鴉は辺りを満たす濃霧の中に潜み、新たに現れた桜空に対して、中川を仕留めるために生成したものを含めた三体もの霧の騎士達を向かわせ、前後左右の三方向から同時に斬りかからせようとする。
霞鴉はまさにその名の通り、全てにおいて霞に巻くような言動や戦闘スタイルをしている……
しかも……霞鴉の余裕の様子や、桜空の異能を目の当たりにしても尚、余裕を維持している事から仮に空間転移によって逃げ切れたとしても、それが幸を成すかはわからない。
霞鴉は現状、霧に姿を変えているため、このまま霧になったまま、霧の騎士を使って戦いをされている限り反撃の糸口すら掴めなくなってしまうだろう。
何とかして霧となった霞鴉の本体が出てこざるを状況を作り出すことが出来ればその糸口が見えるようになるかもしれない。
桜空「悪かったな、頭が悪くて・・・・・」
スゥ・・・・・
(桜空は自分の下にゲートを出現させ、落ちるようにして騎士達から10mほど離れた場所へ移動する・・・・・
桜空自身も、何も考えずに攻撃の回避に回っているのではない、常に考えて行動している、だが相手は一歩も二歩も先を読んでいるかのように、隙のない攻撃を仕掛けてくる・・・・・)
>>838
>>839
霞鴉
『その愚かさが故に悪に至った訳なのかい?』
《ザアァァァァァァァ…》
騎士達の振るった大剣が空振りに終わるものの、10m離れた桜空の前へと瞬時に騎士達も移動し、何度でも斬りかかろうとする。
徹底して隙を見せず、常に自分が有利な状態を作り続ける……これが霞鴉の頭脳が生み出す必勝の戦術なのだが、もし、桜空が巨大なゲートを開き、それを高山の山頂やビルの最上階と言った突風の吹き荒れる場所へ繋げる事が出来れば
霞鴉は濃霧もろとも吹き飛ばされる事を阻止するために実体化するかもしれない。
桜空「愚かで悪に至ったからこそ、生きてこれた・・・・・」
スゥ・・・・・
(家族を悪人に奪われ、孤児院での大切な日々と大切な人も奪われた自分は、悪人として生きることになったからこそ、今まで生きてこれたのだと告げる・・・・・
ゲートを出現させるにも、風が強い場所、ビルの最上階は桜空の転送能力を持ってしても身の危険が付き纏う、山などはほとんど行ったことがなく、桜空は他にいい場所はないかと頭をフル回転して考える・・・・・)
>>840
>>841
霞鴉
『そして、今ここで果てる……と言ったところかな?』
【霧幻騎士団(ミストナイツ)】
《ザアァァァァァァァ……》
霞鴉に剥けて振るわれた大剣の斬撃に対して回避も防御もしなかった事から次々と桜空の体が斬り裂かれてしまう。
そんな中、霞鴉の生み出せる霧の騎士の数は三体が上限ではないようで、百人にも及ぶ大軍団が瞬く間に生み出されていく……
これこそが中川達が参戦した際に霞鴉の言っていた"数的有利"の正体なのだろう。
霞鴉
『茶番は終わりにしよう。
キミには一筋の勝機も見せない。』
霞鴉は自身の創造した百を超える騎士の大軍団を桜空に向けて突撃させ、その圧倒的な物量によって桜空を今度こそ勧善に葬ろうとする……
桜空「がっ・・・・・!?」
ビシャッ・・・・・!
(反応が少し遅れた、たったそれだけのことだが、生死をかけた戦いにおいては、致命的ミスとなる・・・・・
攻撃を受けたことにより桜空の体から血が飛び散るが、転送の為のワープゲートが開き、どこかの山奥に場所が変わる・・・・・
不気味な小屋がただそこにポツンとあるだけであり、とても逆転勝利できるようには見えない・・・・・)
>>842
>>843
《ザアァァァァァァァ……》
霞鴉
「もう逃げることは出来ないよ?」
桜空がワープゲートを介して山奥の小屋へ移動するものの、その桜空が開いたワープゲートに濃霧の一部と共に入り、桜空の背後で再び姿を現すと、右手に持ったカランビットナイフを桜空に向けて殴る勢いに乗せて押し出し、一気に決着を付けようとする。
最初は突撃させている霧の騎士達を送り込もうとも考えたが、霧の騎士達の移動速度ではワープゲートの開閉に間に合わない。そのため、霞鴉自身が霧となって高速でワープゲートを通り抜ける事で桜空に先回りを仕掛けていた。
奇しくも霞鴉が姿を見せ、厄介な霧化も数秒の間使えない状況にする事が出来たものの、両足がまともに動かせない桜空ではこの一撃を回避するのは困難だろう……
仮に再びワープゲートを作って移動しようとも、至近距離にいる霞鴉もそれに合わせて即座にゲートを通って追撃を仕掛けて来るだろう…
>>836
複数の能力持ち、紀の口からそれを聞いて納得する。
「なるほど、確かに能力は一人一つなんて、誰が決めたわけでもないしな」
目から鱗とはこのことだろう。
荒れていた感情も幾らか静まり返る。
現時点での情報を統合すれば、霧操作主体で原子・分子操作を補助的に使う、といった具合か。
桜空「・・・・・」
(もはやここまでかと、桜空らしくもなく覚悟を決める・・・・・
死にたくない、戦わなければならない、でも体が動かない・・・・・
意志とは対照的に、体は動かすことが出来ないという、覚悟を決めるしか道は残されていなかったその時・・・・・)
ビュォッ・・・・・!
(強烈な突風が吹き荒れる・・・・・
まるで、桜空に味方するように・・・・・)
>>844
紀「まぁ、憶測の域ですが・・・・・」
(これは推測でしかなく、実際はどうなのかはわからない・・・・・
だが、能力者が存在する以上、可能性としてはゼロではないはずだ・・・・・
どの道、相手が悪すぎた、桜空はもうダメだろうと思っている・・・・・)
>>845
>>846
狼谷
『おちおち死んでもいられねぇな。』
これは夢か幻か、黒いボサボサの髪に、不健康そうな肌、特徴的な丸い眼鏡をかけた男……狼谷が桜空の横に現れ、霞鴉に向けて右腕を翳すと同時に巻き起こった突風によって霞鴉の異能の主軸となっていた濃霧が掻き消される。
彼は確かに死亡した筈であり、
この狼谷の姿も桜空にしか見えない幻のようなものなのかもしれない……
霞鴉
「…………ッ!!
サーマル……いや、山風か……!?
だけど……今の状況ならこのナイフ一本で充分……!!」
突如巻き起こった突風によって纏っていた濃霧が掻き消されてしまうものの、満足に動くことの出来ない桜空一人を仕留めるにはナイフ一本で充分であると判断している。
普段の彼女であれば距離を取って様子を伺うなり、再度濃霧を展開する事を選択するのだが、ナイフが突き刺さる事も厭わずに蹴りを繰り出した紀の姿と言うイレギュラー要素を目の当たりにした事で勝ちを急いでしまっていた。
吹き込んだ突風に、霞鴉の選択ミス。
この二つの大きな要因が桜空に味方をする。
桜空「・・・・・!」
(いきなり吹き荒れたこの風は、もういないはずの狼谷の協力か、それとも極限状態が見せた幻か、どちらにしても桜空は今ここでやれという狼谷の言葉を受け取ったような気がした・・・・・)
桜空「させ・・・・・ねぇよ・・・・・!!!!!」
グォンッ!!!!!
(桜空は残りの力を振り絞り、この戦いでは最後になるであろうワープゲートの展開をする・・・・・
転送する際に吹き荒れる強風も一緒にゲートを通しており、霧鴉を包むように通っている為霧を掻き消したまま転送することに成功する・・・・・
ゲートの先がどこに出るかは、桜空しか知らない・・・・・)
>>847
>>848
霞鴉
『言ったろう?逃がしはしないと……!』
桜空がワープゲートを生成したのを見て、彼の左肩を掴んで一緒に空間移動すると同時に、手にしたカランビットナイフの刃先を桜空の喉に向けて押し出し、桜空の喉を掻き斬って絶命させようとする。
桜空「くっ・・・・・!」
ズブッ・・・・・!
(桜空は自分の右腕を喉元の防御の為に突き出して敢えてナイフを刺させることで防衛する・・・・・
「いいぜぇ・・・・・!そんなに逃がしたくないなら、仲良く一緒に餌食になろうや・・・・・!」
転送先、あまり人も通らない夜道に出ると、落ちてゆく二人を待つのは、電線だった・・・・・)
>>849
>>850
霞鴉
「……!!!
これは少しばかり分が悪い……ここは撤退させてもらおうかな?」
繰り出したナイフの刃によって桜空の右腕を切り裂くものの、そこから更に追撃するためには。眼前の脅威である電線に対応しなければならない事や、このまま行けば両足だけでなく右腕にまで重篤なダメージを負った桜空であればその電線だけでも充分に自滅させられると考える。
直ぐにナイフを引き抜き、再び霧化して逃れようとする。
だが、他者に触れている状態では霧化が使えないのか、直ぐには霧にならず、先ずは離れようとしている。
桜空「大丈夫だ、俺もお前も、この程度で死にはしねぇだろっ・・・・・!」
ぐっ・・・・・!
(桜空は相手の体に抱きつくようにして逃がさないように力を強める・・・・・
とても手負いの状態とは思えないほどに力が強い、よく聞く「火事場の馬鹿力」というやつか・・・・・
自分も電線の餌食になってでも、相手を倒す気でいる・・・・・)
>>851
>>852
霞鴉
「……ッ!!
やめ……ろ…!」
まさか自分の能力による有効範囲が、自分が直接触れている無機物に限定される。だからこそ、最初に出した部下二人も霧化させる事が出来なかった……
その事を知っていたのかどうかは知らないが、自分に抱き付くようにした事で完全に能力が封じられる形となり、必死にもがいて脱出しようとするものの、
決死の力を振り絞る桜空に、体術をあまり鍛えていなかった霞鴉では逃れる事が出来ず、電線に触れてしまう……
霞鴉
「ぐッ!?
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
電線に触れた瞬間、霞鴉の体に凄まじい高圧電流が走り、霞鴉と桜空の二人に激痛が襲い掛かる……
桜空「がっ・・・・・ぁ・・・・・!あ・・・・・」
(覚悟はしていたが、やはり想像を絶するほどの激痛に、呻き声が漏れる・・・・
全身を無数の針で同時に突き刺されるような激しさと、体中が焼かれているような熱さ、これが生き地獄というものなのかと思えてくる・・・・・
が、これで八咫烏の主力の一角を削ることができたのだから、まだいい方だろう・・・・・
しばらく電流を受けた後、二人して地面へと落ちてゆく・・・・・)
ドサッ・・・・・
桜空「・・・・・あ・・・・・りが、と・・・・・な・・・・・狼、谷・・・・・」
(風が吹き荒れたあの場所、狼谷と初めて出会ったあの小屋があった場所に転送したのは、本能がそうさせたのか、それとも狼谷が導いてくれたのかは定かではない・・・・・
だが、あの時確かに見えた狼谷の姿に、桜空は感謝の言葉を述べると、そのまま意識が落ちた・・・・・)
>>853
>>854
霞鴉
「……ぐ……うぅぅ………」
高所から地面に激突した痛みなど気にもならない程の激痛が電線から離れた今でも尚、全身を駆け巡っており、"無敵の鴉"と呼ばれた彼女の姿は何処にも無く、哀れなほどにボロボロになった霞鴉の姿だけがそこにある。
氷華
『貴方のその力は臆病者の力なんかじゃない、貴方の力は弱い者を悪人から隠し、守れる力。私は貴方を信じるわ。』
霞鴉の脳内で孤児院で出会った氷華の姿と言葉が蘇る。
幼い頃は霧になれると言う異能であった事であらぬ疑いをかけられたり、誰からも信頼されず孤立していた事から、
もし、氷華と出会っていなければ、自分は何者にもなれない、空っぽで空虚な存在で終わっていただろう。
そんな自分を認め、信じてくれた氷華がいたからこそ、自分は前任の三羽鴉を倒してその座を得る事で氷華に近付いた。
霞鴉
「はぁ……はぁ………
……ボクは……まだ倒れる訳にはいかない……こんなボクを……信じてくれた氷華を……失望させる訳にはいかないんだ……!!!」
霞鴉は全身を走る激痛に加え、落下の衝撃で体の至るところの骨が折れ、痛みと肉体の過度なダメージによって上手く異能が使えない状態になっているにも関わらず、立ち上がり、おぼつかない足取りだが桜空に近付き、右腕を大きく振り上げ、桜空の心臓目掛けてナイフの刃を突き刺そうとする。
その姿は、最初の頃のような不敵な雰囲気は無く、譲れないものをそれこそ命を賭けてでも必死で守ろうとしているように見える。
ガシッ・・・・・!
悠矢「はいはーい!そこまでそこまでぇ〜♪さっさと帰りますよー霧ちゃん♪」
(霧鴉が桜空にトドメを刺そうとしたその時、いきなり背後から悠矢が霧鴉の右腕を掴み、その動きを止めてアジトに連れて帰ろうとする・・・・・
「こぉんな手負いの雑魚をやったところで何になるのさ?最強の霧鴉の名が泣くよ〜?生かしておいたってどうせ何にもできないんだからこっち側としては問題無いし、とりあえず撤退しないと、ね?」)
>>855
>>856
霞鴉
「……この絶好のチャンスを逃す訳が無いだろう……!?」
霞鴉は桜空を仕留めるこの絶好のチャンスを逃す訳もなく、腕力で少し負けながらも、靴の爪先から小型の仕込みナイフを出し、それを蹴る勢いに乗せて倒れた桜空の腹部に突き刺そうとする。
悠矢「まぁ聞きなって、この時間帯、この辺りはもうすぐ警官が未成年を対象に歩道目的でパトロールするんだよ、俺達が見つかったらいろいろとやばいだろって話さ、氷華ちゃんの計画を無駄にしたくないだろう?」
(今は大人しく撤退するのが最善だということをなんとか告げる・・・・・
警官はおろか、一般人にもこんなところを見られては騒ぎになる、なるべくそのようなことを避けたいからか、今は撤退するように忠告をする・・・・・
「今回はまぐれさ、君ほどの実力があればこんなガキ、いつだってやれるだろう・・・・・?それとも、怖気付いたかな・・・・・?」)
>>857
>>858
霞鴉
「…………運のいい奴だね。キミは……」
霞鴉はならば問題になる前に片付けようとも考えるものの、蹴り出した仕込みナイフの付いた足を止め、氷華からの"極秘任務"を思い出すとその足を止め、周囲を軽く見渡すと、夜明けと共にパトカーのサイレントが鳴り響いて来ている事を聞き取る。
そこで悠矢の進言を聞いて、自分の右腕を霧に変えようとするが、部分的な霧化も出来ない程にダメージを受けた事を察し、即座の離脱や退避が出来ない事からこの場を立ち去る事を決める。
霞鴉
「……これをあげるよ。
口惜しいが…ボクがキミを仕留めきれなかった時にはそれをキミに渡すように言われている。」
霞鴉は自分のボロボロになったコートの内ポケットから布に包まれた映像記録媒体用のチップが入った特殊強化ケースを取り出し、そのチップケースを桜空の傍へ放る。
電線によって感電した際に布に包まれたこのチップケースだけは守っており、中にあるチップは無傷であると思われる。
霞鴉
「……じゃあね、運命に嫌われた者。」
悠矢「よし、それじゃあ行くとしますか、肩貸すからさ」
(霧鴉がやることはやってこの場から去ることを決めたのを見て、肩を貸しながらこの場から移動し始める・・・・・
その際、自分は知らないチップケースの存在と、もし霧鴉が桜空を仕留め切れなかった時はそのチップケースを渡すことになっていたという事実を初めて知り「で?あれは何だったのさ?」と、興味を抱き問いかける・・・・・)
>>859
>>860
霞鴉
「ああ、助かるよ、ありがとう。」
霞鴉
「アレは…血の繋がった者への"最後の情"と言うやつかな?」
チップに記録された情報について少しだけ触れると、悠矢の肩を借りて、登り始めた太陽から逃れるようにして夜闇の中へと消えていく…
悠矢「・・・・・へぇ、面白そうじゃん・・・・・」
(チップの内容についてわずかながらだがそれで十分だと言えるほどの情報を得れば、面白そうだと言いそのまま消えてゆく霧鴉を見つめながら、悠矢もまた闇夜に隠れるようにして去ってゆく・・・・・)
_______
桜空「・・・・・うっ・・・・・ぐ・・・・・」
(二人が去ってからしばらくし、桜空もまた目を覚ましてはゆっくりと立ち上がる・・・・・
「随分手荒くやっちまったが・・・・・なんとか助かったみてぇだな・・・・・」
正直、死ぬかと思ったがなんとか助かったことに安心しつつ、ふらふらした足取りで立ち上がる・・・・・)
【八咫烏 ???拠点】
氷華
「………そろそろ……ね。」
八咫烏の活動拠点の一つ。
そこでは普段なら日本各地を奔走し、休み無く各地にいる犯罪者や反社会勢力の殲滅を行っていた氷華が珍しく拠点内で休息を取っていた。
氷華は窓の無い拠点の一室にて、椅子に腰掛けていた。
目を閉じ、右手に持ったグラスの中に注がれた天然水を口に含むと、目を閉じて今後の展望について、明日に作り出す世界の罪悪浄滅装置……"地獄"の誕生における争乱を脳裏に描く。
この計画を実行すれば確実にこれまでのような平和な世界は永遠に戻ることはなくなるだろう……
悠矢「やっほー氷華ちゃん!お元気〜?」
(地獄の創造を脳裏に描いていたところに、ノックもなしに雰囲気を掻き乱しながら声をかける・・・・・
「氷華ちゃんさぁ・・・・・弟、いたの?」
と、単刀直入に聞いてみる)
>>863
>>864
氷華
「ええ、そうよ。」
入室して早々に自分に弟がいたのかと聞く悠矢の言葉に対しても氷華は表情一つも変えず、グラスに入った天然水を再び口に含みながら言葉短く応える。
悠矢「いいのかい?相手は弟なんだろう?本気のバチバチの〇し合いなんて普通は避けるもんだとは思うけど・・・・・」
(珍しく、まともなことを言う・・・・・
氷華の心情を察することは難しいが、普通の人間は兄弟同士での〇し合いはまず避けたいと考えるが、氷華はそういうのはあまり気にしない方なのだろうかという好奇心から質問話してみる・・・・・)
>>865
【気づくのが遅れましたすみません!】
>>866
氷華
「……怒りも悲しみも何も感じない。
躊躇いも迷いも今となっては私の中に存在していない。」
《パキパキパキパキパキ…》
心情を察することが出来ないのも無理はない…
氷華の心はとっくに凍り付いてしまっていたからだ。
自分の中に人間らしい感情や温かみは今となってはもう残っていないとだけ答えると、目を瞑ったまま氷華が手にした天然水の入ったグラスもろとも凍り付き始め始める。
悠矢「ま、確かに氷華ちゃんがたかが弟程度で動揺するわけないか・・・・・」
(氷華は相手が悪人とあらば誰であろうと決して容赦することなく手にかける・・・・・
今までがそうだったことから、たとえそれが弟だとしても動揺することはないのだろうと判断すると
「で?氷華ちゃんの弟ってことは、やっぱそれなりに強いの?弟君、かなり追い詰められてはいたみたいだけどさ、潜在能力もそこそこ高いの?ってか、離れて暮らしてたの?」
事情を知らないからか、氷華と桜空は今まで離れて暮らしていたのか、桜空も潜在能力は高いのかなど切り込んでゆく・・・・・)
>>867
>>868
氷華
「それはわからない……けど、彼と交戦した"霞鴉"が深傷を負った…
これにどの程度桜空が関係したのかはわからないけど決して低くは無いと言うことになるわ。」
氷華は中身の水もろとも綺麗に凍り付いたグラスに映った自分の顔を見ながら、霞鴉がやられた事から、桜空の力は決して弱くはないと考えている。
悠矢「でもさ、あっちだってかなり痛手を負ったはずだ、霞鴉はともかく、戦いで追い詰められてダメージを負う天才と、ダメージを一切負わない天才とじゃあ出来が違う・・・・・」
(あの霞鴉がボロボロになったことから、少なくとも凡才ではないことは確かであり、常人と比べれば天才の域に達して入るだろうと推測するものの、戦いでダメージを負うか負わないかでは同じ天才でもそもそもの出来が違うと話すと
「ま、こっちは氷華ちゃんがいるし、相手がどんな卑怯な手を使ってきても勝てるでしょ」
と、もう勝利した気でいる・・・・・)
>>869
>>870
氷華
「何があったにせよ……油断はしない、慢心もしない。」
《パキンッ》
氷華は目を閉じて八咫烏の最高戦力の一人であり、無敵を誇る霞鴉が満身創痍となって敗れた以上、自分はもう油断も慢心もしないと宣言すると、氷華の放つ冷気に耐えられなくなったりグラスが音を立てて砕ける。("割れる"ではない)
氷華
「一度"地獄"を作り出してしまえばもう誰にも止められない。
地獄の完成までは……一切手を抜かずに徹底的に潰す。」
氷華は椅子からゆっくりと立ち上がり、右手に付け凍ったグラスの破片を握り潰して粉雪のようにすると、室内であるにも関わらず、極寒の氷原のような肌を刺す程の冷気を放ちつつ、氷のように冷たく鋭い瞳で悠矢を見て、命令を下す。
氷華
「貴方も準備しなさい。そろそろ……地獄を創りに行くわよ。」
人の心を捨てれば捨てるほどに強くなるのが氷華の異能の特徴であるのなら……もはや人の域を超えた氷華は名実ともに正義を語る怪物、人外へと変貌してしまったのだろう。
終焉の時が刻一刻と近付いて来ている……
悠矢「お、いよいよか!りょーかいりょーかーい♪」
(氷華に準備するように言われると、部屋の中の寒さに表情一つ変えずに首をコキコキと鳴らしながら立ち上がる・・・・・
氷華の迷い無き瞳を見れば、改めてこれは面白いことになりそうだと思いながら、氷華を信じてついてきてよかったとも内心思う・・・・・)
>>871
>>ALL
【練馬駐屯地前】
《ドゴオォォォォォォォォッ》
日本の国防の要である陸上自衛隊の駐屯地であり、東京都内の防衛を行う第一師団の司令部がある練馬駐屯地の前にて、大爆発が巻き起こる……
焔鴉
「ハッハッハッ!漸く始まったな!!
罪を浄化するオレの炎で全てを焼き尽くしてやるよ!!」
体長20mにも及び、マグマが滴り落ち、その身に灼熱の業火を纏った、巨大な溶岩の巨人がごとき姿をした焔鴉がその身を構成するマグマを腕の一振によって周囲へ飛び散らせる事で迎撃に向かって来た自衛官達を焼き尽くし、そのまま駐屯地の司令部へ向かって歩き始める……
溶岩の巨人に向けて幾度も機銃やライフル、砲撃が加えられるものの、その分厚いマグマと強固な溶岩の鎧が衝撃を防ぎ、鉄壁の防御を成してしまっているため、殆んどダメージを受けていない。
これが地獄の始まりであり、八咫烏とファーストにおける最終決戦の序章でもある……
悠矢「ちょーっとほむほむー!少しは俺の獲物も残しておいてよー?」
(少し遅れて焔鴉に合流すると、独り占めするのではなく、自分が〇す用の人間も遺しておくように忠告をする・・・・・
駐屯地を襲撃するには確かに焔鴉を向かわせるのは最適かもしれないが、自分の獲物まで独り占めされるのは納得できず、もう少し焔鴉の好戦的かつ荒い性格ははどうにかならないものかと呆れながら)
>>873
>>874
焔鴉
「うるせぇ!俺は悪(クズ)や、悪に加担する奴、それを看過する奴が大嫌いなんだよ!とっととやらねぇとオレが全員を焼き尽くしちまうぞ!!!」
焔鴉の纏った溶岩の鎧の背面から新たに二本の腕が生え、その掌から溶岩の一部を砲弾のようにして撃ち出し、周囲の建物をも破壊し始める。
自衛官
「この……化物め!!!」
《ギュルルルルルルル…》
焔鴉
「効かねぇなァ!!!」
《バゴオッ》
自衛官の一人が銃弾や爆弾がまるで通じない事から、決死の覚悟で装甲車に乗ってフルアクセルで焔鴉に向かい、その大質量を用いて衝突するものの、焔鴉を吹き飛ばすことも叶わない……
そして、焔鴉が装甲車を四本の腕で掴むと、それを司令部がある建物に向けて投げ付け、建物の屋上からスナイパーライフルで狙撃しようとしていた自衛官の元まで投げ付け、そのまま建物の一角もろとも破壊して見せる。
悠矢「いい歳して自制心ってのが全くないんだから困っちゃうよなぁ〜・・・・・何歳か知らないけど」
(これじゃあ獲物はおあずけかと思いながら、巻き添えを喰らわないように少し離れると、そこで傷を負った自衛官の一人を見つけると、ニヤニヤしながらゆっくりと近寄っていく・・・・・)
自衛官「くっ、来るなぁっ・・・・・!」
悠矢「・・・・・見てて情けなくなってくるねぇ、武器も持っていない人間相手に、ここまで無力になるなんて・・・・・」
ブシャッ・・・・・
(そして、何の躊躇いもなく能力で血流を操作し、〇害する・・・・・
武器を持っていない人間相手に、大の大人が何人でかかってもこうも無力になることから、排除対象でありながらも同情すらしてしまうが、純粋な同情ではなく哀れだという気持ちからきている・・・・・)
>>875
【国会議事堂前】
氷華
「……まさか最後に私の前に立ちはだかるのが貴方とはね。
何処まで行っても私の邪魔をするつもりなのね?」
国会議事堂周辺は既に氷華が降らせたまるでビルのように巨大な氷柱によって壊滅状態にあり、議事堂の警備隊もほぼ一方的に打ち倒されたと言うように国家存亡の危機に陥っているのだが、
焔鴉が自衛隊を、劔鴉が警視庁を抑えていた事もあり、誰も氷華を止めることが出来ずにいた……
そんな中、反旗を翻した正義の化身、八咫烏とは対照的に、悪として蔑まれ、民衆の敵と認識されてきたファーストが対峙する……
桜空「当たり前だ、どこまでも邪魔してやるぞ・・・・・」
(幼少期、いつも仲良く一緒に過ごしていた姉弟が、今度は崩れゆく日本の中心とも呼べる場所で対峙する・・・・・
片や国を一度完全にリセットし、悪のいない世界を作るという思想の下動く歪んだ正義
片や歪んだ正義を食い止めるべく奮闘する悪人
この戦いに勝った者が、この先のこの国の命運を決めることとなる・・・・・)
>>877
>>878
氷華
「私の正義の遂行を……地獄の誕生を邪魔するのであれば容赦はしない。立ちはだかる障壁は全て排除する……!」
【氷蓮六華・寒烈の兆し 紅蓮凍土】
右腕を桜空に向けて翳し、人の域を超えた強烈な冷気を吹雪に変えて桜空にぶつけようとする。
放たれた吹雪は周囲の瓦礫や車両を軽々と吹き飛ばしており、まともに受けてしまえば吹き飛ばされるだけに留まらず、体が急速に冷え込み、薄氷に覆われてしまうだろう。
桜空「お前の勝手な自己満足に関係ない人間まで巻き込もうとしてんじゃねぇよ、アホが・・・・・」
グォッ・・・・・!
(今はなんとしてでも相手を食い止めなければならない、なるべく被害を抑えてこの戦いを終わらせるには、多少の建物の巻き込み(民間人及び周囲の人間は避難済み)をしてでも全力で戦うしかない・・・・・
桜空は、ワープゲートを利用して相手の冷気を逆に相手の方へとワープさせて返す・・・・・)
>>879
>>880
氷華
「善と悪が混在するこの世界から、悪を除くためには一度、徹底的なまでに悪を滅ぼす場を、"地獄"を作り出さなければならない。」
【氷蓮六華・罪断刀 尼頼部陀】
冷気を返されるのを見て、右手に氷で作り上げられた一振の刀を生成して返された吹雪に対して振り下ろすと、刀を振り下ろす動作に吹雪への操作も含んでいたのか、氷華を避けるようにして吹雪が二つへ別れて左右へ流れていく。
吹雪が通った後の地面は薄氷に覆われており、まるでシベリアの寒気をそのまま持ってきたかのような現象が起こっている。
氷華
「悪の居ない世界を作り上げるためには一度この世界をリセットしなければならない。」
手にした氷刀を手に、薄氷の上を滑るようにして高速で桜空に接近して手にした刀を振り下ろし、彼の体を切り裂こうとしてみる。
氷刀が纏う冷気もかなりのものであり、下手に受けてしまえば傷口が瞬時に凍り付き、出血はしないものの、傷口から氷が広がり、機動力が低下する上に、肉体の壊死が始まってしまうだろう。
桜空「なんとも頭の悪い考え方だな・・・・・」
スゥッ・・・・・
(ワープゲートを出現させては、そのままゲートの中へと消えてゆく・・・・・
氷華が完全に攻撃に特化した能力ならば、桜空は氷華ほどではないものの、攻撃、そして瞬時に別の場所へとワープすることによる防御に優れた能力と言えよう・・・・・
次、桜空がどこからゲートを出現させ反撃に出るのかは、どんなに強くても見極めるのは困難だろう・・・・・)
>>881
>>882
氷華
「それなら、貴方は別の道を見付けられたとでも言うの?」
ワープゲートが開かれるのを見て、そのゲートの中へ威力や硬度よりも速度に長けた氷柱(つらら)を多数撃ち込むことで移動したその先でもダメージを与えられるようにしようとする。
威力や硬さを犠牲にした即席の氷柱であるとは言え、容易く人体に突き刺さるだけの威力はあるため、放たれた氷柱の一本一本が致命傷になりうるだろう。
スゥッ・・・・・
(桜空は答えるよりも先に、相手の頭上にワープゲートを出現させる・・・・・
恐らく、力に差があり過ぎる相手にいきなりこんな真近から攻撃を仕掛けるなんて馬鹿な真似はしないという状況を逆に利用しての反撃だと思われる・・・・・)
>>883
>>884
氷華
「……答えられないのでしょう?」
頭上にワープゲートが開かれたのをその音からいち早く察知すると、瞬時にそのゲートから氷柱を返されたり、奇襲される可能性があると推測すると、薄氷に覆われた地を軽く蹴って素早くゲートの下から離れようとする。
スッ・・・・・
桜空「らしくねぇじゃねぇか、怖気付いたか?」
ドガッ・・・・・!
(頭上に展開されたワープゲートはダミーであり、今度は氷華の背後にゲートを出現させ、そのまま力を込めて蹴り飛ばす・・・・・
桜空は氷華ならゲートに向けてそのまま攻撃を瞬時にしてくると思っていたのか、ゲートから離れるのを見ればらしくないと呟く・・・・・)
>>885
>>886
氷華
「あら、答えはまだ出ないのかしら?
それに……怖じ気付いたのは貴方の方じゃないの?」
何処まで見えているのかは不明だが、生物の最大の死角である背後に対しては人一倍気を払っており、背後にゲートが開かれると、即座に手にした氷剣手に振り返ると同時に氷剣の一太刀を入れようとする。
数多の戦闘の中でも死角から攻撃を仕掛けて来る者が多く、その事から背後からの攻撃に対してはほぼ完璧に対応することが出来ると言うように、小細工は通用しないだろう。
ゲートによって逃げ回ってばかりの桜空の戦いかたに対して、怖じ気付いたのはどちらだと挑発も交える。
桜空「っ・・・!なるほど・・・・・流石百戦錬磨の鴉、不意打ちも死角からの攻撃も経験済みというわけか・・・・・」
ポタッ・・・・・パキッ・・・・・ポタッ・・・・・パキッ・・・・・
(桜空は肩に攻撃をかすってしまい、かすっただけでも地面に滴り落ちた血液が凍りつき、小さく歪な赤い氷の結晶が砕け散る・・・・・
どうやら、相手を甘く見すぎ、自分を過信しすぎていたようだ・・・・・)
桜空「わりぃな?少し手を抜き過ぎちまったか・・・・・?」
スタッ・・・・・
(ワープゲートから出ては、そのままゲートを閉じる・・・・・
桜空の能力は、攻撃にも使えるものの、どちらかというと逃げに適した能力なことから、氷華ほどの相手と戦う場合はそもそもの能力の面で不利になる・・・・・)
>>887
>>888
氷華
「これまで私は数多くの救い用の無い悪を裁いてきた……」
《シャッ》
掠り傷程度であれば周囲の冷気の影響で即座に出血が止まり、傷の悪化も多少凍傷に近いものになる程度で済むため、ある意味ではこれまでの敵よりも戦いやすいとも言えるかもしれない。
だが、氷華は直ぐ様桜空の傍にまで迫り、手にした氷剣ではなく、敢えて不意を突くように黒い手袋をした左手で桜空に掴みかかろうとしてみる。
氷華と対峙しているだけでも季節なんかはお構いなしに吐く息も凍るような極寒の地に変えている程であるのだが、そんなものを自在に操る氷華の体に直接振れてしまえば瞬時に全身の水分が凍り付いてしまうだろう。
桜空《早いっ・・・・・!》
スッ・・・・・!
(桜空はギリギリで掴みかかられそうだったところを避けることに成功する・・・・・
「言っておくが、死線をくぐり抜けてきたのは腐っても正義を名乗ってるお前だけじゃない、救いようのない悪というなら、自分勝手なクソみたいな考えで無関係の人間まで巻き込もうとするお前だって救いようのない悪だと俺は思うがな、正義の八咫烏さんよぉ・・・・・」)
>>889
>>890
氷華
「その事についての答えなら以前に話した。
大義を成すには犠牲が必要なのよ。それを躊躇う者は何も守れはしないし、変えることは出来ない。」
《パキパキパキパキパキ…》
【氷蓮六華・千貫氷槍 頞部陀】
瞬間凍結の効果を持った掴みかかりが避けられると、即座に地を蹴って後ろへと飛び退きつつ、右手に持った氷剣を振り上げて自分の周囲に千もの多数の氷柱を生成し、一斉に桜空へ撃ち込もうとしてみる。
その氷柱の一本一本が鉄板を容易く貫くだけの威力があり、直撃すれば人体など容易く貫けるだろう。
怒涛の勢いで繰り出される氷華が使う力。
『氷蓮六華』その力は何処までも果てが見えない……
桜空「次から次へと忙しい奴だな・・・・・!!!!!」
ゴガガガガガガガガガガッ・・・・・!!!!!
(桜空は巨大なワープゲートを展開させ、更にもう一つ氷華の頭上にゲートを出現させると、一斉に撃ち込んできた全ての氷柱を防御すると同時にゲートで転送することで逆に攻撃する為の道具として利用する・・・・・
氷華と比べれば何もかもがまだ未熟ではあるものの、上手く能力を駆使すれば防御と攻撃を同時にできる)
>>891
>>892
氷華
「自分の正義も持たない貴方が正義を語る資格なんて無い……」
まるで先程の意趣返しとでも言わんばかりに、いつの間にか桜空の背面に回り込んだ氷華が桜空の心臓を貫こうと氷剣を突き出して追撃しようとする。
先程放った大量の氷柱は視界を遮るための陽動であり、氷華自身はその氷柱に紛れることでゲートで氷柱を返されるところまで想定して動いており、氷柱を放つと同時に走って回り込んでいたと言うように、その推察能力と判断力はこれまで桜空が戦ってきた誰よりも優れている。
桜空「・・・・・!!!!!」
ザシュッ・・・・・!
(桜空はなんとか避けようもするものの、右腕に氷剣の斬撃を受けてしまい、服をも切り裂き痛々しい傷ができる・・・・・
氷華には不意打ちも奇襲もまるで通用しないとやっとわかったのか、表情にやや焦りが見え始める・・・・・)
>>893
>>894
氷華
「私は正義を成すために戦う。その一念だけは昔と変わらないわ。」
氷華は刺突による一撃が桜空の右腕に掠り、その傷口が周囲の極低温下にある影響によって瞬時に凍り付き、出血が止まるが、氷華は攻めの手を緩めることはなく、そのまま手にした氷剣を振るい、桜空の首を跳ねようとする。
今の氷華にはもはや一欠片もの慈悲や思いやりも無く、正義以外の全てを失った、脱け殻のようになってしまったと言っても過言ではないのだろう……
桜空 「その一念だけしか持ってねぇの間違いじゃねぇのか?」
スッ・・・・・!
(氷華の氷剣による一撃を、ワープゲートを出現させずに身体能力だけで避ける・・・・・
桜空の目には、氷華がただ自分勝手な「正義」とは名ばかりの無差別大量〇人鬼にしか映っておらず、その口で正義を語るなと言わんばかりに睨みつける・・・・・)
>>895
>>896
氷華
「貴方にはその一念すら持っていないのでしょう?」
《ゴオッ》
横凪ぎの斬撃を避けるにはしゃがむしか無い。
そのため、しゃがんで避けた事で回避力が低下したタイミングに丁度合わせるようにして鋭い蹴りを放ち、桜空を蹴り飛ばそうとする。
【回想】
劔鴉
「お前にしか頼めない……
金鵄を……いや、氷華を……救ってやって欲しい……」
警視庁の屋上にて繰り広げられた壮絶な死闘の末、腹部を突き刺された劔鴉が最後に自分がサブウェポンとして使っていた刀を、自分では叶えることの出来なかった願いと共に桜空へ託していた……
そのため、桜空の腰にも一振の刀がある。
その刀はかなり精巧に鍛え抜かれた業物であり、勢い良くぶつければ氷華が操る氷をも砕くことが出来るだろう。
桜空「くっ・・・・・!」
ガッ!!!!!
(桜空は決死の覚悟で刀を抜き、氷華の蹴りを刀の刃の逆の部分を構えることで防御することに成功する・・・・・
が、やはり百戦錬磨の八咫烏の長、蹴りだけでも刀が折れるのではないかと思えるほどに強い衝撃が刀を伝って体へと駆け巡ってゆく・・・・・)
>>897
>>898
《ヒュオッ》
息をつく暇すら与えないと言わんばかりに、蹴りによる一撃を防いだ桜空がまだしゃがんでいる事を利用して右腕を伸ばし、桜空の持つ刀を凍り付かせて破壊しようとする。
この場に留まっていれば、触れたものを瞬時に凍り付かせる事の出来る氷華によっていつかは捕まり、凍結させられてしまうだろう……
桜空「なめるなぁっ!!!!!」
スゥッ・・・・・!
(瞬時に相手の手を伸ばした先、つまり自分の目の前にワープゲートを出現させ、転送先を相手の背後にすることで自分で自分を触れて凍りつくように仕向ける・・・・・
こんな罠に引っかかるような相手ではないことは十分把握しているが、これで少しでも相手の動きに隙が出来るなら反撃のチャンスが生まれる・・・・・)
>>899
>>900
氷華
「」
【氷蓮六華・泰山氷槍 臛々婆】
氷華は自分の伸ばした手の先にワープゲートが開かれ、背後から同様にゲートの開く音を聞くと、伸ばした手を桜空ではなく、地面に変え、地面に手を付けると技を発動する。
地中に張り巡らされた水道管を凍らせ、100mを超える巨大な氷柱を無数に伸ばし、桜空を足元から貫こうとする。
氷華を戦況によって瞬時に技の切り替えを行い、氷剣によるリーチを生かしきれない至近距離になると即座に蹴りや凍結に回ると言うようにその判断能力はかなりの脅威となるだろう。
>>900
氷華
「悲しいわ、己の信じるべき正義すら持たない空虚な存在へ成り下がってしまっただなんてね。」
【氷蓮六華・泰山氷槍 臛々婆】
氷華は自分の伸ばした手の先にワープゲートが開かれ、背後から同様にゲートの開く音を聞くと、伸ばした手を桜空ではなく、地面に変え、地面に手を付けると技を発動する。
地中に張り巡らされた水道管を凍らせ、100mを超える巨大な氷柱を無数に伸ばし、桜空を足元から貫こうとする。
氷華を戦況によって瞬時に技の切り替えを行い、氷剣によるリーチを生かしきれない至近距離になると即座に蹴りや凍結に回ると言うようにその判断能力はかなりの脅威となるだろう。
桜空「お前に俺の何がわかるってんだよ・・・・・っ!!!!!」
スッ・・・・・!
(ワープゲートで移動することで、何とか間一髪で攻撃を避けるものの、桜空の息が切れ始める・・・・・
己の正義すら持たない、確かにそうかもしれない、自分は裏社会というアンダーグラウンドの世界でしか生きられない、生きることのできない悪人だ、そもそも正義なんて持ち合わせない・・・・・
「でもよ、無差別に命を奪いまくる自分勝手な正義と、正義は持ち合わせていなくてもそれを阻止しようとする悪党とでは世間はどっちの肩を持つだろうな・・・・・?教えてくれよ、正義の味方さんよ・・・・・」)
>>902
>>903
氷華
「その質問に意味は無いわね。
世間は……いえ、世界はまもなく変革の時を迎える。
あまねく悪はその悉くが滅び、絶対正義の下で新たなる平穏な世界が誕生する。」
【氷華六華・無間牢樹 臛々婆】
《パキパキパキパキパキ》
氷華は地面に右手を当てたまま、更に地中から伸びる巨大な氷柱に念を送ると、天まで届く巨大な氷柱から、新たに多数の氷柱がまるで成長する樹木のように複雑に分岐し、周囲の空間そのものを埋め尽くすような勢いで伸びていく。
巨大な氷柱から伸びた数十本の氷柱が新たに数百の氷柱へと分岐を繰り返し、その分岐した氷柱から新たに数千もの氷柱が生えると言ったように時間の経過と共に逃げ場が失われてしまうだろう。
氷華
「代償を払う覚悟があり、揺るぎ無い一つの信念のために全てを捨てられる者と捨てることの出来ない者…そのどちらがより大きく世界に影響を与えられると思う?」
桜空「意味の有無についてじゃねぇ、どう思うかを聞いてるんだ・・・・・だが、答えられないってことは本気でわからねぇか、もしくはわかっている上での無回答か・・・・・」
ガッ・・・・・!!!!!
(桜空は息を切らしながらも、剣を片手に氷柱を切断してゆく・・・・・
どんな相手であろうと、命を奪ったり生死に関わるようなことは避けたい為、話し合いによる説得を少なからず望んではいたものの、それも実現は不可能だと相手の殺意を全身で感じては改めて思い知る・・・・・)
>>904
>>905
《タンッ》
《ヒュオッ》
桜空が劔鴉から託された刀で迫り来る氷柱を斬り砕く中、いつの間にか桜空の頭上へ飛び上がっていた氷華が体を縦に一回転すると、そのまま踵落としを放って桜空を地面に叩き付けようとする。
先程の無間牢樹は複雑に枝分かれした氷柱を攻撃や逃げ場封じをするだけでなく、こうして相手の頭上、つまりは桜空の死角へと移動するための足場としていた。
桜空「なっ・・・・・!?」
(この攻撃は自分の逃げ場を無くす為の攻撃だと思っていたからか、まさか対応している隙を突かれ図上という死角を取られるとは思っていなかったこともあり、反応が遅れ、得意のゲートの展開も間に合わない・・・・・)
>>906
>>907
氷華
「貴方の移動範囲がどの程度なのかは知らないけど……これはどうかしら?」
《パチンッ》
【氷蓮六華・巨星総滅 嗢鉢羅】
自分の足元に小さな氷の足場を作り、空中へ移動する中、左手で指を鳴らすと、天を覆うような巨大な氷の星を形成し、それを地上へ激突させることで議事堂もろとも周囲一帯を氷柱の樹海もろとも丸ごと消し飛ばそうとする。
しかも、立ち上がるために体制を立て直す必要のある桜空が準備を整える前に超広範囲をまとめて消し飛ばすことで確実に仕留めようと考える。
しかも、氷華本人は空中へ逃れる事で半径数kmにも及ぶ地上において壊滅的なダメージが引き起こされようと無傷で済むようになっている。
桜空「てっ・・・・・めぇっ・・・・・!ふざけるなよっ・・・・・!!!!!」
グゥオッ・・・・・!
(桜空は特大のワープゲートを展開させ、転送先を海にして何とかしてこの氷の星を手荒なやり方ではあるが被害が最大限に抑えられるように対処しようとする・・・・・
氷華の弟というだけあり、桜空もまた火事場の馬鹿力とでも言うものなのか、今までに展開させたことがないほどに巨大なワープゲートを展開させることは成功する・・・・・)
>>908
>>909
氷華
「……いいわ、これまで貴方の事を過小評価していたようだから……評価を改める事にするわ。」
【氷蓮六華・寒烈嵐風 虎々婆】
氷華は自身が作り出せる技の中でも最大にして最強の威力と規模を誇る氷の巨星を桜空が渾身の力を込めて作り出したゲートによって海へ飛ばされるのを見て、桜空への認識を改める。
氷の足場に乗って10mほど上空に浮遊したまま両腕を横へ広げ、桜空に向けて両腕を交差するようにして突き出すと、氷華の背後から桜空に向けて美しい煌めきを伴った吹雪が押し寄せる。
それはまるで吹雪の中を舞う粉雪のようにも見えるものの、その粉雪は薄く軽い鋭利な氷の刃状で形成されているものであるため、見た目の美しさに反して吹雪に呑まれた者の全身を瞬く間に切り裂く程の威力を持った無慈悲な技。
度重なる氷の技によって周囲の空間そのものの気温が低下しており、呼吸をしているだけでも肺に痛みが走る程の低温になっている。
氷華
「悪は決して許してはいけない。
私達の人生を狂わせた奴らの事を忘れたの?
私は片時たりとも忘れた事など無い。」
桜空「くっ・・・・・!呼吸すらままならねぇのかよっ・・・・・!」
グオォオ・・・・・!!!!!
(桜空は寒さと痛み、最悪のコンボとも言える感覚を同時に感じながらも、その吹雪さえも同じように海に転送しようとゲートを維持し続ける・・・・・
が、同時にゲートは桜空の体力の消耗に比例して歪み始める・・・・・)
>>910
>>911
氷華
「……にも関わらず、貴方は悪を肯定するつもり?」
氷華はゆっくりと桜空から20mほど離れた場所へ氷の足場を下ろし、再び地上に降り立つ。こうして距離を取りながら遠巻きに攻撃し続けているだけでも異次元の強さを誇る氷華の優位性に変わりはない。
活路を開けるとしたら、触れられた瞬間に凍結させられるリスクや、氷剣に斬られると言う事を承知の上で接近戦に持ち込むしか方法が無いだろう……
桜空へ追い討ちをしかけるべく、正面から迫る体を切り裂く吹雪をゲートで辛うじて防いでいる桜空の背後にある、先程の無間牢樹の影響で形成された大量の氷柱の一部から桜空へ小さな氷の刃を飛ばし、背中へ突き刺そうとする。
桜空「正義の為ならっ・・・・・民間人への無慈悲な殺戮も正当化されるのかよ・・・・・!!!!!」
スゥッ・・・・・!
桜空「ふざけんなぁっ!!!!!」
グォッ・・・・・!
(桜空は決死の覚悟で、自分が入れる大きさのゲートを展開し、氷華の頭上から斬りかかる・・・・・
どんなリスクがあっても、接近戦に持ち込めばまだ今の戦い方よりも少なからず相手にダメージを与えられるのならば、それに賭けるしか道はない・・・・・)
>>912
>>913
氷華
「理想論や綺麗事では何も変えられない。
私は理想のためならどれだけの代償を払うことになろうとも決して躊躇わない……!」
【氷蓮六華・大輪 頞哳吒】
氷華は桜空がゲートを展開した瞬間を見て、即座に右手に氷剣を持ち直して地面に刺すと、氷華を包み込む蓮華草の花弁ような、巨大な氷の壁が三重に展開する。
これは氷華の最大防御技であり、あらゆる方向からの攻撃を最高硬度の氷壁によって防ぐと言うものとなっている。
桜空「・・・・・その理想論や綺麗事を少しでも実現しようとしない卑怯者がよく言えたな・・・・・」
(桜空は静かな怒りを表情に出し始める・・・・・
理想の為ならどれだけの犠牲を払っても構わないという相手の考え方は、極めて自分勝手であり、そしてお世辞にも正義とは言えない、ただの自己満足な大量虐殺でしかない・・・・・)
>>914
>>915
氷華
「……そう、どうやら貴方は私の記憶にある貴方とは違うようになってしまったようね……私は以前もそう問われた時に返したでしょう?」
昔から氷華は自分の理想や正義を貫くためなら、どれだけ不利になろうとも挑み続け、一度掲げた目標は必ず叶えて来た……
そして、桜空の今の発言を聞いて、過去の姿や、それに憧れていて自分と一緒にヒーローになろうと言っていた頃の桜空とは別物になった事に失望が隠せなくなると同時に、
どれだけの挫折を味わったのか、どれだけ多くに裏切られたのか、どれだけ多くの友を失ったのか……それを桜空は感じ取ることが出来なかった。
氷華
「いいわ、完全に貴方はただのつまらない悪党に成り下がったのだと認識する事にする。」
氷蓮壁によって刀を防ぐだけでなく、そこから更に氷の花弁から無数の氷の棘を伸ばして桜空の体を貫こうとしてみる。
桜空「殺人さえも正当化する正義を一方的に押し付けるだけの奴は悪党じゃねぇのか?」
ガッ・・・・・!
(桜空は剣を振るい、棘を斬り対処する・・・・・
氷華がこんな性格に至るまでに何があったかを想像するのは難しくない、自分だってかなり過酷な状況下を生き抜いた経験だってある、そして悪党に落ち着いた自分でもまだこうして人の心を持てているということは、たとえ悪人でも今も昔夢見た正義を辛うじて貫こうとしてる桜空よりも、氷華は意思が弱かった、とも思える・・・・・)
桜空「墜ちたな・・・・・」
>>916
>>917
氷華
「言ったでしょう?
綺麗事や理想論では何も変えられないと。
多くの人の心には悪意が潜んでいる。それら全てを除き、善人のみを残そうとするのなら、目に見える悪人だけでなく、善人を装う悪人を炙り出し、裁かなければならない……」
《パキパキパキパキパキ…》
氷華は伸ばされた氷の棘を切り裂く桜空を見て、鋭く睨みながら氷華を守る三重の氷の花弁の内、一番外側にある花弁が巨大な槍のようになって桜空の体を貫こうと一斉に伸びる。
桜空「どこまでもくだらねぇ奴だ・・・・・」
スッ・・・・・!
(桜空は剣では対処しきれないと判断し、即座にワープゲートを展開させ、再び相手に返す形で攻撃する・・・・・
綺麗事や理想論ではたしかに何も変えられないかもしれない、だが強引な自分勝手なやり方で多くの命を奪って作り上げた平和なんて、心地が悪すぎると桜空は思う・・・・・
阻止するには、力が及ばずとも、どんな手を使ってでも氷華を止めなければならない・・・・・)
>>918
>>919
氷華
「世界は一度地獄となり、百億いる世界人口は一旦、百人にまで減少する……」
《シャッ》
攻防に優れる反面、さしもの氷華でも継続して発動、維持をする事が難しいのか、形成した三重の氷壁は桜空が返した氷刃を防ぐとゆっくりと氷の花弁が溶けて崩れる。
氷の蓮華草が溶ける最中、氷華は左手の手元へ小さな氷のナイフを形成し、それを桜空の心臓に向けて何の躊躇いも無く投げつけ、彼の体を突き刺そうとする。
楽園の主、地獄の王、その相反する二つを兼ね備えた存在になろうとしている氷華の瞳からは、かつての人間としての温もりや光は完全に失われてしまっている……
桜空「どう考えても正義を名乗る奴のやり方じゃねぇな、八咫烏さんよぉ・・・・・」
(氷のナイフが来ることを見切って、ゲートの展開も剣を振るうこともなく、身体能力を活かして華麗に避ける・・・・・
人それぞれの正義はある、だが氷華のやり方はやはりどう考えても間違っている・・・・・)
>>920
>>921
氷華
「けれど……それは過程過ぎない。
この四満ちた全ての悪を取り除くためには、今ある世界を根底から破壊しなければならない。」
【氷蓮六華・天貫 臛々婆】
氷華は右足を通じて桜空の足元から幅が10m、高さに至っては100mを超える巨大な氷柱を伸ばして貫こうとする。
桜空「化け物かよてめぇっ・・・・・!!!!!」
ヒュォッ・・・・・!
(ワープゲートでの回避をするが、こうも巨大な氷柱を出されては、この回避で対応出来なくなるのも時間の問題・・・・・
しかも、周りへの被害もどんどん大きくなる一方、明らかに力の差が天と地ほどある・・・・・)
>>922
>>923
氷華
「貴方が私を悪と蔑むのも構わない……それが私の望む世界へ進むための代償であると言うのなら甘んじて受け入れるわ。そして……善の世界を作り上げた後、私はその罪と共に滅び去る……」
《ドドドドドドドドドッ》
氷華は左手を桜空に翳し、桜空を追いかけるようにして動かすと、次から次へと桜空が移動した先を先読みしているかのように巨大な氷柱が地中から次から次へと伸び、執拗に桜空を貫こうとする。
桜空「追跡系かよ!!!!!ちくしょうっ!!!!!」
バゴッ!!!!!
(ワープゲートで移動する前に、ある程度引き寄せてから氷柱同士をぶつけさせて砕くことでなんとか対応してみせる・・・・
「自惚れても満身でもなく、その余裕は自身の強さからくる事実というわけか・・・・・歪んだ思想の奴が力を持つとろくな事にならないのはいつの時代も同じだな・・・・・?」)
>>924
>>925
氷華
「穢れ無き世界に穢れた存在は必要ない……勿論、その世界には私と言う存在も必要ないのだから……」
戦闘における時間が経過すればするほどに氷華の眼は桜空がワープゲートを生成する際の微細な癖、生成までのラグを見極め始めており、氷華は翳した左手を指を少し動かすだけでも桜空の背後や側面、頭上や眼下と言ったあらゆる方向から氷柱が伸ばされる。
空気中に含まれる水分を集めて瞬時に巨大な氷柱を生成して攻撃が出来ると言う事から一方的に氷華が攻撃を出来る状態となっており、技を使えば使うほどに気温が低下していく事から無尽蔵に氷を意のままに作り出せる上に、時間の経過と共に桜空の動きを見切る事の出来る動体視力と観察眼を兼ね備えた氷華が優位性を確立させている。
既に接近することすら叶わなくなって来ている……
桜空が勝利するためには氷華に接近戦を持ちかけなければならないのだが、それも次第に行えなくなりつつある……
氷華が完全に桜空の動きを読み終えた時が、桜空が殺害される瞬間なのだろう……そして、その時は残り僅か……
氷華
「全世界の憎悪と憤怒の全てを背負って……私が最後の大罪人となり、滅び去る事で悲劇の無い世界が誕生する、私にはそれを背負う覚悟がある。」
【氷華の先読み完了まで残り『5』】
桜空「随分と自信がおありのようで・・・・・それがお前のただの妄想に過ぎないってことを教えてやるよ・・・・・」
(時間が過ぎれば過ぎるほどに、自分と氷華との力の差はどんどん開いてゆく・・・・・
そして、同時に自負の体力も消耗してゆく・・・・・
氷華自身が最後は自分が〇ぬことで悲しみのない平和な世界が完成するという考え方を持った正義であることから、何を失っても、何を犠牲にしても怖いものがない以上、解決策をこうしてワープゲートを瞬時にあちこちに展開しながら練っているのだが、失うものが無くなった自分勝手な正義というのは非常に厄介だ・・・・・)
>>926
>>927
氷華
「何の覚悟も信念も無い者が私に勝てると思わない方がいい。」
次から次へとゲートを開く桜空に対応するように、氷柱から氷柱が伸び、ゲートを通って移動した先で仕留められるようにしつつ、
氷華も自身に向けて最初の時のように桜空が不意討ちを仕掛けて来ても対応できるように自分の周囲を取り囲むように氷柱を立てて迎撃体勢も整え始めて行く。
桜空「畜生っ・・・・・!キリがねぇっ!!!!!」
スッ・・・・・!
(桜空は一旦近くの建物の屋上に移動し、何か反撃に使えそうなものはないかどうか探し始める・・・・・
相手は純粋に能力だけでずっと余裕を保ちながら戦い続けることができるまさに化け物、対してただ瞬時な移動できるだけの能力では回避することしか出来ず、剣を振るっても大きなダメージを与えることはできなかった・・・・・
ならば、他に武器を調達する必要がある・・・・・)
>>928
>>929
氷華
「何処へ逃れようとも・・・私の手からは逃れられない。
そして私の手は悪を取り零すことは無い。」
【氷蓮六華・千刃氷刃 頞部陀】
氷華は桜空を中心とした周囲300mの頭上に多数の小さな氷の刃を形成し、そのまま一気に地上の全てを攻撃することで桜空が移動できるであろう範囲を超えて攻撃しようとする。
桜空の傍には氷華が展開した巨大な氷柱によって転倒した装甲車の一団があり、その中には対異能者用の異能封じの弾丸が装填されたライフルを持った機動隊の骸がある。
【氷華が完全見切るまで残り『3』】
桜空「・・・・・逃げ場なし、か・・・・・」
(自分一人を仕留める為に、罪のない人間まで巻き込まれるのは御免だ、ならば無闇やたらに逃げ回らずに能力者にのみ通用する反撃をするのみ、後のことよりも今を何とかするべきだと考えた・・・・・)
スッ・・・・・
(桜空は、機動隊の骸が転がっている場所へと移動しようとゲートを展開する・・・・・)
>>930
>>931
氷華
「……………。」
【氷蓮六華・地烈氷刃 臛々婆】
《バキハキバキバキバキ…》
装甲車に向かって移動しようとしているのを見て、氷華は手にした氷剣を下から上へ振り上げ、地面を這うようにして強烈な冷気が地を駆け、転倒した装甲車の車体下から無数の氷柱を生やす事で、
桜空が異能封じの銃を手に入れるのが先か、それとも氷華の放つ氷柱が彼を装甲車もろとも貫くのが先か……
或いは空から降り注ぐ無数の氷刃の雨によって全身を切り刻まれるのが先か……
桜空「何としてでも仕留める気か・・・・・」
ガッ・・・・・!
(桜空は今この時が勝敗を決すると確信し、身体の動きが素早くなる・・・・・
桜空は貫かれるギリギリで銃を手にすると、そままゲートで氷柱と氷刃の攻撃に挟み撃ちにされる前に移動し、間一髪のところで難を逃れる・・・・・)
>>932
>>933
氷華
「……貴方が身に付けたのは逃げ足の速さだけなの?」
桜空がゲートに入った次の瞬間、地中から伸びる氷柱と、空から降り注ぐ氷刃の上下からの壮絶な挟撃により、分厚い装甲に守られ、ライフル弾をも容易く防ぐ強固かつ巨大な装甲車が瞬く間に鉄片となり、粉々に粉砕されていく。
もし、ゲートに入る時間が一秒でも遅れていれば装甲車と同じ運命を辿ることになっていただろう……
【氷華が完全見切るまで残り『1』】
桜空「かもな、ご存知の通り、生きづらい人間なんだ・・・・・」
(自分は孤児院で再び全てを失い、ボスに拾われたあの日、裏社会の人間になった、生きていくのが危険な人間になった、だからこそ逃げ足も能力を含めて考えなくとも人一倍早いのかもしれない・・・・・
「いい加減目を覚ましたらどうだ?お前が悪がどうだこうだって正義を歪ませてる間に、俺は少なくとも人間として幾分かは成長したぞ?悪人以下だな、お前は・・・・・」)
>>934
>>935
氷華
「私がやらなければ誰もやらない……
それどころか世界は新たなる惨劇と悲劇を生み出すだけ。」
氷華は自分の周囲3mを除いた周辺一帯に氷刃の雨を振らせ続けながら、桜空のいる方向へ手にした氷剣を向け、桜空の足元の薄氷から無数の氷柱を生やして急襲しようとする。
氷華は桜空の異力使用による呼吸の頻度、手足の微細な筋肉の動き、視線の移動、雰囲気の微細な変化を完全に掴んだ事で桜空による奇襲や不意討ちについての見切りと予測を完了してしまう……もう氷華に異能を用いて攻撃を当てることは出来ないだろう。
【氷華による能力見切り完了】
桜空「どこまでも自分勝手な奴だ、正義と自分勝手の区別がつかないらしい・・・・・」
タンッ・・・・・!
(桜空は氷柱を生やしてくるだろうと先に予想し、地面を蹴って全速力で走りそのままゲートで移動を開始する・・・・・
氷華がこちらの動きを見切った以上、こちらは先読みして今まで以上にギリギリの回避を常にするしかなく、身体能力と瞬発力が必要となってくる・・・・・)
>>936
>>937
氷華
「貴方の異能はもう見切った。
タネを見破られた道化には退場願おう。」
ゲートを開いた瞬間、桜空の入ろうとしているゲートに向けてタイミングを合わせるようにして氷柱の一部から多数の氷刃を分離させて放ち、ゲート内に入ってもその内部で相手の体が引き裂かれるようにしようとする。
もう氷華に攻撃を当てるのは困難だ。
そして、氷華が技を使えば使うほどに周囲の気温は低下してい行っており、寒さの影響で動きも精細を欠くようになって来てしまうだろう。
桜空「いいや、ショーはこれからだ・・・・・」
ガッ・・・・・!
(何も今の桜空は異能だけではない、剣という武器が多少なりとはサポートしてくれる・・・・・
氷柱から放たれた氷刃を、研ぎ澄まされた身体能力と瞬発力を駆使し、弾き返してゆく・・・・・
「俺がお前にやられるか、それともお前が目を覚ますか、どっちが先か勝負といこうじゃないか・・・・・」)
>>938
>>939
氷華
「その銃と刀がその自信の源なのかしら?
なら……その自信の源を絶たせてもらう。」
《パキパキパキパキパキ…》
【氷蓮六華・寒烈嵐風 虎々婆】
氷華は再び両腕を大きく広げると、氷華の周囲の空気中に星々の煌めきのように無数の光が生じ、光が生じた箇所には無数の小さな氷刃が形成され、広げた両手を桜空へ翳すと、吹雪に乗って無数の氷刃が桜空を呑み込もうと押し寄せる。
美しい見た目の技であるものの、その本質は圧倒的な物量を活かし、呑まれた全てのモノを切り刻む、命を奪う死の吹雪となっている。
刀を振るおうにも届かず、狙撃しようにも狙いを定められない、まさに銃と刀の双方の利点や長所を潰し、一方的に相手を蹂躙する技となっている。
桜空「・・・・・仲間の遺品にすら感情の一つも持たねぇのかよ・・・・・」
グォッ・・・・・!
(自分の周りに四方八方ゲートを展開し、全方向からの攻撃を跳ね返せるようにする・・・・・
「本当に目の前の悪を滅ぼすことしか考えていないんだな、愚かな奴だ・・・・・どの口が正義を語っ・・・・・」
明らかに見てわかるほどに、桜空の表情が固まる・・・・・)
>>940
>>941
氷華
「私は私の人生を狂わせた悪を決して許しはしない。
全ての悪を滅ぼすこと、それだけが私の生まれた理由、そして存在する理由……」
《ザアァァァァァァァァァ…》
ゲートとゲートの隙間、前後左右だけでなく、上下からも無数の氷刃を含んだ吹雪が桜空の体を切り裂こうとする……
氷華には悪への復讐。
その感情に支配されてしまっており、劔鴉の刀にさえも気付けなくなってしまっている……
それは一歩間違えていれば……
薫先生や狼谷等の恩人や仲間に出会えなかった……
いや、自分を導いてくれる者と出会うのが遅ければ悪を憎み復讐する事を望む今の氷華のようになっていたかもしれないだろう。
桜空「・・・っ・・・・・!」
スッ・・・・・!
ズババババババッ・・・・・!!!!!
桜空「ぐぅっ・・・・・!」
(桜空は切り刻まれることなどお構い無しと言わんばかりに、少し離れたボロボロになったビルの方へと急いで向かってゆく・・・・・
しかし、全身を切り刻まれながらだからか、ゲートが上手く展開できずに、歪になっている・・・・・
悪を滅ぼす為だけの復讐鬼と化した氷華から逃げることを選んだか、それとも・・・・・)
>>942
>>943
氷華
「もはや戦う意思も無い……と?」
【氷蓮六華・天貫 臛々婆】
《バキバキバキバキバキバキバキ》
周囲では氷華が技を使わなくとも冷たい風が吹き荒んでおり、地吹雪(ブリザード)まで生じる程に低温の世界となっており、この辺りにまでなってくると、まともに防寒具を身に付けていない桜空は手足の感覚すら失われて来てしまうだろう……
手足の感覚が失われれば刀を握る事も銃を持つことも出来なくなり、敗北と死が確実なものとなってしまうだろう。
そんな中でも氷華は無慈悲にも、桜空が駆け込もうとしているビルもろとも桜空を破壊するべく、100mを超える長大な氷柱を地中から伸ばす。
無策の行動は全て無意味となる。
このまま時間だけが過ぎれば、やがてはまともに動くことは愚か、生存する事すら出来なくなってしまうだろう……
桜空「っ!!!!!」
ガッ・・・・・!!!!!
(氷柱が伸びていたところ、ボロボロになったビルの一部が崩れ、そのまま氷柱に激突し砕かれる・・・・・
氷柱が生えたことで辺りのガレキをなぎ飛ばし、土埃が待っている・・・・・
が、少しして土埃が晴れると・・・・・)
桜空「はぁっ・・・・・はぁっ・・・・・」
(生きているかどうかもわからない見ず知らずの、幼い姉弟と思われる地面に横たわる子供達を抱き抱え、間一髪のところで攻撃を避けていた・・・・・
もしかしたらまだ息があるかもしれない幼い命を、桜空は放ってはおけなかったのだろう・・・・・)
>>944
>>945
氷華
「……!!?」
ビルが倒壊する中でも氷華は何の感情も抱くことなく、静かに桜空の姿を探し、追撃に備えていたものの、崩れたビルの中から桜空が幼い姉弟を救出したのを見ると、その姉弟の姿が何処か昔の自分達の姿に重なって見える。
困惑する氷華には反撃するには充分な隙が生まれている。
桜空「・・・・・おらぁっ・・・・・!!!!!」
ゴッ!!!!!
(桜空は素早く姐弟を別の場所に転送した後、氷華のもとまでワープして背後から回し蹴りを放つ・・・・・
正直、剣や銃は防御用と言っても過言ではなく、最初から命を奪うつもりが桜空にない以上、直接攻撃を出来る機会が訪れたその時は、身体能力による物理攻撃でなるべく攻める・・・・・)
>>946
>>947
氷華
「………ッ!」
《シャッ》
完全に不意を突かれるものの、桜空の異能の性質や特徴について既に把握していた事もあり、蹴りに対して即座に体そのものを前に倒すことで蹴りの威力を逃がし、ダメージを軽減すると
即座に前に右足を出して倒れるのを止め、それと同時に前に出した右足を軸足とし、背後へ振り返ると共に手にした氷剣を振るって桜空の体を切り裂こうとする。
異能は精神による同様の影響や術者の心の強さが大きく反映される。
そのため、今の精神的な動揺を抱く氷華の操る氷はその硬度が不安定なものとなっていて、僅かながらにだが弱体化している
桜空「てめぇは自分の正義の正当化しか考えられねぇのか!!!!!」
ゴシャッ・・・・・!
(桜空は何の罪もない幼い命までもが命の危険に晒されている光景を目にしても、まだ自分の歪み切った正義を正当化することしか考えられないのかと怒号を浴びせながら剣を振るい、氷華の氷剣を砕く・・・・・
砕け散った氷の残骸が散らばってゆく・・・・・)
>>948
>>949
氷華
「…………!!!
万人が望む正義など存在しない……
どれだけの素晴らしい案があろうと、それを実現することが出来なければただの空虚な理想論にしかならない……!」
【氷蓮六華・天満刃華 頞哳吒】
《パキンッ》
氷華の心に動揺が走ったことで脆くなった氷剣が、桜空の刀と激突して砕けると、まさか自分の作り出した氷がこれほど容易く破壊されるとは思わず、砕けた氷剣を見て刹那の瞬間だけ驚愕するものの、直ぐに冷静さを取り戻し、折れた氷剣を捨てて右手を地面に付ける。
すると、その次の瞬間、氷華を中心に周囲に向かって水面の波紋のように無数の蓮華の氷華が刃のような鋭さを持って全方位に向けて伸び、桜空が何処へ回り込もうとしても切り裂けるようにしてみる。
氷華がいる中心点から外へ伸びた三重の巨大な氷の花弁は先程のものとは違い、攻撃力に特化したものとなっており、氷そのものの硬さよりも、花弁の鋭利さに注力されている。
桜空「それでてめぇが実現するのがこんなクソみてぇな大虐殺か!!!!!正義が聞いて呆れるな!!!!!」
ゴガガガガガガガガガッ!!!!!
(桜空は自分の周りにゲートを展開して、花弁の前に攻撃を全て転送することで防御と攻撃の二つを同時に行う・・・・・
空虚な理想論のままならまだいいこんな惨劇を引き起こすのが正義なら聞いて呆れる・・・・・)
>>950
>>951
氷華
「……貴方はそうやって吠える事しか出来ないのでしょう?
その証拠に……貴方からは何の信念も感じられない。」
氷華は地面に付けている右手を少し浮かせながら、先程から自分の翳す正義に反対しているものの、具体的に自分は何をするのか、何を理想としているのかを語らず、稚拙な揚げ足取りに終始しているだけである事を指摘する。
氷華
「今のように目に見えているものを救う?
それもいいでしょう。けれど……目に見えない者はどうするの?」
【氷蓮六華・槍天 臛々婆】
氷華は浮かせた右手の人差し指の先を地面に付ける。
すると、地中からはこれまでの中でも最長を誇る氷柱……いや、その大きさからもはや氷柱ではなく、氷の尖塔が出現させて桜空を貫こうとする。
氷の尖塔はスカイツリー並みの高さを有しており、下手に浮けようとすれば遥か天高くまで押し上げられてしまうだろう。
氷華
「私は手の届く範囲に、目の届く範囲に命を集め、それを守るためにこの命を使う。決して誰も取り零されないように、誰も見捨てられないように……そのためには悪を徹底的に裁き選別しなければならない。」
氷華はもはや止まらない。
確固たる信念、揺るぎ無い正義を持つ氷華を打ち倒すには、それをも凌ぐ"何か"を示さなければならないだろう。
その差が異能の強さ、影響力となって現れている。
氷華は心の底から正義の楽園を作ろうとしており、そのための覚悟も決め、犠牲も払い続けて来た。これこそが氷華の持つ桁違いの異能の源となっており、これを崩せなければ勝機は無いだろう。
桜空「信念もクソもあるか!!!!!てめぇ一人の身勝手で多くの人間が犠牲になってんだぞ!!!!!信念や理由なんて後回しだ!!!!!」
スゥッ・・・・・
(桜空はゲートを展開し、氷華の攻撃をギリギリで避ける・・・・・
正直、口では何とでも言えるが、もうここまで圧倒的に差をつけられては、手を出しようがなく、説得するにも聞く耳持たずな以上、内心お手上げ状態となる・・・・・)
>>952
>>953
氷華
「私がやらないと誰もやらない……
そうして悲劇と惨劇を誰も断ち切ろうとせずに連鎖して今に至っている訳でしょう?」
手にした氷剣をゲートによって移動した桜空に向けて三回ほど素早く振るうと、三つもの凍った斬撃を飛ばして遠隔でも相手を切り裂こうとする。
バシュッ・・・・・!
桜空「がっ・・・・・!?」
(先ほど、幼い姉弟を救う為に氷華の猛攻を浴びたことから、体中傷だらけで動きが以前よりも圧倒的に遅く、鈍くなってしまっているのが仇となり、背中に斬撃の一つを受けてしまう・・・・・
「その為に・・・・・ハァ・・・・・ハァ・・・・・惨劇を起こしてやろう・・・・・ってか・・・・・?こんなことをしておいて・・・・・本当に世界が平和になると思ってんのか・・・・・?」)
>>954
>>955
氷華
「いつかは誰かがその業を背負わなければならない。
だけど……時間の経過と共に苦しむ者は増えるばかり。」
桜空の背中に氷の斬撃が命中したのを見ながら、自身の持論について話す。今を生きる者の多くを……罪を冒さずに生涯を終えるかもしれない者や、現在の秩序の中であれば悪事に手を染めずにいる者達と言ったように改心の余地がある者達をも極悪人ともども切り捨て、進もうとしている。
同じ氷の異能を持ちながら、悪事に手を染めた者をも救おうとしていた、薫先生とはまるで対照的な考えとなっている……
幸いなことに出血した箇所が直ぐに氷で覆われ、出血による絶命や気絶をする事は無いだろう。
氷華
「この世で唯一残った肉親へかける最後の情として聞いてあげる。
何か言い残すことはある?」
氷華はブーツの底をスケートのエッジのようなものを形成し、それを活かして氷上を滑るようにして彼の前へ移動すると、手にした瞬時に再生成していた氷剣を大きく振り上げる。
そして、氷華の中に微かに残っていた桜空への情から、最後に何か言い残すことはあるかと問いかける。
桜空「ぐっ・・・・・ぅ・・・・・ず、随分と・・・・・優しいじゃねぇか・・・・・」
(まだ立ち向かうつもりなのか、ボロボロになりながらも桜空は立ち上がるだけ立ち上がってみる・・・・・
周囲一帯が極寒とかした今、桜空の傷口から滴り落ちる鮮血は、瞬時に凍りつき、結晶となって地面へと落ち砕け散る・・・・・
「そ・・・・・それじゃあ・・・・・お言葉に甘えさせてもらうか・・・・・と言っても、俺はもうあまり喋る気力すらねぇ・・・・・だから・・・・・代理に代弁してもらうか・・・・・」
そう言うと、スマホを取り出す・・・・・
恐らく、桜空の言葉から察するに、ビデオ通話が繋がっているのだろう・・・・・)
>>956
>>957
氷華
「…………………」
氷剣を持った右手の代わりに左手で桜空が取り出したスマホを手にし、目線は桜空に向けたまま、話を聞こうとする。
仮に何か変な事をしようとすれば即座に異能を使って防ぐように身構えており、ここから不意討ちや奇襲は難しいだろう。
桜空「俺はもうまともに動けねぇ・・・・・攻撃も何もしねぇよ・・・・・俺の方じゃなく、相手の方を見ろ・・・・・相手の為にも、お前の為にもな・・・・・」
(体中に出来た切り傷の中でも、特に傷が深い部分を手で押さえながら上記を述べる・・・・・
体温も徐々に下がっており、恐らく反撃なんてまともにもうできないというのは嘘偽りではなく、事実だろう・・・・・
「俺なんかの方を見てたら、後悔するぞ、お前・・・・・」)
>>958
>>959
氷華
「そう?それなら保険をかけておくわ。」
左手の指先を桜空の頭上に向けると、彼の頭上1m上にウニのように小さくも無数の棘を備えた氷の塊を形成し、何時でも桜空へトドメをさせるような状況にした上で数秒だけスマホへ向ける。
『・・・・・っ・・・・・ぐすっ・・・・・』
(スマホ画面は何故か真っ暗で、誰かの泣いているような、嗚咽が聞こえてくる・・・・・
どこまでも悲しみに包まれたような、そんな悲哀がスマホから伝わってくる・・・・・)
>>960
>>961
氷華
「……これが貴方の最後の言葉、かしら?」
氷華は嗚咽が聞こえるだけで、他には何も声が聞こえない事に落胆すると、桜空の頭上に浮かぶ氷の棘珠を凝縮し始める……
今の氷華にとって、スマホの向こうに誰が居るのか、何を想っているのか、その事へ思慮を巡らせるということすら忘れてしまっている……
『・・・・・もう、やめてよ・・・・・氷華・・・・・』
(スマホから、聞き覚えのある声が聞こえてくる・・・・・
その声は、時々の、それも限られた時間でしか会えなかったものの、氷華からすればとても大切な人物の声であり、氷華を一気に引き戻すような声で・・・・・)
>>962
>>963
氷華
「………!?」
桜空の頭上に形成した氷球を破裂させ、自分以外の全てを貫く氷針を解き放とうとしていたものの、そのまま決着を付けようとしていた寸前で氷華がまだ『人間』だった頃の親友の声が聞こえた事でその攻撃の手が止まる。
『私はっ・・・・・こんなことをする氷華嫌だよ・・・・・!氷華がいつも平和の為に頑張ってるのは知ってた・・・・・ほんの少しだけど、氷華は話してくれたし・・・・・時々しか会えないのも氷華が一生懸命頑張っているからなんだと思ってた・・・・・でも・・・・・こんなことをする為に氷華が今まで頑張っていたなんて知らなかった!私すごく悲しいよ!やるせない!騙された気持ちだよ・・・・・!』
(ようやく、スマホの画面に夕渚の姿が映る・・・・・
恐らく、あまりの惨状にスマホを置いてしまっていたのだろう・・・・・
夕渚の顔は、涙で見たことがないほどに悲しみに包まれていた・・・・・)
>>964
>>965
氷華
「……私はもう後戻りする事は出来ない。
理解してもらえないのは悲しいけれど……それでも私はもう止まれない。」
国を敵に回した以上、もう後戻りは出来ない。
自分で始めてしまった以上、自分の手で終わらせる事は出来ない……
氷華の瞳の奥に微かに感情の揺らぎが見えるものの、凍りついた心は感情そのものを押し潰してしまう。
自分の中にある人としての感情から生まれる罪悪感から氷華はスマホから目を離そうとする。
『・・・・・私、馬鹿だからどうするのが一番いいかなんてわからないけど・・・・・でも・・・・・氷華がこれからやり直す手伝いはしたい・・・・・』
(夕渚本人が言うように、夕渚は本当に馬鹿だ・・・・・
ここまでのことをしておいて、やり直すことなんてどう考えても出来っこない・・・・・
もう後戻りできない以上、氷華が計画しているように、一度完全な地獄を作り出してから氷華自身が命を絶つことで元通りとはいかずとも事態は終息する・・・・・
それでも尚、氷華が親友として心を開いた夕渚だからこそ、説得しようとする・・・・・)
>>966
>>967
氷華
「……………。」
自分と一緒にやり直してくれると言う夕渚の言葉を聞いて、何も言葉を返すことが出来ず、少しの沈黙をもって応えると、静かにスマホの通話を切る。
何も言葉を返さずにいたため、その本心はわからないものの、夕渚の言葉で氷華の心に張り詰めていた氷が微かに溶けたのか、氷華が迎撃用に展開していた巨大な氷柱が崩れ始め、桜空の頭上に浮かばせていた氷の棘珠もその硬度を大きく落ち、破壊が容易なものとなる。
これで多少なりとも氷華の力が落ちたものの、それでも依然として世界最強クラスである事に変わりはない無い。
桜空「・・・・・っ・・・・・!」
ガッ・・・・・!
(桜空は、頭上のものを素手で殴りバラバラにして砕くと、そのまま氷華に突進して掴みかかり
「てめぇ・・・・・!ダチすら大切にできねぇのか・・・・・!」
と、怒号を浴びせる・・・・・
精神的にかなり揺らいではいるものの、依然としてまだ力の差はある相手に対して怖じ気付くことなく立ち向かう桜空の姿は、当の本人である氷華の目にはどう映るのか・・・・・)
>>968
>>969
氷華
「……全ては大義のため、私は私欲を、私情を捨ててどれだけでも非情になれる……それこそが私の覚悟よ、何も捨てることが出来ない貴方では理解することは出来ないでしょうけどね……」
桜空が頭上にある氷塊を破壊された事で攻撃が不発に終わると、此方へ向かって来る桜空に対して手にした氷剣を振るって迎え撃とうとする。
だが、その氷の硬度は低下しており、氷華を打ち倒し、自らの信念を持つことが出来ているのなら容易く破壊することが出来るだろう。
バキッ・・・・・
桜空「あぁ・・・・・理解したいだなんて死んでも思わねぇ、クソくらえだ・・・・・」
(桜空は簡単に氷剣を砕くと、そのまま睨みながら「これを見ろ、全部てめぇがやったんだ・・・・・罪もない人間さえ、子供すら巻き込んだ・・・・・大義もクソもへったくれもねぇ、これを正義だのなんだのって言えるなら、てめぇは本当に頭がおかしい・・・・・」と言い)
>>971
>>971
氷華
「……!!!
正気な頭の者がいても何も変わらなかった。
その末路が私達のような生い立ちの者でしょう……?」
桜空の首を狙って振るった氷剣が砕かると、今度は自分の左手で手刀を作り、その手刀に氷を纏わせて氷の刃とすると、それをもって桜空の腹部を貫いて掴まれる前にその体を貫いて絶命させようとする。
桜空「っ・・・・・」
ポタッ・・・・・
(桜空は氷華の腕を掴んでなんとか止めるものの、手刀の先端部分が桜空の腹部に数センチほど突き刺さり、血が滴り落ちる・・・・・
氷華の言うこともわかる、だが、それを理由にして虐殺をしていいわけがない・・・・・)
>>972
>>973
氷華
「貴方はその非情になりきれない甘い幻想を抱いたまま朽ちていくがいいわ。」
《パキパキパキパキパキ…》
桜空の腹部に少し刺さると、そこからパキパキと音を立てて凍り始め、そのまま手刀が刺さった箇所を壊死させ、彼の体を凍り付けにしようとする。
氷華はこの計画のために、人であるために必要なものを全て捨て去った……その彼女から見れば希望論や綺麗事ばかりを並べ、自分のように世界の改革のために動かない事を"甘い幻想"と蔑んでいる。
桜空「ぐっ・・・・・!?くっ・・・・・!」
ぐっ、ぐっ・・・・・
(桜空は必死に手刀を抜こうとするものの、既に腕も凍り始めており、じわじわと体の自由を奪ってゆく・・・・・
激痛と極寒、二つの脅威に挟みうちにされる・・・・・)
>>974
>>975
氷華
「人生とは等価交換。
何も捨てる事が出来ない者は何も得ることが出来ない……
私は正義以外の全てを捨てた……」
一度凍り始めてしまえば、能力が弱体化している今でもこれで充分。
氷華は桜空の腹部に当てていた右手を離すと、そのまま桜空から離れて彼が凍るまでの様子を見ようとする。
パキ・・・・・パキ・・・・・
桜空「ぐっ・・・・・正義がどうとか言っているが・・・・・てめぇのやってることは・・・・・ただの無差別大量虐殺以外の何ものでもねぇ・・・・・」
(内蔵までも凍てついてゆく中、呼吸すらまともにできずに最後の時は迫り来る・・・・・
そんな中でも、桜空は氷華のやり方は間違っていると必死に反論する・・・・・)
>>976
>>977
氷華
「貴方はそこで歩みを止めて見ているといいわ。」
氷華は次第に体が氷に包まれていく桜空を見て、あと数分で全身が凍り付いて凍死するであろう事から決着は着いたと考え、最後の仕上げをするために凍り付いた国会議事堂に向かって歩き始める。
そんな中で、桜空の懐には先程、装甲者の中にいた機動隊員から手に入れた対異能弾を装填された拳銃がある。
実質的に決着が付き、ほぼ全身が凍り付いてしまった桜空に対しての警戒が緩んでいるようで、今、彼女の背中からこの銃弾を打ち込めば倒すことは出来なくとも更なる弱体化を狙えるかもしれない。
ピキッ・・・・・パキッ・・・・・
桜空「ぅ・・・・・あ・・・・・」
《くそっ・・・・・!体が・・・・・動かねぇ・・・・・》
(平和の実現の為ならば、悪人になっても平和を望む実の弟すらも手にかけることを躊躇わない氷華の作り上げた氷は、まるで氷華の今の人間性や心を表すかのように、硬く、そしてどこまでも冷たい・・・・・
桜空は、力を振り絞り懐の拳銃を取り出そうと必死に腕を動かすものの、わずか数ミリ動かすのがやっとであり、桜空はどんどん氷像へとなってゆく・・・・・)
>>978
>>979
氷華
「……………。」
氷華は構わずに議事堂前の階段を登って行く。
そして去って行く氷華の背中も周囲に吹き込む吹雪によって薄れ始めてしまっている。
かつて二人は別々に別れ、それぞれ過酷な環境で生きることになったのだが、その時と同じ……いや、その時以上に、この場で氷華の姿が見えなくなった場合、二度と会うことが出来ない……例え桜空が生き延びたとしても二度と氷華と邂逅することは無い。
そんな予感が感じられる。
《・・・・・待てよ・・・・・行くな・・・・・》
(桜空は、最後の力を出せる限りだそうとする・・・・・
が、体を覆い尽くす氷は、もうすぐ完全に桜空の全身を包み込もうとしており、じわじわと対応と体の自由を奪うと同時に、桜空の意識が朦朧とし始める・・・・・)
ジャリ・・・・・
(国会議事堂へと歩いてゆく氷華の足元、何かを踏んだような感覚が伝わる・・・・・)
>>980
>>981
氷華
「……………?」
桜空の必死の抵抗や呼び掛けも虚しく、桜空の体は氷に覆われ始め、氷華は振り替えることも無く歩き続ける。
既に周囲の階段、道路、芝生、土の表面には厚さ3cm程の氷で覆い尽くされているため、議事堂の階段を登り終えた後に足元から違和感を感じる。
その違和感の正体を突き止めるために足をどかし、自分の足元を見る。
・・・・・
(氷華が足をどけると、そこにあったのは、幼少期の氷華と桜空が映った写真が入ったペンダントであり、氷華のものとは違うことから、桜空も同じように幼少期の思い出を肌身離さずに持っていたこと、戦いの衝撃で桜空の服から落ちて飛んでいったのだということがわかる・・・・・
桜空は、氷華との正義のヒーローになりたいという願いを忘れてはいなかった・・・・・)
>>982
>>983
氷華
「……なぜこんな所にコレが……?」
桜空のペンダントが落ちているのを見て、黒い革手袋を付けた右手で拾い上げてそれを見ると、どうして議事堂の階段上にこれがあるのか、何時これが落ちたのか……何故桜空がまだこれを持っているのか、様々な疑問が脳を過る。
・・・・・
(写真の中の幼い二人は、まだ穢れというものを知らず、どこまでも純粋で、そして些細な喧嘩すらもしなかった・・・・・
たった10年という年月が、二人にとってはあまりにも大き過ぎた・・・・・
桜空がまだこれを持っている理由は、桜空以外では氷華しか知ることは出来ないだろう・・・・・
まだ桜空は幼少期の誓いを・・・・・)
>>984
>>985
氷華
「…………………。」
写真の中に映る桜空の顔を見て、表情には現れてはいないものの、数秒だけ立ち止まり、様々な感情が胸の中を駆け巡り、複雑な心境になるが、やがて目線を議事堂へ戻し、議事堂内へ入ろうと歩みを再開しようとする。
自分はもう二度と戻ることは出来ない、一方通行であり、決して巻き戻すことの出来ない時の流れの中では前に進むと言う選択肢しか存在しない……
バキンッ・・・・・!
桜空「氷華ぁぁぁあああああああああああああっ!!!!!」
(氷華が立ち止まり、様々な感情が入り乱れたその刹那の瞬間、桜空はそのタイミングを逃すことなく氷を打ち破り、氷華へと走り迫ってゆく・・・・・
桜空の目は、悲しみや信念など、氷華同様に様々な感情が入り混じっていた・・・・・)
>>986
>>987
氷華
「……………!!」
《バッ》
背後から自分の名を呼ぶ咆哮が聞こえ、更に体の芯までは凍り付いていなかったのか、氷華は反射的に振り向き際に右手を翳し、その掌から一本の氷柱を伸ばして桜空の体を貫こうとする。
精神的な動揺からか、その氷の生成速度も硬度も低下しているため、死力を尽くせば回避や破壊も可能なレベルとなっている。
【正義の行方】
息も凍る程の冷たい大地
草も木も無く、地平線の遥か彼方まで広がる無人の凍土
方位磁石やコンパスはおろか、星すらも存在しない
自分がいったい何処を歩いているのかさえもわからない
歩き出した足は太腿、脹ら脛、両膝、足首、土踏まずの全てが常に引き裂かれるような激痛をもたらしている
吹き付ける風は肌を刺すようで
温もりを生むものは何一つ無く
体温を守る毛布すら無い
生命を拒むような死と氷の世界を氷華は歩いている
ひとたび視線を反らせば方向感覚すら失う世界
それこそが氷華の歩く世界だ
かつて最愛の弟と約束した未来を、正義を守るために
この無人の荒野を歩くことを決めたのだが
もはや目的地どころか帰る場所も戻る場所も
どこにあるのかわからない
ただ一度向いた『前』だけが未来へ繋がると信じ
両足が上げる悲鳴や激痛に耐えて歩き続ける
この先にはきっと……
かつて自分達が夢見た理想の世界があると信じて…
桜空「っ・・・・・!!!!!」
ヒュッ・・・・・!
(ある程度予想していたものの、やはり仕掛けてくる際のスピードは予想込みでも避けるのがギリギリになってしまう・・・・・
しかし、今の氷華の攻撃を避けるのは、今の桜空でも十分に可能だった・・・・・
桜空は、氷柱を避けると、そのまま氷華に掴みかかり、そしてそのまま勢いに任せて押し倒す・・・・・)
桜空「ふざっけんなよっ!!!!!」
(桜空喉号が凍てつく世界に響き渡る・・・・・)
桜空「仮にも正義を志す人間がこんなことをして何も感じねぇわけねぇだろ!!!!!てめぇの心は死んじゃいねぇ!!!!!てめぇは本心に気づけないんじゃなく本心に蓋して都合よく自分を偽ってるだけだ!!!!!もう他人も、自分自身も傷つけるな!!!!!
・・・・・頼むよ・・・・・姉ちゃん・・・・・」
ポロッ・・・・・ポロッ・・・・・
(桜空の目からは、涙が零れ始める・・・・・
互いに正体を知って傷ついたのは、氷華だけではない・・・・
いくら薫先生という恩人に恵まれ用と、恩人を失うも悪人に命を救われようと、どんな時でも心のどこかには氷華の存在があった・・・・・
だが、やっと会えた時には、すべて変わっていた・・・・・
今までの様々な感情が、入り乱れ、そして涙となって零れ落ちてゆく・・・・・
もう、限界だった・・・・・)
>>988、989
>>990
氷華
「!?……桜空……。」
氷柱による刺突が避けられ、直ぐに逃れようと後方へ下がろうとするものの、足元に桜空の落としたペンダントが見え、このまま動けばそのペンダントをも踏みつけてしまうと考え、回避のための足が止まる……
そこで防御に回る時間が無くなり、桜空に押し倒される。
押し倒す際に彼が持っている刀を心臓に突き出していればその時点で自分が殺害されていたのだが、それをせず、変わり果て、決別を宣言した自分の事をまだ姉と呼んでくれている事に対して氷華は静かに驚いている。
氷華
「……私はここに来るまでに多くのものを捨てて来た……
自分も、仲間も、親友も……実の弟でさえも……」
ゴールも、自分の居る場所でさえも見えない無限に広がる荒野を歩き続けるのはいったいどれだけの絶望に満ちているのだろうか。
正義を言い訳に、過去の約束を言い訳に、自分自身からも目を背け、理想の正義を成すために数多くの罪を背負った……
自分はもう姉と呼ばれる資格も無く、涙の一つも流れない自分の冷たさに呆れさえ感じてしまうが、そんな全てを切り捨てて来た自分も……唯一、桜空や亡き両親と共に過ごした幸せな記憶を大切に守り続けて来た……
桜空「てめぇの勝手を押し付けてんじゃねぇ!!!!!てめぇさっきの夕渚の言葉聞いてもまだそんなことが言えんのかよ!!!!!てめぇが勝手に周りを避けてるだけだろうが!!!!!夕渚も俺もまだお前のこと見捨てちゃいねぇぞ!!!!!」
(夕渚の想いも、自分の想いも、これだけ想い続けてもまだ氷華には届かないのか、何故わかってくれないのか、意味のない歪んだ正義の遂行の為ならば周りを避けられるのか・・・・・
桜空には理解出来なかった、思いが届かないのが悔しかった、やるせなかった、許せなかった・・・・・)
>>991
>>992
氷華
「そうして悪から目を背けるから新たな犠牲者が生まれる……
誰も世界を救わないと言うのなら……私がやるしかない……!」
桜空の落としたペンダントを踏まないようにし、最初に霞鴉が桜空を捕縛した時、それ以降も何度も桜空を殺害できるチャンスがありながら、それを一切する事無く、
氷華
「貴方の考えが正しいと言うのなら……私を倒し、その信念を貫いてみなさい!!」
《ヒュオッ》
氷華は素早く桜空の服の右襟と左裾を掴み、足払いを仕掛けつつ、自身の体を横転させるように動くことで逆に桜空を押し倒して馬乗りになる状態に持ち込もうとする。
氷華の異能は弱体に弱体を重ね、その力は通常の異能レベルにまで低下しているものの、それでも尚、ずば抜けた格闘センスと身体能力を持っている氷華を倒すのは困難だろう……
だが、氷華を呪縛から解放するためには氷華の氷を、氷華の呪縛を全て打ち砕かなくてはならない……
桜空「くっ・・・・!?ただの大量虐殺止めるのに正しいもクソもあるか・・・・・!!!!!いい加減に目を覚ませやぁっ!!!!!」
ゴッ・・・・・!
(桜空は馬乗り状態に持ち込まれる前に、氷華の顔を殴りつけることで体勢を崩そうとする・・・・・
桜空の信念というものを一言で表すなら、理不尽が世界を滅ぼすなんてことはさせない、だろうか・・・・・)
>>993
>>994
氷華
「その大量虐殺をしなければ、これから生まれてくる無限の命が絶えず奪われ続け、踏みにじられ続ける……世界そのものが根底から変わらない限り…ね!」
氷華は自分の顔に向かって桜空が拳を打ち出そうとしているのを肩の動きと肘の曲がりから予知し、その拳を受け止める形で防ぎつつ、左拳に氷を纏わせて威力を引き上げたものを桜空の顔へ逆に打ち込もうとする。
桜空「未来の為なら今ある罪の無い命を奪っていいのかよ!!!!!」
ブォンッ・・・・・!!!!!
(桜空は敢えて予備動作がわかりやすい攻撃を仕掛けると見せかけて氷華を誘導し、自分の目の前にゲートを展開し、転送先を氷華の背後、つまり背中に氷華自身の攻撃が直撃するようにする・・・・・
氷華がとことん能力を用いた攻撃を仕掛けてくるのならば、桜空はそれに対応した頭脳戦、といったところだろうか・・・・・)
>>995
>>996
氷華
「………………。」
《バッ》
先程、桜空が異能を発動させるタイミングや動作の癖等を見抜いていた事もあり、氷を纏った拳が自分の背後に当たる寸前で拳を止める事が出来る。
氷華は桜空の未来のために今を生きる命を奪ってもいいのかと言う問いかけに対して明確な答えを出すことが出来ず、ゲートから手を引き抜くと同時に後方へとバク転するようにして飛び退き、右手を地面に着地させると、そのまま地中の水分を瞬間凍結させて氷柱とし、地面に倒れた桜空の体を下から貫こうとする。
理不尽な現実に対する怒りは二人の共通点ではあるのだが、その途が交わることは無いのかもしれない……
桜空「答えられないか・・・・・そりゃあそうだよなぁ!!!!!てめぇは自分の悪事を正当化しているだけで正義じゃあねぇんだからなぁっ!!!!!」
グォッ・・・・・!
(桜空はゲートを展開し、氷柱が自分へ突き刺さらないように防御する・・・・・
桜空自身、氷華への怒りからかもはや吹っ切れているらしく、ゲートの展開速度が先程よりも早まり始めている・・・・・)
>>997
>>998
氷華
「私が倒れれば……誰も世界を変えられない。
断言するわ、今のままの世界が続けば何千年何万年経とうとも決して悪は無くならない……」
《パチンッ》
【氷蓮六華・千本氷桜 頞部陀】
氷華が指を鳴らすと、その次の瞬間、桜空の周囲に伸びた氷柱から無数の氷の針が桜空に向けてありとあらゆる方向から同時に放たれ、迫る。
この技は殺傷能力や一撃ごとの威力はさほど無いものの、恐るべきはその数。ダメージも蓄積すれば致命傷となる。それを体現するかのような氷の針となっている……
桜空「ぐっ・・・・・!?」
バババババババババババッ・・・・・!
(桜空はゲートー展開させることですべての針を直撃することはなんとか免れるものの、やはり体のあちこちに無数の針の攻撃を受けてしまう・・・・・
が、ここで自分が怯んでは、世界のこれからが、無実の人間達の未来が危うい・・・・・)
桜空「・・・・・てめぇ一人がこんな意味のねぇことをやって何になる・・・・・?いつの時代だって、悪人なんてのはどこにでもいる・・・・・こんなことしたって、悪は無くならねぇよ・・・・・」
>>999
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