【ー桜空サイド・過去ー】
桜空「・・・・・」
(不審者に襲撃され、両親を失い、姉とも離れ離れになり、世間の目は厳しく無情にも自分へと向けられる・・・・・
桜空は、心と体共に深い傷を負い、幼心に消えることのない傷として切り刻まれた・・・・・
数日前、意識を取り戻し、酸素マスクも外れたが、意識不明のままの方がまだよかったかもしれないと思うほどに、この施設は地獄だった・・・・・
周りの目が、自分を化け物を見るような目で見てくる・・・・・)
薫
「ま〜た暗い顔をしてる。」
自分の背負わされた宿命や運命、因果を嫌悪する桜空の後ろから、彼の入れられた少年院の医師をやっている薫が優しく微笑みながら彼に声をかける。
薫は少年院に送られ、心や身体に深い傷を負った少年達を少しでも救いたいと思い、幾らでも別の道や医者としての道があったにも関わらず、その道を全て捨て、親からの反対さえも押しきってこの少年院に勤めるようになった……