桜空「・・・・・俺の最初で最後のわがままだ、死なないでくれ・・・・・」
(自分の往生際の悪さが嫌になる・・・・・
狼谷はもう助からない、そんなのはわかっている、だが、桜空は裏社会の世界で生きるようになっても、誰かの死を受け入れられるほどに精神面は強くなかった・・・・・
桜空は、最初で最後のわがままとして、生きてくれと告げる・・・・・
桜空の表情は無表情だった、どんな感情を持てばいいのかすらもわからないほどに、悲しみが勝ってしまうと人間は表情が無になるのか・・・・・
だが、同時に目からは涙が流れていた・・・・・
死の間際に、わがまままで言って狼谷を困らせる自分が嫌になってくる・・・・・)
>>668
狼谷
「ははは……それは難しい願いだな……」
狼谷は桜空に自分の遺志を託した。
狼谷は徐々に意識が朦朧として来ており、言葉を話すことも難しくなっている中、何とか言葉を紡いで行く……
狼谷
「紀……お前とももう少し話してみたかったが……
お前は昔の俺に似ている…お前は俺みたいな半端者にはなるなよ……?」
狼谷は視線を紀に向けると、あまり多くを語る時間は残されていないとわかっているかるか、昔の自分と相手が似ていると言うことの続きなのか、自分のように正義にも悪にもなれなかった半端者にはなるなよとだけ伝える。