【とりあえず初回投げておきます。参加者の方は適当に絡んでください。】
「······やけに賑やかになったなぁ」
(街の宿屋から通りを見下ろす。少し前までは一日に数える程しか人通りがなかったのだが──今は、少なくともその10倍は人がいる。決して賑わっているとは言えないが、それでも、ROWに思い入れのある人々が続々と集まって来るのがわかる。)
「(······となると······)」
(そこで思うのは、ベーシックランドにおける、マニシアとランツの対立。どうしてもそれはこの場において障害となるだろう。果たしてそれがどうなるか──昔、最前線で関わった身として、見届けたいというのが彼の思考だった。
数分後、彼は往来に姿を現していた。所詮バーチャル空間なのだが······『空気』を感じるために。)
>>ALL様
「なんて人口過密なのかしら? もうじきこの世界も終焉を迎えるというのに、思い出に浸りたい凡夫共がうじゃうじゃと! これじゃあ、疫病かなにかでも流行りそうじゃないのよ」
(街下を埋め尽くすほど溢れかえるアバター達。かつて幾多もの少年少女の心を虜にし、大勢の利用者に愛されながらおよそ十五年間も親しまれたオンラインゲーム『RWO』が、その長いサービスに幕を下ろすと発表してからというもの、このように街には人々がごった返している。暇を潰す隙もない。)
(多勢のアバターの中で浮いた金髪ドリルの少女、プリンセス・アラモードは石畳の中央で立ち止まり「焔孔雀」の扇子を広げた。)
「ちょっと、あなた達。プリン様の名を忘れたとは言わせないわよ。今なら先着数名の凡夫に靴を舐める権利をさしあげてもよろしくってよ!?」
(高い笑い声が響く。その様は傲慢、高飛車、傍若無人。とても高貴とは言いがたく、物語のお姫様よりもお妃様や悪役令嬢と形容する方が正しいだろう。いくらかつてのプレイヤー達でごった返していると言えど、今や廃れてしまった「プリンセス・アラモード」の名は容易に一蹴されてしまう。「ガン無視」という完全なる「侮辱」を顔に塗られたプリンセスは、思うようにはいかないことに奥歯をギシギシ、悪魔みたいな表情で道行くアバターを睨んだ。)
「な、なんなのよ……前はあたしが命令すれば『プリン様〜』だなんてメッロメロになった男がすぐに駆け寄ってきたのに……ふ、ふふふ、時の流れは怖いわね」
(「焔孔雀」の扇子で己を扇ぐ。熱風が漂った。額から滴る脂汗を手の甲で拭い取り、現実から目を背けるよう不意に視線を逸らせば「宿屋」の入口から姿を現した青年を見かけ。)
「──そこのあなた! あたくしはプリンセス・アラモード、皆が羨み嫉妬する高貴なるお姫様よ! どう、あたくしを姫プする気はない? あ、どうせ暇潰しだからそこまでガチじゃないのよ、なんてね、オーッホッホッホ!」
(自称お姫様らしからぬ大声で話しかけた。)
>>17 ハナヤマ様