>>45
おっと······
(すんでのところで背後からの奇襲を察知し、異能にものを言わせた高速横飛びで剣を回避する。返す刀で首に回し蹴りを直撃させ、その隙に番兵Cに刺さった短剣も回収する。
そして目も止まらぬ速さで落ちていた手荷物も回収し────麻薬の麻袋で悩んだ。これをそのままにしておけば、殺人の上麻薬持ち込みの重大犯に仕立て上げられかねない。
······いや。数人の兵を血祭りにあげた時点で、もう執るべき方針は決定している。
せめてもの腹いせとして麻袋を踏みつけておいて、元来た門へと走り出そうとする)
帝国兵
「撃て!!」
元来た門へ走り出す相手の背後、街の中から現れた帝国の弓兵達が合成矢(コンポジット・ボウ)を構え、号令の下、一斉に相手一人に向けて矢が放たれる
矢の一本一本の精度は悪いものの、数十本単位で統制が取れた状態で放たれているため、精度の悪さが逆に範囲の広さと回避の困難さを生み、異能を持たぬ雑兵レベルであるとは思えないほどの殺傷能力を作り出している