>>44
帝国 番兵D
「おらッ!!」
《ゴオッ》
投げられた短剣が番兵Cの体に突き刺さり、倒れるものの、背後に回り込んでいた番兵が剣を大きく振り上げて人数の差を活かした背後からの奇襲を仕掛けて斬り伏せようとする。
こうしている間にも次々と帝国兵達が集まって来ており、いつの間にか最初に門の前にいた兵士の数の倍の人数になっており、街の中にも更に多数の守衛がいる事を考えると、どれだけの敵兵と戦わなければならなくなるのかは想像もつかない。
更に、ローマ帝国の強みである、高度に組織化された軍隊の特徴から、既に近隣の帝国兵にもこの一件が報告され、援軍が送り込まれて来るのかわからない……
個々の力に幾ら秀でていようと、百や二百の兵には敵わないだろう
それが出来るのであれば、ローマ帝国は地中海を席巻する程の大国を作り上げることは出来ていない
おっと······
(すんでのところで背後からの奇襲を察知し、異能にものを言わせた高速横飛びで剣を回避する。返す刀で首に回し蹴りを直撃させ、その隙に番兵Cに刺さった短剣も回収する。
そして目も止まらぬ速さで落ちていた手荷物も回収し────麻薬の麻袋で悩んだ。これをそのままにしておけば、殺人の上麻薬持ち込みの重大犯に仕立て上げられかねない。
······いや。数人の兵を血祭りにあげた時点で、もう執るべき方針は決定している。
せめてもの腹いせとして麻袋を踏みつけておいて、元来た門へと走り出そうとする)