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なにかほかとは違う特別な対応をする事はかえって差別などを不利益を被ることをはじめ、当人の自助能力を弱めるばかりか、障害者もひとりのひとであるためひとの尊厳があり、ソレを傷つける恐れがあるという、いわゆる「障害者個性論」というヤツですね。
わたしはこの考え方には基本的には賛成なのですが、過度に「一般人と同等の」扱いをすることが進むと、たとえば「障害者へ支援を行う事は逆差別であろうから、打ち切り」など、政治的なレトリックを手に入れた障害者に快くない感情を持った政治家が極論に走ったり、障害の程度はそれぞれ違うのに、たとえば障害が自閉症スペクトラム障害だとしたら「少し変わった子」から、「通常の社会生活が困難を極める子」までいるのに、軽度の子だけを見て、「自閉症スペクトラム障害というレッテルを貼ることこそが障害の始まりである。障害は個性である」と断じて、程度を問わずあらゆる障害への支援や治療行為の一切を遠ざけてしまわないか、その人の程度にあった、かつ本当に必要なひとに支援が行き渡るかが心配です。繰り返すようになりますが、「じぶんは障害者である」という後ろめたさを持たせないためにも、障害者個性論には賛成の立場ですが、しかしながら程度の差がある以上、すべて個性論で片付く問題でないと思います。