ユダヤ人はなぜ嫌われたのか?そして、なぜナチスの標的にされたのか?

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7:委員長:2018/02/25(日) 10:56 ID:JNw

ユダヤ人差別と迫害は、中世以降のヨーロッパの伝統のような気がします。
根底には
「宗教が違うから蔑視される」(ユダヤ人=キリスト殺しとされていましたし)
「商業とくに金融業への偏見」
(商業ーとくに金融業ーは卑しいとされたのです。
フィレンツェの大富豪メディチ家から
フランス王家に輿入れした王妃カトリーヌ・ド・メディシスが保守的な貴族たちからバカにされたのも、それが原因。)

「富裕な人やインテリー医者や学者などーも多いユダヤ人への妬み」
ということが根底にはあると思います。

為政者たち(国王、皇帝、領主)たちは、金融業にたずさわる
ユダヤ人を利用する(はっきりいえばよく借金をする。ユダヤ人からお金をかりないと、
戦争ができない。息子や娘の結婚式にかかる莫大な費用も不足ーということも日常茶飯事)一方、
何かあればスケープ・ゴートにしていた一面があります。

(民衆の政治へ不満をそらすために、ユダヤ人叩きとか迫害をすることも。
口実をつけてユダヤ人の財産を没収し、領土内から追い出すーということも
よくあったようです。

民衆の不満のガス抜きになり、自分達の借金も帳消しになり、
国庫も潤うーという一石三鳥を狙ったようです)

このあたりの為政者とユダヤ人の複雑な関係は、ウォルター・スコットの小説
「アイヴァンホー」を読むと、なんとなくわかります。
(イングランド王弟ジョン親王ーのちに国王にーと、ユダヤ人の富豪アイザックの関係で)

カスティーリャ国王ペドロ一世とか(漫画「アルカサルー王城ー」の主人公)
とか、神聖ローマ皇帝フリードリヒ2世のように、ユダヤ人を重用したり、
保護した君主の評判は同時代の人にはよくない。
ユダヤ人追放に踏み切ったカトリック両王(カスティーリャ女王イザベル一世と夫の
アラゴン国王フェルナンド2世)のような君主は、同時代の人間たちからは称賛される
傾向にあったようです。
(今日ではユダヤ人追放が後世のスペイン衰退の一因となったーと
歴史学界では指摘されているそうです。)

ペドロ一世はのちに庶出の異母兄エンリケに殺害され、王位を奪われます。
理由は色々ありますが、ペドロ一世がユダヤ人を財務長官に起用し、ユダヤ人の保護政策をとっていたことが貴族や聖職者たち、国民の反ユダヤ感情を掻き立て、王位を奪われる
一因となったようです。

エンリケのはじめたトラスタマラ王朝では、前王朝とは違いユダヤ人は
冷遇されます。
エンリケの子孫にあたるカトリック両王ーカスティーリャ女王イザベル一世と夫のアラゴン王フェルナンド2世ーは、ユダヤ人追放と、異端審問所設置という政策をとりました。

かように中世以来ユダヤ人は政治にいつも翻弄され、政治情勢の変化に
よっては迫害されることも珍しくなかったようです。

ナチスのやりくちも中世以来の伝統ーとう見方をする歴史学者もいるようです。


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