ネットでちゃんとした議論って不可能だよね?

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2:倫理ヶ原:2020/10/13(火) 08:05 ID:V2M

ネットの掲示板などにある誰もが参加できるような議論において、「ある状況を真に改善しようという目的」を持つ人は少ないです。
つまり、その議論に参加する目的は、マウントを取るためとか、知見を深めるためとか、知識をひけらかすためとか、そういう元来の議論の目的とは大きく外れたものであると推察できます。

良質な議論というのは、論証すべき大きな命題があって、真か偽かを決定するために、いくつもの小さな命題を論証していく過程がきちんとあることですから、その能力があれば大学に行かなくとも可能であると言えます。

そこで、この能力をより詳しく分解してみると、まずは、相手の主張を理解するための論理力、議論整理力です。これは、高校の現代文などでもやりますね。制限時間内に、いかに筆者、相手が伝えたい主張、そしてそれを真であると裏付ける対立命題、反復命題などを整理できるか、という能力です。
これは述語論理学的な要素を大きく含んでいます。つまり、思考能力ではなく、相手の思考を正確に理解する能力と言えるでしょう。
次に、必要なのは論証能力です。これは自分の主張・反論がいかに正しいのかを証明するための、『知識・語彙力・思考力』を総括した総合能力のことです。良質な議論というのは、大きな命題があって、それが真か偽かを話し合うべく行われるものですから、その議論の観点は全て大きな命題に向かわなければなりません。その大きな命題に対して、見ている視点である観点がズレると、いわゆる論点がズレたなどというように言われます。いかに論点をずらさないでおけるかというのも重要な論証能力に含まれると思います。
最後に相手への配慮性です。理性的な議論は、相手を配慮しなければ、往々にして議論レベルの水準が低くなりがちです。
ということで、僕が考える良質な議論に必要な要素というのは大別して以上の三つの、論理力、論証能力、配慮性です。
この三つを身につけることができれば、理論的には、大学に行かなくとも良質な議論ができるでしょう。
ただし、やはり…さんが仰る通り、現実的には大学に行かなければ、良質な議論を行うことは困難でしょう。
というのも、日本の高校までの教育課程においては、大学での論文記述ということをあまりさせませんから、論証能力がまず得られません。
それに、最近の国際学力テストを見る限り、日本人の現代文に対する苦手意識というのもまだまだ見られます。つまり、論理力、相手が何を伝えたいのかを正確に制限時間内に理解する能力というのも芳しくありません。
加えて何より、堂々と議論の席に着くことができるのは、自分自身の一定の自信に由来します。
この努力に裏付けられた自信というものは、著しく低いのではないのでしょうか。
ということで、まとめると結論的には、良質な議論は大学に行かなくても可能。
ただしそれは、理論上の話であり、現実的にはそれが困難。


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